JP2008075171A - 耐熱合金ばね、及びそれに用いるNi基合金線 - Google Patents
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Abstract
【課題】Ni基合金でなる耐熱ばね用合金線における特性の向上を図り、安定した耐へたり性と耐酸化性を発揮でき、前記課題を解決し得る高温環境用の耐熱合金ばね及びその為の耐熱合金線の提供を目的とする。
【解決手段】質量%でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.50%以下、Cr:13.0〜25.0%、Mo:1.5〜7.0%、Ti:0.5〜4.0%、Al:0.1〜3.0%を含む。その他、W、Nbなどのいずれか1種以上を含んで残部実質的にNi及び不可避不純物で構成したNi基合金材でなり、かつその結晶粒内に、平均粒子径(d)が25nm以上で、かつ該合金材のビッカース硬さ(以下Hv硬さという)との関係比(Hv/d)が5〜25であるγ’〔Ni3 (Al.Ti,Nb)〕を形成したことを特徴とする耐熱合金ばねと、その為の耐熱合金線である。
【選択図】図1
【解決手段】質量%でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.50%以下、Cr:13.0〜25.0%、Mo:1.5〜7.0%、Ti:0.5〜4.0%、Al:0.1〜3.0%を含む。その他、W、Nbなどのいずれか1種以上を含んで残部実質的にNi及び不可避不純物で構成したNi基合金材でなり、かつその結晶粒内に、平均粒子径(d)が25nm以上で、かつ該合金材のビッカース硬さ(以下Hv硬さという)との関係比(Hv/d)が5〜25であるγ’〔Ni3 (Al.Ti,Nb)〕を形成したことを特徴とする耐熱合金ばねと、その為の耐熱合金線である。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車エンジンの排気系統におけるマフラー内での配管切替えバルブ、あるいは種々加熱炉など、高温環境下で用いる装置、機器に好適に使用し得る耐熱合金ばね、及びそれに用いるNi基合金線に関する。
従来、耐熱用ばねに使用される合金線としては、例えばステンレス鋼線ではSUS304、SUS631J1などが比較的安価であることにより使用されてきた。しかしその耐用温度はせいぜい200〜400℃程度に留まる。
そのため,例えばインコネルX−750、インコネル718などのNi基合金線が耐熱用の合金線として広く使用されている。例えば「ばね技術研究会・昭和62年度秋期講演会前刷集P29〜32」は、インコネル718(C:0.04%,Cr:18.5%,Al:0.6%,Ti:0.9%,Nb+Ta:5%,Mo:2.9%,Fe:17.8%,Ni:残部)を、温度450〜500℃における耐熱特性試験において従来のインコネルX750と比較している。その結果として、従来のインコネルX750からなるばね材と比較して、インコネル718のばねは、環境温度500℃で約2倍の耐熱性を有することが判明したと述べている。
このように、耐熱温度が500℃程度までで使用されるばねの場合には、それに用いる合金線として強度特性が比較的安定した材料がある。従って、材料価格、加工性、特性などの観点で種々選択できる。しかしながら、例えば自動車や航空機等のエンジン排気系統に用いられる種々ばね製品では、これを超える例えば600℃以上の高温環境下で使用できる耐熱性が要求される。合わせて、高温環境下でも熱へたりの少ない長寿命の特性が必要とされる。
例えば、図3は自動車エンジンのマフラーの一例を示すものであって、図3(A)はその全体の断面構造を示し、図3(B)はその開閉バルブの要部拡大図である。この中でマフラー10は、金属製ケース11内にこの例では3つに区画された小部屋(A1〜A3)を備えている。小部屋(A1〜A3)は配管(P1〜P4)で各々継がっている。例えば配管(導入管)P1から送給される排気ガスGは図中矢印に従って、各小部屋内に送られ最終的に配管(排気管)P4から排出する。このとき、前記耐熱ばねSは、図3(B)に見られるように、配管P2の先端部(小部屋A1内)に設けた開閉バルブ12の蓋体13を押圧する押圧用ばねとして用いられる。
すなわちこの例では、排気ガスGは前記導入管P1に設けた側孔B1と先端口B2から、小部屋A2及びA3内に充満する。充満した排ガスGの一定量までは配管P3で小部屋A1内に送られ、排出管P4から放出される。しかし、その供給量が設定容量を超えた時点で開閉バルブ12が開き、配管P2をバイパスとして流路形成できる。前記ばねSのばね特性は前記開閉バルブ12に合わせて設定されている。
またこのようなマフラー10に送給される排気ガスGは、エンジン内で燃焼した高温状態である。ゆえに、前記ばねSにはこうした高温状態に耐え得る耐熱性と、供給される排気ガスGの設定容量を実質的に制御しうるばね性能とが要求される。又熱に耐えてへたりの発生を抑制する熱へたり率が小であることが要請され、かつ長寿命であることが必要となる。なお、“熱へたり率”とは、成形されたばねに所定応力を負荷して変形させ、その状態で高温環境に所定時間さらした後の荷重減少分を試験当初の負荷荷重で除したもので、例えば次式で示すことができる。
WS=(P1−P2)/P1
ただしWS:荷重損失(%)
P1:試験前の締付応力600MPa相当のばね高さhにおける荷重(N)
P2:試験後のばね高さhにおける荷重(N)
なお、その値が小さいもの程、耐熱ばねとしては好ましいものである。
WS=(P1−P2)/P1
ただしWS:荷重損失(%)
P1:試験前の締付応力600MPa相当のばね高さhにおける荷重(N)
P2:試験後のばね高さhにおける荷重(N)
なお、その値が小さいもの程、耐熱ばねとしては好ましいものである。
