JP7126871B2 - セメント組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント組成物の製造方法に関する。
近年、人手不足が謳われているコンクリート工事現場においては、省力化を目的として、打設作業の省略化による施工性の向上が可能な、自己充填性の高いコンクリートが望まれている。
このような自己充填性の高いコンクリートには、通常、増粘剤が添加されている。しかしながら、一般に、増粘剤は、水に溶けにくいという性質を有する。そのため、大量の増粘剤を使用して高濃度(粘度)とする際、コンクリートの配合の補正の関係から、粉末化した増粘剤と粉末分散剤が使用される場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特許第5623847号公報
現在のところ、分散剤を粉末化するには、高度な技術を必要としている。また、液体の分散剤と比較して、混合し得る粉末分散剤の性能が劣るという課題や、粉末分散剤の種類が限られるという課題がある。そのため、粉末分散剤を使用する場合、ベースコンクリートを長距離(長時間)輸送し、スランプロスが大きい場合、十分な流動性と高い自己充填性を長時間維持することが困難になり得る。
また、特許文献1では、可溶性袋状物に増粘剤粉末等を内封し、袋ごとドラム型ミキサで混合することが開示されている。しかしながら、可溶性袋状物が完全に溶解しない場合がある。そのため、可溶性袋状物の一部がミキサに巻きつくという問題や、コンクリートに可溶性袋状物の一部が流入するという問題がある。
本発明の課題は、所定時間経過後に流動化を行うことができ、高い自己充填性を有し、混練が容易であり、さらには、コンクリートの耐凍害性を向上し得るセメント組成物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、セルロース系担体に所定の成分を含有させたフロック状セメント混和剤を、ベースコンクリートとセメント混和剤の混練から60分以上経過後に添加することより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕~〔5〕を提供する。
〔1〕下記工程(1)~(3)を含む、セメント組成物の製造方法。
工程(1):水硬性材料を含むベースコンクリートに、ポリカルボン酸系化合物及び/又はリグニンスルホン酸系化合物からなるセメント混和剤(A)を添加し、混練して混練物を調製する工程。
工程(2):セルロース系担体(B)に、ポリカルボン酸系共重合体(C)、増粘剤(D)、及び消泡剤(E)を担持させて、フロック状セメント混和剤(F)を調製する工程。
工程(3):混練開始から60分以上経過後に、前記混練物に前記フロック状セメント混和剤(F)を添加し、ドラム型ミキサで混合し、セメント組成物を製造する工程。
〔2〕前記ポリカルボン酸系共重合体(C)が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体である、上記〔1〕に記載のセメント組成物の製造方法。
Figure 0007126871000001
(前記一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を示す。pは、0~2の整数を示す。qは、0又は1を示す。AOは、同一若しくは異なっていてもよい、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を示す。nは、1~300の整数を示す。Rは、水素原子、又は炭素原子数1~30の炭化水素基を示す。)
Figure 0007126871000002
(前記一般式(2)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、-CH、又は-(CHCOOMを示す。但し、-(CHCOOMは、-COOM又は他の-(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、無水物を形成する場合はM、Mは存在しない。M及びMは、同一若しくは異なっていてもよい、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、又は置換アルキルアンモニウム基を示す。rは、0~2の整数を示す。)
Figure 0007126871000003
(前記一般式(3)中、R~R10は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数1~3のアルキル基を示す。R11は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1~4の炭化水素基を示す。sは、0~2の整数を示す。)
〔3〕前記フロック状セメント混和剤(F)中、前記セルロース系担体(B)100重量部に対して、前記ポリカルボン酸系共重合体(C)が10~500重量部である、上記〔1〕又は〔2〕に記載のセメント組成物の製造方法。
〔4〕前記増粘剤(D)が、25℃で液状の増粘剤である、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のセメント組成物の製造方法。
〔5〕前記消泡剤(E)が、25℃で液状の消泡剤である、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のセメント組成物の製造方法。
本発明によれば、所定時間経過後に流動化を行うことができ、高い自己充填性を有し、混練が容易であり、さらには、コンクリートの耐凍害性を向上し得るセメント組成物の製造方法を提供し得る。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、特に記載のない場合、「AA~BB%」という記載は、「AA%以上BB%以下」を表す。
[1.セメント組成物の製造方法]
本発明のセメント組成物の製造方法は、工程(1)~(3)を含む。
工程(1):水硬性材料を含むベースコンクリートに、ポリカルボン酸系化合物及び/又はリグニンスルホン酸系化合物からなるセメント混和剤(A)を添加し、混練して混練物を調製する工程。
工程(2):セルロース系担体(B)に、ポリカルボン酸系共重合体(C)、増粘剤(D)、及び消泡剤(E)を担持させて、フロック状セメント混和剤(F)を調製する工程。
工程(3):混練開始から60分以上経過後に、混練物にフロック状セメント混和剤(F)を添加し、ドラム型ミキサで混合し、セメント組成物を製造する工程。
本発明のセメント組成物の製造方法は、ベースコンクリートとセメント混和剤(A)の混練物に対して、混練開始から60分以上経過後に、工程(2)で調製するフロック状セメント混和剤(F)を添加し、ドラム型ミキサで混合する。そのため、長距離(長時間)輸送のように所定時間経過後であっても、流動化を行うことができ、高い自己充填性を有し、混練が容易であり、さらには、コンクリートの耐凍害性を向上し得るセメント組成物の製造方法を提供し得る。
以下、各工程の詳細について説明する。
[1-1.工程(1)]
工程(1)は、水硬性材料を含むベースコンクリートに、ポリカルボン酸系化合物及び/又はリグニンスルホン酸系化合物からなるセメント混和剤(A)を添加し、混練して混練物を調製する工程である。
工程(1)で調製する混練物は、混練開始から時間が経過していない状態では、十分な流動性と高い自己充填性を有するが、長距離(長時間)輸送し、スランプロスが大きい場合、流動性と高い自己充填性を維持することが困難となり得る。
(ベースコンクリート)
ベースコンクリートは、水硬性材料を含み、水、セメント混和剤(A)を除く他の混和剤(以下、単に「他の混和剤」ともいう)、骨材等のセメントを作製するのに通常使用される成分を含んでもよい。
水硬性材料としては、例えば、セメント、石膏(半水石膏、二水石膏など)、ドロマイトが挙げられる。
セメントは、水硬性セメントであれば特に限定されない。例えば、普通、低熱、中庸熱、早強、超早強、耐硫酸塩等のポルトランドセメント、ポルトランドセメントの低アルカリ形、高炉セメント(A種、B種、C種)、シリカセメント(A種、B種、C種)、フライアッシュセメント(A種、B種、C種)、エコセメント(普通、速硬)、シリカヒュームセメント、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント、セメント系固化材が挙げられる。
水としては、例えば、上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水、地下水、工業用水等)、回収水(上澄水、スラッジ水)が挙げられる。
他の混和剤としては、例えば、セメント分散剤、水溶性高分子、高分子エマルジョン、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、遅延剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、消泡剤、AE剤、界面活性剤、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、圧送助剤、低チキソトロピー性助剤等の公知のセメント用添加剤が挙げられる。
