JP2009141808A - スピーカーエッジ用硬化性制振材料 - Google Patents

スピーカーエッジ用硬化性制振材料 Download PDF

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Abstract

【課題】スピーカーの振動板やフレームとエッジとの接着において各種接着剤を使用する必要が無く、また、高い内部損失(Tanδ)を有するスピーカーエッジを提供すること、及び該スピーカーエッジの原材料として、ディスペンサー等を用いてスピーカーのエッジ部位に直接塗布してから熱や活性エネルギー線によって硬化させることのできるスピーカーエッジ用硬化性制振材料を提供すること。
【解決手段】 (A)重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマー及び(B)下記一般式(I)
Figure 2009141808

(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は複素環基である。また、R3は脂環式炭化水素基であるか、或いは、ある特定の構造を有する炭化水素基。)で表される(メタ)アクリル系モノマーを含有することを特徴とするスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、スピーカーエッジ用硬化性制振材料並びに該硬化性制振材料を硬化して得られる接着性に優れた硬化シート及びスピーカーエッジに関する。
スピーカーの振動板は、スピーカーエッジにより支持されている。かかるスピーカーエッジは、振動板の余分な振動を吸収できるよう、高い内部損失を有することが求められており、そのための材料として、これまでにエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム(特許文献1参照)、粘弾性発泡体(特許文献2参照)、ポリブチレンテレフタレート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(例えば、特許文献3参照)などが開発されてきた。また、スピーカーエッジを振動板やフレームと接着させるために、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、さらにはウレタン系ホットメルト接着剤等の接着剤(例えば、特許文献4参照)が開発され、利用されてきた。
特開平08−275288号公報 特開平09−294298号公報 特開平10−174191号公報 特開平06−125595号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の材料は、それ自体の接着性に乏しいため、スピーカーエッジを振動板等に付ける際に接着剤を使用する必要がある。かかる接着剤の使用により、振動系がより重くなり、スピーカーの音質を低下させるという問題があり、さらに、硬化までに比較的時間がかかるため、製造効率が悪いという問題などがある。かかる接着剤の問題点を低減すべくして特許文献4に記載のウレタン系ホットメルト接着剤等が開発され、これにより、少ない塗布量にて比較的早くて十分な接着が可能になったが、依然として塗布した接着剤の量に応じた音質の低下が生じるため、さらなる改善の余地がある。
本発明者等は上記問題に着目し、スピーカーエッジについて鋭意研究を重ねた結果、(A)重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマー及び(B)特定の(メタ)アクリル系モノマーを含有する硬化性制振材料を硬化して得られる硬化シートが、該特定の(メタ)アクリル系モノマーを含有しないか、又は該特定の(メタ)アクリル系モノマー以外の(メタ)アクリル系モノマーを含有する硬化性制振材料を硬化して得られる硬化シートよりも、それ自体が大きな接着性を有し、且つ高い内部損失を有するため、それ自体をスピーカーエッジとして使用することにより、振動板やフレームとの接着において各種接着剤を使う必要が無いことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1](A)重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマー[以下、成分(A)と略称することがある。]および(B)下記一般式(I)
Figure 2009141808
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は複素環基である。また、R3は脂環式炭化水素基であるか、或いは複素環基、カルボキシル基、水酸基、カルボン酸エステル構造、リン酸エステル構造、アミド基及びイミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する炭化水素基である。)で表される(メタ)アクリル系モノマー[以下、成分(B)と略称することがある。]