JP2019044173A - 制振材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】制振性能に優れる制振材料の提供。【解決手段】本発明の制振材料は、ウレタンアクリレート樹脂と、重量平均粒子径が1μm〜200μmであり、平均アスペクト比が1〜100である扁平粒子からなる制振フィラーとを含み、JISK7391:2008に準拠した片持ちはり法により求められる損失係数η(20℃、3次モード)の値が0.02以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、制振材料に関する。
振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収する制振材料が知られている。この種の制振材料としては、例えば、アクリルゴムに、扁平粒子からなる制振フィラー(例えば、マイカ)を配合したものが利用されている(特許文献1参照)。
特開2015−143322号公報
近年、制振材料の更なる制振性能の向上が求められている。
本発明の目的は、制振性能に優れる制振材料を提供することである。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> ウレタンアクリレート樹脂と、重量平均粒子径が1μm〜200μmであり、平均アスペクト比が10〜100である扁平粒子からなる制振フィラーとを含み、JISK7391:2008に準拠した片持ちはり法により求められる損失係数η(20℃、3次モード)の値が0.02以上である制振材料。
<2> 前記ウレタンアクリレート樹脂100質量部に対し、前記制振フィラーが、1質量部以上300質量部以下の割合で配合されている前記<1>に記載の制振材料。
<3> 前記制振フィラーは、マイカからなる前記<1>又は<2>に記載の制振材料。
本願発明によれば、制振性能に優れる制振材料を提供することができる。
制振材料の制振性を評価する片持ちはり法の説明図 実施例8等の制振性評価の結果(共振曲線)を示すグラフ
〔制振材料〕
本実施形態の制振材料は、振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収する材料であり、例えば、振動源やその周囲の部材に貼り付ける形で使用される。制振材料は、主として、ウレタンアクリレート樹脂と、制振フィラーとを含む。
(ウレタンアクリレート樹脂)
ウレタンアクリレート樹脂は、制振材料のベース樹脂(母材)として使用される。ウレタンアクリレート樹脂は、ウレタン成分(ウレタン結合)とアクリル成分を含むポリマーである。このようなウレタンアクリレート樹脂としては、例えば、一分子中に、少なくとも1個のウレタン結合と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを含むウレタンアクリレートモノマーの重合体(a)、前記ウレタンアクリレートモノマーと他の重合性モノマー(例えば、ビニル基等の重合性官能基を含むモノマー)との共重合体(b)、アクリル成分と共に2個以上の水酸基を含むアクリル系ポリオールと、2個以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネートとの反応物(c)等が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」は、「アクリロイル基」及び/又は「メタクリロイル基」(「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」のうち、いずれか一方又は両方)を表すものとする。
前記重合体(a)は、1種類のウレタンアクリレートモノマーの単独重合体であってもよいし、2種類以上のウレタンアクリレートモノマーの共重合体であってもよい。前記重合体(a)に使用されるウレタンアクリレートモノマーとしては、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族アクリレートが好ましい。前記ウレタンアクリレートモノマーとしては、例えば、ダイセル・オルネクス株式会社製の商品名「EBECRYL(登録商標)」の各シリーズ(8402、8804、8807等)、共栄社化学株式会社製の商品名「UF−8001G」等を用いることができる。
前記重合体(a)の重合には、熱を受けてラジカルを生成する熱重合開始剤が利用される。前記重合体(a)の重合の際には、ウレタンアクリレートモノマー以外に、制振フィラーが存在している。そのため、紫外線等の光を受けてラジカルを生成する光重合開始剤を使用することは好ましくない。前記熱重合開始剤としては、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類 、パーカーボネート類等の有機過酸化物が使用され、特に、パーカーボネート類が好ましい。
