JP2019043985A - 岩盤固結用注入薬液組成物 - Google Patents

岩盤固結用注入薬液組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】漏水や湧水が多い環境下においても水分に影響されることなく、安定した反応性を確保しつつ、流水への悪影響を及ぼさず、薬液注入時やトンネル掘削時における漏水抑制のために発泡性を確保した岩盤固結用注入薬液組成物の提供。【解決手段】ポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とからなる岩盤固結用注入薬液組成物であって、ポリオール成分が、珪酸ナトリウム水溶液、水・オクタノール分配係数が−2.0〜1.0で、分子量が200以下であり、且つ少なくとも一つの一級水酸基を有するジオール化合物、及び活性水素を1つ有する3級アミン触媒を含み、ポリイソシアネート成分が、MDI及びポリメリックMDIの混合物と、ポリオールとの反応生成物を含む岩盤固結用注入薬液組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、湧水・漏水の多い環境下でも使用することができる岩盤固結用注入薬液組成物に関する。
不安定岩盤や不安定地盤の強化方法として、例えばロックボルト工法と呼ばれるトンネル掘削後の周辺地山の安定化を行う工法があり、ボルトを薬液にて固定・定着させることによって、トンネル構造物を保護することを目的として行われるものである。このような岩盤固結用の注入薬液として、高い強度を有するモルタルなどの無機系材料が使用されてきた。しかし、モルタルなどの無機系材料は、強度発現までに要する時間が長いことから作業効率が十分ではなく、また漏水や湧水が発生する場合には材料が水中に流出してしまうという問題があった。
現在、漏水や湧水が発生しやすい地域でのトンネル掘削が行われている中、流水下での岩盤固結用の薬液を注入するケースが増加しており、薬液による流水の水質汚染や、薬液注入時の漏水がトンネル掘削作業の効率や安全性確保の障害となり、改善が求められつつある。
そこでこれらの問題を解決するために無機−有機複合系の土壌安定化の為の薬液である水ガラスと称する珪酸塩水溶液とポリイソシアネート組成物との組み合わせから得られる注入薬液が使用されている。
例えば、特許文献1では、珪酸塩水溶液、3級アミン触媒、及び活性水素含有有機ポリオール成分を含有するポリオール成分と、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むイソシアネート成分とを岩盤固結用の注入薬液として用いることにより、短時間で硬化及び強度発現できることが開示されている。しかしながら、当該ポリオール成分に含まれる有機ポリオール成分が水中に溶出することによる水質汚染が懸念される。
また、特許文献2では、珪酸塩水溶液、3級アミン触媒、及びポリオール成分としてグリセリンまたはアミノ基含有ポリオールを含有するポリオール成分と、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むイソシアネート成分とを岩盤固結用の注入薬液として用いることにより、前記と同様に短時間で硬化及び強度発現できることが開示されている。しかしながら、グリセリンやアミノ基含有ポリオールを使用することにより、岩盤固結用の注入薬液の発泡性が悪くなり、流水下において、漏水の抑制ができず作業時の効率性および安全性が確保できないことが懸念される。
特開2001−19959号公報 特開2011−37946号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、漏水や湧水が多い環境下においても水分に影響されることなく安定した作業性及び反応性が得られ、薬液注入時やトンネル掘削時における漏水抑制のために発泡性を確保した岩盤固結用注入薬液組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、珪酸ナトリウム水溶液を含む特定のポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とからなる岩盤固結用注入薬液組成物により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の[1]〜[5]の実施形態を含むものである。
[1]ポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とからなる岩盤固結用注入薬液組成物であって、ポリオール成分(A)が、珪酸ナトリウム水溶液(A−1)、水・オクタノール分配係数が−2.0〜1.0、分子量200以下であり、且つ少なくとも一つの一級水酸基を有するジオール化合物(A−2)、及び活性水素を1つ有する3級アミン触媒(A−3)を含み、ポリイソシアネート成分(B)が、ジフェニルメタンジイソシアネート及びポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートの混合物と、ポリオールとの反応生成物を含むこと、を特徴とする岩盤固結用注入薬液組成物。
[2](A−2)水・オクタノール分配係数が−2.0〜1.0である分子量200以下のジオール化合物が、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする上記[1]に記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
[3](A−3)活性水素を1つ有する3級アミン触媒が、ポリオール成分(A)中に0.1〜5重量%含有することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
[4](A−1)珪酸ナトリウム水溶液の固形分が30〜50重量%であり、固形分中のSiO/NaOのモル比が2.0〜3.0であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
[5]ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)の重量配合比が、ポリオール成分(A)/ポリイソシアネート成分(B)=100/50〜100/150であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
本発明の岩盤固結用注入薬液組成物によれば、トンネル掘削中に発生する漏水や湧水が多い環境下においても水分に影響されることなく安定した作業性及び反応性が得られ、発泡性を確保することで薬液注入時やトンネル掘削時の漏水抑制も可能となる。
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における岩盤固結用注入薬液組成物は、ポリオール成分(A)(以下単に「成分(A)」とも言う。)と、ポリイソシアネート成分(B)(以下単に「成分(B)」とも言う。)からなるものである。
まず、ポリオール成分(A)について説明する。
本発明における成分(A)は、珪酸ナトリウム水溶液(A−1)(以下単に(A−1)とも言う。)、水・オクタノール分配係数(以下、LogP値と言う。)が−2.0〜1.0、分子量200以下であり、且つ少なくとも一つの一級水酸基を有するジオール化合物(A−2)(以下単に(A−2)とも言う。)、及び活性水素を1つ有する3級アミン触媒(A−3)(以下単に(A−3)とも言う。)を含むものである。
珪酸ナトリウム水溶液(A−1)としては、通常市販されている珪酸ナトリウム水溶液を用いることができる。この珪酸ナトリウムは一般式でNaO・xSiO・nHOで表される。ここでxはSiO(二酸化珪素)とNaO(酸化ナトリウム)とのモル比を表し、本発明においては2.0〜3.0が好ましく、2.0〜2.5がより好ましく、2.0〜2.4が最も好ましい。xが2.0未満の場合、成分(A)と成分(B)とを混合し硬化させた際に発泡性を確保できず、硬化性が悪化する場合がある。3.0を超えると、珪酸ナトリウム水溶液の粘度が高くなり、成分(B)との混合性が悪化するほか、低温時の作業性が低下する場合がある。
また、(A−1)の固形分は30〜50重量%が好ましく、35〜42重量%がより好ましく。36〜41重量%がさらに好ましく、37〜41重量%が最も好ましい。珪酸ナトリウムの水溶液の固形分が高すぎる場合は、水で希釈して調整することができる。固形分が30重量%より低いと成分(A)と成分(B)を混合し硬化させた際に、発泡性を確保できない上、硬化後の発泡体機械強度が低下する場合がある。50重量%を超えると、珪酸ナトリウム水溶液の粘度が高くなり、成分(B)との混合性が悪化するほか、低温時での作業性が低下する場合がある。
なお、本発明における(A−1)の固形分とは、(A−1)の水以外の成分の全体中の重量比率を表す。
LogP値が−2.0〜1.0、分子量が200以下であり、且つ少なくとも一つの一級水酸基を有するジオール化合物(A−2)としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールAなどの脂肪族ジオール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有する化合物、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。混合性の観点からポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが好ましい。これらのジオールは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ここで、logP値とは、化合物の疎水性/親水性の尺度を表すパラメータであり、数値が大きいほど疎水性であることを示し、逆に数値が小さいほど親水性であることを示す。logP値は広く知られた化合物のパラメータであり、測定、又は下記計算式によって求めることができる。
水・オクタノール分配係数=logP (P=So/Sw) ・・・・・(式)
So:25℃におけるn−オクタノール中での該有機化合物の溶解度
Sw:25℃における純水中での該有機化合物の溶解度。
また、n−オクタノールと水の二つの溶媒系における物質の分配係数は、上記計算式によりlogP値として算出される値と、測定により求めることができる値との間でほとんど差はないため、本発明においては、計算により求めることができる分配係数を採用した。
文献等にもlogP値は記載されているが、上述したように近年logP値を計算により求める方法が提案されており、分子軌道計算をベースにするものや、Hanschのデータを利用するフラグメント法、又、HPLCによる方法などがある。
本発明におけるlogP値は、化学構造式ソフトウェアChemDraw Prime 15.1(PerkinElmer社製)の簡易計算法を用い算出した。
本発明の(A−2)におけるlogP値は−2.0〜1.0であり、logP値が−2.0未満の場合、水分との親和性が上がる一方で、成分(B)との混合性が悪くなり、注入薬液の十分な反応性や硬化後の発泡体機械強度が得られない。また1.0を超えると成分(B)との親和性が上がる一方で、水分との親和性が悪くなり、注入薬液の十分な反応性や硬化後の発泡体機械強度が得られない。
さらに、(A−2)は分子量が200以下であり、好ましくは180以下、より好ましくは160以下である。分子量が200を超えると、ポリイソシアネート成分と反応しうる水酸基(以下OH基と言う。)量が減り、薬液を混合し硬化させた際に、硬化後の発泡体機械強度が低下する。また、(A−2)のOH基の少なくとも一つは1級OH基である。OH基がすべて2級又は3級の場合、ポリイソシアネートとの反応が遅くなり、硬化の反応性を確保できず、水中へジオール成分が流出し、水質汚染につながる。
ここで、OH基がすべて2級又は3級のジオールとしては、ジプロピレングリコール、4−オキサヘプタン−2,6−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等を挙げることができる。
