JP2019040759A - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い出力と優れたサイクル特性が得られる全固体電池を製造する。【解決手段】全固体電池の製造方法は、正極と、固体電解質層と、負極とを備える電極群を含む全固体電池を組み立てる第1工程と、前記全固体電池を、未充電状態で、80℃以上の温度で加熱する第2工程と、前記第2工程の後、前記全固体電池を未充電状態で45℃以下の温度に冷却する第3工程と、を備える。前記固体電解質層と、前記正極および前記負極の少なくとも一方とは、それぞれ、固体電解質を含む。前記第1工程において、前記正極、前記固体電解質層、および前記負極が積層された積層体を形成し、前記積層体を加圧する。前記全固体電池を加熱する温度は、前記固体電解質の相転移、ガラス転移、または化学変化が起こる温度よりも低い。【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質層を備える全固体電池の製造方法に関する。
様々な二次電池が開発されている中、高いエネルギー密度が得られ易いリチウムイオン二次電池(LIB)が最も有望視されている。一方、電池の用途拡大に伴って、自動車用電池や据え置き型電池などの大型電池が注目されている。大型電池では、小型電池に比べて安全性の確保がさらに重要になる。無機系の固体電解質を用いる全固体電池は、電解液を用いるLIBに比べて、大型化しても安全性を確保し易く、高容量化し易いと期待されている。
全固体電池は、一般に、正極、負極、およびこれらの間に介在する固体電解質層を備える電極群を含む。固体電解質層には、固体電解質が含まれ、正極および負極にはそれぞれ、活物質および固体電解質が含まれる。全固体電池では、充放電反応が、全て固体と固体との界面で生じる。そのため、全固体電池では、電解液を用いる電池とは異なり、固体と固体との界面における接触抵抗が電池の性能を大きく左右する。
特許文献1では、全固体LIBの出力特性を高める観点から、正極と電解質層とに、硫化物系固体電解質を用いることを提案している。特許文献1では、加圧成形で形成した電解質層に、正極合材を載せてさらに加圧成形し、電解質層の正極合材とは反対側にインジウム箔を配置して、電池を作製している。
特開2010−245039号公報
しかし、特許文献1では、電解質層に正極合材を加圧成形しているに過ぎないため、活物質粒子と固体電解質粒子との界面など、固体と固体との界面における接触抵抗を低減するのには限界がある。
本発明の一局面は、正極と、固体電解質層と、負極とを備える電極群を含む全固体電池を組み立てる第1工程と、
前記全固体電池を、未充電状態で、80℃以上の温度で加熱する第2工程と、
前記第2工程の後、前記全固体電池を未充電状態で45℃以下の温度に冷却する第3工程と、を備え、
前記固体電解質層と、前記正極および前記負極の少なくとも一方とは、それぞれ、固体電解質を含み、
前記第1工程において、前記正極、前記固体電解質層、および前記負極が積層された積層体を形成し、前記積層体を加圧し、
前記第2工程において、全固体電池を加熱する温度は、前記固体電解質の相転移、ガラス転移、または化学変化が起こる温度よりも低い、全固体電池の製造方法に関する。
上記局面に係る製造方法により得られる全固体電池では、高い出力を確保することができるとともに、高いサイクル特性を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る製造方法により得られる全固体電池に含まれる電極群を概略的に示す縦断面図である。
本発明の一実施形態に係る全固体電池の製造方法は、正極と、固体電解質層と、負極とを備える電極群を含む全固体電池を組み立てる工程(第1工程)と、全固体電池を、未充電状態で、80℃以上の温度で加熱する工程(第2工程)と、第2工程の後、全固体電池を未充電状態で45℃以下の温度に冷却する工程(第3工程)と、を備える。固体電解質層と、正極および負極の少なくとも一方とは、それぞれ、固体電解質を含む。第1工程において、正極、固体電解質層、および負極が積層された積層体を形成し、積層体を加圧する。第2工程において、全固体電池を加熱する温度は、固体電解質の相転移、ガラス転移、または化学変化が起こる温度よりも低い。
全固体電池の電極や固体電解質層では、一般に、固体電解質は、粒子状で存在して、活物質粒子や固体電解質粒子同士で接触している。全固体電池では、電解液が存在しないため、固体電解質粒子同士や固体電解質粒子と活物質粒子との界面における接触抵抗が、出力や容量に影響し易い。
