JP2019036517A - 塗布液、当該塗布液を用いたインクジェット用インク、封止膜及び封止膜の形成方法 - Google Patents

塗布液、当該塗布液を用いたインクジェット用インク、封止膜及び封止膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、低酸素・低湿度下の系内で、連続してポリシラザンにより直接封止するプロセスにおいて、高い耐酸化性を有し、かつ、デシカント機能を有する封止膜を形成し、有機EL素子のダークスポットを抑制できる塗布液、当該塗布液を用いたインクジェット用インク、封止膜及び封止膜の形成方法を提供することである。【解決手段】本発明の塗布液は、ポリシラザンを含有する塗布液であって、前記ポリシラザンと、前記ポリシラザンの一部に酸素原子が導入され、シリコン(Si)原子に対する酸素(O)原子の原子組成比の値(O/Si)が、0.01〜1の範囲内である酸化ポリシラザンと、を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、塗布液、当該塗布液を用いたインクジェット用インク、封止膜及び封止膜の形成方法に関し、特に、高い耐酸化性を有し、かつ、デシカント機能を有する塗布液等に関する。
電子デバイス、特に有機エレクトロルミネッセンスデバイス(以下、有機ELデバイス又は有機EL素子ともいう。)は、用いられている有機材料や電極が水分により劣化することを防止するため、有機EL素子の表面を封止層により覆うことが提案されている。
有機EL素子を直接封止する技術として、例えば、特許文献1〜3に示すように、いずれもポリシラザンのデシカント(吸湿)機能を活用し、有機EL素子のダークスポットの発生を抑制する技術が知られている。しかしながら、ポリシラザンは高い吸湿能力を有するので、ポリシラザン膜の上下層をバリアー層で封止する必要がある。
特許文献1では、無機膜で封止し、特許文献2では、ガラス基板で封止している。
しかしながら、特許文献1では、有機EL素子の作製を真空下で行い、その後、ポリシラザン溶液の塗布及び乾燥を大気圧下で行い、さらに、無機膜による封止を真空下で行っているため、これらの工程が煩雑である。
また、特許文献2の技術では、ガラス基板を用いているため、フレキシブルデバイスに適用することができない。特許文献3の技術では、封止していないため、デシカント機能を維持することはできない。
一方、有機EL素子をポリシラザン膜で直接封止し、エネルギー線照射の改質処理により表層にガスバリアー層を形成する技術として、特許文献4及び5が知られている。これらの技術であれば、別途バリアー層をポリシラザン膜の表層に設けなくともデシカント機能を維持することができ、フレキシブルデバイスにも適用することができる。
ところで、ポリシラザン膜へのエネルギー線照射により表層に形成したガスバリアー層は、完全酸化されたSiO組成ではなく、SiO組成を有する。このように適度な酸化と、残窒素原子の存在により、ポリシラザン膜そのままの場合に比べてはるかに高い耐酸化性を有し、かつ、酸化の余地を残すことでデシカント機能も有する。
このようなSiO組成を有する膜を形成するためには、加水分解反応を抑制した上で、光反応を進行させる必要がある。ポリシラザンは大気中に存在する水分レベルで容易に加水分解し、シラノール(SiOH)を多く含むシリカ(SiO)膜に転化してしまうためである。この加水分解を抑制するために、ポリシラザン膜のエネルギー線照射による改質処理は、低湿度下で行う必要がある。
そこで、特許文献5では、SiO組成を有する膜を得るために、酸素及び水蒸気を実質的に含まない雰囲気下、すなわち窒素下にて、ポリシラザン膜への真空紫外線照射を行っている。また、ポリシラザンからなる塗布膜の乾燥は、低酸素・低湿度下にて行っている。このように、酸素源がほとんどない環境にも関わらず、酸素原子が導入されている理由として、溶媒中の溶存酸素及び水分により、必要量の酸素原子が導入される旨の記載がある。しかしながら、実際には、ポリシラザン脱水溶液を用いており、塗布膜の乾燥も低酸素・低湿度下で行っていることから、酸素原子の導入は大気圧下での、ポリシラザン塗布時になされたと考えられる。
有機EL素子の封止工程が完了するまで、低酸素・低湿度下の素子作製系内から出すことなく、連続してポリシラザンにより直接封止するプロセスでは、ポリシラザンの塗布も窒素化にて行う必要がある。しかし、ポリシラザンの塗布、乾燥及び改質までの全てのプロセスを低酸素・低湿度下にて行う場合、耐酸化性を持たせるための酸素原子導入のための酸素源の確保については、これまで提示されてこなかった。
特開2009−258788号公報 特開2013−200985号公報 特開2005−056587号公報 特開2011−213847号公報 特許第5646478号
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、低酸素・低湿度下の系内で、連続してポリシラザンにより直接封止するプロセスにおいて、高い耐酸化性を有し、かつ、デシカント機能を有する封止膜を形成でき、有機EL素子のダークスポットを抑制できる塗布液、当該塗布液を用いたインクジェット用インク、封止膜及び封止膜の形成方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、ポリシラザンを含有する塗布液中の、シリコン原子に対する酸素原子の原子組成比の値を特定の範囲とすることで、高い耐酸化性を有し、かつ、デシカント機能を有する封止膜を形成でき、有機EL素子のダークスポットを抑制できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.ポリシラザンを含有する塗布液であって、
前記ポリシラザンと、前記ポリシラザンの一部に酸素原子が導入され、シリコン(Si)原子に対する酸素(O)原子の原子組成比の値(O/Si)が、0.01〜1の範囲内である酸化ポリシラザンと、を含有することを特徴とする塗布液。
2.前記原子組成比の値(O/Si)が、0.05〜0.5の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の塗布液。
3.粘度が、20℃において1〜20mPa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1又は第2項に記載の塗布液。
4.揮発性増粘剤を含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の塗布液。
5.重量平均分子量Mwが、3000以上のポリシラザン又は酸化ポリシラザンを、全ポリシラザンに対して、50質量%以上含有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の塗布液。
6.第1項から第5項までのいずれか一項に記載の塗布液を用いたことを特徴とするインクジェット用インク。
7.第1項から第5項までのいずれか一項に記載の塗布液の膜を改質処理してなることを特徴とする封止膜。
8.第7項に記載の封止膜を形成する封止膜の形成方法であって、
前記塗布液の膜を形成する工程を有することを特徴とする封止膜の形成方法。
9.前記塗布液の膜を形成する工程は、窒素雰囲気下にて行うことを特徴とする第8項に記載の封止膜の形成方法。
10.前記塗布液の膜を形成する工程後、得られた前記塗布液の膜を、窒素雰囲気下にて真空紫外線照射して改質処理する工程を有することを特徴とする第9項に記載の封止膜の形成方法。
11.前記塗布液の膜を得る工程が、インクジェット法を用いて行うことを特徴とする第8項から第10項までのいずれか一項に記載の封止膜の形成方法。
本発明の上記手段により、低酸素・低湿度下の系内で、連続してポリシラザンにより直接封止するプロセスにおいて、高い耐酸化性を有し、かつ、デシカント機能を有する封止膜を形成でき、有機EL素子のダークスポットを抑制することができる塗布液、当該塗布液を用いたインクジェット用インク、封止膜及び封止膜の形成方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の塗布液に含まれる酸化ポリシラザンの割合は、Si原子に対するO原子の原子組成比の値(O/Si)で求められ、本発明においては、原子組成比の値(O/Si)が、0.01〜1の範囲内である。
原子組成比の値(O/Si)を、0.01〜1の範囲内とすることで、僅かに酸化が進行したポリシラザン塗布液とすることができ、当該塗布液を、窒素雰囲気下(低酸素・低湿度下)で塗布、乾燥及び改質処理までの全てのプロセスを連続して行うことで、所望のSiO組成の封止膜が得られる。そして、得られた封止膜は、適度に酸化され、かつ、封止膜中に窒素原子が存在していることから、高い耐酸化性を有し、かつ、酸化の余地が残されていることからデシカント機能も有する封止膜とすることができる。したがって、高い封止性能を有し、有機EL素子等のダークスポットの抑制につながる。