前記熱重合開始剤の配合量は、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、前記ウレタンアクリレートモノマー100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下である。熱重合開始剤の配合量が、このような範囲であると、制振フィラーを含んだ系において、前記ウレタンアクリレートモノマーを確実に重合することができる。
前記共重合体(b)は、一分子中に、少なくとも1個のウレタン結合と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを含むウレタンアクリレートモノマーと、他の重合性モノマー(例えば、イソボニルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン等)を含む組成物を重合(共重合)したものからなる。前記組成物中における前記他の重合性モノマーの含有率は、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はないが、例えば、40質量%以下が好ましい。前記共重合体(b)を作製するために使用されるウレタンアクリレートモノマーとしては、例えば、前記重合体(a)の説明で例示したウレタンアクリレートモノマー等が挙げられる。また、前記共重合体(b)を作製するために使用されるアクリル系モノマー(他の重合性モノマーの一例)としては、例えば、共栄社化学社製の商品名「ライトアクリレートL−A」、「ライトアクリレートIB−XA」、「ライトアクリレート1.6HX−A」等が挙げられる。また、前記共重合体(b)を作製するために使用される前記組成物としては、例えば、ダイセル・オルネクス株式会社製の商品名「EBECRYL(登録商標)」の各シリーズ(4491、8411、8413、8800等)、同社製の商品名「KRM(登録商標)」の各シリーズ(7735等)等が挙げられる。なお、前記共重合体(b)の重合(共重合)には、前記重合体(a)の重合と同様の熱重合開始剤を、同様の前記配合量で使用することができる。
前記反応物(c)に使用される前記アクリル系ポリオールとしては、例えば、東亞合成株式会社製の商品名「UH−2000」の各シリーズ(UH2041等)、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートの重合体等が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」(「アクリレート」及び「メタクリレート」のうち、いずれか一方又は両方)を表すものとする。また、前記反応物(c)に使用される前記ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートが好ましい。具体的な有機ポリイソシアネートとしては、例えば、東ソー株式会社製の商品名「ミリオネート MTL」(変性ジフェニルメタンジイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート)等が挙げられる。なお、前記アクリル系ポリオールと前記ポリイソシアネートとの反応(重合反応)は、公知の手法(触媒を利用した熱重合等)を用いることができる。
ウレタンアクリレート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定されるが、例えば、−50℃〜110℃が好ましく、−50℃〜90℃がより好ましい。ウレタンアクリレート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、想定される制振材料の使用温度付近に設定される。このように、ウレタンアクリレート樹脂のガラス転移温度(Tg)を適宜、設定することで、目的とする損失係数ηを得やすい。
(制振フィラー)
制振フィラーは、重量平均粒子径が1μm〜200μmであり、平均アスペクト比(重量平均粒子径/平均粒子厚)が1〜100である扁平粒子からなる。扁平粒子の重量平均粒子径及び平均アスペクト比がこのような範囲であると、制振材料の制振性能が確保される。このような扁平粒子としては、白雲母、金雲母等の雲母(マイカ)、窒化ホウ素等が挙げられ、雲母が好ましい。前記重量平均粒子径は、10μm〜180μmが好ましく、20μm〜170μmがより好ましい。なお、前記重量平均粒子径は、JISZ8815(1994)に記載された篩分け試験により試料(制振フィラー)の粒度分布を測定し、対数確率紙{横軸:粒径、縦軸:累積含有量(重量%)}に、累積含有量と粒子径との関係をプロットし、累積含有量が50重量%に対応する粒子径を求めることにより得られる。また、平均アスペクト比を算出する際に用いられる制振フィラーの平均粒子厚は、走査型顕微鏡(SEM)観察による画像中に見える制振フィラー(扁平粒子)を30個ランダムに選択し、各制振フィラー(偏平粒子)の厚みを測定して得られる単純平均値である。