本実施形態では、全固体電池を組み立てる際に、正極、固体電解質層および負極が積層された積層体を加圧するとともに、組み立てた全固体電池を、未充電状態で、80℃以上、かつ固体電解質の相転移、ガラス転移または化学変化が起こる温度よりも低い温度で加熱する。そのため、固体電解質粒子同士や固体電解質粒子と活物質粒子とが接触または近接した状態で、固体電解質粒子を適度にゆっくりなじませることができる。これにより、固体電解質粒子同士や固体電解質粒子と活物質粒子とを密着させることができる。よって、高い出力を確保することができる。高い出力を確保するには、積層体を加圧して、各層内においてできるだけ空隙を少なくし、固体電解質粒子同士や、固体電解質粒子と活物質粒子とを接触または近接させた状態とすることも重要である。このような状態で、上記の温度で加熱することにより、固体電解質粒子同士や、固体電解質粒子と活物質粒子とをなじませることが可能となる。このようにして、固体と固体との接触状態が改善される。また、未充電状態の全固体電池を、加熱後45℃以下に冷却することで、固体電解質粒子や活物質粒子の組成変化や変質が生じたり、固体電解質粒子と活物質粒子との界面で副反応が生じたりすることが抑制される。よって、充放電サイクルを繰り返した後も高い放電容量を確保し易くなるため、サイクル特性の低下を抑制できる。
なお、ひとたび充電した状態の全固体電池を加熱工程に供しても、出力は向上しない。また、加熱した全固体電池を、冷却せずに充放電を行なうと、出力が低下したり、充放電効率やサイクル特性が低下する場合がある。これは、充電した状態で全固体電池を加熱した全固体電池を冷却せずに充放電すると、充電時に副反応が生じることで、抵抗が上がったり、活物質から酸素が放出されることなどにより電極材料が劣化したり、熱の作用により、電解質や活物質の組成変化や変質が生じたりするためと考えられる。そのため、本実施形態では、未充電状態の全固体電池を加熱することおよび加熱した全固体電池を未充電状態で冷却することが重要である。
未充電状態の全固体電池とは、一度も充電していない全固体電池を言う。一般に、全固体電池は、慣らし充放電(予備充放電)を経てから、充放電に供される。本明細書における未充電状態の全固体電池とは、慣らし充放電を行なう前の全固体電池である。
固体電解質の相転移、ガラス転移、または化学変化が起こる温度とは、固体電解質の結晶化、転移融解などの相転移が起こる温度、ガラス転移点、もしくは各種化学変化(例えば、熱分解、燃焼、酸化、還元など)が起こる温度などを意味する。つまり、本実施形態では、これらの転移や変化が起こらない温度で全固体電池を加熱する。
以下に、本実施形態に係る全固体電池の製造方法についてより詳細に説明する。
全固体電池の製造方法は、全固体電池を組み立てる第1工程と、未充電状態の全固体電池を加熱する第2工程と、加熱した全固体電池を未充電状態で冷却する第3工程とを備える。
(第1工程)
第1工程では、例えば、電極群を電池ケースに収容することにより全固体電池が組み立てられる。
電極群は、正極と、固体電解質層と、負極とが積層された積層体を形成し、積層体を加圧することにより形成される。電極や固体電解質層の形成順序は特に制限されない。例えば、積層体は、固体電解質層を形成した後、固体電解質層の一方の主面に正極および負極のうち一方の電極を作製し、他方の主面に他方の電極を形成することにより作製してもよい。また、正極および負極のうち一方の電極を形成し、この一方の電極上に固体電解質層を形成し、固体電解質層上に他方の電極を形成することで積層体を作製してもよい。型枠に、正極および負極のうち一方の電極の材料を充填し、この上に、固体電解質層の材料を充填し、この上に他方の電極の材料を充填し、圧縮することにより積層体(または電極群)を形成してもよい。
本実施形態では、固体電解質層と、正極および負極の少なくとも一方とが、それぞれ、固体電解質を含んでいる。そして、全固体電池の組み立て工程において、正極、固体電解質層、および負極の積層体を形成し、積層体を加圧する。そのため、電池の加熱工程に先立って、固体電解質粒子同士や、固体電解質粒子と電極に含まれる活物質粒子とを接触させ易くなる。
第1工程では、積層体を加圧することで電極群を形成し、形成した電極群を電池ケースに収容してもよく、積層体を電池ケースに収容した後に積層体を加圧することにより電池ケース内で電極群を形成してもよい。例えば、電池ケースがラミネートフィルムなどである場合には、積層体を電池ケースに収容した後に電池ケースごと、積層体を加圧すればよい。
積層体を加圧する際の圧力は、例えば、200MPa以上であり、固体電解質層と正極および/または負極との密着性をさらに高める観点からは、300MPa以上または500MPa以上にすることが好ましく、700MPa以上または900MPa以上にすることがさらに好ましい。圧力の上限は特に制限されないが、例えば、1500MPa以下である。加圧を複数回行なう場合には、同じ圧力で加圧してもよく、圧力を変更してもよい。加圧を複数回行なう場合には、例えば、加圧する圧力を徐々に大きくしてもよい。