なお、上記のような塗布液の膜(塗布液を塗布してなる塗布膜。以下、単に「塗布膜」ともいう。)が、適度に酸化されている状態で改質処理を行う必要があるのは、エネルギー線照射前に分子内に酸素源を導入しておくことで、エネルギー線照射時に起こる結合開裂→再結合で、塗布膜の内部まで分子内に酸素原子が導入され、塗布膜の耐酸化性が向上するためである。酸化が進行していないポリシラザン塗布膜の状態で、窒素雰囲気下にてエネルギー線照射を行っても、酸化は塗布膜のごく表層部でしか進行しないため、所望の膜厚を有する所望のSiO組成の膜は得られない。
本発明の塗布液は、ポリシラザンを含有する塗布液であって、前記ポリシラザンと、前記ポリシラザンの一部に酸素原子が導入され、シリコン(Si)原子に対する酸素(O)原子の原子組成比の値(O/Si)が、0.01〜1の範囲内である酸化ポリシラザンと、を含有することを特徴とする。この特徴は、本実施形態に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記原子組成比の値(O/Si)が、0.05〜0.5の範囲内であることが、塗布液が適度に酸化され、所望のSiO組成を有することができる点で好ましい。
また、粘度が、20℃において1〜20mPa・sの範囲内であることが、適度な粘度を有し、インクジェット法による吐出安定性が良好となる点で好ましい。
また、揮発性増粘剤を含有することが、粘度を適切な範囲とすることができる点で好ましい。
また、重量平均分子量Mwが、3000以上のポリシラザン又は酸化ポリシラザンを、全ポリシラザンに対して、50質量%以上含有することが、粘度を適切な範囲とすることができる点で好ましい。
本発明の塗布液は、インクジェット用インクに好適である。
本発明の封止膜は、前記塗布液の膜を改質処理してなることを特徴とする。
本発明の封止膜の形成方法は、前記塗布液の膜を形成する工程を有することを特徴とする。
前記塗布液の膜を形成する工程は、窒素雰囲気下にて行うことが好ましい。窒素雰囲気下で行うことによって、酸素及び水蒸気を実質的に含まない雰囲気下とすることができるため、酸素及び水蒸気にセンシティブな素子の封止に適した工程となり、また、塗布液の膜を得る際に過剰な酸素が導入されるのを防ぐことができる。
また、前記塗布液の膜を形成する工程後、形成された前記塗布液の膜を、窒素雰囲気下にて真空紫外線照射して改質処理する工程を有することが好ましい。塗布液の膜を形成する工程及び改質処理する工程を、窒素雰囲気下で連続して行うことができ、工程が煩雑とならない。また、改質処理する際にも、塗布液の膜中に過剰な酸素が導入されるのを防ぐことができる。
また、前記塗布液の膜を形成する工程が、インクジェット法を用いて行うことが好適である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[本発明の塗布液の概要]
本発明の塗布液は、ポリシラザンを含有する塗布液であって、前記ポリシラザンと、前記ポリシラザンの一部に酸素原子が導入され、シリコン(Si)原子に対する酸素(O)原子の原子組成比の値(O/Si)が、0.01〜1の範囲内である酸化ポリシラザンと、を含有することを特徴とする。
また、本発明の塗布液は、前記原子組成比の値(O/Si)が、0.05〜0.5の範囲内であることが、塗布液が適度に酸化され、所望のSiO組成を有することができる点で好ましい。
<ポリシラザン塗布液の原子組成比の値(O/Si)の算出方法>
本発明のポリシラザン塗布液に含まれる酸化ポリシラザンの割合は、実質、酸素及び水分が存在しない窒素雰囲気下にて、塗布及び乾燥して得られたポリシラザン塗布膜のXPS分析(X線光電子分光法(XPS:Xray Photoelectron Spectroscopy))によって算出することができる。
本発明のポリシラザン塗布液を窒素雰囲気下にて塗布、乾燥することで、塗布、乾燥中に膜内に導入されるような、酸素源に成り得る物質はないと考えられるため、このように形成した塗布膜中の酸素原子組成比を求めれば、すなわち、これが塗布液中に存在した酸素原子組成比を求めたことと同義となる。ただし、塗布膜を分析装置に導入するまでの経路で酸素源に成り得る物質に暴露されないよう注意する必要がある。
以下、XPS分析法について説明する。
本発明に係る塗布膜の厚さ方向における元素濃度分布(以下、デプスプロファイルという。)は、具体的には、ケイ素(Si)、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)分布曲線等を、X線光電子分光法(XPS:Xray Photoelectron Spectroscopy)の測定とアルゴン等の希ガスイオンスパッタとを併用することにより、塗布膜の表面より内部を露出させつつ順次表面組成分析を行う、いわゆるXPSデプスプロファイル測定により作成することができる。
このようなXPSデプスプロファイル測定により得られる分布曲線は、例えば、縦軸を各元素の原子比(単位:atom%)とし、横軸をエッチング時間(スパッタ時間)として作成することができる。なお、このように横軸をエッチング時間とする元素の分布曲線においては、エッチング時間は前記塗布膜の厚さ方向における表面からの距離におおむね相関することから、「塗布膜の厚さ方向における塗布膜の表面からの距離」として、XPSデプスプロファイル測定の際に採用したエッチング速度とエッチング時間との関係から算出される封止膜の表面からの距離を採用することができる。
また、このようなXPSデプスプロファイル測定に際して採用するスパッタ法としては、エッチングイオン種としてアルゴン(Ar+)を用いた希ガスイオンスパッタ法を採用し、そのエッチング速度(エッチングレート)を0.05nm/sec(SiO熱酸化膜換算値)とすることが好ましい。
以下に、本発明に適用可能なXPS分析の具体的な条件の一例を示す。
・分析装置:アルバック・ファイ社製 Quantera SXM
・X線源:単色化Al−Kα
・スパッタイオン:Ar(2keV)
・デプスプロファイル:SiO換算スパッタ厚さで、所定の厚さ間隔で測定を繰り返し、深さ方向のデプスプロファイルを求める。この厚さ間隔は、1nmとした(深さ方向に1nmごとのデータが得られる)。
本発明における原子組成比の値(O/Si)は、深さ方向のデプスプロファイルから、表層から20nm程度、膜厚方向内側に入った位置からO/Siが測定誤差を考慮した上でほぼ一定値を示す領域の平均値から求めることができる。
本発明に用いられる「ポリシラザン」とは、構造内にケイ素−窒素結合を持つポリマーで、酸窒化ケイ素の前駆体となるポリマーであり、下記一般式(1)の構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 2019036517
式中、R、R、及びRは、各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、又はアルコキシ基を表す。
本発明では、得られる封止膜としての緻密性の観点からは、R、R及びRの全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
ポリシラザンは、有機溶媒に溶解した溶液の状態で市販されているものを使用することができる。
有機溶媒としては、ポリシラザンを溶解できるものであれば特に制限されないが、ポリシラザンと容易に反応してしまう水及び反応性基(例えば、ヒドロキシ基、又はアミン基等)を含まず、ポリシラザンに対して不活性の有機溶剤が好ましく、非プロトン性の有機溶剤がより好ましい。具体的には、溶剤としては、非プロトン性溶剤;例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターペン等の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類:例えば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、モノ−及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)などを挙げることができる。上記溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度等の目的にあわせて選択され、単独で使用されても又は2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
また、ポリシラザンが有機溶媒に溶解したポリシラザン原溶液は、無触媒であってもよいし、触媒を含んでいてもよい。
触媒としては、塩基性触媒が好ましく、特に、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン等のアミン触媒、Ptアセチルアセトナート等のPt化合物、プロピオン酸Pd等のPd化合物、Rhアセチルアセトナート等のRh化合物等の金属触媒、N−複素環式化合物が挙げられる。これらのうち、アミン触媒を用いることが好ましい。この際添加する触媒の濃度としては、ケイ素化合物を基準としたとき、好ましくは0.1〜5質量%の範囲内、より好ましくは0.5〜2質量%の範囲内である。触媒添加量をこの範囲とすることで、反応の急激な進行による過剰なシラノール形成及び膜密度の低下、膜欠陥の増大などを避けることができる。また、これらの触媒を添加することで、より微量の水分量でポリシラザンの酸化を進行する。
