JP2019042390A - 血液成分の収納容器、シート、及び血液成分の収納容器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】血液成分に対する可塑剤の悪影響を抑制しつつ、破損しにくい収容部を良好に加工できるシートを用いて製造可能な血液成分の収納容器と、当該血液成分の収納容器の製造に用いられるシートと、当該シートを用いる血液成分の収納容器の製造方法とを提供すること。【解決手段】塩化ビニル樹脂と、所定量のフタル酸ジウンデシル及びエポキシ化植物を含む可塑剤と、脂肪酸金属塩とを含む塩化ビニル樹脂組成物からなるシートを用いて、血液成分の収納容器における、血液成分を収容する収容部を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、血液成分の収納容器と、前述の収納容器が備える収容部において、収容部の血液成分と接触する面の形成に用いられるシートと、前述のシートを用いる収納容器の製造方法とに関する。
近年、手術時の輸血の際の患者の血液循環負荷の軽減や、輸血の際の副作用の抑制又は防止等を目的に、輸血が全血で行われるケースが減少している。
他方で、必ずしも必要のない全血での輸血は行わず、患者が必要としている血液成分だけ補充する成分輸血を行うケースや、必要な血液成分のみ供血者より採取し、他の成分は供血者に戻すてやる採血法(血液アフェレーシス法)を採用するケースが増加している。
しかし、従来の血液バッグで血液成分を保存したうえで成分輸血を行う場合、種々の問題が生じ得る。特に血小板については、従来の血液バッグを用いる保存による問題が生じやすい。
血小板を保存する際の細胞の生存性能力(Viability)には保存容器の気体透過性が大きく影響する。現在広く用いられている塩化ビニル製の血液バッグで濃厚血小板の液体を保存する場合、バッグ内の液体のpHが低下しやすい。このため、濃厚血小板の液体の機能低下が短期間で進行しやすい。
かかる事情により、血小板保存の有効期間は採血後の短期間に設定されるため、医療機関や供血者は著しい不便を被っていた。
そこで、血液保存容器について、気体透過性の向上を目的とする、塩化ビニル樹脂に添加される可塑剤の種類や量の変更や、気体透過性が良好であるポリオレフィン等の血液保存容器の材料としての採用等が、検討されてきた。
特開昭61−33661号公報
そこで、塩化ビニル樹脂に添加する可塑剤として、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(以下、DEHPとも記す。)の使用等が検討されている(特許文献1を参照。)
しかし、DEHPに代表される可塑剤のほとんどは、その可塑化効果の高さに起因して、血液保存容器の機械的強度を過度に低下させたり、成形加工性を過度に悪化させたりしやすい。このため、塩化ビニル樹脂へ可塑剤の添加量は制限される。
このような状況において、制限された量の可塑剤の使用によっては、血液保存容器の気体透過性を所望する程度まで向上させることは困難であった。
さらに、可塑剤の多くについて、生体適合性が低い点でも問題がある。特にDEHPは血小板の凝集能を抑制することが報告されている。
輸血の際の、血液又は血液成分を含む液への可塑剤の溶出を考えると、血液保存容器に可塑剤を大過剰に添加することは好ましいことではなかった。
また、従来の軟質塩化ビニル樹脂に共通する欠点として、低温における柔軟性の低下や物理的強度の著しい低下がある。このため、従来の塩化ビニル樹脂製の血液保存容器は、4℃程度の低温でも、柔軟性の低下により取り扱い性が損なわれるし、−20℃程度の極低温では破損することが多いという問題があった。
そして、血液保存容器の製造に用いられる塩化ビニル樹脂組成物には、内容物の視認性の観点から着色が少ないことが求められる。しかし、可塑剤の溶出や、低温での破損のしやすさ等の上記の課題を解決する目的で、塩化ビニル樹脂組成物の組成を種々変更すると、多様な要因によってシートに加工された塩化ビニル樹脂組成物が着色してしまうことが往々にしてある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、血液成分に対する可塑剤の悪影響が抑制され、膜厚のバラツキが小さく、且つ破損しにくく着色が抑制された収容部を備える血液成分の収納容器と、当該血液成分の収納容器の製造に用いられるシートと、当該シートを用いる血液成分の収納容器の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明者らは、塩化ビニル樹脂と、所定量のフタル酸ジウンデシル及びエポキシ化植物を含む可塑剤と、脂肪酸金属塩とを含む塩化ビニル樹脂組成物からなるシートを用いて、血液成分の収納容器における、血液成分を収容する収容部を形成することにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第1の態様は、
