JP6534271B2 - セメント分散剤およびセメント組成物 - Google Patents
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Description
[1]下記の条件A及び条件Bを満たす成分(C)を含有するセメント分散剤。
条件A:成分(C)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準物質:ポリエチレングリコール)の測定において、最も高いピークの高さに対する、重量平均分子量20〜150の範囲に存在するピークの高さの割合が3%未満であること。
条件B:成分(C)に対してJIS K 0070のケン化価測定法に準じてアルカリ処理を施したアルカリ処理成分(C’)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準物質:ポリエチレングリコール)の測定において、最も高いピークの高さに対する、重量平均分子量20〜150の範囲に存在するピークの高さの割合が3%以上80%以下であること。
[2]成分(C)が、下記一般式(1)で表される単量体(I)、下記一般式(2)で表される単量体(II)、不飽和モノカルボン酸系単量体(III)、単量体(I)〜(III)と共重合可能なその他の単量体(IV)から選ばれる少なくとも2種類以上共重合させることにより得られるポリカルボン酸系共重合体またはその塩(AA)を含む[1]に記載のセメント分散剤。
R1−O−(A1O)n1−R2 ・・・(1)
(式中、R1は、炭素原子数2〜5のアルケニル基を表す。A1Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜100の数を表す。R2は、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
[3]前記単量体(II)が、一般式(2)中のn2が1〜5である単量体(IIa)及び一般式(2)中のn2が6〜100である単量体(IIb)を含む[2]に記載のセメント分散剤。
[4]前記単量体(II)中の前記単量体(IIa)及び前記単量体(IIb)の重量比率(IIa)/(IIb)が1/99〜99/1である[3]に記載のセメント分散剤。
[5]前記ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(AA)の重量平均分子量が、ポリエチレングリコール換算で5,000〜60,000である[2]〜[4]のいずれか一つに記載のセメント分散剤。
[6]前記ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(AA)が、前記共重合で得られる生成物をアルカリ性物質で中和して得られる、[2]〜[5]のいずれか一つに記載のセメント分散剤。
[7]前記単量体(I)をさらに含有する[2]〜[6]のいずれか一つに記載のセメント分散剤。
[8]リグニンスルホン酸系分散剤を含む[1]に記載のセメント分散剤。
[9]リグニンスルホン酸系化合物と水溶性単量体由来の構成単位とを反応して得られるリグニン誘導体を含む[1]に記載のセメント分散剤。
[10]オキシカルボン酸系分散剤を含む[1]に記載のセメント分散剤。
[11][1]〜[10]のセメント分散剤を含有するセメント組成物。
条件A:成分(C)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準物質:ポリエチレングリコール)の測定において、最も高いピークの高さに対する、重量平均分子量20〜150の範囲に存在するピークの高さの割合が3%未満であること。
条件B:アルカリ処理成分(C’)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC,標準物質:ポリエチレングリコール)の測定において、最も高いピークの高さに対する、重量平均分子量20〜150の範囲に存在するピークの高さの割合が3%以上80%以下であること。
なお、本発明において、成分(C)が条件Aおよび条件Bを満たすことの確認は、ポリエチレングリコールを標準物質としたGPCにより行えばよい。標準物質がポリエチレングリコールであること以外のGPCの条件は、特に限定されず、例えば公知公用のGPC条件で行うことができる。
条件A及びBにおいて、最も高いピークの高さに対する分子量20〜150の範囲に存在するピークの高さの割合(高さ比(%))は、最も高いピークの高さをS1、分子量20〜150の範囲に存在するピークの高さをS2とした際に、式(S2/S1)×100(%)にて算出される。
重量平均分子量20〜150の範囲に単独のピークが存在する場合、及び複数のピークが存在する場合の両方があり得る。後者の場合、それぞれのピークの高さ比を算出し、いずれかの高さ比が3%以上80%以下を満たしていればよい。
条件Aにおける高さ比は、3%未満であり、好ましくは2%未満であり、より好ましくは、1%未満である。下限の規定は特になく、0%であってもよい。条件Bにおける高さ比は、3%以上であり、好ましくは20%以上である。上限は、80%以下である。
ポリカルボン酸系分散剤は、一般式(1)で表される単量体(I)、一般式(2)で表される単量体(II)、不飽和モノカルボン酸系単量体(III)、単量体(I)〜(III)と共重合可能なその他の単量体(IV)を少なくとも2種類以上共重合させることにより得られるポリカルボン酸系共重合体またはその塩(AA)であることが好ましい。
R1−O−(A1O)n1−R2 ・・・(1)
(式中、R1は、炭素原子数2〜5のアルケニル基を表す。A1Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜100の数を表す。R2は、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
単量体(I)は1種類であってもよいし、2種類以上の組み合わせであってもよい。
単量体(II)は、一般式(2)で表される単量体1種類であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。単量体(II)は、オキシアルキレン基の平均付加モル数が異なる2種の単量体(IIa)及び(IIb)の組み合わせを含むことが好ましく、当該組み合わせであることが好ましい。単量体(II)は、n2が1〜5である単量体(IIa)およびn2が6〜100である単量体(IIb)を含むことが好ましい。単量体(IIb)に対する単量体(IIa)の重量比率(IIa)/(IIb)は、1/99〜99/1であることが好ましい。
上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;