を含有することを特徴とするスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[2]成分(B)が、該(メタ)アクリル系モノマーを単独重合して得られる重合体のガラス転移温度(Tg)が50〜170℃の範囲内となる(メタ)アクリル系モノマーである、前記[1]に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[3]成分(A)が、数平均分子量1000〜10000のポリエステルジオールと有機ジイソシアナートを、ジアミン化合物又はジオール化合物の存在下もしくは不存在下に反応させてイソシアナート基を両末端に有するポリウレタンジイソシアナートを形成した後、該両末端のイソシアナート基にモノオール化合物を付加させて得られる数平均分子量5000〜50000の硬化性ウレタン液状オリゴマーである、前記[1]又は[2]に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[4]前記ポリエステルジオールが、環状基含有ジカルボン酸又はその無水物と有機ジオールとが縮重合したポリエステルジオールである、前記[3]に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[5]前記ジアミン化合物が、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ノナンジアミン、イソホロンジアミン、へキサメチレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルメタンジアミン水素添加物、ビスアミノプロピルエーテル、ビスアミノプロピルエタン、ビスアミノプロピルジエチレングリコールエーテル、ビスアミノプロピルポリエチレングリコールエーテル、ビスアミノプロポキシネオペンチルグリコール、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン及び両末端アミノ基変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[3]又は[4]に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[6]前記ジオール化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール及び両末端水酸基変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[3]又は[4]に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[7]前記モノオール化合物が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート又はヒドロキシアルキルビニルエーテルである、前記[3]〜[6]のいずれか1つに記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[8]成分(A)が、下記一般式(II)
Figure 2009141808
(式中、R4は(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基を含有するモノオール化合物の脱水酸基残基であり、Xは有機ジイソシアナートの脱イソシアナート残基であり、Yは数平均分子量1000〜10000のポリエステルジオールの脱水酸基残基であり、pは1〜10である。)
で表され、かつ数平均分子量5000〜50000の硬化性ウレタン液状オリゴマーである、請求項1又は2に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[9]成分(B)が、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及びエポキシ変性リン酸(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]〜[8]のいずれか1つに記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[10]成分(B)の含有量が、成分(A)100質量部に対して2〜40質量部である、前記[1]〜[9]のいずれか1つに記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[11]さらに、揺変剤を成分(A)100質量部に対して0.1〜10質量部含有する、前記[1]〜[10]のいずれか1つに記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[12]前記揺変剤が水添ひまし油である、前記[11]に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料、
[13]前記[1]〜[12]のいずれか1つに記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料を硬化して得られる硬化シート、
[14]前記[1]〜[12]のいずれか1つに記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料を硬化して得られるスピーカーエッジ、
を提供するものである。
本発明によれば、高い内部損失(Tanδ)を有し、且つ振動板やフレームとの接着において各種接着剤を使用する必要の無いスピーカーエッジ及びその原材料であるスピーカーエッジ用硬化性制振材料を製造することができる。かかる本発明のスピーカーエッジ用硬化性制振材料は、熱や活性エネルギー線によって硬化することから、ディスペンサー等を用いてスピーカーのエッジ部位に直接塗布してから硬化させることによりスピーカーの形状に合わせたエッジを作成できるため、利便性が高い。また、本発明のスピーカーエッジ用硬化性制振材料を使用すると、従来の接着剤が必要な材料に比べ、スピーカーの音質が最良となるスピーカーエッジを提供できる。
本発明のスピーカーエッジ用硬化性制振材料は、(A)重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマー及び(B)上記一般式(I)で表される特定の(メタ)アクリレートからなることを特徴とする。
まず、(A)重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマーについて説明する。