本発明における3級アミン触媒(A−3)は、分子中に活性水素を1つ有しているものである。活性水素を1つ有する官能基としては、例えばヒドロキシ基、2級アミノ基等が挙げられる。活性水素を2つ以上有している場合や1級アミノ基の場合、成分(B)との反応の際、架橋剤としてはたらくため、樹脂化の進行が強すぎて発泡倍率が下がり、薬液注入時の漏水抑制が妨げられる。
ヒドロキシ基を有する3級アミンとしては、例えばN,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチル−N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)アミノエタノール、N,N−ジメチルエトキシエタノール、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−メタノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、N’,N−ジメチルエトキシ−N’−メチル−N’−エチルメタノール、N’’,N’’−ジメチルアミノ−N’−メチルエチルアミノ−N−メチル−2−プロパノール、ビス(2−ジメチルアミノエチルアミノ)−2−プロパノール等が挙げられる。
2級アミノ基を有する3級アミンとしては、例えばN’−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N,N−ジメチルエチレンジアミン、3,3−イミノビス(N,N−ジメチル−1−プロパンアミン)、N’−[2−(ジメチルアミノ)メチル]−N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルジエチレントリアミン、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−N−[2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]−エタンアミン等が挙げられる。
これらの中でも、反応性や発泡性の観点から、N−メチル−N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)アミノエタノール、N’,N−ジメチルエトキシ−N’−メチル−N’−エチルメタノールが好ましい。
本発明における(A−3)の含有量は、ポリオール成分(A)中に0.1〜5重量%であることが好ましい。
本発明において、成分(A)の分散安定性、成分(A)と成分(B)の相溶性を向上させるために界面活性剤等の添加剤を使用してもよい。界面活性剤としては陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤としては、例えばアルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル等を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤としては、例えば塩化ベンザルコニウム等のアンモニウム塩等を挙げることができる。
非イオン界面活性剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステルや、アルキルポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグリコシド等を挙げることができる。
これら界面活性剤は単独で使用、または併用しても良い。
次に、ポリイソシアネート成分(B)について説明する。
本発明における成分(B)は、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと言う。)及びポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(以下ポリメリックMDIと言う。)の混合物と、ポリオールとの反応生成物である。
なお、本発明にけるMDIは、4,4’−MDI、2,4’−MDI、2,2’−MDIの各種異性体単独、もしくはこれらの混合物であり、ポリメリックMDIは、これらMDIにさらにイソシアネート基を有するフェニル基がメチレン基を介し一つ以上付加したものを意味する。
また、MDIとポリメリックMDIの重量比は、MDI/ポリメリックMDI=20/80〜80/20が好ましく、30/70〜70/30がより好ましい。
本発明においては、MDI、及びポリメリックMDIの混合物とポリオールとを、イソシアネート基(以下NCO基と言う。)とOH基の当量比(NCO基/OH基)が好ましくは2〜300、より好ましくは5〜100の範囲とし、公知の方法で反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーであることが好ましい。
ポリオールとしては、前述したジオールの他、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトールやショ糖等のポリオールやモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン及びこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール等が挙げられる。
また、成分(B)に粘度調整を目的とした希釈剤を併用してもよい。希釈剤としては、成分(B)との相溶性や減粘性、混合安定性に優れたものとして、例えばプロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキルエーテル類が挙げられる。これらは作業環境、安全面の観点から、添加量は成分(B)に対して1〜5重量%が好ましい。
本発明における岩盤固結用注入薬液は、成分(A)と成分(B)の配合比を成分(A)100重量部に対し、成分(B)を50〜150重量部とすることが好ましく、70〜130重量部とすることがより好ましい。成分(B)が50部を下回ると、ウレタン化が不十分となり固化物の強度が不足する恐れがあり、150部を上回ると、水中硬化時に水の濁りや泡立ちが強くなる恐れがある。
