JP2019032176A - 車両用表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本体表示部に対する固定が良好なリング部材を、製造容易に実現した車両用表示装置を提供する。【解決手段】車両用表示装置は、情報を表示する本体表示部5と、本体表示部5に取付けられるリング状のリング部材70と、を備える。リング部材70は、弾性を有しリング状に形成された第1リング71と、第1リング71の径方向外側に配置されてリング部材70の外周壁76を構成するリング状に形成された第2リング75と、を有する。第2リング75は、外周壁76の前端側が第1リング71の径方向外側に係合された状態で外周壁76の後端側が本体表示部5に係止されることにより、本体表示部5に取付けられている。第2リング75が本体表示部5に取付けられた状態において、第1リング71の弾性による弾性反力によって第2リング75との係合状態が維持されている。【選択図】図6

Description

本開示は、車両に搭載される車両用表示装置に関する。
従来、車両に搭載される車両用表示装置が知られている。特許文献1に開示の装置は、情報を表示する本体表示部と、本体表示部の径方向外側に取付けられるリング状のリング部材と、を備えている。リング部材は、リング状に形成された第1リングと、当該第1リングとは径方向外側に配置されてリング部材の外周壁を構成する第2リングと、を有している。
ここで、第2リングの後端側は、第1リングにより本体表示部と共に隙間なく挟み込まれている。
特許第5462117号公報
しかしながら、特許文献1の装置のように、複数の部品を、第1リングによりまとめて挟み込む構成では、複数の部品寸法の製造誤差が累積的に積み上がり、全ての部材が第1リングの挟み込み部分に入りきらずに組み付けが困難になることや、逆に隙間が発生して車両振動等によるリング部材のがたつきが懸念され得る。このため、本体表示部に対する固定が良好なリング部材を、製造容易に実現することが難しかった。
開示されるひとつの目的は、本体表示部に対する固定が良好なリング部材を、製造容易に実現した車両用表示装置を提供することにある。
ここに開示された車両用表示装置は、情報を表示する本体表示部(5)と、本体表示部に取付けられるリング状のリング部材(70)と、を備えた車両用表示装置であって、
リング部材は、
弾性を有しリング状に形成された第1リング(71)と、
第1リングの径方向外側に配置されてリング部材の外周壁(76)を構成するリング状に形成された第2リング(75)と、を有し、
第2リングは、外周壁の前端側が第1リングの径方向外側に係合された状態で外周壁の後端側が本体表示部に係止されることにより、本体表示部に取付けられており、
第2リングが本体表示部に取付けられた状態において、第1リングの弾性による弾性反力によって第2リングとの係合状態が維持されている。
このような車両用表示装置によると、第2リングは、外周壁の前端側が第1リングの径方向外側に係合された状態で外周壁の後端側が本体表示部に係止されることにより、本体表示部に取付けられている。そして、第2リングが本体表示部に取付けられた状態において、第1リングの弾性による弾性反力によって第2リングとの係合状態が維持されている。この結果、第1リング、第2リング及び本体表示部の部品寸法に製造誤差が存在していたとしても、第1リングが弾性変形することにより当該寸法の誤差が吸収されると共に、弾性反力により係合状態が強固なものとなる。以上により、本体表示部に対する固定が良好なリング部材を、製造容易に実現することができる。
なお、括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。
一実施形態における車両用表示装置を部分的に示す正面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図4を部分的に拡大した拡大図であって、照明光について説明するための図である。 図4を部分的に拡大した拡大図であって、第1リングと第2リングとの係合状態について説明するための図である。 一実施形態における外周突起等を示す斜視図であって、第2リングを透過させて示す透過斜視図である。 変形例1における図1に対応する図である。 図8のIX−IX線断面図である。 図8のX−X線断面図である。