血液成分の収納容器であって、
収納容器が、血液成分を収容する収容部を備え、
収容部の血液成分と接触する面が、塩化ビニル樹脂組成物のシートからなり、
塩化ビニル樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、脂肪酸金属塩とを含み、
可塑剤が、フタル酸ジウンデシルと、エポキシ化植物油とを含み、
フタル酸ジウンデシルの量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、65〜94質量部であり、
脂肪酸金属塩の量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.0092〜0.46質量部である、収納容器である。
本発明の第2の態様は、
血液成分の収納容器が備える収容部において、収容部の血液成分と接触する面の形成に用いられるシートであって、
塩化ビニル樹脂組成物からなり、
塩化ビニル樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、脂肪酸金属塩とを含み、
可塑剤が、フタル酸ジウンデシルと、エポキシ化植物油とを含み、
フタル酸ジウンデシルの量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、65〜94質量部であり、
脂肪酸金属塩の量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.0092〜0.46質量部である、シート。
本発明の第3の態様は、
血液成分を収容する収容部を備える血液成分の収納容器の製造方法であって、
溶融又は軟化した塩化ビニル樹脂組成物をダイより押出してシートを製造することと、
シートを用いて、収容部における血液成分と接触する面がシートからなるように、袋状の収容部を形成することとを含み、
塩化ビニル樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、脂肪酸金属塩とを含み、
可塑剤が、フタル酸ジウンデシルと、エポキシ化植物油とを含み、
フタル酸ジウンデシルの量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、65〜94質量部であり、
脂肪酸金属塩の量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.0092〜0.46質量部である、製造方法である。
本発明によれば、血液成分に対する可塑剤の悪影響が抑制され、膜厚のバラツキが小さく、且つ破損しにくく着色が抑制された収容部を備える血液成分の収納容器と、当該血液成分の収納容器の製造に用いられるシートと、当該シートを用いる血液成分の収納容器の製造方法とを提供することができる。
本発明にかかる収納容器の概略構成を示す図である。
≪血液成分の収納容器≫
血液成分の収納容器は、血液成分を収容する収容部を備える。ここで、血液成分とは、全血であってもよく、血小板、赤血球、白血球、及び血漿から選択される1種以上の成分をであってもよい。
血液成分の収納容器の一実施態様を図1に示す。
収納容器1は、血液成分を収容する収容部11を備える。
収容部11の血液成分と接触する面は、以下詳細に説明する塩化ビニル樹脂組成物のシートからなる。このため、収容部11は、破損し難く、成形が容易である。
収容部11は、塩化ビニル樹脂組成物のみで形成されてもよいし、塩化ビニル樹脂組成物のシートとは反対の面に、種々の目的に応じて他の層が積層されていてもよい。
収容部11は、採血容器(図示せず)に連なる柔軟な導入チューブ2と、保存した血液成分を輸注するための輸血口13及び14と、排出チューブ15とを有して構成される。収容部11が備える導管12の先端には、採血容器に代えて血しょう保存容器等を連結することができる。
収納容器1が備える収容部11は、以下に説明する塩化ビニル樹脂組成物からなるシートを用いて形成されているため、低温下での柔軟性の低下が抑制され、凍結時における耐衝撃性に優れ、破損しにくい。
そのため、収納容器1は、全血、血小板、赤血球、白血球、及び血漿等の種々の血液成分の保存の目的で好適に使用することができる。
また、本発明にかかる収納容器1によれば、保存する内容物や保存方法、温度等の条件によって収納容器1を換えたり、選択したりする煩わしさが無くなる。
例えば、成分輸血をするための複合収納容器として、3個の収納容器1がチューブで連結された複合収納容器がある。
この複合収納容器は、採取した全血を貯溜する第1収納容器(これは血液を各成分に分別した後に赤血球を保存する収納容器でもある)と、血小板濃厚液を保存する第2収納容器と、血漿を保存する第3収納容器とからなる。
