JP2017223117A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】DMF7のようなねじれ要素を介して後段の変速機9などに接続されるエンジン1において、そのDMF7などの共振に起因して、失火の影響がエンジン回転数NEの変動に現れ難くなっていても、失火検出精度の低下を抑制する。
【解決手段】クランクシャフト15への負荷を調整可能な負荷調整手段として、例えばスタータモータ75を備え、エンジン1の回転変動に基づいて失火を判定する(ステップST3〜ST6:判定手段)。エンジン回転数NEが、DMF7などの共振が励起される所定範囲(NE1〜NE2)内にあるときに失火を判定する場合(ステップST2でYES)、負荷調整手段によってクランクシャフト15の回転負荷を増大させる(ステップST7:負荷増大制御手段)。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の出力軸の回転変動に基づいて失火を検出するようにした失火検出装置に関する。
従来より、この種の内燃機関の失火検出装置としては、例えばレシプロエンジンの間欠的な燃焼に起因する回転変動をクランク角センサからの信号によって算出し、これが所定の閾値以上であれば、失火が起きていると判定するものが知られている。また、特許文献1には、内燃機関の出力軸がダンパのようなねじれ要素を介して後段の変速機などに接続されている場合に、そのダンパを含めた変速機全体が共振し、失火の判定が困難になることが開示されている。
このようにダンパなどの共振によって失火の判定が困難になることに対して、特許文献1に記載の失火判定装置では、機関回転数などによって判定される内燃機関の運転状態が前記共振の起きる所定の状態(同文献では共振領域)に属しているときには、クランク角センサの信号からハイパスフィルタによって低周波成分をカットした上で、回転変動について判定するようにしている。これは、1気筒の失火に起因する回転変動が機関回転数の半分程度の周波数になるという知見に基づいている。
特許第4849072号公報
しかしながら、前記のようにねじれ要素などの共振に起因して、そもそも失火の影響が内燃機関の回転変動に現れ難くなっているとすれば、従来例のようにフィルタ処理などの後処理を施したとしても、十分な検出精度を得ることは難しいと考えられる。すなわち、失火の判定基準を緩めに設定すれば、失火と誤検出するおそれがある一方、失火の判定基準を厳しく設定すれば、失火を見逃すおそれがある。
かかる点に鑑みて本発明の目的は、後段(被駆動側)にダンパのようなねじれ要素が介在される内燃機関において、その共振に起因して失火の影響が機関回転数の変動に現れ難くなっていても、このことによる失火検出精度の低下を抑制することにある。
前記の目的を達成するために本発明では、ねじれ要素などの共振が励起されるような機関回転数において失火を判定する場合は、敢えて回転変動を増大させるようにした。
すなわち、本発明は、出力軸がねじれ要素を介して後段に接続される内燃機関の失火を検出するための装置(内燃機関の失火検出装置)であって、前記出力軸の回転変動に基づいて失火を判定する判定手段を備えている。そして、前記出力軸へかかる負荷を調整可能な負荷調整手段と、機関回転数が、前記ねじれ要素を含む後段の共振が励起される所定範囲内にあるときに前記判定手段によって失火を判定する場合は、前記負荷調整手段によって出力軸への負荷を増大させる負荷増大制御手段と、を備えるものとする。
前記の構成により、内燃機関の運転中に機関回転数が前記所定範囲外にあるときには、従来までと同様に例えばクランク角センサからの信号によって出力軸の回転変動の大きさを検出し、これが所定の閾値以上であれば失火が起きていると判定することができる。一方、機関回転数が前記所定範囲内にあって、ねじれ要素を含む後段の共振が励起されるときには、そのことによって機関回転数の変動に失火の影響が現れ難くなる。
