JP2019043841A - リン酸リチウム化合物を含有する残留物を表面から除去する方法 - Google Patents

リン酸リチウム化合物を含有する残留物を表面から除去する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 イオン交換過程でイオン交換槽またはガラス基体の表面上に生じる不溶性のリン酸リチウム化合物を含有する残留物を除去する。【解決手段】 選択された期間に亘り5未満のpHを有する洗浄水溶液中に表面を浸漬し、それによって、不溶性のリン酸リチウム化合物が可溶性のリン酸水素リチウムに転化され、その可溶性のリン酸水素リチウムが洗浄水溶液中に溶ける。その表面を脱イオン水で濯ぐ。その表面は、濯ぎ後、不溶性のリン酸リチウム化合物を実質的に含まない。この方法は、強化ガラスまたはガラスセラミックを調製する方法に組み込むこともできる。【選択図】なし

Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2017年8月30日に出願された米国仮特許出願第62/552046号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
本開示は、リン酸リチウム化合物を含有する残留物を表面から除去する方法に関する。
強化ガラス材料は、家庭用または携帯型電子機器のためのカバーガラスなどの、耐破損性および美的価値観が重要な用途において有用である。リチウム含有ガラス材料は、イオン交換過程により化学強化できる部類のガラス材料である。この強化過程は、ガラス材料の表面にあるサイズがより小さいイオンをサイズがより大きいイオンで置換し、それによって、ガラス材料の表面を圧縮下に置くことによって機能し、これにより、破損に対してより耐性であるガラス材料がもたらされる。一般に、ガラス材料における圧縮応力の大きさおよび圧縮応力層の深さ(層の深さ「DOL」または圧縮深さ「DOC」としても知られている)が大きい程、そのガラス材料の耐破損性が高まる。
そのイオン交換過程は、典型的に、リチウム陽イオンより大きいアルカリ金属陽イオンを含有する塩浴であって、典型的に溶融状態にある塩浴中に、リチウム含有ガラス材料を浸す工程を含む。そのリチウム陽イオンは、ガラス材料から塩浴中へと拡散する。そのリチウム陽イオンによってガラス材料構造中に残された部位が、塩浴からのより大きいアルカリ金属陽イオンにより占められる。リチウム陽イオンは、他のアルカリ金属陽イオンと比べて、ガラス材料から容易に拡散し、これにより、リチウムを含有しない他のガラス材料のイオン交換と比べて、より速い速度でイオン交換過程を行うことができる。そのイオン交換のより速い速度により、ガラス材料中のより深い圧縮応力層が、比較的短い時間で達成されるであろう。
イオン交換によりリチウム含有ガラス材料を強化することの難題の1つは、塩浴が経時変化する、すなわち汚染される速い速度である。イオン交換が進行するにつれて、リチウム陽イオンの塩浴濃度が上昇し、その一方で、より大きいアルカリ金属陽イオンの塩浴濃度が低下する。これにより、時間の経過によるイオン交換の遅延がもたらされる。塩浴中で数回分のガラス材料がイオン交換された後、その塩浴は、イオン交換による強化の有効性を失ってしまう。このことは、塩浴を比較的頻繁に交換する必要があり、それによって、強化されたリチウム含有ガラス材料の製造費が増し、その過程の処理量が著しく低下するであろうことを意味する。
特許文献1(Corning Incorporated;Amin等)には、リチウムが豊富な塩浴を再生する方法が開示されている。その方法は、塩浴にリン酸塩またはリン酸塩の混合物を加えて、塩浴中の過剰なリチウム陽イオンを沈殿させて、固体のリン酸リチウムおよび他の余計な陽イオンを形成する工程を含む。過剰なリチウム陽イオンの沈殿により、塩浴中のリチウム陽イオン濃度は、塩浴が汚染されていると考えられないレベルまで、または塩浴がイオン交換による強化にとって引き続き効果的であるレベルまで低下するであろう。固体のリン酸リチウムのいくらかは、イオン交換槽の底に沈む。固体のリン酸リチウムのいくらかは、塩浴中で処理されているガラス材料の表面を被覆する。
国際公開第2017/087742号
イオン交換過程後、ガラス材料の表面は、固体のリン酸リチウムを含有する塩クラストで覆われることがある。リン酸リチウムの溶解度が非常に低いために、この塩クラストは、ガラス材料を水中に浸漬し、濯いだだけでは、ガラス材料から完全に除去することができない。その上、イオン交換槽の洗浄が難しいであろう。通常、溶融塩浴をイオン交換槽から除去する必要がある場合、その溶融塩浴の大半は、最初に、その槽から真空引きされるか、または排出される。次に、その槽の表面上の残留物は、通常、温水中に溶かされ、槽から除去される。しかしながら、残留物が固体のリン酸リチウムを含有する場合、残留物は温水によって効果的に除去できない。この場合、残留物は、ドリルまたはハンマーを使用して、物理的に除去しなければならない。この除去方法には時間がかかり、イオン交換槽が損傷を受けることがある。