この3個の収納容器1は、血液を分別する前には連結されているが、収納する成分が異なるため、各血液成分をそれぞれの収納容器1に収納した後は切り離されて、異なる方法と条件で保存され、中には凍結保存されるものもある。
そのため、それぞれの収納容器1は素材を変えて作製するのが理想であるが、現実的には困難であり、コストアップの要因となる。従って、単一の素材で種々の保存対象、保存方法、保存条件に対応できる本発明にかかる収納容器は非常に有用である。
収納容器1が備える収容部11の気体透過性は容器の収容部11の肉厚や内表面積にも影響される。
従って、例えば血小板等の血液成分を72〜120時間保存する場合には、収容部11を構成するシートの肉厚は、0.20〜0.45mmが好ましく、0.32〜0.42mmがより好ましい。
かかる範囲の厚さのシートを用いると、滅菌の際や血液収納した状態で輸送する場合でも耐え得る強度を有し、気体透過性が良好であって、血小板等の血液成分を長時間安定して保存しやすい収納容器1を製造しやすい。
収容部11の有効内表面積は100〜1000cmであるのが好ましい。
有効内表面積がかかる範囲内であることで、良好な気体透過性と、収容部11の適切なサイズ及びハンドリング性とを両立できる。
また、収容部11に血小板を保存する場合、保存する血小板の数によって、好適な収容部11の寸法がある。
5〜10単位(1単位は2×1010個の血小板を含む)の血小板を長期間保存するためには、収容部11の有効内表面積が600〜700cmであるのが好ましい。
かかる収容部11としては、例えば、容量が600mLであり、有効内表面積が600〜700cmであるものが挙げられる。
10〜20単位の血小板を長期間保存するためには、収容部11の有効内表面積が700〜800cmであるのが好ましい。
かかる収容部11としては、例えば、容量が800mLであり、有効内表面積が700〜800cmであるものが挙げられる。
上記のように、所定の血小板単位数に対して、収容部11の有効内表面積を適切な範囲内に設定することで、良好な気体透過性と、収容部11の適切なサイズ及びハンドリング性とを両立できる。
なお、収容部11の容量は用途に応じて適宜変更することができる。容量の典型的な範囲としては100mL〜1000mLであり、好ましくは、200mL〜800mLである。特に好ましい容量としては、400mLや800mLが挙げられる。
血液細胞保存容器、特に血小板保存容器を構成するシートの気体透過性は、酸素気体透過性が9.0×10−10〜22.0×10−10cc・cm/cm・sec・cmHg/22℃であり、二酸化炭素透過性が6.0×10−9〜19.0×10−9cc・cm/cm・sec・cmHg/22℃であるのが好ましい。
気体透過性は高ければ高いほどよいというものではなく、高すぎると多量の酸素が容器内に透過して細胞浮遊液を高pHにするため、細胞に悪い影響を与える。
また、塩化ビニル樹脂に対するDUPの添加量がある程度多いと、収容部11において、血小板の沈殿や付着が少ない傾向がある。
これはDUPの添加量を増加するにしたがって収容部11が柔軟になり、振盪しながら血液成分を保存する際に、容器全体がしなやかに揺り動かされるため、細胞のシートへの沈着が起こり難いものと推測される。
従って、収納容器1は、収容部11を構成するポリ塩化ビニル樹脂として、所定量のDUPを配合したものを使用することにより、収容部11に高い気体透過性が付与されるだけでなく、収容部11の柔軟性が改善され、これらの2つの効果が相乗することによって優れた血小板等の血液成分の保存性が得られたものと考えられる。
他方で、収容部11は柔軟であればあるほどよいというものではなく、遠心や滅菌等の操作を行うために、容器として所定の水準の機械的強度が必要であり、気体透過性等の他の物性とのバランスがとれていることも重要である。
そのため、収容部11が血小板や赤血球等を保存する血球を保存する場合、収容部11は、JIS基準K7215による硬度が20〜30、JIS基準K7113による強度が1.2〜1.6kgf/mmであることが好ましい。
収納容器1を凍結保存用に用いる場合、凍結用保存容器や凍結用収納部分のシート肉厚は、血小板保存用や赤血球保存用のものよりやや厚くなるように0.4〜0.5mmにすると、破袋防止に有効である。
<塩化ビニル樹脂組成物>
前述の収容部11の血液成分と接触する面は、塩化ビニル樹脂組成物を用いて形成される。
塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、脂肪酸金属塩とを含む。
可塑剤が、フタル酸ジウンデシルと、エポキシ化植物油とを含む。
フタル酸ジウンデシルの量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、65〜94質量部であり、脂肪酸金属塩の量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.0092〜0.46質量部である。