成分(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量 (ポリスチレン換算)[以下、単に、数平均分子量と称する。]は、通常、成形性及び接着性の観点から、5000〜50000であることが好ましく、10000〜23000であることがより好ましい。成分(A)としては、(メタ)アクリロイル基やビニル基などの重合性の不飽和基を有し、常温で液状の硬化性ウレタンオリゴマーであれば特に制限は無い。
成分(A)としては、構造の異なる硬化性ウレタン液状オリゴマーを2種以上併用してもよいし、単一構造のものを単独で使用してもよい。該硬化性ウレタン液状オリゴマーの製造方法としては、例えば数平均分子量1000〜10000のポリエステルジオールと有機ジイソシアナートとを、ジアミン化合物又はジオール化合物の存在下もしくは不存在下に反応させてイソシアナート基を両末端に有するポリウレタンジイソシアナートを形成した後、該両末端のイソシアナート基にモノオール化合物を付加させる方法などが挙げられ、また、こうして得られる硬化性ウレタン液状オリゴマーが、成形性、柔軟性及び接着性のバランスの点で好ましい。ここで、イソシアナート基を両末端に有するポリウレタンジイソシアナートを形成する際、2,6−ジt−ブチル−4−メチルフェノールなどの酸化防止剤の存在下に行なうことができ、また、反応温度や反応時間に特に制限は無いが、通常60〜120℃で0.5〜15時間反応させればよい。そして、該両末端のイソシアナート基にモノオール化合物を付加させる際、適宜チタンテトラ(2−エチル−1−ヘキサノエート)などの触媒の存在下に行なうことができ、また、反応温度や反応時間に特に制限は無いが、通常60〜120℃で0.5〜30時間反応させればよい。
数平均分子量1000〜10000のポリエステルジオールは、環状基含有ジカルボン酸又はその酸無水物と有機ジオールとが縮重合したポリエステルジオールが好ましい。環状基含有ジカルボン酸又はその酸無水物と有機ジオールとを縮重合させる方法に特に制限は無く、公知の方法を用いることができる。
環状基含有ジカルボン酸又はその酸無水物としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機ジオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−2−エチレンヘキサン−1,3−ジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ビスフェノールA、2,2−チオジエタノール、ポリブタジエンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ノルボルニレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノールなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機ジイソシアナートとしては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基などのアルキレン基;シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、ノルボルニレン基などの環状アルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基;キシリレン基、該キシリレン基が水素添加された基;下記式
Figure 2009141808
(式中、波線は結合部位を示す。)で表される基を有するジイソシアナートが好ましい。また、これらの基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などの炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい。
かかる有機ジイソシアナートの具体例としては、例えばイソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ノルボルナンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、トリメチルへキサメチレンジソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナートの水素添加物、ジフェニルメタンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナートの水素添加物などが好ましく挙げられる。
ジアミン化合物としては特に制限は無いが、例えばジアミノプロパン、ジアミノブタン、ノナンジアミン、イソホロンジアミン、へキサメチレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルメタンジアミン水素添加物、ビスアミノプロピルエーテル、ビスアミノプロピルエタン、ビスアミノプロピルジエチレングリコールエーテル、ビスアミノプロピルポリエチレングリコールエーテル、ビスアミノプロポキシネオペンチルグリコール、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン、両末端アミノ基変性シリコーンなどが好ましく挙げられる。また、上記ジオール化合物としては特に制限は無いが、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、両末端水酸基変性シリコーンなどが好ましく挙げられる。
モノオール化合物としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキルビニルが好ましく挙げられる。かかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、ヒドロキシアルキルビニルとしては、例えばヒドロキシメチルビニルエーテルなどが挙げられる。なお、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基をいう。