本発明の岩盤固結用注入薬液組成物は、従来公知の無機−有機複合系の岩盤固結用注入薬液が有していた欠点を改良したものである。すなわち、本発明の岩盤固結用注入薬液組成物は、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)との相溶性が高く、均一な発泡体が得られ、漏水や湧水が多く発生する環境下でも水分に影響されることなく安定した強化土壌を発現できる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、実施例中の「%」は重量基準である。
<ポリイソシアネート成分の調製>
<調製例1>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、ポリイソシアネート1を900g、PPG−4000を90.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。反応後、50℃まで冷却して整泡剤を10g添加し、ポリイソシアネート組成物(S−1)(NCO含量28.9%、粘度120mPa・s at25℃)を得た。
<調製例2>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、ポリイソシアネート2を972g、PPG−400を18.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。反応後、50℃まで冷却して整泡剤10gを添加し、ポリイソシアネート組成物(S−2)(NCO含量29.4%、粘度200mPa・s at25℃)を得た。
<調製例3>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、ポリイソシアネート2を972g、PPG−400を18.0g仕込み、80℃まで昇温した。温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら3時間ウレタン化反応を行った。反応後、50℃まで冷却して整泡剤10g、希釈剤としてプロピレンカーボネート50gを添加し、ポリイソシアネート組成物(S−3)(NCO含量28.6%、粘度160mPa・s at25℃)を得た。
Figure 2019043985
表1における各原料は以下の通りである。
・ポリイソシアネート1:MDI/ポリメリックMDI=68/32(PA比)、NCO含量32.7%、MDI(商品名:ミリオネートNM、東ソー社製)とポリメリックMDI(商品名:MR−200、東ソー社製)を47/53(重量比)の割合で混合したもの
・ポリイソシアネート2:MDI/ポリメリックMDI=46/54(PA比)、NCO含量32.2%、MDI(商品名:ミリオネートNM、東ソー社製)とポリメリックMDI(商品名:MR−200、東ソー社製)を12/88(重量比)の割合で混合したもの
・PPG−4000 :ポリプロピレングリコール 分子量4000、官能基数2(商品名:PP−4000、三洋化成工業社製)
・PPG−400 :ポリプロピレングリコール 分子量400、官能基数2(商品名:PP−400、三洋化成工業社製)
・整泡剤 :シロキサン‐ポリアルキレンオキシド共重合体(商品名:NIAX SILICONE Y−16136、MOMENTIVE社製)
・希釈剤 :プロピレンカーボネート(商品名:プロピレンカーボネートS、BASF社製)
なお、ポリイソシアネート1、ポリイソシアネート2のMDI/ポリメリックMDIの比率は、GPC測定で得られるピーク面積の比率(PA比)であり、(MDIモノマーピーク面積)/(MDIモノマー以外のMDIオリゴマーのピーク面積の総和)を表す。
GPC測定条件は以下の通り。
(1)測定器:HLC−8220(東ソー社製)
(2)カラム:TSKgel(東ソー社製)
・G3000H−XL
・G2500H−XL
・G2000H−XL、G1000H−XL
(3)キャリア:THF(テトラヒドロフラン)
(4)検出器:RI(屈折率)検出器
(5)温度:40℃
(6)流速:1.000ml/min
(7)検量線:標準ポリスチレン(東ソー社製)
・F−80(分子量:7.06×10、分子量分布:1.05)
・F−20(分子量:1.90×10、分子量分布:1.05)
・F−10(分子量:9.64×10、分子量分布:1.01)
・F−2(分子量:1.81×10、分子量分布:1.01)
・F−1(分子量:1.02×10、分子量分布:1.02)
・A−5000(分子量:5.97×10、分子量分布:1.02)
・A−2500(分子量:2.63×10、分子量分布:1.05)
・A−500(分子量:5.0×10、分子量分布:1.14)
(8)サンプル溶液濃度:0.5%THF溶液。
<ポリオール成分の調製>
ポリオール成分を表2に示す配合にて調製した。
Figure 2019043985
表2における各原料は以下の通り。
・珪酸ナトリウム水溶液1:固形分39.5%、モル比(SiO/NaO)=2.0(商品名:1号ケイ酸ソーダP0、東曹産業社製)
・珪酸ナトリウム水溶液2:固形分37.5%、モル比(SiO/NaO)=2.2(商品名:1号ケイ酸ソーダR2、東曹産業社製)
・1,3−BG:1,3−ブタンジオール、分子量90、官能基数2、LogP値−1.09、1級OHあり(商品名:1,3−ブタンジオール、KHネオケム社製)
・DEG:ジエチレングリコール、分子量106、官能基数2、LogP値−1.47、1級OHあり(商品名:ジエチレングリコール、三菱ケミカル社製)
・MPD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール、分子量118、官能基数2、LogP値−0.21、1級OHあり(商品名:MPD、クラレ社製)
・PEG−200:ポリエチレングリコール 分子量200、官能基数2、LogP値−1.90、1級OHあり(商品名PEG−200、三洋化成工業社製)