上記の組成の塩化ビニル樹脂組成物からなるシートが血液成分と接触するように、収納容器1の収容部11を形成することにより、血液細胞を長期保存可能であり、血液適合性が高く、膜厚のバラツキが小さく、且つ破損しにくく着色が抑制された収容部11を備える血液保存容器を、容易に製造することができる。
以下、塩化ビニル樹脂組成物に含まれる、必須又は任意の成分について説明する。
(塩化ビニル樹脂)
塩化ビニル樹脂は、前述の特定の可塑剤を用いることにより十分に可塑化されつつ、十分な機械的強度を有する収納容器1を作成できる樹脂であれば、その種類は特に限定されない。
例えば、塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルのみからなる単独重合体であってもよく、塩化ビニルとその他の共重合し得る単量体との共重合体であってもよい。
共重合し得る単量体としては、例えば、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、スチレン、アクリル酸、アルキルアクリレート、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等が挙げられる。
塩化ビニル樹脂の平均重合度は特に限定されないが、1000〜2500の範囲の重合度が成形性、加工性、強度の点で好ましい。
また、前述の通り、塩化ビニル樹脂とDUPとは均一に混合し難い。このため、DUPを吸収しやすい塩化ビニル樹脂を使用するのが好ましい。
塩化ビニル樹脂のDUPの吸収性は、種々の要件によって影響されるが、その要件として、例えば開孔度が挙げられる。DUPの吸収性の観点からは、塩化ビニル樹脂の開孔度は10〜50cc/100gPVCが好ましく、20〜40cc/100gPVCがより好ましい。
塩化ビニル樹脂の開孔度が上記の範囲であることで、塩化ビニル樹脂に十分にDUPを吸収させやすく、また、強度や成形性が良好である塩化ビニル樹脂組成物を得やすい。
塩化ビニル樹脂内に所望する量のDUPが吸収されることによって、塩化ビニル樹脂を成形、加工する際の取扱性が向上する。
また、かかる開孔度を有する塩化ビニル樹脂を用いると、組成の均一な塩化ビニル樹脂組成物を得やすい、塩化ビニル樹脂組成物からの可塑剤の溶出量を低減でき、且つ、収納容器1の品質をコントロールしやすい。
塩化ビニル樹脂の粒子径は、流動性や取り扱い性の観点から、好ましくは50〜250μm、より好ましくは100〜200μmである。
(可塑剤)
前述の通り、塩化ビニル樹脂組成物は、可塑剤として、フタル酸ウンデシル(DUP)と、エポキシ化植物油とを含む。
塩化ビニル樹脂組成物が、所定量のDUPを含むことにより、可塑剤の血液成分への溶出による悪影響が抑制され、破損しにくい収容部11を作製でき、加工時の着色と膜厚のバラツキとが抑制されたシートを形成可能である。
また、塩化ビニル樹脂が、可塑剤としてエポキシ化植物油を含むことにより、シートに、機械的強度を維持しつつ良好な柔軟性が付与され、破損しにくい収容部11を形成しやすい。
しかし、塩化ビニル樹脂組成物が所定量のDUPを含む一方で、エポキシ化植物油を含まない場合、必ずしも、塩化ビニル樹脂組成物の加工時の加熱等による着色を防げない場合がある。
対して、塩化ビニル樹脂組成物が、DUPとともに、エポキシ化植物油と、脂肪酸金属塩とを組み合わせて含む場合には、エポキシ化植物油の使用と、脂肪酸金属塩の使用との相乗的な効果によって、塩化ビニル樹脂組成物の加工時の加熱等による着色が効果的に抑制される。
つまり、塩化ビニル樹脂組成物に、所定量のDUPと、エポキシ化植物油と、所定量の脂肪酸金属塩との3成分を組み合わせて含む塩化ビニル樹脂組成物からなるシートを用いることによって、膜厚のバラツキが小さく、且つ破損しにくく着色が抑制された収容部を備える血液成分の収納容器が得られる。
エポキシ化植物油としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、及びエポキシ化ひまし油等が挙げられ、エポキシ化大豆油が好ましい。
DUPの使用量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、65〜94質量部であり、72〜86質量部が好ましい。
かかる範囲内の量のDUPを用いることにより、膜厚が均一なシートを形成しやすい。また、かかる範囲内の量のDUPを含む塩化ビニル樹脂組成物からなるシートを用いることにより、血液成分に対する可塑剤の悪影響が抑制され、且つ破損しにくい収容部11を備える血液成分の収納容器を得やすい。
さらに、DUPの使用量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して65質量部以上であると、塩化ビニル樹脂組成物を用いて加熱による収縮が小さなシートを形成しやすい。
