JP2019038731A - 固形状セメント混和剤 - Google Patents

固形状セメント混和剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2019038731A
JP2019038731A JP2017163917A JP2017163917A JP2019038731A JP 2019038731 A JP2019038731 A JP 2019038731A JP 2017163917 A JP2017163917 A JP 2017163917A JP 2017163917 A JP2017163917 A JP 2017163917A JP 2019038731 A JP2019038731 A JP 2019038731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
component
group
poly
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017163917A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6955691B2 (ja
Inventor
中村 明彦
Akihiko Nakamura
明彦 中村
拓馬 中村
Takuma Nakamura
拓馬 中村
純夫 田村
Sumio Tamura
純夫 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2017163917A priority Critical patent/JP6955691B2/ja
Publication of JP2019038731A publication Critical patent/JP2019038731A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6955691B2 publication Critical patent/JP6955691B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】本発明によれば、固形状としての良好な作業性と、分散性の発現に優れる固形状セメント混和剤を提供することができる。【解決手段】セルロース系担体100重量%に対し、ポリカルボン酸系共重合体を10〜500重量%の範囲で含むことを特徴とする固形状セメント混和剤であって、該セルロース系担体は、(加水処理後の重量(g)−加水処理前の重量(g))/加水処理前の重量(g)×100で示される吸水率が150%以上であることを特徴とする固形状セメント混和剤。【選択図】なし

Description

本発明は、固形状セメント混和剤に関する。
各種材料を練り混ぜて得られるセメント組成物は、建材などの各種構造材を作製するために広く使用されている。
このようなセメント組成物は、材料を混合し練り混ぜるために、ナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン酸系、リグニン系、及びポリカルボン酸系などの従来のセメント混和剤を添加し混練が行われている。混練調整したセメント組成物は、施工現場などの使用場所まで運搬する必要があり、長時間の運搬によりセメント組成物の流動性が低下し、使用し難くなる場合がある。
この様な場合、運搬中や運搬後の使用前に、まだ固まっていないセメント組成物に対し流動化剤を添加し、流動性を維持することが行われる。
そのため流動化剤としては、運搬中や施工現場で簡便な作業にて添加できるように、液状セメント混和剤よりも、固形状のセメント混和剤が好ましい。
固形状セメント混和剤としては、例えば特許文献1に、ポリカルボン酸系共重合体と無機粉体とからなる粉末状セメント分散剤が開示されている。
また特許文献2には、ポリカルボン酸系の共重合体と、多孔質シリカ微粉末、及び消泡剤を混合してなる粉末状セメント混和剤が開示されている。
特開平06−239652号公報 特許公報第03619196号公報
しかしながら特許文献1及び2では、作業性の良好な粉末状とするために、多孔質体の無機粉末に分散性成分(ポリカルボン酸系共重合体)を担持させるため、セメント組成物に流動化剤として使用した際に、分散性成分の遊離がうまく起こらず、分散剤の性能が低下してしまうという問題があった。
そこで本発明は、固形状としての良好な作業性と、分散性の発現に優れる固形状セメント混和剤を提供することを課題とする。
すなわち本発明は以下の[1]〜[6]である。
[1]下記成分(A)〜(B)を含む固形状セメント混和剤であって、
該成分(A)100重量%に対し、該成分(B)を10〜500重量%の範囲で含むことを特徴とする固形状セメント混和剤。
成分(A):セルロース系担体
成分(B):下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体。
Figure 2019038731
(前記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。pは、0〜2の整数を表し、qは、0又は1を表す。AOは、同一若しくは異なっていてもよい、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、1〜300の整数を表す。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
Figure 2019038731
(前記一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、−CH又は−(CHCOOMを表す。但し、−(CHCOOMは、互いに−COOM又は他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、無水物を形成する場合はM、Mは存在しない。M及びMは、同一若しくは異なっていてもよい、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基を表す。rは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019038731
(前記一般式(3)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。R11は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜4の炭化水素基を表す。sは、0〜2の整数を表す。)
[2]前記成分(A)が、(加水処理後の重量(g)−加水処理前の重量(g))/加水処理前の重量(g)×100で示される吸水率が150%以上のセルロース系担体であることを特徴とする[1]に記載の固形状セメント混和剤。
[3]前記成分(A)が、粉末状セルロースであることを特徴とする[1]〜[2]いずれかに記載の固形状セメント混和剤。
[4]リグニン系分散剤を、さらに含むことを特徴とする[1]〜[3]いずれかに記載の固形状セメント混和剤。
[5][1]〜[4]いずれかに記載の固形状セメント混和剤を含有する、可溶性袋状物。
(6)下記成分(A)〜(B)を含んでなる固形状セメント混和剤の製造方法であって、
該成分(A)100重量%に対し、該成分(B)を10〜500重量%の範囲で担持させることを特徴とする固形状セメント混和剤の製造方法。
成分(A):セルロース系担体
成分(B):下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体。
Figure 2019038731
(前記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。pは、0〜2の整数を表し、qは、0又は1を表す。AOは、同一若しくは異なっていてもよい、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、1〜300の整数を表す。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
Figure 2019038731
(前記一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、−CH又は−(CHCOOMを表す。但し、−(CHCOOMは、互いに−COOM又は他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、無水物を形成する場合はM、Mは存在しない。M及びMは、同一若しくは異なっていてもよい、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基を表す。rは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019038731
(前記一般式(3)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。R11は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜4の炭化水素基を表す。sは、0〜2の整数を表す。)