なお、他の混和剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上の他の混和剤を任意の比率で組み合わせて用いもよい。
セメント分散剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の分散剤が挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、ポリアルキレングリコールが挙げられる。より詳細には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリブチレングリコール等が挙げられる。
遅延剤としては、例えば、グルコン酸(塩)、クエン酸(塩)等のオキシカルボン酸類;グルコース等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール類が挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の可溶性カルシウム塩類;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物類;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩類が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、公知のセルロースナノファイバー、公知のセルロースナノクリスタルが挙げられる。
消泡剤としては、市販品を用いてもよい。例えば、フローリック社製の「フローリックDF753」が挙げられる。
低チキソトロピー性助剤としては、フローリック社製の「フローリックFBL-200」が挙げられる。
骨材は、細骨材及び粗骨材のいずれであってもよく、細骨材及び粗骨材を併用してもよい。骨材としては、例えば、砂、砂利、砕石;水砕スラグ;再生骨材、回収骨材、人工軽量骨材;珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が挙げられる。
(セメント混和剤(A))
セメント混和剤(A)は、ポリカルボン酸系化合物及び/又はリグニンスルホン酸系化合物からなるものである。
ポリカルボン酸系化合物は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、商品名「フローリックVP700」、「フローリックVP900M」、「フローリックVP900A」、「フローリックPC」、「フローリックSF500S」、「フローリックSF500H」、「フローリックSF500R」、「フローリックSF500HR」(以上、フローリック社製)、「MELFLUX AP101F」、「MELFLUX PP100F」、「MELFLUX PP200F」(以上、SKWイ―ストアジア社製)、「シーカメント1100NT」、「シーカメント1100NTR」(以上、日本シーカ社製)、「マイテイ21P」、「マイテイ3000S」(以上、花王社製)、「マスターグレニウムSP8SV」(BASF社製)、「チューポールHP11」(竹本油脂製)、「コアフローNF100」、「コアフローNF200」(以上、太平洋マテリアル社製)が挙げられる。
(リグニンスルホン酸系化合物)
リグニンスルホン酸系化合物は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、商品名「フローリックVP10」、「フローリックS」、「フローリックR」、「フローリックSV」、「フローリックRV」、「フローリックSV10」(以上、フローリック社製)、商品名「マスターポゾリスNo.70」、「マスターポリヒード15Sシリーズ」(以上、BASFジャパン社製)、商品名「ダーレックスWRDA」(グレースケミカル社製)、商品名「プラスクリートNC」、「プラスクリートR」(以上、日本シーカ社製)、商品名「ヤマソー80P」、「ヤマソー90シリーズ」、「ヤマソー98シリーズ」、「ヤマソー02NL-P」、「ヤマソー02NLR-P」、「ヤマソー09NL-P」、「ヤマソーNLR-P」(以上、山宗化学社製)、商品名「チューポールEX60シリーズ」、「チューポールLS-Aシリーズ」(以上、竹本油脂社製)、「リグエースUAシリーズ」、「リグエースURシリーズ」、「リグエースVFシリーズ」(以上、リグエース社製)が挙げられる。
(混練)
各材料を混練する方法は、特に限定されるものではない。例えば、上記各成分と水とを同時に混練する方法、混和剤を予め水に添加しておく方法、混和剤を後添加若しくは分割添加する方法が挙げられる。
混練時間は、使用する混練機にもよるが、一般には、全材料を混練機に投入後、少なくとも60秒以上であり、好ましくは90秒~10分間である。なお、工程(3)の混練開始の起算は、全材料を混練機に投入した時である。
このような混練して調製した混練物を、ミキサ車に積み込んで工事現場まで運搬する。
[1-2.工程(2)]
工程(2)は、セルロース系担体(B)に、ポリカルボン酸系共重合体(C)、増粘剤(D)、及び消泡剤(E)を担持させて、フロック状セメント混和剤(F)を調製する工程である。
工程(2)で調製するフロック状セメント混和剤(F)は、セルロース系担体(B)に、ポリカルボン酸系共重合体(C)、増粘剤(D)、及び消泡剤(E)を担持させている。このフロック状セメント混和剤(F)は、担持成分の性能を劣化することなく、良好な作業性を有し、混練物に添加した際に、担持成分の遊離性に優れるものである。
なお、ここでいう「フロック状」とは、流動性が低く液状を示さない状態をいい、固体状、粉末状、粒状、ゲル状等を含む。
(セルロース系担体(B))
セルロース系担体(B)は、水に浸した際に吸水し、保水性を示すセルロースを主成分とする物であれば特に制限無く使用し得る。中でも、粉末状セルロースを含むことが好ましい。
上記の粉末状セルロースを得るために用いられるパルプ原料は、広葉樹由来のパルプ、針葉樹由来のパルプ、リンター由来のパルプ、非木材由来のパルプ等特に限定されるものではない。中でも、針葉樹由来のパルプを用いることが好ましい。針葉樹由来のパルプは、広葉樹由来パルプと比較し、平均繊維長が長く、平均繊維幅が広いため、吸水性に優れており、好ましい。
針葉樹由来のパルプとしては、例えば、スギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミ、イヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロ、ヒバ、ツガ、コメツガ、ヒノキ、アカマツ、イヌガヤ、トウヒ、ロウソンヒノキ、ダグラスファー、シトカスプルース、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタンホワイトパイン及びこれらの関連樹種等から得られるパルプが挙げられる。これらの中でも、好ましくはスギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒノキ、アカマツ、ダグラスファー、ラジアータマツであり、より好ましくはエゾマツ、カラマツ、クロマツ、ダグラスファー、ラジアータマツである。これらの針葉樹由来のパルプは、1種単独で使用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、パルプ化法(蒸解法)は特に限定されるものではなく、サルファイト蒸解法、クラフト蒸解法、ソーダ・キノン蒸解法、オルガノソルブ蒸解法等が挙げられる。これらの中では、環境面の点から、クラフト蒸解法が好ましい。
パルプ原料は、スラリー状の湿式パルプ、又はスラリーを脱水・乾燥させシート状にした乾式パルプのどちらでもよい。但し、取扱いの簡便さを考慮すると、乾式パルプ(パルプシート)を用いることが好ましい。
粉末状セルロースは、パルプ原料を塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸で酸加水分解処理したパルプを粉砕処理、あるいは酸加水分解処理を施さないパルプを機械粉砕して得ることができる。
その様にして得られた粉末状セルロースの、JIS P 8215で規定される極限粘度数測定方法(銅エチレンジアミン法)に準じた方法で得られる、セルロース希薄溶液の極限粘度は100~1800が好ましく、100~900がより好ましく、150~600がさらに好ましい。
粉末状セルロースの平均重合度の下限は、200以上が好ましい。また、上限は、3000以下が好ましい。粉末状セルロースの平均重合度が200以上であると、吸水性を発揮し、作業性を向上し得る。一方、粉末状セルロースの平均重合度が3000以下であると、吸水性が過度に大きくならず、作業性が良好となり得る。従って、粉末状セルロースの平均重合度は200~3000が好ましく、200~1500がより好ましく、300~1000がさらに好ましい。
粉末状セルロースの平均重合度は、以下の方法で測定した値である。パルプ・ポリマー用全自動粘度測定システムRPV-1(RHEOTEK社製)を用い、極限粘度を計測し、「VISCOSITY MEASUREMENTS OF CELLULOSE/SO-AMINE DIMETHYLSULFOXIDE SOLUTION」(磯貝ら著、1998)に記載の〔η〕=0.909×DP0.85(文献中の式(2))の式から導き得る。
