JP4990059B2 - ハードディスク装置用ガスケット形成材料及びそれを用いたハードディスク装置用ガスケット - Google Patents
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Description
HDDのガスケットの製造方法としては、熱可塑性エラストマーなどを射出成形する方法、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)やフッ素ゴムなどからなるシートを所定の形状に打ち抜き、これを接着するなどの方法が採られてきた。
一方、近年、設備投資や加工費削減を図るため、光硬化性シール材用組成物を、ディスペンサーを用いて被着体に塗布し、成形した後、主として紫外線により硬化させることにより、ガスケットを製造する方法が採られるようになってきた(例えば、特許文献1〜4参照)。ガスケットとしての十分なシール性を得るため、この光硬化性シール材用組成物には、硬化物が低硬度のものとなるように、ウレタンアクリレートオリゴマーが主成分として用いられている。
ところでHDDは、現状製造歩留まりが50%程度であり、不良品は図2又は図3に示すように、カバープレート11をベースプレート12から外して、部品を調整することが必要である。ガスケットは、図2に示すようにカバープレートに接着されて形成される場合と、図3に示すようにベースプレートに接着されて形成される場合があるが、いずれも他方のプレートに粘着することでシールがなされる。HDDの部品を調整するに際し、カバープレート11をベースプレート12から外した場合に、粘着部分はガスケットが残存することなくきれいに剥がれ、接着部分はガスケットがそのまま維持されることが望まれる。このような特性を有することで、カバープレート及びベースプレートを再使用することができる、いわゆるリワーク性を付与することができる。しかしながら、上記先行技術文献には、リワーク性に関する記述は見当たらない。
本発明は、このような状況下で、ハードディスク装置におけるカバープレート及びベースプレートのリワーク性を良好なものにし得るガスケットを与えるハードディスク装置用ガスケット形成材料、及び該ガスケット形成材料を用いて作製された上記特性を有するハードディスク装置用ガスケットを提供することを目的とするものである。
なお、ここで、接着とは紫外線照射による硬化などによって、被接着体と化学結合等によって強固に密着した状態をいい、粘着とはガスケットのタック、熱及び圧縮などにより、物理的に被粘着体と密着した状態をいう。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
(1)(A)重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマーと、(B)下記一般式(I)
で表される含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーを含むことを特徴とするハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(2)(B)成分の含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーが、硬化物のガラス転移温度(Tg)30〜160℃のものである上記(1)に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(3)(A)重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマーが、下記一般式(II)
で表され、かつ数平均分子量が5×103〜5×104である不飽和基含有ウレタンオリゴマーである上記(1)又は(2)に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(4)一般式(II)におけるR5が、環状基含有ジカルボン酸とジオールとが縮合したポリエステルジオール化合物の脱水酸基残基、又は環状基含有ジカルボン酸無水物がジオールに反応して変性したポリエステルジオール化合物の脱水酸基残基である上記(3)に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(5)一般式(II)におけるR3が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びヒドロキシアルキルビニルエーテルのいずれかのモノオール化合物の脱水酸基残基である上記(3)に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(6)不飽和基含有ウレタンオリゴマー(ただし、一般式(II)においてq=0の場合)が、ポリエステルジオール化合物と、有機ジイソシアナート化合物とを重付加反応させてイソシアナート基を両末端に有する付加物を形成した後、該イソシアナート基に、モノオール化合物を付加して得られるものである上記(3)〜(5)のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(7)不飽和基含有ウレタンオリゴマー(ただし、一般式(II)においてq≠0の場合)が、ポリエステルジオール化合物と有機ジイソシアナート化合物とを重付加反応させてイソシアナート基を両末端に有する付加物を形成した後、ジアミン化合物またはジオール化合物の末端の各々を、該付加物の片端のイソシアナート基に付加させ、該付加物の他の片端のイソシアナート基に、モノオール化合物を付加して得られるものである上記(3)〜(5)のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(8)(B)一般式(I)で表される含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーが、N−(アクリロイル)モルホリンである上記(1)〜(7)のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(9)(B)一般式(I)で表される含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーが、N−(アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミド、N−(アクリロイルオキシエチル)−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、又はN−(アクリロイルオキシエチル)−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドである上記(1)〜(7)のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(10)(A)成分100質量部に対し、(B)成分5〜40質量部を含む上記(1)〜(9)のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(11)さらに、(A)成分100質量部に対して、(C)チクソ性付与剤を0.5〜10質量部を含む上記(1)〜(10)のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(12)(C)成分が、有機増粘剤である上記(11)に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(13)有機増粘剤が、水添ひまし油である上記(12)に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、
(14)さらに、(D)成分として、重合開始剤及び架橋剤のうちの少なくとも一種を含む上記(1)〜(13)のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料、及び
(15)上記(1)〜(14)のいずれかに記載のガスケット形成材料を、エネルギー線照射により硬化させてなる硬化物を含むことを特徴とするハードディスク装置用ガスケット、
を提供するものである。
[(A)エネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマー]
本発明のガスケット形成材料において、(A)成分として用いられるエネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマーとは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち紫外線、α線、β線、γ線及び電子線などを照射することにより、架橋するウレタン液状オリゴマーを指す。
当該(A)成分のエネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマーとしては、下記一般式(II)
一般式(II)において、R3は、(メタ)アクリロイル基およびビニル基の少なくともいずれかの不飽和基を含有するモノオール化合物の脱水酸基残基である。
モノオール化合物としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキルビニルが好ましく挙げられ、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートやポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基をいう。
これらの中でR5は、環状基含有ジカルボン酸とジオールとが縮合した前記ポリエステルジオール化合物の脱水素残基、又は環状基含有ジカルボン酸無水物がジオールに反応して変性したポリエステルジオール化合物の脱水酸基残基が好ましい。
R5を構成するジオールとして、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3−プロパンジオール、ビスフェノールA、2,2−チオジエタノール、アセチレン型ジオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ノルボルニレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノール、2,4−ジメチル−2−エチレンヘキサン−1,3−ジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、および3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。