本発明は、固形状としての良好な作業性と、分散性の発現に優れる固形状セメント混和剤を提供することができる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、特に記載のない場合、「AA〜BB%」などという記載は、「AA%以上BB%以下」をあらわすものとする。
<成分(A):セルロース系担体>
本発明で用いられるセルロース系担体は、水に浸した際に吸水し、保水性を示すセルロースを主成分とする物であれば特に制限無く使用できるが、粉末状セルロースを含むことが好ましい。
その様なセルロース系担体を得るために用いられるパルプ原料は、広葉樹由来のパルプ、針葉樹由来のパルプ、リンター由来のパルプ、非木材由来のパルプなど特に限定されるものではないが、特に針葉樹由来のパルプを用いるのが好ましい。針葉樹由来のパルプは、広葉樹由来パルプと比較し、平均繊維長が長く、平均繊維幅が広いため、吸水性に優れ本発明に用いるに好適である。
本発明における針葉樹由来パルプとしては、例えば、スギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミ、イヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロ、ヒバ、ツガ、コメツガ、ヒノキ、イチイ、イヌガヤ、トウヒ、ロウソンヒノキ、ダグラスファー、シトカスプルース、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタンホワイトパイン及びこれらの関連樹種等から得られるパルプが例示される。これらの中で、好ましくはスギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒノキ、アカマツ、ダグラスファー、ラジアータマツであり、更に好ましくはエゾマツ、カラマツ、クロマツ、ダグラスファー、ラジアータマツである。これらの針葉樹由来パルプは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、本発明において、パルプ化法(蒸解法)は特に限定されるものではなく、サルファイト蒸解法、クラフト蒸解法、ソーダ・キノン蒸解法、オルガノソルブ蒸解法などを例示することができるが、これらの中では、環境面の点から、クラフトパルプが好ましい。
本発明のパルプ原料はスラリー状の湿式パルプ、又はスラリーを脱水・乾燥させシート状にした乾式パルプのどちらでもよく特に限定されるものではないが、取扱いの簡便さから乾式パルプ(パルプシート)を用いるのが好ましい。
本発明に用いられる粉末状セルロースは、前記パルプ原料を塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸で酸加水分解処理したパルプを粉砕処理、あるいは酸加水分解処理を施さないパルプを機械粉砕して得ることができる。
その様にして得られた粉末状セルロースは、JIS P 8215で規定される極限粘度数測定方法(銅エチレンジアミン法)に準じた方法で得られる、セルロース希薄溶液の極限粘度100〜1800が好ましく、極限粘度100〜900がより好ましく、極限粘度150〜600がさらに好ましい。
粉末状セルロースの平均重合度の下限は、200以上であることが好ましい。また、上限は、3000以下であることが好ましい。粉末状セルロースの平均重合度が200未満であると、吸水性が劣るため作業性に劣り好ましくない。一方、粉
末状セルロースの平均重合度が3000超であると、吸水性が大きくなり過ぎ、作業性が悪化する。従って、粉末状セルロースの平均重合度は200〜3000の範囲であることが好ましく、200〜1500の範囲がより好ましく、300〜1000の範囲がより好ましい。
平均重合度の測定は特に限定されなく、公知の方法で測定することができる。例えばパルプ・ポリマー用全自動粘度測定システムRPV-1(RHEOTEK製)を用い、極限粘度を計測し、「VISCOSITY MEASUREMENTS OF CELLULOSE/SO2-AMINE DIMETHYLSULFOXIDE SOLUTION」(磯貝ら著、1998)に記載の〔η〕=0.909×DP0.85(文献中の式(2))の式から導く方法などが挙げられる。
粉末状セルロースの平均粒子径の下限は、10μm以上であることが好ましい。また、その上限は、90μm以下であることが好ましい。平均粒子径が大きいほど吸水量が増すが、吸水量が多くなり過ぎるとベタツキ易くなり作業性が悪化する。一方、平均粒子径を小さくすると、吸水量が低く本発明に適さない。従って、粉末状セルロースの平均粒子径は10μm以上〜90μm以下の範囲が好ましい。
平均粒子径の測定条件は特に限定されない。例えば、以下の測定条件を挙げることができる。0.5gの試料を100mlビーカーに採取し、0.5%ヘキサメタリン酸溶液60mlを加え、Dr. Hielscher Gmbh社の超音波処理装置で、出力20%の条件で2分間処理して調製した測定試料を、測定装置として、レーザー回析式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000、スペクトリス株式会社、マルバーン事業本部社製)を用いて測定する。測定原理として、レーザー散乱法を用い、粒度分布を蓄積分布として表し、蓄積分布が50%となる値を平均粒子径とする。
粉末状セルロースの見掛け比重の下限は、0.1g/cm3以上であることが好ましい。また、その上限は、0.6g/cm3以下であることが好ましい。粉末状セルロースの見掛け比重が0.1〜0.6g/cm3の範囲にあることで、本発明の所望の効果を得るに適する。
見掛け比重の測定条件は特に限定されない。例えば、以下の測定条件を挙げることができる。100mlメスシリンダーに試料を10g投入し、メスシリンダーの底をたたき、試料の高さが低下しなくなるまで続け、平らになった表面の目盛を読んで、試料10g当たりの体積を測定する。測定した体積から単位体積(1cm3)当たりの重量を算出することで見掛け比重を求めることができる。なお、この値が高いほど、粉体であるセルロースがコンパクトになることを意味する。
粉末状セルロースの安息角の下限は、45°以上であることが好ましい。また、その上限は、65°以下であることが好ましい。粉末状セルロースの安息角が45〜65°の範囲にあることで、本発明の所望の効果を得るに適する。
安息角の測定条件は特に限定されない。例えば、以下の測定条件を挙げることができる。パウダーテスター(PT−N型、ホソカワミクロン株式会社製)を用いて測定し、Angle Reposeの値を安息角とする。なお、安息角の値は粉体流動性の指標となり、この値が小さくなるほど、粉体流動性に優れることを意味する。
粉末状セルロースの結晶化度の下限は、60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましい。また、その上限は、90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましい。粉末状セルロースの結晶化度は、主に原料パルプと、製造方法に影響される。結晶化度が低くなると、セメント組成物中で吸着した分散剤を遊離しづらくなる。一方、結晶化度が90%を超えて高くなると、分散剤は遊離され易くなり分散性を発揮しやすくなるが、吸水量が低下しやすくなる。従って、粉末状セルロースの結晶化度は60〜90%の範囲が好ましい。
粉末状セルロースの結晶化度は、試料のX線回折を測定することで求めることができる。より詳細には、Segalらの手法(L.Segal,J.J.Greely,etal,Text.Res.J.,29,786,1959)、及び、Kamideらの手法(K.Kamide et al,Polymer J.,17,909,1985)を用いて行い、X線回折測定から得られた回折図の2θ=4°〜32°の回折強度をベースラインとして、002面の回折強度と、2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度から、次式により結晶化度を算出することができる。
Xc=(I002C−Ia)/I002C×100
Xc:セルロースの結晶化度(%)
I002C:2θ=22.6°、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5°、アモルファス部分の回折強度
本発明の成分(A)は、過剰の蒸留水に成分(A)を浸漬(加水処理)した際に、加水処理前後の成分(A)の吸水率が150%以上であることが好ましい。具体的には、蒸留水20gに加水処理前の成分(A)1g(温度25℃、湿度50%で3時間調湿)を分散させ、十分に撹拌させたスラリーを得たのち、該スラリーを1G1ガラスろ過器(東京ガラス機器、最大細孔100〜120μm)を用い20分間自然濾過し、フィルター上に残留した加水処理後の成分(A)を得た。加水処理前後の成分(A)より、(加水処理後の重量(g)−加水処理前の重量(g))/加水処理前の重量(g)×100で吸水率を示す。吸水率は300%以上がより好ましく、500%以上がさらに好ましい。
成分(A)の吸水率が上記の範囲であることで、後述する成分(B)を含浸させた際に、優れた保水性を発揮し、安定的に担持した固形状の担持物となることができる。
<成分(B):共重合体>
本発明の固形状セメント混和剤は、構成単位(I)〜(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体(B)である。
<構成単位(I)>