こうした用途の耐熱ばねについて、C:0.01〜0.40%,Cr:5.0〜25.0%,Al:0.2〜8.0%を含有し、Mo:1.0〜18.0%,W:0.5〜15.0%,Nb:0.5〜5.0%,Ta:1.0〜10.0%,Ti:0.1〜5.0%及びB:0.001〜0.05%から選択される少なくとも1種を含有し、さらにFe:3.0〜20.0%およびCo:1.0〜30.0%の少なくとも1種を含有する残部Niと不可避不純物でなる耐熱Ni合金線が提案されている(例えば特許文献1)。この耐熱Ni合金線は、引張強さと結晶粒を規制することにより、耐熱温度700℃以下の条件下で使用できるとしている。
また同様に、前記特許文献1に近似する組成を有し、さらにZrを添加したNi基合金線について、結晶粒度、表面粗さを規定した提案がある(例えば特許文献2)。このものは、環境温度700℃での残留剪断ひずみ率が0.3%以下にできるとしている。
さらに、耐熱ステンレス鋼において、粒界に析出するη相〔Ni3 Ti:hcp構造〕と、基地であるγ相結晶粒内に析出するγ’(ガンマプライム)相([Ni3 (Al.Ti,Nb)](本件発明では、γ’[Ni3 (Al.Ti,Nb)]、又は単にγ’と呼ぶことがある)との重量比率「{η相〔Ni3 Ti:hcp構造〕/γ’〔Ni3 (Al,Ti,Nb)〕}×100」が、0.01〜10.00%としたばね用合金も提案されている(特許文献3)。なおγ’〔Ni3 (Al,Ti,Nb)〕を1〜20nmの球状粒子としている。前記γ相とはオーステナイトを意味する。
しかしながら、近年の各種機器類は高性能化と小型化が求められている。例えば前記自動車のエンジンや排気系統に使用される高温ばねにおいては、実質的に、ばね特性、機械的強度を損なうことなく、これまで以上の環境温度(例えば700〜800℃)で使用しうることが求められる。かかる環境温度では従来から提案された前記耐熱材料では使用し難い。
すなわち、前記特許文献1の耐熱合金線は、従来から高温材料として知られていたインコネルX−750やインコネル718等のNi基合金である。その引張強さ、結晶粒、結晶のアスペクト比をある範囲に特定することにより特性向上を狙っている。又実施例として、特許文献1の実施例品は、締付応力600MPa、かつ温度650℃×24hrにおける残留剪断歪が0.3%であったとされている。しかしながら、特許文献1のものでは、この使用温度650℃よりさらに高い温度、例えば700℃のような高温環境において用いるときには、残留剪断歪はさらに大きくなり、寿命が低下するおそれがある。即ち、環境温度650℃での残留剪断ひずみ量0.2〜0.37%を例示しているとしても、それを越える温度環境下での特性には言及しない。
また、特許文献1のものでは、結晶粒径、アスペクト比を規定しているものの、その具体的な判断基準の説明がない。しかも組成として、各元素の含有範囲を広く設定しているため、結晶組織、生地状態が大きくばらつくことが推定される。ゆえに結晶粒径、アスペクト比の範囲の設定は大して意味がないものとなる。
さらに前記特許文献2は、ほぼ引用文献1のものと同様に環境温度650℃までは比較的安定し良好な耐熱性を有していると記載する。しかし700℃での剪断ひずみ量は急激に上昇している。従って、この両温度間には特性が変化する臨界的な領域があるものと推測される。また、その温度間の領域での適正条件は引用文献2の記載からは容易に設定できない。
前記特許文献3はステンレス系の線材であって、Ni量も10〜50wt%であって、実施例では25%及び35%としている。このようなものでは、Niを主要組成とするγ’〔Ni3 (Al,Ti,Nb)〕の析出量が比較的少ないと推定できる。又粒径が小さいものとなったとしても十分な耐熱効果が得られ難い。
このように前記各特許文献による耐熱合金線では、環境温度はせいぜい650℃に留まる。本発明は特に耐熱温度をより高く設定しうるNi基合金に着目するとともに、その結晶内部に析出するγ’〔Ni3 (Al,Ti,Nb)〕の形態制御が有効との知見に基づき完成した。
本発明は、Ni基合金を用いた耐熱ばね用合金線における特性の向上を図り、安定した耐へたり性と耐酸化性を発揮でき、前記課題を解決し得る高温環境用の耐熱合金ばね、及びそれに用いるNi基合金線の耐熱合金線の提供を目的とする。
本願請求項1に係る発明は、質量%でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.50%以下、Cr:13.0〜25.0%、Mo:1.5〜7.0%、Ti:0.5〜4.0%、Al:0.1〜3.0%、
並びにW:0.15〜2.50%、B:0.001〜0.020%,Zr:0.01〜0.3%,Nb:0.30〜6.00%,Co:5.0〜18.0%,Cu:0.03〜2.00%のいずれか1種以上を含むことがあり、
及び残部が実質的にNiと不可避不純物であるNi基合金材からなるとともに、
その結晶粒内に、平均粒子径(d)が25nm以上、かつ該Ni基合金材の表層側からその中心側に向かって、全厚さ又は線径の1/4深さ位置におけるビッカース硬さ(Hv)と、前記平均粒子径(d(nm))との硬度・径比(Hv/d)が5〜25であるγ’〔Ni3 (Al.Ti,Nb)〕を形成したことを特徴とする耐熱合金ばねである。
並びにW:0.15〜2.50%、B:0.001〜0.020%,Zr:0.01〜0.3%,Nb:0.30〜6.00%,Co:5.0〜18.0%,Cu:0.03〜2.00%のいずれか1種以上を含むことがあり、
及び残部が実質的にNiと不可避不純物であるNi基合金材からなるとともに、
その結晶粒内に、平均粒子径(d)が25nm以上、かつ該Ni基合金材の表層側からその中心側に向かって、全厚さ又は線径の1/4深さ位置におけるビッカース硬さ(Hv)と、前記平均粒子径(d(nm))との硬度・径比(Hv/d)が5〜25であるγ’〔Ni3 (Al.Ti,Nb)〕を形成したことを特徴とする耐熱合金ばねである。
