JPH09166042A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents
内燃機関の失火検出装置Info
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- JPH09166042A JPH09166042A JP16013896A JP16013896A JPH09166042A JP H09166042 A JPH09166042 A JP H09166042A JP 16013896 A JP16013896 A JP 16013896A JP 16013896 A JP16013896 A JP 16013896A JP H09166042 A JPH09166042 A JP H09166042A
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Abstract
度にて、当該機関に発生した失火を検出する。 【解決手段】 内燃機関の失火検出装置にあっては通
常、そのクランク軸の回転に応じた回転角度信号NEに
基づいて気筒別クランク角速度変動量を求め、該求めた
気筒別クランク角速度変動量と所定の失火判定値とを比
較して同機関の失火発生を検出する。ここでは、機関が
正常点火されていることを条件に、電子制御装置9にお
いて気筒間クランク角偏差を求め、該求めたクランク角
偏差を同機関の気筒並びに運転条件の別に学習する。一
方、同電子制御装置9では、機関のその都度の対応する
気筒並びに運転条件での学習値に基づき上記クランク角
偏差を補正して気筒別クランク角速度を求め、該求めた
クランク角速度の推移に基づいて上記失火判定値と比較
される気筒別クランク角速度変動量を演算する。
Description
した失火を検出する内燃機関の失火検出装置に関し、特
にクランク角速度に偏差を有する装置にあってその失火
検出精度の向上を図る装置に関する。
爆発行程において失火が発生すると、そのときのクラン
ク角速度、すなわち機関出力軸であるクランク軸の回転
角速度は小さくなる。このため、こうしたクランク角速
度の変化を監視することで、それら気筒毎の失火発生の
有無を検出することができるようになる。
による影響、或いはクランク角度を検出するセンサの気
筒間公差等により、それら各気筒において正常に点火さ
れている場合であっても、その測定されるクランク角速
度は変化する。すなわち、該測定されるクランク角速度
の遅い気筒にあっては、正常に点火されているにも拘わ
らず失火した旨誤判断される虞がある。
気筒間におけるクランク角速度の偏差を求め、この求め
た偏差に基づいて燃料噴射時のクランク角速度に対する
失火判定値を補正する(例えば特開平4−265475
号公報参照)。 (ロ)常時、各気筒間におけるクランク角速度の偏差を
求めるとともに、それら求めた偏差が異なる運転条件に
おいて同一となったとき正常点火されているものとみな
し、そのとき求めた偏差によってクランク角速度を補正
する(例えば特開平4−110632号公報参照)。 等々、失火時以外の気筒間クランク角速度偏差(回転角
度偏差)を学習し、失火判定時に、それら学習した偏差
に基づき判定値、或いはクランク角速度を補正すること
によって、同失火検出にかかる精度を向上させるように
している。
外の気筒間クランク角速度偏差(回転角度偏差)を学習
することで、上記気筒毎に異なる燃焼量の差による影
響、或いはクランク角度を検出するセンサの気筒間公差
等も確かに吸収されるようにはなる。
度偏差(回転角度偏差)は、例えば図13に、6気筒内
燃機関を例にとって、その第1、第4気筒グループに対
する第2、第5気筒グループ、並びに第3、第6気筒グ
ループの角度公差を例示するように、内燃機関の回転速
度等、同機関の運転条件によっても変化する。
ンク角速度偏差(回転角度偏差)を学習したからといっ
て、内燃機関の全ての運転条件において上記気筒毎に異
なる燃焼量の差による影響やクランク角度を検出するセ
ンサの気筒間公差等が完全に除去されるとは限らない。
方法にあっては、燃料カットされるまでは、上記偏差学
習が行われないために正常な失火検出が不可能であり、
また学習が行われたとしても、その学習値自体がこうし
た機関の運転条件はおろか、燃焼による本来の気筒間ク
ランク角速度偏差を考慮したものではないために、該失
火の有無についての判定結果そのものに疑問が残る。
法にあっても、こうした機関の運転条件によって変化す
る気筒間クランク角速度偏差、すなわち上記気筒毎に異
なる燃焼量の差による影響やクランク角度を検出するセ
ンサの気筒間公差等についてはこれを完全に除去するこ
とはできない。
は通常、被検出部となる突起等を有して機関のクランク
軸に装着されるロータと、このロータに近接して配設さ
れる電磁ピックアップとを具えて構成されるが、同セン
サが気筒間におけるクランク角速度偏差を生む要因とし
ては、通常考えられる ・「ロータ被検出部の製造公差」以外に、 ・「ロータ被検出部と電磁ピックアップとの間のエアギ
ャップのばらつき」などもある。
被検出部の通過に伴って電磁ピックアップに誘起される
交流信号を適宜の波形整形回路に取り込んで2値信号に
変換し、この変換した2値信号の論理レベルが反転され
るタイミングに応じて気筒毎の回転時間或いは回転角速
度を求めるようにしている。なおこのとき、上記誘起さ
れる交流信号のレベルは上記ロータ被検出部と電磁ピッ
クアップとの間のエアギャップによって変化し、また上
記2値信号の論理レベルが反転されるタイミングはこの
交流信号のレベルによって変化する。このため、上記エ
アギャップが気筒毎に異なると、この2値信号の論理レ
ベルが反転されるタイミングにも偏差が生じることとな
る。そしてこの偏差が上述した機関の運転条件(回転速
度)に応じて更に変化するようになる。
たものであり、内燃機関に発生した失火を検出する精度
を向上せしめることを目的とし、特に、内燃機関の運転
条件に拘わらず、常に高い精度にて当該機関に発生した
失火を検出することのできる内燃機関の失火検出装置を
提供することを目的とする。
いて、高い精度にて内燃機関に発生した失火を検出する
ことのできる内燃機関の失火検出装置を提供することを
目的とする。
ため、この発明では、気筒別のクランク角速度偏差(機
関出力軸の回転角速度変動量)を機関の運転条件の別に
学習するようにしている。
学習手段は、機関出力軸の気筒別回転角速度変動量を同
機関の運転条件の別に学習する。なおここで、回転角速
度変動量は必ずしもそれ自身でなくともよく、それに相
当する値、例えば請求項2に記載のように回転角度偏差
であってもよい。更に、この回転角度偏差に相当する
値、或いは回転所要時間偏差などもこの回転角速度変動
量に相当する値として用いることができる。
ように、気筒別回転角速度変動量(若しくは該角速度変
動量に相当する値)と所定の失火判定値とを比較して当
該機関の失火発生を検出する際、補正手段を通じてそれ
ら失火判定値若しくは気筒別回転角速度変動量(若しく
は該角速度変動量に相当する値)をその都度の対応する
運転条件での学習値に基づき補正するようにすれば、同
機関の運転条件に拘わらず、失火検出精度が高く維持さ
れるようになる。
回転角速度変動量に相当する値として回転角度偏差を用
いたときには、補正手段を、 ・内燃機関のその都度の対応する気筒並びに運転条件で
の学習値に基づき気筒間回転角度偏差を補正して同機関
出力軸の気筒別回転角速度を求め、該求めた気筒別回転
角速度の推移に基づいて前記失火判定値と比較される気
筒別回転角速度変動量を演算するもの。として構成する
ことが好ましい。
ンピュータ支援による失火検出装置を構築する上で、そ
の学習構造、並びに補正(気筒別回転角速度及び気筒別
回転角速度変動量の演算)構造を極めて演算効率の高い
ものとすることができるようにもなる。
値をより信頼性の高い値に維持するためには、請求項3
記載の発明によるように、当該機関が正常点火されてい
るか否かを判断し、正常点火されているときにのみ上記
学習を実行することが望ましい。
機関が正常点火されていない旨判断される場合、上記学
習の実行は禁止され、同機関の当該運転条件に対応した
学習値の信頼性も好適に維持されるようになる。
を判断するための構成としては以下の構成がある。例え
ば360°CA(クランク角)差分法、すなわち失火検
出対象となる気筒及びその隣接気筒の回転角速度差分を
360°CA離れた気筒の同差分から差し引いた2階差
分法を用いた失火判定が可能である場合には、請求項4
記載の発明によるように、 ・得られた機関出力軸の気筒別回転角速度変動量が仮の
失火判定値以下であることに基づいて当該機関が正常点
火されていることを判断する。といった構成が有効であ
る。
ば、機関の出力軸回転角度(クランク角度)を検出する
センサの360°CA離れた気筒間のばらつきは好適に
相殺される。このため、360°CA離れた気筒同士が
失火している場合を含まない状態の失火が発生している
ような場合には、該請求項4記載の発明の構成を通じて
簡単且つ確実にその旨を判断することができるようにな
る。そして、当該機関が正常点火されていない旨判断さ
れる場合、上記学習の実行は禁止され、同機関の当該運
転条件に対応した学習値の信頼性も好適に維持されるよ
うになる。
採用する場合には、請求項5記載の発明によるように、 ・失火検出対象となる気筒及びその隣接気筒の回転角度
差分から360゜CAだけ後の気筒及びその隣接気筒の
回転角度差分を差し引いた2階差分によって前記回転角
度信号に基づき求めた機関出力軸の気筒別回転角速度変
動量が仮の失火判定値以下であるか否かを判断する。と
いった構成がS/N(信号/雑音)比の向上を図る上で
望ましい。
た場合、機関出力軸の角速度(クランク角速度)は通
常、その後徐々に正常な角速度に戻るようになる。この
ため、こうして360゜CAだけ後の(未来の)気筒及
びその隣接気筒の回転角度差分との2階差分をとるよう
にすることで、失火発生の際には機関出力軸の気筒別回
転角速度変動量としてより大きな値が得られるようにな
る。
判定が不可能である場合、すなわち360°CA離れた
気筒同士が共に失火している場合(以下これを360°
CA対向気筒連続失火という)には、請求項6記載の発
明によるように、 ・空燃比フィードバック制御の実行中、その空燃比補正
係数と同補正係数の平均値との和、或いは空燃比補正係
数の学習制御が実施されている場合には空燃比補正係数
と同補正係数の学習値との和が所定の値よりもリーン側
にないことに基づいて当該機関が正常点火されているこ
とを判断する。といった構成が有効となる。なおここ
で、空燃比補正係数及びその平均値の和、若しくは空燃
比補正係数と同補正係数の学習値との和と比較される上
記所定の値とは、空燃比センサの特性や内燃機関個々の
機差等による初期公差であってよい。