粉末状セルロースの平均粒子径の下限は、10μm以上が好ましい。また、その上限は、90μm以下が好ましい。平均粒子径が大きいほど吸水量が増すが、吸水量が多くなり過ぎるとベタツキ易くなり作業性が悪化する。一方、平均粒子径を小さくすると、吸水量が低くなり、好ましくない。従って、粉末状セルロースの平均粒子径は、10~90μmが好ましい。
平均粒子径は、次の測定条件により測定した値である。0.5gの試料を100mlビーカーに採取し、0.5%ヘキサメタリン酸溶液60mlを加え、Dr. Hielscher Gmbh社の超音波処理装置で、出力20%の条件で2分間処理して測定試料を調製する。測定装置として、レーザー回析式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000、スペクトリス株式会社、マルバーン事業本部社製)を用いて、調製した測定試料を測定する。測定原理として、レーザー散乱法を用い、粒度分布を蓄積分布として表し、蓄積分布が50%となる値を平均粒子径とする。
粉末状セルロースの見掛け比重の下限は、0.1g/cm以上が好ましい。また、その上限は、0.6g/cm以下が好ましい。粉末状セルロースの見掛け比重が0.1~0.6g/cmの範囲にあることで、良好な作業性を有し、分散性の発現に優れるという効果を得るに適する。
見掛け比重は、次の測定条件により測定した値である。100mlメスシリンダーに試料を10g投入し、メスシリンダーの底をたたき、試料の高さが低下しなくなるまで続け、平らになった表面の目盛を読んで、試料10g当たりの体積を測定する。測定した体積から単位体積(1cm)当たりの重量を算出することで、見掛け比重を算出し得る。なお、この値が高いほど、粉体であるセルロースがコンパクトになることを意味する。
粉末状セルロースの安息角の下限は、45°以上が好ましい。また、その上限は、65°以下が好ましい。粉末状セルロースの安息角が45~65°の範囲にあることで、良好な作業性を有し、分散性の発現に優れるという効果を得るに適する。
安息角は、次の測定条件により測定した値である。パウダーテスター(PT-N型、ホソカワミクロン社製)を用いて測定し、Angle Reposeの値を安息角とする。なお、安息角の値は、粉体流動性の指標となり、この値が小さくなるほど、粉体流動性に優れることを意味する。
粉末状セルロースの結晶化度の下限は、60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。また、その上限は、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましい。粉末状セルロースの結晶化度は、主に原料パルプと、製造方法に影響される。結晶化度が60%以上であると、混練物に添加した際に担持成分が遊離し、分散し易くなり得る。一方、結晶化度が90%以下であると、吸水量を確保し得る。従って、粉末状セルロースの結晶化度は60~90%が好ましい。
粉末状セルロースの結晶化度は、試料のX線回折を測定して求めた値である。より詳細には、Segalらの手法(L.Segal,J.J.Greely,etal,Text.Res.J.,29,786,1959)、及び、Kamideらの手法(K.Kamide et al,Polymer J.,17,909,1985)を用いて行い、X線回折測定から得られた回折図の2θ=4°~32°の回折強度をベースラインとして、002面の回折強度と、2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度から、次式により結晶化度を算出し得る。
Xc=(I002C-Ia)/I002C×100
Xc:セルロースの結晶化度(%)
002C:2θ=22.6°、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5°、アモルファス部分の回折強度
過剰の蒸留水にセルロース系担体(B)を浸漬(以下、「加水処理」ともいう)した前後のセルロース系担体(B)の吸水率は、150%以上が好ましく、300%以上がより好ましく、500%以上がさらに好ましい。
吸収率は、次のようにして算出した値である。蒸留水20gに加水処理前のセルロース系担体(B)1g(温度25℃、湿度50%で3時間調湿)を分散し、十分に撹拌したスラリーを得る。該スラリーを1G1ガラスろ過器(東京ガラス機器、最大細孔100~120μm)を用い、20分間自然濾過し、フィルター上に残留した加水処理後のセルロース系担体(B)を得る。加水処理前後のセルロース系担体(B)の重量を秤量し、次の式に代入することにより、吸水率を算出し得る。
式:(加水処理後の重量(g)-加水処理前の重量(g))/加水処理前の重量(g)×100
セルロース系担体(B)の吸水率が上記の範囲内であると、後述する担持成分を含浸させた際に、優れた保水性を発揮し、安定的に担持したフロック状セメント混和剤(F)を調製し得る。
粉末状セルロースのアルカリ溶出率の下限は、通常、0.1%以上である。また、上限は、12.0%以下であることが好ましく、7.0%以下であることがより好ましく、5.0%以下であることがさらに好ましい。粉末状セルロースのアルカリ溶出率が12.0%を超えると、アルカリ条件下であるセメント組成物の調製に用いる際に、セルロース分解物の溶出が多くなり、フレッシュコンクリート等のセメント組成物への分散性不良や、セメント構造物の補強効果の低下を引き起こすため好ましくない。従って、粉末状セルロースのアルカリ溶出率は、0.1~12.0%であることが好ましく、0.1~7.0%であることがより好ましく、0.1~5.0%であることがさらに好ましい。
本明細書中、アルカリ溶出率は式:B/A×100(%)で算出する値である。即ち、粉末状セルロースの乾燥重量Aと、粉末状セルロースをアルカリ処理(pH13のアルカリ性溶液に、温度50℃で120時間浸漬処理)し、1G1ガラスフィルター(東京硝子機器社製)で濾過(105℃で3時間)した濾液中に含まれる溶出物の乾燥重量Bと、を上記式に代入して算出する値である。より具体的には、粉末状セルロース5g(乾燥重量A、105℃で3時間)と、pH13に調整した水酸化ナトリウム水溶液100mlを、マヨネーズ瓶(200ml)に加えて充分攪拌し、50℃の恒温槽に120時間放置する。その後、1G1ガラスフィルター(東京硝子機器社製)にて濾過して得られた濾液の乾燥重量B(105℃で3時間)を測定し、式:B/A×100に代入してアルカリ溶出率(%)を算出する。なお、この値が小さいほど、アルカリ耐性に優れていることを意味する。
(ポリカルボン酸系共重合体(C))
セルロース系担体(B)に担持させるポリカルボン酸系共重合体(C)は、一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体であることが好ましい。
(構成単位(I))
構成単位(I)は、上記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位である。一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表す。炭素原子数1~3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。炭素原子数1~3のアルキル基は、置換基を有していてもよい(但し、置換基の炭素原子数は、アルキル基の炭素原子数に含まないものとする)。Rは、水素原子であることが好ましい。Rは、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。Rは、水素原子であることが好ましい。
一般式(1)中、pは、0~2の整数を表す。一般式(1)中、qは、0又は1を表す。一般式(1)中、nは、1~300の整数を表す。
一般式(1)中、AOは、同一又は異なっていてもよい、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。該オキシアルキレン基(アルキレングリコール単位)としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)、オキシブチレン基(ブチレングリコール単位)が挙げられる。中でも、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましい。
上記「同一又は異なっていてもよい」とは、一般式(1)中にAOが複数含まれる場合(nが2以上の場合)、それぞれのAOが同一のオキシアルキレン基であってもよく、互いに異なる(2種類以上の)オキシアルキレン基であってもよいことを意味する。一般式(1)中にAOが複数含まれる場合の態様としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基からなる群から選択される2種類以上のオキシアルキレン基が混在する態様が挙げられる。中でも、好ましくはオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在する態様、又はオキシエチレン基とオキシブチレン基とが混在する態様であり、より好ましくはオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在する態様である。異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。
