JP7228431B2 - 固形状セメント分散剤及びその製造方法、並びにセメント組成物 - Google Patents
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Description
また、クラフトリグニンを亜硫酸塩とホルムアルデヒドによりスルホメチル化したリグニン誘導体、リグニンスルホン酸又はリグニンスルホン酸の塩を部分的に脱スルホン化したリグニン誘導体、及び限外濾過処理によって精製したリグニン精製物は、リグニン系分散剤として、染料、セメント、無機顔料、有機顔料、石膏、石炭-水スラリー、農薬、窯業など広範囲な工業分野で多用されている。
特許文献1に開示されたリグニン誘導体は、リグニンスルホン酸系化合物と水溶性単量体の反応物である。実施例によれば、リグニン誘導体は、共重合体水溶液として得られている。
一方、セメント分散剤を運搬する場合、運搬効率の観点から、液状のセメント分散剤よりも固形状のセメント分散剤が好ましい形態と考えられる。
そのため、初期分散性が液状のセメント分散剤と同等又はそれ以上であり、運搬性に適する固形状のセメント分散剤の開発が望まれている。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕~〔9〕を提供する。
〔1〕成分(A):リグニンスルホン酸又はその塩の含有量が55~100重量%のリグニン誘導体、を少なくとも含み、その平均粒子径が10~1000μmである固形状セメント分散剤。
〔2〕成分(B):下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体、をさらに含む上記〔1〕に記載の固形状セメント分散剤。
〔3〕前記平均粒子径が30~300μmである上記〔1〕又は〔2〕に記載の固形状セメント分散剤。
〔4〕前記成分(A)の含有量が、40重量%以上である上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の固形状セメント分散剤。
〔5〕前記成分(B)の含有量が、1~60重量%である上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の固形状セメント分散剤。
〔6〕還元性糖類及び/又は糖変性物の含有量が、1~40重量%である上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の固形状セメント分散剤。
〔7〕成分(A):リグニンスルホン酸又はその塩の含有量が55~100重量%のリグニン誘導体、を少なくとも含む液状物を乾燥固形化して、その平均粒子径が10~1000μmである固形状セメント分散剤を製造する、固形状セメント分散剤の製造方法。
〔8〕前記液状物が、成分(B):下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体、をさらに含む上記〔7〕に記載の製造方法。
〔9〕上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の固形状セメント分散剤を含有するセメント組成物。
なお、本明細書中、「AA~BB」と表記する場合、AA以上BB以下を表す。また、「(メタ)アクリル」と表記する場合、アクリル及び/又はメタクリルを表す。
本発明の固形状セメント分散剤は、成分(A):リグニンスルホン酸又はその塩の含有量が55~100重量%のリグニン誘導体を少なくとも含み、その平均粒子径が10~1000μmである。
上記した通り、セメント分散剤は、投入直後に均一に拡散するため、固形状よりも液状のほうが初期分散性に優れると考えられる。本発明者等は、液状のセメント分散剤と同等又はそれ以上の初期分散性を有する固形状のセメント分散剤を検討したところ、高純度のリグニン誘導体を含むセメント分散剤は、液状よりも固形状の方が、初期分散性に優れることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
なお、セメント分散剤の水分量は、赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所製)を用いて測定し得る。
本発明の固形状セメント分散剤は、粉末状、及びペレット状の剤形が好ましい。
なお、平均粒子径は、粉末サンプル3gをレーザー回折式粒度分布測定装置(マスターサイザー3000(Malvern社製))により、乾式条件で測定し得られた分子量分布より、横軸を粒度(μm)、縦軸を体積(%)として表し、蓄積分布が50%となる値である。
ここで、「還元性糖類」とは、還元性を示す糖類をいい、塩基性溶液中でアルデヒド基又はケトン基を生じる糖類をいう。還元性糖類としては、例えば、すべての単糖類;マルトース、ラクトース、アラビノース、スクロースの転化糖等の二糖類;多糖類が挙げられる。還元性糖類は、通常、セルロース、ヘミセルロース、及びそれらの分解物を含む。セルロース及びヘミセルロースの分解物としては、例えば、ラムノース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース、フルクトース等の単糖類;キシロオリゴ糖、セロオリゴ糖等のオリゴ糖類が挙げられる。
また、「糖変性物」とは、糖が酸化、スルホン化等の化学変性を受けてなる変性物をいう。糖変性物は、例えば、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボニル基、及びスルホ基等の官能基が糖の骨格中に導入された糖誘導体、当該糖誘導体2つ(2種)以上が結合した化合物が挙げられる。
本発明の固形状セメント分散剤は、成分(A)を少なくとも含む。
成分(A)は、リグニンスルホン酸又はその塩の含有量が55~100重量%のリグニン誘導体である。ここで、リグニンスルホン酸は、リグニン又はその誘導体の少なくとも一部がスルホン酸(塩)基で置換されている化合物をいう。