本開示のいくつかの実施の形態において、1種類以上の不溶性のリン酸リチウム化合物を含有する残留物を表面から除去する方法は、選択された期間に亘り5未満のpHを有する洗浄水溶液中にその表面を浸漬し、それによって、残留物中の少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物が可溶性のリン酸水素リチウムに転化され、そのリン酸水素リチウムが洗浄水溶液中に溶ける工程を有してなる。その方法は、表面を脱イオン水で濯ぐ工程を含む。その表面は、濯ぎ後、少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を実質的に含まない。
本開示の他の実施の形態において、強化ガラスまたはガラスセラミックを調製する方法は、リン酸塩およびアルカリ金属陽イオンの少なくとも1つの供給源を含む塩浴を360℃より高い温度に加熱する工程を有してなる。その方法は、リチウム陽イオンを含むイオン交換可能な基体の少なくとも一部をその塩浴と接触させ、それによって、リチウム陽イオンの少なくとも一部がイオン交換可能な基体から塩浴中に拡散し、その塩浴中に溶ける工程を含む。その方法は、溶けたリチウム陽イオンを塩浴から選択的に沈殿させて、少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を形成する工程を含み、その少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物の一部は、そのイオン交換可能な基体の表面上に堆積している。その方法は、その表面上の少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を可溶性のリン酸水素リチウムに転化させるのに十分な選択された期間に亘り、5未満のpHを有する洗浄水溶液中にイオン交換可能な基体の表面を浸漬し、その洗浄水溶液中にリン酸水素リチウムを溶かす工程を含む。その方法は、その表面を脱イオン水で濯ぐ工程を含む。その表面は、濯ぎ後、少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を実質的に含まない。
第1の態様によれば、1種類以上の不溶性のリン酸リチウム化合物を含有する残留物を表面から除去する方法が提供される。その方法は、選択された期間に亘り5未満のpHを有する洗浄水溶液中にその表面を浸漬し、それによって、残留物中の少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物が可溶性のリン酸水素リチウムに転化され、その可溶性のリン酸水素リチウムが洗浄水溶液中に溶ける工程;およびその表面を脱イオン水で濯ぐ工程を有してなり、その表面は、濯ぎ後、少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を実質的に含まない。
第1の態様による第2の態様において、その洗浄水溶液は、硝酸、塩化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、アスコルビン酸、およびその混合物から選択される酸または酸混合物を含む。
第1または第2の態様による第3の態様において、その洗浄水溶液は酸または酸混合物を含み、その洗浄水溶液は、0.1質量%から10質量%の範囲の酸濃度を有する。
第1から第3の態様のいずれか1つによる第4の態様において、その表面は、リン酸塩およびリチウム陽イオンより大きいアルカリ金属陽イオンの少なくとも1つの供給源を含む塩浴中で処理されたリチウム含有ガラス材料の表面である。
第1から第4の態様のいずれか1つによる第5の態様において、その方法は、表面および洗浄水溶液を浸漬工程中に20℃から100℃の温度に維持する工程をさらに含む。
第1から第5の態様のいずれか1つによる第6の態様において、その選択された期間は、1分から10分の範囲にある。
第1から第3の態様のいずれか1つによる第7の態様において、その表面は、塩浴中のリチウム含有ガラス材料の処理中にその塩浴を収容するイオン交換槽の表面であり、その塩浴は、リン酸塩およびリチウム陽イオンより大きいアルカリ金属陽イオンの少なくとも1つの供給源を含む。
第7の態様による第8の態様において、その方法は、その表面およびその洗浄水溶液の少なくとも一方の温度を、浸漬工程の少なくとも一部の最中に20℃から100℃の温度に維持する工程をさらに含む。