なお、電極群の正極および負極には、それぞれリードの一端部が接続される。リードの他端部は電池ケースの外部に露出した外部端子と電気的に接続される。
以下に電極群の構成についてより具体的に説明する。
(電極)
固体電解質は、正極および負極の少なくとも一方に含まれていればよいが、双方に含まれることで第2工程による粒子間の接触抵抗の低減効果が得られ易くなる。特に、正極では、抵抗により電位が変化し易いため、第2工程による効果が顕著に現れ易い。
正極および負極は、それぞれ、通常、活物質と固体電解質とを含む電極合材を含む。これらの電極は、それぞれ、電極合材を成膜し、加圧することにより得ることができる。集電体の表面に、電極合材層を形成することにより電極を形成してもよい。成膜は、公知の手順で行なうことができるが、簡便でコスト的に有利であるため、乾式成膜が好ましい。
電極合材層の加圧は、例えば、100MPa以上の圧力で行なうことが好ましく、150MPa以上の圧力で行なうことがさらに好ましい。このときの圧力の上限は特に制限されないが、積層体を上記の圧力で加圧するため、200MPaより小さい圧力であってもよい。電極合材層の加圧は、少なくとも一回行なえばよく、複数回行なってもよい。加圧を複数回行なう場合には、同じ圧力で加圧してもよく、圧力を変更してもよい。例えば、一方の電極と固体電解質層とを積層した後に、他方の電極の電極合材層を固体電解質層上に形成する場合、一旦、このような圧力で加圧した後に、形成される積層体を上述の圧力(200MPa以上の圧力)で加圧することで電極群を形成することが好ましい。
(活物質)
正極に使用される活物質としては、全固体電池において、正極活物質として使用されるものを特に制限なく用いることができる。全固体LIBを例に挙げて説明すると、正極活物質としては、例えば、コバルト、ニッケル、および/またはマンガンなどを含むリチウム含有酸化物[例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、ニッケルコバルト酸リチウム(LiNi0.85Co0.152など)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi1/3Co1/3Mn1/32など)、マンガン酸リチウム(スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn24など)など)など]、Li過剰の複合酸化物(Li2MnO3−LiM12)などの酸化物の他、酸化物以外の化合物も挙げられる。酸化物以外の化合物としては、例えば、オリビン系化合物(LiM1PO4)、イオウ含有化合物(Li2Sなど)などが挙げられる。なお、上記式中、M1は遷移金属を示す。正極活物質は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。高容量が得られ易い観点からは、Co、NiおよびMnからなる群より選択される少なくとも一種を含むリチウム含有酸化物が好ましい。リチウム含有酸化物は、さらにAlなどの典型金属元素を含んでもよい。Alを含むリチウム含有酸化物としては、例えば、アルミニウム含有ニッケルコバルト酸リチウムなどが挙げられる。
結晶構造の安定性および充放電ヒステリシスの低減、電子伝導性を高め易くなる観点から、正極活物質のうち、Niを含むリチウム含有酸化物が好ましい。このような正極活物質としては、例えば、式(1):Li1+x(Niy11-y11-x2で表される酸化物が挙げられる。式(1)中、Mは、Co、Mn、Fe、およびAlからなる群より選択される少なくとも一種であり、Coを必須成分として含む。xは、0≦x≦1/3であることが好ましい。xがこのような範囲である場合、金属酸化物を高容量化することができるとともに、充放電を安定に行うことができる。NiおよびMの合計に占めるNiのモル比y1は、0.2≦y1≦0.9を充足する。元素Mは、Coおよび/またはAlを含む場合が好ましく、Coおよび/またはAlとこれら以外の元素を含んでもよい。元素Mは、Niのみからなる場合も好ましく、Niと、Co、Mn、Fe、および/またはAlとの組み合わせである場合も好ましい。
なお、上記式(1)では、金属酸化物を二酸化物として記載したが、酸素の係数「2」は、「2±δ」であってもよく、酸素の係数が2±δである式(A)や式(1)の金属酸化物も本実施形態に含まれる。ここで、δは、酸素過剰量または酸素欠損量であり、例えば、0〜0.2である。