気筒連続失火によって上記360°CA差分法では失火
の判定が不可能であった場合でも、当該機関の失火の有
無についてこれを的確に判断することができるようにな
る。そしてこの場合も、機関が正常点火されていない旨
判断される場合には、上記学習の実行が禁止され、同機
関の当該運転条件に対応した学習値の信頼性は好適に維
持される。
では、空燃比のフィードバック制御が実行中であること
が大前提となる。しかし、例えば高負荷燃料増量中な
ど、こうしたフィードバック制御が行われない場合であ
っても、当該機関が正常点火されているか否かについて
の判断が行われることが望ましい。
の発明によるように、 ・空燃比センサの活性時、その出力が所定期間以上リー
ン側にないことに基づいて当該機関が正常点火されてい
ることを判断する。といった構成、また特に、空燃比セ
ンサとして酸素センサが用いられる場合には、請求項8
記載の発明によるように、 ・酸素センサの活性時、その出力周期が所定範囲内であ
ること(所定の値よりも低くないという意味をも含む)
に基づいて当該機関が正常点火されていることを判断す
る。といった構成、また更に、空燃比センサとしてリニ
ア空燃比センサが用いられる場合には、請求項9記載の
発明によるように、 ・リニア空燃比センサの出力(同出力の平均値や平滑化
した値をも含む)が所定以上リーン側にないことに基づ
いて当該機関が正常点火されていることを判断する。と
いった構成が有効となる。
サ等の空燃比センサにあってはその活性時、当該機関に
失火が発生すると、 ・その出力がリーン側に固定される。といった状態を示
すようになり、また特に、同空燃比センサが酸素センサ
である場合には、 ・その出力周期が極端に短くなる。といった状態を示す
ようになり、そして同空燃比センサがリニア空燃比セン
サである場合には、 ・その出力が全体的にリーン側へのオフセットを持つよ
うになる。といった状態を示すようになることが発明者
等によって確認されている。
成によって、それぞれこれら各状態を監視することで、
空燃比フィードバック制御が行われていない状態におい
ても当該機関の失火の有無を判断することができるよう
になる。そしてこの場合も、同機関が正常点火されてい
ない旨判断される場合には、上記学習の実行が禁止さ
れ、同機関の当該運転条件に対応した学習値の信頼性が
好適に維持されるようになる。
性の維持を図る上では、上記学習手段に、請求項10記
載の発明によるように、 ・更新しようとする値とそれまでの学習値との差が所定
以上に大きいときには、その更新しようとする値が複数
回連続してほぼ同じ値となるときに限り、その値による
学習値の更新を許可する。といった学習アルゴリズムを
採用することが有効である。このような学習アルゴリズ
ムによれば、偶然に求まった値によって誤った学習が行
われることもなく、それら学習値の信頼性が更に向上さ
れるようになる。
11記載の発明によるように、 ・当該機関の運転状態が同機関出力軸の大きな回転変動
を招く状態にあるとき、学習の実行を中止する。といっ
た構成とすること、或いは請求項12記載の発明による
ように、 ・当該機関が失火判定不能な運転域にあるとき、学習の
実行を中止する。といった構成とすることも有効であ
る。これらの運転状態或いは運転域において学習の実行
を中止することで、前記学習値の信頼性も自ずと高く維
持されるようになる。
く運転状態」としては、例えば急加速や急減速等の過渡
状態、シフトチェンジ状態、燃料カット時や復帰時、始
動時や電気負荷投入時、アイドル状態、パージ制御状
態、EGR(排気還流制御)実行中、可変吸気実行中、
等々がある。
は、例えば軽負荷運転域や高回転域がある。なお、各気
筒間の機関出力軸の角度公差(クランク角公差)には、
回転速度が増加するとそれら公差もほぼ直線的に増加す
る傾向があることが発明者等によって確認されている。
域にあっても、頻度の高い2運転条件でそれら公差が学
習されたときには、請求項13記載の発明によるよう
に、 ・当該機関の運転状態を監視し、同機関が失火判定不能
な運転域にあるとき、線形補間によってそれら運転域で
の気筒別回転角速度変動量を学習する。といった構成に
よって、それら軽負荷運転域や高回転域での公差を割り
出りだすことが可能となる。なおここでも、回転角速度
変動量とは、必ずしもそれ自身でなくともよく、これに
相当する値、例えば回転角度偏差や回転所要時間偏差な
どであってもよい。
ば、内燃機関の特性として、機関本体の振動等により、
ある特定の回転速度においてクランク角偏差が著しく不
均一となるいわゆる特異点が生じることが確認されてい
る。その原因としては、機関本体の振動により、クラン
ク角度を検出するための電磁ピックアップの取り付け腕
(ステー)が共振し、同ピックアップとロータ被検出部
との位置関係が変化することなどが考えられる。
クランク角偏差についての前記運転条件別の公差学習を
行い、それ以外の運転領域ではそれら公差学習値からの
直線補間によってその角度公差を求めたとしても、該特
異点を含む当該角度公差特性を正確に角速度変動量若し
くはその相当値に反映させることはできず、ひいてはそ
れら値と前記失火判定値との比較のもとに行われる失火
判定についての誤判定をも招きかねなくなる。
よるように、 ・前記補正手段は、前記学習手段による学習値と機関出
力軸の気筒別回転角速度変動量との偏差を測定し、該測
定した偏差に応じて前記失火判定値、若しくは同判定値
と比較される前記気筒別回転角速度変動量を補正する偏
差補正手段を含む。といった構成が、上記特異点による
影響を回避する上で有効となる。
ても、それに起因する公差学習値との偏差分が上記態様
で補正されることにより、該特異点が失火判定に及ぼす
影響は好適に相殺されるようになる。なお、ここでも上
記請求項1記載の発明や請求項13記載の発明と同様、
回転角速度変動量とは、必ずしもそれ自身でなくともよ
い。
るように、 ・前記偏差補正手段は、前記偏差の測定に際し、前記学
習手段による学習値と機関出力軸の気筒別回転角速度変
動量との最大偏差を同機関の運転条件の別に学習する。
といった構成が、当該補正に必要とされるメモリ容量を
最小限に抑える上で有効となる。ここでも、回転角速度
変動量が必ずしもそれ自身でなくともよいことは上記請
求項1記載の発明や請求項13記載の発明、更には請求
項14記載の発明と同様である。
明のように、偏差補正手段は、一学習値に対する運転条
件が一通り運転されたと判断されたとき、最大偏差を運
転条件の学習値として更新するようにしてもよい。
差補正手段による偏差の学習が完了するまで失火検出を
実行しないようにしてもよく、このような構成を採用す
ることにより、クランク角速度偏差による失火の誤判定
を抑制することができるようにもなる。
明では、学習の実行条件を適正に判断するための要素と
して上記空燃比センサの出力や空燃比フィードバック制
御にかかる空燃比補正係数を参照するようにした。
うに、こうした空燃比センサの出力や空燃比フィードバ
ック制御にかかる空燃比補正係数から直接、当該機関の
失火発生の有無を検出する構成とすることもできる。
うに、 ・内燃機関の燃焼ガスの酸素濃度に基づき空燃比を検出
する空燃比センサ。 ・該空燃比センサの出力に基づき所望の空燃比を得るべ
く前記内燃機関への燃料噴射量を空燃比補正係数を用い
てフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手
段。 ・この空燃比フィードバック制御手段によるフィードバ
ック制御の実行中、その空燃比補正係数と同補正係数の
平均値との和、或いは空燃比補正係数の学習制御が実施
されている場合には空燃比補正係数と同補正係数の学習
値との和が所定の値よりもリーン側にあることに基づい
て当該機関に失火が発生している旨を検出する失火検出
手段。といった各手段を具える構成によっても、例えば
360°CA対向気筒連続失火によって上記360°C
A差分法では失火の判定が不可能であった場合の、当該
機関の失火の有無についてこれを的確に検出することが
できるようになる。
においては、更に請求項19記載の発明によるように、 ・前記失火検出手段は、前記空燃比センサの出力信号の
推移に基づいて前記内燃機関に失火が発生しているか否
かを判断する。といった構成を併せ具えるものとするこ
ともできる。空燃比センサにあってはその活性時、当該
機関に失火が発生すると、 ・その出力がリーン側に固定される。といった状態を示
すようになり、また特に、同空燃比センサが酸素センサ
である場合には、 ・その出力周期が極端に短くなる。といった状態を示す
ようになり、そして同空燃比センサがリニア空燃比セン
サである場合には、 ・その出力が全体的にリーン側へのオフセットを持つよ
うになる。といった状態を示すようになることは上述し
た通りである。
に、 ・内燃機関の燃焼ガスの酸素濃度に基づき空燃比を検出
する空燃比センサ。 ・空燃比センサが活性しているか否かを判断する空燃比
センサ活性判断手段。 ・空燃比センサが活性している旨判断され且つ、空燃比
センサの出力が所定期間以上リーン側にある旨判断され
ることに基づいて当該機関に失火が発生している旨を検
出する失火検出手段。といった各手段を具える構成、ま
た空燃比センサとして酸素センサが用いられる場合に
は、請求項21記載の発明によるように、 ・酸素センサが活性しているか否かを判断する酸素セン
サ活性判断手段。 ・酸素センサが活性している旨判断され且つ、酸素セン
サの出力周期が所定範囲外である(所定値よりも短いと
いう意味をも含む)旨判断されることに基づいて当該機
関に失火が発生している旨を検出する失火検出手段。と
いった各手段を具える構成、そして空燃比センサとして
リニア空燃比センサが用いられる場合には、請求項22
記載の発明によるように、 ・リニア空燃比センサが活性しているか否かを判断する
リニア空燃比センサ活性判断手段。 ・リニア空燃比センサが活性している旨判断され且つ、
リニア空燃比センサの出力(同出力の平均値や平滑化し
た値をも含む)が所定値以上リーン側にある旨判断され
ることに基づいて当該機関に失火が発生している旨を検
出する失火検出手段。といった各手段を具える構成によ
っても、上記360°CA差分法では失火の判定が不可
能であった場合の当該機関の失火の有無についてこれを
的確に検出することができるようになる。しかも、これ
ら請求項20〜22記載の発明の場合、上記請求項18
記載の発明によるような空燃比フィードバック制御が行
われている必要もない。
関の失火検出装置についてその一実施形態を示す。
の内燃機関を対象とし、該6気筒の内燃機関に発生した
失火を検出する装置について示す。すなわち、同図1に
示すこの実施形態の装置おいて、内燃機関1は、上記6
気筒からなる内燃機関である。
図示しないエアクリーナから導入された吸入空気は、該
吸気管2を通じて同機関1に取り込まれるようになる。