上記アルコールまたはアミンに、炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと、上記不飽和ジカルボン酸類との、ハーフエステル、ジエステル類;
上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;
マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;
炭素原子数1〜30のアルコールに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールと(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類とのエステル類;(ポリ)エチレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)ブチレングリコールモノメタクリレート等の、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類への炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドの1〜500モル付加物類;
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;
トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;
ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩および有機アミン塩;
メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;
1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;
ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;
ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;
(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;
メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、等のビニルエーテルあるいはアリルエーテル類;および、
ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体。
リグニンスルホン酸系分散剤は、通常、リグニンスルホン酸およびその誘導体、またはこれを含む組成物である。リグニンスルホン酸系分散剤としては、例えば、クラフトパルプ製造における廃液(クラフトパルプ廃液)、クラフトパルプ廃液から精製したクラフトリグニン、亜硫酸パルプ製造における廃液(亜硫酸パルプ廃液)、亜硫酸パルプ廃液から得られるリグニンスルホン酸およびその塩、木材加水分解リグニン、およびこれらの変性物が挙げられる。中でも、クラフトパルプ廃液、クラフトパルプ廃液から精製したクラフトリグニンを亜硫酸塩とホルムアルデヒドによりスルホメチル化したもの、亜硫酸パルプ廃液、リグニンスルホン酸およびその塩の部分脱スルホン化物、これらの限外濾過処理等による精製物などの変性物が好ましい。これらのリグニンスルホン酸系分散剤は、セメントだけでなく、無機及び有機顔料、石膏、石炭−水スラリーの分散剤として、農薬、窯業など広範囲な工業分野で多用されている。
リグニン誘導体とは、通常、リグニンスルホン酸系化合物から誘導される化合物をいう。リグニン誘導体としては、例えば、リグニンスルホン酸系化合物に含まれるフェノール性ヒドロキシル基、アルコール性ヒドロキシル基、チオール基などの官能基に、少なくとも1種の水溶性単量体を反応させて得られるリグニン誘導体、および、リグニンスルホン酸系化合物に(通常は該化合物の官能基に)、少なくとも1種の水溶性単量体を、ラジカル開始剤を用いてラジカル共重合することによって得られるリグニン誘導体が挙げられる。
オキシカルボン酸系分散剤は、通常、オキシカルボン酸系化合物またはこれを含む組成物である。オキシカルボン酸系化合物としては、例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸、これらの無機塩(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩など)、および有機塩(トリエタノールアミンなど)が挙げられる。
(GPC条件)
測定装置;東ソー製
使用カラム;Shodex Column OH−pak SB−806HQ、
SB−804HQ、SB−802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー製、GLサイエンス製)
検出器;示差屈折計(東ソー製)
検量線;ポリエチレングリコール基準
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水148部、および、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数30)124部を仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。その後、メタクリル酸10部、アクリル酸5部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数18)63部、水165部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム3部および水47部の混合液とを、各々2時間で、80℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。該共重合体に対する、ポリエチレングリコールアリルエーテルの含有量は25重量%であり、両末端基が水素原子である水溶性ポリエチレングリコールの含有量は0.7重量%であった。この液を30%NaOH水溶液でpH7に調整した。液中の共重合体は、共重合体(A−1)(重量平均分子量30,000、Mw/Mn1.9)であった。