ポリシラザン溶液の市販品としては、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製のNN120−20、NAX120−20、NL120−20などが挙げられる。
その他、ポリシラザンの詳細については、従来公知である特開2013−255910号公報の段落「0024」〜「0040」、特開2013−188942号公報の段落「0037」〜「0043」、特開2013−151123号公報の段落「0014」〜「0021」、特開2013−052569号公報の段落「0033」〜「0045」、特開2013−129557号公報の段落「0062」〜「0075」、特開2013−226758号公報の段落「0037」〜「0064」等を参照して採用することができる。
また、本発明の塗布液の粘度は、20℃において1〜20mPa・sの範囲内であることが、適度な粘度を有し、インクジェット法による吐出安定性が良好となる点で好ましい。
粘度の測定は、市販されている回転式や振動式の粘度計によって行うことができる。
また、本発明の塗布液は、揮発性増粘剤を含有することが、塗布液の粘度調整を行うことができる点で好ましい。
揮発性増粘剤としては、塗布液の膜形成を阻害しない程度の揮発性を有し、20℃における粘度が概ね1mPa・s以上の液状化合物、又は、混合することで1mPa・s以上の粘度となるような液状混合物であれば特に制限されないが、前述したポリシラザン溶液に用いられる有機溶媒及びポリシラザンとの相溶性があり、ポリシラザンとの反応性を有さないような非プロトン性で、水の溶解度が低い非水溶性の揮発性オイルやグリコールエーテルが好ましい。
具体的には、揮発性オイルとしては、例えば、テレピン、ペトロール、ミネラルスピリット、α−ピネン、イソパラフィン、揮発性シリコーンオイルなど、グリコールエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられ、中でも、ジエチレングリコールジブチルエーテルや、揮発性シリコーンオイルなどの適度な粘度と揮発性と非水溶性を有する化合物は、希釈溶剤と兼用することができる点で好ましい。
また、本発明の塗布液は、重量平均分子量Mwが、3000以上のポリシラザン又は酸化ポリシラザンを、全ポリシラザンに対して、50質量%以上含有することが好ましい。このような高分子のポリシラザン又は酸化ポリシラザンを含有することで、塗布液の粘度調整を行うことができる。
Mwが、3000以上のポリシラザン又は酸化ポリシラザンとしては、例えば、特許5172867に記載の方法を参考にして、重量平均分子量Mwが3000以上の高分子量成分のみを有するポリシラザンを得ることができる。
本発明の塗布液は、上記有機溶媒に溶解したポリシラザン原溶液に、概ね含水量50〜1000ppmの範囲内の有機溶媒(以下、希釈溶媒ともいう。)を添加すること、又は、ポリシラザンと反応することで分子内に酸素を導入できるような酸化剤を添加することによって得ることができる。ただし、含水した有機溶媒や酸化剤を添加するのは、原子組成比の値(O/Si)が本発明の範囲内になるように調整するためであり、本発明で添加する含水した有機溶媒や酸化剤の最適な量は、ポリシラザンに対する水分や酸化剤の比率によって変わるため、上記含水量はあくまで目安である。本発明の塗布液となっているかどうかは、原子組成比の値(O/Si)で最終的に判断する必要がある。
含水量が上記範囲である希釈溶媒を適量添加することで、ごく微量の水分が導入され、極めて早い加水分解反応が起こり、ポリシラザンの一部に酸素原子が導入された酸化ポリシラザンが形成され、原子組成比の値(O/Si)が上記範囲内の本発明のポリシラザン塗布液とされる。
また、本発明における酸化剤を適量添加することで、ポリシラザンの一部に酸素原子が導入された酸化ポリシラザンが形成され、水分の場合と同様、本発明のポリシラザン塗布液が得られる。
本発明に係る酸化剤としては、酸素原子を含む活性置換基がポリシラザンと反応し、酸素原子がポリシラザン分子内に導入される材料であれば特に限定されないが、ヒドロキシ基を有する低分子化合物が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、フェノールなどのアルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノ置換エーテル、ジエチレングリコールモノ置換エーテルなどの残ヒドロキシ基を有するエチレングリコール類などが挙げられる。
ただし、ポリシラザンに導入される置換基内に炭素原子が過剰に存在すると、後工程のポリシラザン改質時に改質阻害要因となり得るため、例えば、メタノールやエタノールなどの低分子化合物がより好ましい。これらの有機化合物からなる酸化剤を用いる方法は、含水した有機溶媒を用いる方法と比較して、添加量を調整することで望みの酸化度を有する酸化ポリシラザンが得られる点でより好ましい。
添加する希釈溶媒としては、ポリシラザン原溶液に溶解されている前記有機溶媒と同様の有機溶媒を用いることができる。
また、含水量の調整は、含水量に応じて、湿度50〜80%環境下に一定時間暴露することで調整することができる。
なお、含水量は、カールフィッシャー水分測定装置を用いたカールフィッシャー滴定法により求めることができる。
また、ポリシラザン原溶液に、前記希釈溶媒の他に、前記揮発性増粘剤を添加すること
が好ましい。
含水した希釈溶媒、又は、本発明に係る酸化剤、及び揮発性増粘剤の添加中から添加後にかけて撹拌することが、均一な酸化反応を進行させる点で好ましく、さらに、加熱撹拌することが、酸化反応が促進する点で好ましい。加熱温度としては、希釈溶媒の沸点以下であることが好ましく、50〜120℃の範囲内がより好ましい。加熱手段や撹拌手段としては特に制限はなく、溶液を加熱、撹拌するための一般的な方法を適用することができるが、加熱する場合は、間接的に溶液の入った容器や釜を温めることで液を加熱する方法が好ましい。また、撹拌の場合は、撹拌羽を取り付けたシャフトをモーターにより回転させる方法、液が少量であれば撹拌子とスターラーを用いて撹拌する方法などが適用できる。
また、塗布液を安定化(脱泡)させるために、加熱、撹拌又は超音波分散させることが
好ましい。
本発明の塗布液は、溶存ガス量の経過時間後の増加量(ΔV)が、ΔV<100ppm/dayであることが、気泡が発生せずに、安定化した塗布液とすることができる点で好ましい。また、ΔV<10ppm/dayであることがより好ましく、ΔV<1ppm/dayであることが特に好ましい。
溶存ガス量の測定方法は、例えば、塗布液を加熱、撹拌又は超音波分散後に発生したガスを捕集し、GC/MS及び検出したいガスに適した検出器を組み合わせることで、ガスの同定及び定量が可能となる。また、ポリシラザンの酸化反応で発生し塗布液への溶存が懸念されるガスとしては、アンモニアガス、シランガスであることが分かっているため、対象となるガスに応じたガス検知管やガス検知器を用いて発生量を定量し、その総量を溶存ガス量として推算することも可能である。
[インクジェット用インク]
本発明のインクジェット用インクは、上記本発明の塗布液を用いたことを特徴とする。すなわち、本発明のインクジェット用インクは、上記塗布液に由来することを特徴とする。
[封止膜及び封止膜の形成方法]
本発明の封止膜は、上記本発明の塗布液を塗布してなる塗布膜を改質処理してなることを特徴とする。
本発明の封止膜の形成方法は、前記塗布液を塗布して塗布膜を得る工程を有することを特徴とする。
前記塗布膜を得る工程は、例えば、グローブボックス内といった窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
前記塗布膜を得る工程は、任意の適切な方法を採用することができ、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。中でも、インクジェット法を用いることが有機EL素子などの電子デバイスを封止する際に求められる微細なパターニングをオンデマンドで行える点で好ましい。
インクジェット方式としては、公知の方法を用いることができる。
インクジェット方式は、大別するとドロップオンデマンド方式とコンティニュアス方式二つに分けられ、どちらも使用することができる。ドロップオンデマンド方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)等がある。インクジェットヘッドのコストや生産性の観点からは、電気−機械変換方式、又は電気−熱変換方式のヘッドを用いることが好ましい。なお、インクジェット方式により、液滴(例えば、塗布液)を滴下させる方法を「インクジェット法」と呼ぶ場合がある。
前記塗布膜を得る工程後、得られた前記塗布膜を乾燥させる乾燥工程を行うことが好ましい。塗布膜を乾燥することによって、塗布膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。
乾燥工程も、窒素雰囲気下にて行うことが好ましい。乾燥方法については、従来公知である特開2014−151571号公報の段落「0058」〜「0064」、特開2011−183773号公報の段落「0052」〜「0056」等を参照して採用することができる。