このような脱水素残基としては特に限定されるものではないが、例えばジアミノプロパン、ジアミノブタン、ノナンジアミン、イソホロンジアミン、へキサメチレンジアミン、水添ジフェニルメタンジアミン、ビスアミノプロピルエーテル、ビスアミノプロピルエタン、ビスアミノプロピルジエチレングリコールエーテル、ビスアミノプロピルポリエチレングリコールエーテル、ビスアミノプロポキシネオペンチルグリコール、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン、および両末端アミノ基変性シリコーンから選ばれるジアミン化合物の脱水素残基、およびエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、両末端水酸基変性シリコーン、およびカルボキシル基含有ジオールから選ばれるジオール化合物の脱水素残基であるものが好ましい。
また、R3は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキルビニルエーテルのいずれかのモノオール化合物の脱水酸基残基であることが好ましく、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルビニールエーテルなどの脱水酸基残基が挙げられる。
一般式(II)においてq=0の場合の不飽和基含有ウレタンオリゴマーは、前記ポリエステルジオール化合物と、前記有機ジイソシアナート化合物とを重付加反応させてイソシアナート基を両末端に有する付加物を形成した後、該イソシアナート基に、前記モノオール化合物を付加して得ることができる。
また、一般式(I)においてq≠0の場合の不飽和基含有ウレタンオリゴマーは、前記ポリエステルジオール化合物と、前記有機ジイソシアナート化合物とを重付加反応させてイソシアナート基を両末端に有する付加物を形成した後、前記ジアミン化合物または前記ジオール化合物の末端の各々を、該付加物の片端のイソシアナート基に付加させ、該付加物の他の片端のイソシアナート基に、前記モノオール化合物を付加して得ることができる。
このエネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマーは、本発明のガスケット形成材料をエネルギー線照射により硬化させてガスケットを作製する場合に、該ガスケットに適度のゴム弾性を付与し、ガスケットのシール性を向上させる効果を発揮する。この効果や成形性などの観点から、当該エネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマーの数平均分子量は、その構造にもよるが、通常5×103〜5×104程度であることが好ましい。
本発明においては、(A)成分として、上記の重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマーを一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、発明の主旨から、ハードディスク装置におけるカバープレート及びベースプレートのリワーク性を良好なものにし得るガスケットが得られるように、ガスケット形成材料を選択する。
すなわち、ガスケットをカバープレートに形成する場合においては、カバープレート及びベースプレートのリワーク性を良好なものにするには、ハードディスク装置におけるカバープレートとガスケットとの接着性を強くして、カバープレートをガスケットの破断や剥離することなく、取り外すことができるようにすればよい。そして、該カバープレートとガスケットとの接着性を高めるためには、ガスケットのカバープレートと接触する部分の硬化部材にガラス転移温度(Tg)の高い材料を使用すればよいことを本発明者は見出した。
また、ガスケットをベースプレートに形成する場合についても同様であり、ガスケットのベースプレートと接触する部分の硬化部材のガラス転移温度(Tg)を上げればよいことを本発明者は見出した。
一般式(I)において、R1は水素原子又はメチル基、R2は含窒素複素環構造を有する基である。この含窒素複素環構造を有する基に特に制限はないが、当該(メタ)アクリル系モノマー自体の硬化物のガラス転移温度(Tg)が後述の範囲にあるように選択するのがよい。このような基としては、例えばモルホリノ基、ヘキサヒドロフタルイミド−N−イルエチルオキシ基などを挙げることができる。
当該(B)成分の含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーにおいては、その硬化物のガラス転移温度は、カバープレート及びベースプレートのリワーク性、ガスケットとしての性能及び成形性などが良好なガスケットが得られる観点から、30〜160℃の範囲が好ましく、100〜150℃の範囲がより好ましい。
なお、(メタ)アクリル系モノマーのガラス転移温度(Tg)は、通常のラジカル重合法によりに重合させて得られたポリマーを、示差走査熱量計(DSC)で通常の条件で測定した値である。