該成分(A)の重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマーとしては、特に、下記一般式(II)
Figure 2009141808
(式中、R4は(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基を含有するモノオール化合物の脱水酸基残基であり、Xは有機ジイソシアナートの脱イソシアナート残基であり、Yは数平均分子量1000〜10000のポリエステルジオールの脱水酸基残基であり、pは1〜10である。)で表される化合物であることが好ましい。
式中の(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基を含有するモノオール化合物、有機ジイソシアナート、ポリエステルジオールは、それぞれ、前述したモノオール化合物、有機ジイソシアナート、ポリエステルジオールと同じものを表している。
また、該成分(A)の重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマーとしては、市販品を使用してもよく、市販品としては、例えばライトタックPUA−KH32M(商品名、共栄社化学株式会社製)、ライトタックPUA−H20MU(商品名、共栄社化学株式会社製)などが挙げられる。
次に、成分(B)の特定の(メタ)アクリル系モノマーについて説明する。
かかる(メタ)アクリル系モノマーは、下記一般式(I)
Figure 2009141808
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は複素環基である。また、R3は脂環式炭化水素基であるか、或いは複素環基、カルボキシル基、水酸基、カルボン酸エステル構造、リン酸エステル構造、アミド基及びイミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する炭化水素基である。)で表される。
2が表す複素環基及びR3の定義に含まれる複素環基としては、それぞれ独立して、例えばピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、チオモルホニル基などが挙げられる。これらは炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい。R3の定義中の脂環式炭化水素基としては、例えばジシクロペンタニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などが挙げられる。また、R3が表す炭化水素基としては、炭素原子の一部が酸素原子で置換されていてもよいアルキレン基などが挙げられ、該アルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよい。かかるアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基や、ポリエチレングリコール単位である−(CH2CH2−O)n−で表される基、ポリプロピレングリコール単位である−(CH2CH(CH3)−O)n−、−((CH3)CHCH2−O)n−で表される基(nは繰り返し単位数を表す。)などが挙げられる。
成分(B)の具体例としては、例えばN−(メタ)アクリロイルモルフォリン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、エポキシ変性リン酸(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられる。これらは、市販されているものを使用することができる。また、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、これらの中でも、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が50〜170℃であるN−アクリロイルモルフォリン(145℃)、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド(56℃)、ジシクロペンタニルアクリレート(120℃)、イソボルニルアクリレート(94℃)、2−アクリロイルオキシエチルフタレート(130℃)、2−アクリロイルオキシプロピルフタレート(158℃)、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレートが、高い接着性及び内部損失(Tanδ)を有し、成形性の優れたスピーカーエッジ用硬化性制振材料を得られる点で、より好ましい。なお、かかるガラス転移温度は、通常のラジカル重合法により重合させて得られたポリマーを、示差走査熱量計(DSC)で通常の条件で測定した値である。
成分(B)の含有量は、接着性及びスピーカーの音質保持の観点から、成分(A)100質量部に対して2〜40質量部であることが好ましく、4〜20質量部であることがより好ましい。
本発明のスピーカーエッジ用硬化性制振材料は、成形性向上及び粘度・揺変性の調整のため、前記成分(A)及び(B)以外にさらに揺変剤を含有してもよい。
該揺変剤としては、有機系揺変剤、無機系揺変剤のいずれを使用してもよい。有機系揺変剤としては、水素添加ひまし油系揺変剤、アマイド系揺変剤、酸化ポリエチレン系揺変剤、植物油重合油系揺変剤、界面活性剤系揺変剤、あるいはこれらを2種以上併用した複合系揺変剤がある。水素添加ひまし油系揺変剤は、ひまし油(主成分がリシノール酸の不乾性油)を水素添加することにより硬化させてワックス状としたものである。アマイド系揺変剤は、植物油脂肪酸とアミンにより合成され、アミド結合を有する化合物であるアマイドワックスである。具体的には、水添ひまし油[例えば、ADVITROL100(商品名、ズードケミー触媒株式会社製)、「ディスパロン(登録商標)305」(商品名、楠本化成株式会社製)など]及びアマイドワックス[例えば、「ディスパロン(登録商標)6500」(商品名、楠本化成株式会社製)など]などが挙げられる。