シートの収縮率が大きい場合、血液バッグの幅方向のサイズが、所定のサイズよりも小さくなる。そうすると、収容部11に血液を充填した際に、充填率が過度に高くなり、血液バッグのふくらみが大きくなる。ふくらみの大きい血液バッグが落下すると、血液バッグが容易に破袋される。このように、シートの収縮率の増大は、血液バッグの破袋強度の著しい低下を招く。
しかし、上記の範囲内の量のDUPを用いると、収縮が小さなシートを形成できるため、破袋強度が良好な血液バッグを形成しやすい。
エポキシ化植物油の使用量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、2〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましく、3〜7質量部が特に好ましい。
かかる範囲内の量のエポキシ化植物油を用いることにより、シートを用いて収容部11を成形する際の良好な成形性を維持しつつ、破損しにくい収容部11を良好に加工できるシートを得やすい。
(脂肪酸金属塩)
塩化ビニル樹脂組成物は、脂肪酸金属塩を含有する。塩化ビニル樹脂組成物は、可塑剤の種類や配合量次第で、加工時の加熱等の影響で着色されることがある。しかし、塩化ビニル樹脂組成物が脂肪酸金属塩を含有することにより、塩化ビニル樹脂組成物の加工時の加熱等による着色が抑制される。より具体的には、脱塩素反応による塩化ビニル樹脂からのHClの発生が抑制され、それによって、塩化ビニル樹脂組成物や塩化ビニル樹脂組成物からなるシートが黄みや赤みを帯びることを抑制する。また、塩化ビニル樹脂が脂肪酸金属塩を含有することでHClの発生が抑制されるため、シートの製造装置や、血液バッグの製造装置の腐食も抑制される。
脂肪酸金属塩の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。また、2種以上の脂肪酸金属塩が組み合わせて用いられてもよい。
脂肪酸金属塩は、本発明の目的を阻害しない範囲でどのような金属の塩であってもよい。脂肪酸金属塩は、Li塩、Na塩、K塩、Ca塩、Mg塩、Sr塩、Zn塩、Cs塩、又はAl塩であるのが好ましく、Li塩、Na塩、K塩、Ca塩、Mg塩、及びZn塩がより好ましく、Na塩、Ca塩、及びMg塩がさらに好ましい。
また、脂肪酸金属塩は、本発明の目的を阻害しない範囲でどのような脂肪酸の金属塩であってもよい。好適な脂肪酸の例としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、クロロステアリン酸、12−ケトステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、及びブラシジン酸、並びに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、大豆油脂肪酸、及び綿実油脂肪酸等の天然に産出する上記の酸の混合物が挙げられる。
上記の脂肪酸の金属塩の中でも、ラウリン酸金属塩、ミリスチン酸金属塩、パルミチン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、イソステアリン酸金属塩、リシノール酸金属塩、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸金属塩、及びベヘン酸金属塩が好ましく、ステアリン酸金属塩がより好ましい。
ステアリン酸金属塩としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、及びステアリン酸マグネシウムが好ましい。
塩化ビニル樹脂組成物における、脂肪酸金属塩の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.0092〜0.46質量部であり、0.0092〜0.2質量部が好ましく、0.0092〜0.1質量部がより好ましい。
かかる範囲内の量の脂肪酸金属塩を塩化ビニル樹脂に配合することにより、所望する効果を得やすい。
また、かかる範囲内の量の脂肪酸金属塩を、前述の範囲内の量のDUPとともに塩化ビニル樹脂に配合することにより、膜厚が均一なシートを安定して形成しやすい。膜厚が均一なシートを安定して形成できるということは、すなわち、塩化ビニル樹脂組成物の溶融加工が安定して行われているということである。
このため、それぞれ上記の範囲内の量の脂肪酸金属塩と、DUPとを組み合わせて塩化ビニル樹脂に配合する場合、シートにおける、焦げ、DUPの析出、フィッシュアイが生じにくい。
焦げ、DUPの析出、及びフィッシュアイのいずれについても、シート作成時の、塩化ビニル樹脂組成物の溶融物の不均一な流動や混練が、発生の一因であるためである。
なお、フィッシュアイは、十分に溶融していない塩化ビニル樹脂が、溶融した塩化ビニル樹脂に押し流されることで、シート表面に現れる不具合である。