一般式(1)中のnは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~300の整数を表し、1~200の整数が好ましい。平均付加モル数とは、単量体1モルに付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。
一般式(1)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。Rは、水素原子又は炭素原子数1~10の炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素原子数1~5の炭化水素基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。Rの炭素原子数がこの範囲であれば、炭素原子数が大きくなりすぎないため、混練物を良好に分散し得る。
一般式(1)で表される単量体の製造方法としては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール、3-メチル-3-ブテン-1-オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1~300モル付加する方法が挙げられる。
この方法で製造され得る単量体としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテルが挙げられる。
これらの中でも、親水性及び疎水性のバランスの観点から、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテルが好ましい。
なお、ここでいう「(メタ)アリル」とは、アリル及びメタリルの両概念を含む意味である。
また、一般式(1)で表される単量体の他の製造方法としては、(メタ)アクリレート等の不飽和モノカルボン酸と、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコールと、をエステル化する方法が挙げられる。
この方法で製造され得る単量体としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートがより好ましい。
なお、ここでいう「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両概念を含む意味である。
ポリカルボン酸系共重合体(C)が構成単位(I)を有する場合、構成単位(I)を1種のみ有するものであってもよく、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(I)を有していてもよい。
(構成単位(II))
構成単位(II)は、上記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位である。一般式(2)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、-CH又は-(CHCOOMを表す。なお、(CHCOOMは、互いに-COOM又は他の-(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、無水物を形成する場合はM、Mは存在しない。Rは、水素原子であることが好ましい。Rは、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであることが好ましい。Rは、水素原子であることが好ましい。
及びMは、同一若しくは異なっていてもよい、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基である。M、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属であることが好ましい。
rは、0~2の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
一般式(2)で表される単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体が挙げられる。不飽和モノカルボン酸系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等と、これらの一価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が挙げられる。不飽和ジカルボン酸の具体例としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等と、これらの一価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等、又は、これらの無水物が挙げられる。単量体(II)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸が好ましい。
なお、(CHCOOMが、互いに-COOM又は他の-(CHCOOMと無水物を形成した化合物の具体例として、無水マレイン酸が挙げられる。
ポリカルボン酸系共重合体(C)が構成単位(II)を有する場合、構成単位(II)を1種のみ有するものであってもよく、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(II)を有していてもよい。
(構成単位(III))
構成単位(III)は、上記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位である。一般式(3)中、R~R10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表す。炭素原子数1~3のアルキル基の例は、R~Rにおける例と同様である。Rは、水素原子であることが好ましい。Rは、水素原子であることが好ましい。R10は、水素原子であることが好ましい。
一般式(3)中、R11は、ヘテロ原子を含んでもよい炭素原子数1~4の炭化水素基を表す。炭素原子数は、1~3が好ましく、2~3がより好ましく、3がさらに好ましい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子が挙げられる。これらの中でも、酸素原子が好ましい。R11の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基が挙げられる。R11が含むヘテロ原子の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。2つ以上のヘテロ原子を含む場合、それぞれのヘテロ原子は、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
11は、ヘテロ原子を含む炭素原子数1~4の炭化水素基であることが好ましく、酸素原子を含む炭素原子数1~4の炭化水素基であることがより好ましい。該基としては、例えば、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、4-ヒドロキシブチル基、及びグリセリル基が挙げられる。これらの中でも、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基が好ましい。
一般式(3)中、sは、0~2の整数を表し、0が好ましい。
一般式(3)で表される単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸のモノエステル体が挙げられる。不飽和モノカルボン酸モノエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)が構成単位(III)を有する場合、構成単位(III)を1種のみ有するものであってもよく、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(III)を有していてもよい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)は、構成単位(I)~(III)とは別に、下記に示す構成単位(IV)を有していてもよい。
(構成単位(IV))
構成単位(IV)は、上記単量体(I)~(III)と共重合可能な単量体に由来する構成単位である。上記単量体(I)~(III)と共重合可能な単量体は、上記一般式(1)~(3)により表される単量体と構造上区別される。構成単位(IV)を構成する単量体は特に限定されなく、例えば、下記の各単量体を挙げることができる。なお、これらの単量体は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン等の3及び3’位アリル置換物等の下記一般式(IV-1)で示されるジアリルビスフェノール類;