これに対し、機関回転数が前記所定範囲内にあるときには負荷増大制御手段による負荷調整手段の制御が行われ、出力軸への負荷が増大するので、失火によって出力軸への回転力の付与が途切れている間の回転落ちが大きくなる。よって、前記のようにねじれ要素などの共振によって失火の影響が回転変動に現れ難くなっていても、その回転変動自体を大きくすることによって、より確実に失火を判定することができる。
つまり、失火の影響が機関回転数の変動に現れ難くなっていても、失火の判定基準を緩めたり、厳しくしたりする必要はなく、そのことによって失火と誤検出したり、失火を見逃したりする心配はないから、失火について十分な検出精度を得ることができる。
なお、前記のように機関回転数が所定範囲内にあるときに、負荷調整手段によって出力軸への負荷をどの程度、増大させるかは予め実験やシミュレーションによって設定しておくのが好ましい。負荷を或る程度以上、増大させなければ十分な効果が得られない一方、負荷を増大させ過ぎれば燃費の悪化を招くとともに、内燃機関の振動、騒音などの増大を招くからである。
この点から前記出力軸へ加える負荷を、例えば機関出力トルクに応じて変更するようにしてもよい。そうして負荷を加える負荷調整手段としてはオルタネータや空調装置のコンプレッサなどの補機も考えられるが、制御性の点からスタータモータなどの電動機を利用するのが好ましく、ハイブリッド車両であればモータジェネレータを利用することがより好ましい。
以上、説明したように本発明に係る内燃機関の失火検出装置によると、内燃機関の出力軸が後段(被駆動側)にねじれ要素を介して接続されている場合に、そのねじれ要素などの共振が励起される機関回転数において失火を判定する場合は、敢えて回転変動を増大させるようにしたので、その共振に起因して失火の影響が機関回転数の変動に現れ難くなっていても、このことによる検出精度の低下を抑制し、十分な失火検出精度を得ることができる。
実施の形態に係るエンジンの全体的な構成を示す説明図である。 図1のエンジンの1気筒のみを示す概略構成図である。 エンジンの間欠的な燃焼による回転変動を示すイメージ図である。 デュアルマスフライホイールの構造を模式的に示す説明図である。 失火判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン回転数と回転変動との相関の一例を示すグラフ図であり、(a)は、負荷増大制御を行わない場合を、また、(b)は負荷増大制御を行う場合を、それぞれ示す。
以下、一例として車両に搭載された4気筒ガソリンエンジン1(内燃機関)に本発明を適用した実施の形態について説明する。図1に示すように第1〜第4の4つの気筒#1〜#4は一列に並んで設けられ、それぞれにピストン1c(図2を参照)が収容されている。また、図2に表れているようにピストン1cとクランクシャフト15とはコンロッド16によって連結され、そのクランクシャフト15の回転角(クランク角:CA)を検出するためのクランク角センサ31が、シリンダブロック1aの下部に配設されている。
このクランク角センサ31は例えば電磁ピックアップからなり、クランクシャフト15の端部に取り付けられたシグナルロータ17の歯17aが通過するときに、パルス状のクランク信号を出力する。シグナルロータ17の歯17aは例えば10°CA間隔で設けられていて、そのうちの2枚分が欠落した欠歯部17bを有しており、例えば第1気筒#1および第4気筒#4の上死点前(TDC前)の所定のクランク角位置において、欠歯部17bがクランク角センサ31の付近を通過する。そして、このときにクランク信号が途絶えることが欠歯信号として認識される。
図2に表れているようにシリンダブロック1aの上にはシリンダヘッド1bが組み付けられており、各気筒#1〜#4毎に点火プラグ3が配設され、イグナイタ4から電力の供給を受けるようになっている。また、シリンダヘッド1bには、各気筒#1〜#4内の燃焼室1dに連通するように吸気ポート11aおよび排気ポート12aが形成されており、それぞれの開口部が吸気バルブ13および排気バルブ14によって開閉されるようになっている。
そうして吸気バルブ13および排気バルブ14を動作させる動弁系は、吸気および排気の2本のカムシャフト21,22を備え、図示しないタイミングチェーンおよびスプロケットを介して、クランクシャフト15により回転されるようになっている。また、吸気カムシャフト21の回転角(位置)を検出するために、電磁ピックアップからなるカム角センサ32が配設されており、吸気カムシャフト21に取り付けられたロータ(図示せず)の回転に伴いカム信号を出力する。