本発明のガスケット形成材料においては、当該(B)成分の含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーの含有量は、得られるガスケットが、ハードディスク装置におけるカバープレート及びベースプレートのリワーク性を良好なものとし、かつガスケットとしての性能及び成形性などの観点から、(A)成分のエネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマー100質量部に対して、5〜40質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。
本発明のガスケット形成材料には、さらに(C)成分としてチクソ性付与剤を含有させることができる。
ハードディスク装置用ガスケットの製造法としては、ディスペンサーを用いて溶融樹脂又は溶液状樹脂を、カバープレート又はベースプレートにガスケット形状に押出し、一体化するディスペンシング法が、貼り付け工程などの工程が不要などのメリットがあることから、工業的に広く使用されている。そして、押出しによるガスケット形状を正確にするために、粘度の剪断速度依存性を大きく制御して、低剪断速度では粘度が高く、高剪断速度では粘度の低い材料を用いる方法が採用されている。このような粘度の剪断速度依存性を制御するために、チクソ性付与剤が用いられる。
当該(C)成分のチクソ性付与剤は、前記(A)成分のエネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマー100質量部に対して、0.5〜10質量部を含有させることが好ましい。このチクソ性付与剤を併用することにより、チクソトロピー性が効果的に向上し、押出し形状を精度よく制御して加工することが可能となる。この点から(C)成分の添加量は1〜5質量部がより好ましい。このチクソ性付与剤としては、無機充填剤および有機増粘剤のいずれも用いることができる。
無機充填剤としては、湿式シリカや乾式シリカの表面処理微粉シリカや、有機化ベントナイトなどの天然鉱物系のものが挙げられる。具体的には、乾式法により微粉化したシリカ微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル300など]、このシリカ微粉末をトリメチルジシラザンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRX300など]及び上記シリカ微粉末をポリジメチルシロキサンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRY300など]などが挙げられる。無機充填剤の平均粒径は、増粘性の観点から、5〜50μmが好ましく、5〜12μmがより好ましい。
これらチクソ性付与剤の中で、有機増粘剤が好ましい。天然鉱物系の無機充填剤は重金属等の不純物が避けられず、また、表面処理微粉シリカは、表面の濡れ性が変わり組成物の粘度が変化することがあり、また表面処理剤の種類によっては、使用中に器具に有害なガスを発生することがある。
さらに、有機増粘剤の中でも、アマイドワックスは、原料に由来するアミンの存在により架橋密度を高めて硬度が大きくなることがあるので、特に水添ひまし油が好ましい。
本発明のガスケット形成材料には、さらに(D)成分として、光重合開始剤及び架橋剤のうちの少なくとも一種を添加することができる。これらの添加は、紫外線照射して硬化させる場合には特に好ましい。
光重合開始剤としては、分子内開裂型、水素引き抜き型のいずれでもよい。分子内開裂型としては、べンゾイン誘導体類、べンジルケタール類[例えば、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア651]、α−ヒドロキシアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ(株)製、商品名:ダロキュア1173、イルガキュア184]、α−アミノアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907、イルガキュア369]、α−アミノアセトフェノン類とチオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)との併用、アシルホスフィンオキサイド類[例えば、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア819]などが挙げられる。水素引き抜き型としては、ベンゾフェノン類とアミンの併用、チオキサントンとアミンの併用などが挙げられる。また、分子内開裂型と水素引き抜き型を併用してもよい。中でもオリゴマー化したα−ヒドロキシアセトフェノン及びアクリレート化したベンゾフェノン類が好ましい。より具体的には、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン][例えば、Lamberiti S・P・A製、商品名:ESACURE KIP150など]、アクリル化べンゾフェノン[例えは、ダイセル・ユー・シー・ビー(株)製、商品名:Ebecryl P136など]、イミドアクリレートなどが挙げられる。
本発明のガスケット形成材料には、本発明の目的が損なわれない範囲で必要に応じ、他のモノマー例えば(メタ)アクリル酸エステル系モノマーなどを適宜含有させることができる。