Figure 0007126871000004
4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン等の3位アリル置換物等の下記一般式(IV-2)で示されるモノアリルビスフェノール類;
Figure 0007126871000005
下記一般式(IV-3)で示されるアリルフェノール;
Figure 0007126871000006
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1~30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;
上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1~30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;
上記アルコール又はアミンに、炭素原子数2~18のアルキレンオキシドを1~500モル付加させた(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル又は(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミンと、上記不飽和ジカルボン酸類との、ハーフエステル、ハーフアミド、ジエステル類、ジアミド類;
上記不飽和ジカルボン酸類と、炭素原子数2~18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2~500のポリアルキレングリコールと、のハーフエステル、ジエステル類;
マレアミド酸と、炭素原子数2~18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2~500のポリアルキレングリコールと、のハーフアミド類;
(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類に対して炭素原子数2~18のアルキレンオキシドが1~500モル付加した、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等(但し、一般式(1)~(3)で表される単量体を除く);
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;
トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;
ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2-(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3-(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホネート、3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4-(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2-メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;
メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1~30のアミンとのアミド類;
スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メチルスチレン等のビニル芳香族類;
1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類(但し、一般式(3)で表される単量体を除く。);
ブタジエン、イソプレン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-クロル-1,3-ブタジエン等のジエン類;
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;
(メタ)アクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類(但し、一般式(3)で表される単量体を除く。);
ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;
(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;
メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類(但し、一般式(1)で表される単量体を除く。);
ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン-ビス-(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン-ビス-(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン-(1-プロピル-3-アクリレート)、ポリジメチルシロキサン-(1-プロピル-3-メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン-ビス-(1-プロピル-3-アクリレート)、ポリジメチルシロキサン-ビス-(1-プロピル-3-メタクリレート)等のシロキサン誘導体(但し、一般式(3)で表される単量体を除く。)。
ポリカルボン酸系共重合体(C)は、構成単位(IV)を1種のみ有するものであってもよく、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(IV)を有していてもよい。
各構成単位(I)~(IV)は、それぞれ、1種類の単量体から構成される構成単位であってもよく、2種類以上の単量体を組み合わせて構成される構成単位であってもよい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)は、好ましくは構成単位(I)、構成単位(II)、及び構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体であり、より好ましくは構成単位(I)及び構成単位(II)を有する共重合体(C1)、並びに構成単位(I)、構成単位(II)及び構成単位(III)を有する共重合体(C2)の少なくともいずれかである。
(共重合体(C1))
共重合体(C1)は、構成単位(I)及び構成単位(II)を有する。構成単位(I)の含有比の下限は、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましい。また、その上限は、99モル%以下が好ましく、95モル%以下がより好ましい。また、構成単位(II)の含有比の下限は、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましい。また、その上限は、99モル%以下が好ましく、95モル%以下がより好ましい。
即ち、構成単位(I)と構成単位(II)の含有比(構成単位(I)/構成単位(II))は、1モル%~99モル/1モル%~99モル%であることが好ましく、5モル%~95モル%/5モル%~95モル%であることがより好ましい。
(共重合体(C2))
共重合体(C2)は、構成単位(I)、構成単位(II)及び構成単位(III)を有する。構成単位(I)の含有比の下限は、1モル%以上が好ましく、4モル%以上がより好ましい。また、その上限は、98モル%以下が好ましく、89モル%以下がより好ましい。また、構成単位(II)の含有比の下限は、1モル%以上が好ましい。また、その上限は、98モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましい。さらに、構成単位(III)の含有比の下限は、1モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましい。また、その上限は、98モル%以下が好ましく、89モル%以下がより好ましい。
即ち、構成単位(I)、構成単位(II)、構成単位(III)の含有比(構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(III))は、1モル%~98モル%/1モル%~98モル%/1モル%~98モル%であることが好ましく、4モル%~89モル%/1モル%~80モル%/10モル%~89モル%であることがより好ましい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)は、共重合体(C1)と共重合体(C2)を、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合、共重合体(C1)を単独で用いてもよく、共重合体(C2)を単独で用いてもよく、共重合体(C1)と共重合体(C2)を併用して用いてもよい。