式(1)の金属酸化物の具体例としては、LiNi0.8Co0.15Al0.052などのLi1+x(Ni0.8Co0.15Al0.051-x2、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.5Co0.2Mn0.32、LiNi0.6Co0.2Mn0.22、LiNi0.8Co0.1Mn0.12などが挙げられる。
負極に使用される活物質としては、全固体LIBで使用される公知の負極活物質が利用できる。全固体LIBを例に挙げて説明すると、負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを挿入および脱離可能な炭素質材料の他、リチウムイオンを合金化および脱合金化することが可能な金属や半金属の単体、合金、または化合物などが挙げられる。炭素質材料としては、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛など)、ハードカーボン、非晶質炭素などが例示できる。金属や半金属の単体、合金としては、リチウム金属や合金、Si単体などが挙げられる。化合物としては、例えば、酸化物、硫化物、窒化物、水素化物、シリサイド(リチウムシリサイドなど)などが挙げられる。酸化物としては、チタン酸化物、ケイ素酸化物などが挙げられる。負極活物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、ケイ素酸化物と炭素質材料とを併用してもよい。負極活物質のうち、黒鉛が好ましく、黒鉛粒子と黒鉛粒子を被覆する非晶質炭素とを含む被覆粒子を用いてもよい。
黒鉛などの炭素質材料の粒子は、比較的硬いため、一般には、固体電解質粒子との接触抵抗を低減し難いが、本実施形態では、第2工程により全固体電池を加熱するため、炭素質材料の粒子を用いる場合でも、固体電解質粒子とのなじみを向上することができる。
(固体電解質)
電極(具体的には、電極合材層)に使用する固体電解質としては、イオン伝導性を示す固体電解質が使用される。固体電解質としては、硫化物(硫化物系固体電解質)、水素化物(水素化物系固体電解質)などの無機固体電解質が好ましい。水素化物には、一般に、錯体水素化物と呼ばれる固体電解質も含まれる。
固体電解質の相転移、ガラス転移、または化学変化する温度は、例えば、210℃よりも大きく、220℃以上であってもよい。
固体電解質について、全固体LIBの場合を例に挙げて説明すると、例えば、Liと、Sと、周期表第13族元素、第14族元素、および第15族元素からなる群より選択された少なくとも一種の元素とを含むもの(例えば、硫化物)が好ましい。周期表第13〜15族元素としては、特に限定されるものではないが、例えば、P、Si、Ge、As、Sb、Al等を挙げることができ、中でもP、Si、Geが好ましい。中でも、Li、P、およびSを含む固体電解質(例えば、硫化物)が好ましい。
硫化物としては、例えば、Li2Sと、周期表第13族元素、第14族元素、および第15族元素からなる群より選択された少なくとも一種の元素を含む一種または二種以上の硫化物とを含むものが好ましい。硫化物の具体例としては、Li2S−SiS2、Li2S−P25、Li2S−GeS2、Li2S−B23、Li2S−Ga23、Li2S−Al23、Li2S−GeS2−P25、Li2S−Al23−P25、Li2S−P23、Li2S−P23−P25、LiX−Li2S−P25、LiX−Li2S−SiS2、LiX−Li2S−B23(X:I、Br、Cl、またはI)などが挙げられる。
水素化物としては、例えば、水素化ホウ素リチウムの錯体水素化物などが挙げられる。錯体水素化物としては、例えば、LiBH−LiI系錯体水素化物およびLiBH−LiNH系錯体水素化物、LiBH−P、LiBH−Pなどが挙げられる。
固体電解質は、一種を単独で用いてもよく、必要に応じて、二種以上を併用してもよい。
正極および負極に含まれる固体電解質は、同じ種類であってもよく、異なっていてもよい。
各電極には、必要に応じて、全固体電池で電極に使用される公知の成分、例えば、バインダ、導電助剤、その他の添加剤などを添加してもよい。
集電体としては、高温で電極材料や固体電解質に金属イオンが溶出、拡散しないものであれば特に制限なく使用することができる。このような集電体の形態としては、例えば、金属箔、板状体、粉体の集合体などが挙げられ、集電体の材質を成膜したものを用いてもよい。金属箔は、電解箔、エッチド箔などであってもよい。集電体は、電極合材層や活物質の層を形成する際に、波打ったり、破れたりしない強度を有するものが望ましい。
正極に使用する集電体の材質としては、正極の酸化還元電位において安定な材質、例えば、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、亜鉛、スズ、またはこれらの合金などが例示される。負極に使用する集電体の材質としては、負極の酸化還元電位において安定な材質、例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、これらの合金などが挙げられる。