乾燥工程後、得られた塗布膜に窒素雰囲気下にて真空紫外線照射して改質処理する工程を有することが好ましい。
改質処理とは、ポリシラザンの酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素への転化反応をいう。改質処理も、同様に、グローブボックス内といった窒素雰囲気下や減圧下で行う。
本発明における改質処理は、ポリシラザンの転化反応に基づく公知の方法を選ぶことができる。本発明においては、低温で転化反応が可能なプラズマやオゾンや紫外線を使う転化反応が好ましい。プラズマやオゾンは従来公知の方法を用いることができる。本発明においては、上記塗布膜を設け、波長200nm以下の真空紫外光(VUVともいう。)を照射して改質処理することにより、本発明の封止膜を形成することが好ましい。
封止膜の厚さは、10〜1000nmの範囲内が好ましく、より好ましくは100〜500nmの範囲内である。
当該封止膜のうち、膜全体が改質された膜であってもよいが、改質処理された改質膜の厚さは、1〜50nmの範囲内が好ましく、1〜30nmの範囲内がさらに好ましい。
また、封止膜は1層でも2層以上の積層で設けてもよい。積層する場合は、1層ごとに改質処理工程を有することが好ましい。特に、膜厚を300nmより厚くする場合は、2層以上の積層で設けることが、膜の耐久性の観点から好ましい。
本発明における真空紫外線を照射する工程において、塗布膜が受ける塗布膜面での該真空紫外線の照度は30〜200mW/cmの範囲内であることが好ましく、50〜160mW/cmの範囲内であることがより好ましい。真空紫外線の照度を30mW/cm以上とすることで、改質効率を十分に向上することができ、200mW/cm以下では、塗布膜への損傷発生率を極めて抑え、また、基材への損傷も低減させることができるため、好ましい。
真空紫外線の照射は、塗布膜面における真空紫外線の照射エネルギー量は、1〜10J/cmの範囲内であることが好ましく、デシカント機能を維持するためのバリアー性及び湿熱耐性の観点から、3〜7J/cmの範囲内であることがより好ましい。
ただし、ポリシラザン改質時のエネルギー線によるダメージから有機EL素子を保護する目的で、ポリシラザン封止層を形成する前の有機EL素子上に別途、無機膜、有機膜、有機無機ハイブリッド膜、あるいは、それらの積層膜からなる保護層を設けてもよい。積層膜を設ける場合は、同一種類の膜の積層でも、又は、例えば、無機膜と有機膜など異なる種類の膜の積層でもよい。無機膜はCVDやPVDなどの蒸着や、スパッタなどの気相法で設けてもよく、また、無機膜又は有機無機ハイブリッド膜は、ポリシラザンなどの無機あるいは有機無機前駆体材料を用いて塗布法により形成してもよい。具体的な材料としては、無機膜は金属や金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物などを含む膜が挙げられ、有機膜や有機無機ハイブリッド膜はUV硬化樹脂や熱硬化樹脂及びそれらとの無機ハイブリッド材料などが挙げられるが、これらに限定されない。
なお、真空紫外線の光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。真空紫外光は、酸素による吸収があるため真空紫外線照射工程での効率が低下しやすいことから、真空紫外光の照射は、可能な限り酸素濃度の低い状態で行うことが好ましい。すなわち、真空紫外光照射時の酸素濃度は、10〜10000ppmの範囲内とすることが好ましく、より好ましくは50〜5000ppmの範囲内、さらに好ましくは80〜4500ppmの範囲内、最も好ましくは100〜1000ppmの範囲内である。
改質処理は、加熱処理と組み合わせて行うこともできる。加熱条件としては、好ましくは50〜300℃の範囲内、より好ましくは60〜150℃の範囲内の温度で、好ましくは1秒〜60分間、より好ましくは10秒〜10分間、加熱処理を併用することで、改質時の脱水縮合反応を促進し、より効率的に改質体を形成することができる。
加熱処理としては、例えば、ヒートブロック等の発熱体に基材を接触させ熱伝導により塗膜を加熱する方法、抵抗線等による外部ヒーターにより雰囲気を加熱する方法、IRヒーターのような赤外領域の光を用いた方法等が挙げられるが、特に限定されない。また、ケイ素化合物を含有する塗膜の平滑性を維持できる方法を適宜選択してよい。
(封止膜がポリシラザン由来であることの判定)
本発明の封止膜においては、前駆体としてポリシラザン、特に好ましくはパーヒドロポリシラザンを用いて形成することが好ましい態様であるが、最終完成物である封止膜が、ポリシラザンにより形成された膜であることは、下記の方法により分析することにより実証することができる。
本発明においては、ポリシラザンとしてはパーヒドロポリシラザンを適用した例について説明する。
市販のパーヒドロポリシラザンの一般的な組成をSiNとしたときに、vは0.78〜0.80となる。パーヒドロポリシラザンから形成された前駆体層は、形成雰囲気の水分や酸素を取り込み、アンモニアや水素を放出して、下式(A)及び式(B)で示すように組成が変化していく。
Figure 2019036517
その過程において、窒素が1個放出されるのに対し、酸素が3個取り込まれるという法則におおよそ従う。これは、上述の種々の改質処理を行った場合にもあてはまるものである。したがって、パーヒドロポリシラザンから塗布形成された封止層の組成をSiOで示した際に、xとyの関係は下式(C)に従う。
式(C)
y=0.8−x/3、x≧0、y≧0、
元の組成がSiN0.8の場合、パーヒドロポリシラザンから塗布形成された膜の厚さ方向の組成分布をXPSにより分析した場合、厚さ方向の各測定点でのいずれの組成も上記式にあてはまることになる(数%の誤差は存在する)。
したがって、Siを含有する膜の厚さ方向の組成分布を分析して、SiOで示した際に、その形成した封止膜の厚さに対して、その80%以上となる測定点の組成が、yの値が(0.8−x/3)の±2%の範囲に入っていた場合、その膜はパーヒドロポリシラザンから形成された封止膜であると推定することが可能となる。
[電子デバイス]
本発明の封止膜は、空気中の化学成分(酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等)によって性能が劣化する機能性素子に対して好ましく適用できる。
本発明に係る機能性素子の例としては、有機EL素子、液晶表示素子(LCD)、薄膜トランジスタ、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池(PV)等を挙げることができる。本発明の効果がより効率的に得られるという観点から、有機EL素子又は太陽電池が好ましく、有機EL素子が特に好ましい。
以下、機能性素子として有機EL素子を用いた場合の電子デバイスについて説明する。
本発明に係る電子デバイスは、例えば、下記(I)〜(IV)の構成例が挙げられる。
(I)基材(バリアーフィルム)/有機EL素子/ポリシラザン封止膜
(II)基材(バリアーフィルム)/有機EL素子/無機層/ポリシラザン封止膜
(III)基材(バリアーフィルム)/有機EL素子/平坦化層/ポリシラザン封止膜
(IV)基材(バリアーフィルム)/有機EL素子/無機層/平坦化層/ポリシラザン封止膜
以下、各構成要素について説明する。
(基材)
本発明に係る基材としては、具体的には、ガラス又は樹脂フィルムの適用が好ましく、フレキシブル性を要求される場合は、樹脂フィルムであることが好ましい。
また、透明であっても不透明であってもよい。基板側から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション型の場合には、基材は透明であることが好ましい。
好ましい樹脂としては、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂を含む基材が挙げられる。該樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
基材は、耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、線膨張係数が15ppm/K以上100ppm/K以下で、かつガラス転移温度(Tg)が100℃以上300℃以下の基材が使用される。
該基材は、電子部品用途、ディスプレイ用積層フィルムとしての必要条件を満たしている。すなわち、これらの用途に本発明の封止膜を用いる場合、基材は、150℃以上の工程に曝されることがある。この場合、基材の線膨張係数が100ppm/Kを超えると、前記のような温度の工程に流す際に基板寸法が安定せず、熱膨張及び収縮に伴い、遮断性性能が劣化する不都合や、又は熱工程に耐えられないという不具合が生じやすくなる。15ppm/K未満では、フィルムがガラスのように割れてしまいフレキシビリティが劣化する場合がある。
基材のTgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。