リグニン誘導体中のリグニンスルホン酸の含有量は、パールベンソン法(ニトロソ化法)により算出できる。
還元性糖類及び/又は糖変性物の含有量は、Somogyi-Nelson法により算出し得る。
リグニン誘導体の調製方法としては、例えば、リグノセルロース原料を亜硫酸処理して調製する方法、好ましくは、リグノセルロース原料を亜硫酸蒸解処理して調製する方法が挙げられる。
木材としては、例えば、エゾマツ、アカマツ、スギ、ヒノキ等の針葉樹木材;シラカバ、ブナ等の広葉樹木材が挙げられる。木材の樹齢、採取部位は問わない。そのため、互いに樹齢の異なる樹木から採取された木材や、互いに樹木の異なる部位から採取された木材を組み合わせて用いてもよい。
非木材としては、例えば、竹、ケナフ、葦、稲が挙げられる。
リグノセルロース原料は、これらの材料を1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
亜硫酸蒸解法は、亜硫酸及び亜硫酸塩の少なくともいずれかの溶液(例えば、水溶液:蒸解液)中で、リグノセルロース原料を高温下で反応させる方法である。当該方法は、サルファイトパルプの製造方法として工業的に確立されており、実施されている。そのため、亜硫酸処理を亜硫酸蒸解法により行うことにより、経済性及び実施容易性を高めることができる。
亜硫酸処理の処理時間は特に限定されなく、亜硫酸処理の諸条件にもよるが、0.5~24時間が好ましく、1.0~12時間がより好ましい。
洗浄は、通常、洗浄機を用いる。洗浄に使用する洗浄機は、特に限定されるものではない。例えば、置換洗浄型洗浄機、希釈脱水洗浄型洗浄機が挙げられる。
脱水は、通常、脱水機を用いる。脱水に使用する脱水機は、特に限定されるものではない。例えば、ドラム型絞り脱水機、ロータリープレス、連続圧搾脱水機が挙げられる。
なお、アルカリ性物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
UF膜の素材は公知のものを用いることができる。例えば、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、セラミックが挙げられる。なお、UF膜は市販品であってもよい。
限外濾過処理時の黒液のpH値は、2~11が好ましい。
限外濾過処理時の黒液の固形分濃度(w/w)は、2~30%が好ましく、5~15%がより好ましい。
本発明の固形状セメント分散剤は、成分(B)を含有することが好ましい。
成分(B)は、一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体である。
以下、各構成単位の詳細を記載する。
構成単位(I)は、下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位である。
R1は、水素原子であることが好ましい。R2は、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。R3は、水素原子が好ましい。
異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。
これらの中でも、親水性及び疎水性のバランスの観点から、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテルが好ましい。
これらの中でも、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートがより好ましい。
構成単位(II)は、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位である。
R5は、水素原子が好ましい。R6は、水素原子、メチル基又は(CH2)rCOOM2が好ましい。R7は、水素原子が好ましい。
構成単位(III)は、下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位である。
炭素原子数1~3のアルキル基の例は、R1~R3における例と同様である。R8は、水素原子が好ましい。R9は、水素原子が好ましい。R10は、水素原子が好ましい。
構成単位(IV)は、上記一般式(1)~(3)で表される単量体と共重合可能な単量体に由来する構成単位である。上記一般式(1)~(3)で表される単量体と共重合可能な単量体は、上記一般式(1)~(3)により表される単量体と構造上区別される。構成単位(IV)を構成する単量体は特に限定されなく、例えば、下記の各単量体を挙げることができる。
なお、これらの単量体は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
共重合体は、それぞれ所定の単量体を、公知の方法によって共重合して調製し得る。該方法としては、例えば、溶媒中での重合、塊状重合等の重合方法が挙げられる。
重合温度は、用いる溶媒、重合開始剤の種類等の重合条件によって適宜異なるけれども、通常は40~120℃である。
これらの連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合体における固形分濃度の下限は、5重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。また、その上限は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましい。
測定装置;東ソー製
使用カラム;Shodex Column OH-pak SB-806HQ、SB-804HQ、SB-802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー社製又はGLサイエンス社製)
検出器;示差屈折計(東ソー社製)
検量線;ポリエチレングリコール基準