その含有比は、特に限定されるものではなく、2種用いる場合、1~99重量%/1~99重量%であることが好ましく、10~90重量%/10~90重量%であることがより好ましく、20~80重量%/20~80重量%であることが更に好ましい。
(ポリカルボン酸系共重合体(C)の製造方法)
ポリカルボン酸系共重合体(C)は、それぞれ所定の単量体を、公知の方法によって共重合して製造し得る。該方法としては、例えば、溶媒中での重合、塊状重合等の重合方法が挙げられる。
溶媒中での重合に使用される溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、n-ヘキサン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。原料単量体及び得られる共重合体の溶解性の観点から、水及び低級アルコールの少なくともいずれかの溶媒を用いることが好ましく、水を用いることがより好ましい。
溶媒中で重合反応を行う場合、各単量体と重合開始剤を各々反応容器に連続滴下してもよく、各単量体の混合物と重合開始剤を各々反応容器に連続滴下してもよい。また、反応容器に溶媒を仕込み、単量体と溶媒の混合物と、重合開始剤溶液を各々反応容器に連続滴下してもよく、単量体の一部又は全部を反応容器に仕込み、重合開始剤を連続滴下してもよい。
重合反応に使用し得る重合開始剤は、特に限定されない。
水溶媒中で重合反応を行う際に使用し得る重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;t-ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の水溶性過酸化物が挙げられる。この際、L-アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩等の促進剤を併用してもよい。
低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル類又はケトン類等の有機溶媒中で重合反応を行う際に使用し得る重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等のパーオキサイド;クメンパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。この際、アミン化合物等の促進剤を併用してもよい。
水-低級アルコール混合溶剤中で重合反応を行う場合に使用し得る重合開始剤は、前述の重合開始剤、又は重合開始剤と促進剤との組合せの中から適宜選択すればよい。重合温度は、用いる溶媒、重合開始剤の種類等の重合条件によって適宜異なるけれども、通常は50~120℃である。
重合反応においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いて分子量を調整し得る。連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、2-メルカプトエタンスルホン酸等の既知のチオール系化合物;亜リン酸、次亜リン酸、又はそれらの塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、又はそれらの塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物又はそれらの塩等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)の分子量を調整するためには、上記単量体(I)~(III)及び構成単位(IV)を構成する単量体以外の、連鎖移動性の高い単量体(V)を用いてもよい。連鎖移動性の高い単量体(V)としては、例えば、(メタ)アリルスルホン酸(塩)系単量体が挙げられる。単量体(V)の配合率は、ポリカルボン酸系共重合体(C)全体において、通常、20重量%以下であり、10重量%以下が好ましい。なお、該配合率は、共重合体を製造する際の、一般式(1)で表される単量体の配合率と一般式(2)で表される単量体由来の配合率と一般式(3)で表される単量体の配合率と構成単位(IV)を構成する単量体の配合率の合計を100重量%としたときの配合率である。
ポリカルボン酸系共重合体(C)を得る際に水溶媒中で重合反応を行う場合、重合反応時のpHは通常不飽和結合を有する単量体の影響で強酸性となる。但し、これを適当なpHに調整してもよい。重合反応の際にpHの調整が必要な場合、リン酸、硫酸、硝酸、アルキルリン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸等の酸性物質を用いてpHの調整を行えばよい。これら酸性物質の中では、pH緩衝作用がある等の理由から、リン酸を用いることが好ましい。但し、エステル系の単量体が有するエステル結合の不安定さを解消するために、pH2~7で重合反応を行うことが好ましい。また、pHの調整に用い得るアルカリ性物質に特に限定はなく、NaOH、Ca(OH)等のアルカリ性物質が一般的である。pH調整は、重合反応前の単量体に対して行ってもよく、重合反応後の共重合体溶液に対して行ってもよい。また、これらは重合反応前に一部のアルカリ性物質を添加して重合を行った後、更に重合反応中又は重合反応後の共重合体溶液に対してpH調整(例えば、pH3~7となるように調整)を行ってもよい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)における固形分濃度の下限は、5重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。また、その上限は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましい。従って、ポリカルボン酸系共重合体(C)における固形分濃度は、5~70重量%であることが好ましく、15~65重量%であることがより好ましい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)は、液状であってもよい。液状の場合の溶媒としては、水性溶媒が例示される。水性溶媒としては、水、炭素数1~6のアルコール(エチルアルコール、メチルアルコール、エチレングリコール及びジエチレングリコール等)及び炭素数1~6のケトン(メチルイソブチルケトン及びアセトン等)等が挙げられる。これらの水性溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。水性溶媒としては、水が好ましい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)は、原料である上記一般式(1)~(3)からなる群から選択される少なくとも1種の単量体を含んでいてもよい。共重合体を得る際には、必要に応じて反応溶媒の除去、濃縮、精製等の処理を行ってもよい。これらの処理方法は、従来公知の方法であってもよい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)の下限は、5000以上が好ましく、6000以上がより好ましい。ポリカルボン酸系共重合体(C)の重量平均分子量がこの範囲であると、フロック状セメント混和剤(F)に添加した際にベースポリマーの再分散性が十分発揮され、リグニンスルホン酸系化合物又はオキシカルボン酸系化合物等のAE減水剤を上回る減水率を得ることができる。そのため、流動性又は作業性を改善することができる。重量平均分子量の上限は、60000以下が好ましく、50000以下がより好ましい。ポリカルボン酸系共重合体(C)の重量平均分子量がこの範囲であると、ベースポリマー中の粒子の凝集作用が抑制され、作業性を良好にし得る。重量平均分子量は、5000~60000であることが好ましく、6000~50000であることがより好ましい。
ポリカルボン酸系共重合体(C)の分子量分布(Mw/Mn)の下限は、1.0以上が好ましく、1.2以上がより好ましい。上限は、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましい。分子量分布は、1.0~3.0の範囲であることが好ましく、1.2~3.0の範囲であることがより好ましく、1.2~2.5の範囲であることがさらに好ましい。
上記の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にてポリエチレングリコール換算の公知の方法にて測定した値である。GPCの測定条件は、以下の条件である。なお、後段の実施例における重量平均分子量は、この条件で測定した値である。
測定装置;東ソー社製
使用カラム;Shodex Column OH-pak SB-806HQ、SB-804HQ、SB-802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー社製又はGLサイエンス社製)
検出器;示差屈折計(東ソー社製)
検量線;ポリエチレングリコール基準
(増粘剤(D))