また、上記チクソ性付与剤の他に、クレー、珪藻土、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウムなどのりん片状無機系添加剤、各種の金属粉、ガラス粉、セラミックス粉、粒状あるいは粉末ポリマー等の粒状あるいは粉末状固体充填剤、その他の各種の天然または人工の短繊維、長繊維(例えば、ガラスファイバー、金属ファイバー、その他各種のポリマーファイバー等)などを配合することができる。
さらに、中空フィラー、例えば、ガラスバルーンなどの無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体などからなる有機中空フィラーを配合することにより、軽量化を図ることができる。また、軽量化などの各種物性の改善のために、各種発泡剤を混入することも可能であり、混合時等に機械的に気体を混ぜ込むことも可能である。
本発明のハードディスク装置用ガスケットは、前述した本発明のガスケット形成材料を、エネルギー線照射により硬化させて得られた硬化物を含むものであり、例えば以下の方法、すなわち
(1)本発明のガスケット形成材料を、三次元自動塗布制御装置の押し出し口から押し出して一段目の未硬化ガスケットを形成した後、必要に応じ該一段目の未硬化ガスケットの上に、さらに同ガスケット形成材料を押し出して二段構造の未硬化ガスケットを形成し、その後にエネルギー線を照射して硬化させることによりガスケットを製造する方法、
(2)本発明のガスケット形成材料を、三次元自動塗布制御装置の押し出し口から押し出して一段目の未硬化ガスケットをカバープレート上に形成し、エネルギー線を照射するなどして硬化させた後、該一段目のガスケットの上に、さらに本発明のガスケット形成材料以外のベースプレートとの粘着性に劣るガスケット形成材料を、同様にして三次元自動塗布制御装置の押し出し口から押し出して二段目の未硬化ガスケットを形成し、その後にエネルギー線を照射して硬化させることにより、ガスケットを製造する方法、
により、製造することができる。
なお、上記(2)の方法において、ガスケットをベースプレート上に形成する場合には、ベースプレート上に形成された一段目のガスケットの上に、本発明のガスケット形成材料以外のカバープレートとの粘着性に劣るガスケット形成材料によって、二段目のガスケットを形成すればよい。
ガスケット形成材料の押し出し圧は、ガスケット形成材料の種類及び粘度等によって適宜選択されるが、50kPa〜1MPaとすることが好ましい。この範囲内であると、ガスケット形成材料の押し出しが効率よく行えるとともに、未硬化ガスケットが押しつぶされることがなく、十分に線幅が狭く、かつ高さが高いガスケットが得られる。こうした観点から、ガスケットの押し出し圧は、さらに80kPa〜800kPa、さらには100kPa〜800kPa、特には200kPa〜800kPaの範囲がより好ましい。
なお、ガスケットの成形温度は用いるガスケット材によって適宜選定されるが、0℃〜100℃の範囲であることが好ましく、さらに30℃〜70℃の範囲であることが好ましい。
未硬化ガスケットを硬化させるために用いられるエネルギー線とは、紫外線及び電子線、α線、β線、γ線等をいい、本発明ではこれらのうち、特に紫外線が好ましい。紫外線は、装置が簡便で使い易く良好に未硬化ガスケットを硬化させることができる。
また、紫外線を用いる場合にはガスケット形成材料に光重合開始剤及び/又は光増感剤を含有させることが好ましい。一方、電子線やγ線などを用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を含有させることなく速やかに硬化を進めることができる。
紫外線源としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等を挙げることができる。紫外線を照射する雰囲気としては、窒素ガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガス雰囲気あるいは酸素濃度を低下させた雰囲気が好ましいが、通常の空気雰囲気でも紫外線により硬化させることができる。照射雰囲気温度は、通常10〜200℃とすることができる。また、硬化後にベーキングを行い揮発成分を除去することができる。その時のベーキング温度は100〜160℃が好ましい。
ガスケット形成材料を押し出して、硬化させてなるガスケットと一体化されるカバープレート又はベースプレートは、金属や熱可塑性樹脂等の合成樹脂で形成することができる。カバープレート及びベースプレートを形成する金属としては、例えばニッケルめっきアルミニウム、ニッケルめっき鋼、冷延鋼、亜鉛めっき鋼、アルミニウム/亜鉛合金めっき鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金などの中から、適宜選択して用いることができる。
また、マグネシウムを射出成形したものも用いることができる。耐食性の点から、無電解ニッケルめっき処理を施した金属が好適であり、本発明においては、ニッケルめっきアルミニウム及びニッケルめっき鋼が好ましい。