また、この吸気管2には吸気管圧力センサ3が設けら
れ、この吸気管圧力センサ3を通じて吸気管2内の圧力
PMが逐次検出される。この検出される吸気管2内の圧
力PMは、内燃機関1の運転状態を示す1パラメータと
して、後述する電子制御装置9に取り込まれるようにな
る。
には、同クランク軸の所定クランク角毎に回転信号NE
を出力する回転角センサ5が設けられている。同機関1
の回転数等は、この回転角センサ5から出力される回転
信号NEに基づいて算出されることとなる。そしてこの
回転信号NEも、内燃機関1の運転状態を示す1パラメ
ータとして、後述する電子制御装置9に取り込まれるよ
うになる。
る点火時期や点火順序等を制御するためのディストリビ
ュータ7が設けられ、該ディストリビュータ7には更
に、それら各気筒を判別するための基準位置信号CYL
を出力する基準位置センサ6が内蔵されている。この基
準位置センサ6では、同機関1の例えば第1気筒のピス
トン13が最上部、すなわち圧縮上死点(#1TDC)
に達する毎に、上記基準位置信号CYLを同じく電子制
御装置9に対して出力する。なお、ディストリビュータ
7自体は通常、内燃機関1からの回転動力を得て、その
(1/2)の回転速度で回転する。
を循環する冷却水の温度を検出するための水温センサ8
が設けられ、排気管14には、燃焼ガスの酸素濃度に基
づき空燃比のリッチ(R)/リーン(L)を検出する酸
素(O2 )センサ15が設けられている。これら水温セ
ンサ8を通じて検出される冷却水の温度、並びに酸素セ
ンサを通じて検出される空燃比のリッチ(R)/リーン
(L)を示す信号も、機関1の運転状態を示すパラメー
タとして電子制御装置9に取り込まれる。
じめ、上述した吸気管圧力センサ3、回転角センサ5、
及び基準位置センサ6による各検出信号が取り込まれる
電子制御装置9は、同図1に併せ示されるように、CP
U(中央演算処理装置)9aをはじめ、制御プログラム
や演算処理に必要とされる制御定数等を記憶しておくた
めの読み出し専用メモリであるROM9b、演算データ
等を一時記憶するいわゆるデータメモリとしてのRAM
9c、図示しないバッテリを通じてその記憶内容がバッ
クアップされるバックアップRAM9d、及び外部装置
との間で信号を入出力処理するためのI/0ポート9e
を有して構成されている。
関1の燃料系及び点火系の最適な制御量を演算して、燃
料噴射手段であるインジェクタ10、或いは点火手段で
あるイグナイタ11等を的確に制御するための制御信号
を出力する。 (ロ)同センサによる各種検出信号に基づき、内燃機関
1の各気筒において失火が発生したか否かを検出する。
といった処理を実行する。なお、同電子制御装置9にお
いて、上記(イ)のインジェクタ10の駆動に際して
は、酸素センサ15の出力に基づく周知の空燃比フィー
ドバック制御を併せ実行する。また、上記(ロ)の失火
が発生したか否かの検出において、失火が発生した旨判
断される場合には、例えば警告ランプ12を点灯制御し
て失火の発生を運転者等に知らせるとともに、適宜のフ
ェイルセーフ処理を実行する。
火検出装置としての構成を機能的に示したものであり、
次に、この図2を併せ参照して、同実施形態にかかる失
火検出装置の構成、並びに機能を更に詳述する。
速度変動量演算部901は、上記取り込まれる吸気管圧
力PM、回転信号NE、及び基準位置信号CYLに基づ
き、気筒別にクランク軸の角速度(クランク角速度)ω
n(n=1〜6)を求めるとともに、それら角速度ωn
から気筒間の角速度変動量Δω(n-α-1)を算出する部分
である。
に、6気筒の内燃機関を対象とする場合には、上記クラ
ンク角速度ωnの算出に際し、クランク軸が120°C
A回転するのに要した時間T120i(iは電子制御装
置9による処理回数を示す)が用いられ、 ωn=(KDSOMG−ΔθnL)/T120i …(1) といった態様で、同クランク角速度ωnが算出される。
は、クランク軸の回転角速度(rad:ラジアン)を求
めるための変換係数であり、また値ΔθnLは、前記バ
ックアップRAM9d内の後述する気筒間クランク角偏
差(公差)学習値メモリ910に格納されている同気筒
間クランク角偏差についての学習値である。
に、気筒間クランク角偏差をその学習値ΔθnLにより
補正してクランク角速度ωnを求めるようにしている。
なお因みに、4気筒の内燃機関を対象とする場合には、
同クランク角速度ωnの算出に、クランク軸が180°
CA回転するのに要する時間T180iが用いられる。
て、上記角速度変動量Δω(n-α-1)の算出に際しては、
これら求めたクランク角速度ωnについての現在並びに
過去の値に基づき、 Δω(n-α-1)=(ω(n-α-2)−ω(n-α-1))−(ω(n-1) −ωn) …(2) といった2階差分演算を実行する。
めたクランク角速度であり、値ω(n-1) は、前回求めた
クランク角速度である。そして、これら値の差分(ω(n
-1)−ωn)は、爆発行程が連続する気筒間での角速度
変動量である。
筒の内燃機関を対象とする同実施形態の装置の場合「0
〜5」の値をとることができ、通常は、同角速度変動量
Δω(n-α-1)として、失火によるそれら角速度の変動が
表れ易い値が用いられる。同実施形態の装置にあって
は、この値αとして「1」を採用している。因みに、4
気筒の内燃機関を対象とする場合には、この値αとして
「0〜3」の値が用いられることとなる。
例えば前記RAM9c或いはバックアップRAM9dか
らなる角速度記憶部905に対して逐次更新登録されて
いく。6気筒の内燃機関を対象とする同実施形態の装置
の場合、それら過去の値としては、最大でもω(n-1) 〜
ω(n-5) の5つの値があれば足りる。
て、失火判定部902は、上記算出された気筒間の角速
度変動量Δω(n-α-1)と同角速度変動量に対応した所定
の失火判定値REF1とを比較して、内燃機関1におけ
る失火発生の有無を判定する部分である。ここでは、気
筒間の角速度変動量Δω(n-α-1)をそれら気筒の別に失
火判定値REF1と比較し、同角速度変動量Δω(n-α-
1)が失火判定値REF1を超えるとき、前記RAM9c
内にある仮失火カウンタ904の当該気筒に対応するカ
ウンタCMIS(n-α-1)をインクリメントする。
S(n-α-1)のインクリメントは、点火数カウンタ903
を通じて計数される点火数が「100」或いは「50
0」等の所定の点火数に達するまで継続して実行され
る。そして例えば、点火数「100」のうち、ある気筒
に対応したカウンタCMIS(n-α-1)の計数値が「3
0」以上であったような場合、失火による触媒コンバー
タ(図示せず)のダメージ等が懸念されるため、該電子
制御装置9では、前記警告ランプ12の点灯制御等を通
じてその旨を運転者に警報する。
御部906は、上記取り込まれる吸気管圧力PM、回転
信号NE、及び基準位置信号CYLに基づいて気筒間の
クランク角偏差(公差)を学習制御する部分である。
筒(#1)に対する第2〜第6気筒(#2〜#6)のク
ランク角偏差を学習するものとし、大きくは、 (1)上記クランク軸が120°CA回転するのに要し
た時間T120iに基づいて上記第1気筒(#1)に対
する第2〜第6気筒(#2〜#6)のクランク角偏差Δ
θn(n=2〜6)を気筒別に、且つ機関1の運転条件
の別に所定数ずつ積算する。 (2)機関1が正常点火されていることを条件に、上記
クランク角偏差Δθnの気筒別、且つ運転条件別の積算
値を平均するとともに、その平均値に更になまし処理
(徐変処理)を施して、これを同クランク角偏差につい
ての学習値ΔθnLとする。といった処理を実行する。
計数には積算カウンタ907が用いられ、クランク角偏
差Δθnの気筒別、且つ運転条件別の積算値の登録には
前記RAM9c内の気筒間クランク角偏差(公差)積算
値メモリ908が用いられる。また、上記学習値Δθn
Lも、機関1の気筒別、且つ運転条件の別に求められる
ものであり、それら求められた学習値ΔθnLは、前記
バックアップRAM9d内の気筒間クランク角偏差(公
差)学習値メモリ910に対して各々更新登録される。
11及び仮失火カウンタ912は、同学習制御部906
の上記(2)の処理において機関1が正常点火されてい
るか否かについてのチェック結果が所定点火数分(例え
ば「100」点火分)の計数値としてセットされるカウ
ンタであり、また点火数カウンタ909は、こうした点
火数を繰り返し計数するためのカウンタである。
動量演算部901並びに失火判定部902を通じて実行
される失火判定に際してのメインルーチンを、また図4
に、同電子制御装置9の上記学習制御部906を通じて
実行される公差学習制御ルーチンをそれぞれ示す。以
下、これら図3及び図4を併せ参照して、同実施形態に
かかる装置の失火判定動作を更に具体的に説明する。
いて説明する。このメインルーチンは、前記回転信号N
Eに基づき認識される内燃機関1のクランク角が60°
CAとなる毎に、角度割り込み処理として起動される。
転してこうした割り込み条件が成立すると、電子制御装
置9はまず、ステップS100にて、本ルーチンの前回
の割り込み時刻と今回の割り込み時刻との偏差から、同
クランク軸が60°CA回転するのに要した時間T60
iを算出する。
装置9は次いで、ステップS101にて、今回の割り込
みタイミングが上死点後(ATDC)60°CAである
か否かを前記基準信号CYLに基づき判断する。そし
て、この割り込みタイミングが上死点後60°CAでは
ない旨判断される場合、電子制御装置9は、ステップS
110において、上記求めた時間T60iをT60i-1
とした後、本ルーチンを一旦終了する。なお、これら時
間の添字iが同電子制御装置9による処理回数を示すこ
とは前述した。
0°CAである旨判断される場合、電子制御装置9は、
ステップS102以降の失火判定処理を実行する。すな
わちこの場合、電子制御装置9は、ステップS102に
て、前記基準信号CYLに基づき今回の気筒の気筒番号
nを識別した後、ステップS103にて、上記求めた時
間T60iについての過去2回分のデータを累積して、
クランク軸が120°CA回転するのに要した時間T1
20iを算出する。
た電子制御装置9は、前記クランク角偏差(公差)学習
値メモリ910に対応する学習値、すなわち当該気筒の
当該運転条件(回転速度NE・機関負荷PM)に対応す
る学習値ΔθnL(NE,PM) が存在することを条件に(ス
テップS104)、次のステップS105にて、先の
(1)式に基づき公差補正した、すなわち当該学習値Δ
θnLに基づき補正した当該気筒のクランク角速度ωn
を算出する。なおここで、当該気筒の当該運転条件に対
応する学習値が存在しない旨判断される場合には、例え
ば ωn=KDSOMG/T120i …(1)’ といった態様で、クランク角速度ωnのみを算出して、
これを前記角速度記憶部905に更新登録する(ステッ
プS109)。