・DPG:4−オキサヘプタン−2,6−ジオール、分子量134、官能基数2、LogP値−1.00、1級OHなし(商品名:ジプロピレングリコール、ナカライテスク社製)
・ポリエーテル1:PO/EO(比率25/75)、分子量400、官能基数2、LogP値−1.50、1級OHあり(商品名:PRB−475、東邦化学工業社製)
・2−EHD:2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、分子量146、官能基数2、LogP値1.14、1級OHあり(商品名:オクタンジオール、KHネオケム社製)
・グリセリン:分子量92、官能基数3、LogP値−1.85、1級OHあり(商品名:精製グリセリン、阪本薬品工業社製)
・TMAEE:N−メチル−N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)アミノエタノール(商品名:TOYOCAT RX5、東ソー社製)
・DMAH:6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール(商品名:カオーライザーNo.25、花王社製)
・TMHMDA:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(商品名:TOYOCAT MR、東ソー社製)。
<反応挙動の評価方法>
上記ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを用い、表3、4に示す配合にて発泡試験を行った(液温:20℃、撹拌条件:スリーワンモーターを使用し300rpm×10秒)。結果を表3、4に示す。
Figure 2019043985
Figure 2019043985
反応性試験における「自由発泡」とはポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を1Lカップにて配合、混合撹拌し、そのままカップ内で発泡させたものであり、「水中発泡」とはポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を1Lカップにて配合、混合撹拌した後、配合液100mlを素早く水500mlの入った別の1Lカップに投入し、撹拌棒で水を強くかき混ぜて発泡させたものである。
・クリームタイム :ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を混合撹拌し始めてから、その配合液がクリーム状に白濁し液面が立ち上がってくるまでの時間(秒)を表す。
・ライズタイム :ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を混合撹拌しはじめてから、その配合液が発泡して最高の高さに達するまでの時間(秒)を表す。水中でのライズタイムが、自由発泡でのライズタイムに対して20秒以内であれば水中での反応性が良好と言える。
・発泡倍率 :自由発泡倍率は以下の式により算出する
発泡倍率(倍)=発泡後の発泡体体積(cm)/発泡前の配合液の体積(cm
発泡倍率が4.0以上であれば良好と言える。
・発泡後の水濁り :水中発泡性試験においてライズタイム終了後の水質汚染の指標として水の濁りを濁度計(TURBIDIMETER 2100N、HACH社製)にて測定した。20以下であれば良好と言える。
・発泡後の水泡立ち:水中発泡性試験においてライズタイム終了後の水質汚染の指標として水の泡立ちを測定。ライズタイム終了後の水125mlを容量250mlのポリエチレンの瓶に入れ、密栓後10秒間強く振り混ぜてから、静置し泡が水表面から消えるまでの時間(秒)を表す。120秒以下であれば良好と言える。
・発泡後の水pH :水中発泡性試験においてライズタイム終了後の水質汚染の指標として水のpHを測定。試験はpH試験紙にて0.5刻みで測定した値を表す。9.5以下であれば良好と言える。

Claims (5)

  1. ポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とからなる岩盤固結用注入薬液組成物であって、
    ポリオール成分(A)が、
    (A−1)珪酸ナトリウム水溶液、
    (A−2)水・オクタノール分配係数が−2.0〜1.0、分子量200以下であり、且つ少なくとも一つの一級水酸基を有するジオール化合物、及び
    (A−3)活性水素を1つ有する3級アミン触媒、
    を含み、
    ポリイソシアネート成分(B)が、
    ジフェニルメタンジイソシアネート及びポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートの混合物と、ポリオールとの反応生成物を含むこと、
    を特徴とする岩盤固結用注入薬液組成物。
  2. (A−2)水・オクタノール分配係数が−2.0〜1.0である分子量200以下のジオール化合物が、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
  3. (A−3)活性水素を1つ有する3級アミン触媒が、ポリオール成分(A)中に0.1〜5重量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
  4. (A−1)珪酸ナトリウム水溶液の固形分が30〜50重量%であり、固形分中のSiO/NaOのモル比が2.0〜3.0であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
  5. ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)の重量配合比が、ポリオール成分(A)/ポリイソシアネート成分(B)=100/50〜100/150であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の岩盤固結用注入薬液組成物。
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