無電解ニッケルめっき処理方法としては、従来金属素材に適用されている公知の方法、例えば硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウム、乳酸、プロピオン酸などを適当な割合で含有するpH4.0〜5.0程度で、かつ温度85〜95℃程度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴中に、金属板を浸漬する方法などを用いることができる。
また、カバープレート又はベースプレートに、ガスケットの形状に合わせて接着性向上剤を塗布するなど、プライマー処理を施したのち、ガスケット形成材料を押し出すことにより、カバープレート又はベースプレートとガスケットとの接着性を向上させることができる。
以下の実施例および比較例における評価は下記方法により行った。
(1)硬化物の物性
(試験体の製造)
(試験体A)
無電解ニッケルメッキプレート(厚さ0.8mm)上にガスケット形成材料を、幅25mm、厚さ0.6mmに製膜し、これにエネルギー線を照射して硬化シートを成形した。エネルギー線には、メタルハライドランプを使用し、空気雰囲気下で照度約150mW/cm2、積算光量約9000mJ/cm2の条件で照射を行った。この硬化シートをさらに、空気雰囲気下120℃で4時間ベーキング処理した。
(試験体B)
ガラス上にガスケット形成材料を厚さ0.6mmに製膜し、これにエネルギー線を照射して硬化シートを成形した。エネルギー線の照射条件及びベーキング処理については上記試験体(A)の場合と同様である。
(a)接着性
試験体(A)を用い、JIS K6256に準拠して、引っ張り試験機により23℃及び80℃における接着力を測定した。
(b)タック(表面粘着性)
上記で得られた試験体(B)の表面にSUS304製の円柱型プローブを一定条件で押し付け、引き上げる時の力を測定した。尚、シートの測定面は紫外線硬化時に空気側を向いていた面である。
(測定条件)
測定環境:25℃
プローブ径:φ5.0mm
押し込みスピード:120mm/min
押し込み荷重:30gfで3秒間
引き上げスピード:600mm/min
(c)圧縮面圧
上記で得られた試験体(B)に圧力をかけ、圧縮率20%とした際の圧縮力(面圧)を測定した。なお、圧縮力は、荷重−たわみ試験装置(アイコーエンジニアリング(株)製、機種名「MODEL 1605N」)を使用し、圧力を加える治具の先端子としては2mmφの円形のものを使用して測定した。
(d)透湿性
上記で得られた試験体(B)について、JIS L1099に記載のA法の透湿カップを使用し、JIS Z0208に準拠して40℃、相対湿度90%の条件で測定した。
(e)硬度
JIS K6253−1993に準拠し、タイプAデュロメータにより上記で得られた試験体(B)の硬度を測定した。ここでは、試験体(B)10枚を積層した厚さが約6mmのものを用いた。
ガスケットを成形したカバープレートをベースプレートに組み込み、85℃、24時間放置した後、カバープレートを取り外してガスケットの破断、剥離の有無を目視にて確認した。上記試験を5回繰り返し、最終的にリワーク性の是非を確認した。評価基準は以下の通りである。
○;ガスケットの破断及び剥離がなく、またカバープレートをベースプレートから外す際に抵抗が小さく、カバープレートを容易に取り外すことができ、作業性が良好である。
△;カバープレートの取り外しの際に抵抗があるが、ガスケットの破断及び剥離は生じない。
×;ガスケットの少なくとも一部が破断又は剥離する。
2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールと無水フタル酸とから得られるポリエステルジオール化合物(数平均分子量2000)400gとノルボルナンジイソシアナート82.4gと、酸化防止剤の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.10gとを、攪拌機、冷却管、温度計を備えた1リットル四つ口フラスコに加え、80℃で2時間反応させた。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート46.2g、重合禁止剤のp−メトキシフェノール0.10g、付加反応触媒としてのチタンテトラ(2−エチル−1−ヘキサノエート)0.06gとを加え、85℃で6時間反応させた。反応液の一部を取り出し赤外線吸収スペクトルで2280cm-1のイソシアナート基の吸収ピークが消失したことにより、反応の終点を確認し、ウレタンオリゴマーを得た。得られたウレタンオリゴマーについて数平均分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、ポリスチレン換算値で求めたところ18000であった。
第1表に示す組成のガスケット形成材料を調製し、各材料について、その硬化シートの物性を測定した。結果を第1表に示す。なお、対照として、モノマーを配合していないウレタンオリゴマーのみのものも第1表に示す。
1)製造例1で得られたウレタンオリゴマー
2)A:N−(アクリロイル)モルホリン、興人社製、商品名「ACMO」、Tg:145℃
B:N−(アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミド、東亜合成社製、商品名「M−140」、Tg:56℃