めると、電子制御装置9は更に、次のステップS106
にて、先の(2)式に基づき、気筒間クランク角速度変
動量Δω(n-α-1)を算出する。そして、ステップS10
7にて、該算出したクランク角速度変動量Δω(n-α-1)
と前記失火判定値REF1とを比較し、同クランク角速
度変動量Δω(n-α-1)が失火判定値REF1を超えてい
る旨判断される場合には、ステップS108にて、前記
仮失火カウンタ904の当該気筒番号「n−α−1」に
対応するCMISカウンタをインクリメントする。
1)が失火判定値REF1を超えていなければ、仮失火カ
ウンタ904をインクリメントすることなく、本ルーチ
ンの最後のステップであるステップS109の処理に移
行する。このステップS109では、前記角速度記憶部
905に既に格納されているクランク角速度データに対
し、ω(n-5) →廃棄、ω(n-4) →ω(n-5) 、ω(n-3) →
ω(n-4) 、ω(n-2) →ω(n-3) 、ω(n-1) →ω(n-2) 、
ωn→ω(n-1) といったかたちで更新処理が施される。
ントが前記点火数カウンタ903を通じて計数される所
定の点火数に達するまで継続して実行され、その都度の
同仮失火カウンタ904による失火計数値に応じて前記
警告ランプ12の点灯制御等が行われるようになること
は前述した通りである。
ついて説明する。この公差学習制御ルーチンも、上記メ
インルーチンと同様、回転信号NEに基づき認識される
内燃機関1のクランク角が60°CAとなる毎に、角度
割り込み処理として起動される。
ても、クランク軸が60°CA回転してこうした割り込
み条件が成立する毎に、 (1)本ルーチン(公差学習制御ルーチン)の前回の割
り込み時刻と今回の割り込み時刻との偏差から、クラン
ク角が60°CA回転するのに要した時間T60iを算
出する(ステップS200)。 (2)今回の割り込みタイミングが上死点後(ATD
C)60°CAであるか否かを前記基準信号CYLに基
づき判断する(ステップS201)。 (3)この割り込みタイミングが上死点後60°CAで
はない旨判断される場合、上記求めた時間T60iをT
60i-1とした後、本ルーチンを一旦終了する(ステッ
プS218)。 (4)同割り込みタイミングが上死点後60°CAであ
る旨判断される場合には、前記基準信号CYLに基づき
今回の気筒の気筒番号nを識別した後(ステップS20
2)、上記求めた時間T60iについての過去2回分の
データを累積して、クランク軸が120°CA回転する
のに要した時間T120iを算出する(ステップS20
3)。 といった処理が、電子制御装置9(学習制御部906)
を通じて実行される。
御装置9は次に、ステップS204にて、上記識別した
気筒番号nが第1気筒(#1)であるか否かを判断す
る。該識別した気筒番号nが第1気筒ではない旨判断さ
れる場合、電子制御装置9は、そのままステップS21
0の公差学習実行条件のチェック処理に移行する。
ある旨判断される場合には、次のステップS205に
て、該第1気筒に対する第2〜第6気筒(#2〜#6)
のクランク角偏差(気筒公差)時間ΔTnを算出する。
ンク角偏差時間ΔT#2は、 ΔT#2=[{(T120i−T120i-6)/6}+T120i-6] −T120i-5 ={(T120i+5×T120i-6)/6}−T120i-5 …(3) として算出される。ここで、「(T120i−T120
i-6)/6」項は、過渡補正項であり、気筒間のクラン
ク角偏差時間の算出にこうした過渡補正項を加味するこ
とにより、例えば急加速時や急減速時等、内燃機関の運
転条件による過渡的な回転変動増減の影響は好適に排除
されるようになる。
気筒のクランク角偏差時間ΔT#3〜ΔT#6は、それぞれ ΔT#3={(T120i+2×T120i-6)/3}−T120i-4 …(4) ΔT#4={(T120i+T120i-6)/2}−T120i-3 …(5) ΔT#5={(2×T120i+T120i-6)/3}−T120i-2 …(6) ΔT#6={(5×T120i+T120i-6)/6}−T120i-1 …(7) として算出される。
20°CA回転時間T120i-6を含め、第2〜第6気
筒のクランク軸120°CA回転時間T120i-5〜T
120i-1は、上記ステップS203を通じて算出さ
れ、後のステップS217を通じて更新されている値が
用いられる。
のクランク角偏差時間ΔTnを算出した電子制御装置9
は次に、ステップS206にて、次式に基づき、それら
クランク角偏差時間ΔTnをクランク角偏差Δθn、す
なわち回転角度の偏差に変換する。ただし、次式(8)
式において、nは、#2〜#6の5気筒分である。 Δθn=ΔTn×(120°CA/T120i) …(8) この第1気筒に対する第2〜第6気筒のクランク角偏差
Δθnを求めると、同電子制御装置9では、次のステッ
プS207にて、内燃機関1が現在、特定の運転条件
下、例えば急加速や急減速等の過渡状態、シフトチェン
ジ状態、燃料カット時や復帰時、始動時や電気負荷投入
時、アイドル状態、パージ制御状態、EGR(排気還流
制御)実行中、可変吸気実行中等々、クランク軸の大き
な回転変動を招く特定の運転状態、或いは軽負荷運転域
や高回転域等、いわゆる失火判定不能な運転域にないか
否かをその都度の運転情報に基づき判断する。そして、
同機関1がこうした特定の運転条件下にないことを条件
に、ステップS208にて、各気筒別、且つ運転条件の
別に上記求めた(変換した)クランク角偏差Δθnを積
算し、続くステップS209にて、前記積算カウンタ9
07をインクリメントする。
速等の過渡状態、シフトチェンジ状態、燃料カット時や
復帰時、始動時や電気負荷投入時、等々の運転条件下に
あった場合には、上記クランク角偏差Δθnも、同機関
1の正常な燃焼状態において求められた値ではない可能
性が高い。そこで、内燃機関1のそのような運転条件下
では、上記求めたクランク角偏差Δθnについての積算
処理を行わないようにしている。なお後述するように、
同実施形態にかかる装置にあっては、この積算処理され
るいわば正常なクランク角偏差Δθnのみが、後に実施
される公差学習処理に供されることとなる。
ンク角偏差Δθnの各気筒別、且つ運転条件別の積算処
理は前述のように、前記気筒間クランク角偏差(公差)
積算値メモリ908に対して行われる。この積算値メモ
リ908のメモリ構造を図5に例示する。
ランク角偏差(公差)積算値メモリ908は、第2〜第
6気筒(#2〜#6)の別に、且つ機関1の運転条件で
ある回転速度(NE)及び負荷(吸気管圧力PM)の別
に、クランク角偏差Δθnが積算登録される構造となっ
ている。すなわち、本学習制御ルーチンの繰り返しの実
行に基づき、同図5に示されるテーブルの各々には、そ
れぞれ正常なクランク角偏差Δθnが、「ΣΔθn(NE,
PM) 」といったかたちで積算登録されるようになる。そ
して、前記積算カウンタ907は、こうして気筒間クラ
ンク角偏差(公差)積算値メモリ908に登録されたク
ランク角偏差ΣΔθn(NE,PM) の積算数をその計数値と
して示すこととなる。
を行うと、電子制御装置9は次に、ステップS210に
て、公差学習を行うべきか否か、その実行条件をチェッ
クする。この実行条件のチェック処理については、後に
図7及び図8を併せ参照して詳述する。
終えた電子制御装置9は、次のステップS211にて、
前記点火数カウンタ909の計数値に基づき例えば「1
00」点火等、所定の点火数が経過しているか否かを判
断する。この結果、所定の点火数に達していない旨判断
される場合には、ステップS216に移行して、前記点
火数カウンタ909をインクリメントし、ステップS2
17にて、前記各気筒のクランク軸120°CA回転時
間T120iの値を T120i-6 =T120i-5 …(9) T120i-5 =T120i-4 …(10) T120i-4 =T120i-3 …(11) T120i-3 =T120i-2 …(12) T120i-2 =T120i-1 …(13) T120i-1 =T120i …(14) といったかたちで更新した後、本ルーチンを一旦抜け
る。
される場合には、ステップS212にて、上記公差学習
実行条件についてのチェック結果に基づき、同実行条件
の成否判定を行う。この公差学習実行条件の成否判定処
理については、後に図11を併せ参照して詳述する。
3にて、該公差学習実行条件の成否判定が公差学習実行
の「可」を示すものであるか「不可」を示すものである
かを判断する。そして、同成否判定が「公差学習実行不
可」を示すものであった場合には、上記ステップS21
6及びステップS217の処理を実行して本ルーチンを
一旦抜け、「公差学習実行可」を示すものであったとき
に、ステップS214にて公差学習を実行する。
9d内の気筒間クランク角偏差(公差)学習値メモリ9
10に対して行われる。この学習値メモリ910のメモ
リ構造を図6に例示する。
リ910も、上記気筒間クランク角偏差(公差)積算値
メモリ908(図5)同様、第2〜第6気筒(#2〜#
6)の別に、且つ機関1の運転条件である回転速度(N
E)並びに負荷(吸気管圧力PM)の別に、前記クラン
ク角偏差についての学習値ΔθnLが更新登録される構
造となっている。
ップS208)において気筒間クランク角偏差(公差)
積算値メモリ908に登録されている気筒別、運転条件
別のクランク角偏差積算値ΣΔθn(NE,PM) を読み込ん
でその平均値Δθn(NE,PM)_AVを Δθn(NE,PM)_AV =ΣΔθn(NE,PM) /(積算カウンタ計数値) …(15) として求めるとともに、該求めたクランク角偏差平均値
Δθn(NE,PM)_AVと上記学習値メモリ910内の当該気
筒、並びに当該運転条件に対応する同クランク角偏差に
ついての学習値ΔθnL(NE,PM) とから、なまし(徐
変)演算 ΔθnL(NE,PM)={(8−1)×ΔθnL(NE,PM) +Δθn(NE,PM)_AV } /8 …(16) を実行して、新たな学習値ΔθnL(NE,PM) を求める。
そして、この新たに求めた学習値ΔθnL(NE,PM) を、
上記学習値メモリ910の該当する欄に更新登録する。
は、なまし(徐変)係数であり、該値「8」以外にも処
理系に応じた任意の値を採用することができることは云
うまでもない。
その学習値ΔθnL(NE,PM) の更新が行われるのは、上
記積算値メモリ908にも対応するクランク角偏差積算
値ΣΔθn(NE,PM) が存在している場合に限られる。す
なわち、対応するクランク角偏差積算値ΣΔθn(NE,P
M) が存在していなかった場合、その平均値Δθn(NE,P
M)_AVも得られないことから、上記(16)式のなまし
(徐変)演算自体、その実行が不可能となる。
公差学習を実行した電子制御装置9は、次のステップS
215にて、前記積算値メモリ908、前記積算カウン
タ907、及び前記点火数カウンタ909をそれぞれリ
