JP2019035328A - エンジンのクランク角検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンのトルク変動に起因する駆動系の捩り振動を低減しつつ、クランク軸の回転状態の誤検出を回避することができるエンジンのクランク角検出装置を提供する。【解決手段】エンジン1に起因した振動の発生を抑制可能なダンパ機構Dと、クランクシャフト3の回転状態を検出する回転角度センサ5と、回転角度センサ5の回転時間Tに基づき角速度ωを補正する補正部13と、ダンパ機構Dによる共振を誘発する運転状態を判定する運転状態判定部12と、回転角度センサ5の回転時間Tを学習する学習部11とを有し、補正部13は、運転状態判定部12によって共振誘発状態が判定されたとき、角速度ωの補正を制限する。【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンのクランク角検出装置に関し、特にエンジンに起因した振動の発生を抑制可能なダンパ手段を備えたエンジンのクランク角検出装置に関する。
従来より、エンジンの気筒内燃焼室で失火が発生した場合、爆発行程の回転角速度が低下するため、各気筒の爆発行程毎の回転角速度変動を監視し、この回転角速度変動を所定の失火判定値と比較して各気筒の失火の有無を判定している。
一般に、回転角速度は、エンジンの出力軸であるクランクシャフトに取り付けられたクランクトリガプレートと、このクランクトリガプレートの外周に所定数設けられた被検出部である歯と、クランクトリガプレートに近接して設けられた回転角(クランク角)センサとから構成されたクランク角検出機構によって検出される。
回転角速度変動は、各気筒間の燃焼状態に係るばらつきに加え、回転角センサの取付誤差や歯の経年変化等の機械的なばらつきに起因しても発生することから、エンジンが正常に点火されているにも拘らず、失火していると誤判定される状況が生じることがある。
そこで、失火検出の間、クランクトリガプレートの歯間の回転角度の検出値を学習し、この検出値によって設定された公差に基づきクランクシャフトの回転角速度を補正し、エンジンの失火判定が行われている。回転角センサの検出値によって学習された公差を用いることにより、機械的なばらつきを排除できるからである。
特許文献1の多気筒内燃機関の失火診断装置は、回転角センサと、この回転角センサの検出値に基づき周期を計測する周期計測手段と、計測された周期に基づいて失火の有無を判定する失火判定手段と、減速燃料カット中においてエンジン回転数が安定減少変化を示す運転状態のとき、周期の補正値を学習する補正値学習手段とを有し、学習された補正値に基づいて補正された周期を用いて失火判定を行っている。
これにより、減速燃料カット中に失火判定を行うことで、燃焼状態に係るばらつきを排除し、周期的変化を学習することで、機械的なばらつきを排除している。
ところで、車両に搭載される自動変速機構や手動変速機構等の動力伝達機構では、エンジンのトルク変動に起因する駆動系の捩り振動を低減させるため、振動を減衰させる動吸振器としてダンパ機構が使用に供されている。
図7(a)に示すように、ロックアップクラッチの締結時に回転方向に撓んで駆動源による振動を低減するダンパ機構は、ロックアップクラッチの外周側において周方向に等間隔に配設された複数のダンパスプリング51によって構成されている。
これらのダンパスプリング51は、クラッチドラムから径方向外側に延びるスプリング受け部材52の受け部52aによって周方向一端部が当接状に支持され、タービンハブに連結され且つダンパスプリングの外周部を保持するスプリング保持プレート53の受け部53aによって周方向他端部が当接状に支持されている。
これにより、エンジンからトルクが伝達されたとき、ダンパスプリング51が撓み、スプリング受け部材52が回転方向に回動する(図7(b)参照)。さらに、遠心力により外周方向に押し付けられることでダンパスプリング51が張り付く。
特許2943045号公報
特許文献1の多気筒内燃機関の失火診断装置のように、周期的に学習された補正値(公差)に基づいて補正された周期を用いて失火判定を行う失火診断装置を備えたエンジンであっても、エンジンのトルク変動を抑制するために振動の発生を抑制するダンパ手段を搭載した場合、ダンパ手段自体の構造的要因により特定周波数の振動が発生し、エンジンの失火が誤検出される虞がある。
本発明者が検討した結果、減速燃料カット開始前において高負荷状態で運転された場合、ダンパスプリング51に作用する遠心力の影響によって、スプリング保持プレート53に保持されたダンパスプリング51の撓み速度がクラッチドラムの回転速度よりも速くなること、これにより、ダンパスプリング51の周方向一端部とスプリング受け部材52の受け部52aとが一旦離間した後ダンパスプリング51が外周方向に押し付けられる。