また、無機系揺変剤としては、シリカ、ベントナイト、有機カップリング剤処理シリカ、有機カップリング剤処理ベントナイト及び極微細表面処理炭酸カルシウム、あるいはこれらを2種以上併用した複合系揺変剤がある。具体的には、乾式法により微粉化したシリカ微粉末[例えば、アエロジル300(商品名、日本アエロジル株式会社製)など]、このシリカ微粉末をトリメチルジシラザンで変性した微粉末[例えば、アエロジルRX300(商品名、日本アエロジル株式会社製)など]及び上記シリカ微粉末をポリジメチルシロキサンで変性した微粉末[例えば、アエロジルRY300(商品名、日本アエロジル株式会社製)など]等が挙げられる。無機系揺変剤の平均粒径は、揺変性(チクソトロピー)付与の観点から、5〜50μmであることが好ましく、5〜12μmであることがより好ましい。
本発明のスピーカーエッジ用硬化性制振材料に揺変剤を含有させる場合、その含有量は、成分(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜8質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。
本発明のスピーカーエッジ用制振材料には、本発明の目的が損なわれない範囲で、さらにその他の添加剤を加えてもよい。かかる添加剤としては、例えばセラミック、カーボンブラック、アンバー、シェンナ、カオリン、ニッケルチタンイエロー、コバルトブルー、プラマスターグレー、キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの顔料:トナー:難燃剤:老化防止剤:帯電防止剤:光増感剤:紫外線吸収剤:硬化促進剤:抗菌剤:酸化防止剤:タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、ガラス粉、ガラスバルーンなどの無機中空フィラー、セラミックス粉、マイカなどの無機充填剤:コルク粉末、木粉、グラファイトなどの有機充填剤:ステアリン酸などの離型剤:光安定剤:ロジン誘導体などの粘着付与剤(タッキファイヤー):カルボジイミド類:「レオストマー(登録商標)B」(商品名、理研テクノス株式会社製)などの接着性エラストマー:クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノールテルペン樹脂:PW380(商品名、出光興産株式会社製、分子量750)、「ルーカント(登録商標)HC−180」(商品名、三井化学株式会社製)などのパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、シリコーンオイル、芳香族オイル、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、梛子油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油などの植物系オイル、及びエステル系可塑剤などの加工助剤などが挙げられる。添加剤を含有させる場合、その含有量は、成分(A)100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
前記成分(B)並びに必要に応じて揺変剤及び前記添加剤を成分(A)へ含有させて本発明のスピーカーエッジ用硬化性制振材料を得、さらに重合開始剤を添加してから、ディスペンサー等にて、被着体(特にスピーカーのエッジ部位)へ塗布し、活性エネルギー線を照射する又は加熱することにより硬化させて、硬化シート、特にスピーカーエッジを製造する。かかる重合開始剤としては特に制限は無く、公知の重合開始剤を使用できる。また、光重合開始剤と熱重合開始剤のいずれを使用してもよく、どちらを使用するかは、硬化させる際の条件により適宜選択すればよい。
光重合開始剤としては、例えばアミノアセトフェノン類、ベンゾイン誘導体、ベンジルケタール類、ヒドロキシアセトフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類などが挙げられる。また、アミノアセトフェノン類と、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類との混合物:ベンゾフェノン類とアミンの混合物:チオキサントンとアミンの混合物なども使用できる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
該アミノアセトフェノンとしては、例えば「イルガキュア(登録商標)907」(商品名、成分;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、「イルガキュア(登録商標)369」(商品名、成分;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、「イルガキュア(登録商標)379」(商品名、成分;2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