セットする。そして次の学習に備えるべく、上述したス
テップS216並びにステップS217の処理を実行し
た後、本ルーチンを一旦抜ける。
じてこのような機関1の運転条件に応じた学習処理が行
われることにより、前記メインルーチン(図3)におい
て同学習値ΔθnL(NE,PM) に基づき公差補正された値
として算出されるクランク角速度ωnの値も自ずとその
信頼性が高められることとなる。そしてひいては、その
後の失火判定に際しても、その判定精度は自ずと高いも
のとなる。
学習制御ルーチンにおけるステップS210の処理とし
て実行される公差学習実行条件のチェック処理について
説明する。
のチェックルーチンにおいて、電子制御装置9(学習制
御部906)は、これまで同様、 (1)前回の割り込み時刻と今回の割り込み時刻との偏
差から、クランク角が60°CA回転するのに要した時
間T60iを算出する(ステップS300)。 (2)今回の割り込みタイミングが上死点後(ATD
C)60°CAであるか否かを前記基準信号CYLに基
づき判断する(ステップS301)。 (3)この割り込みタイミングが上死点後60°CAで
はない旨判断される場合、上記求めた時間T60iをT
60i-1とした後、本ルーチンを一旦終了する(ステッ
プS319)。 (4)同割り込みタイミングが上死点後60°CAであ
る旨判断される場合には、前記基準信号CYLに基づき
今回の気筒の気筒番号nを識別した後(ステップS30
2)、上記求めた時間T60iについての過去2回分の
データを累積して、クランク軸が120°CA回転する
のに要した時間T120iを算出する(ステップS30
3)。 といった処理を実行した後、次のステップS304に
て、先の(1)’式に基づき気筒毎のクランク角速度ω
nを算出する。そして、更に次のステップS305に
て、それら算出したクランク角速度ωnに基づき、36
0°CA差分法、すなわち失火検出対象となる気筒及び
その隣接気筒の回転角速度差分を360°CA離れた気
筒の同差分から差し引いた2階差分 Δωn=(ωn-1 − ωn)−(ωn-4 −ωn-3 ) …(17) を用いてクランク角速度変動量Δωnを算出する。
出した電子制御装置9は次に、ステップS306にて、
このクランク角速度変動量Δωnと同変動量Δωnに対
して予め設定されている失火判定値REF2とを比較す
る。そして、このクランク角速度変動量Δωnが失火判
定値REF2を超えている旨判断される場合には、ステ
ップS307にて、前記仮失火カウンタ912のうちの
CMFカウンタをインクリメントして、ステップS30
8の処理に移行する。
ク角速度変動量Δωnが失火判定値REF2以下である
旨判断される場合には、そのままステップS308の処
理に移行する。
ク角速度変動量Δωnと同変動量Δωnに対して予め設
定されているラフロード(悪路走行)判定値REF3
(<REF2)とを更に比較する。
転変動が起こりやすい状況にあるため、こうした状況が
継続される場合にも、公差学習は実行すべきではない。
そこで、電子制御装置9は、同ステップS308におい
て、クランク角速度変動量Δωnが該ラフロード判定値
REF3を超えていて且つ上記失火判定値REF2以下
である旨判断される場合には、現在ラフロードを走行中
であるとして、ステップS309にて前記ラフロード
(CRG)カウンタ911をインクリメントする。
ンク角速度変動量Δωnが上記ラフロード判定値REF
3以下である旨判断される場合には、そのままステップ
S310の処理に移行する。
おいて、ステップS310(図8)以降の処理は、上記
360°CA差分法では失火の判定が不可能である36
0°CA対向気筒連続失火を検出するための失火判定処
理である。引き続き、それら処理の詳細について説明す
る。
9は、次のステップS310にて、前記酸素(O2 )セ
ンサ15の出力に基づく空燃比フィードバック(F/
B)制御の実行中であるか否かをまず判断する。
行されている状態にあって機関1に失火が発生している
場合には、その空燃比フィードバック補正係数cfbと
同補正係数の平均値cfbAVとの和が、上記酸素セン
サ15の特性や内燃機関個々の機差などによる初期公差
よりも大きい側(空燃比のリーン(L)側)にずれるこ
とが発明者等によって確認されている。
S310にて空燃比フィードバック制御中である旨判断
される場合、ステップS311にて、空燃比フィードバ
ック補正係数cfb及び同補正係数の平均値cfbAV
の和と上記初期公差とを比較し、それら和が上記初期公
差以上であるときには、失火が発生しているとして、ス
テップS312にて前記仮失火カウンタ912のうちの
COFカウンタをインクリメントする。
理は、空燃比のフィードバック制御が実行中であること
が大前提となるが、例えば高負荷燃料増量中など、こう
したフィードバック制御が行われない場合であっても、
当該機関1が正常点火されているか否かについての判断
が行われることが望ましい。
っては、その活性時、内燃機関1に失火が発生すると、
(A)その出力周期が極端に短くなる。或いは(B)そ
の出力がリーン(L)側にへばりつく。といった何れか
の状態を示すようになることが発明者等によって確認さ
れている。これら(A)及び(B)の状態についての測
定結果をそれぞれ図9及び図10に示す。
ンサ15の出力周期が短くなる場合には、図9において
「FO2 センサ出力」として示されるように、正常点火
時の振幅周期(およそ0.5〜2Hz)に対して明らか
に区別できるような短い周期(同図9に「csgt」と
して示される点火周期程度)となる。
制御が実行されている状態における上記空燃比フィード
バック補正係数cfbの推移についても併せ示してお
り、機関1に失火が発生した場合にこの空燃比フィード
バック補正係数cfbと同補正係数の平均値cfbAV
との和が大きな値をとるようになることは、この図9に
よっても明らかである。
OT)には、同機関1の失火に伴い、酸素センサ15の
出力がリーン(L)側にへばりつくようになる。そして
この場合には、図10においてこれも「FO2 センサ出
力」として示されるように、上述した正常点火時の振幅
周期よりも十分長い時間に亘って、その出力がリーン
(L)側に固定されるようになる。
態にあれば、その出力(R/L)を監視することで、内
燃機関1の失火発生の有無を判定することができるよう
になる。
ーチンにおいて、ステップS313以降の処理は、こう
した原理に基づいて酸素センサ15の出力から内燃機関
1の失火発生の有無を判定するための処理である。
比フィードバック制御中ではない旨判断した、或いは空
燃比フィードバック制御中であったとしても上記ステッ
プS311にて空燃比フィードバック補正係数cfb及
び同補正係数の平均値cfbAVの和が上記初期公差未
満である旨判断した電子制御装置9は、ステップS31
3にて、上記酸素(O2 )センサ15が活性状態にある
か否かをまず判断する。そして、同酸素センサ15が活
性状態にあることを条件に、それぞれ ・その出力周期(振幅周期)が正常点火時の振幅周期F
sよりも短いか否か(ステップS314)。 ・そのリーン(L)側の出力時間が正常点火時のリーン
側出力時間TLOW よりも長いか否か(ステップS31
6)。 といった比較を行い、同出力周期が正常点火時の振幅周
期Fsよりも短い旨判断される場合には、ステップS3
15にて前記仮失火カウンタ912のうちのCFカウン
タをインクリメントし、同出力のリーン側出力時間が正
常点火時のリーン側出力時間TLOW よりも長い旨判断さ
れる場合には、ステップS317にて前記仮失火カウン
タ912のうちのCTカウンタをインクリメントする。
終えた電子制御装置9は、最後に、ステップS318に
て、上記ステップS304において算出したクランク角
速度ωnをはじめとするそれら気筒毎のクランク角速度
の値に対し、前述のようにω(n-5) →廃棄、ω(n-4) →
ω(n-5) 、ω(n-3) →ω(n-4) 、ω(n-2) →ω(n-3)、
ω(n-1) →ω(n-2) 、ωn→ω(n-1) といった更新処理
を施して、同公差学習実行条件チェックルーチンを抜け
る。
クルーチンが、前記点火数カウンタ909の計数値に基
づき、例えば「100」点火等を経過するまで繰り返し
実行されるようになることは公差学習制御ルーチン(図
4)の説明において既述した通りである。
習制御ルーチンにおけるステップS212の処理として
実行される公差学習実行条件の成否判定処理について説
明する。
判定ルーチンは前述のように、公差学習制御ルーチン
(図4)のステップS211において上記所定の点火数
を経過している旨判断される場合に起動される。
チンが起動されると、電子制御装置9(学習制御部90
6)はまず、ステップS400にて、前記仮失火カウン
タ912を構成する各カウンタ(CMFカウンタ、CO
Fカウンタ、CFカウンタ、及びCTカウンタ)の計数
値が何れか1つでも「1」以上となっているか否か、或
いは前記ラフロードカウンタ(CRGカウンタ)911
の計数値が同計数値に対する所定のラフロード判定値K
RG以上となっているか否かを判断する。
数値が何れか1つでも「1」以上となっている場合、或
いは前記ラフロードカウンタ911の計数値が上記判定
値KRG以上となっている場合には、ステップS401
にて、前記RAM9c内の適宜の領域に「公差学習実行
不可」を示すフラグをセットする。
が何れも「0」であり、且つ前記ラフロードカウンタ9
11の計数値が上記判定値KRG未満である場合には、
ステップS402にて、同RAM9c内の適宜の領域に
「公差学習実行可」を示すフラグをセットする。
御装置9は、前記仮失火カウンタ912並びにラフロー
ドカウンタ911をリセットして、同公差学習実行条件
の成否判定ルーチンを抜ける。
S213において、電子制御装置9は、こうして処理し
た「公差学習実行可」を示すフラグ、或いは「公差学習
実行不可」を示すフラグに基づいて前述した公差学習実
行の「可」若しくは「不可」を判断することとなる。換
言すれば、図7及び図8に示した公差学習実行条件のチ
ェックルーチンにおいて、その全てのチェック項目が正
常である場合にのみ、前記態様での公差学習、すなわち
その学習値ΔθnL(NE,PM) の更新が行われるようにな
る。そしてこのため、同学習値ΔθnL(NE,PM) の信頼
性も自ずと高く維持されるようになる。
失火検出装置によれば、 (1)内燃機関1の気筒別、且つ、運転条件の別にクラ
ンク角偏差(気筒間角度公差)についての学習を行うよ
うにしたことで、同機関1のその都度の気筒、並びに運
転条件に応じた極めて正確なクランク角速度ωnを算出
することができるようになる。そしてこのため、それら
クランク角速度ωnの推移に基づき算出されるクランク
角速度変動量Δω(n-α-1)も自ずと正確な値となり、該
クランク角速度変動量Δω(n-α-1)と失火判定値REF