請求項2に係る発明は、前記Ni基合金材が、質量%でC:0.08%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.50%以下、Cr:16.00〜22.00%、Co:11.00〜14.00%、Mo:5.00〜7.00%、Ti:2.50〜4.00%、Al:1.50〜3.00%、
並びにW:0.50〜2.50%と、B:0.001〜0.020%と、Zr:0.01〜0.30%とのいずれか1種以上を含み、かつ残部が実質的にNiと不可避不純物からなり、しかも線径が4mm以下であることを特徴とする。
並びにW:0.50〜2.50%と、B:0.001〜0.020%と、Zr:0.01〜0.30%とのいずれか1種以上を含み、かつ残部が実質的にNiと不可避不純物からなり、しかも線径が4mm以下であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記γ’が、平均粒子径30〜80nmで、かつオーステナイトの母相結晶粒内に密集状態で存在していること、請求項4に係る発明は、ばね成形後、温度Tが1000(K)以上、かつ熱処理時間tが、T(K)×t(hr)を1000〜10000とする時効熱処理を行うこと、請求項5に係る発明は、前記Ni基合金材が、その任意断面内での結晶粒の中に双晶を複合形成したものであること、請求項6に係る発明は,前記双晶が、測定視野内における結晶粒の最短直径が10μm以上の結晶粒の総数(Ns)の中で、該双晶を有する結晶粒の総数(Nc)の割合(Nc/Ns)が30%以上であること、請求項7に係る発明は、自動車エンジンの排気バルブ用に用いられるものであることをそれぞれ特徴としている。
又請求項8に係る発明は、請求項1に記載の耐熱合金ばねに用いるNi基合金線であって、質量%で、質量%でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.50%以下、Cr:13.0〜25.0%、Mo:1.5〜7.0%、Ti:0.5〜4.0%、Al:0.1〜3.0%、
並びにW:0.15〜2.50%、B:0.001〜0.020%,Zr:0.01〜0.3%,Nb:0.30〜6.00%,Co:5.0〜18.0%,Cu:0.03〜2.00%のいずれか1種以上を含むことがあり、
及び残部実質的にNiと不可避不純物で構成であるNi基合金材からなるとともに、
冷間伸線加工によって前記Hv硬度320〜480、縦弾性係数が150,000〜230,000N/mm2 を備えることを特徴とするNi基合金線である。
並びにW:0.15〜2.50%、B:0.001〜0.020%,Zr:0.01〜0.3%,Nb:0.30〜6.00%,Co:5.0〜18.0%,Cu:0.03〜2.00%のいずれか1種以上を含むことがあり、
及び残部実質的にNiと不可避不純物で構成であるNi基合金材からなるとともに、
冷間伸線加工によって前記Hv硬度320〜480、縦弾性係数が150,000〜230,000N/mm2 を備えることを特徴とするNi基合金線である。
請求項9に係る発明は、前記不可避不純物が、その質量%においてCa:0.05%以下、Mg:0.05%以下、N:0.03%以下、O:0.05%以下及びH:0.01%以下のいずれか1種以上が規制されたものであることを特徴とし、請求項10に係る発明は、表面にNiめっきが形成され、かつ最終伸線加工前の固溶化熱処理時の拡散によって、前記表面と前記めっき層との界面に、Ni分量の濃度勾配を形成したものであることを特徴とするNi基合金線である。
請求項1に係わる発明は、成分組成が調整されたNi基合金材からなる耐熱合金ばねでしる。又このNi基合金材は、質量%で、13.0〜25.0%のCr、1.5〜7.0%のMo、及び耐熱性向上の為にTiとAlとを少なくとも含有する。そのため、特にMo及びAlによって格子歪率を大きくして定常のクリープ速度を抑制する。又これら元素の分量を前記質量%とすることで、生地マトリックスの固溶強化を図っている。更に前記AlやTiとともにNiとの金属間化合物であるγ’を析出させることにより強化し、かつ耐熱性及び熱へたり性を高めている。この為、より高い高温環境下での利用が可能な耐熱合金ばねとなり、種々な高熱における用途への展開が可能となる。
こうした成分調整に加え、その結晶組織内に、平均粒子径が25nm以上、かつこの平均粒子径(d)と,所定深さのビッカース硬さ(Hv)と前記平均粒子径(d)との関係比(Hv/d)を5〜25とするγ’を析出させる。これにより、材料が変形する際に起こる転位の移動を有効に阻止して、剛性、弾性を高め、熱へたり性を向上する。
又請求項2の発明では、前記合金組成の量の範囲を小とすることにより、請求項1について記載した作用効果をより高める。又請求項3の発明では、その粒子径を30〜80nmの適正範囲にすることで、γ’が転位の移動に対して抵抗する際のバイパス機構を抑制し、その特性を高めることができる。さらに請求項4の発明では、時効熱処理によりバネ特性の安定化を図ることができる。
さらに請求項5及び6の発明では、前記γ’と双晶をともに形成することにより、耐熱合金ばねとしての強度特性及び熱へたり性を高めることができる。従って、請求項7の発明のように、長寿命化と高品質化が求められる自動車エンジンの排気バルブ調整用ばねとして採用できる。
請求項8に係る発明において、耐熱合金ばね耐熱ばねとして用いるNi基合金線は伸線加工後のばね(コイリング)加工におけるばね成形品質のバラツキを抑える。又その後の時効熱処理では容易に所定のγ’を形成して、高品質の耐熱ばねが提供できる。しかも高硬度と高弾性率を有することから、高温状態でも優れた弾性特性を持たせ、ばね品質と製造歩留まりに優れる。
さらに請求項9の発明では、不必要な炭化物、窒化物、酸化物などの析出を抑え、均質性に優れたばね用の合金線を提供できる。請求項10の発明では、表面にNiめっきが形成されていることから、ばね成形など種々加工に対する潤滑性を持たせることができる。又その両者界面に拡散に伴ってNi成分を濃度勾配的に形成できる。しかもNiめっきは内部の前記合金線に拡散により結合することからめっき剥離やクラックなどの問題が改善できる。