本発明の固形状セメント分散剤は、本発明の効果を妨げない範囲において、上記の成分(A)及び成分(B)以外の任意成分を含有してもよい。
任意成分としては、例えば、水溶性高分子、硬化促進剤、増粘剤、高分子エマルジョン、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、消泡剤、AE剤、界面活性剤等の公知のセメント組成物用添加剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の固形状セメント分散剤の製造方法は、成分(A):リグニンスルホン酸又はその塩の含有量が55~100重量%のリグニン誘導体、を少なくとも含む液状物を乾燥固形化して、その平均粒子径が10~1000μmである固形状セメント分散剤を製造する方法である。
各成分の詳細は、[1.固形状セメント分散剤]に記載した内容と同様である。
本発明のセメント組成物は、上記(1)に記載の固形状セメント分散剤を含有する。より詳細には、セメント組成物は、固形状セメント分散剤を、セメント等の水硬性材料に添加して調製したセメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等である。
また、中流動コンクリート(スランプ値が22~25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50~70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性が要求されるモルタル又はコンクリート、としても有効である。
ここで、試料水溶液は、430nmにおける吸収量(Ar)が検出限界を超えない程度に希釈し、室温(20~25℃)で12時間以上静置後、清澄な上澄み液をピペットで採取して調製した。また、ブランク試料は、50mLの純粋を、125mL容メスフラスコにとり、1mLの酢酸及び1mLの亜硝酸ナトリウム溶液を加えた後、室温で15分間攪拌した。その後、2mLの水酸化アンモニウムを加え、10分間攪拌し得られた溶液とした。
Naベース針葉樹未発酵亜硫酸蒸解排液をpH5.0に調整した。これを、分画分子量20000のポリスルホン系限外濾過膜を用いて限外濾過処理を行い、その濃縮液をリグニン誘導体(A-1)とした。
Mgベース針葉樹酵母発酵亜硫酸蒸解排液を40%NaOHでpH12とした後、140℃で30分間アルカリ空気酸化した。そして、不溶解物を遠心分離し、その上澄み液をリグニン誘導体(A-2)とした。
Naベース針葉樹酵母発酵亜硫酸蒸解排液をpH7.0に調整し、これをリグニン誘導体(A-3)とした。
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたガラス反応容器に、水180部、メタリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数53個)179部、及び過酸化水素0.6部を投入し、攪拌しながら反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で40℃に昇温した後、アクリル酸19部、及び水76部を混合したモノマー水溶液と、L-アスコルビン酸1部、3-メルカプトプロピオン酸1部、及び水22部の混合液とを、各々2時間で、40℃に保持した反応容器に連続滴下した。滴下終了後、温度を保持した状態でさらに1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体は、共重合体(B-1)(重量平均分子量24,000、Mw/Mn1.55)であった。
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水8000kgを仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(MPEG-MA)(エチレンオキサイドの平均付加モル数14)2500kg(33モル%)、メタクリル酸(MAA)400kg(67モル%)、及び水2670kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸ナトリウム50kg、及び水500kgの攪拌混合液を、各々2時間かけて100℃に保持した反応容器に連続滴下した。温度を100℃に保持した状態で1時間重合反応を行った。その後、反応容器の後段に位置する追加装置にて、65℃まで冷却し、水酸化ナトリウムでpH7に中和すると同時に加水することで、濃度20%の共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体は、共重合体(B-2)(重量平均分子量Mw18,000、Mw/Mn1.50)であった。
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたガラス反応容器に、水172部、及びポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)168部を仕込み、攪拌下で反応容器内を窒素置換した。窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、アクリル酸38部、及び水149部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム3部、及び水47部の混合液とを、各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。更に、温度を100℃に保持した状態で1時間反応を行った。その後、31%の水酸化ナトリウム水溶液にてpH7に調製することにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体は、共重合体(B-3)(重量平均分子量16,100、Mw/Mn1.60)であった。