1との比較のもとに行われる失火の判定精度も極めて高
く維持されるようになる。 (2)360°CA差分法に基づき判定される失火はも
とより、該360°CA差分法では失火の判定が不可能
である360°CA対向気筒連続失火等についてもその
発生の有無を判定することができるとともに、それら判
定において正常な点火が確認された場合にのみ上記学習
を実行するようにしたことから、学習値の信頼性も高く
維持されるようになる。 (3)機関1が例えば急加速や急減速等の過渡状態、シ
フトチェンジ状態、燃料カット時や復帰時、始動時や電
気負荷投入時、アイドル状態、パージ制御状態、EGR
(排気還流制御)実行中、可変吸気実行中等々、クラン
ク軸の大きな回転変動を招く特定の運転状態にあると
き、或いは軽負荷運転域や高回転域等、いわゆる失火判
定不能な運転域にあるときにも学習の実行を禁止するよ
うにしているため、これによっても学習値の信頼性は高
く維持される。 (4)前記(3)式〜(7)式によるように、気筒間の
クランク角偏差時間ΔTnの算出に過渡補正項を加味し
たことで、例えば急加速時や急減速時等、機関1の運転
条件による過渡的な回転変動増減の影響も上記学習値か
ら好適に排除されるようになる。 等々、多くの優れた効果が得られるようになる。
学習制御ルーチン(図4)のステップS204において
第1気筒(#1)を判別した際、この第1気筒と他の第
2〜第6気筒(#2〜#6)との間の全てのクランク角
偏差を求めるようにした。
ば、360°CA離れた気筒同士は同じロータ被検出部
を通じてそのクランク角度が検出されるため、それら気
筒間のクランク角偏差はそもそも小さい。
筒同士を1組とし(6気筒の場合であれば3組とな
る)、それら組毎に気筒間の(組間の)公差学習を行う
構成とすることもできる。このような構成によれば、電
子制御装置9において必要とされる演算量やROM、R
AM等のメモリ容量を大幅に削減することができるよう
になる。
S204において判別する気筒は、第1気筒(#1)に
限らず、他の任意の気筒であってもよい。要は、特定の
気筒(若しくは組)に対する他の気筒(若しくは組)の
クランク角偏差が算出される構成でありさえすればよ
い。
く公差学習制御ルーチン(図4)のステップS208及
びステップS214において、それぞれ図5及び図6に
示される態様で、機関1の運転条件(回転速度NE,機
関負荷PM)の別にクランク角偏差Δθnを積算し、或
いは学習するようにした。
場合、図12(a)及び(b)に、第1、第4気筒グル
ープに対するそれぞれ第2、第5気筒グループ、及び第
3、第6気筒グループの機関負荷に対する回転変動公差
を例示するように、機関負荷が変化しても、それら回転
変動公差の傾向はほぼ一定となっている。
リ構造においても、その運転条件として機関負荷の欄を
削除し、気筒並びに回転速度の別に、上述したクランク
角偏差Δθnの積算、或いは学習が行われる構成とする
こともできる。こうした構成によっても、電子制御装置
9において必要とされる演算量やROM、RAM等のメ
モリ容量は大幅に削減されるようになる。
算、或いは学習を機関1の運転条件の別に行うにしろ、
同機関1の高回転域ではそれら積算、或いは学習が行わ
れる機会は少ない。そしてこのため、学習値が求まら
ず、失火が発生してもその旨を検出することができない
こともある。
気筒間のクランク角偏差(公差)には、回転速度が増加
するとそれら公差もほぼ直線的に増加する傾向がある。
すなわち、機関1の例えば低回転域における頻度の高い
2運転条件でそれら公差が学習されたときには、いわゆ
る線形補間を行うことによって、同機関1の高回転域で
の公差を割り出りだすことが可能となる。こうした原理
に基づいて機関1の高回転域での公差を割り出し、該割
り出した公差を学習するようにすれば、上記不都合も好
適に解消されるようになる。
大きくなることを予想して公差学習実行条件から外した
領域についても、上記線形補間によってそれら領域の公
差を学習することができるようになる。
場合、その未燃ガスが排気管14内で後燃えし、公差学
習実行条件のチェックルーチン(図7、図8)において
その酸素(O2 )センサ15の出力に基づく正確な失火
判定(ステップS314及びステップS316)が不能
となることがある。
排気温度が所定温度以上となるときには学習の実行を禁
止する。或いは、 ・高負荷状態での運転時等、後燃えが発生しやすい運転
条件では学習の実行を禁止する。 といった構成を併せ具えるようにすれば、こうした不都
合も好適に回避されるようになる。
酸素センサ15の出力に基づいて空燃比のフィードバッ
ク制御を行うシステムを想定した。しかし、機関の燃焼
ガスに基づき空燃比をリニアに検出するリニア空燃比セ
ンサを用い、該リニア空燃比センサの出力に基づいて同
空燃比のフィードバック制御を行うシステムにあって
は、このリニア空燃比センサの出力を利用して、公差学
習実行条件チェックルーチン(図7、図8)における前
記ステップS314及びステップS316の処理に相当
する失火判定を行うこともできる。
機関に失火が発生すると、(a)その出力がリーン側に
変化する。或いは(b)その出力が全体的にリーン側へ
のオフセットを持つようになる。といった何れかの状態
を示すようになる。したがってこの場合、前記学習制御
部906としては、 ・該リニア空燃比センサの出力が所定期間以上リーン側
にあるとき前記CFカウンタをインクリメントする。 ・該リニア空燃比センサの出力の平均値が所定値以上リ
ーン側にあるとき前記CTカウンタをインクリメントす
る。 といった構成を採ることとなる。
サとしては、HC濃度センサなどもある。また、同公差
学習実行条件チェックルーチン(図7、図8)における
チェック項目の選択、或いは組み合わせ等は任意であ
り、対象となるシステムの規模に応じて自由にそれら項
目の選択、或いは組み合わせを行うことができる。もっ
とも、前述した項目の全てが選択されるとき、前記学習
値の信頼性が最大となことは云うまでもない。
差学習実行条件のチェックルーチン(図7、図8)にお
けるステップS305のクランク角速度変動量Δωnの
算出には、前記(17)式による360°CA差分法を
用いるとした。
場合、クランク角速度ωnは通常、その後徐々に正常な
角速度に戻るようになる。このため、上記360°CA
差分法においても次式(17)’式として示すように、 Δωn=(ωn-1 − ωn)−(ωn+2 −ωn+3 ) …(17)’ といったかたちで、その後のクランク角速度「ωn+2」
及び「ωn+3」を導入することが望ましい。これによ
り、失火発生の際にはクランク角速度変動量Δωnとし
てより大きな値が得られ、S/N(信号/雑音)比の向
上が図られるようになる。
学習実行条件の成否判定(図11)において「公差学習
実行可」を示すフラグがセットされることを条件に前記
学習値の更新が行われるとしたが、他に例えば、 ・更新しようとする値とそれまでの学習値との差が所定
以上に大きいときには、その更新しようとする値が複数
回連続してほぼ同じ値となるときに限り、その値による
学習値の更新を許可する。といった学習アルゴリズムを
採用するようにしてもよい。このようなアルゴリズムに
よれば、偶然に求まった値によって誤った学習が行われ
ることもなく、それら学習値の信頼性が更に向上される
ようになる。
施形態の装置では上述のように、所定のサンプル数とな
るまで運転条件別のクランク角偏差を積算し、その平均
値(Δθn(NE,PM)_AV)に基づき(正確には(16)式
のなまし演算によって)学習値(ΔθnL(NE,PM) )を
求めたが、この平均値に代えて、所定のサンプル数とな
るまで同運転条件別のクランク角偏差をなまし処理した
値なども適宜採用することができる。
ンルーチン(図3)での失火判定の際、失火判定値RE
F1と比較されるクランク角速度変動量Δω(n-α-1)を
前記学習値に基づき補正することとしたが、失火判定値
REF1の側を前記学習値に基づき補正するようにして
も勿論よい。
偏差(気筒間角度公差)に限らず、それに相当する値、
例えばクランク角速度、或いはその変動量、等々を採用
することもできる。
が、内燃機関の特性として、機関本体の振動等により、
ある特定の回転速度においてクランク角偏差が著しく不
均一となることがある。
ンク角度を検出するための前述した電磁ピックアップの
取り付け腕(ステー)が共振し、同ピックアップとロー
タ被検出部との位置関係が変化することなどが挙げられ
る。
ロータ被検出部の検出間隔(検出時間)が変則的になっ
てしまうことから、同検出時間に基づき前記(8)式を
通じて算出されるクランク角偏差(角度公差)Δθにも
図14に示されるような特異点SP、SP’が生じるこ
ととなる。因みに図14は、排気量1800cc直列4
気筒エンジンについて測定した回転速度と同角度公差Δ
θとの関係についての実測データである。
生じる場合、同クランク角偏差Δθについての前記運転
条件(回転速度)別の公差学習を行い、それ以外の回転
速度領域ではそれら公差学習値からの直線補間によって
その角度公差を求めたとしても当該角度公差特性を正確
に角速度変動量に反映させることはできず、ひいては前
記メインルーチン(図3)を通じて実行される失火判定
についての誤判定をも招きかねなくなる。
じ方は、機関の種類や形状、更にはそのおかれる環境等
によって区々であり、機関のどのような運転条件で該特
異点SP、SP’生じるかを特定することは困難であ
る。
関の全運転領域に亘ってそれら角度公差を全て学習する
にはメモリ容量等の制限を受けることとなり、やはり現
実的ではない。
装置の他の実施形態として、クランク角偏差(角度公
差)Δθに上記特異点が生じる場合であっても、少ない
メモリ容量で、しかも好適に該特異点による影響を回避
することのできる装置についてその一例を示す。
公差学習に併せて、その公差学習値と上記特異点を含む
実公差との偏差についての図15及び図16に示される
ような偏差学習制御を実行し、その偏差学習値に基づき
前記メインルーチン(図3)で用いられる失火判定値R
EF1を補正して上記特異点の存在に起因する誤った失
火判定が行われることを回避する。
各々特定の回転速度(運転条件)の合間の補間領域で上
記公差学習値と実公差との偏差を求める必要があるた
め、同図15及び図16に示す偏差学習制御ルーチンで
は、公差学習を実行した回転速度区間をそれら学習域に
対応した所定の回転数毎の(例えば500rpm毎の)
ゾーンに区分けし、それら区分けしたゾーンの単位で上
記公差学習値(補間値)と実公差との偏差による影響を
抑制するようにしている。なおこの偏差学習制御ルーチ
ンは、前記内燃機関1の一点火毎(6気筒の場合には1
20゜CA毎、4気筒の場合には180゜CA毎)に、
前記電子制御装置9を通じて起動、実行される。
習制御ルーチンについてその詳細を順次説明する。すな