また、ベンゾイン誘導体としては、例えばベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル(アルキル基の炭素数1〜6)などがあり、具体的にはベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。ベンジルケタール類としては、例えば「イルガキュア(登録商標)651」(商品名、成分;2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。ヒドロキシアセトフェノン類としては、「ダロキュア(登録商標)1173」(商品名、成分;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、「イルガキュア(登録商標)2959」(商品名、成分;1−[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)」、「イルガキュア(登録商標)184」(商品名、成分;1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、「イルガキュア(登録商標)127」(商品名、成分;2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)や、オリゴマー化したα−ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド類としては、例えば、「イルガキュア(登録商標)819」(商品名、成分;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び(メタ)アクリレートの合計100質量部に対し、0.1〜6質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましく、1〜4質量部であることがさらに好ましい。
また、熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化ジt−ブチル、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシドなどの過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。熱重合開始剤の使用量は、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体及び(メタ)アクリレートの合計100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。
重合開始剤として光重合開始剤をすると、スピーカーエッジ用硬化性制振材料及び光重合開始剤をよく混合してから、ディスペンサーにてスピーカーのエッジ部位へ塗布した後、活性エネルギー線を照射することにより硬化させてスピーカーエッジを製造することができるため簡便であり好ましい。かかる活性エネルギー線としては、粒子線、電磁波およびこれらの組み合わせが挙げられる。粒子線としては、電子線(EB)及びα線が挙げられ、電磁波としては、紫外線(UV)、可視光線、赤外線、γ線及びX線などが挙げられる。これらの中でも、設備の簡便さ及び貯蔵安定性の観点から、紫外線を使用することが好ましい。紫外線源としては、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、マイクロ波方式エキシマランプなどを挙げることができる。紫外線は、窒素ガスや炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気又は酸素濃度を低下させた雰囲気下に照射することが好ましいが、通常の空気雰囲気でも十分に硬化させることができる。照射量に特に制限は無いが、積算光量として、例えば強度150mW/cm2にて50〜40000mJ/cm2であることが好ましく、100〜10000mJ/cm2であることがより好ましい。
一方、重合開始剤として熱重合開始剤をする場合、スピーカーエッジ用硬化性制振材料及び熱重合開始剤をよく混合してから、ディスペンサーにてスピーカーのエッジ部位へ塗布し、加熱することにより硬化させて、スピーカーエッジを製造することができる。
また、スピーカーエッジ用硬化性制振材料の硬化後、再度、活性エネルギー線を照射することや、熱を加えることにより、性状を安定化させることもできる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
<製造例1> 成分(A)硬化性ウレタン液状オリゴマーの製造
2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールと無水フタル酸とから得られるポリエステルジオール化合物(数平均分子量2000)400gとノルボルナンジイソシアナート82.4gと、酸化防止剤の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.10gとを、攪拌機、冷却管及び温度計を備えた内容積1Lの四口フラスコに加え、80℃で2時間反応させた。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート46.2g、重合禁止剤のp−メトキシフェノール0.10g及び付加反応触媒としてチタンテトラ(2−エチル−1−ヘキサノエート)0.06gとを加え、85℃で6時間反応させた。反応液の一部を取り出し赤外線吸収スペクトルで2280cm-1のイソシアナート基の吸収ピークが消失したことにより、反応の終点を確認し、硬化性ウレタン液状オリゴマーを得た。得られた硬化性ウレタン液状オリゴマーについて数平均分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いてポリスチレン換算値で求めたところ、18000であった。
<実施例1〜14及び比較例1〜8>