第7の態様による第9の態様において、その方法は、その方法は、その表面およびその洗浄水溶液の少なくとも一方の温度を、浸漬工程の少なくとも一部の最中に40℃から100℃の範囲に維持する工程をさらに含む。
第7から第9の態様のいずれか1つによる第10の態様において、その選択された期間は1時間より長い。
第1から第10の態様のいずれか1つによる第11の態様において、少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物は、LiPO、LiNaPO、またはLiNaPOである。
第1から第11の態様のいずれか1つによる第12の態様において、その可溶性のリン酸水素リチウムは、LiHPOおよびLiHPOの少なくとも一方を含む。
第13の態様によれば、強化ガラスまたはガラスセラミックを調製する方法が提供される。その方法は、リン酸塩およびアルカリ金属陽イオンの少なくとも1つの供給源を含む塩浴を360℃より高い温度に加熱する工程;リチウム陽イオンを含むイオン交換可能な基体の少なくとも一部をその塩浴と接触させ、それによって、リチウム陽イオンの少なくとも一部がイオン交換可能な基体から塩浴中に拡散し、その塩浴中に溶ける工程;溶けたリチウム陽イオンを塩浴から選択的に沈殿させて、少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を形成する工程であって、その少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物の一部が、そのイオン交換可能な基体の表面上に堆積する工程;そのイオン交換可能な基体を塩浴から取り出し、選択された期間に亘り5未満のpHを有する洗浄水溶液中にその表面を浸漬し、それによって、その表面上の少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物が可溶性のリン酸水素リチウムに転化され、その可溶性のリン酸水素リチウムが洗浄水溶液中に溶ける工程;およびその表面を脱イオン水で濯ぐ工程を有してなり、そのイオン交換可能な基体の表面は、濯ぎ後、少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を実質的に含まない。
第13の態様による第14の態様において、その洗浄水溶液は、硝酸、塩化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、アスコルビン酸、およびその混合物から選択される酸または酸混合物を含む。
第13または第14の態様による第15の態様において、その洗浄水溶液は1種類以上の酸を含み、その洗浄水溶液は、0.1質量%から10質量%の範囲の酸濃度を有する。
第13から第15の態様のいずれか1つによる第16の態様において、その浸漬工程は20℃から100℃の温度で行われ、選択された期間は10分未満である。
第13から第16の態様のいずれか1つによる第17の態様において、そのリン酸塩は、イオン交換可能な基体の少なくとも一部を塩浴と接触させる前に、塩浴に加えられている。
第13から第17の態様のいずれか1つによる第18の態様において、そのリン酸塩は、NaPO、KPO、NaHPO、KHPO、Na10、Na、Na、K、Na、およびKの少なくとも1つを含む。
第13から第18の態様のいずれか1つによる第19の態様において、アルカリ金属陽イオンの少なくとも1つの供給源は、KNOおよびNaNOの少なくとも一方を含む。
第13から第19の態様のいずれか1つによる第20の態様において、そのイオン交換可能な基体は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスまたはアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラスから作られている。
先の一般的な説明および以下の詳細な説明は、本発明の例示であり、請求項に記載された発明の性質を理解するための概要または骨子を提供することが意図されている。添付図面は、本発明のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、本発明の様々な実施の形態を示しており、説明と共に、本発明の原理および動作を説明する働きをする。
基体の表面上のイオン交換過程による残留物を示す説明図 イオン交換槽の表面上のイオン交換過程による残留物を示す説明図 イオン交換過程による残留物を有するガラス片の画像 洗浄水溶液による処理後の図3Aのガラス片の画像 塩浴およびイオン交換可能な基体を収容するイオン交換槽200を示す説明図 図4Aの塩浴とイオン交換可能な基体との間のイオン交換を示す説明図
ここに用いたように、イオン化合物に適用されるような「不溶性」という用語は、室温(すなわち、約20℃)で100gの水当たり1g未満の溶解度を有するイオン化合物を称する。