吸気カムシャフト21はクランクシャフト15の1/2の速度で回転するので、クランクシャフト15が2回転(クランク角で720°CA変化)する間に少なくとも1回、カム角センサ32からカム信号が出力される。例えばカム角センサ32は、第1気筒#1が圧縮上死点(圧縮TDC)に位置し、第4気筒#4が排気上死点(排気TDC)に位置するときに、カム信号を出力する。そして、このカム信号とクランク信号とによって、後述するように各気筒#1〜#4のクランク角位置が認識される。
また、各気筒#1〜#4内の燃焼室1dに吸気を供給するための吸気通路11は、前記の吸気ポート11aに連通する吸気マニホールド11bおよびサージタンク11cを備えている。この吸気通路11における上流側(吸気の流れの上流側)には、エアクリーナ33、エアフロメータ34、吸気温センサ35(エアフロメータ34に内蔵)、および電子制御式のスロットルバルブ5が配置されている。スロットルバルブ5はスロットルモータ6によって駆動され、その開度はスロットル開度センサ36によって検出される。
そして、各気筒#1〜#4毎に吸気ポート11aに燃料を噴射するようにインジェクタ2が配置され、デリバリパイプ20を介して図示しない燃料供給系から燃料が供給されるようになっている。このインジェクタ2から吸気ポート11aに噴射された燃料は、吸気と混じり合いながら各気筒#1〜#4の吸気行程で燃焼室1dに吸入されて、混合気を形成する。この混合気が圧縮行程で圧縮された後に、点火プラグ3により点火されて燃焼する。
これにより発生する燃焼ガスによって、各気筒#1〜#4の膨張行程においてピストン1cが押し下げられ、クランクシャフト15が回転される。本実施の形態では、図3に模式的に示すように第1気筒#1→第3気筒#3→第4気筒#4→第2気筒#2の順に、それぞれ吸気、圧縮、膨張および排気の4つの行程からなる1回の燃焼サイクルが行われる。これによりクランクシャフト15の回転速度は各気筒#1〜#4の膨張行程の前半において上昇し、後半において下降するというように周期的に変化する。
このような回転変動を減衰させるためにエンジン1のクランクシャフト15は、図1に表れているようにダンパ(ねじれ要素)としてのデュアルマスフライホイール7(以下、DMF7と略称する)を介して、後段(被駆動側)のクラッチ8や変速機9に接続されている。そして、エンジン1の出力は変速機9において変速された後に、図示しないプロペラシャフト、ディファレンシャルギヤ、ドライブシャフト等を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。
図4には模式的に示すようにDMF7は、クランクシャフト15に連結されるプライマリフライホイール71(一部のみ示す)と、クラッチ8に連結されるセカンダリフライホイール72と、これら2つのフライホイール71,72を連結する複数のコイルバネ73とを備えている。つまり、DMF7は、フライホイールを2分割にして、相対回動可能に弾性連結した構造のフライホイールダンパである。
プライマリフライホイール71は、その内周部がクランクシャフト15(図4には示さず)のフランジ部に取り付けられ、複数のボルト(図示せず)によって締結されている。また、プライマリフライホイール71の外周部にはリングギヤ71aが形成されており、エンジン1の始動の際にスタータモータ75のピニオン75aが噛み合って、クランクシャフト15を回転(クランキング)させるようになっている。
一方、セカンダリフライホイール72は、図示しないベアリングによってプライマリフライホイール71に対し相対回転可能に支持されている。このセカンダリフライホイール72には、図示しないリベットなどによってフランジ74が固定され、一体となって回転するようになっている。また、セカンダリフライホイール72の外周部は、図4には示さないクラッチ8の例えばクラッチカバーの外周部に重ね合わされて、複数のボルト(図示せず)によって締結されている。