耐熱合金ばね1は、Niを主元素とするNi基合金材を用いるものであって、例えば図4(A)(B)に示す、エンジン排気系マフラー10内の開閉バルブ12の蓋体13を閉じる向きに付勢する高温環境用のコイルばねSとして用いられている。
前記Ni基合金材は、質量%でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.50%以下、Cr:13.0〜25.0%、Mo:1.5〜7.0%、Ti:0.5〜4.0%、Al:0.1〜3.0%、
並びにW:0.15〜2.50%、B:0.001〜0.020%,Zr:0.01〜0.3%,Nb:0.30〜6.00%,Co:5.0〜18.0%,Cu:0.03〜2.00%のいずれか1種以上を含むことがあり、及び残部実質的にNiと不可避不純物とからなる。又耐熱合金ばね1の結晶粒内には、γ’(ガンマプライム)相([Ni3 (Al.Ti,Nb)]を形成して耐熱性を向上する。
並びにW:0.15〜2.50%、B:0.001〜0.020%,Zr:0.01〜0.3%,Nb:0.30〜6.00%,Co:5.0〜18.0%,Cu:0.03〜2.00%のいずれか1種以上を含むことがあり、及び残部実質的にNiと不可避不純物とからなる。又耐熱合金ばね1の結晶粒内には、γ’(ガンマプライム)相([Ni3 (Al.Ti,Nb)]を形成して耐熱性を向上する。
Ni基合金材の組成元素についてのべると、特に耐熱性とばね特性の観点からCr:13.0〜25.0%を含み、かつMo,Ti,Alなどの耐熱元素を添加している。
前記組成においてCは固溶強化元素であり、添加により強度を増すが、過剰の添加は炭化物の析出等を招くために好ましくない。この為に添加量は0.1以下とし、望ましくは0.08%以下とする。
Si、Mnは共に脱酸材として添加されるが、過剰に添加すると製造性の低下を招くので望ましく無いことからSi≦1.0%以下、Mn:1.50%以下とし、より好ましくは各々0.50%以下とする。
Crは、このような耐熱Ni基合金では非常に重要な元素であり、耐酸化性を得るのに必須である。十分な耐酸化性を得るために13.0%の添加を必要とするが、過剰の添加は熱間加工性を低下させるためにその上限を25.0%とし、更に好ましくは16.00〜22.00%とする。
Coは添加による高強度化を図ると共に、合金の耐熱温度を上昇させるが、極めて高価な元素であり過剰の添加はコストアップを招くので、添加する場合は5〜18%、好ましくは11.00〜14.00%とする。
W・Moは耐熱性を高める固溶強化元素であり、特に高温でのクリープ特性を改善する為、更にW:0.15〜2.50%、Moは1.5〜7.0%の添加が好ましい。しかし過剰の添加はコストアップとなるので,好ましくはW:0.50〜2.50%、Moは5.00〜7.00%にするのが良い。
Al,Ti及びNbは、本発明にかかる耐熱合金ばね及びそれに用いるNi基合金線において極めて重要な元素であり、ばね加工後の時効処理によってγ’(ガンマプライム)相[Ni3 (Ti,Al)]を析出させることによって耐熱性を大幅に向上させることができる。しかし過剰の添加は何れも容易に炭・窒化物を生成して欠陥となる。故にAiは0.1〜3.0%、Tiは0.5%〜4.0%を添加とし、また必要ならば、更にNbは0.30〜6.00%とするのがよい。これら元素によってγ’を積極的に形成しやすくしている。
またNiは、Al、Tiが前記のようにγ’の主要元素とするものであることから、その含有量は少なくとも50%を超える量であることが望ましい。
Cuはその添加によって伸線加工性が向上するが、過剰の添加はばね強度が得られない。このため添加する場合は0.03〜2.00%とする。Zr及び/又はBは、材料のクリープ破断強度を高め、また熱間圧延性を得るのに適している。これら元素を添加しない場合では熱間圧延性が低下するために圧延時に疵や割れ等の欠陥が生じ易く、線材を効率よく得ることが出来にくくなる。また、仮に線材が得られたとしても、その後のコイリングや使用中に折損等の発生を招き易い。したがってばねとして長期間の信頼性を得る為に例えばB:0.001〜0.020%、Zr:0.01〜0.3%のうち少なくとも1種を含むことが望ましい。
またその他の不純物としては、例えばCa:0.05以下、Mg:0.05%以下、N:0.10%以下、O:0.10%以下、H:0.01%以下とし、これらいずれかを調整することで、炭化物、窒化物、あるいは酸化物等の析出を抑制ことができ、またそれ以外にも、例えば一般的な金属材料と同様にP、Sを各々0.010%以下程度に抑制することも好ましい。またFeは他の元素に付帯して完全な排除は困難であり、本願発明では5.00%以下の含有を許容する。
このように、本発明にかかる耐熱合金ばねは、Niとの金属間化合物γ’を形成有する。前記のように、このγ’は変形や外力に伴い発生する転位の移動を良好に阻止する障害物となる。また前記組成のNi基合金では、Mo及びAlは格子歪率による定常クリープ速度の抑制とともに、生地マトリックスの固溶強化を図ることができる。このように、多くのγ’を形成した本発明の耐熱ばねは、耐熱性を高めうる。
このγ’は、前記のように、該合金材中のNiとAl、又は更にTi,Nbなどを加えた金属間化合物γ’[Ni3 (Al,Ti,Nb)]として形成され、例えばNi3 Alを基本型とするLl2 型fcc規則構造を有する金属間化合物であり、単位立方体の頂点にはAl原子が、またその面心にはNi原子が入った構造を有する。したがって、ベース金属がステンレス系、鉄系の合金材料の場合に比して多量の生成が可能であり、またその形態も、50000倍に拡大した例えば図1に見られるように非常に微細でかつ硬質な球状の粒子形状となる。そのため、これを適宜大きさに調整して多量に結晶粒内に密集状態で存在させることにより該合金材自体の硬さを高めるとともに、転位の移動を抑えてばね特性を向上し得るのである。