集電体の厚みは、例えば、5μm〜300μmの範囲から適宜選択できる。集電体の厚みは、10μm〜50μmであることが好ましい。
(固体電解質層)
固体電解質層は、固体電解質を含む。固体電解質層は、固体電解質を成膜し、加圧することにより形成できる。固体電解質の成膜は、公知の手順で行なうことができるが、高いイオン伝導性を確保し易い観点からは、乾式成膜が好ましく、成膜の際に樹脂などのバインダを用いないことが好ましい。
固体電解質層の加圧は、例えば、100MPa以上の圧力で行なうことが好ましく、150MPa以上の圧力で行なうことがさらに好ましい。このときの圧力の上限は特に制限されないが、積層体を上記の圧力で加圧するため、200MPaより小さい圧力であってもよい。固体電解質層の加圧は、少なくとも一回行なえばよく、複数回行なってもよい。加圧を複数回行なう場合には、同じ圧力で加圧してもよく、圧力を変更してもよい。例えば、双方の電極を先に形成し、電極間に固体電解質層を形成する場合には、双方の電極とこれらの電極間に配置された固体電解質の膜とを、一旦、このような圧力で加圧した後に、形成される積層体を上述の圧力(200MPa以上の圧力)で加圧することで電極群を形成することが好ましい。
固体電解質としては、電極について例示した固体電解質が挙げられ、硫化物や水素化物が好ましい。
使用する固体電解質は、正極および/または負極とで同じであってもよく、いずれの電極とも異なっていてもよい。
固体電解質層には、必要に応じて、全固体電池の固体電解質層に用いられる公知の添加剤を添加してもよい。固体電解質層において高いイオン伝導性を確保する観点から、固体電解質層は、電極合材層の場合と同様に、分散媒やバインダなどの有機成分を用いずに作製することが好ましい。
固体電解質層の厚みは、例えば、20μm〜200μmである。
(第2工程)
第2工程では、未充電状態の全固体電池を、80℃以上で、かつ固体電解質の相転移、ガラス転移、または化学変化が起こる温度よりも低い温度で加熱する。固体電解質の相転移、ガラス転移、または化学変化が起こる温度以上の温度で加熱すると、固体電解質粒子同士の界面や活物質粒子と固体電解質粒子との界面で固体電解質が変質したり、副生物が生じたりする。これにより、界面における抵抗が高くなるため、出力を向上できなくなる。
固体電解質の種類にもよるが、加熱温度は、100℃以上が好ましい。また、固体電解質粒子同士、固体電解質粒子と活物質粒子との間の接触状態を向上させやすい観点からは、加熱温度は、固体電解質の相転移、ガラス転移、または化学変化が起こる温度よりも、低ければよいが、5℃以上または10℃以上低い温度であることが好ましく、50℃以上または100℃以上低い温度であることがさらに好ましい。同様の理由で、加熱温度は、210℃以下または200℃以下であることが好ましく、150℃以下または120℃以下であることがさらに好ましい。これらの下限値と上限値を任意に組み合わせることができる。加熱温度は、例えば、80℃以上210℃以下、80℃以上200℃以下、80℃以上150℃以下、または80℃以上120℃以下であってもよい。なお、加熱温度は、全固体電池の構成部材(例えば、絶縁材、パッケージ、シーラントなどの樹脂製の部材)の融点または分解温度より低い温度とすることが望ましい。
全固体電池の加熱は、加圧下で行なってもよい。全固体電池を加圧する際の圧力は、例えば、0.5MPa以上100MPa以下であり、1MPa以上80MPa以下であることが好ましく、10MPa以上80MPa以下または30MPa以上80MPa以下であることがさらに好ましい。このような圧力を加えながら、全固体電池の加熱を行なうと、固体電解質粒子同士や固体電解質粒子と活物質粒子との密着性が高まり易く、接触抵抗を低減する上で有利である。
全固体電池を加熱する時間は、固体電解質粒子同士や固体電解質粒子と活物質粒子とをなじませることができる範囲で適宜決定すればよい。加熱時間は、例えば、0.5時間〜10時間であり、1時間〜6時間が好ましく、1時間〜4時間がさらに好ましい。
(第3工程)
第3工程では、第2工程で加熱した全固体電池を、未充電状態で冷却する。予備充放電を含めて充放電の前に、加熱した電池を冷却することで、副反応が起こるのを抑制したり、固体電解質粒子および/または活物質粒子の組成変化や変質を抑制することができる。
冷却温度は、45℃以下であればよく、40℃以下の温度が好ましく、常温(例えば、10℃以上35℃以下の温度)またはそれ以下の温度であることがさらに好ましい。このような温度に全固体電池を冷却することで、副反応、固体電解質粒子および/または活物質粒子の組成変化や変質を抑制することができる。冷却温度の下限は特に制限されないが、例えば、10℃以上である。