基材として用いることができる熱可塑性樹脂のより好ましい具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET:70℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン株式会社製、ゼオノア(登録商標)1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報に記載の化合物:162℃)、ポリイミド(例えば三菱ガス化学株式会社製、ネオプリム(登録商標):260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報に記載の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報に記載の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報に記載の化合物:300℃以上)等が挙げられる(括弧内温度はTgを示す)。
本発明に係る電子デバイスは、有機EL素子等の電子デバイスであることから、基材は透明であることが好ましい。すなわち、光線透過率が通常80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光線透過率は、JIS K7105:1981に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率及び散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
また、上記に挙げた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。当該基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。これらの基材の製造方法については、国際公開第2013/002026号の段落「0051」〜「0055」の記載された事項を適宜採用することができる。
基材の表面は、密着性向上のための公知の種々の処理、例えばコロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、又はプラズマ処理等を行っていてもよく、必要に応じて上記処理を組み合わせて行っていてもよい。また、基材には易接着処理を行ってもよい。
該基材は、単層でもよいし2層以上の積層構造であってもよい。該基材が2層以上の積層構造である場合、各基材は同じ種類であってもよいし異なる種類であってもよい。
本発明に係る基材の厚さ(2層以上の積層構造である場合はその総厚)は、10〜200μmであることが好ましく、20〜150μmであることがより好ましい。
また、フィルム基材の場合は、ガスバリアー層付きフィルム基材であることが好ましい。
前記フィルム基材用のガスバリアー層は、フィルム基材の表面には、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/m・24h以下のバリアー性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3mL/m・24h・atm以下、水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下の高ガスバリアー性フィルムであることが好ましい。
前記ガスバリアー層を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸炭化ケイ素等を用いることができる。
当該ガスバリアー層は、特に限定されないが、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸炭化ケイ素等の無機ガスバリアー層の場合は、無機材料をスパッタリング法(例えば、マグネトロンカソードスパッタリング、平板マグネトロンスパッタリング、二極AC平板マグネトロンスパッタリング、二極AC回転マグネトロンスパッタリングなど)、蒸着法(例えば、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、イオンビーム蒸着、プラズマ支援蒸着など)、熱CVD法、触媒化学気相成長法(Cat−CVD)、容量結合プラズマCVD法(CCP−CVD)、光CVD法、プラズマCVD法(PE−CVD)、エピタキシャル成長法、原子層成長法、反応性スパッタ法等の化学蒸着法等によって層形成することが好ましい。
さらに、ポリシラザン、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などの無機前駆体を含む塗布液を支持体上に塗布した後、真空紫外光の照射などにより改質処理を行い、無機ガスバリアー層を形成する方法や、樹脂基材への金属めっき、金属箔と樹脂基材とを接着させる等のフィルム金属化技術などによっても、無機ガスバリアー層は形成される。
また、無機ガスバリアー層は、有機ポリマーを含む有機層を含んでいてもよい。すなわち、無機ガスバリアー層は、無機材料を含む無機層と有機層との積層体であってもよい。
有機層は、例えば、有機モノマー又は有機オリゴマーを樹脂基材に塗布し、層を形成し、続いて、例えば、電子ビーム装置、UV光源、放電装置、又はその他の好適な装置を使用して重合及び必要に応じて架橋することにより形成することができる。また、例えば、フラッシュ蒸発及び放射線架橋可能な有機モノマー又は有機オリゴマーを蒸着した後、有機モノマー又は有機オリゴマーからポリマーを形成することによっても形成することができる。コーティング効率は、樹脂基材を冷却することにより改善され得る。
有機モノマー又は有機オリゴマーの塗布方法としては、例えば、ロールコーティング(例えば、グラビアロールコーティング)、スプレーコーティング(例えば、静電スプレーコーティング)等が挙げられる。また、無機層と有機層との積層体の例としては、例えば、国際公開第2012/003198号、国際公開第2011/013341号に記載の積層体などが挙げられる。
無機層と有機層との積層体である場合、各層の厚さは同じでもよいし、異なっていてもよい。無機層の厚さは、好ましくは3〜1000nmの範囲内、より好ましくは10〜300nmの範囲内である。有機層の厚さは、好ましくは100nm〜100μmの範囲内、より好ましくは1〜50μmの範囲内である。
(有機EL素子)
本発明に係る有機EL素子は、ボトムエミッション型、すなわち、透明基材側から光を取り出すようにしたものであってもよい。
ボトムエミッション型は、具体的には、透明基材上に、カソードとなる透明電極、発光機能層、アノードとなる対向電極をこの順で積層することにより構成されている。
また、本発明に係る有機EL素子は、トップエミッション型、すなわち、基材とは逆のカソードとなる透明電極側から光を取り出すようにしたものであってもよい。
トップエミッション型は、具体的には、基材側にアノードとなる対向電極を設け、この表面に発光機能層、カソードとなる透明電極を順に積層した構成である。
以下に、有機EL素子の構成の代表例を示す。
(i)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔注入輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔注入輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/
陰極
(iv)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
さらに、有機EL素子は、非発光性の中間層を有していても良い。中間層は電荷発生層であっても良く、マルチフォトンユニット構成であっても良い。
本発明に適用可能な有機EL素子の概要については、例えば、特開2013−157634号公報、特開2013−168552号公報、特開2013−177361号公報、特開2013−187211号公報、特開2013−191644号公報、特開2013−191804号公報、特開2013−225678号公報、特開2013−235994号公報、特開2013−243234号公報、特開2013−243236号公報、特開2013−242366号公報、特開2013−243371号公報、特開2013−245179号公報、特開2014−003249号公報、特開2014−003299号公報、特開2014−013910号公報、特開2014−017493号公報、特開2014−017494号公報等に記載されている構成を挙げることができる。
(無機層)
無機層としては、例えば、窒化ケイ素(SiN)、一酸化ケイ素や二酸化ケイ素等の無機材料を含有する。
具体的には、前記無機材料をスパッタリング法(例えば、マグネトロンカソードスパッタリング、平板マグネトロンスパッタリング、二極AC平板マグネトロンスパッタリング、二極AC回転マグネトロンスパッタリングなど、反応性スパッタ法を含む。)、蒸着法(例えば、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、イオンビーム蒸着、プラズマ支援蒸着など)、熱CVD法、触媒化学気相成長法(Cat−CVD)、容量結合プラズマCVD法(CCP−CVD)、光CVD法、プラズマCVD法(PE−CVD)、エピタキシャル成長法、原子層成長法等の化学蒸着法等によって層形成することが好ましい。中でも、CVD法により成膜した窒化ケイ素膜が好ましい。