C:N−(アクリロイルオキシエチル)−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、東亜合成社製、商品名「TO−1428」、Tg:47℃
D:N−(アクリロイルオキシエチル)−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド、東亜合成社製、商品名「TO−1429」、Tg:33℃
E:イソボルニルアクリレート、大阪有機化学社製、商品名「IBXA」、Tg:94℃
F:ラウリルアクリレート、共栄社化学社製、商品名「L−A」、Tg:−3℃
G:テトラヒドロフルフリルアクリレート、共栄社化学社製、商品名「THF−A」、Tg:−12℃
3)増粘剤:ズードケミー触媒社製、商品名「ADVITROL 100」、水添ひまし油
4)トナー:日本ピグメント社製、商品名「CMB−B1」
5)カルボジイミド:液状カルボジイミド化合物、日清紡績社製、商品名「Elastostab H01」
6)光重合開始剤:チバ・スペシャルティケミカルズ社製、商品名「イルガキュア2959」
第1表から分かるように、含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーを、ウレタンオリゴマー100質量部に対し、5〜20質量部の範囲で配合した実施例のガスケット形成材料は、接着性が比較例(モノマー含有量:10〜20質量部)のガスケット形成材料の接着性に比べてはるかに高く、特に、80℃での接着性ではその傾向が顕著である。
含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーとして、N−(アクリロイル)モルホリンとN−(アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミドを比べた場合、前者の方が接着性向上の寄与効果が大きい。
製造例1で得たウレタンオリゴマー100質量部、フェノールEO変性アクリレート(n=2)(東亜合成社製、商品名「M−101A」、Tg−8℃)10質量部、増粘剤「ADVITROL 100」(前出)3質量部、トナー「CMB−B1」(前出)1質量部、カルボジイミド化合物「Elastostab H01」(前出)1質量部及び光重合開始剤「イルガキュア2959」(前出)2質量部を含むガスケット形成材料を調製した。
実施例2で用いたガスケット形成材料を用い、三次元自動塗布制御装置を用いて、1.8インチ及び2.5インチHDDのニッケルメッキした0.4mm厚のアルミプレート(カバープレート)上に一段目の未硬化ガスケットを形成した。これに紫外線照射装置で紫外線を照射して硬化させた。次に、同じガスケット形成材料を同装置にて押し出し、二段目の未硬化ガスケットを形成した後、紫外線照射装置で紫外線を照射して硬化させた。以下、このガスケットの製造方法を二段塗布と称する。得られたガスケットの高さ(h)と幅(w)の比率(h/w)は1.1であった。
なお、三次元自動制御装置としてはディスペンサー機を用いた。当該装置はスクリュー式及び空圧式として使用できるが、本実施例では空圧式押し出し装置として使用した。これらの押出し機の押し出し口は交換可能であって、押し出し口の形状は円形であり、ノズル内径0.72mmのものを使用して押出しを行った。
また、紫外線照射装置としては、センエンジニアリング社製「UV1501BA−LT」を使用し、2度の紫外線照射はいずれも、照度150mW/cm2、積算光量9000mJ/cm2の条件で行った。
得られたガスケットについて、HDDのカバープレートのリワーク性を評価した。その結果を第2表に示す。
実施例2で用いたガスケット形成材料を用い、三次元自動塗布制御装置を用いて、1.8インチ及び2.5インチHDDのニッケルメッキした0.4mm厚のアルミプレート(カバープレート)上に一段目の未硬化ガスケットを形成した。一段目の未硬化ガスケット上に、同じガスケット形成材料を同装置にて押し出し、二段目の未硬化ガスケットを形成した後、紫外線照射装置で紫外線を照射して硬化させた。以下、このガスケットの製造方法を二重塗布と称する。得られたガスケットの高さ(h)と幅(w)の比率(h/w)は1.0であった。
得られたガスケットについて、実施例12と同様な評価を行った。その結果を第2表に示す。
実施例12において、一段目の塗布に実施例2で用いたガスケット形成材料を用い、二段目の塗布に参考例1で得たガスケット形成材料を用いた以外は、実施例12と同様にして、ガスケットを作製した。h/w比は1.1であった。
得られたガスケットについて、実施例12と同様な評価を行った。その結果を第2表に示す。
実施例12において、実施例2で用いたガスケット形成材料の代わりに、実施例7で用いたガスケット形成材料を使用した以外は、実施例12と同様にしてガスケットを作製した。h/w比は1.1であった。
得られたガスケットについて、実施例12と同様な評価を行った。その結果を第2表に示す。
実施例13において、実施例2で用いたガスケット形成材料を用いる代わりに、実施例7で用いたガスケット形成材料を使用した以外は、実施例13と同様にしてガスケットを作製した。h/w比は1.0であった。
得られたガスケットについて、実施例13と同様な評価を行った。その結果を第2表に示す。