制振材料中における制振フィラーの配合量(含有量)は、JISK7391:2008に準拠した片持ちはり法により求められる制振材料の損失係数η(20℃、3次モード)の値が0.02以上となるように設定される。前記片持ちはり法の詳細は、後述する。
例えば、前記ウレタンアクリレート樹脂100質量部に対し、前記制振フィラーは、300質量部以下、好ましくは250質量部以下、より好ましくは170質量部以下の割合で配合されもよい。また、前記制振フィラーは、例えば、前記ウレタンアクリレート樹脂100質量部に対し、1質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上の割合で配合されてもよい。前記制振フィラーの配合量が、このような範囲であると、前記損失係数η(20℃、3次モード)の値を0.02以上に設定し易い。
制振フィラーは、前記重合体(a)に使用されるウレタンアクリレート、前記共重合体(b)に使用される前記ウレタンアクリレートと他の重合性モノマーとを含む組成物、又は前記反応物(c)に使用されるアクリル系ポリオールとポリイソシアネートとを含む組成物に対して、適宜、添加される。
(その他の成分)
制振材料は、本発明の目的を損なわない限り、ウレタンアクリレート樹脂、制振フィラー以外の成分を含んでもよい。例えば、ウレタンアクリレート樹脂以外の樹脂成分、制振フィラー以外のフィラー、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤等が、制振材料中に配合されてもよい。
(制振材料の形態等)
制振材料の形態は、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はないが、例えば、シート状に成形される。シート状の制振材料は、加工性、成形性等に優れ好ましい。また、制振材料は、そのまま振動源等の制振対象物に接触させて使用してもよいし、制振材料に両面粘着型の粘着剤層(両面粘着テープ)の一方の粘着面を貼り付け、他方の粘着面を、制振対象物に貼り付ける形で使用されてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〜8及び比較例1〕
(制振材料用組成物の作製)
ウレタンアクリレートモノマー100質量部に対して、0.5質量部の熱重合開始剤を添加し、それらを混ぜ合わせた。その後、その混合物に対して、表1に示される配合量(質量部)の制振フィラーを添加し、それらを撹拌しつつ脱泡することで、実施例1〜8及び比較例1の制振材料用組成物を得た。
前記ウレタンアクリレートモノマーとして、商品名「EBECRYL(登録商標)8402」(ダイセル・オルネクス株式会社製、アクリロイル基を2個有し、かつウレタン結合を少なくとも1個有する脂肪族ウレタンアクリレート、無溶剤、重量平均分子量:1000、硬化物Tg(ガラス転移温度):14℃)を使用した。
前記熱重合開始剤として、商品名「PERKADOX(登録商標)16」(化薬アクゾ株式会社製、ジ−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(混合物))を使用した。
前記制振フィラーとして、商品名「YM−21S」(株式会社ヤマグチマイカ製、白雲母、重量平均粒子径:23μm、嵩比重:0.14g/ml、水分:0.5%、アスペクト比:70、生産国:インド)を使用した。
(制振材料の作製)
上記制振材料用組成物を、所定の金型内に流し入れ、その後、その状態の金型を所定のプレス機にセットした。そして、前記金型を、100℃、15分間の条件の下、プレス機でプレス(ホットプレス)することで、前記制振材料用組成物を熱硬化させた。このようにして、前記制振材料用組成物の熱硬化物からなる実施例1〜8のシート状の制振材料及び比較例1のシート状の比較材料1を得た。
〔比較例2〕
制振フィラーを添加しないこと以外は、実施例1等と同様にして、比較例2の組成物を得た。そして、比較例2の組成物を用いて、実施例1等と同様、前記組成物の熱硬化物からなる比較例2のシート状の材料(比較材料2)を得た。
〔評価1〕
(制振性評価)
実施例1〜8の制振材料及び比較例1,2の比較材料1,2について、JISK7391:2008「非拘束形制振複合はりの振動減衰特性試験方法」に準拠した片持ちはり法により、制振性の評価を行った。以下、制振性の評価方法について、詳細に説明する。図1は、制振材料の制振性を評価する片持ちはり法の説明図である。先ず、各材料(制振材料、比較材料1,2)から、短冊状の試験片S(220mm×10mm×1mm)を切り出した。そして、その試験片Sを、図1に示されるように、一方の端部B1にスペース(つかみしろ、長さ:30mm)が形成されるように、冷間圧延鋼板(SPCC)からなる基材B(250mm×10mm×1mm)の片面に両面粘着テープ(アクリル系粘着剤、厚み:0.14μm)を介して貼り付けた。その後、試験片Sが貼り付けられた基材Bの一端(つかみしろ)B1を、振動試験機10(製品名「VIBRATION GENERATOR 903−PN/A」、エミック株式会社製)が備える固定部11に固定した。そして、加速度検出器(製品名「NP−2106」、電気出力型加速度検出器、株式会社小野測器製)20を、図1に示されるように、固定端(固定部に固定された基材の根元部分)から、長さ方向に40mmの箇所に取り付けた。