構成単位(I)は、上記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位である。一般式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。炭素原子数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。炭素原子数1〜3のアルキル基は、置換基を有していてもよい(但し、置換基の炭素原子数はアルキル基の炭素原子数には含まれない。)。R1は、水素原子であることが好ましい。R2は、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。R3は、水素原子であることが好ましい。
一般式(1)中、pは、0〜2の整数を表す。一般式(1)中、qは、0又は1を表す。一般式(1)中、nは、1〜300の整数を表す。
一般式(1)中、A1Oは、同一又は異なっていてもよい、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。該オキシアルキレン基(アルキレングリコール単位)としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)、オキシブチレン基(ブチレングリコール単位)が挙げられる。中でも、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましい。
上記「同一又は異なっていてもよい」とは、一般式(1)中にA1Oが複数含まれる場合(nが2以上の場合)、それぞれのA1Oが同一のオキシアルキレン基であってもよく、互いに異なる(2種類以上の)オキシアルキレン基であってもよいことを意味する。一般式(1)中にA1Oが複数含まれる場合の態様としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基からなる群から選択される2種類以上のオキシアルキレン基が混在する態様が挙げられる。より詳細には、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在する態様、又はオキシエチレン基とオキシブチレン基とが混在する態様であることが好ましく、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在する態様であることがより好ましい。異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。
一般式(1)中のnは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜300の整数を表す。nは、1〜200であることが好ましい。平均付加モル数とは、単量体1モルに付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。
一般式(1)中、R4は、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。R4は、水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数1〜5の炭化水素基であることがさらに好ましく、水素原子又はメチル基であることが最も好ましい。R4の炭素原子数がこの範囲であれば、炭素原子数が大きくなりすぎないため、セメント組成物用添加剤の分散性が良好に発揮される。
一般式(1)で表される単量体の製造方法としては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1〜300モル付加する方法が挙げられる。この方法で製造され得る単量体としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテルが例示される。これらの中でも、親水性及び疎水性のバランスの観点から、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテルが好ましい。
また、一般式(1)で表される単量体の他の製造方法としては、(メタ)アクリレート等の不飽和モノカルボン酸と、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコールと、をエステル化する方法が挙げられる。この方法で製造され得る単量体としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートがより好ましい。
成分(B)が構成単位(I)を有する場合、構成単位(I)を1種のみ有するものであってもよく、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(I)を有していてもよい。
<構成単位(II)>
構成単位(II)は、上記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位である。一般式(2)中、R5〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、−CH3又は−(CH2)rCOOM2を表す。なお、(CH2)rCOOM2は、互いに−COOM1又は他の−(CH2)rCOOM2と無水物を形成していてもよく、無水物を形成する場合はM1、M2は存在しない。R5は、水素原子であることが好ましい。R6は、水素原子、メチル基又は(CH2)rCOOM2であることが好ましい。R7は、水素原子であることが好ましい。
M1及びM2は、同一若しくは異なっていてもよい、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基である。M1、M2は、それぞれ、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属であることが好ましい。
rは、0〜2の整数を表す。rは、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
一般式(2)で表される単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体等が挙げられる。不飽和モノカルボン酸系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等と、これらの一価金属塩、アンモニウム
塩、有機アミン塩が挙げられる。不飽和ジカルボン酸の具体例としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等と、これらの一価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等、又は、これらの無水物が挙げられる。単量体(II)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸が好ましい。
なお、(CH2)rCOOM2が、互いに−COOM1又は他の−(CH2)rCOOM2と無水物を形成した化合物の具体例として、無水マレイン酸が挙げられる。
成分(B)が構成単位(II)を有する場合、構成単位(II)を1種のみ有するものであってもよく、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(II)を有していてもよい。
<構成単位(III)>
構成単位(III)は、上記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位である。一般式(3)中、R8〜R10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。炭素原子数1〜3のアルキル基の例は、R1〜R3における例と同様である。R8は、水素原子であることが好ましい。R9は、水素原子であることが好ましい。R10は、水素原子であることが好ましい。
一般式(3)中、R11は、炭素原子数1〜4のヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表す。炭素原子数は、1〜3であることが好ましく、2〜3であることがより好ましく、3であることが更に好ましい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子が挙げられる。これらの中でも、酸素原子が好ましい。R11の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基が挙げられる。R11が含むヘテロ原子の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。2つ以上のヘテロ原子を含む場合、それぞれのヘテロ原子は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
R11は、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜4の炭化水素基であることが好ましく、酸素原子を含む炭素原子数1〜4の炭化水素基であることがより好ましい。該基としては、例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、及びグリセリル基が挙げられる。これらの中でも、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基が好ましい。