そうしてプライマリフライホイール71およびセカンダリフライホイール72がコイルバネ73によって弾性的に連結されたDMF7では、それら2つのフライホイール71,72が相互に回動することによって、ねじれ振動系を構成する。このねじれ振動系は、クランクシャフト15に対しては、セカンダリフライホイール72およびクラッチ8や変速機9などを回転マスとするもので、その共振点はエンジン1のアイドル回転数よりも低回転側に設定されている。
なお、図1、2に表れているように、エンジン1の排気通路12における上流側(排気の流れの上流側)の部分は、前記の排気ポート12aと排気マニホールド12bとによって構成されており、その下流側には三元触媒10が配設されている。三元触媒10の上流側には、排気の空燃比に対して概ねリニアな出力特性を示す空燃比センサ(A/Fセンサ)37が配設されており、三元触媒10の下流側(排気流れの下流側)の排気通路12には、理論空燃比(ストイキ)近傍で出力値がステップ状に変化するO2センサ(酸素センサ)38が配設されている。
−ECU−
ECU(Electronic Control Unit)100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えた公知のものである。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて、種々の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶し、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時に保存すべきデータ等を記憶する。
ECU100には、前記のクランク角センサ31、カム角センサ32、エアフロメータ34、吸気温センサ35、スロットル開度センサ36、空燃比センサ37、O2センサ38などが接続されている。また、ECU100には、図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサも接続されている。さらに、ECU100には、前記のインジェクタ2、イグナイタ4、スロットルモータ6などが接続されている。
そして、ECU100は、前記各種センサ31,32,34〜38などからの信号に基づいてインジェクタ2の駆動制御(燃料噴射量の制御)、点火プラグ3による点火時期の制御、スロットルモータ6の駆動制御(吸気量の制御)などを含むエンジン1の各種制御を実行する。例えばECU100は、エンジン1への要求トルクに応じて吸気量を制御するとともに、各気筒#1〜#4毎の所定のクランク角位置でインジェクタ2により燃料を噴射させる。
そのような制御を行うためにECU100は、クランク信号およびカム信号に基づいて、各気筒#1〜#4毎のクランク角位置を認識する。すなわち、上述したようにクランク角センサ31からは、第1気筒#1および第4気筒#4の上死点前の所定クランク角位置で欠歯信号が入力する一方、カム角センサ32からは、第1気筒#1が圧縮上死点(圧縮TDC)に位置し、第4気筒#4が排気上死点(排気TDC)に位置するときにカム信号が入力する。
よって、前記欠歯信号の入力を判定してから所定期間内にカム信号が入力した場合は、第1気筒#1が圧縮TDCであると認識することができる。一方、欠歯信号の入力を判定してから所定期間内にカム信号が入力しない場合は、第4気筒#4が圧縮TDCであると認識することができる。そして、第1気筒#1または第4気筒#4の圧縮TDCを認識してからクランク信号をカウントすることにより、各気筒#1〜#4毎のクランク角位置を認識することができる。
さらに、ECU100は、エンジン1の回転変動に基づいて、失火が起きているか否か判定する。例えば、第4気筒#4においてインジェクタ2の故障が発生し、失火が起きた場合には、膨張行程においてピストン1cを押し下げる力が弱まることから、図3に破線で示すように第4気筒#4の膨張行程においてクランクシャフト15の回転速度が顕著に低下する。そこで、以下に説明するように各気筒#1〜#4毎の回転変動を示す値(回転変動値)を算出し、これが所定以上に大きな場合に失火が起きていると判定する。