増粘剤(D)は、当該技術分野で使用される増粘剤であればよい。このような増粘剤としては、例えば、セルロース系増粘剤、アクリル系増粘剤、澱粉系増粘剤が挙げられる。増粘剤(D)は、セルロース系単体(B)に担持させることを考慮すると、25℃で液状の増粘剤であることが好ましい。
なお、増粘剤(D)は、1種類の増粘剤を用いてもよく、2種以上の増粘剤を併用して用いてもよい。
セルロース系増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、これらの変性物が挙げられる。また、これらのセルロース系増粘剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシエチルセルロースは、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、「HECダイセルSP200」、「HECダイセルSP400」、「HECダイセルSP500」、「HECダイセルSP550」、「HECダイセルSP600」、「HECダイセルSP800」、「HECダイセルSP850」、「HECダイセルSP900」(以上、ダイセルファインケム社製)、「サンヘック(商標)HH」、「サンヘックH」、「サンヘックM」、「サンヘックG&L」(以上、三昌社製)、「HECSZ-25F」(住友精化社製)が挙げられる。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、「メトローズ90SH-04」、「メトローズ90SH-15」、「メトローズ90SH-100」、「メトローズ90SH-400」、「メトローズ90SH-4000」、「メトローズ90SH-15000」、「メトローズ90SH-100000」(以上、信越化学社製)、「NEOVISCO-MC HM4000S」、「NEOVISCO-MC RM4000S」、「NEOVISCO-MC RM15000S」、「NEOVISCO-MC RM30000S」、「NEOVISCO-MC RM50000S」(以上、三昌社製)が挙げられる。
アクリル系増粘剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸ナトリウム/アクリルアミド共重合体、アクリルアミド/2-アクリロイルアミノ-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体、デンプン/アクリル酸/アクリル酸ナトリウムが挙げられる。また、これらのアクリル系増粘剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
澱粉系増粘剤としては、例えば、澱粉、α化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉等の変性澱粉が挙げられる。
(消泡剤(E))
消泡剤(E)は、当該技術分野で使用される消泡剤であればよい。このような消泡剤としては、例えば、ポリエーテル系消泡剤、シリコーン系消泡剤、ポリアルキレングリコール系消泡剤、非イオン界面活性剤系消泡剤が挙げられる。消泡剤(E)は、セルロース系単体(B)に担持させることを考慮すると、25℃で液状の消泡剤であることが好ましい。
なお、消泡剤(E)は、1種類の消泡剤を用いてもよく、2種以上の消泡剤を併用して用いてもよい。
(配合量)
フロック状セメント混和剤(F)の各成分の配合量は次の通りである。
ポリカルボン酸系共重合体(C)の配合量は、セルロース系担体(B)100重量部に対して、10~500重量部であることが好ましく、50~400重量部であることがより好ましく、60~300重量部であることがさらに好ましい。ポリカルボン酸系共重合体(C)の配合量が10重量部以上であると、期待される分散性を得ることができる。一方、500重量部以下であると、フロック状セメント混和剤(F)のベタツキが大きくなりすぎず、作業性の低下を防止し得るとともに、セルロース担体に均等に担持でき、均一な分散性を期待し得る。
増粘剤(D)の配合量は、セルロース系担体(B)100重量部に対して、0.5~40重量部であることが好ましく、1~35重量部であることがより好ましく、1.5~30重量部であることがさらに好ましく、1.5~10重量部であることがさらにより好ましい。増粘剤(D)の配合量が40重量部以下であると、増粘成分が多すぎることによる、後添加後の所定の流動性が得られない事態を防止し得る。一方、0.5重量部以上であると、十分な自己充填性を確保し得る。
消泡剤(E)の配合量は、セルロース系担体(B)100重量部に対して、0.5~20重量部であることが好ましく、1~15重量部であることがより好ましく、2~10重量部であることがさらに好ましい。消泡剤(E)の配合量が20重量部以下であると、所定の空気量を確保でき、セメントの耐凍害性を向上し得る。一方、0.5重量部以上であると、増粘剤由来の巻き込み空気を抑制できないことによる、セメントの耐凍害性を損なう事態を防止し得る。
(フロック状セメント混和剤(F)の調製方法)
フロック状セメント混和剤(F)は、セルロース系担体(B)に上記の担持成分を担持させることで調製し得る。担持方法は特に限定されず、セルロース系担体(B)と各担持成分を接触撹拌して、必要に応じて乾燥することで調製し得る。
なお、調製の際に、他のセメント分散剤、水溶性高分子、硬化促進剤、増粘剤、遅延剤、高分子エマルジョン、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、消泡剤、AE剤、界面活性剤等の任意成分も担持し得る。
これらの任意成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他のセメント分散剤としては、例えばナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びリグニンスルホン酸塩が挙げられる。これらセメント分散剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。その含有量は、セルロース系担体(B)に対して、0.01~50重量%であることが好ましい。
また、ポリカルボン酸系共重合体(C)以外の公知の(共)重合体を使用することができる。このような公知の(共)重合体として、(ポリ)アルキレングリコールアルケニルエーテル系単量体に由来する重合体やオキシカルボン酸系分散剤等が挙げられる。
(ポリ)アルキレングリコールアルケニルエーテル系単量体に由来する重合体の例としては、(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル等が挙げられる。
オキシカルボン酸系分散剤は、炭素原子数4~10のオキシカルボン酸又はその塩が好ましい。オキシカルボン酸系分散剤としては、例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸や、これらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミンなどの無機塩又は有機塩が挙げられる。
[1-3.工程(3)]
工程(3)は、混練開始から60分以上経過後に、混練物にフロック状セメント混和剤(F)を添加し、ドラム型ミキサで混合し、セメント組成物を製造する工程である。
工程(3)では、工程(2)で調製したフロック状セメント混和剤(F)を添加する。このフロック状セメント混和剤(F)は、担持成分の性能を劣化することなく、担持成分の遊離性に優れるものである。そのため、混練物の混練開始から所定時間経過後に流動化を行うことができ、高い自己充填性を有するものとし得る。また、セルロース系担体(B)に各成分を担持するので、各成分は液状や粉末状の種類に限らず使用することができ、かつ、多量の水で溶解する必要がないことから、コンクリート中の単位水量の管理も容易にし得る。そのため、良好な作業性を有する。また、担持成分として消泡剤(E)を使用しているため、コンクリートの耐凍害性を向上し得る。
なお、混練物にフロック状セメント混和剤(F)を添加する際の、混練開始からの時間の上限は特に限定されるものではないが、通常の運搬を考慮すると、210分以下である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。また、部は、特に断りがない限り、重量部を意味する。
[空気量の測定]:JIS A 1128(2014)「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法-空気室圧力方法」に準じて、コンクリートの空気量を評価した。
[流動性の評価]:JIS A 1150(2007)「コンクリートのスランプフロー試験方法」に準拠して、それぞれのスランプフロー値を測定して評価した。
[自己充填性の評価]:コンクリート標準示方書JSCE-F511-2007に準拠し、U型充填性試験を実施した。U字状に形成した所定の寸法の筒体の一方にコンクリートを充填し、充填後60秒静置した。その後、仕切りを一気に引き抜き、U字状の他方の筒体に上昇してきたコンクリートの高さを測定して充填性を判断した。なお、流動障害はランクIIを使用した。