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水148部、および、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数30)45部を仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。その後、メタクリル酸2部、アクリル酸0.2部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数19)17部、エチレングリコールアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数1)39部、および、水165部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム3部および水47部の混合液とを、各々2時間で、80℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。該共重合体に対する、ポリエチレングリコールアリルエーテルの含有量は10重量%であり、両末端基が水素原子である水溶性ポリエチレングリコールの含有量は0.3重量%であった。この液を30%NaOH水溶液でpH4に調整した。液中の共重合体は、共重合体(B−1)(重量平均分子量13,300、Mw/Mn1.7)であった。
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水148部、および、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数12)50部を仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。その後、メタクリル酸10部、アクリル酸3部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数24)20部、エチレングリコールアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数1)40部、エチレングリコールメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数1)10部および、水150部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸ナトリウム5部および水45部の混合液とを、各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。該共重合体に対する、ポリエチレングリコールアリルエーテルの含有量は3重量%であり、両末端基が水素原子である水溶性ポリエチレングリコールの含有量は0.3重量%であった。この液を30%NaOH水溶液でpH4に調整した。液中の共重合体は、共重合体(B−2)(重量平均分子量18,300、Mw/Mn1.9)であった。
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水120部、および、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)140部を仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。その後、メタクリル酸6部、アクリル酸3部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数18)73部、エチレングリコールアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数1)40部、水165部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム3部および水47部の混合液とを、各々2時間で、80℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。該共重合体に対する、両末端基が水素原子である水溶性ポリエチレングリコールの含有量は0.7重量%であった。この液を30%NaOH水溶液でpH7に調整した。液中の共重合体は共重合体(B−3)(重量平均分子量22,000、Mw/Mn1.8)であった。
温度計、撹拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に、水80部、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10個)50部、アクリル酸6部および、サンエキス252(亜硫酸パルプ変性物、日本製紙製)170部を仕込み、撹拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃に昇温した。その後、過硫酸アンモニウム3部および水47部の混合液を2時間で連続滴下した。また、開始剤を滴下直後に、L−アスコルビン酸4部および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸1部を混合した連鎖移動剤水溶液30部を滴下開始した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体(C−1)の水溶液を得た。液中の共重合体は共重合体(C−1)(重量平均分子量30,000、Mw/Mn2.1)であった。
温度計、撹拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に、水50部、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)30部、エチレングリコールアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数1)40部、アクリル酸4部および、サンエキス252(亜硫酸パルプ変性物、日本製紙製)170部を仕込み、撹拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃に昇温した。その後、過硫酸アンモニウム3部および水47部の混合液を2時間で連続滴下した。また、開始剤を滴下直後に、L−アスコルビン酸1部および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸1部を混合した連鎖移動剤水溶液30部を滴下開始した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体(D−1)の水溶液を得た。液中の共重合体は共重合体(D−1)(重量平均分子量28,600、Mw/Mn1.9)であった。