このような状態において、20℃の温度条件の下、振動試験機10を加速度0.4G(3.92m/s)で振動させて、その振動周波数を5〜1000Hzまで、0.5オクターブ/分で変化させた。そして、基材を1次、2次、3次等の各モードで共振させ、その時の基材の振動を、加速度検出器20で検出し、その検出結果に基づいた共振曲線(横軸:周波数〔Hz〕、縦軸:倍率〔dB〕)を作成した。
次いで、共振曲線のうち、3次モードにおけるピーク値(共振倍率)を示した共振周波数f(Hz)と、そのピーク値よりも3dB下がった値を示した周波数f,f(f<f<f)とに基づいて、下記式(1)から損失係数ηを算出して、試験片の制振性を評価した。なお、損失係数ηは、制振性能の評価指標の1つであり、損失係数が大きいほど制振性に優れていると言える。結果は、表1に示した。なお、試験片を貼り付けずに、基材Bのみで、制振性を評価した場合を、比較例3とした。
η=(f−f)/f ・・・・・(1)
〔評価2〕
(柔軟性評価)
実施例1〜8の制振材料及び比較例1,2の比較材料1,2について、以下に示される方法及び基準に基づいて、柔軟性を評価した。結果は、表1に示した。
各実施例等のシート状の試験片(厚み1mm)を、水平な台上において、直径20mmの金属棒の曲面を利用して、一方の端部が台上に配置しかつ他方の端部が立ち上がる形で、折り曲げた。立ち上がった部分の試験片と台(台面)との間の角度と、試験片に発生する割れとの間の関係を把握し、以下に示される評価基準に基づいて、各実施連等の試験片の柔軟性を評価した。結果は、表1に示した。
「◎」・・・・・ 割れ無く90°まで折り曲げられた場合
「○」・・・・・ 30°までは割れ無く折り曲げられたものの、90°まで曲げると割れが発生した場合
「×」・・・・・ 30°まで曲げると割れが発生した場合
〔評価3〕
(成形性評価)
実施例1〜8の制振材料及び比較例1,2の比較材料1,2について、上記プレス機でプレス(ホットプレス)して熱硬化させた際の各材料(シート)の状態を、目視で確認し、以下に示される評価基準に基づいて、成形性を評価した。結果は、表1に示した。
<評価基準>
「◎」・・・・・ シートが全体的にしっかりと硬化している場合
「○」・・・・・ シートは全体的に硬化しており、形は崩れていないものの、周辺部(特に角部)にやや脆い部分がある場合
「×」・・・・・ シートの中心部分は硬化しているものの、周辺部が崩れている場合
Figure 2019044173
表1に示されるように、実施例1〜8の制振材料は、損失係数ηが0.026以上であり、比較例2,3と比べて、何れも制振性に優れることが確かめられた。なお、比較例1の比較材料1は、成形性が悪く、制振性を評価するための試験片を作製することができなかった。また、制振フィラーの配合量が多くなるにつれて、制振性が向上することも確かめられた。なお、比較例2の比較材料2は、制振フィラーを含んでいないものの、比較例3(基材のみ)と比べて、損失係数ηの値が大きく、ある程度の制振性を備えている。
また、実施例1〜8の制振材料のうち、実施例1〜5は、特に成形性に優れるものであった。実施例6〜8の制振材料は、制振性に問題ないものの、その周縁部に微細な欠けが見られた。
また、実施例1〜8の制振材料のうち、実施例1〜4は、評価対象となった各特性に優れるものであった。実施例5は、柔軟性がやや低くなるものの、損失係数ηの値が高く、成形性にも優れているため、用途次第では十分に優れた制振材料と言える。実施例6〜8の制振材料は、柔軟性と成形性がやや低下するものの、損失係数ηの値が高く、用途次第では、十分に使用可能な制振材料と言える。
なお、実施例8の制振材料は、制振性(制振性能)が非常に高いため、上述した制振性の評価方法により、正確な損失係数ηの値を求めることができなかった。図2は、実施例8等の制振性評価の結果(共振曲線)を示すグラフである。図2のグラフの横軸は、周波数(Hz)を表し、縦軸は倍率(dB)を表している。図2に示されるように、実施例8の共振曲線では、低周波数側において、略一定の倍率(dB)となるため、低周波数側の周波数が、ピーク値(共振周波数f)よりも3dB下がった値とならず、fを検出することができなかった。このような事情により、実施例8の制振材料の損失係数ηを、便宜上、「0.3以上」と示した。図2には、参考として、実施例8以外に、実施例2,4,6及び比較例2の共振曲線も示した。
また、実施例1〜8の制振材料は、使用する制振フィラーの量が少なくても(後述する比較例7参照)、優れた制振性能を発揮することができる。
〔比較例4〜6〕
アクリル系樹脂100質量部に対して、0.5質量部の熱重合開始剤を添加し、それらを混ぜ合わせた。その後、その混合物に対して、表2に示される配合量(質量部)の制振フィラーを添加し、それらを撹拌しつつ脱泡することで、比較例4〜6の組成物を得た。