ここに用いたように、「塩浴」という用語は、イオン交換可能な基体についてイオン交換過程を行うために使用される溶液または媒体を称する。
ここに用いたように、「イオン交換槽」という用語は、イオン交換過程中に塩浴を保持する槽または容器を称する。
ここに用いたように、「リチウム含有ガラス材料」という用語は、リチウムを含有する任意の形状または形態のガラスまたはガラスセラミック基体または物品を称する。
ここに用いたように、「イオン交換による残留物」という用語は、イオン交換過程中に表面を塩浴に暴露した結果として、その表面上に残された残留物を称する。
リチウムを含有するイオン交換可能な基体を含むイオン交換過程中、過剰なリチウム陽イオンを塩浴中に沈殿させるためにリン酸塩が使用された場合、塩浴中で生成された不溶性塩の大半は、リン酸リチウム(LiPO)およびリン酸リチウムナトリウム(NaLiPO)などの不溶性のリン酸リチウム化合物であることが分かった。説明のために、先に記載したように処理されたイオン交換可能な基体の表面上の例示のイオン交換過程による残留物の粉末X線回折(XRD)分析により、残留物中の以下の塩の存在が明らかになった:リチオフォスフェイト(LiPO)、ナリポアイ(nalipoite)(NaLiPO)、硝石、NaH(PO、およびNaNO。これらの塩の内、リチオフォスフェイトおよびナリポアイのみが水中に不溶性である。これらの不溶性のリン酸リチウム化合物は、表面を水に漬け、濯ぐことによって、表面から除去することが難しい。ここに記載された実施の形態は、イオン交換可能な基体およびイオン交換槽の表面などの表面から、不溶性のリン酸リチウム化合物を含有する残留物を除去する方法に関する。
図1は、イオン交換可能な基体104の表面102上のイオン交換過程による残留物100を示す。1つ以上の実施の形態において、イオン交換可能な基体104は、リチウムを含有するガラスまたはガラスセラミック基体または物品であることがある。図2は、イオン交換槽110の表面108上のイオン交換過程による残留物106を示す。イオン交換過程による残留物106は、塩浴がイオン交換槽110から排出された後にイオン交換槽110の表面108上に残留するものである。1つ以上の実施の形態において、イオン交換過程による残留物100およびイオン交換過程による残留物106の両方とも、イオン交換過程中に生じた少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を含有し、ここで、「不溶性」という用語は、先に定義されたものである。いくつかの実施の形態において、イオン交換過程による残留物100およびイオン交換過程による残留物106の両方とも、LiPO、LiNaPO、およびLiNaPOから選択される少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を含有し、ここで、「不溶性」という用語は、先に定義されたものである。例えば、LiPOの溶解度は、室温(すなわち、約20℃)で100gの水当たり0.039gである。
1つ以上の実施の形態において、表面102からイオン交換過程による残留物100を除去する方法は、イオン交換過程による残留物100中の不溶性のリン酸リチウム化合物を可溶性のリン酸水素リチウム化合物に転化する工程を含む。いくつかの実施の形態において、その不溶性のリン酸リチウム化合物は、リン酸水素二リチウム(LiHPO)塩および/またはリン酸二水素リチウム(LiHPO)塩に転化される。
1つ以上の実施の形態において、その方法は、5未満のpHを有する洗浄水溶液を調製する工程を含む。他の実施の形態において、その方法は、4未満のpHを有する洗浄水溶液を調製する工程を含む。さらに他の実施の形態において、その方法は、3.0未満のpHを有する洗浄水溶液を調製する工程を含む。1つ以上の実施の形態において、その洗浄水溶液は、酸または酸混合物を含む。いくつかの実施の形態において、その洗浄水溶液中の酸は、硝酸、塩化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、アスコルビン酸、および弱酸などの他の酸から選択してよい。1つ以上の実施の形態において、その洗浄水溶液中の酸または酸混合物の濃度は、0.1質量%から10質量%の範囲にあることがある。先に記載されたような洗浄水溶液は、室温(すなわち、約20℃)または20℃から100℃の高温で不溶性のリン酸リチウム化合物と反応して、可溶性のリン酸水素リチウム化合物を生成し、次いで、その可溶性のリン酸水素リチウム化合物を溶かすことができる。