その状態から燃料カットが開始されると、エンジントルクが低下することからダンパスプリング51が離間した状態から復帰してダンパスプリング51の周方向一端部とスプリング受け部材52とが衝突して、所謂周期的移動現象が生じること(図7(c)参照)、更に、この周期的移動現象によりダンパスプリング51周辺の構成要素が共振する共振状態が生じることを知見した。
つまり、減速燃料カット開始前に高負荷状態で運転されるとダンパスプリング51がスプリング受け部材52から離間して外周側に張り付く共振誘発状態となり、そこから減速燃料カットが開始されると、共振が発生することになる。
そして、共振が発生すると、減速燃料カット中にクランク角の公差学習を誤学習してしまうため、その公差学習を使用して失火を検出すると、エンジンの失火が誤検出されることが判明した。
本発明の目的は、クランク軸の回転状態の誤検出を回避可能なエンジンのクランク角検出装置等を提供することである。
請求項1のエンジンのクランク角検出装置は、エンジンに起因した振動の発生を抑制可能なダンパ手段と、クランク軸の回転状態を検出する回転状態検出手段と、前記回転状態検出手段の検出値に基づき回転状態に関する状態制御値を補正する補正手段とを備えたエンジンのクランク角検出装置において、前記ダンパ手段による共振を誘発する運転状態を判定する運転状態判定手段を有し、前記補正手段は、前記運転状態判定手段によって共振誘発状態が判定されたとき、前記状態制御値の補正を制限することを特徴としている。
このエンジンのクランク角検出装置では、前記ダンパ手段による共振を誘発する運転状態を判定する運転状態判定手段を有しているため、周期的移動現象によりダンパスプリング周辺の構成要素が共振する共振誘発状態を判定することができる。
補正手段は、前記運転状態判定手段によって共振誘発状態が判定されたとき、前記状態制御値の補正を制限するため、ダンパ手段自体の構造的要因に起因した回転状態の誤検出を回避することができ、精度の良い状態制御値の補正を行うことができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記回転状態検出手段の検出値を学習する学習手段を有し、前記補正手段は、前記検出値により設定された公差に基づき状態制御値を補正することを特徴としている。
この構成によれば、ダンパ手段自体の構造的要因に起因した回転状態の誤学習を回避することができる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記補正手段は、減速燃料カット中において前記状態制御値の補正を実行すると共に、減速燃料カット開始前においてエンジン負荷が所定値以上のとき、前記共振誘発状態が判定されたと見做して前記学習を制限することを特徴としている。
この構成によれば、エンジンから伝達される出力トルクが小さい減速燃料カット中において、燃焼状態に係るばらつきを排除しつつ構造的要因に起因した回転状態の誤学習を回避することができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記補正手段は、減速燃料カット開始前にエンジン負荷の所定値以上の状態が検出された後で且つエンジン回転数が設定値未満のとき、前記共振誘発状態が解除されたと見做して前記学習の制限を解除することを特徴としている。
この構成によれば、共振誘発状態が解除された状態において公差に基づく状態制御値の補正を行うことができる。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記補正手段は、減速燃料カット実行条件が成立し且つ前記共振誘発状態以外の状態のとき、前記状態制御値の補正を行うことを特徴としている。
この構成によれば、減速燃料カット中において、燃焼状態に係るばらつきを排除しつつ精度の良い状態制御値の補正を行うことができる。
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、前記回転状態検出手段の検出値に基づきエンジンの失火を検出する失火検出手段を有し、前記失火検出手段は、前記補正手段による状態制御値の補正完了後、失火検出を実行することを特徴としている。
この構成によれば、クランク角公差後学習に伴うエンジンの失火誤検出を回避することが出来る。
本発明のエンジンのクランク角検出装置によれば、エンジンのトルク変動に起因する駆動系の捩り振動を低減しつつ、クランク軸の回転状態の誤検出を回避することができる。