特にγ’は、状態図的にも高温領域まで安定し、γ相(オーステナイト相)に対する固溶度が大きい。故に多くの析出が可能であり、また他の金属間化合物に比して延性が大きく、多量に析出しても材料自体の延性低下が抑制できる。しかも、生地のγ相とは結晶構造が近似することから、長時間のクリープ強度が劣化しにくいなどの利点もある。こうした特徴を持つγ’〔Ni3 (Al.Ti,Nb)〕を複合することにより、その耐熱特性を向上し耐熱ばね用としての利用性を高め得る。
なお、Ni基合金材としてより好ましくは、質量%でC:0.08%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.50%以下、Cr:16.00〜22.00%、Co:11.0〜14.0%、Mo:5.00〜7.00%、Ti:2.50〜4.00%、Al:1.50〜3.00%、W:0.50〜2.50%、及び必要に応じてB:0.001〜0.020%とZr:0.01〜0.30%の少なくとも一方を含むNi基合金線である。
γ’〔Ni3 (Al.Ti,Nb)〕は、結晶粒内の平均粒子径(d)が25nm以上としている。さらに該Ni基合金材の表層側からその中心側に向かって、全厚さ又は線径の1/4深さ位置におけるビッカース硬さ(Hv)と前記平均粒子径(d)との硬度・径比(Hv/d)をが5〜25としている。これにより、高温におけるばねの強度と耐へたり性を両立することができ、ばねとしての機械的特性の向上及び転位を抑制できる。
平均粒子径(d)に関しては、本発明者のNi基合金材についての実験結果によれば、前記析出物γ’はその粒径が大きくなるのに伴って材料硬さは増していく。しかし、粒径約100nmを越える辺りから硬さが低下する現象を見出し得た。ゆえにNi基合金は、少なくとも25nm以上の粒子径を持つことが有効である。また平均径が25nm未満の場合は、粒子が必要以上に細かくなりすぎて転位の移動をブロックする十分な効果が期待できない。また、逆に該粒子が粗大化したものでは、仮にこれを密集させてもそこには大きな隙間が形成され、その隙間内を転位が張出して通過しやすくなる(bypass現象)。故に大きさは25nm以上、好ましくは30〜100nm、より好ましくは30〜80nmとする。またその場合の平均粒子径については、該粒子は例えば同図1にも見られるように実質的に球状であることから、その測定した粒子直径を平均化することにより求める。
なお、該γ’の粒径及び分布率は例えば該合金材の組成比、時効熱処理段階での温度、時間、雰囲気環境などの条件によって設定可能である。しかし前記組成のNi基合金は、図1に見られるように無数の粒子を適宜大きさにして密集させた状態とする。なおγ’形成のためには、耐熱ばねの成形後において時効熱処理を施す。その熱処理条件としては、例えば温度Tが1000K以上、かつ加熱時間t(Hr)と温度(K)との積が1000〜10000、好ましくは2000〜8000の範囲内での条件とする。この範囲内での時効処理条件では、最終伸線状態での合金線の機械的特性を損なうことなく、特性向上を図ることができる。
また前記硬度・径比(Hv/d)を、前記のように、5〜25としている。これによって対転移性を向上し、対へたり性を向上できる。硬度・径比が5未満のものではγ’の粒径が必要以上に大きくなってばね強度が低下するとともに、転移に対する抵抗性に劣ることとなる。一方、25を超える場合は逆にγ’の粒径が小さいことからへたりの幅が大きく、使用前後での荷重差が大きくなることが懸念される。より好ましくは8〜20とする。また耐熱合金ばねのHv硬さを400〜550とする。なおこのHv硬さは、該合金材の表面表層部からその断面中心側に向かって、その全体厚さ(線材の場合はその外径)の1/4の位置で測定した値とする。
γ’は、線材の一部を切除して樹脂へ埋め込み、研磨後に横断面のビッカース硬さ測定とと粒子径とを、顕微鏡観察により観察できる。顕微鏡観察は、その横断面をエッチング腐食して結晶組織を識別可能である。γ’は、エッチングにより行うこともできるが、硫酸+メタノール液で電解エッチングすることによっても求めうる。なお測定は、例えば電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)での50,000〜100,000倍に拡大して行うことができる。
また本発明の耐熱合金ばねは、前記γ’〔Ni3 (Al.Ti,Nb)〕以外にその結晶内に図2に見られるように、双晶を発生させたものも含む。この双晶はγ’との複合作用によって、耐熱合金ばねの性能をさらに高め得る。
双晶は、例えば「再結晶と材料組織」(第1版:内田老鶴圃:発行)にも説明されているように周知の結晶であって、焼きなましによる再結晶双晶と塑性加工による変形双晶が知られている。この中で、双晶境界は他の粒界に比べて粒界に沿った原子配列の乱れが少なく、構造的にも緻密であり、したがって粒界エネルギーが低く、不純物の偏析、粒界腐食がされにくく、破壊しにくいなどの効果がある。したがって、本発明ではこの双晶の特性と前記γ’による転位の移動の防止機能との複合効果を耐熱合金ばねに利用することも包含している。図2はこの双晶組織の一例として、再結晶双晶による状態を示す組織写真であって、図2(A)は400倍、図2(B)は200倍に各々拡大している。
多くの結晶粒が、このような双晶を持つことにより、γ’による前記作用に加えて、双晶による組織的強度特性を活用できる。好ましくは測定視野内での結晶粒の総数(Ns)と、双晶を有する結晶粒の総数(Nc)との双晶割合(Nc/Ns)を30%以上のもの、好ましくは50〜95%とする。
双晶割合(Nc/Ns)は、例えばばねを構成する合金材の各成分組成のバランス、及びその加工工程中に行われる種々熱処理(例えば固溶化熱処理)時の処理条件を調整することで可能である。双晶割合(Nc/Ns)の測定値は測定した結果の平均値とする。例えば3〜5点程度の視野について各々測定した結果の平均を平均値とすることもできる。