本実施形態に係る製造方法では、全固体電池の電極群において、正極と固体電解質層と負極との積層体を加圧することで、電極および固体電解質層に含まれる固体電解質粒子同士や固体電解質粒子と活物質粒子とを接触または近接した状態とする。そして、この接触または近接した状態の粒子同士を、未充電状態の電池を加熱する際に適度になじませることができ、固体電解質粒子同士、固体電解質粒子と活物質粒子とを密着させることができる。そのため、このような製造方法により得られる全固体電池では、固体電解質粒子同士の界面および固体電解質粒子と活物質粒子との界面における接触抵抗が低減され、高い出力が得られる。また、加熱した全固体電池を、未充電状態で冷却することで、副反応を抑制できるとともに、固体電解質粒子や活物質粒子の組成変化や変質を抑制できる。そのため、全固体電池では、高いサイクル特性を確保することができる。本実施形態には、このような製造方法により得られる全固体電池も包含される。
図1は、本実施形態に係る製造方法により得られる全固体電池に含まれる電極群を概略的に示す縦断面図である。全固体電池が備える電極群1は、正極2と、負極4と、これらの間に介在する固体電解質層3とを備える。正極2は、正極集電体2bとこれに担持された正極合材層2aとを備える。負極4は、負極集電体4bとこれに担持された負極合材層4aとを備える。正極2と負極4とは、正極合材層2aと負極合材層4aとが対向するように配置される。正極合材層2aと負極合材層4aとの間に、固体電解質層3が配置されている。正極2、固体電解質層3、および負極4は、固体電解質を含む。正極2、固体電解質層3および負極4では、正極、固体電解質層および負極の積層体の加圧と、上述の加熱工程により、固体電解質粒子同士、固体電解質粒子と活物質粒子とがなじんで、粒子間の界面における接触状態が向上しており、接触抵抗が低減されている。
図1の正極合材層2aと負極合材層4aと固体電解質層3とはほぼ同じサイズの円盤状であり、固体電解質層3を間に挟持した状態で積層され、円柱状の積層体6を形成している。積層体6の側面には、負極合材層4aの側面および固体電解質層3の負極合材層4a側の側面を覆うように、絶縁体5が装着されている。正極集電体2bおよび負極集電体4bは、正極合材層2aおよび負極合材層4aよりもサイズが大きな円状または多角形状(四角形など)の金属箔である。正極集電体2bおよび負極集電体4bは、絶縁体5を装着した状態の積層体6とほぼ同じサイズとなるように形成されている。
全固体電池は、図1に示す例に限らず、丸型、円筒型、角型、薄層フラット型などの様々なタイプであってもよい。電極群は、複数の正極および/または複数の負極を含んでもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記の手順で図1に示す電極群を備える全固体電池を作製した。
(1)全固体電池の組み立て
(a)固体電解質層3の作製
冷間ダイス鋼(SKD)製の円筒金型(内径10mm、高さ30mm)を立てて設置し、円筒金型の底部に底板となる短ピンを差し込んだ。この状態で、リチウムイオン伝導性の固体電解質であるLi2S−P25固溶体90mgを円筒金型内に層状に充填した。そして、円筒金型の内径に合わせたサイズの円柱状の長ピンを、円筒金型の頂部から内部に差し込み、層の厚み方向に188MPaの圧力で1回加圧プレスすることにより、固体電解質層3を作製した。
(b)負極合材層4aの作製
黒鉛およびLi2S−P25固溶体を、6:4の質量比で用いて、乳鉢内で十分に混合した。得られた混合物15mgを、(a)で作製した、円筒金型内の固体電解質層3上に層状に充填した。そして、層の厚み方向に、3回加圧プレスすることにより、負極合材層4aを作製した。加圧プレスの圧力は、毎回188MPaとした。
次いで、円筒金型の上下を反対にして短ピンを取り出し、負極合材層4a側に短ピンを差し込み、短ピンが底になるように、円筒金型を配置した。次いで、長ピンを用いて、固体電解質層3および負極合材層4aを、固体電解質層3側から押圧した。
(c)正極合材層2aの作製
LiNi0.8Co0.15Al0.052およびLi2S−P25固溶体を、7:3の質量比で用いて、乳鉢内で十分に混合することにより混合物を得た。混合物20mgを、後述の円筒金型内の固体電解質層3上に層状に充填し、層の厚み方向に、それぞれ、376MPa、752MPa、および1050MPaの順で3回加圧プレスすることにより、正極(正極合材層2a)を作製した。
(d)全固体電池の組み立て