実施例1に係るパワートレインの全体構成を示す部分断面図である。 ダンパ機構の斜視図である。 確定学習値設定に係るタイムチャートである。 所定の学習実行条件に係る領域グラフである。 別の学習実行条件に係るタイムチャートである。 学習値設定処理を示すフローチャートである。 ダンパ機構の要部拡大図であって、(a)は、初期状態、(b)は、正常時の作動状態、(c)は、周期的移動現象発生時の作動状態を示している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両のパワートレインに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例に係るパワートレインPは、内燃機関であるエンジン1と、流体伝動機構(自動変速機構)であるトルクコンバータ2と、エンジン1の制御及びエンジン1の失火判定を行うためのECU(Electric Control Unit)10等を備えている。
このエンジン1は、直列状に配置された第1〜第4気筒が形成されたガソリンエンジンであり、180°CA(クランクアングル)毎に、第1気筒、第3気筒、第4気筒、第2気筒の順に燃料供給と点火が行われるように設定されている。
まず、エンジン1について説明する。
エンジン1は、各気筒において、燃焼室(図示略)内に吸気を供給するための吸気弁(図示略)と、燃焼室に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁(図示略)と、空気と燃料の混合気に点火する点火プラグ(図示略)と、往復運動を行うピストン(図示略)と、このピストンの往復運動によって回転するクランクシャフト3(クランク軸)と、このクランクシャフト3を収納するクランクケース(図示略)と、燃焼室内で混合気の燃焼により発生した排気ガスを排気通路(図示略)へ排出する排気弁(図示略)等が夫々設けられている。
図1に示すように、エンジン1には、エンジン1のアクセル開度(スロットルバルブ開度)を検出する開度センサ4、クランクシャフト3の回転角度を含む回転状態を検出する回転角度センサ5(回転状態検出手段)、エンジン1の負荷に相当する出力トルクを検出するトルクセンサ6が設けられ、各センサの計測値はECU10に夫々出力されている。
クランクシャフト3にはクランクトリガプレート(図示略)が取り付けられ、このクランクトリガプレートの外周上の所定位置(例えば、BTDC102degとATDC78deg)に被検出部としての歯(図示略)が夫々設けられている。
回転角度センサ5は、クランクトリガプレートの歯に近接した位置に設置され、最初の検出タイミングから次の検出タイミングまでの経過時間(以下、回転時間という。)Tを検出している。この回転時間Tによって、エンジン1の回転数及び回転周期が夫々算出されている。
次に、トルクコンバータ2について説明する。
図1に示すように、トルクコンバータ2は、その全体がクランクボルトを介してクランクシャフト3に連結され、エンジン1によって駆動可能に構成されている。
トルクコンバータ2は、ポンプ21と、タービン22と、ステータ23と、ワンウエイクラッチ24と、ロックアップクラッチ25と、ダンパスプリング26,27と、これらの構成要素を収納したケース28と、ダンパ機構D(ダンパ手段)等を有し、このケース27内には動力伝達用流体であるオイルが充填されている。
ダンパスプリング26,27は、ロックアップクラッチ25の締結時に回転方向に撓んでエンジン1(クランクシャフト3)による振動を低減可能に構成されている。
図2に示すように、ダンパスプリング26,27は、周方向に等間隔に夫々複数配置され、各々が軸方向にオーバーラップして設けられている。
図1に示すように、ダンパスプリング26は、クラッチドラム29に一体形成されてクラッチドラム29から径方向外側に延びるスプリング受け部材30に設けられた受部30aに周方向一端部が当接状に支持され、ダンパスプリング26の外周を覆うスプリング保持プレート31に設けられた受部31aに周方向他端部が当接状に支持されている。
スプリング保持プレート31は、内周端部がリベットを介してタービンハブ32に連結され、スプリング受け部材30とダンパスプリング26を間に介して回転方向に弾性的に連結されている。これにより、ロックアップクラッチ25の締結時、クランクシャフト3の回転がロックアップクラッチ25を介してスプリング受け部材30に入力され、ダンパスプリング26を介してスプリング保持プレート31(タービンハブ32)に伝達される。
ダンパスプリング27は、スプリング保持プレート31の径方向中段部に設けられ、ダンパスプリング26よりも高い捩りばね剛性を備えている。これにより、捩り作動角度を広角化することができ、エンジン1のトルク変動に起因した駆動系の振動を減衰している。
それ故、ダンパスプリング26,27、スプリング受け部材30及びスプリング保持プレート31等がダンパ機構Dに相当している。