−回転変動値の算出−
まず、前記のような失火の判定に用いる回転変動値について説明する。一例として本実施の形態では、エンジン1の膨張行程における所定回転角、例えば圧縮TDCからクランクシャフト15が30°CA回転するのに要した時間T30(回転速度に反比例:回転速度=30°CA/T30)を各気筒#1〜#4毎に算出し、その算出した時間T30の気筒間における差(時間差ΔT30)を、エンジン1の回転変動値ΔT30(回転変動を表す値)として算出する。
より具体的にECU100は、クランク信号およびカム信号に基づいて、第1気筒#1の膨張行程においてクランクシャフト15が圧縮TDCから30°CA回転するのに要する時間T30[#1]を算出する。そして、この算出した時間T30[#1]と、1回前に膨張行程を迎えていた第2気筒#2の膨張行程においてクランクシャフト15が圧縮TDCから30°CA回転するのに要した時間T30[#2]との差を求めることにより、第1気筒#1の回転変動値ΔT30[#1](=T30[#1]−T30[#2])を算出する。
同様にエンジン1の気筒#3、#4、#2の各膨張行程においてクランクシャフト15が圧縮TDCから30°CA回転するのに要した時間T30[#3]、時間T30[#4]、時間T30[#2]を順次、算出してゆく。そして、第3気筒の回転変動値ΔT30[#3](=T30[#3]−T30[#1])、第4気筒の回転変動値ΔT30[#4](=T30[#4]−T30[#3])、および、第2気筒の回転変動値ΔT30[#2](=T30[#2]−T30[#4])を順次、算出する。
なお、前記エンジン1の膨張行程における所定回転角は30°CA以外の値(例えば10°〜60CAの間で設定)としてもよい。また、エンジン1の回転変動値は他の方法で算出するようにしてもよい。
−基本的な失火判定の手順−
上述したように例えばインジェクタ2の故障等によって、いずれかの気筒#1〜#4において空燃比が大きくリッチまたはリーンにずれてしまい、当該気筒#1〜#4において失火が起きると、図3を参照して上述したように当該気筒#1〜#4の膨張行程においてクランクシャフト15の回転速度が顕著に低下することから、その回転変動値ΔT30が大きくなる。
そこで、本実施の形態では、第1から第4の気筒#1〜#4における回転変動値ΔT30に基づいて、いずれかの気筒#1〜#4において失火が起きていることを判定(検出)するようにしている。以下、失火判定の一例について図5のフローチャートを参照して具体的に説明する。なお、このルーチンは、各気筒#1〜#4毎の所定のクランク角位置(例えば圧縮TDCなど)において開始され、繰り返し実行される。
まず、図5のフローのスタート後のステップST1では、失火の判定を行う前提条件が成立しているか否か判定する。この前提条件としては例えば、エンジン1の暖機が終了していること、エンジン1がアイドル運転中もしくは定常運転中であって、エンジン回転数NEが急変していないこと、などが挙げられる。但し、失火判定の前提条件はこれらに限定されない。なお、エンジン回転数NEについては、一般的な手法によりクランク角センサ31からの信号に基づいて算出され、ECU100のRAMに記憶されている。
前記ステップST1の判定結果が否定判定(NO)であればルーチンを終了する(エンド)。一方、肯定判定(YES)であれば(前提条件成立)、ステップST2に進んで、エンジン回転数NEが、DMF7などの共振が励起されて失火を判定し難くなる所定の範囲(NE1〜NE2:図6を参照して後述する)内にあるか否か判定する。そして、所定範囲内にあると肯定判定(YES)すれば、後述のステップST7に進む。
一方、エンジン回転数NEが前記所定範囲内にないと否定判定(NO)すればステップST3に進んで、クランク角センサ31およびカム角センサ32の各出力信号に基づいて、前述したように各気筒#1〜#4毎の回転変動値ΔT30[#1]〜ΔT30[#4]を算出する。また、この回転変動値ΔT30[#1]〜ΔT30[#4]を各気筒#1〜#4毎に積算(前回までの積算値に加算)するとともに、その積算回数をカウントする。