一般式(3)中、sは、0〜2の整数を表す。sは、0であることが好ましい。
一般式(3)で表される単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸のモノエステル体が挙げられる。不飽和モノカルボン酸モノエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
成分(B)が構成単位(III)を有する場合、構成単位(III)を1種のみ有するものであってもよく、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(III)を有していてもよい。
成分(B)は、構成単位(I)〜(III)とは別に、構成単位(IV)を有していて
もよい。
<構成単位(IV)>
構成単位(IV)は、上記一般式(1)〜(3)で表される単量体と共重合可能な単量体に由来する構成単位である。上記一般式(1)〜(3)で表される単量体と共重合可能な単量体は、上記一般式(1)〜(3)により表される単量体と構造上区別される。構成単位(IV)を構成する単量体は特に限定されなく、例えば、下記の各単量体を挙げることができる。なお、これらの単量体は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
一般式(IV−1)で表される単量体;
Figure 2019038731
上記一般式(IV−1)で表される単量体としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等のビスフェノール類の3及び3’位アリル置換物が挙げられる。
一般式(IV−2)で表される単量体;
Figure 2019038731
上記一般式(IV−2)で表される単量体としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等のビスフェノール類の3位アリル置換物等が挙げられる。
一般式(IV−3)で表される単量体;
Figure 2019038731
上記一般式(IV−3)で表される単量体としては、例えば、アリルフェノールが挙げられる。
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;
上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;
上記アルコール又はアミンに、炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させた(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル又は(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミンと、上記不飽和ジカルボン酸類との、ハーフエステル、ハーフアミド、ジエステル類、ジアミド類;
上記不飽和ジカルボン酸類と、炭素原子数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールと、のハーフエステル、ジエステル類;
マレアミド酸と、炭素原子数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールと、のハーフアミド類;
(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類に対して炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドが1〜500モル付加した、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等(但し、一般式(1)〜(3)で表される単量体を除く);
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;
トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;
ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;
メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;
1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類(但し、一般式(3)で表される単量体を除く。);
ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類(但し、一般式(3)で表される単量体を除く。);
ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;
(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;
メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類(但し、一般式(1)で表される単量体を除く。);
ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体(但し、一般式(3)で表される単量体を除く。)。
成分(B)は、構成単位(IV)を1種のみ有するものであってもよく、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(IV)を有していてもよい。
各構成単位(I)〜(IV)は、それぞれ、1種類の単量体から構成される構成単位であってもよく、2種類以上の単量体を組み合わせて構成される構成単位であってもよい。
成分(B)は、構成単位(I)、構成単位(II)、及び構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体である。中でも、構成単位(I)及び構成単位(II)を有する共重合体(B1)、並びに構成単位(I)、構成単位(II)及び構成単位(III)を有する共重合体(B2)の少なくともいずれかであることが好ましい。
<共重合体(B1)>
共重合体(B1)は、構成単位(I)及び構成単位(II)を有する。構成単位(I)の含有比の下限は、1モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましい。また、その上限は、99モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましい。また、構成単位(II)の含有比の下限は、1モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましい。また、その上限は、99モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましい。
即ち、構成単位(I)と構成単位(II)の含有比(構成単位(I)/構成単位(II))は、1モル%〜99モル/1モル%〜99モル%であることが好ましく、5モル%〜95モル%/5モル%〜95モル%であることがより好ましい。
<共重合体(B2)>
共重合体(B2)は、構成単位(I)、構成単位(II)及び構成単位(III)を有する。構成単位(I)の含有比の下限は、1モル%以上であることが好ましく、4モル%以上であることがより好ましい。また、その上限は、98モル%以下であることが好ましく、89モル%以下であることがより好ましい。また、構成単位(II)の含有比の下限は、1モル%以上であることが好ましい。また、その上限は、98モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることがより好ましい。更に、構成単位(III)の含有比の下限は、1モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましい。また、その上限は、98モル%以下であることが好ましく、89モル%以下であることがより好ましい。
即ち、構成単位(I)、構成単位(II)、構成単位(III)の含有比(構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(III))は、1モル%〜98モル%/1モル%〜98モル%/1モル%〜98モル%であることが好ましく、4モル%〜89モル%/1モル%〜80モル%/10モル%〜89モル%であることがより好ましい。
<共重合体(B1)、(B2)の最適な組み合わせ>
成分(B)は、共重合体(B1)と共重合体(B2)を、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合、共重合体(B1)を単独で用いてもよく、共重合体(B2)を単独で用いてもよく、共重合体(B1)と共重合体(B2)を併用しても用いてもよい。その含有比は、特に限定されるものではなく、2種用いる場合、1〜99重量%/1〜99重量%であることが好ましく、10〜90重量%/10〜90重量%であることがより好ましく、20〜80重量%/20〜80重量%であることが更に好ましい。
<共重合体(B)の製造方法>
共重合体(B)は、それぞれ所定の単量体を、公知の方法によって共重合して製造することができる。該方法としては、例えば、溶媒中での重合、塊状重合等の重合方法が挙げられる。