わちいま、内燃機関1の任意気筒の点火に伴って同偏差
学習制御ルーチンが起動されると、電子制御装置9はま
ず、ステップS500にて、同機関の現在の回転速度
(運転条件)に対応したゾーンにおいて前記公差学習が
完了しているか否かを判断する。公差学習が完了してい
なければ、その対応する実公差との比較もできないた
め、本ルーチンを一旦終了する。
していれば、電子制御装置9は次のステップS501に
て、偏差学習実行中フラグがセットされているか否かを
判断する。この偏差学習実行中フラグとは、通常はセッ
ト状態におかれ、次に述べる条件によってはリセットさ
れて、不十分な偏差学習の完了を未然に防止するための
フラグである。
対応した偏差学習を行う上で、あるゾーンでの公差学習
値(補間値)と実公差との偏差測定が部分的に行われた
だけでは、最も影響の大きい上記特異点が測定されてい
ない可能性がある。そこでここでは、例えば ・先の図4に例示した公差学習制御ルーチンのステップ
S210にかかる「公差学習実行条件のチェック処理
(図7、図8)」やステップS212にかかる「公差学
習実行条件の成否判定処理(図11)」において学習を
実行してはいけない状態であることが認識されている場
合(ステップS502)。或いは、 ・回転速度が急激に変動するなどして、特定ゾーンの偏
差測定を入念に行うことができない場合(ステップS5
03)。 等々、当該ゾーンで偏差学習が完了したとするには不十
分な状態では、ステップS504にて上記偏差学習実行
中フラグをリセットして、同ゾーンでの少なくとも今回
の偏差学習を完了させないようにしている。
フラグがセットされている旨判断され、且つこれら学習
をキャンセルすべき要因が生じていない旨判断される場
合、電子制御装置9は、ステップS505にて、該当す
る公差学習値ΔθLと実公差Δθとの偏差Δ(Δθ)を
求める。実公差Δθが電磁ピックアップによるロータ被
検出部の検出間隔(検出時間)に基づき前記(8)式を
通じて算出されることは上述した通りである。
装置9は、次のステップS506にて、同偏差Δ(Δ
θ)についての最も大きな値を求めるべく、当該ゾーン
において保持している偏差Δ(Δθ)の値と今回求めた
偏差Δ(Δθ)の値との大きい方の値を前記RAM9c
(図1)内の所定の領域に保持していく。これは、上記
特異点等、最も影響の大きい偏差を学習値とするための
配慮である。
した、若しくはステップS504にて偏差学習実行中フ
ラグをリセットした、若しくはステップS501にて同
偏差学習実行中フラグがセットされていない旨判断した
電子制御装置9は、ステップS507にて、回転速度が
それまでのゾーンを抜け、新しいゾーンに移行したか否
かを判断する。新しいゾーンに移行していない場合に
は、当該ゾーンでの上記偏差Δ(Δθ)の算出、並びに
そのより大きな値による更新と、後述するステップS5
16(図16)以降の処理のみが繰り返し実行される。
ンに移行している旨判断される場合電子制御装置9は更
に、次のステップS508にて、その移行がもといたゾ
ーンへの逆戻りではなく、移行前のゾーンを全て通った
次のゾーン(1段階だけ高速側のゾーン)への移行であ
るか否かを判断する。同移行がもといたゾーンへの逆戻
りであった場合、移行前のゾーンの全域に亘って上記偏
差Δ(Δθ)の測定を行ったことにはならないため、以
下に説明する学習処理は行われずに、後述するステップ
S514(図16)以降の処理が行われる。
ゾーンへの移行が上記次のゾーンへの移行である旨判断
される場合、電子制御装置9は、ステップS509にて
上記偏差学習実行中フラグがセットされていることを確
認した上で、次のステップS510〜ステップS513
にかかる偏差学習を実行する。偏差学習実行中フラグが
セットされていない場合、すなわち移行前のゾーンにお
いて一度、ステップS502〜ステップS504を通じ
て学習の実行が不適当である旨判断されている場合にも
移行前のゾーンの全域に亘って上記偏差Δ(Δθ)の測
定を行ったことにはならないため、以下に説明する学習
処理は行われずに、後述するステップS514以降の処
理が行われる。
S510(以下、図16)にて、該学習対象となるゾー
ン、すなわち移行前のゾーンでの偏差学習実行条件の成
立が初回であるか否かが判断される。
断される場合には、ステップS512にて、上記移行前
のゾーンに関して上記RAM9c内の所定領域に保持さ
れている最大の偏差Δ(Δθ)を同ゾーンの偏差学習値
として偏差学習値メモリに登録し、次のステップS51
3にて、同ゾーンについての偏差学習が完了したことを
示す偏差学習完了フラグをセットする。この偏差学習値
メモリも、先の図6に例示した公差学習値メモリ910
と同様、前記バックアップRAM9d(図1)内の所定
領域に予め用意されていて、上述した各ゾーン(回転速
度範囲)の別にそれら偏差学習値Δ(Δθ)が登録され
る構造となっている。
行前のゾーンでの偏差学習実行条件の成立が初回ではな
く、2回目以降である旨判断される場合には、ステップ
S511にて、上記偏差学習値メモリに登録されている
同ゾーンについての偏差学習値Δ(Δθ)を同ゾーンに
関して上記RAM9c内の所定領域に保持されている最
大の偏差Δ(Δθ)によって更新する。なお、この更新
に際しては、前述したなまし(徐変)処理を併用するよ
うにしてもよい。
御装置9は次に、該移行した新しいゾーンについての偏
差学習を行うため、ステップS514にて、上記RAM
9c内の所定領域に保持されている偏差Δ(Δθ)の値
を「0」にクリアするとともに、ステップS515に
て、上記偏差学習実行中フラグを標準(デフォルト)の
状態であるセット状態とする。
16にてその対象となっているゾーン(移行前のゾー
ン)に関する上記偏差学習完了フラグがセットされてい
ることを確認した上で、次のステップS517〜ステッ
プS518にかかる失火判定値補正処理を実行する。同
ゾーンに関する偏差学習完了フラグがセットされていな
い場合には、このステップS517〜ステップS518
にかかる失火判定値補正処理を行わずに、本ルーチンを
一旦終了する。
ず、ステップS517にて、当該ゾーンの偏差学習値Δ
(Δθ)から前記失火判定値REF1に加えるべきオフ
セット量REFofsを算出する。このオフセット量R
EFofsの算出は、 REFofs=Kofs×Δ(Δθ)×回転速度 …(18) といったように、偏差学習値Δ(Δθ)の角度(ra
d)情報を角速度(rad/sec)の変動量に換算す
るかたちで行われる。ここで係数Kofsは、偏差学習
値Δ(Δθ)をこうした失火判定値REF1と同じ次元
の値に換算するための換算係数である。
した電子制御装置9は最後に、ステップS518にて同
算出したオフセット量REFofsを前記失火判定値R
EF1に加えて、本ルーチンを終了する。
点火毎に行われることにより、上記各ゾーン毎に測定さ
れた公差学習値補間値と実公差との偏差Δ(Δθ)の最
大値(偏差学習値)に応じた角速度変動量が別途求めら
れるとともに、この求められた角速度変動量がオフセッ
ト量REFofsとして、その都度、前記失火判定値R
EF1に加えられるようになる。
差)Δθに上述した特異点が生じる場合であっても、す
なわちメインルーチン(図3)において失火判定値RE
F1と比較されるクランク角速度変動量Δω(n-α-1)に
該特異点に基づく増加が生じる場合であっても、その角
速度変動量増加分に応じたオフセット量REFofsが
失火判定値REF1に加わることで、同特異点に起因す
る誤った失火判定が行われることも好適に回避されるよ
うになる。
ば、上記ゾーンを単位として偏差学習を行うようにした
ことで、その必要とされるメモリ容量の増加を最小限に
抑えることができるようにもなる。
判定値REF1に上記オフセット量REFofsを加え
て上記特異点に対処することとしたが、同メインルーチ
ンにおいて比較対象となるクランク角速度変動量Δω(n
-α-1)から上記オフセット量REFofsを引いてその
対処とする構成であっても勿論よい。
角偏差(気筒間角度公差)との偏差量に限らず、それに
相当する値、すなわち公差学習値に応じて、例えばクラ
ンク角速度との偏差量、或いはその変動量、等々を採用
することができる。
実行条件を適正に判断するための要素として上記空燃比
センサ(酸素センサ、リニア空燃比センサ)の出力や空
燃比フィードバック制御にかかる空燃比補正係数を参照
するようにした。
らも明らかなように、こうした空燃比センサの出力や空
燃比フィードバック制御にかかる空燃比補正係数から直
接、当該機関の失火発生の有無を検出する構成とするこ
ともできる。
定するルーチンのみを同実施形態にかかる装置のクラン
ク角速度変動量を用いた失火検出に代えて用いる構成と
することもできる。
ェック項目の選択、或いは組み合わせ等は任意であり、
対象となるシステムの規模に応じて自由にそれら項目の
選択、或いは組み合わせを行うことができる。
組み合わせた失火検出方法を、上記実施形態にかかる装
置の失火検出方法以外の方法と組み合わせて、それら方
法による失火検出精度の更なる向上を図るようにするこ
ともできる。
は、360゜CA対向気筒の連続失火を検出する3つの
方法が示されているが、この中のステップS311の処
埋を図17のステップS311’の処理として示すよう
に変更してもよい。
燃比補正係数cfbとその平均値との和を初期公差と比
較して失火検出していたが、他に図17に示すように、
空燃比補正係数と同補正係数の学習値との和を初期公差
と比較して失火検出するようにしてもよい。
そのステップS314の処理において、O2 センサ振幅
周期が予め設定されている正常点火時の振幅周期Fsよ
りも短いとき失火が発生している旨判断しているが、図
17のチェックルーチンにおけるステップS314’の
処理として示すように、下限の判定値(Fs)だけでな
く、所定範囲を設定して、この範囲外のときには失火が
発生している旨判断するようにしてもよい。このように
所定範囲を設定することにより、図9に示すような失火
だけでなく、図10に示すような失火も検出することが
できるようになる。
変動量としてクランク角偏差Δθnを運転条件の別に学
習しているが、これに限られることはなく、これに相当
する値として、例えばクランク角偏差Δθnを求めるた
めに用いるクランク角偏差時間ΔTnを学習するように
してもよい。
示すブロック図。
を示すブロック図。
フローチャート。
ーチャート。
構造例を示す略図。
構造例を示す略図。
ローチャート。
ローチャート。
ムチャート。
イムチャート。
フローチャート。
示すグラフ。
性を示すグラフ。
子を示すグラフ。
すフローチャート。
すフローチャート。
示すフローチャート。
…回転角センサ、6…基準位置センサ、7…ディストリ
ビュータ、8…水温センサ、9…電子制御装置、10…
インジェクタ、11…イグナイタ、12…警告ランプ、
13…ピストン、14…排気管、15…酸素(O2 )セ