光重合開始剤である「イルガキュア(登録商標)2959」と共に表1に示した成分(B)を成分(A)と混合し「成分(A):成分(B):光重合開始剤=100:10:2(質量比)」、スピーカーエッジ用硬化性制振材料を得、以下の(i)に記載の方法に従って、無電解ニッケルメッキプレートを用いて接着力を測定し、結果を表1に示した。また、配合を「成分(A):成分(B):揺変剤:トナー:カルボジイミド:光重合開始剤=100:10:3:1:1:2(質量比)」に変え、以下の(i)に記載の方法に従って、ポリプロピレン樹脂、ABS、ポリカーボネートを用いて接着力を測定した結果を表1に示し、SUS304又は「アルスター(登録商標)鋼板」を用いて接着力を測定したものについては結果を表2に示した。
さらに、以下の(ii)に記載の方法に従って、実施例1〜3、5、9、13で得られたスピーカーエッジ用硬化性制振材料の内部損失(Tanδ)を測定し、結果を表3に示した。
(i)接着力の測定
無電解ニッケルメッキプレート、ポリプロピレン樹脂、ABS(商品名、成分;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ポリカーボネート(商品名、成分;ポリカーボネート樹脂)、SUS304(18%のクロムと8%のニッケルを含むステンレス鋼)及び「アルスター(登録商標)鋼板」の剛板(いずれも、縦60mm、横25mm、厚さ0.8mm)上に、実施例1〜14及び比較例1〜7で得た各スピーカーエッジ用硬化性制振材料をそれぞれ塗布し、これに活性エネルギー線を照射[メタルハライドランプ使用、空気雰囲気下、照度約150mW/cm2、積算光量約9000mJ/cm2]して硬化シート(縦25mm、横25mm、厚さ0.6mm)を成形した。この硬化シートを、さらに空気雰囲気下に120℃で4時間ベーキング処理した。こうして得られた試験体を用い、JIS K6256−2に準拠(但し、180度での剥離試験)して、引っ張り試験機により23℃における接着力を測定し、試験体の接着性を調べた。なお、活性エネルギー線照射側を接着面として測定した。
(ii)内部損失(Tanδ)の測定
ガラス上に、実施例1〜3、5、9、13で得られたスピーカーエッジ用硬化性制振材料をそれぞれディスペンサーで塗付し、上記(i)と同様の方法で、活性エネルギー線を照射、次いでベーキング処理し、厚さ2mmの硬化シートを作成して、これを試料とした。この試料について、粘弾性スペクトロメーター「RDAIII」(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製)を用い、「チャック間距離2mm、動的歪1%、周波数1Hz、及び表2に記載の各測定温度」という測定条件にて動的粘弾性測定を行ない、内部損失(Tanδ)を測定した。
Figure 2009141808
Figure 2009141808
*1:株式会社興人製、ACMO(商品名、登録商標)
*2:東亞合成株式会社製、「アロニックス(登録商標)M140」(商品名)
*3:共栄社化学株式会社製、ライトアクリレートTHF−A(商品名)
*4:日立化成工業株式会社製、FA−513A(商品名)
*5:大阪有機化学工業株式会社製、IBXA(商品名)
*6:大阪有機化学工業株式会社製、ビスコート♯155(商品名)
*7:共栄社化学株式会社製、HOA−MPL(商品名)
*8:大阪有機化学工業株式会社製、ビスコート♯2100(商品名)
*9:共栄社化学株式会社製、HOA−HH(商品名)
*10:共栄社化学株式会社製、HOA−MS(商品名)
*11:共栄社化学株式会社製、HOA−MPE(商品名)
*12:大阪有機化学工業株式会社製、ビスコート♯2323(商品名)
*13:東亞合成株式会社製、「アロニックス(登録商標)M5710」(商品名)
*14:共栄社化学株式会社製、ライトエステルHOP−A(商品名)
*15:共栄社化学株式会社製、ライトアクリレートL−A(商品名)
*16:共栄社化学株式会社製、ライトアクリレートIM−A(商品名)
*17:共栄社化学株式会社製、ライトアクリレートEHDG−AT(商品名)
*18:東亞合成株式会社製、「アロニックス(登録商標)M101A」(商品名)
*19:東亞合成株式会社製、「アロニックス(登録商標)M102」(商品名)
*20:共栄社化学株式会社製、ライトアクリレートNP−4EA(商品名)
*21:東亞合成株式会社製、「アロニックス(登録商標)M−111」(商品名)
*22:材料破壊が発生し、これ以上の測定は不可能であった。
Figure 2009141808
以上の結果から、成分(A)及び成分(B)を含有した硬化性制振材料から製造した硬化シート(実施例1〜18)では、(メタ)アクリル系モノマーを含有していない硬化シート又は成分(B)以外の(メタ)アクリル系モノマーを含有した硬化シート(比較例1〜8)と比べ、接着性に非常に優れており、被着体との接着において、別途接着剤を使用する必要が無い。さらに、内部損失、特に常温付近における内部損失が非常に高く、スピーカーエッジとして好適に利用できると言える。
<実施例15〜28>
実施例1〜14で得られたスピーカーエッジ用硬化性制振材料を、ディスペンサーによりスピーカーのエッジ部位に厚さ0.5mmで塗布し、紫外線を強度750mW/cm2で10秒間照射することにより、種々のスピーカーのエッジ部位の形状に合ったスピーカーエッジを製造した。
本発明の、(A)重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマー及び(B)前記特定の(メタ)アクリル系モノマーを含有したスピーカーエッジ用硬化性制振材料は、大きな内部損失を有し、且つ、ディスペンサーによって直接スピーカーのエッジ部位に塗布して活性エネルギー線や熱により硬化させることができるばかりでなく、接着性が非常に高いため、種々の形状をしたスピーカーのスピーカーエッジに利用可能である。

Claims (14)

  1. (A)重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマー及び(B)下記一般式(I)
    Figure 2009141808