次に、ECU10について説明する。
ECU10は、回転角度センサ5の検出値に基づきクランクシャフト3の角速度ω(状態制御値)を演算し、この角速度ωの角速度変動に相当する角加速度Δωが失火判定閾値α以上の場合、エンジン1の失火を判定している。エンジン1の失火が判定されたとき、例えば、乗員に対する報知(警告灯点灯或いはワーニング)、失火対象気筒への燃料供給停止等が行われている。
ECU10は、CPU(Central Processing Unit)と、ROMと、RAMと、イン側インタフェースと、アウト側インタフェース等によって構成されている。
図1に示すように、ECU10は、学習部11(学習手段)と、運転状態判定部12(運転状態判定手段)と、補正部13(補正手段)と、失火検出部14(失火検出手段)等を備えている。
まず、学習部11について説明する。
学習部11は、回転角度センサ5により検出された回転時間Tを用いてクランク角検出機構の公差に相当する周期比rを演算し、学習実行条件が成立した際、確定された周期比rを確定学習値Rに設定している。前回の回転時間をTn−1、今回の回転時間をTn(2≦n)としたとき、周期比rは、次式(1)によって演算される。
r=Tn−1/Tn …(1)
尚、この周期比rは、学習実行条件の成立の有無に拘らず演算されている。
学習実行条件は、以下の7条件である。
(1)減速燃料カット後、所定点火数中経過のこと
(2)ブレーキペダルがオフ操作であること(ブレーキスイッチ・オフ)
(3)周期比rの変動が小さいこと
(4)エンジン1の回転数が所定範囲内にあること
(5)車速が所定範囲内にあること
(6)吸入空気量充填効率が所定範囲内にあること
(7)学習禁止フラグFが0であること
これらの条件の内、何れかの条件が成立しない場合、学習は禁止される。
クランクシャフト3の回転変動が大きな領域は、基本的に上記(3)の条件で除外されるものの、それでも何らかの要因で発生する周期比rのノイズを除去するため、学習部11では、周期比rの生値を1次フィルタf1でノイズ除去して暫定学習値f2を演算する。
また、ノイズが除去されても、周期比rが学習値の真値に収束していない場合があるため、学習部11では、安定判定処理を行っている。
安定判定処理では、暫定学習値f2と4サイクル(例えば、2sec)が1セットの加重平均値とが所定期間の間で且つ所定範囲内に収まること、減速燃料カット中継続して学習値を取得して加重平均化処理すること、収束除外条件が成立したこと(加重平均値が一様に漸増又は漸減する、或いは変動幅が所定閾値以上等)を条件として学習の完了可否を判断している。
図3に示すように、学習実行条件が成立した時刻t0からノイズ除去処理が開始され、時刻t1から安定判定処理が開始される。安定判定処理では、時刻t1から時刻t2までがサンプリングのためのサンプルディレイ期間であり、時刻t2から時刻t3までが実際のサンプリング期間である。
学習部11は、周期比rと暫定学習値f2の一致状況を2回(r1,r2)判定し、2回目の一致点r2に相当する周期比rを確定学習値Rに設定している。
上記(4)の条件は、エンジン1の構造上、共振が発生しない非共振領域を回転数によって予め設定している。
図4に示すように、非共振領域は、エンジン回転数と角速度変動一次成分とで規定される運転領域によって設定することができる。本実施例では、エンジン回転数が、例えば、1600〜1800rpm、2900rpm以上の運転領域を非共振領域、所謂学習実行可能領域としている。
次に、運転状態判定部12について説明する。
運転状態判定部12は、エンジン1の運転状態に基づき、例えば、所定のエンジン回転数以上で且つ減速運転状態のとき、減速燃料カット実行領域であることを判定している。
また、この運転状態判定部12は、エンジン1の運転状態に基づき、共振誘発状態を判定し、学習禁止フラグFを1に設定している。
ダンパスプリング26に遠心力が作用する運転領域では、減速燃料カット開始前に高負荷状態で運転されるとダンパスプリング26がスプリング受け部材30の受け部30aから離間して外周側に張り付く共振誘発状態となり、そこから減速燃料カットが開始されると、ダンパスプリング26の周方向一端部とスプリング受け部材30の受け部30aが衝突する周期的移動現象が生じることがあり、この周期的移動現象は共振状態を発生させる。
そして、共振が発生すると、減速燃料カット中にクランク角の公差学習を誤学習してしまうため、その公差学習を使用して失火を検出すると、エンジンの失火が誤検出される。
そこで、共振誘発状態が判定された場合、運転状態判定部12が学習禁止フラグFを1に設定することにより、周期比rの学習(確定学習値Rの演算)を制限している。