前記アクリル系樹脂として、商品名「KANEKA XMAP(登録商標) RC100C」(株式会社カネカ製、両末端にアクリロイル基を有するアクリル系ポリマー、粘度:160Pa・s、比重:1.05、Tg(ガラス転移温度):−50℃)を使用した。また、前記熱重合開始剤及び前記制振フィラーは、実施例1等と同じものを使用した。
上記組成物を、実施例1等と同様、所定の金型内に流し入れ、その後、その状態の金型を所定のプレス機にセットした。そして、前記金型を、100℃、15分間の条件の下、プレス機でプレス(ホットプレス)することで、比較例4〜6の組成物を熱硬化させた。このようにして、前記組成物の熱硬化物からなる比較例4〜6のシート状の材料(比較材料4〜6)を得た。また、得られた比較例4〜6の材料について、実施例1等と同様の方法により、制振性の評価を行った。結果は、表2に示した。
〔比較例7〕
二本ロール混練機を使用して、アクリルゴム(商品名「NOXTITE PA−522HF」、ユニマテック株式会社製)を素練りした。そして、そのアクリルゴム100質量部に対して、350質量部の制振フィラー(実施例1と同じマイカ)を添加して混錬した。その後、更に、架橋剤0.6質量部及び架橋助剤2.0質量部を添加して混錬した。得られた混錬物を、所定のプレス機にセットし、165℃で10分間加熱して架橋させた。このようにして、前記混錬物の熱硬化物からなる比較例6シート状の材料(比較材料7)を得た。また、得られた比較例7の材料について、実施例1等と同様の方法により、制振性の評価を行った。結果は、表2に示した。
Figure 2019044173
表2に示されるように、アクリル系樹脂をベース樹脂として含む比較例4〜6の材料(比較材料4〜6)は、何れも、基材のみの場合(比較例3参照)と損失係数ηの値が変わらず、制振性を備えていないことが確かめられた。
また、表2に示されるように、アクリルゴムをベース樹脂として含む比較例7の材料(比較材料7)は、上記実施例1〜8と比べて、大量の制振フィラーを含んでいるものの、損失係数ηの値は0.015に留まった。
〔実施例6A〕
実施例6と同じ試験片を用意し、温度条件を−20℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、制振性評価を行った。結果は、表3に示した。
〔実施例6B〕
実施例6と同じ試験片を用意し、温度条件を85℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、制振性評価を行った。結果は、表3に示した。
Figure 2019044173
表3に示されるように、実施例6の試験片(制振材料)は、低温条件及び高温条件であっても制振性に優れること(−20℃でηが0.015以上であり、85℃でηが0.015以上であり、耐寒性及び耐熱性に優れること)が確かめられた。
〔実施例9〜13〕
制振フィラーとして、以下に示されるものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9〜13の組成物を作製した。そして、それらの組成物を用いて、実施例1と同様、前記組成物の熱硬化物からなる実施例9〜13のシート状の制振材料を得た。得られた実施例9〜13の制振材料について、実施例1等と同様の方法(温度条件:20℃)により、制振性の評価を行った。結果は、表4に示した。
実施例9では、制振フィラーとして、商品名「SYA−21R」(株式会社ヤマグチマイカ製、白雲母、重量平均粒子径:27μm、嵩比重:0.21g/ml、水分:0.5%、アスペクト比:90、生産国:インド)を180質量部使用した。
実施例10では、制振フィラーとして、商品名「J−31M」(株式会社ヤマグチマイカ製、雲母、重量平均粒子径:35μm、嵩比重:0.18g/ml、水分:0.4%、アスペクト比:75、生産国:日本)を180質量部使用した。
実施例11では、制振フィラーとして、商品名「S−400」(株式会社レプコ製、金雲母、重量平均粒子径:24μm、嵩比重:0.17g/ml、アスペクト比:30)を180質量部使用した。
実施例12では、制振フィラーとして、商品名「S−200HG」(株式会社レプコ製、金雲母、重量平均粒子径:55μm、嵩比重:0.20g/ml、アスペクト比:55)を180質量部使用した。
実施例13では、制振フィラーとして、商品名「S−150H」(株式会社レプコ製、金雲母、重量平均粒子径:160μm、嵩比重:0.28g/ml、アスペクト比:80)を180質量部使用した。
Figure 2019044173
表4に示されるように、実施例9〜13の試験片(制振材料)は、制振性に優れることが確かめられた。
また、実施例9〜13について、実施例1と同様、柔軟性及び成形性を評価した。その結果、上述した実施例6と同様、実施例9〜13の柔軟性の評価は、「〇」(30°までは割れ無く折り曲げられたものの、90°まで曲げると割れが発生した場合)であり、成形性の、「〇」(シートは全体的に硬化しており、形は崩れていないものの、周辺部(特に角部)にやや脆い部分がある場合)であることが確かめられた。