脂肪酸金属塩の配合方法は特に限定されず、塩化ビニル樹脂の内部に溶融混練等の方法により配合されてもよく、塩化ビニル樹脂の表面に付着させてもよい。
(その他の成分)
塩化ビニル樹脂組成物は、上記の必須成分以外に、任意に種々の添加剤を含んでいてもよい。かかる添加剤としては、例えば、医薬品容器、医療器具等の材質として使用される樹脂材料に、通常配合されている添加剤から選択される。
以上説明した、それぞれ所定の量の各成分を混合した後、周知の方法に従って溶融混練することにより、シートの材料となる塩化ビニル樹脂組成物が得られる。
≪シート≫
シートは、血液成分の収納容器1が備える収容部11において、収容部11の血液成分と接触する面の形成に用いられる。かかるシートは、前述の塩化ビニル樹脂組成物からなる。
シートの製造方法は、所望の厚さのシートを製造できる方法であれば特に限定されない。Tダイ等を用いる溶融押出法や、インフレーション法、プレス法、溶融流涎法等の種々の方法を適用することができる。シートの製造方法としては、生産性が高く、膜厚の均一なシートを製造しやすい点から、ダイから軟化又は溶融した塩化ビニル樹脂組成物を押出す方法が特に好ましい。
シートの厚さは、収納容器1の強度や、血液成分の保存安定性の観点から、0.20〜0.45mmが好ましく、0.32〜0.42mmがより好ましい。
かかる範囲の厚さのシートを用いると、滅菌の際や血液収納した状態で輸送する場合でも耐え得る強度を有し、気体透過性が良好であって、血小板等の血液成分を長時間安定して保存しやすい収納容器1を製造しやすい。
≪収納容器の製造方法≫
収容能容器1の製造方法は、
溶融又は軟化した状態の、前述の所定の組成の塩化ビニル樹脂組成物をダイより押出してシートを製造することと、
前述の収納容器1が備える収容部11における血液成分と接触する面が前述のシートからなるように、高周波ウェルダー法によってシートをウェルダーし、袋状の収容部11を形成することと、を含む方法である。
上記の製造方法では、前述の所定の組成の塩化ビニル樹脂組成物を、例えばTダイ法のような方法によりダイから加熱、押出しすることによって膜厚が均一なシートを容易に形成できる。シートにおける膜厚のバラツキは、極低温の冷却条件下における収納容器の破損の一因である。
また、前述の塩化ビニル樹脂組成物を用いているため、シート作成時の加熱によってもシートが着色しにくい。
また、シートを用いて袋状の収容部11を形成する方法は、前述の通り高周波ウェルダー法である。
収容部11を形成する際のシートの枚数は特に限定されない。1枚のシートを折り曲げたうえで、高周波ウェルダー法による溶着を行って収容部11を形成してもよく、2枚以上のシートを溶着して収容部11を形成してもよい。収容部11を効率よく製造しやすくする点からは、2枚のシートを重ねて、高周波ウェルダー法により溶着する方法が好ましい。
高周波ウェルダー法による収容部11の作製方法の典型例としては、以下の通りである。まず、導管12、輸血口13,14、排出チューブ等のパーツをシート間に挿入し、シートと、これらのパーツとを高周波ウェルダーにより溶着させる。この時の溶着条件としては、例えば、陽極電流0.2〜0.3A、溶着時間2〜3秒程度である。次いで、重ねられたシートの、収容部の外周にあたる部分を高周波ウェルダーにより溶着して、収容部11が形成される。この時の溶着条件としては、例えば、陽極電流0.4〜0.5A、溶着時間2〜3秒程度である。
高周波ウェルダー法による収容部11の作製の観点からも、シートの膜厚のバラツキは問題である。シート同士を溶着する場合に、膜厚が薄い部分では溶着強度が低いからである。
以上より、前述の塩化ビニル樹脂組成物からなり、上記方法で形成される膜厚が均一なシートを用いることによって、着色が抑制され、且つ破損しにくい収容部11を形成することができる。
以下、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜6、及び比較例1〜5〕
実施例及び比較例において、塩化ビニル樹脂としては株式会社カネカ製のS−1004(平均重合度1400、開口度28)を用いた。それぞれ、表1に記載される量(質量部)の、塩化ビニル樹脂と、フタル酸ジウンデシル(DUP)と、エポキシ化大豆油と、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛とを、混練して、ペレット化された塩化ビニル樹脂組成物を得た。
表1に記載のステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛の量は、両者の量の合計値である。
なお、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛は、これらを含有する安定剤組成物として塩化ビニル樹脂組成物に配合した。ステアリン酸塩含有安定剤は、ステアリン酸カルシウム3.2質量%と、ステアリン酸亜鉛6質量%とを含有する。