実施例14において、一段目の塗布に実施例2で用いたガスケット形成材料を用いる代わりに、実施例7で用いたガスケット形成材料を使用した以外は、実施例14と同様にして、ガスケットを作製した。h/w比は1.1であった。
得られたガスケットについて、実施例14と同様な評価を行った。その結果を第2表に示す。
11.カバープレート
12.ベースプレート
13.ガスケット
Claims (15)
- (B)成分の含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーが、硬化物のガラス転移温度(Tg)30〜160℃のものである請求項1に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- (A)重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化性ウレタン液状オリゴマーが、下記一般式(II)
で表され、かつ数平均分子量が5×103〜5×104である不飽和基含有ウレタンオリゴマーである請求項1又は2に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。 - 一般式(II)におけるR5が、環状基含有ジカルボン酸とジオールとが縮合したポリエステルジオール化合物の脱水酸基残基、又は環状基含有ジカルボン酸無水物がジオールに反応して変性したポリエステルジオール化合物の脱水酸基残基である請求項3に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- 一般式(II)におけるR3が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びヒドロキシアルキルビニルエーテルのいずれかのモノオール化合物の脱水酸基残基である請求項3に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- 不飽和基含有ウレタンオリゴマー(ただし、一般式(II)においてq=0の場合)が、ポリエステルジオール化合物と、有機ジイソシアナート化合物とを重付加反応させてイソシアナート基を両末端に有する付加物を形成した後、該イソシアナート基に、モノオール化合物を付加して得られるものである請求項3〜5のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- 不飽和基含有ウレタンオリゴマー(ただし、一般式(II)においてq≠0の場合)が、ポリエステルジオール化合物と有機ジイソシアナート化合物とを重付加反応させてイソシアナート基を両末端に有する付加物を形成した後、ジアミン化合物またはジオール化合物の末端の各々を、該付加物の片端のイソシアナート基に付加させ、該付加物の他の片端のイソシアナート基に、モノオール化合物を付加して得られるものである請求項3〜5のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- (B)一般式(I)で表される含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーが、N−(アクリロイル)モルホリンである請求項1〜7のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- (B)一般式(I)で表される含窒素複素環構造含有(メタ)アクリル系モノマーが、N−(アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミド、N−(アクリロイルオキシエチル)−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、又はN−(アクリロイルオキシエチル)−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドである請求項1〜7のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- (A)成分100質量部に対し、(B)成分5〜40質量部を含む請求項1〜9のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- さらに、(A)成分100質量部に対して、(C)チクソ性付与剤を0.5〜10質量部を含む請求項1〜10のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- (C)成分が、有機増粘剤である請求項11に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- 有機増粘剤が、水添ひまし油である請求項12に記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- さらに、(D)成分として、重合開始剤及び架橋剤のうちの少なくとも一種を含む請求項1〜13のいずれかに記載のハードディスク装置用ガスケット形成材料。
- 請求項1〜14のいずれかに記載のガスケット形成材料を、エネルギー線照射により硬化させてなる硬化物を含むことを特徴とするハードディスク装置用ガスケット。
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