〔実施例14,15〕
制振フィラーとして、以下に示されるものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例14,15の組成物を作製した。そして、それらの組成物を用いて、実施例1と同様、前記組成物の熱硬化物からなる実施例14,15のシート状の制振材料を得た。得られた実施例14,15の制振材料について、実施例1等と同様の方法(温度条件:20℃)により、制振性の評価を行った。結果は、表5に示した。
実施例14では、制振フィラーとして、商品名「UHP−1」(昭和電工株式会社製、鱗片状の六方晶窒化ホウ素、重量平均粒子径:8μm、アスペクト比:10〜50)を180質量部使用した。
実施例15では、制振フィラーとして、商品名「PT110」(モメンティブ社製、鱗片状の窒化ホウ素、重量平均粒子径:45μm、アスペクト比:30)を180質量部使用した。
Figure 2019044173
表5に示されるように、制振フィラー(偏平粒子)として窒化ホウ素を使用した実施例14,15の試験片(制振材料)においても、制振性に優れることが確かめられた。また、実施例14,15について、実施例1と同様、柔軟性及び成形性を評価したところ、柔軟性の評価は、「◎」(割れ無く90°まで折り曲げられた場合)であり、成形性の評価は、実施例14が「◎」(シートが全体的にしっかりと硬化している場合)であり、実施例15が「〇」(シートは全体的に硬化しており、形は崩れていないものの、周辺部(特に角部)にやや脆い部分がある場合)であった。
〔実施例16,17〕
ウレタンアクリレートモノマーとして、以下に示されるものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例16,17の組成物を作製した。そして、それらの組成物を用いて、実施例1と同様、前記組成物の熱硬化物からなる実施例16,17のシート状の制振材料を得た。得られた実施例16,17の制振材料について、実施例1等と同様の方法(温度条件:−20℃、20℃及び85℃)により、制振性の評価を行った。結果は、表6に示した。
実施例16では、ウレタンアクリレートモノマーとして、商品名「EBECRYL(登録商標)4491」(ダイセル・オルネクス株式会社製、脂肪族ウレタンアクリレート(イソボニルメタクリレート20%含有)、重量平均分子量:7000、硬化物Tg(ガラス転移温度):−45℃)を使用した。
実施例17では、ウレタンアクリレートモノマーとして、商品名「EBECRYL(登録商標)4666」(ダイセル・オルネクス株式会社製、脂肪族ウレタンアクリレート(アロファネートタイプ)、無溶剤、重量平均分子量:1100、硬化物Tg(ガラス転移温度):83℃)を使用した。
Figure 2019044173
表6に示されるように、ガラス転移温度Tgの低いウレタンアクリレート(Tg=−45℃)をベース樹脂として使用した実施例16の場合、低温領域(−20℃付近)において損失係数ηが極大値を示した。このようにガラス転位温度Tgの低いベース樹脂を使用することで、低温領域における損失係数ηの値を高く設定できることが確かめられた。また、ガラス転位温度Tgの高いウレタンアクリレート(Tg=83℃)をベース樹脂として使用した実施例17の場合、20℃における損失係数ηが、−20℃及び85℃における各損失係数ηよりも大きい値となった。つまり、実施例17の場合、中温領域(20℃付近)で損失係数ηが極大値を示した。ただし、実施例17の場合、それよりもガラス転移温度Tgの低いウレタンアクリレート(Tg=14℃)をベース樹脂として使用した実施例6(6A,6B)と比べて、85℃における損失係数ηは大きい値となった。つまり、ガラス転位温度Tgの高いベース樹脂を使用することで、高温領域における損失係数ηの値を高く設定できることが確かめられた。また、実施例16,17について、実施例1と同様、柔軟性及び成形性を評価したところ、柔軟性及び成形性ともに、「〇」であった。
S…試験片(制振材料)、B…基材、B1…基材の端部(固定側)、10…振動試験機、11…固定部、20…加速度検出器

Claims (3)

  1. ウレタンアクリレート樹脂と、重量平均粒子径が1μm〜200μmであり、平均アスペクト比が10〜100である扁平粒子からなる制振フィラーとを含み、JISK7391:2008に準拠した片持ちはり法により求められる損失係数η(20℃、3次モード)の値が0.02以上である制振材料。
  2. 前記ウレタンアクリレート樹脂100質量部に対し、前記制振フィラーが、1質量部以上300質量部以下の割合で配合されている請求項1に記載の制振材料。
  3. 前記制振フィラーは、マイカからなる請求項1又は2に記載の制振材料。
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