溶媒中での重合に使用される溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。原料単量体及び得られる共重合体の溶解性の観点から、水及び低級アルコールの少なくともいずれかの溶媒を用いることが好ましく、水を用いることがより好ましい。
溶媒中で重合反応を行う場合、各単量体と重合開始剤を各々反応容器に連続滴下してもよく、各単量体の混合物と重合開始剤を各々反応容器に連続滴下してもよい。また、反応容器に溶媒を仕込み、単量体と溶媒の混合物と、重合開始剤溶液を各々反応容器に連続滴下してもよく、単量体の一部又は全部を反応容器に仕込み、重合開始剤を連続滴下してもよい。
重合反応に使用し得る重合開始剤は、特に限定されない。水溶媒中で重合反応を行う際に使用し得る重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の水溶性過酸化物が挙げられる。この際、L−アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩等の促進剤を併用してもよい。低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル類又はケトン類等の有機溶媒中で重合反応を行う際に使用し得る重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等のパーオキサイド;クメンパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。この際、アミン化合物等の促進剤を併用してもよい。水−低級アルコール混合溶剤中で重合反応を行う場合に使用し得る重合開始剤は、前述の重合開始剤、又は重合開始剤と促進剤との組合せの中から適宜選択すればよい。重合温度は、用いる溶媒、重合開始剤の種類等の重合条件によって適宜異なるけれども、通常は50〜120℃である。
重合反応においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いて分子量を調整することができる。連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸等の既知のチオール系化合物;亜リン酸、次亜リン酸、又はそれらの塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、又はそれらの塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物又はそれらの塩等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合体の分子量を調整するためには、上記一般式(1)〜(3)で表される単量体及び構成単位(IV)を構成する単量体以外の、連鎖移動性の高い単量体(V)を用いてもよい。連鎖移動性の高い単量体(V)としては、例えば、(メタ)アリルスルホン酸(塩)系単量体が挙げられる。単量体(V)の配合率は、共重合体全体において、通常は、20重量%以下であり、10重量%以下であることが好ましい。なお、該配合率は、共重合体を製造する際の、一般式(1)で表される単量体の配合率と一般式(2)で表される単量体由来の配合率と一般式(3)で表される単量体の配合率と構成単位(IV)を構成する単量体の配合率の合計を100重量%としたときの配合率である。
共重合体を得る際に水溶媒中で重合反応を行う場合、重合反応時のpHは通常不飽和結合を有する単量体の影響で強酸性となる。但し、これを適当なpHに調整してもよい。重合反応の際にpHの調整が必要な場合、リン酸、硫酸、硝酸、アルキルリン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸等の酸性物質を用いてpHの調整を行えばよい。これら酸性物質の中では、pH緩衝作用がある等の理由から、リン酸を用いることが好ましい。但し、エステル系の単量体が有するエステル結合の不安定さを解消するために、pH2〜7で重合反応を行うことが好ましい。また、pHの調整に用い得るアルカリ性物質に特に限定はなく、NaOH、Ca(OH)2等のアルカリ性物質が一般的である。pH調整は、重合反応前の単量体に対して行ってもよく、重合反応後の共重合体溶液に対して行ってもよい。また、これらは重合反応前に一部のアルカリ性物質を添加して重合を行った後、更に共重合体に対してpH調整(例えば、pH3〜7となるように調整)を行ってもよい。
共重合体における固形分濃度の下限は、5重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。また、その上限は、70重量%以下であることが好ましく、65重量%以下であることがより好ましい。従って、共重合体における固形分濃度は、セメント組成物用添加剤の全重量に対して、5重量%〜70重量%であることが好ましく、15重量%〜65重量%であることがより好ましい。
共重合体は、液状であってもよい。液状の場合の溶媒としては、水性溶媒が例示される。水性溶媒としては、水、炭素数1〜6のアルコール(エチルアルコール、メチルアルコール、エチレングリコール及びジエチレングリコール等)及び炭素数1〜6のケトン(メチルイソブチルケトン及びアセトン等)等が挙げられる。これらの水性溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。水性溶媒としては、水が好ましい。
成分(B)は、共重合体の原料である上記一般式(1)〜(3)からなる群から選択される少なくとも1種の単量体を含んでいてもよい。共重合体を得る際には、必要に応じて反応溶媒の除去、濃縮、精製等の処理を行ってもよい。これらの処理方法は、従来公知の方法であってもよい。
共重合体の重量平均分子量(Mw)の下限は、5000以上であることが好ましく、6000以上であることがより好ましい。成分(B)としてこの重量平均分子量を有する共重合体を用いることにより、セメント組成物用添加剤を添加した際にセメント組成物の分散性が十分発揮され、リグニンスルホン酸系又はオキシカルボン酸系等のAE減水剤を上回る減水率を得ることができる。そのため、流動性又は作業性を改善することができる。重量平均分子量の上限は、60000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましい。成分(B)としてこの重量平均分子量を有する共重合体を用いることにより、セメント組成物中の粒子の凝集作用が抑制され、作業性を良好にすることができる。重量平均分子量は、5000〜60000であることが好ましく、6000〜50000であることがより好ましい。
共重合体の分子量分布(Mw/Mn)の下限は、1.0以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。上限は、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましい。分子量分布は、1.0〜3.0の範囲であることが好ましく、1.2〜3.0の範囲であることがより好ましく、1.2〜2.5の範囲であることが更に好ましい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にてポリエチレングリコール換算の公知の方法にて測定することができる。GPCの測定条件は特に限定されるものではなく、例えば、以下の条件を挙げることができる。なお、後段の実施例における重量平均分子量は、この条件で測定した値である。
測定装置;東ソー製
使用カラム;Shodex Column OH−pak SB−806HQ、SB
−804HQ、SB−802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー社製又はGLサイエンス社製)
検出器;示差屈折計(東ソー社製)
検量線;ポリエチレングリコール基準
<固形状セメント混和剤>
本発明の固形状セメント混和剤は、成分(A)に、成分(B)を担持させた固形状物となることが重要である。ここでいう固形状物とは、流動性が低く液状を示さない状態をいい、具体的には固体状、粉末状、粒状、ゲル状などを含む。
本発明の固形状セメント混和剤は、成分(A)100重量部に対し、成分(B)を10〜500重量部の範囲で含むことが重要であり、好ましくは50〜400重量部であり、より好ましくは80〜300重量部である。成分(A)に対する成分(B)の割合が、本範囲を満たすことで、作業性に優れた固形状物となることができる。
本発明の固形状セメント混和剤は、本発明の効果を妨げない範囲において、上記の成分(A)、成分(B)以外の任意成分(C)を含有してもよい。任意成分としては、例えば、成分(B)以外のセメント分散剤、水溶性高分子、硬化促進剤、増粘剤、遅延剤、高分子エマルジョン、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、消泡剤、AE剤、界面活性剤等の公知のセメント組成物用添加剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい
成分(B)以外のセメント分散剤としては、例えばナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びリグニンスルホン酸塩が挙げられる。これらセメント分散剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。その含有量は、成分(B)に対して0.01〜50重量%であることが好ましい。