1つ以上の実施の形態において、その方法は、イオン交換過程による残留物100を有する表面102をその洗浄水溶液中に浸漬する工程を含む。一例において、その浸漬工程は、表面102上に洗浄水溶液を吹き付けて、表面102上のイオン交換過程による残留物100をその洗浄水溶液で完全に覆う工程を含むことがある。別の例では、浸漬工程は、表面102を洗浄水溶液中に浸す工程を含むことがある。さらに別の例では、水および酸(または酸混合物)を表面102に別々に施して、表面102上で洗浄水溶液を形成し、その表面102を洗浄水溶液に浸漬してもよい。
表面102を洗浄水溶液に浸漬した際に、洗浄水溶液中の酸が解離し、プロトン(H)を生じる。イオン交換過程による残留物100中のリン酸リチウムは、プロトン(H)と反応して、リン酸水素イオン((HPO2−、(HPO)およびリン酸水素リチウム塩(例えば、LiHPOおよび/またはLiHPO)を形成する。これらの新たなリン酸水素リチウム塩は、リン酸リチウム塩と比べてずっと良好な溶解度を有し、水に容易に溶ける。例えば、LiHPOの溶解度は室温で100gの水当たり126gである(それに対し、LiPOの溶解度は、室温で100gの水当たり0.039gである)。
リン酸リチウム塩と反応するプロトンの化学式の例が下記に与えられている。第1の反応式において、固体のリン酸リチウムがリン酸と反応して、リン酸水素リチウム水溶液を生じる。第2の反応式において、リン酸水素リチウム水溶液がリン酸と反応して、リン酸二水素リチウム水溶液を生じる。
一般に、プロトン(またはヒドロニウムイオン)は、下記に与えられた反応式(3)および(4)にしたがってリン酸リチウムと反応し得る。
前記方法は、残留物100中のリン酸リチウムを可溶性のリン酸水素リチウムに転化し、その可溶性のリン酸水素リチウムが洗浄水溶液中に溶けるのに十分な期間に亘り表面102を洗浄水溶液中に浸漬する工程を含む。残留物の比較的薄い層、例えば、1から100マイクロメートルの範囲の厚さの層について、浸漬時間は、1から10分の範囲にあることがあり、表面102と洗浄水溶液は、浸漬工程中に室温(すなわち、約20℃)に維持されることがある。残留物のより厚い層について、より長い浸漬時間が必要であろう、および/または浸漬工程は、20℃から100℃の、室温より高い温度で行われるであろう。リン酸リチウムが可溶性のリン酸水素リチウムに完全に転化され、その可溶性のリン酸水素リチウムが洗浄水溶液中に溶けた後、表面102は脱イオン水で濯がれる。1つ以上の実施の形態によれば、表面102は、濯ぎ後、リン酸リチウムを実質的に含まない。その表面102は、濯ぎ後に空気中で乾燥させて差し支えない。
イオン交換槽110の表面108上のイオン交換過程による残留物106(図2)は、先に記載したのと同じ様式で除去することができる。すなわち、表面108を上述したように洗浄水溶液中に浸漬して、イオン交換過程による残留物106中のリン酸リチウムを可溶性のリン酸水素リチウムに転化してよい。次に、表面108を脱イオン水で濯ぐことができる。表面108は、別の塩浴をイオン交換槽110中に入れる前に、乾燥させてもよい。
槽の表面108上のイオン交換過程による残留物106(図2)の厚さは、槽の表面108上の残留物106は複数回のイオン交換過程の実施に亘り蓄積するであろうから、基体の表面102上のイオン交換過程による残留物100(図1)の厚さより、典型的に大きい。さらに、槽の表面108上のイオン交換過程による残留物106は、一般に、基体の表面102上の残留物100よりも大きい面積を覆う。このことは、残留物106の浸漬時間、すなわち、残留物106中のリン酸リチウムを可溶性のリン酸水素リチウムに転化し、その可溶性のリン酸水素リチウムを溶かすための浸漬時間は、残留物100に関する浸漬時間と比べてずっと長くなることを意味する。いくつかの実施の形態において、残留物106中のリン酸リチウムを可溶性のリン酸水素リチウムに完全に転化するのに数時間かかるであろう。その転化は、浸漬工程が高温で行われるように、表面108および/または洗浄水溶液を加熱することによって促進されるであろう。一例において、表面108および/または洗浄水溶液は、40℃から100℃の範囲の温度に加熱される。別の例では、表面108および/または洗浄水溶液は、40℃から80℃の範囲の温度に加熱される。一般に、安全上の理由で、その温度は、その水溶液の沸点未満、または酸性蒸気がその水溶液から生成され得る点よりも低いべきである。
実施例1−酢酸によるガラス表面の残留物の洗浄
リチウムを含有するガラス基板に、塩浴のリチウム汚染を制御するためにリン酸ナトリウム(NaPO)が添加された溶融塩浴中のイオン交換過程を施した。イオン交換過程後のガラス基板の表面上のイオン交換過程による残留物のXRDスペクトルにより、その残留物は大部分がリン酸リチウムおよびリン酸リチウムナトリウムであることが示された。ガラス基板を3分間に亘り25℃で1質量%の酢酸溶液中に浸漬した。ガラス基板の表面は、浸漬後に、脱イオン水で穏やかにかつ手短に濯いだ。次に、ガラス基板を空気中で乾燥させた。乾燥後、ガラス基板の表面には、どのような化学残留物(またはヘイズ)も観察されなかった。図3Aは、酢酸溶液中の処理前のガラス基板を示しており、そのガラス基板にはヘイズがある。図3Bは、酢酸溶液中の処理後のガラス基板を示しており、ガラス基板にはヘイズが実質的にない。