無機層の厚さは、例えば、10〜1000nmの範囲内であることが好ましく、100〜500nmの範囲内であることがより好ましい。
(平坦化層)
平坦化層としては、例えば、有機ポリシロキサンなどの有機無機ハイブリッド塗布膜や、アクリル樹脂などのUV硬化樹脂膜などが好ましく用いられる。
平坦化層に用いられる樹脂としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコーン樹脂、及びアルキルチタネート等を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
好ましくは、下記重合性化合物とシランカップリング剤と重合開始剤を含む重合性組成物を層状にした後硬化して形成することもできる。
重合性組成物を層状にする方法としては、本発明では基材及び有機EL素子の上に重合性組成物を塗布して形成することができる。塗布組成物を塗布する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体的には例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布液を塗布した後は、塗膜を乾燥させることが好ましい。塗膜を乾燥することによって、塗膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。形成方法については、従来公知である特開2014−151571号公報の段落「0058」〜「0064」、特開2011−183773号公報の段落「0052」〜「0056」等を参照して採用することができる。
上記塗布法の中では、電子デバイスは水分や親水性溶媒によって劣化する懸念があるため、一般的な溶媒塗布は好ましくなく、窒素雰囲気下、無溶媒、又は、親水性溶媒の含有量が少ない塗布組成物を用いたインクジェット方式を好ましく適用することができる。当該インクジェット方式は、例えば、国際公開第2014/176365号、国際公開第2015/100375号、国際公開第2015/112454号等に記載の技術内容を参照して採用することができる。具体的には、KATEEVA社製のYIELDjet(登録商標)Platformを用いて平坦化層を形成することも好ましい実施態様である。
また、重合性組成物を層状にする別の方法としては、物理蒸着法(PVD)又は化学蒸着法(CVD)といった気相成膜法を用いることができる。
例えば、重合性化合物とシランカップリング剤と重合開始剤を含む重合性組成物を、遊星式撹拌装置、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、2本ロール、3本ロール、押出機等の公知の各種混練機を単独又は併用して、常温下又は加熱下で、常圧下、減圧下、加圧下又は不活性ガス気流下等の条件下で均一に混練し、当該重合性組成物を、大気圧下又は減圧雰囲気下において、加熱によって揮発させて基材又は有機機EL素子上に蒸着膜として形成することが好ましい。
当該蒸着膜を形成する方法は、特開2008−142941号公報、特開2004−314626号公報等に記載されているような公知の方法を用いることができる。
一例として、真空装置内に基材及びその上に形成された有機EL素子を設置し、真空装置の中に設置された加熱ボートに前記重合性組成物を入れ、10Pa程度の減圧下、前記重合性組成物を200℃程度に加熱し、基材及び有機EL素子を被覆しながら、所望の層厚になるように蒸着膜を形成することができる。
得られた蒸着膜に真空環境下で高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して、蒸着した重合性組成物を硬化させて平坦化層を形成する。
(重合性化合物)
本発明で用いられる重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を末端又は側鎖に有する化合物、又はエポキシ又はオキセタンを末端又は側鎖に有する化合物である。これらのうち、エチレン性不飽和結合を末端又は側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を末端又は側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられ、(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
(シランカップリング剤)
本発明で用いられるシランカップリング剤は、例えば、ハロゲン含有シランカップリング剤(2−クロロエチルトリメトキシシラン,2−クロロエチルトリエトキシシラン,3−クロロプロピルトリメトキシシラン,3−クロロプロピルトリエトキシシランなど)、エポキシ基含有シランカップリング剤[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランなど]、アミノ基含有シランカップリング剤(2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−[N−(2−アミノエチル)アミノ]エチルトリメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリエトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピル メチルジメトキシシランなど)、メルカプト基含有シランカップリング剤(2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなど)、ビニル基含有シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど)、(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤(2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなど)などを挙げることができる。これらの中では、(メタ)アクリロイル基を含有するシランカップリング剤((メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤)が好ましく用いられる。
また、その他の(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤としては、1,3−ビス(アクリロイルオキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(メタクリロイルオキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(γ−アクリロイルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(γ−メタクリロイルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、アクリロイルオキシメチルメチルトリシラザン、メタクリロイルオキシメチルメチルトリシラザン、アクリロイルオキシメチルメチルテトラシラザン、メタクリロイルオキシメチルメチルテトラシラザン、アクリロイルオキシメチルメチルポリシラザン、メタクリロイルオキシメチルメチルポリシラザン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルトリシラザン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルトリシラザン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルテトラシラザン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルテトラシラザン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルポリシラザン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルポリシラザン、アクリロイルオキシメチルポリシラザン、メタクリロイルオキシメチルポリシラザン、3−アクリロイルオキシプロピルポリシラザン、3−メタクリロイルオキシプロピルポリシラザンが好ましく、さらに、化合物の合成・同定が容易であるといった観点から、1,3−ビス(アクリロイルオキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(メタクリロイルオキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(γ−アクリロイルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(γ−メタクリロイルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンが特に好ましい。