(a)〜(c)のようにして形成された正極合材層2aと負極合材層4aとで固体電解質層3を挟持した状態の積層体6を、円筒金型から取り出した。負極集電体4bとしてのステンレス鋼板(縦40mm×横40mm、厚み300μm)の一方の表面上に、中央に孔を有する絶縁体5(内径11mm、高さ200μm)を配置した。そして、積層体6(外径10mm)を、負極合材層4aが負極集電体4bに接するように、絶縁体5の孔内に収容した。次いで、積層体6の正極合材層2a上に、正極集電体2bとしてのステンレス鋼板(縦40mm×横40mm、厚み300μm)を配置することにより電極群1を作製した。なお、絶縁体5は、負極合材層4aおよび負極集電体4bと、正極合材層2aおよび正極集電体2bとの接触を抑制するように配される。
負極リードおよび正極リードを有するラミネートセルに、電極群1を収容し、セル内のガスを真空ポンプで吸引しながら密封した。このようにして、全固体電池を作製した。
(2)全固体電池の加熱および冷却
上記(1)で作製した未充電の全固体電池を、58.8MPaで加圧した状態で、100℃の温度に設定された恒温槽内に3時間静置することにより、加熱した。加熱後、未充電の全固体電池を、室温(25℃)まで冷却した。
(3)評価
(a)出力特性
上記(2)で得られた全固体電池を、25℃に設定された恒温槽内に入れて、電池温度を25℃で維持し、58.8MPaで加圧した。この状態で、0.1Cの電流で、充電終止電圧4.2Vまで充電し、次いで、0.1Cまたは2.0Cの電流で、放電終止電圧2.8Vまで放電した。このときの充電容量(初期充電容量)および放電容量(初期放電容量)を求めた。
また、2.0Cにおける放電容量の0.1Cにおける放電容量に対する比率(放電容量維持率)(%)を求め、出力特性の指標とした。この数値が大きいほど、出力特性が高いことを意味する。
(b)サイクル特性
全固体電池を、0.1Cの電流で、充電終止電圧4.2Vまで充電し、次いで、0.1Cの電流で、放電終止電圧2.8Vまで放電するサイクルを充放電の1サイクルとし、5サイクル後の放電容量の初期放電容量に対する比率(サイクル後の容量維持率)(%)を求めた。
実施例2
未充電の全固体電池を120℃で加熱したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池を作製し、評価を行なった。
実施例3
未充電の全固体電池を80℃で加熱したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池を作製し、評価を行なった。
実施例4
未充電の全固体電池を加圧せずに100℃で加熱したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池を作製し、評価を行なった。
実施例5
未充電の全固体電池を加圧せずに120℃で加熱したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池を作製し、評価を行なった。
実施例6
未充電の全固体電池を加圧せずに80℃で加熱したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池を作製し、評価を行なった。
比較例1
未充電の全固体電池を加熱する工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様に、組み立てた電池を用いて評価を行なった。
比較例2
実施例1と同様の手順で組み立てた未充電の全固体電池を、0.1Cの電流で充電終止電圧4.2Vまで充電して満充電状態とした。この満充電状態の全固体電池を、未充電の全固体電池に代えて用いる以外は、実施例1と同様に加熱工程を行なった。加熱した満充電状態の全固体電池を用いて実施例1と同様の評価を行なった。ただし、充電容量および放電容量は、満充電状態の全固体電池を、一旦、放電終止電圧2.8Vまで0.1Cの電流で放電した後、さらに0.1Cの電流で充電終止電圧4.2Vまで充電する際、および、次いで0.1Cの電流で放電終止電圧2.8Vまで放電する際に、それぞれ求めた。
比較例3
比較例2と同様にして全固体電池を満充電まで充電し、次いで、0.1Cの電流で放電終止電圧2.8Vまで放電した放電状態(放電末状態)とした。この放電状態の全固体電池を、未充電の全固体電池に代えて用いる以外は、実施例1と同様に加熱工程を行なった。加熱した放電状態の全固体電池を用いて実施例1と同様の評価を行なった。
実施例1〜6および比較例1〜3の結果を表1に示す。
Figure 2019040759
表1に示されるように、0.1Cにおける充電容量および放電容量は実施例1〜6と比較例1〜3とでそれほど大きな違いはないが、実施例では2.0Cにおける放電容量が比較例に比べて格段に高くなり、出力特性が向上した。これは、電極および固体電解質層を加圧し、未充電の全固体電池を加熱したことで、固体電解質粒子同士や固体電解質粒子と活物質粒子との界面における接触状態が向上したことによるものと考えられる。また、実施例では、5サイクル充放電後に、99.4%以上の高い容量維持率が得られた。