得られた塩化ビニル樹脂組成物を用いて、押出機(D2025、株式会社東洋精機製作所製)と、Tダイ(T250C、株式会社東洋精機製作所製)とを用いて、以下の条件で溶融押出しを行い、厚さ400±20μmの塩化ビニル樹脂のシートを得た。
得られたシートと、導管、輸血口、及び排出チューブのパーツとを用いて、ヒートシール法によって、幅120±12mm、高さ160±16mm、容量400mLの血液成分用の収容容器を製造した。
なお、比較例4及び5については、塩化ビニル樹脂組成物のペレットを安定して製造することができなかった。このため、比較例4及び5では、シートの製造と、血液成分の収容容器の製造と、後述する種々の評価とを行わなかった。
<押出条件>
スクリュー回転数:155rpm
シリンダー温度:C1/C2/C3=150℃/160℃/170℃
Tダイ温度:175℃
<シート成形性評価>
実施例、及び比較例で得た塩化ビニル樹脂組成物を用いて、押出機(D2025、株式会社東洋精機製作所製)と、Tダイ(T250C、株式会社東洋精機製作所製)とを用いて、以下の条件で溶融押出しを行い、ロール状に巻き取られた幅23cm、厚さ400±20μmのシートを作成した。
押出し開始後、押出し開始時の位置と、押出し開始後0分後、5分後、10分後、15分後、20分後、25分後、30分後の位置(計7カ所)について、シートの厚さを測定した。なお、各測定位置と隣接する測定位置との間隔は2.8mである。
各位置におけるシートの厚さの測定は、シート幅方向に対して30mm間隔でとった点に対して行った。
測定位置7カ所(0分、5分、10分、15分、20分、25分、30分)における膜厚の測定値のうちの最大値と最小値との差を、膜厚のバラツキとして採用した。
<押出条件>
スクリュー回転数:155rpm
シリンダー温度:C1/C2/C3=150℃/160℃/170℃
Tダイ温度:175℃
<表面粗さ評価>
シート成形性評価で作成されたシートについて、表面粗さ測定器(SURFCOF103A)を用いて表面粗さ(Ra)の測定を行った。Raが7μm以上である場合を○と評価し、Raが7μm未満の場合を×と評価した。
<焦げ評価>
シート成形性評価で作成されたシートについて、目視で観察し、焦げの発生の有無を評価した。焦げの発生が観察された場合に×と判定し、焦げの発生が観察されなかった場合に〇と判定した。
<DUP析出評価>
シート成形性評価で作成されたシートについて、目視で観察し、DUPの析出の有無を評価した。DUPの析出が観察された場合に×と判定し、DUPの析出が観察されなかった場合に〇と判定した。
<フィッシュアイ評価>
シート成形性評価で作成されたシートについて、目視で観察し、フィッシュアイの発生の有無を評価した。フィッシュアイの発生が観察された場合に×と判定し、フィッシュアイの発生が観察されなかった場合に〇と判定した。
<着色評価>
シート成形性評価で作成された、作成直後のシートを用いて高周波ウェルダーにより製袋を行った。作成されたバッグについて、色彩色差計(CR−400、コニカミノルタジャパン株式会社製)を用いてL表色系におけるbの値を求めた。具体的には、シート中の任意の5点について色度座標の測定を行い、5点のbの平均値をシートのbの値とした。bの値は、黄みの指標となる値である。bの値が1.7以上である場合を×と判定し、1.7未満である場合を○と判定した。
<収縮率評価>
シートについて高圧蒸気滅菌を行い、滅菌前のシートサイズと、滅菌後のシートサイズとから、収縮率を算出した。収縮率が、7.0%未満である場合を○と評価し、収縮率が7.0%以上である場合を×と評価した。
<耐破損性評価>
前述の方法で製造された収納容器に水240mL充填した後、収納容器を厚さ5μmのポリエチレン製フィルムからなる幅250mm高さ400mmの内袋に入れた。次いで、ヒートシールにより内袋内に収納容器を封入した。内袋内に封入された収納容器を凍結保存用の箱に入れた後、水の入った収納容器を−30℃で24時間凍結保存した。
凍結保存後の箱10個を、箱の底面がアルミ板に衝突するように、それぞれアルミ板上に自由落下させた。その後、箱の中から収納容器を取出し、収納容器の破損の有無を確認した。なお、落下高さは、アルミ板と、箱の底面との距離として30cmであった。
10個全ての収納容器に破損が無かった場合を○と評価し、1個以上の収納容器に破損が認められた場合を×と判定した。
Figure 2019042390
実施例から、塩化ビニル樹脂と、塩化ビニル樹脂100質量部に対して65〜94質量部のフタル酸ジウンデシルと、エポキシ化植物油と、塩化ビニル樹脂100質量部に対して0.0092〜0.46質量部の脂肪酸金属塩とを含む塩化ビニル樹脂組成物からなるシートを用いて形成された収容部は、膜厚のバラツキ、焦げ、DUPの析出、及びフィッシュアイが抑制され、且つ破損しにくく着色が抑制されていることが分かる。