実施例2−リン酸によるリン酸リチウム沈殿物の溶解
0.1モルのLiNOおよび0.034モルのNaPOを一緒に混合することによって、100mLの水溶液中にリン酸リチウム(LiPO)を調製した。不溶性のLiPOが直ちに形成し、1分以内でビーカーの底に沈殿した。この溶液(溶液のpHは約2であった)に約0.1モルのHPOを加え、LiPO沈殿物は1分以内で完全に溶けた。この実施例は、リン酸を含有する水溶液が、不溶性のLiPOを可溶性塩に転化するのに効果的であり、リン酸リチウムを含有するイオン交換過程による残留物を有する表面を洗浄するために使用できることを示す。
実施例3−酢酸によるリン酸リチウム沈殿物の溶解
0.12モルのLiNOおよび0.04モルのNaPOを一緒に混合することによって、80mLの水溶液中にリン酸リチウム(LiPO)を調製した。不溶性のLiPOが直ちに形成し、1分以内でビーカーの底に沈殿した。この溶液に約0.04モルの酢酸を加え、LiPO沈殿物は1分以内で完全に溶けた。この実施例は、酢酸を含有する水溶液が、LiPOを可溶物に転化するのに効果的であり、リン酸リチウムを含有するイオン交換過程による残留物を有する表面を洗浄するために使用できることを示す。
実施例4−イオン交換槽の表面上の残留物の溶解
2.1gのイオン交換槽のスラッジを30mLの脱イオン水中で混合した。スラッジは、80℃に加熱した後でさえも、水中に溶けなかった。スラッジを含有する溶液に、約0.12モルの酢酸または酒石酸を加えた。80℃で、酸の支援によって、沈殿物が水溶液中に溶けた。この実施例は、イオン交換槽の表面上のイオン交換過程による残留物が、酢酸または酒石酸を含有する水溶液を使用して、表面から効果的に除去できることを示す。
先に記載した表面からイオン交換過程による残留物を除去する方法は、強化ガラスまたはガラスセラミックを調製する方法に組み込んでもよい。
図4Aは、塩浴202を収容するイオン交換槽200を示す。イオン交換可能な基体204は、塩浴202と接触している。この例では、イオン交換可能な基体204が塩浴中に浸されており、基体204の表面の全てが塩浴202と接触している。他の例では、基体204の表面の1つのみまたはいくつかが塩浴202と接触していてもよい。1つ以上の実施の形態において、イオン交換可能な基体204はリチウム含有ガラス材料である。1つ以上の実施の形態において、イオン交換可能な基体204は、イオン交換過程中に塩浴202中のより大きいアルカリ金属陽イオン208と交換されるリチウム陽イオン206を含有している。
1つ以上の実施の形態において、イオン交換可能な基体204は、リチウム陽イオン206の供給源としてLiOを含む組成物から形成される。いくつかの実施の形態において、リチウム含有ガラス材料204は、2.0モル%から25モル%のLiOを含むことがある。他の実施の形態において、リチウム含有ガラス材料204は、2.0モル%から10モル%のLiOまたは2.5モル%から10モル%のLiOを含むことがある。さらに他の実施の形態において、リチウム含有ガラス材料204は、5モル%から15モル%のLiOまたは5モル%から10モル%のLiOまたは5モル%から8モル%のLiOを含むことがある。
1つ以上の実施の形態において、イオン交換可能な基体204は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスまたはアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラスから作られる。第1の例において、イオン交換可能な基体204は、60から75モル%のSiO、0から3モル%のB、10から25モル%のAl、2から15モル%のLiO、0から12モル%のNaO、0から5モル%のMgO、0から5モル%のZnO、0から5モル%のSnO、および0から10モル%のPを含む組成物から形成されることがある。第2の例において、そのイオン交換可能な基体は、50から80モル%のSiO、0から5モル%のB、5から30モル%のAl、2から25モル%のLiO、0から15モル%のNaO、0から5モル%のMgO、0から5モル%のZnO、0から1モル%のSnO、および0から5モル%のPを含む組成物から形成されることがある。ある例では、イオン交換可能な基体204は、B、P、MgO、ZnO、およびSnOの1つ以上を含まない、第1と第2の例に記載されたような組成物から形成されることがある。これらのガラス組成物は実例であり、ここに記載された方法に使用するための他のリチウム含有ガラス組成物も考えられ、可能であることを理解すべきである。