[混練しやすさの官能評価]:ベースコンクリートを所定のスランプに合わせ、その後フロック状混和剤又は紙袋に入った混和剤を投入し、混練を開始した。その後、目視にて混和剤の溶け残りの有無について評価した。
[耐凍害性の評価]:JIS A 1148(2010)「コンクリートの凍結融解試験方法」のA法に準じて、耐凍害性を耐久性指数で評価した。
(製造例1:ポリカルボン酸系共重合体(C-1)の調製)
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水8000kgを仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(MPEG-MA)(エチレンオキサイドの平均付加モル数14)2500kg(33モル%)、メタクリル酸(MAA)400kg(67モル%)、水2670kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸ナトリウム50kg及び水500kgの攪拌混合液を、各々2時間かけて100℃に保持した反応容器に連続滴下した。温度を100℃に保持した状態で1時間重合反応を行った後、反応容器の後段に位置する追加装置にて、65℃まで冷却し、水酸化ナトリウムでpH7に中和すると同時に加水することで、濃度20%の共重合体(C-1)(重量平均分子量Mw18000、Mw/Mn1.5)の水溶液を得た。
(製造例2:ポリカルボン酸系共重合体(C-2)の調製)
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水8000kgを仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(MPEG-MA)(エチレンオキサイドの平均付加モル数14)3000kg(40モル%)、メタクリル酸(MAA)500kg(60モル%)、水2670kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸ナトリウム50kg及び水500kgの攪拌混合液を、各々2時間かけて100℃に保持した反応容器に連続滴下した。温度を100℃に保持した状態で1時間重合反応を行った後、反応容器の後段に位置する追加装置にて、65℃まで冷却し、水酸化ナトリウムでpH7に中和すると同時に加水することで、濃度20%の共重合体(C-2)(重量平均分子量Mw16000、Mw/Mn1.3)の水溶液を得た。
(製造例3:セルロース系担体(B)の調製)
(B):晒し木材パルプシート(針葉樹由来パルプNDSP、日本製紙社製、平均重合度1600)を原料として、トルネードミル(日機装社製)を用いて機械的に粉砕を行って得た、平均粒子径67.0μm、平均重合度1479、見掛け比重は0.24g/cm、アルカリ溶出率が0.4%、吸水率が690%の粉末状セルロース。
(製造例4~7:フロック状セメント混和剤(F-1)~(F-4)の調製)
表1記載の配合量にて、セルロース系担体(B)、ポリカルボン酸系共重合体(C)、増粘剤(D)、消泡剤(E)及び他の分散剤をよくかき混ぜてフロック状セメント混和剤(F-1)~(F-4)を得た。
なお、増粘剤は、市販品のセルロース系増粘剤と市販品のアクリル系増粘剤を併用した。これらの併用物は、25℃で液状であった。
消泡剤は、市販品で非イオン界面活性剤系消泡剤を用いており、25℃で液状であった。
他の分散剤は、市販品を用いており、オキシカルボン酸系の分散剤である。
Figure 0007126871000007
(ベースコンクリート作製)
環境温度(20℃)において、表2の配合量となるようにセメント、水、細骨材および粗骨材を投入して、さらに初期分散剤としてポリカルボン酸系化合物であるフローリック社製「SF500S」をセメントに対し0.5部添加し、ミキサによる機械練りにより低速60秒間、高速90秒練混ぜて、表2記載のベースコンクリートを得た。なお、表2中、水の単位量は、SF500Sの含有水分量を含む。
Figure 0007126871000008
なお、表2中の記号の詳細を以下に記す。
C:以下のセメント3種を等量混合
普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(トクヤマ社製、比重3.16)
W:水道水
S:掛川産陸砂(密度2.58)
G:青梅産砕石(密度2.65)
(実施例1~4)
上記で得たベースコンクリートに対して、混練開始から80分後後に、フロック状セメント混和剤(F)を添加して混練することにより、セメント組成物を製造した。製造したセメント組成物の評価を併せて表3に記す。
(比較例1)
フロック状セメント混和剤(F)を添加しなかったこと以外は、実施例1~4と同様にしてセメント組成物を製造した。製造したセメント組成物の評価を併せて表3に記す。
(比較例2)
フロック状混和剤(F)の代わりにライオン社製の流動化剤「レオパックG100」を添加したこと以外は、実施例1~4と同様にしてセメント組成物を製造した。製造したセメント組成物の評価を併せて表3に記す。
Figure 0007126871000009

Claims (5)

  1. 下記工程(1)~(3)を含む、セメント組成物の製造方法。
    工程(1):水硬性材料を含むベースコンクリートに、ポリカルボン酸系化合物及び/又はリグニンスルホン酸系化合物からなるセメント混和剤(A)を添加し、混練して混練物を調製する工程。
    工程(2):平均粒子径10μm以上の粉末状セルロースを含み、吸水率が150%以上であるセルロース系担体(B)に、前記担体(B)100重量部に対し10~500重量部のポリカルボン酸系共重合体(C)、増粘剤(ただし、平均粒子径10μm以上の粉末状セルロースを除く)(D)、及び消泡剤(E)を担持させて、固体状、粉末状、粒状又はゲル状であるフロック状セメント混和剤(F)を調製する工程。
    工程(3):混練開始から60分以上経過後に、前記混練物に前記フロック状セメント混和剤(F)を添加し、ドラム型ミキサで混合し、セメント組成物を製造する工程。
  2. 前記ポリカルボン酸系共重合体(C)が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、及び下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群から選択される少なくとも2種の構成単位を有する共重合体である、請求項1に記載のセメント組成物の製造方法。
    Figure 0007126871000010
    (前記一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を示す。pは、0~2の整数を示す。qは、0又は1を示す。AOは、同一若しくは異なっていてもよい、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を示す。nは、1~300の整数を示す。Rは、水素原子、又は炭素原子数1~30の炭化水素基を示す。)
    Figure 0007126871000011
    (前記一般式(2)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、-CH、又は-(CHCOOMを示す。但し、-(CHCOOMは、-COOM又は他の-(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、無水物を形成する場合はM、Mは存在しない。M及びMは、同一若しくは異なっていてもよい、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、又は置換アルキルアンモニウム基を示す。rは、0~2の整数を示す。)
    Figure 0007126871000012
    (前記一般式(3)中、R~R10は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数1~3のアルキル基を示す。R11は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1~4の炭化水素基を示す。sは、0~2の整数を示す。)
  3. 前記フロック状セメント混和剤(F)中、前記セルロース系担体(B)100重量部に対して、前記ポリカルボン酸系共重合体(C)が10~500重量部である、請求項1又は2に記載のセメント組成物の製造方法。
  4. 前記増粘剤(D)が、セルロース系増粘剤、アクリル系増粘剤及び澱粉系増粘剤から選ばれる1種以上を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント組成物の製造方法。
  5. 前記消泡剤(E)が、ポリエーテル系消泡剤、シリコーン系消泡剤、ポリアルキレングリコール系消泡剤及び非イオン界面活性剤系消泡剤から選ばれる1種以上を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のセメント組成物の製造方法。
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