続いて、ステップST4において各気筒#1〜#4毎の積算回数が予め設定した所定数になったか否か判定し、否定判定(NO)であれば前記ステップST3にリターンする。一方、肯定判定(YES)すればステップST5に進み、前記の積算値を積算回数で除算して各気筒#1〜#4毎に回転変動値ΔT30[#1]〜ΔT30[#4]の平均値を求めた上で、この平均値が予め設定した判定値以上であるか否か判定する。
この判定値は、例えばインジェクタ2に起因する故障が発生し、失火が起きていることを判定できるような値であって、実験・シミュレーション等により適合されたものである。判定値は例えば、エンジン回転数NEおよび負荷率に応じて変化するように、予めマップに設定されていてもよい。そして、前記回転変動値ΔT30の平均値が判定値以上で肯定判定(YES)すれば、ステップST6に進んで失火が起きていると判定し、ルーチンを終了する(エンド)。
つまり、エンジン回転数NEが所定範囲になければ、従来までと同様にクランク角センサ31からの信号によって回転変動の大きさを検出し、これに基づいて失火を判定することができる。
−失火判定時の負荷増大制御−
本実施の形態のエンジン1では、クランクシャフト15がDMF7を介して後段のクラッチ8や変速機9など接続されており、それらの共振に起因して失火の影響が回転変動に現れ難くなることがある。こうなると、前記のようにクランク角センサ31からの信号によって回転変動の大きさを検出しても、これに基づいて失火を正確に判定することは困難になる。
すなわち、一例を図6(a)に破線のグラフで示すように、一般的にエンジン1の回転変動値ΔT30は、失火が起きていなければ全体として小さく、かつエンジン回転数NEの上昇に連れて徐々に小さくなってゆく。これに対し、失火が起きると回転変動値ΔT30は、実線のグラフで示すように特に低回転側で大きくなるものの、所定範囲(同図ではNE1〜NE2)において急激に小さくなっていて、失火が起きていない場合との差δが小さくなる。
このように所定範囲において失火時の回転変動値ΔT30が小さくなるのは、DMF7のプライマリフライホイール71に対して、セカンダリフライホイール72およびクラッチ8や変速機9などを回転マスとするねじれ振動系が共振し、失火に起因するプライマリフライホイール71およびクランクシャフト15の回転変動が減殺されることによると考えられる。
そうして失火時の回転変動値ΔT30が小さくなり、失火していないときとの差δが小さくなると、起きていない失火を誤検出したり、反対に失火が起きていても見逃したりするおそれがある。そこで、本実施の形態では、エンジン回転数NEが前記の所定範囲内にあって、DMF7などの共振が励起されるときには、そのことによって失火の影響が回転変動値ΔT30に現れ難くなることを考慮して、敢えて回転変動を増大させた上で、失火の判定を行うようにしている。
すなわち、前記のように図5のフローのステップST2でエンジン回転数NEが所定範囲内にあると肯定判定(YES)して、ステップST7に進んだときには、スタータモータ75(負荷調整手段)を動作させ、そのピニオン75aをプライマリフライホイール71のリングギヤ71aと噛み合わせることによって、クランクシャフト15の回転に負荷をかけるようにする。
こうしてクランクシャフト15の回転の負荷を増大させると、いずれかの気筒#1〜#4において失火が起きた場合には、クランクシャフト15への回転力の付与が途切れている間の回転落ちが大きくなる。このため、前記のようにエンジン回転数NEが所定範囲内にあって、DMF7などの共振に起因して失火の影響が現れ難くなっていても、図6(b)に実線のグラフで示すように失火時の回転変動値ΔT30が大きくなり、失火が起きていないとき(破線のグラフ)との差δが大きくなっている。
なお、スタータモータ75への通電制御によってクランクシャフト15の回転の負荷をどの程度、増大させるか調整することができるので、予め実験やシミュレーションによって好適な負荷の大きさを設定するのが好ましい。負荷を或る程度以上、増大させなければ十分な効果が得られない一方、負荷を増大させ過ぎれば燃費の悪化を招くとともに、エンジン1の振動、騒音などの増大を招くからである。この点から負荷の大きさは、例えばエンジントルクに応じて変更するようにしてもよい。