塩浴202は、アルカリ金属陽イオン208の1つ以上の供給源を含む。1つ以上の実施の形態において、塩浴202中のアルカリ金属陽イオン208は、イオン交換可能な基体204中のリチウム陽イオンよりも大きい。いくつかの実施の形態において、塩浴202は、アルカリ金属陽イオン208の1つ以上の供給源として、KNOおよびNaNOの少なくとも一方を含む。第1の例において、塩浴202は、40モル%から95モル%のKNOおよび5モル%から60モル%のNaNOを含むことがある。第2の例として、塩浴202は、45モル%から50モル%のKNOおよび50モル%から55モル%のNaNOを含むことがある。第3の例として、塩浴202は、75モル%から95モル%のKNOおよび5モル%から25モル%のNaNOを含むことがある。第4の例として、塩浴202は、45モル%から67モル%のKNOおよび33モル%から55モル%のNaNOを含むことがある。
イオン交換可能な基体204が塩浴202と接触している間に、イオン交換可能な基体204の表面近くでイオンの交換が行われるであろう。これが、例えば、図4Bに示されており、ここで、リチウム陽イオン206がイオン交換可能な基体204から塩浴202中に拡散し、より大きいアルカリ金属陽イオン208が塩浴202からイオン交換可能な基体204中に拡散する。リチウム陽イオン以外に、ナトリウム陽イオンなどの他のアルカリ金属陽イオンもイオン交換可能な基体204から塩浴202中に拡散することがあり、これらの他のアルカリ金属陽イオンが去った部位が、塩浴202からのより大きいアルカリ金属陽イオンにより占められることがある。一般に、ガラス材料構造内で、より大きいアルカリ金属陽イオンよりも小さいリチウム陽イオンを交換することがより容易である。
塩浴202とイオン交換可能な基体204との間のイオン交換は、塩浴202を高温に加熱することによって促進されることがある。塩浴202は、その高温で溶融状態にあることがある。塩浴202の温度は、ガラス材料における所望の圧縮応力および層の深さを得るために制御されることがある。いくつかの実施の形態において、塩浴202は、360℃から430℃の範囲の温度に加熱されることがある。
いくつかの実施の形態において、過剰なリチウム陽イオンを沈殿させて、固体のリン酸リチウムを形成するために、塩浴202に1種類以上のリン酸塩が加えられる。そのリン酸塩は、塩浴202中のリチウム陽イオン濃度を、塩浴202の汚染が防がれるレベルまで低下させる量で塩浴202に加えられることがある。いくつかの実施の形態において、塩浴202は、塩浴202中に溶けたリチウム陽イオンの濃度が2質量%を超えていない場合、汚染されていないと考えられることがある。そのリン酸塩は、イオン交換過程が開始する前、および/またはイオン交換過程中に、塩浴202に加えてよい。そのリン酸塩は、塩浴202中で特定のリチウム陽イオン濃度を超えたときに、またはイオン交換可能な基体204において特定の圧縮応力に到達したときに、塩浴202に加えられることがある。その塩浴に加えてよいリン酸塩の例としては、以下に限られないが、NaPO、KPO、NaHPO、KHPO、Na10、Na、Na、K、Na、およびKが挙げられる。いくつかの実施の形態において、NaPOおよび/またはKPOが塩浴に加えられる。
イオン交換可能な基体204が塩浴から取り出されるときに、イオン交換可能な基体204の表面上に残留物があるであろう。1つ以上の実施の形態において、この残留物は固体のリン酸リチウムを含有するであろう。同様に、イオン交換過程後にイオン交換槽200から塩浴が排出されたときに、イオン交換槽200の表面上に残留物があるであろう。1つ以上の実施の形態において、この残留物は固体のリン酸リチウムを含有するであろう。1つ以上の実施の形態において、イオン交換可能な基体204の表面から、またはイオン交換槽200の表面から、リン酸リチウムを含有する残留物を除去するために、先に記載されたような特徴を有する洗浄水溶液中にそれらの表面を浸漬することができる。その浸漬工程は、残留物中の固体のリン酸リチウムが可溶性のリン酸水素リチウムに転化され、その可溶性のリン酸水素リチウムが洗浄水溶液中に溶けるのに十分な期間に亘るべきである。その浸漬工程は、先に述べたように、室温で、または20℃と100℃の間の高温で、行われることがある。それらの表面は、浸漬後に、水または脱イオン水で濯ぎ、乾燥させることができる。
本発明を、限られた数の実施の形態に関して記載してきたが、本開示の恩恵を受けた当業者は、ここに開示されたような本発明の範囲から逸脱しない他の実施の形態が想起できることを認識するであろう。したがって、本発明の範囲は、付随の特許請求の範囲にしか限定されるべきではない。