他方、比較例から、塩化ビニル樹脂組成物において、フタル酸ジウンデシルの含有量が塩化ビニル樹脂100質量部に対して65質量部未満又は94質量部超であるか、脂肪酸金属塩の含有量が塩化ビニル樹脂100質量部に対して0.0092質量部未満である場合、膜厚のバラツキが小さく、且つ破損しにくく着色が抑制された収容部を形成しにくいことが分かる。
特に、脂肪酸金属塩の含有量が塩化ビニル樹脂100質量部に対して0.0092質量部未満である場合、ペレット製造機を長時間継続して運転した場合に装置の故障が懸念される状況であった。
1 収納容器
11 収容部
12 導管
13 輸血口
14 輸血口
15 排出チューブ

Claims (9)

  1. 血液成分の収納容器であって、
    前記収納容器が、前記血液成分を収容する収容部を備え、
    前記収容部の前記血液成分と接触する面が、塩化ビニル樹脂組成物のシートからなり、
    前記塩化ビニル樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、脂肪酸金属塩とを含み、
    前記可塑剤が、フタル酸ジウンデシルと、エポキシ化植物油とを含み、
    前記フタル酸ジウンデシルの量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、65〜94質量部であり、
    前記脂肪酸金属塩の量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.0092〜0.46質量部である、収納容器。
  2. 前記エポキシ化植物油の量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、2〜10質量部である、請求項1に記載の収納容器。
  3. 前記エポキシ化植物油が、エポキシ化大豆油である、請求項1又は2に記載の収納溶液。
  4. 血液成分の収納容器が備える収容部において、前記収容部の前記血液成分と接触する面の形成に用いられるシートであって、
    塩化ビニル樹脂組成物からなり、
    前記塩化ビニル樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、脂肪酸金属塩とを含み、
    前記可塑剤が、フタル酸ジウンデシルと、エポキシ化植物油とを含み、
    前記フタル酸ジウンデシルの量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、65〜94質量部であり、
    前記脂肪酸金属塩の量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.0092〜0.46質量部である、シート。
  5. 前記エポキシ化植物油の量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、2〜10質量部である、請求項4に記載のシート。
  6. 前記エポキシ化植物油が、エポキシ化大豆油である、請求項4又は5に記載のシート。
  7. 血液成分を収容する収容部を備える血液成分の収納容器の製造方法であって、
    溶融又は軟化した塩化ビニル樹脂組成物をダイより押出してシートを製造することと、
    前記収容部における前記血液成分と接触する面が前記シートからなるように、高周波ウェルダー法によってシートをウェルダーし、袋状の前記収容部を形成することとを含み、
    前記塩化ビニル樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、脂肪酸金属塩とを含み、
    前記可塑剤が、フタル酸ジウンデシルと、エポキシ化植物油とを含み、
    前記フタル酸ジウンデシルの量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、65〜94質量部であり、
    前記脂肪酸金属塩の量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.0092〜0.46質量部である、製造方法。
  8. 前記エポキシ化植物油の量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、2〜10質量部である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記エポキシ化植物油が、エポキシ化大豆油である、請求項7又は8に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6133661A (ja) * 1984-02-02 1986-02-17 テルモ株式会社 医療用器具
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