また成分(B)以外の公知の(共)重合体を使用することができる。このような公知の(共)重合体として、(ポリ)アルキレングリコールアルケニルエーテル系単量体に由来する重合体等が挙げられる。
(ポリ)アルキレングリコールアルケニルエーテル系単量体に由来する重合体の例としては、(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル等が挙げられる。
成分(C)を含有させる方法としては、成分(B)と同様に、成分(A)に成分(B)と成分(C)を担持させた固形状セメント混和剤の組成物としてもよく、成分(A)に成分(B)を担持させた固形状セメント混和剤に、乾燥し粉末化した成分(C)を添加した組成物としてもよい。
<可溶性袋状物>
本発明の固形状セメント混和剤(及びその組成物)は、可溶性袋状物に内包することができる。
可溶性袋状物の包装材料 は、アルカリ性物質により解砕される繊維状包装材料であることが好ましく、アルカリ水解紙がより好ましく、セルロース繊維を主成分とする可溶性の袋状物、即ち可溶性紙袋がさらに好ましい。セメント材料中にはアルカリ性物質が存在しているので、この包装材料で本発明の固形状セメント混和剤を包装すれば、包装した状態でセメント材料中に投入することが可能となり、この結果、計量容器や軽量ポンプ等を用いる必要がなくなる。
可溶性袋状物の包装材料は、製紙用パルプ繊維とアルカリ水溶性繊維状バインダーを混妙して得ることができる。製紙用パルプ繊維としては、針葉樹材や広葉樹材を原料にした木材パルプ、ケミグランドパルプ、化学パルプ、非木材パルプ、古紙パルプ等が挙げられる。アルカリ水溶性繊維状バインダーとしては、酸型のカルボキシメチルセルロース(カルボキシル基置換度:DS=0.2〜1.5)が挙げられる。また、混妙の割合は、質量比で、製紙用パルプ繊維/アルカリ水溶性繊維状バインダー=50/50〜95/5の範囲である。この可溶性袋状物の坪量は、セメント材料中での解砕時間及び持ち運び等の強度から20〜70g/m2程度が望ましい。
また、この包装材料の形態としては、袋状が好ましい。このような袋状の包装材料を作製するには、まずシート状の包装材料を作製し、接着剤や縫合等により袋状に加工する。また、ヒートシールにより袋製する場合は、シート状の包装材料に、ヒートシール性の高分子を塗布、含浸、積層又はラミネートすることが好ましい。ヒートシール性高分子としては、例えば、ポリ酢酸ビニル等の従来公知のものがあげられる。ヒートシールによる袋製によれば、工業的生産に有利となる。
以下に実施例を挙げて、本発明の一実施形態を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に記載の実施形態に限定されるものではない。なお、実施例中、特に断りの無い限り%は重量%を、部は重量部を示す。また、各種物性値は、明細書中の上記段落に記載された方法で測定された値である。
<成分A>
実施例及び比較例で使用した(A)成分について以下に記す。
(A−1):カラムクロマトグラフィ用シリカゲル担体 Wakogel60N(0.063−0.212 mm)(和光純薬工業株式会社製)
(A−2):カラムクロマトグラフィー用シリカゲル担体 シリカゲル60(0.063−0.200 mm)(メルク株式会社製)
(A−3):晒し木材パルプシート(広葉樹由来パルプLDPT、日本製紙社製、平均重合度1550)を原料として、トルネードミル(日機装株式会社製)を用いて機械的に粉砕を行って得た、平均粒子径が37.1μm、見掛け比重が0.25g/cm、平均重合度が1416、アルカリ溶出率が0.4%、吸水率が512%の粉末状セルロース。
(A−4):晒し木材パルプシート(針葉樹由来パルプNDSP、日本製紙社製、平均重合度1600)を原料として、トルネードミル(日機装株式会社製)を用いて機械的に粉砕を行って得た、平均粒子径67.0μm、平均重合度1479、見掛け比重は0.24g/cm、アルカリ溶出率が0.4%、吸水率が690%の粉末状セルロース。
<成分B>
実施例及び比較例で使用した成分(B)の製造方法を以下に述べる。
<製造例B−1>
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水8000kgを仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(MPEG−MA)(エチレンオキサイドの平均付加モル数14)2500kg(33モル%)、メタクリル酸(MAA)400kg(67モル%)、水2670kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸ナトリウム50kg及び水500kgの攪拌混合液を、各々2時間かけて100℃に保持した反応容器に連続滴下した。温度を100℃に保持した状態で1時間重合反応を行った後、反応容器の後段に位置する追加装置にて、65℃まで冷却し、水酸化ナトリウムでpH7に中和すると同時に加水することで、濃度20%の共重合体(重量平均分子量Mw18000、Mw/Mn1.5)の水溶液(B−1)を得た。
<製造例B−2>
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水8000kgを仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で75℃に昇温した後、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(MPEG−MA)(エチレンオキサイドの平均付加モル数18)4000kg(24モル%)、メタクリル酸(MAA)1200kg(76モル%)、水1470kg、及び3−メルカプトプロピオン酸56kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸ナトリウム70kg及び水2030kgの攪拌混合液を、各々2時間かけて75℃に保持した反応容器に連続滴下した。温度を75℃に保持した状態で1時間重合反応を行った後、反応容器の後段に位置する追加装置にて、65℃まで冷却し、水酸化ナトリウムでpH6に中和すると同時に加水することで、濃度30%の共重合体(重量平均分子量Mw17000、Mw/Mn1.6)の水溶液(B−2)を得た。
<製造例B−3>
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水4440kg、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数37、プロピレンオキサイドの平均付加モル数3、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム付加)(PEG−AL)2820kg(5モル%)を仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で80℃に昇温した後、メタクリル酸(MA)1050kg(41モル%)、アクリル酸(AA)150kg(7モル%)、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数150)(MPEG−MA)1890kg(1モル%)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)1800kg(46モル%)、3−メルカプトプロピオン酸240kg、水4950kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム90kg及び水1410kgの攪拌混合液とを、各々2時間かけて80℃に保持した反応容器に連続滴下した。温度を100℃に保持した状態で1時間重合反応を行った後、反応容器の後段に位置する追加装置にて、80℃まで冷却し、水酸化ナトリウムでpH4に中和すると同時に加水することで、濃度40%の共重合体(重量平均分子量Mw11100、Mw/Mn1.5)の水溶液(B−3)を得た。
製造例(B−1)〜(B−3)で用いた単量体の種類及び配合量と、重合反応時の濃度及び反応終了時の水溶液の濃度と、反応終了時の水溶液のpH値を下記の表1に記す。
Figure 2019038731
なお、表1中の単量体の詳細を以下に記す。
PEG−AL:ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアリルエーテル
MPEG−MA:メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
HPA:2−ヒドロキシプロピルアクリレート
<実施例1〜12、比較例1〜4、参考例1〜3>
表2記載の配合量にて、成分(A)に対し成分(B)を添加した後、よくかき混ぜて実施例1〜12及び比較例1〜4の固形状セメント混和剤を得た。
また参考例1〜3については、成分(B)を単独で用いた。
Figure 2019038731
<実施例11〜12>
横21cm×縦21cmの水溶紙A6015(日本製紙パピリア社製)を用い、短辺の端部同士が接するように折り返し、両端部の接触面でヒートシールを行い接着した。
その後、得られた筒状体の下部をヒートシールで接着し、1箇所のみ開口する袋状物を得た。