具体的には、図5に示すように、時刻ta以前の減速燃料カット中、エンジン負荷が学習禁止負荷β未満のとき、学習禁止フラグFは0に設定される。
減速燃料カット停止中、換言すれば、次の減速燃料カット開始前においてエンジン負荷が学習禁止負荷β(例えば、100Nm)以上のとき(時刻tb)、学習禁止フラグFは1に設定される。エンジン負荷が学習禁止負荷β以上の場合、ダンパスプリング26に作用する遠心力の影響により共振誘発状態が発生し、その後の燃料カット状態時にクランクシャフト3の1次振動が生じるためである。
減速燃料カット開始前に学習禁止負荷β以上のエンジン負荷が検出された後で且つエンジン回転数が学習禁止解除回転γ(例えば、1300rpm)未満のとき(時刻tc)、学習禁止フラグFは0に設定される。エンジン回転数が学習禁止解除回転γ未満の場合、ダンパスプリング26に作用する遠心力の影響が小さくなり、共振誘発状態が解消されるためである。尚、学習禁止解除回転γは、共振が発生しない非共振領域(図4参照)以外の領域、本実施例では、非共振領域の最小値未満に設定されている。
減速燃料カット停止中において、エンジン負荷が学習禁止負荷β以上のとき(時刻td)、学習禁止フラグFは1に設定される。
その後、減速燃料カット実行条件が成立しても(時刻te)、共振誘発状態が解消しない限り、学習禁止フラグFは1に維持されている。
次に、補正部13について説明する。
補正部13は、学習禁止フラグFが0のとき、エンジン1の失火判定に用いる角速度ωの補正を実行し、学習禁止フラグFが1のとき、角速度ωの補正を制限している。
この補正部13は、学習禁止フラグFが0のとき、共振誘発状態が解消されたと見做し、学習禁止フラグFが1のとき、共振誘発状態が判定されたと見做すことで、補正の実行可否を判断している。
補正部13は、回転時間T、確定学習値Rとしたとき、次式(2)によって角速度ω(deg/sec)を演算している。
ω=1000×180/T×R …(2)
尚、この確定学習値Rは、エンジン1の失火判定用角速度ωを演算するときのみ使用され、失火判定用角速度ωの演算以外では使用されない。
次に、失火検出部14について説明する。
失火検出部14は、クランクシャフト3の角速度ωの単位時間当りの変動量、所謂角加速度Δωを算出し、この算出された角加速度Δωが失火判定閾値α以上の場合、エンジン1の失火を判定している。
次に、図6のフローチャートに基づいて、学習値設定処理内容について説明する。
尚、Si(i=1,2…)は、各処理のためのステップを示している。
図6のフローチャートに示すように、まず、S1にて、各センサ4〜6の出力及び各種情報を読み込み、S2に移行する。
S2では、回転角度センサ5の出力に基づき回転時間Tを演算して、S3に移行する。
S3では、前回の回転時間Tと今回の回転時間Tを用いて周期比rを演算して、S4に移行する。
S4では、学習実行条件が成立したか否か判定する。
前述した(1)〜(7)の学習実行条件が成立したか否か判定する。尚、回転数変動が少ない場合、(4)〜(6)の条件を省略しても良い。
S4の判定の結果、7つの学習実行条件が成立した場合、S5に移行し、7つの学習実行条件の何れかが成立していない場合、S2にリターンする。
S5では、周期比rのノイズ除去処理を実行した後、安定判定処理を実行し(S6)、S7に移行する。
S7では、安定判定されたか否か判定する。
S7の判定の結果、安定判定された場合、S8に移行し、安定判定されない場合、学習を完了させることなく終了する。
S8では、減速燃料カットが非実行か否か判定する。
S8の判定の結果、減速燃料カットが実行されていない場合、S9に移行する。
S8の判定の結果、減速燃料カットが実行されている場合、S6にリターンし、再度学習値を求めた上で加重平均化処理する。減速燃料カットが実行されている間、学習値は加重平均値にされている。
S9では、最終学習値である周期比rを確定学習値Rに設定し、終了する。
次に、上記エンジン1のクランク角検出装置の作用、効果について説明する。
本クランク角検出装置によれば、ダンパ機構Dによる共振を誘発する運転状態を判定する運転状態判定部12を有しているため、周期的移動現象によりダンパスプリング26周辺の構成要素が共振する共振誘発状態を判定することができる。
補正部13は、運転状態判定部12によって共振誘発状態が判定されたとき、角速度ωの補正を制限するため、ダンパ機構D自体の構造的要因に起因した回転状態の誤検出を回避することができ、精度の良い角速度ωの補正を行うことができる。
回転角度センサ5の回転時間Tを学習する学習部11を有し、補正部13は、回転時間Tにより設定された公差に相当する周期比rに基づき角速度ωを補正するため、ダンパ機構D自体の構造的要因に起因した回転状態の誤学習を回避することができる。