温度計、撹拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に、水40部、メトキシポリオキシエチレンモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数18)2.5部、エチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数1)40部、メタクリル酸2部、および、サンエキス252(亜硫酸パルプ廃液変性物、日本製紙製)140部を仕込み、撹拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した。液温が60℃に達した後、硫酸鉄(II)・7水和物0.1部を添加し、直ちに、過硫酸アンモニウム3部および水47部の混合液を2時間で反応容器に連続滴下した。さらに、温度を75℃に昇温させたのち、硫酸鉄(II)・7水和物30部を添加して、75℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体(D−2)を得た。液中の共重合体は共重合体(D−2)(重量平均分子量25,000、Mw/Mn1.7)であった。
JIS K 0070のケン化価測定法に準じてアルカリ処理を行った。具体例を以下に記す。製造例1〜7で得た試料を三角フラスコに固形分換算で1.5g正確に測りとった。同じ三角フラスコに0.5mol/Lの水酸化カリウム水溶液25mlを、ホールピペットを用いて正確に測りとった。次いで、三角フラスコに冷却管を取り付け、80℃で30分間加温した。製造例1〜7で得た試料(成分(C))をアルカリ処理前にGPCに供した結果を表1に、それぞれの試料のアルカリ処理物(アルカリ処理成分(C’))をGPCに供した結果を表2に、それぞれ記載した。GPCは、冒頭で記載した条件にて実施した。
分子量20〜150の範囲に2つのピークが検出された場合には、それぞれのピークの結果を、表2中の「ピーク1」及び「ピーク2」に記載した。分子量20〜150の範囲に1つのピークが検出された場合には、その結果を、表2中の「ピーク1」に記載した。
製造例1及び2で得た試料については、成分(C)及び(C’)のそれぞれにおけるメインピークの面積に対する分子量40〜100の範囲に存在するピークの面積の比率を計算し表2に示した。
表3のように配合した粗骨材、細骨材、セメント、水および表1および表2に示すセメント混和剤を投入して強制二軸ミキサによる機械練りにより90秒間練混ぜた。その後、コンクリートの排出直後にフレッシュコンクリート試験(スランプ試験JISA1101(フレッシュコンクリートの広がりをフロー値として測定)、空気量JISA1128、コンクリート粘性評価)を行った。コンクリートの粘性については評価者5名による官能評価で、以下の基準により評価した。
〔粘性の評価基準〕
◎:スコップでコンクリートを切り返した際のハンドリングが非常に良好で、スコップからのコンクリートの離れが非常に良好。
○:スコップでコンクリートを切り返した際のハンドリングが良好で、スコップからのコンクリートの離れが良好。
×:スコップでコンクリートを切り返した際のハンドリングが悪く、スコップからのコンクリートの離れが悪い。
結果を表3および表4に示す。
普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(株式会社トクヤマ製、比重3.16)
水道水
S1:大分県津久見産石灰砕砂(細骨材、比重2.66)
S2:山口県周南産砕石砕砂(細骨材、比重2.66)
G1、G2:山口県岩国産砕石(粗骨材、比重2.73、2.66)
セメント分散剤(固形分換算) 表4および表5参照
Claims (10)
- 下記の条件A及び条件Bを満たす成分(C)を含有し、
成分(C)が、2種以上の下記一般式(2)で表される単量体(II)と、
下記一般式(1)で表される単量体(I)、不飽和モノカルボン酸系単量体(III)、及び単量体(I)〜(III)と共重合可能なその他の単量体(IV)からなる群から選ばれる少なくとも1種と、の共重合体であるポリカルボン酸系共重合体またはその塩(AA)を含むセメント分散剤。
R1−O−(A1O)n1−R2 ・・・(1)
(式中、R 1 は、炭素原子数2〜5のアルケニル基を表す。A 1 Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜100の数を表す。R 2 は、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
条件A:成分(C)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準物質:ポリエチレングリコール)の測定において、最も高いピークの高さに対する、重量平均分子量20〜150の範囲に存在するピークの高さの割合が3%未満であること。
条件B:成分(C)に対してJIS K 0070のケン化価測定法に準じてアルカリ処理を施したアルカリ処理成分(C’)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準物質:ポリエチレングリコール)の測定において、最も高いピークの高さに対する、重量平均分子量20〜150の範囲に存在するピークの高さの割合が5%以上49%以下であること。 - 前記単量体(II)が、一般式(2)中のn2が1〜5である単量体(IIa)及び一般式(2)中のn2が6〜100である単量体(IIb)を含む請求項1に記載のセメント分散剤。
- 前記単量体(II)中の前記単量体(IIa)及び前記単量体(IIb)の重量比率(IIa)/(IIb)が1/99〜99/1である請求項2に記載のセメント分散剤。
- 前記ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(AA)の重量平均分子量が、ポリエチレングリコール換算で5,000〜60,000である請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメント分散剤。
- 前記ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(AA)が、共重合で得られる生成物のアルカリ性物質による中和物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセメント分散剤。
- 前記単量体(I)をさらに含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のセメント分散剤。
- リグニンスルホン酸系分散剤を含む請求項1に記載のセメント分散剤。
- リグニンスルホン酸系化合物と水溶性単量体の反応物であるリグニン誘導体を含む請求項1に記載のセメント分散剤。
- オキシカルボン酸系分散剤を含む請求項1に記載のセメント分散剤。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のセメント分散剤を含有するセメント組成物。
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