得られた袋状物に対し、実施例5〜6で得られた各固形状セメント混和剤をそれぞれ内包した後、開口部をヒートシールで接着させ、密封した実施例11〜12の各可溶性袋状物を得た。
<評価>
<モルタル作製>
環境温度(20℃)において、表2の配合量となるようにセメント、水、細骨材、及び各実施例又は各比較例のセメント組成物用添加剤(成分(A),成分(B))を投入して、モルタルミキサによる機械練りにより低速60秒間、高速90秒練混ぜて、表3記載のモルタル(セメント組成物)を得た。このモルタルを用いて、下記のモルタルフロー値の測定、作業性評価、及び分散性評価を行った。試験結果を表4に示す。
Figure 2019038731
なお、表2中の記号の詳細を以下に記す。
C:以下のセメント3種を等量混合
普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(株式会社トクヤマ製、比重3.16)
W:水道水+成分(A)+成分(B)
S:S:掛川産陸砂(密度2.56)
<モルタルフロー値の測定>
底面の直径20cm、上面の直径10cm、高さ30cmの中空円筒のミニスランプコーンに上記のモルタルを詰め、ミニスランプコーンを垂直に持ち上げた際のテーブルに広がったモルタルの2方向の直径の平均値をモルタルフロー値とした。
<モルタルミキサへの投入時の作業性>
実施例及び比較例のセメント混和剤を、モルタルミキサへ投入する際の作業性を以下の指標で評価した。
◎:ミキサ投入時にセメント混和剤が投入容器に付着せず、作業性が良好。
○:ミキサ投入時にセメント混和剤が投入容器へ若干付着するが、付着量が少なく作業性に問題無い。
×:ミキサ投入時にセメント混和剤が投入容器に大部分が付着し、作業性に劣る。
<分散性>
参考例1〜3で得られる成分(B)(B-1〜B-3)の各モルタルフロー値を基準とし、対応する成分(B)を用いた各実施例及び各比較例について、成分(A)を添加することによる分散性の影響について、次式により求められるモルタルフロー減少率から評価した。
[実施例1〜10、13〜14、比較例1〜2]
((参考例1のモルタルフロー値)−(実施例及び比較例のモルタルフロー値))/(参考例1のモルタルフロー値)×100・・・式(A)
[実施例11、比較例3〜4]
((参考例2のモルタルフロー値)−(実施例及び比較例のモルタルフロー値))/(参考例2のモルタルフロー値)×100・・・式(B)
[実施例12]
((参考例3のモルタルフロー値)−(実施例のモルタルフロー値))/(参考例3のモルタルフロー値)×100・・・式(C)
◎:モルタルフロー値の減少率が0%以上〜10%以下
○:モルタルフロー値の減少率が10%超〜25%以下
△:モルタルフロー値の減少率が25%超〜50%以下
×:モルタルフロー値の減少率が50%超
Figure 2019038731

Claims (6)

  1. 下記成分(A)〜(B)を含む固形状セメント混和剤であって、
    該成分(A)100重量%に対し、該成分(B)を10〜500重量%の範囲で含むことを特徴とする固形状セメント混和剤。
    成分(A):セルロース系担体
    成分(B):下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体。
    Figure 2019038731
    (前記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。pは、0〜2の整数を表し、qは、0又は1を表す。AOは、同一若しくは異なっていてもよい、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、1〜300の整数を表す。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
    Figure 2019038731
    (前記一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、−CH又は−(CHCOOMを表す。但し、−(CHCOOMは、互いに−COOM又は他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、無水物を形成する場合はM、Mは存在しない。M及びMは、同一若しくは異なっていてもよい、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基を表す。rは0〜2の整数を表す。)
    Figure 2019038731
    (前記一般式(3)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。R11は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜4の炭化水素基を表す。sは、0〜2の整数を表す。)
  2. 前記成分(A)が、(加水処理後の重量(g)−加水処理前の重量(g))/加水処理前の重量(g)×100で示される吸水率が150%以上のセルロース系担体であることを特徴とする請求項1に記載の固形状セメント混和剤。
  3. 前記成分(A)が、粉末状セルロースであることを特徴とする請求項1〜2いずれかに記載の固形状セメント混和剤。
  4. リグニン系分散剤を、さらに含むことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の固形状セメント混和剤。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の固形状セメント混和剤を含有する、可溶性袋状物。
  6. 下記成分(A)〜(B)を含んでなる固形状セメント混和剤の製造方法であって、
    該成分(A)100重量%に対し、該成分(B)を10〜500重量%の範囲で担持させることを特徴とする固形状セメント混和剤の製造方法。
    成分(A):セルロース系担体
    成分(B):下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体。
    Figure 2019038731
    (前記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。pは、0〜2の整数を表し、qは、0又は1を表す。AOは、同一若しくは異なっていてもよい、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、1〜300の整数を表す。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
    Figure 2019038731
    (前記一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、−CH又は−(CHCOOMを表す。但し、−(CHCOOMは、互いに−COOM又は他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、無水物を形成する場合はM、Mは存在しない。M及びMは、同一若しくは異なっていてもよい、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基を表す。rは0〜2の整数を表す。)
    Figure 2019038731
    (前記一般式(3)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。R11は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜4の炭化水素基を表す。sは、0〜2の整数を表す。)
JP2017163917A 2017-08-29 2017-08-29 固形状セメント混和剤 Active JP6955691B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017163917A JP6955691B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 固形状セメント混和剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017163917A JP6955691B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 固形状セメント混和剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019038731A true JP2019038731A (ja) 2019-03-14
JP6955691B2 JP6955691B2 (ja) 2021-10-27

Family

ID=65727198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017163917A Active JP6955691B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 固形状セメント混和剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6955691B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019214180A (ja) * 2018-06-13 2019-12-19 株式会社フローリック セメント組成物の製造方法