比較例4
実施例2と同様に作製した全固体電池を加熱した後、冷却することなく、120℃に設定された恒温槽内に入れて、電池温度を120℃で維持し、58.8MPaで加圧した。この状態で、実施例1の(3)(a)において、0.1Cの電流で充放電を行い、初期充電容量および初期放電容量を測定し、初期充電容量に対する初期放電容量の比率(0.1C充放電効率)(%)を求めた。また、実施例1の(3)(b)のサイクル特性についての評価を行なった。さらに、実施例1の(3)(b)と同様の充放電条件で、15サイクル充放電を行なった後の放電容量を求め、5サイクル充放電を行なった場合と同様に、初期放電容量に対する比率(容量維持率)(%)を求めた。
また、上記実施例3についても、比較例4の場合と同様に、0.1C充放電効率および15サイクル充放電時の容量維持率を求めた。比較例4および実施例3の結果を表2に示す。
Figure 2019040759
表2に示されるように、実施例3では、5サイクル充放電時の容量維持率は99.5%と極めて高く、15サイクル充放電時にも、98.8%の高い容量維持率が得られた。それに対し、未充電の電池を加熱した後、加熱した状態で充放電を行なった比較例4では、5サイクル充放電時の容量維持率は、91.7%であり、15サイクル充放電時には容量維持率は60.7%にまで大きく低下した。このように、未充電状態の電池を加熱し、冷却した後に、充放電を行なった実施例3の電池では、高いサイクル特性が確保できている。また、実施例3では、比較例4に比べて、初期の0.1C充放電効率も高くなっている。
本発明の製造方法によれば、高出力でサイクル特性に優れる全固体電池を製造できる。得られる全固体電池は、高レートでも充放電を良好に行なうことができ、サイクル特性に優れるため、高出力や高いサイクル特性が求められる様々な用途に有用である。
1:電極群、2:正極、2a:正極合材層、2b:正極集電体、3:固体電解質層、4:負極、4a:負極合材層、4b:負極集電体、5:絶縁体、6:積層体

Claims (7)

  1. 正極と、固体電解質層と、負極とを備える電極群を含む全固体電池を組み立てる第1工程と、
    前記全固体電池を、未充電状態で、80℃以上の温度で加熱する第2工程と、
    前記第2工程の後、前記全固体電池を未充電状態で45℃以下の温度に冷却する第3工程と、を備え、
    前記固体電解質層と、前記正極および前記負極の少なくとも一方とは、それぞれ、固体電解質を含み、
    前記第1工程において、前記正極、前記固体電解質層、および前記負極が積層された積層体を形成し、前記積層体を加圧し、
    前記第2工程において、全固体電池を加熱する温度は、前記固体電解質の相転移、ガラス転移、または化学変化が起こる温度よりも低い、全固体電池の製造方法。
  2. 前記第2工程において、前記全固体電池の加熱を、前記全固体電池を加圧しながら行なう、請求項1に記載の全固体電池の製造方法。
  3. 前記全固体電池を加圧する圧力は、0.5MPa以上100MPa以下である、請求項2に記載の全固体電池の製造方法。
  4. 前記第2工程において、前記全固体電池を加熱する温度は、80℃以上210℃以下であり、
    前記固体電解質は、硫化物系固体電解質および水素化物系固体電解質からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体電池の製造方法。
  5. 前記固体電解質は、Li、PおよびSを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体電池の製造方法。
  6. 前記正極は、正極活物質を含み、
    前記正極活物質は、式(1):Li1+x(Niy11-y11-x2
    (式中、Mは、Co、Mn、Fe、およびAlからなる群より選択される少なくとも一種であり、Coを必須成分として含む。xは、0≦x≦1/3を充足し、y1は、0.2≦y1≦0.9を充足する。)
    で表される酸化物を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の全固体電池の製造方法。
  7. 前記負極は、負極活物質を含み、
    前記負極活物質は、リチウムイオンを挿入および脱離可能な炭素質材料を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の全固体電池の製造方法。
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