本発明で用いられるシランカップリング剤は、下記に示される化合物が好ましく用いられるが、当該シランカップリング剤の合成方法は、特開2009−67778号公報を参照することができる。
Figure 2019036517
(式中、RはCH=CHCOOCHを表す。)
(重合開始剤)
本発明における重合性組成物は、通常、重合開始剤を含む。重合開始剤を用いる場合、その含有量は、重合に関与する化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜2モル%であることがより好ましい。このような組成とすることにより、活性成分生成反応を経由する重合反応を適切に制御することができる。光重合開始剤の例としてはBASFジャパン社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)等が挙げられる。
本発明では、シランカップリング剤と重合性化合物と重合開始剤を含む重合性組成物を、光(例えば、紫外線)、電子線、又は熱線にて、硬化させるが、光によって硬化させることが好ましい。特に、重合性組成物を25℃以上の温度(例えば、30〜130℃)をかけて加熱した後に、硬化させることが好ましい。このような構成とすることにより、シランカップリング剤の加水分解反応を進行させ、重合性組成物を効果的に硬化させかつ、基材や有機EL素子等にダメージを与えずに成膜することができる。
照射する光は、通常、高圧水銀灯又は低圧水銀灯による紫外線である。照射エネルギーは0.1J/cm以上が好ましく、0.5J/cm以上がより好ましい。重合性化合物として、(メタ)アクリレート系化合物を採用する場合、空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度又は酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で0.5J/cm以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
本発明に係る平坦化層は、平滑で、層硬度が高いことが好ましい。平坦化層の平滑性は1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満であることが好ましく、0.5nm未満であることがより好ましい。モノマーの重合率は85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、92%以上であることが特に好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(例えば、アクリロイル基及びメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。重合率は赤外線吸収法によって定量することができる。
平坦化層の厚さについては特に限定はないが、薄すぎると厚さの均一性を得ることが困難になり、厚すぎると外力によりクラックを発生してガスバリアー性が低下する。かかる観点から、平坦化層の厚さは50〜2000nmの範囲が好ましく、200〜1500nmの範囲がより好ましい。
平坦化層の表面にはパーティクル等の異物、突起が無いことが要求される。このため、平坦化層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
また、前述した無機層又は平坦化層を本発明のポリシラザンから形成した封止膜の上に保護層として設けることもできる。このように保護層を設けることで、湿熱などの環境要因やキズ、屈曲時などの物理的要因を含む外的要因から封止膜を保護できるため、封止膜の耐久性を向上させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り、「部」又は「質量%」を表す。
[有機EL素子の作製]
<基材の準備>
有機EL素子の作製に用いる基材としては、有機EL素子を設ける側の面にガスバリアー層を有するガスバリアーフィルムを用いた。
具体的には、両面に易接着処理された厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムロール(東レ株式会社製、ルミラー(登録商標)(U48))(以下、「樹脂基材」ともいう。)の両面にクリアハードコート層を設け、続いて一方の面にガスバリアー層を設けることでガスバリアーフィルムを作製した。
具体的には、まず、両面に易接着処理された厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムロール(東レ株式会社製、ルミラー(登録商標)(U48))(以下、「樹脂基材」ともいう。)のガスバリアー層を形成する面とは反対の面に、ロール・to・ロール方式により、厚さ0.5μmのアンチブロック機能を有するクリアハードコート層を形成した。すなわち、UV硬化型樹脂(アイカアイトロン工業株式会社製、品番:Z−731L)を乾燥層厚が0.5μmになるように樹脂基材上に塗布した後、80℃で乾燥し、その後、空気下、高圧水銀ランプを用いて照射エネルギー量0.5J/cmの条件で硬化を行った。
次に、樹脂基材のガスバリアー層を形成する側の面に、厚さ2μmのクリアハードコート層を以下のようにして形成した。
JSR株式会社製、UV硬化型樹脂オプスター(登録商標)Z7527を、乾燥層厚が2μmになるように樹脂基材に塗布した後、80℃で乾燥し、その後、空気下、高圧水銀ランプを用いて照射エネルギー量0.5J/cmの条件で硬化を行った。このようにして、両面にクリアハードコート層が設けられた樹脂基材ロールを得た。
続いて、以下のようにして、一方の面にガスバリアー層を設けることで本発明に用いるガスバリアーフィルムを作製した。
<ガスバリアーフィルムの作製>
(第1ガスバリアー層の形成(CVD法))
特開2015−131473号公報の実施例に記載のCVD成膜装置を用い、a4の条件を用いて、前記樹脂基材ロールの厚さ2μmのクリアハードコート層を形成した面に、第1ガスバリアー層を形成した。
(第2ガスバリアー層の形成(塗布改質法))
第2ガスバリアー層の形成には、第1ガスバリアー層を形成した前記樹脂基材ロールからシートを切り出して用いた。切り出したシートの第1ガスバリアー層の上に、下記のようにして第2ガスバリアー層を形成した。
具体的には、パーヒドロポリシラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、NN120−20)と、アミン触媒(N,N,N′,N′−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン(TMDAH))を含むパーヒドロポリシラザン20質量%のジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、NAX120−20)とを、4:1(質量比)の割合で混合し、さらに、乾燥層厚調整のため、ジブチルエーテルで適宜希釈し、塗布液を調製した。
そして、前記切り出したシートの第1ガスバリアー層が形成された表面上に、スピンコート法により上記塗布液を乾燥層厚が250nmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。
次いで、乾燥した塗膜に対して、波長172nmのXeエキシマランプを有する真空紫外光照射装置を用い、照射エネルギー6J/cmの条件で真空紫外光照射処理を行った。この際、照射雰囲気は窒素で置換し、酸素濃度は0.1体積%とした。また、試料を設置するステージ温度を80℃とした。この操作をもう一度繰り返し、塗布改質法によるガスバリアー層を2層形成した。
このようにして作製したガスバリアー層を有する基材を50mm×50mmのサイズに切り出し、これをガスバリアーフィルム基材として、下記に示すような方法で、トップエミッション型の有機EL素子を作製した。
<有機EL素子の作製>
上記のようにして作製したガスバリアーフィルム基材のガスバリアー層を設けた面上に、陰極、取り出し配線、有機機能層、陽極を順次形成した。各層は、基材の中央部に30mm×30mmの発光領域が得られる形状で形成した。
具体的には、下記のような層構成にて電極及び有機機能層を設けた。
陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極(基材側)
まず、陰極として厚さ100nmのアルミニウム層をスパッタ法により形成し、パターニングすることで、取り出し配線を含むアルミニウム層からなる陰極を形成した。
続いて、有機機能層として、アルミニウム層上に電子注入層(フッ化カリウム、厚さ1nm)/電子輸送層(アルミニウムキノレート(Alq)、厚さ20nm)/発光層(DPVBi)、(厚さ30nm)/電子阻止層(BAlq、厚さ10nm)/正孔注入・正孔輸送層(α−NPD(4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル)、厚さ20nm)を、この順に形成し、陽極として、厚さ100nmのITO層をスパッタ法により形成した。
Figure 2019036517
<塗布液の調製>
(ポリシラザン塗布液1の調製)