WO2020195910A1 (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 日本製紙株式会社 固形状セメント分散剤及びその製造方法、並びにセメント組成物
JP2020158317A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 日本製紙株式会社 固形状セメント分散剤及びその製造方法、並びにセメント組成物
WO2022071562A1 (ja) * 2020-10-02 2022-04-07 日本たばこ産業株式会社 たばこシート
WO2023054691A1 (ja) * 2021-10-01 2023-04-06 日本たばこ産業株式会社 非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート及びその製造方法、非燃焼加熱型香味吸引器、並びに非燃焼加熱型香味吸引システム
WO2023053704A1 (ja) * 2021-10-01 2023-04-06 日本たばこ産業株式会社 非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート、非燃焼加熱型香味吸引器、及び非燃焼加熱型香味吸引システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10273350A (ja) * 1997-03-27 1998-10-13 Nippon Paper Ind Co Ltd セメント混和剤、及びこれを用いたスランプロス低減方法
JP2002536289A (ja) * 1999-02-10 2002-10-29 デグサ コンストラクション ケミカルズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ポリエーテルカルボキシレートをベースとする粉体状のポリマー組成物
JP2009520089A (ja) * 2005-12-20 2009-05-21 コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー 粉末状重縮合生成物
JP2012066964A (ja) * 2010-09-24 2012-04-05 Taiheiyo Materials Corp 増粘性コンクリートの製造方法
JP2016138013A (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 日本製紙株式会社 水硬性組成物用分散剤
JP2017066257A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 日本製紙株式会社 粉末状セルロース

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10273350A (ja) * 1997-03-27 1998-10-13 Nippon Paper Ind Co Ltd セメント混和剤、及びこれを用いたスランプロス低減方法
JP2002536289A (ja) * 1999-02-10 2002-10-29 デグサ コンストラクション ケミカルズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ポリエーテルカルボキシレートをベースとする粉体状のポリマー組成物
JP2009520089A (ja) * 2005-12-20 2009-05-21 コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー 粉末状重縮合生成物
JP2012066964A (ja) * 2010-09-24 2012-04-05 Taiheiyo Materials Corp 増粘性コンクリートの製造方法
JP2016138013A (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 日本製紙株式会社 水硬性組成物用分散剤
JP2017066257A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 日本製紙株式会社 粉末状セルロース

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019214180A (ja) * 2018-06-13 2019-12-19 株式会社フローリック セメント組成物の製造方法
JP7126871B2 (ja) 2018-06-13 2022-08-29 株式会社フローリック セメント組成物の製造方法
WO2020195910A1 (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 日本製紙株式会社 固形状セメント分散剤及びその製造方法、並びにセメント組成物
JP2020158317A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 日本製紙株式会社 固形状セメント分散剤及びその製造方法、並びにセメント組成物
JP7228431B2 (ja) 2019-03-25 2023-02-24 日本製紙株式会社 固形状セメント分散剤及びその製造方法、並びにセメント組成物
WO2022071562A1 (ja) * 2020-10-02 2022-04-07 日本たばこ産業株式会社 たばこシート
WO2023054691A1 (ja) * 2021-10-01 2023-04-06 日本たばこ産業株式会社 非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート及びその製造方法、非燃焼加熱型香味吸引器、並びに非燃焼加熱型香味吸引システム
WO2023053704A1 (ja) * 2021-10-01 2023-04-06 日本たばこ産業株式会社 非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート、非燃焼加熱型香味吸引器、及び非燃焼加熱型香味吸引システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6955691B2 (ja) 2021-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6955691B2 (ja) 固形状セメント混和剤
JP6975157B2 (ja) セメント組成物用添加剤及びセメント組成物
JP5715260B2 (ja) 水硬性材料添加剤用ポリカルボン酸系重合体
JP2006522734A (ja) セメント混和剤及びセメント組成物
JP4987533B2 (ja) セメント混和剤
JP6012139B2 (ja) セメント混和剤及びセメント組成物
JP6433222B2 (ja) 水硬性組成物用添加剤
JP5584638B2 (ja) セメント混和剤およびセメント組成物
JP7054087B2 (ja) 水硬性組成物用セルフレベリング剤
JP5707165B2 (ja) セメント混和剤及びこれを含むセメント組成物
JP2018135222A (ja) 低チキソトロピー性助剤、可溶性袋状物及びセメント組成物
JP2014534152A (ja) 固体懸濁物用分散剤
JP5731760B2 (ja) 分散剤
JP2019202930A (ja) 水硬性組成物用添加剤
JP7126871B2 (ja) セメント組成物の製造方法
JP5912964B2 (ja) セメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体
JP5473997B2 (ja) セメント混和剤
JP6751579B2 (ja) 水硬性組成物用添加剤
JP6534271B2 (ja) セメント分散剤およびセメント組成物
JP2014189756A (ja) セメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体
JP2022085134A (ja) セメント混和剤成形物
JP6109240B2 (ja) セメント混和剤及びセメント組成物
JP6339819B2 (ja) 水硬性組成物に用いる添加剤
WO2020195910A1 (ja) 固形状セメント分散剤及びその製造方法、並びにセメント組成物
JP2019167290A (ja) 水硬性組成物用分散剤

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20190326

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20190508

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200813

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6955691

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150