また双晶割合(Nc/Ns)は、測定の対象とする結晶粒を、その大きさが10μm以上の粒径を持つものとする。これは、顕微鏡検査する場合の測定面中には、各結晶粒がランダムかつ自由な方向に分布したものが混在している。故に中央部を測定している結晶粒とともに端部を観ているものなど種々な位置で測定される結晶粒がある。しかも、球形でない結晶粒もあるため、少なくとも10μm以上の大きさのものに限っている。これにより、確率的に実際の発生率に近い結果となることが判明している。
なお結晶粒の粒径とは、測定面上での最短直径、又は結晶断面が非円形の場合はその向き合う各対辺間同士の隔たりの最短寸法とする。また双晶の粒径は、例えば合金材の切断された試験断面を鏡面研磨後、所定のエッチングによる腐食処理をして浮き上がらせる。なお、エッチング方法としては、例えばエタノール・塩酸と塩化第二銅からなるエッチング液に浸漬するのが容易に実施でき好ましく、これを100〜400倍程度の顕微鏡により、目視で測定することができる。
本発明の耐熱合金ばねは、図3に示した自動車エンジンの排気バルブに用いる場合を例示したが、その形状や寸法、形態、及び用途について制限するものではない。また線材以外にも、例えば帯材、角線、不定形線材や板材などにより種々形態のばね(例えば、コイルばね、トーションばね他)に成形加工できる。その材料の寸法としては、線材では例えば線径4mm以下(0.2〜4mm)とする。なお、前記γ’を析出させる為に、通常、ばね成形後に前記時効熱処理を実施する。
なお、前記Ni基合金材は、耐熱合金ばねのコイリング前において、熱処理と冷間伸線加工をくりかえしながら細径化する。線材では最終加工率は20〜60%、より好ましくは30〜45%で行なわれる。加工率は、Ni基合金材を加工硬化して機械的特性を高める。故に大きく設定するのが通例である。しかし加工率を大にすると、ばね加工性を低下させ、使用に伴うへたり率が大きくなることから、あまり大きな加工率は好ましくなく前記範囲とする。なお、中間段階で行う伸線加工については各加工率は10〜70%の範囲内で設定している。
前記加工により、該Ni基合金材はHv硬さが320〜480で、かつ縦弾性係数が150,000〜230,000N/mm2 となる。ばね材として高硬度で高弾性特性を有する。このNi基合金線の表面に、前記伸線加工前、最終伸線加工前または加工後に例えばNiめっきの潤滑被膜を形成することが好ましい。これにより前記伸線加工、またはばねへのコイリング加工を容易とし品質を向上できる。
また前記双晶を形成するために、例えば最終伸線加工前の前記Ni基合金線(好ましくはNiめっき被覆)を温度900〜1200℃で10〜1000秒間加熱し、その後5〜300℃/秒で冷却する溶体化熱処理を行う。このような溶体化処理により線材の硬さ・弾性係数とともに積極的に双晶を発生させる。このために最終溶体化熱処理時の線材の冷却速度は、伸線後の合金線の機械的特性及び伸線加工性に影響を及ぼす。より好ましくは5〜100K/秒、更に望ましくは10〜70K/秒に設定する。これにより、十分な伸線加工性と線材としての硬さ・縦弾性係数、かつばね加工後の硬さをえることができ、双晶を発生させる。なお溶体化熱処理後の冷却条件を5K/秒よりも小とするときには、硬さと弾性係数はやや増加する場合があるものの、顕微鏡検査において双晶の発生率が少ないことが確認されている。このように、最終伸線前のこの溶体化熱処理は、ばね成形後に行う前記時効熱処理に先行して行うことなる。
また伸線加工やコイリングのためにNi基合金線の表面には、例えばNiめっき、さらにカリウム、ナトリウムなど無機塩系の潤滑被膜などを施すことができる。これによりその後のコイリング加工や端部折曲げなどにおける成形冶具との摩擦を減じることができる。このNiメッキは、例えば弗硝酸あるいは弗硫酸溶液で表面の酸洗処理を行った後、例えばスルファミン酸Ni浴中で行う。なおNiめっきの厚さは2〜15μm程度とする。なお前記したカリウム、ナトリウムなど無機塩系の潤滑被膜は各々単独に用いる他、例えば前記Niメッキ上に施し補助潤滑剤として用いる積層被覆とすることもできる。
また前記したように、これら潤滑被膜は伸線加工前に施すことが好ましい。特にNiメッキを施した最終伸線加工前のメッキ線材を固溶化熱処理したものでは前記合金線と前記めっき層との界面に、Ni分量の濃度勾配を形成することにより両者の結合を高め密着性を向上することができる。また前記Niめっきの層は、伸線加工によって鱗片状に分裂してその間に微細溝が形成される。この微細溝内に前記補助潤滑剤を収容でき、より優れた潤滑性能をもたらす。一般的に、Niメッキ上に付与される前記潤滑被膜の付着量は0.05〜4.0g/m2 程度とし、例えば硫酸カリウム・硫酸カルシウムなどを主成分とした補助潤滑剤を用いうる。
なお図3(A)(B)で例示した耐熱合金ばね1は、供給される排気ガスGの供給圧が一定圧力に達した時点で蓋体13を開放でき、例えばコイル中心径(D):40mm以下で該中心径と前記合金線の線径d(mm)との比(D/d)を3〜20の密着巻きしている。なおこれらばねの形状や特性は使用する配管の径や取り付け状態、押圧力の大小などに応じて任意に調整できる。
このようなNi基合金線は、耐熱合金ばねとして、前記のように、線引き加工後にばね(コイリング)加工がなされる。このコイリング加工に好適する為にNi基合金線は0.2%耐力値を1200〜1600N/mm2 とする。これによりばね成形品質のバラツキを抑え、かつ超高温状態で所定の弾性を持たせる。又形状品質と製造歩留まりを確保するものとする。0.2%耐力が1200MPa未満のものでは十分なばね特性が得られず、また1600MPaを越えるとばね加工性を悪化させることから前記範囲を設定した。この伸線後の表面状態は、いずれもNiを含有することからメッキ密着性に優れ、また表面粗さは例えばRz0.2〜8.0μm程度、好ましくは0.3〜6.0μmとする。