パーヒドロポリシラザン(PHPS)20質量%のジブチルエーテル(DBE)溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、NN120−20)を、含水量が50ppmのジブチルエーテル(DBE)でパーヒドロポリシラザン濃度が10質量%になるように希釈後、1時間撹拌することで、本発明のポリシラザン塗布液1を調製した。
含水量の調整は、上記含水量に応じて、湿度50〜80%環境下に一定時間暴露することで調整した。
含水量は、カールフィッシャー水分測定装置を用いたカールフィッシャー滴定法により求めた。
(ポリシラザン塗布液2の調製)
ポリシラザン塗布液1の調製において、含水量が100ppmのジブチルエーテルを希釈溶媒として用いた以外は、ポリシラザン塗布液1と同様にして、ポリシラザン塗布液2を調製した。
(ポリシラザン塗布液3の調製)
ポリシラザン塗布液1の調製において、含水量が10ppmの脱水ジブチルエーテルを希釈溶媒として用い、かつ、酸化剤として、エタノール(EtOH)を塗布液に対して1質量%になるように添加した以外は、ポリシラザン塗布液1と同様にして、ポリシラザン塗布液3を調製した。
(ポリシラザン塗布液4の調製)
ポリシラザン塗布液3の調製において、酸化剤として、エチレングリコールモノフェニルエーテル(EGMPE)を用い、塗布液に対して2.5質量%になるように添加した以外は、ポリシラザン塗布液3と同様にして、ポリシラザン塗布液4を調製した。
(ポリシラザン塗布液5の調製)
ポリシラザン塗布液3の調製において、エタノール(EtOH)を塗布液に対して8質量%になるように添加した以外は、ポリシラザン塗布液3と同様にして、ポリシラザン塗布液5を調製した。
(ポリシラザン塗布液6の調製)
ポリシラザン塗布液4の調製において、含水量が50ppmのジエチレングリコール
ジブチルエーテル(DEGDBE)を揮発性増粘剤を兼ねた希釈溶媒として用いた以外は
、ポリシラザン塗布液4と同様にして、ポリシラザン塗布液6を調製した。
(ポリシラザン塗布液7の調製)
ポリシラザン塗布液1の調製において、含水量が50ppmのジエチレングリコールジブチルエーテル(DEGDBE)を揮発性増粘剤を兼ねた希釈溶媒として用いた以外は、ポリシラザン塗布液1と同様にして、ポリシラザン塗布液7を調製した。
(ポリシラザン塗布液8の調製)
ポリシラザン塗布液1の調製において、GPC(Gel Permeation Chromatography ゲル
浸透クロマトグラフィー)ポリスチレン換算から求めたポリシラザンの重量平均分子量が
30000であるポリシラザンの20質量%ジブチルエーテル溶液を用いた以外は、ポリシラザン塗布液1と同様にして、ポリシラザン塗布液8を調製した。
(ポリシラザン塗布液9の調製)
ポリシラザン塗布液1の調製において、含水量が10ppmの脱水ジブチルエーテルを
希釈溶媒として用いた以外は、ポリシラザン塗布液1と同様にして、ポリシラザン塗布液
9を調製した。
(ポリシラザン塗布液10の調製)
ポリシラザン塗布液3の調製において、エタノール(EtOH)を塗布液に対して10質量%になるように添加した以外は、ポリシラザン塗布液3と同様にして、ポリシラザン塗布液10を調製した。
なお、調製した各塗布液について、上述した塗布液の原子組成比の値(O/Si)の算出方法を用いて原子組成比の値を算出し、下記表Iに示した。各塗布液は調液後、グローブボックス内で一晩放置してから用いた。
<ポリシラザン封止膜の形成>
作製した有機EL素子上に、調製したポリシラザン塗布液1〜10を用いて、それぞれ封止膜1〜10を形成した。
各有機EL素子において、30mm×30mmの発光領域が全て覆われるように、36mm×36mmの範囲にポリシラザン塗布液を下記の方法にて塗布することで、ポリシラザン封止膜を形成した。
具体的には、まず、ポリシラザン塗布液が塗布される領域以外の部分をマスクし、グローブボックス内の窒素雰囲気下にて、スピンコート法により各塗布液を孔径0.2μmメンブランフィルターにて濾過後、乾燥膜厚が300nmとなるように塗布し、80℃で1分間乾燥することで、ポリシラザン乾燥膜を形成した。各塗布液は調液後、グローブボックス内で一晩放置してから用いた。
引き続き、同窒素雰囲気下にて、下記のようにポリシラザン乾燥膜に真空紫外線を照射することで、ポリシラザンが改質されたポリシラザン封止膜を形成した。
具体的には、波長172nmのXeエキシマランプを用いて、照射エネルギー5.0J/cmの条件で真空紫外線照射処理を行った。真空紫外線照射中、試料を設置するステージ温度を80℃とした。
[有機EL素子の封止性能評価]
<有機EL素子評価用サンプルの作製>
(保護フィルムの貼合)
ガスバリアーフィルム基材の2μmのクリアハードコート層を形成した側の面に、接着層を形成し、保護フィルムとした。保護フィルムのサイズは、有機EL素子と貼合した際に電極接点部分を覆わないサイズとした。
封止膜を形成した有機EL素子をグローブボックス内に取り出し、事前にグローブボックス内で乾燥させておいた保護フィルムを、接着層面と、有機EL素子の封止膜面とが接するように配置し、真空ラミネートにより接着した。このようにして、有機EL素子評価用サンプルを得た。
<評価>
上記評価用サンプルを、直径75mmの金属製ローラーの周囲に巻き付かせて、高温高湿下(温度85℃、相対湿度85%)の恒温恒湿槽に放置し加速劣化試験(「加速試験」ともいう。)を行った。一定時間ごとに恒温恒湿槽から各有機EL素子を取り出して室温下で発光させ、85℃85%での加速劣化時のダークスポット(DS)の有無を確認した。この作業を、発光領域内におけるダークスポット面積比率が1%に到達するまで続け、恒温恒湿槽に放置してからダークスポット面積比率が1%に到達するまでの時間を、封止性能として評価した。到達時間が長いほど、封止性能が高いことを示している。
・評価基準
ランク4:500時間経過でダークスポット面積比率が1%に到達
ランク3:100時間経過でダークスポット面積比率が1%に到達
ランク2:20時間経過でダークスポット面積比率が1%に到達
ランク1:開始数時間でダークスポット面積比率が1%に到達
Figure 2019036517
表Iに示す結果より、本発明の封止膜を用いた有機EL素子は、比較例の封止膜を用いた有機EL素子に比べて、ダークスポットの発生が少ないことが認められる。
[塗布液のインクジェット吐出性評価]
上記で調製した各ポリシラザン塗布液をインクジェットで吐出し、その吐出性を確認し
た。各塗布液は調液後、グローブボックス内で一晩放置した後、孔径0.2μmメンブラ
ンフィルターにて濾過してから用いた。本発明の塗布液は、いずれもインクジェットにて
吐出することができた。特に、粘度を1〜20mPa/spに調整した塗布液1〜2及び
塗布液6〜8は、吐出位置、塗布膜の大きさ及び形状の点で安定して吐出することができた。

Claims (11)

  1. ポリシラザンを含有する塗布液であって、
    前記ポリシラザンと、前記ポリシラザンの一部に酸素原子が導入され、シリコン(Si)原子に対する酸素(O)原子の原子組成比の値(O/Si)が、0.01〜1の範囲内である酸化ポリシラザンと、を含有することを特徴とする塗布液。
  2. 前記原子組成比の値(O/Si)が、0.05〜0.5の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の塗布液。
  3. 粘度が、20℃において1〜20mPa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布液。
  4. 揮発性増粘剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の塗布液。
  5. 重量平均分子量Mwが3000以上の、ポリシラザン又は酸化ポリシラザンを、全ポリシラザンに対して、50質量%以上含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の塗布液。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の塗布液を用いたことを特徴とするインクジェット用インク。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の塗布液の膜を改質処理してなることを特徴とする封止膜。
  8. 請求項7に記載の封止膜を形成する封止膜の形成方法であって、
    前記塗布液の膜を形成する工程を有することを特徴とする封止膜の形成方法。
  9. 前記塗布液の膜を形成する工程は、窒素雰囲気下にて行うことを特徴とする請求項8に記載の封止膜の形成方法。
  10. 前記塗布液の膜を形成する工程後、形成された前記塗布液の膜を、窒素雰囲気下にて真空紫外線照射して改質処理する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の封止膜の形成方法。
  11. 前記塗布液の膜を形成する工程が、インクジェット法を用いて行うことを特徴とする請求項8から請求項10までのいずれか一項に記載の封止膜の形成方法。
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