補正部13は、減速燃料カット中において角速度ωの補正を実行すると共に、減速燃料カット開始前においてエンジン負荷が学習禁止負荷β以上のとき、共振誘発状態が判定されたと見做して学習を制限するため、エンジン1から伝達される出力トルクが小さい減速燃料カット中において、燃焼状態に係るばらつきを排除しつつ構造的要因に起因した回転状態の誤学習を回避することができる。
補正部13は、減速燃料カット開始前にエンジン負荷の学習禁止負荷β以上の状態が検出された後で且つエンジン回転数が学習禁止解除回転γ未満のとき、共振誘発状態が解除されたと見做して学習の制限を解除するため、共振誘発状態が解除された状態において周期比rに基づく角速度ωの補正を行うことができる。
補正部13は、減速燃料カット実行条件が成立し且つ共振誘発状態以外の状態のとき、角速度ωの補正を行うため、減速燃料カット中において、燃焼状態に係るばらつきを排除しつつ精度の良い角速度ωの補正を行うことができる。
回転角度センサ5の回転時間Tに基づきエンジン1の失火を検出する失火検出部14を有し、失火検出部14は、補正部13による角速度ωの補正完了後、失火検出を実行するため、エンジン1の失火誤検出を回避することが出来る。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、ダンパ機構付自動変速機構を備えたエンジンの例を説明したが、ダンパ機構付手動変速機構を備えたエンジンに適用しても良く、パワートレインの動力伝達機構の種類や型式に関わりなく適用可能である。
2〕前記実施形態においては、大径のダンパスプリングと小径のダンパスプリングとの2種類のダンパスプリングを備えたダンパ機構の例を説明したが、少なくとも、ダンパスプリングとスプリング受け部材による周期的移動現象が生じるダンパ機構であれば良く、ダンパ機構の種類や型式に関わりなく適用可能である。例えば、大径のダンパスプリングのみを備えたダンパ機構や、2種類の同径のダンパスプリングであって、一方のダンパスプリング内に他方のダンパスプリングが収容されたダンパ機構であっても良い。
3〕前記実施形態においては、補正される状態制御値が角速度である例を説明したが、少なくとも、回転状態に関する状態制御値であれば良く、角加速度、回転周期、周期比等種々の状態制御値に適用することができる。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1 エンジン
3 クランクシャフト
5 回転角度センサ
11 学習部
12 運転状態判定部
13 補正部
14 失火判定部
D ダンパ機構

Claims (6)

  1. エンジンに起因した振動の発生を抑制可能なダンパ手段と、クランク軸の回転状態を検出する回転状態検出手段と、前記回転状態検出手段の検出値に基づき回転状態に関する状態制御値を補正する補正手段とを備えたエンジンのクランク角検出装置において、
    前記ダンパ手段による共振を誘発する運転状態を判定する運転状態判定手段を有し、
    前記補正手段は、前記運転状態判定手段によって共振誘発状態が判定されたとき、前記状態制御値の補正を制限することを特徴とするエンジンのクランク角検出装置。
  2. 前記回転状態検出手段の検出値を学習する学習手段を有し、
    前記補正手段は、前記検出値により設定された公差に基づき状態制御値を補正することを特徴とする請求項1に記載のエンジンのクランク角検出装置。
  3. 前記補正手段は、減速燃料カット中において前記状態制御値の補正を実行すると共に、減速燃料カット開始前においてエンジン負荷が所定値以上のとき、前記共振誘発状態が判定されたと見做して前記学習を制限することを特徴とする請求項2に記載のエンジンのクランク角検出装置。
  4. 前記補正手段は、減速燃料カット開始前にエンジン負荷の所定値以上の状態が検出された後で且つエンジン回転数が設定値未満のとき、前記共振誘発状態が解除されたと見做して前記学習の制限を解除することを特徴とする請求項3に記載のエンジンのクランク角検出装置。
  5. 前記補正手段は、減速燃料カット実行条件が成立し且つ前記共振誘発状態以外の状態のとき、前記状態制御値の補正を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジンのクランク角検出装置。
  6. 前記回転状態検出手段の検出値に基づきエンジンの失火を検出する失火検出手段を有し、
    前記失火検出手段は、前記補正手段による状態制御値の補正完了後、失火検出を実行することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のエンジンのクランク角検出装置。
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