本発明者は、表1に示す実施例品1〜17の組成の材料、及び比較例品1〜11の組成のNi基合金の材料を選定した。各々真空溶解にて150kgのインゴットを作成後、熱間圧延によりφ5.5mmのRODを製作した。この中で、比較例品1〜4は本発明の組成を充足しないものである。比較例品5〜7及び8〜10は、その後の製造処理条件の差を比較する為に実施例品1〜3と同じ材料を用いたものである。さらに比較例品11は前記先行特許文献1に相当するインコネル718材を用いたものである。そして、これら各線材について冷間伸線加工と熱処理を繰り返しながら、最終加工率30%での冷間伸線加工によってφ2.4mmの合金線とした。その特性を表1に併せて示す。
なお、中間段階で行う伸線加工については加工率10〜70%の範囲内で設定している。又最終伸線工程前に、ストランド熱処理炉によって温度1250〜1450Kの範囲内で、また処理時間については、10〜1000秒の範囲で調整した溶体化熱処理を行った。これにより双晶を発生させる。溶体化熱処理後の冷却条件を表1に示す条件とした。実施例品では、このように設定することにより線材の硬さ・弾性係数とともに積極的に双晶を発生させる。これに対し、比較例品については、表1に示すように、必須元素を変化させ、処理を実施例品と同じとしたもの、あるいは冷却条件を変化させたものを含む。
これら各線材の伸線加工性について、実施例品は、いずれも伸線加工等も問題なく行うことが出来た。しかし、比較例品については例えば比較例2では伸線加工時に線材の一部に割れが発生したために歩留が低下するなど、加工性に問題があるものも見られた。
また比較例品8〜10は、前記実施例品1〜3及び比較例品5〜7と各々同一成分の材料を有する。しかし溶体化熱処理後の冷却条件を2K/秒にしたことから、硬さと弾性係数はやや増加しているものの、この段階での顕微鏡検査において双晶の発生率が少ないことが確認されている。さらに比較例品11はインコネル718(特許文献1)に相当することから、比較例品の中では耐熱特性に優れたものである。
こうして得られた最終伸線後の各試料のビッカース硬さと縦弾性係数の結果は前記表1に示している。本発明品はいずれもHv硬さ400〜500で縦弾性係数150〜230GPaを有している。なおビッカース硬さについてはJIS Z 2244により、線材を樹脂に埋め込んで研磨し、横断面にて試験荷重2.492Nで行ない、測定点は表面から線径の1/4中心寄りの位置について4点測定して、その平均値を測定値とした。縦弾性係数については合金線の引張試験を実施し、応力−歪み曲線の初期の比例部傾きより
E=σ/ε
ただしE:縦弾性係数(N/mm2 )
σ:縦方向の応力(N/mm2 )
ε:縦方向の歪
の式にて求めたものである。
E=σ/ε
ただしE:縦弾性係数(N/mm2 )
σ:縦方向の応力(N/mm2 )
ε:縦方向の歪
の式にて求めたものである。
次に、コイリング成形後のばね特性を評価する為に、前記溶体化熱処理した各合金線を別途準備した。これを弗硝酸あるいは弗硫酸溶液で表面の酸洗処理を行った後、スルファミン酸Ni浴に浸して各々厚さ5μmのNiメッキしたNi基合金線を形成した。該合金線は前記実施例品1と同様に伸線加工する為に、線表面に補助潤滑剤として硫酸カリウム・硫酸カルシウムを主成分とした潤滑皮膜を塗布する。その後、前記と同様に加工率30%、仕上線径φ2.4mmでの最終冷間伸線加工を焼結ダイヤモンドダイスで行ったものである。
この伸線後の表面状態は、いずれの合金線もメッキ密着性に優れ、表面粗さはRz0.5〜3.2μmで、またその他の特性についても実施例1の結果とほぼ同様であった。また被膜付着量も被膜の濃度を調整することにより望ましい範囲内のものが得られた。
そこでこの被覆合金線のコイリング性を評価する為に、コイル中心径18.5mm,有効巻き数4.5,自由長45mmの圧縮コイルばねを成形した。加工はコイリングマシン(新興機械工業(株)製)を用いて、特に問題なくコイリング加工できた。
こうして得た各コイルばねについて、ばね特性を更に高める為に表2による時効熱処理を行った。実施例材は何れも温度T(k)×時間t(Hr)の範囲を1000〜10000の範囲で行ない、比較例品5〜7は熱処理温度Tと熱処理時間tの変化による影響を見る為に、各々調整したものである。
得られたコイルばねは線材の場合と同様に、その一部を切除して樹脂へ埋め込み、研磨後に横断面のビッカース硬さ測定と、顕微鏡観察による双晶とγ’相の発生状況を観察した。
得られたコイルばねは線材の場合と同様に、その一部を切除して樹脂へ埋め込み、研磨後に横断面のビッカース硬さ測定と、顕微鏡観察による双晶とγ’相の発生状況を観察した。
顕微鏡観察は、その横断面をエッチング腐食して結晶組織を識別可能とした。双晶はエタノール・塩酸と塩化第二銅からなるエッチング液に浸漬して結晶粒界を発生させた後、光学顕微鏡200倍での顕微鏡写真を用いて、双晶の発生比率を測定した。なお、双晶を測定するに当たっては、対象とする10μm以上の大きさの結晶だけを予め抽出しておき、その中から双晶を持つ結晶だげを抜き出した。その双晶の結晶の数を数え検査した全結晶の数で除すことにより、双晶割合(Nc/Ns)を求めた。その結果は表2に示しており、この結果から本発明に係る合金線は、いずれも多くの双晶結晶粒を有し、その発生率は30%以上であった。
一方、γ’の組織観察については、前記双晶の場合と同様の方法でエッチングしても測定できる。しかしこの実施例では、硫酸+メタノール液で電解エッチングした。測定は電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)での50,000〜100,000倍に拡大して行った。実施例品は何れも平均25nm以上(25〜79nm)の粒子径のγ’が観察され、また前記硬度・径比(Hv/d)も5.9〜21.7の結果を有するものであった。