ンサ、9a…CPU、9b…ROM、9c…RAM、9
d…バックアップRAM、9e…I/Oポート、901
…角速度変動量演算部、902…失火判定部、903…
点火数カウンタ、904…仮失火カウンタ、905…角
速度記憶部、906…学習制御部、907…積算カウン
タ、908…気筒間クランク角偏差(公差)積算値メモ
リ、909…点火数カウンタ、910…気筒間クランク
角偏差(公差)学習値メモリ、911…ラフロードカウ
ンタ(CRG)、912…仮失火カウンタ。
Claims (22)
- 【請求項1】内燃機関出力軸の回転に応じた回転角度信
号に基づき同機関出力軸の気筒別回転角速度変動量を求
め、該求めた気筒別回転角速度変動量と所定の失火判定
値とを比較して当該機関の失火発生を検出する内燃機関
の失火検出装置において、 前記機関出力軸の気筒別回転角速度変動量を同機関の運
転条件の別に学習する学習手段と、 前記失火判定値、若しくは同判定値と比較される前記気
筒別回転角速度変動量をその都度の対応する運転条件で
の学習値に基づき補正する補正手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項2】請求項1記載の内燃機関の失火検出装置に
おいて、 前記学習手段は、前記機関出力軸の気筒間回転角度偏差
を求め、該求めた気筒間回転角度偏差を同機関の気筒並
びに運転条件の別に学習するものであり、 前記補正手段は、同機関のその都度の対応する気筒並び
に運転条件での学習値に基づき前記気筒間回転角度偏差
を補正して同機関出力軸の気筒別回転角速度を求め、該
求めた気筒別回転角速度の推移に基づいて前記失火判定
値と比較される気筒別回転角速度変動量を演算するもの
であることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項3】前記学習手段は、当該機関が正常点火され
ていることを条件に、前記学習を実行する請求項1また
は2記載の内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項4】前記学習手段は、前記回転角度信号に基づ
き求めた機関出力軸の気筒別回転角速度変動量が仮の失
火判定値以下であることに基づいて当該機関が正常点火
されていることを判断する請求項3記載の内燃機関の失
火検出装置。 - 【請求項5】前記学習手段は、失火検出対象となる気筒
及びその隣接気筒の回転角度差分から360゜クランク
角だけ後の気筒及びその隣接気筒の回転角度差分を差し
引いた2階差分によって前記回転角度信号に基づき求め
た機関出力軸の気筒別回転角速度変動量が仮の失火判定
値以下であるか否かを判断する請求項4記載の内燃機関
の失火検出装置。 - 【請求項6】請求項3記載の内燃機関の失火検出装置に
おいて、 内燃機関の燃焼ガスの酸素濃度に基づき空燃比を検出す
る空燃比センサと、 該空燃比センサの出力に基づき所望の空燃比を得るべく
前記内燃機関への燃料噴射量を空燃比補正係数を用いて
フィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段
とを具え、 前記学習手段は、前記空燃比フィードバック制御手段に
よるフィードバック制御の実行中、その空燃比補正係数
と同補正係数の平均値との和、若しくは空燃比補正係数
と同補正係数の学習値との和が所定の値よりもリーン側
にないことに基づいて当該機関が正常点火されているこ
とを判断する手段を含むことを特徴とする内燃機関の失
火検出装置。 - 【請求項7】請求項3記載の内燃機関の失火検出装置に
おいて、 内燃機関の燃焼ガスの酸素濃度に基づいて空燃比を検出
する空燃比センサを具え、 前記学習手段は、前記空燃比センサの活性時、その出力
が所定期間以上リーン側にないことに基づいて当該機関
が正常点火されていることを判断する手段を含むことを
特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項8】請求項3記載の内燃機関の失火検出装置に
おいて、 内燃機関の燃焼ガスの酸素濃度に基づいて空燃比のリッ
チ/リーンを検出する酸素センサを具え、 前記学習手段は、該酸素センサの活性時、その出力周期
が所定の範囲内であることに基づいて当該機関が正常点
火されていることを判断する手段を含むことを特徴とす
る内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項9】請求項3記載の内燃機関の失火検出装置に
おいて、 内燃機関の燃焼ガスに基づいて空燃比をリニアに検出す
るリニア空燃比センサを具え、 前記学習手段は、前記リニア空燃比センサの出力が所定
値以上リーン側にないことに基づいて当該機関が正常点
火されていることを判断する手段を含むことを特徴とす
る内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項10】請求項1〜9記載の何れかに記載の内燃
機関の失火検出装置において、 前記学習手段は、更新しようとする値とそれまでの学習
値との差が所定以上に大きいときには、その更新しよう
とする値が複数回連続してほぼ同じ値となるときに限
り、その値による学習値の更新を許可することを特徴と
する内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項11】請求項1〜10記載の何れかに記載の内
燃機関の失火検出装置において、 前記学習手段は、当該機関の運転状態を監視し、該運転
状態が同機関出力軸の大きな回転変動を招く状態にある
とき、前記学習の実行を中止することを特徴とする内燃
機関の失火検出装置。 - 【請求項12】請求項1〜11記載の何れかに記載の内
燃機関の失火検出装置において、 前記学習手段は、当該機関の運転状態を監視し、同機関
が失火判定不能な運転域にあるとき、前記学習の実行を
中止することを特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項13】請求項1〜11記載の何れかに記載の内
燃機関の失火検出装置において、 前記学習手段は、当該機関の運転状態を監視し、同機関
が失火判定不能な運転域にあるとき、線形補間によって
それら運転域での気筒別回転角速度変動量を学習するこ
とを特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項14】請求項1〜12記載の何れかに記載の内
燃機関の失火検出装置において、 前記補正手段は、前記学習手段による学習値と機関出力
軸の気筒別回転角速度変動量との偏差を測定し、該測定
した偏差に応じて前記失火判定値、若しくは同判定値と
比較される前記気筒別回転角速度変動量を補正する偏差
補正手段を含むことを特徴とする内燃機関の失火検出装
置。 - 【請求項15】前記偏差補正手段は、前記偏差の測定に
際し、前記学習手段による学習値と機関出力軸の気筒別
回転角速度変動量との最大偏差を同機関の運転条件の別
に学習する請求項14記載の内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項16】請求項15記載の内燃機関の失火検出装
置において、 前記偏差補正手段は、一学習値に対する運転条件が一通
り運転されたと判断されたとき、前記最大偏差を前記運
転条件の学習値として更新する手段を含むことを特徴と
する内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項17】請求項15または16記載の内燃機関の
失火検出装置において、 前記偏差補正手段による偏差の学習が完了するまで失火
検出を実行しないことを特徴とする内燃機関の失火検出
装置。 - 【請求項18】内燃機関の燃焼ガスの酸素濃度に基づき
空燃比を検出する空燃比センサと、 該空燃比センサの出力に基づき所望の空燃比を得るべく
前記内燃機関への燃料噴射量を空燃比補正係数を用いて
フィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段
と、 この空燃比フィードバック制御手段によるフィードバッ
ク制御の実行中、その空燃比補正係数と同補正係数の平
均値との和、若しくは空燃比補正係数と同補正係数の学
習値との和が所定の値よりもリーン側にあることに基づ
いて当該機関に失火が発生している旨を検出する失火検
出手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項19】請求項18記載の内燃機関の失火検出装
置において、 前記失火検出手段は、前記空燃比センサの出力信号の推
移に基づいて前記内燃機関に失火が発生しているか否か
を判断する手段を更に具えるものであることを特徴とす
る内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項20】内燃機関の燃焼ガスの酸素濃度に基づき
空燃比を検出する空燃比センサと、 前記空燃比センサが活性しているか否かを判断する空燃
比センサ活性判断手段と、 前記空燃比センサが活性している旨判断され且つ、前記
空燃比センサの出力が所定期間以上リーン側にある旨判
断されることに基づいて当該機関に失火が発生している
旨を検出する失火検出手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項21】内燃機関の燃焼ガスの酸素濃度に基づい
て空燃比のリッチ/リーンを検出する酸素センサと、 前記酸素センサが活性しているか否かを判断する酸素セ
ンサ活性判断手段と、 前記酸素センサが活性している旨判断され且つ、前記酸
素センサの出力周期が所定範囲外である旨判断されるこ
とに基づいて当該機関に失火が発生している旨を検出す
る失火検出手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 【請求項22】内燃機関の燃焼ガスに基づいて空燃比を
リニアに検出するリニア空燃比センサと、 前記リニア空燃比センサが活性しているか否かを判断す
るリニア空燃比センサ活性判断手段と、 前記リニア空燃比センサが活性している旨判断され且
つ、前記リニア空燃比センサの出力が所定値以上リーン
側にある旨判断されることに基づいて当該機関に失火が
発生している旨を検出する失火検出手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
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1996
- 1996-06-20 JP JP16013896A patent/JP3758236B2/ja not_active Expired - Fee Related
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