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたガラス反応容器に水254部を仕込み、攪拌下で反応容器内を窒素置換した。窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、メタクリル酸33部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数14個)215部、3-メルカプトプロピオン酸3部、及び水43部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム3部、及び水38部の混合液とを、各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。更に、温度を100℃に保持した状態で1時間反応を行った。その後、31%の水酸化ナトリウム水溶液にてpH7に調製することにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体は、共重合体(B-4)(重量平均分子量12,100、Mw/Mn1.40)であった。
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたガラス反応容器に、水654部、及びポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10個)17部を投入し、攪拌しながら反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で80℃に昇温した後、メタクリル酸10部、アクリル酸0.1部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)49部、2-ヒドロキシプロピルアクリレート81部、及び水144部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム3部、及び水43部の混合液とを、各々2時間で、80℃に保持した反応容器に連続滴下した。滴下終了後、温度を100℃に保持した状態でさらに1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。この液を30%NaOH水溶液でpH4に調整した。液中の共重合体は、共重合体(B-5)(重量平均分子量22,000、Mw/Mn2.10)であった。
製造例1で製造した成分(A-1)を、ドラムドライヤにより乾燥した粉末状物である。
表1に記載した処方の、成分(A-1)及び成分(B)の混合物を、ドラムドライヤにより乾燥した粉末状物である。
製造例2で製造した成分(A-2)を、ドラムドライヤにより乾燥した粉末状物である。
表1に記載した処方の、成分(A-2)及び成分(B)の混合物を、ドラムドライヤにより乾燥した粉末状物である。
表1に記載した処方の、成分(A)及び成分(B)の混合物を、スプレードライヤにより乾燥した粉末状物である。
製造例1で製造した成分(A-1)である。
表1に記載した処方の成分(A-1)及び成分(B)の混合物である。
製造例2で製造した成分(A-2)である。
製造例3で製造した成分(A-3)である。
製造例3で製造した成分(A-3)を、ドラムドライヤにより乾燥した粉末状物である。
C:以下のセメント3種を等量混合
普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(株式会社トクヤマ製、比重3.16)
W:水道水
S:細骨材(掛川産陸砂 密度2.58)
また、リグニンスルホン酸又はその塩の含有量が60重量%であるリグニン誘導体を用いた場合であっても、成分(B)を併用することで、初期分散性を向上し得ることがわかる(実施例7~9参照)。
さらに、ドラムドライヤによる乾燥方法でも、スプレードライヤによる乾燥方法でも、同様の結果が得られており、乾燥方法の相違は影響がないことがわかる(実施例3及び10参照)。
Claims (9)
- 成分(A):リグニンスルホン酸又はその塩の含有量が55~100重量%のリグニン誘導体、及び
成分(B):下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体
を少なくとも含む液状物の乾燥固形化物であり、
その平均粒子径が10~1000μmである固形状セメント分散剤。
- 前記共重合体の重量平均分子量(Mw)が、5000以上である請求項1に記載の固形状セメント分散剤。
- 前記平均粒子径が30~300μmである請求項1又は2に記載の固形状セメント分散剤。
- 前記成分(A)の含有量が、40重量%以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の固形状セメント分散剤。
- 前記成分(B)の含有量が、1~60重量%である請求項1~4のいずれか1項に記載の固形状セメント分散剤。
- 還元性糖類及び/又は糖変性物の含有量が、1~40重量%である請求項1~5のいずれか1項に記載の固形状セメント分散剤。
- 成分(A):リグニンスルホン酸又はその塩の含有量が55~100重量%のリグニン誘導体、及び
成分(B):下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体
を少なくとも含む液状物を乾燥固形化して、その平均粒子径が10~1000μmである固形状セメント分散剤を製造する、固形状セメント分散剤の製造方法。
- 前記共重合体の重量平均分子量(Mw)が、5000以上である請求項7に記載の製造方法。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の固形状セメント分散剤を含有するセメント組成物。
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