このことから、最終溶体化熱処理時の線材の冷却速度は、伸線後の合金線の機械的特性及び伸線加工性に影響を及ぼす。又双晶の発生量にも重要である。実施例品では例えば5〜100K/秒、望ましくは10〜70K/秒に設定することで、十分な伸線加工性と線材としての硬さ・縦弾性係数、かつばね加工後の硬さ、双晶発生にも有効であった。また時効熱処理の付加は前記γ’の形成にも有効なことが確認された。
次に、ばねの熱へたり性を評価する為に次の圧縮試験を行った。
試験は、前記処理を行った各ばねについて、締付け応力600MPaに相当する応力まで圧縮した状態で冶具に取り付けて温度700℃の環境温度内で100時間加熱した後、一旦これを取り外し、そのばねに対して再度、前記負荷応力600MPa時のばねの高さになるまで圧縮した時のばね荷重と最初にセットした時のばね荷重の差から、荷重損失を求めたものである。
試験は、前記処理を行った各ばねについて、締付け応力600MPaに相当する応力まで圧縮した状態で冶具に取り付けて温度700℃の環境温度内で100時間加熱した後、一旦これを取り外し、そのばねに対して再度、前記負荷応力600MPa時のばねの高さになるまで圧縮した時のばね荷重と最初にセットした時のばね荷重の差から、荷重損失を求めたものである。
結果は表2に示すように、本実施例品では前記γ’の粒径とそれに対するHv硬さとの調整により、荷重損失はいずれも40〜47%と、他の比較例の64〜74%に比して非常に小さく、高温においても良好なばね特性を有することが確認された。したがって、本発明によるNi合金線は、例えば700℃を超えるような高温環境下でも優れたばね特性を発揮することができるものである。
1 耐熱合金ばね
10 エンジン排気系マフラー
12 開閉弁
10 エンジン排気系マフラー
12 開閉弁
Claims (10)
- 質量%でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.50%以下、Cr:13.0〜25.0%、Mo:1.5〜7.0%、Ti:0.5〜4.0%、Al:0.1〜3.0%、
並びにW:0.15〜2.50%、B:0.001〜0.020%,Zr:0.01〜0.3%,Nb:0.30〜6.00%,Co:5.0〜18.0%,Cu:0.03〜2.00%のいずれか1種以上を含むことがあり、
及び残部が実質的にNiと不可避不純物であるNi基合金材からなるとともに、
その結晶粒内に、平均粒子径(d)が25nm以上、かつ該Ni基合金材の表層側からその中心側に向かって、全厚さ又は線径の1/4深さ位置におけるビッカース硬さ(Hv)と、前記平均粒子径(d(nm))との硬度・径比(Hv/d)が5〜25であるγ’〔Ni3 (Al.Ti,Nb)〕を形成したことを特徴とする耐熱合金ばね。 - 前記Ni基合金材は、質量%でC:0.08%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.50%以下、Cr:16.00〜22.00%、Co:11.00〜14.00%、Mo:5.00〜7.00%、Ti:2.50〜4.00%、Al:1.50〜3.00%、
並びにW:0.50〜2.50%と、B:0.001〜0.020%と、Zr:0.01〜0.30%とのいずれか1種以上を含み、かつ残部が実質的にNiと不可避不純物からなり、しかも線径が4mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱合金ばね。 - 前記γ’は、平均粒子径が30〜80nmで、かつオーステナイトの母相結晶粒内に密集状態で存在していることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐熱合金ばね。
- ばね成形後、温度Tが1000(K)以上、かつ熱処理時間tが、T(K)×t(hr)を1000〜10000とする時効熱処理を行ったものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱合金ばね。
- 前記Ni基合金材は、その任意断面内での結晶粒の中に双晶を複合形成したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱合金ばね。
- 前記双晶は、測定視野内における最短直径が10μm以上の結晶粒の総数(Ns)の中で、該双晶を有する結晶粒の総数(Nc)の割合(Nc/Ns)が30%以上であることを特徴とする請求項5に記載の耐熱合金ばね。
- 自動車エンジンの排気バルブ用に用いられるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐熱合金ばね。
- 請求項1に記載の耐熱合金ばねに用いるNi基合金線であって、
質量%でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.50%以下、Cr:13.0〜25.0%、Mo:1.5〜7.0%、Ti:0.5〜4.0%、Al:0.1〜3.0%、
並びにW:0.15〜2.50%、B:0.001〜0.020%,Zr:0.01〜0.3%,Nb:0.30〜6.00%,Co:5.0〜18.0%,Cu:0.03〜2.00%のいずれか1種以上を含むことがあり、
及び残部実質的にNiと不可避不純物で構成されるとともに、
冷間伸線加工によってHv硬度を320〜480、縦弾性係数を150,000〜230,000N/mm2 を備えることを特徴とするNi基合金線。 - 前記不可避不純物は、その質量%がCa:0.05%以下、Mg:0.05%以下、N:0.10%以下、O:0.10%以下、及びH:0.01%以下のいずれか1種以上が規制されたものであることを特徴とする請求項8に記載のNi基合金線。
- 表面にNiめっきが形成され、かつ最終伸線加工前に固溶化熱処理を行うことにより拡散によって、前記表面と前記めっき層との界面に、Ni分量の濃度勾配を形成したことを特徴とする請求項8又は9に記載のNi基合金線。
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