    (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は複素環基である。また、R3は脂環式炭化水素基であるか、或いは複素環基、カルボキシル基、水酸基、カルボン酸エステル構造、リン酸エステル構造、アミド基及びイミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する炭化水素基である。)
    で表される(メタ)アクリル系モノマーを含有することを特徴とするスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  2. 成分(B)の(メタ)アクリル系モノマーが、該(メタ)アクリル系モノマーを単独重合して得られる重合体のガラス転移温度(Tg)が50〜170℃の範囲内となる(メタ)アクリル系モノマーである、請求項1に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  3. 成分(A)の重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマーが、数平均分子量1000〜10000のポリエステルジオールと有機ジイソシアナートを、ジアミン化合物又はジオール化合物の存在下もしくは不存在下に反応させてイソシアナート基を両末端に有するポリウレタンジイソシアナートを形成した後、該両末端のイソシアナート基にモノオール化合物を付加させて得られる数平均分子量5000〜50000の硬化性ウレタン液状オリゴマーである、請求項1又は2に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  4. 前記ポリエステルジオールが、環状基含有ジカルボン酸又はその無水物と有機ジオールとが縮重合したポリエステルジオールである、請求項3に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  5. 前記ジアミン化合物が、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ノナンジアミン、イソホロンジアミン、へキサメチレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルメタンジアミン水素添加物、ビスアミノプロピルエーテル、ビスアミノプロピルエタン、ビスアミノプロピルジエチレングリコールエーテル、ビスアミノプロピルポリエチレングリコールエーテル、ビスアミノプロポキシネオペンチルグリコール、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン及び両末端アミノ基変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3又は4に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  6. 前記ジオール化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール及び両末端水酸基変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3又は4に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  7. 前記モノオール化合物が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート又はヒドロキシアルキルビニルエーテルである、請求項3〜6のいずれか1項に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  8. 成分(A)の重合性不飽和基を有する硬化性ウレタン液状オリゴマーが、下記一般式(II)
    Figure 2009141808
    (式中、R4は(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基を含有するモノオール化合物の脱水酸基残基であり、Xは有機ジイソシアナートの脱イソシアナート残基であり、Yは数平均分子量1000〜10000のポリエステルジオールの脱水酸基残基であり、pは1〜10である。)
    で表され、かつ数平均分子量5000〜50000の硬化性ウレタン液状オリゴマーである、請求項1又は2に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  9. 成分(B)の(メタ)アクリル系モノマーが、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及びエポキシ変性リン酸(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  10. 成分(B)の含有量が、成分(A)100質量部に対して2〜40質量部である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  11. さらに、揺変剤を成分(A)100質量部に対して0.1〜10質量部含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  12. 前記揺変剤が水添ひまし油である、請求項11に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料を硬化して得られる硬化シート。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のスピーカーエッジ用硬化性制振材料を硬化して得られるスピーカーエッジ。
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