そうしてクランクシャフト15の回転の負荷を増大させた上で前記のステップST3に進み、各気筒#1〜#4毎の回転変動値ΔT30[#1]〜ΔT30[#4]を算出するとともに、その積算回数をカウントしてステップST4に進む。そして、積算回数が予め設定した所定数になったと肯定判定(YES)すればステップST5に進んで、回転変動値ΔT30[#1]〜ΔT30[#4](平均値)が判定値以上か否か判定し、ここで肯定判定(YES)すればステップST6に進んで、失火が起きていると判定してルーチンを終了する(エンド)。
つまり、エンジン回転数NEが所定範囲(NE1〜NE2)内にあって、失火の影響が回転変動に現れ難くなっていれば、スタータモータ75の動作によってクランクシャフト15の回転に負荷をかけ、敢えて回転変動を増大させることにより、失火判定の精度の低下を抑制するようにしている。
前記図5のフローのステップST3〜ST6を実行することによってECU100は、エンジン1の(即ちクランクシャフト15の)回転変動に基づいて失火を判定する判定手段を構成し、また、ステップST7を実行することによって、エンジン回転数NEが、DMF7などの共振が励起される所定範囲内にあるときに失火を判定する場合は、スタータモータ75によってクランクシャフト15への負荷を増大させる負荷増大制御手段を構成する。
以上、説明したように本実施の形態に係るエンジンの失火検出装置によると、エンジン1のクランクシャフト15がDMF7を介して後段のクラッチ8、変速機9などに接続されている場合に、そのDMF7などの共振が励起されるような回転域(所定範囲NE1〜NE2)において失火を判定する場合は、スタータモータ75の動作によってクランクシャフト15の回転に負荷をかけ、敢えて回転変動を増大させるようにしたので、失火の影響がエンジン回転数NEの変動に現れ難くなっていても、十分な失火の判定精度が得られる。
−他の実施の形態−
以上、説明した実施の形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することを意図しない。例えば前記実施の形態では、エンジン回転数NEが所定範囲内にあるときに失火を判定する場合は、エンジン1のスタータモータ75を動作させてクランクシャフト15の回転に負荷をかけるようにしているが、これに限らず、例えばオルタネータや空調装置のコンプレッサなどの補機も動作させるようにしてもよい。また、ハイブリッド車両であればモータジェネレータを利用することもできる。
また、前記実施の形態では、車両に搭載されたガソリンエンジン1に本発明を適用した場合について説明したが、これにも限定されず、本発明は、例えばディーゼルエンジンやアルコールエンジン、ガスエンジンなどに適用することもでき、また、車両以外の動力源としての種々のエンジンにも適用可能である。
本発明は、エンジンの後段にDMFのようなねじれ要素を介在させた場合に、その共振による影響があっても正確な失火判定ができるものであり、例えば自動車など車両用のエンジンに適用して効果が高い。
1 エンジン(内燃機関)
7 DMF(デュアルマスフライホイール:ねじれ要素)
8 クラッチ(出力軸の後段)
9 変速機(出力軸の後段)
15 クランクシャフト(出力軸)
75 スタータモータ(負荷調整手段)
100 ECU(判定手段、負荷増大制御手段)

Claims (1)

  1. 出力軸がねじれ要素を介して後段に接続される内燃機関の失火を検出する失火検出装置であって、
    前記出力軸の回転変動に基づいて失火を判定する判定手段と、
    前記出力軸へかかる負荷を調整可能な負荷調整手段と、
    機関回転数が、前記ねじれ要素を含む後段の共振が励起される所定範囲内にあるときに前記判定手段によって失火を判定する場合は、前記負荷調整手段によって出力軸への負荷を増大させる負荷増大制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
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