100、106 残留物
102、108 表面
104、204 イオン交換可能な基体
110、200 イオン交換槽
202 塩浴
206 リチウム陽イオン
208 より大きいアルカリ金属陽イオン

Claims (12)

  1. 1種類以上の不溶性のリン酸リチウム化合物を含有する残留物を表面から除去する方法において、
    選択された期間に亘り5未満のpHを有する洗浄水溶液中に前記表面を浸漬し、それによって、前記残留物中の少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物が可溶性のリン酸水素リチウムに転化され、該可溶性のリン酸水素リチウムが前記洗浄水溶液中に溶ける工程;および
    前記表面を濯ぐ工程、
    を有してなる方法。
  2. 前記洗浄水溶液が、硝酸、塩化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、アスコルビン酸、およびその混合物から選択される酸または酸混合物を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記洗浄水溶液が酸または酸混合物を含み、該洗浄水溶液は、0.1質量%から10質量%の範囲の酸濃度を有する、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記表面が、リン酸塩およびリチウム陽イオンより大きいアルカリ金属陽イオンの少なくとも1つの供給源を含む塩浴中で処理されたリチウム含有ガラス材料の表面である、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
  5. 前記表面が、塩浴中のリチウム含有ガラス材料の処理中に該塩浴を収容するイオン交換槽の表面であり、該塩浴は、リン酸塩およびリチウム陽イオンより大きいアルカリ金属陽イオンの少なくとも1つの供給源を含む、請求項1から4いずれか1項記載の方法。
  6. 前記少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物が、LiPO、LiNaPO、またはLiNaPOである、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
  7. 前記可溶性のリン酸水素リチウムが、LiHPOおよびLiHPOの少なくとも一方を含む、請求項1から6いずれか1項記載の方法。
  8. 強化ガラスまたはガラスセラミックを調製する方法において、
    リン酸塩およびアルカリ金属陽イオンの少なくとも1つの供給源を含む塩浴を360℃より高い温度に加熱する工程;
    リチウム陽イオンを含むイオン交換可能な基体の少なくとも一部を前記塩浴と接触させ、それによって、前記リチウム陽イオンの少なくとも一部が前記イオン交換可能な基体から前記塩浴中に拡散し、該塩浴中に溶ける工程;
    溶けた前記リチウム陽イオンを前記塩浴から選択的に沈殿させて、少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物を形成する工程であって、該少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物の一部が、前記イオン交換可能な基体の表面上に堆積する工程;
    前記イオン交換可能な基体を前記塩浴から取り出し、選択された期間に亘り5未満のpHを有する洗浄水溶液中に前記表面を浸漬し、それによって、該表面上の前記少なくとも1種類の不溶性のリン酸リチウム化合物が可溶性のリン酸水素リチウムに転化され、該可溶性のリン酸水素リチウムが前記洗浄水溶液中に溶ける工程;および
    前記表面を濯ぐ工程;
    を有してなる方法。
  9. 前記洗浄水溶液が、硝酸、塩化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、アスコルビン酸、およびその混合物から選択される酸または酸混合物を含む、請求項8記載の方法。
  10. 前記洗浄水溶液が1種類以上の酸を含み、該洗浄水溶液は、0.1質量%から10質量%の範囲の酸濃度を有する、請求項8または9記載の方法。
  11. 前記リン酸塩が、NaPO、KPO、NaHPO、KHPO、Na10、Na、Na、K、Na、およびKの少なくとも1つを含む、請求項8から10いずれか1項記載の方法。
  12. 前記アルカリ金属陽イオンの少なくとも1つの供給源が、KNOおよびNaNOの少なくとも一方を含む、請求項8から11いずれか1項記載の方法。
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