一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本開示の一実施形態による車両用表示装置100は、車両に搭載され、当該装置100を視認する乗員が着座する座席と対向するインストルメントパネルに設置されている。車両用表示装置100は、乗員が位置することとなる視認側へ向けて情報を表示可能となっている。表示される情報としては、例えば車両の速度、エンジン回転数、燃料残量、エンジン冷却水の水温、電動モータの電流値、その他車両の異常等の車両の状態が挙げられる。その他表示される情報としては、例えば警報、道路情報、視界補助情報、電子メール等の各種情報が挙げられる。
このような車両用表示装置100は、図2〜4にも示すように、本体表示部5及びリング部材70等により構成されている。本体表示部5は、ケース部10、実装基板20、複数の表示板40,42、指針部30、リング用光源部50、及び導光プリズム部材60等により構成されている。
ケース部10は、背面側ケース11及び視認側ケース12を組み合わせて形成されている。背面側ケース11は、例えば合成樹脂により遮光性に形成されており、実装基板20を視認側とは反対側の背面側から覆っている。視認側ケース12は、例えば合成樹脂により遮光性に形成されており、実装基板20を視認側から覆うと共に、指針軸挿通筒部12a及び反射壁部12b等を有している。
実装基板20は、例えば合成樹脂により平板状に形成されており、背面側ケース11と視認側ケース12との間に挟まれている。実装基板20には、リング部材70を照明するための発光素子35、指針32aを回動させるためのステッピングモータ31等が実装及び保持されている。
複数の表示板40,42は、一般的に文字板とも呼ばれている板状部材であり、視認側ケース12に複数設けられた開口部を視認側から覆い、当該視認側ケース12によって保持されている。各表示板40,42は、例えば透光性を有する合成樹脂からなる基材の表面に、半透光性又は遮光性の印刷が部分的に施されて形成されている。なお、印刷に代えて、塗装が施されていてもよい。
本実施形態における複数の表示板40,42として、本体表示部5のうちリング部材70より径方向内側において表示を行なう内側表示部6に対応して設けられた表示板40と、リング部材70より径方向外側において表示を行なう外側表示部8に対応して設けられた表示板42との、2つの表示板40,42が採用されている。表示板42は、後述する中心軸AXを中心とした円板状を呈している。表示板42は、表示板40に対応する箇所を円形に刳り貫いた開口穴を有し、外周輪郭を車両用表示装置100の外周部に合わせて形成された板状を呈している。
ここで、視認側ケース12において、内側表示部6と外側表示部8との間に段差が形成されている。この結果、外側表示部8に配置された表示板42は、内側表示部6に配置された表示板40に対して背面側に配置されている。
外側表示部8では、例えば表示灯による警告表示又は方向指示器の作動状態を示す表示等が実施される。内側表示部6では、例えば指針部30による情報の表示を行なう。
指針部30は、複数のステッピングモータ31及び複数の指針32a,32bを有している。ステッピングモータ31は、各指針32a,32bに個別に対応して設けられ、実装基板20の背面側に保持されている。
指針32a,32bは、連結部33及び針状部34を一体的に有している。連結部33は、表示板40よりも背面側の視認側ケース12において中空筒状に形成された指針軸挿通筒部12a内において、ステッピングモータ31の回転軸と連結されている。針状部34は、表示板40よりも視認側において針状に形成されていると共に、表示板40の貫通穴を通して連結部33と連結されている。指針32a,32bは、ステッピングモータ31の出力に応じてその回転軸を回転中心として回動するようになっており、回動位置(目盛の指示位置)に応じて情報を表示することが可能となっている。
本実施形態では、指針部30に2つの指針32a,32bが設けられており、このうち車両の速度を示す指針が主の指針32aとなっており、燃料残量を示す指針がサブ指針32bとなっている。本実施形態では、主の指針32aの回転中心を中心軸AXとする。この中心軸AXは、リング部材70の中心と共通となっており、以後、本実施形態において、「径方向内側」「径方向外側」「周方向」「軸方向」の語は、中心軸AXを基準に規定される。
なお、指針軸挿通筒部12aの背面側端部は、実装基板20と隙間少なく配置されており、実装基板20において、指針軸挿通筒部12aに囲まれた箇所には、発光素子35が配置されている。発光素子35が発光することで、針状部34が照明されて発光するようになっている。
リング用光源部50は、実装基板20の視認側に配置された複数の発光素子51により構成されている。本実施形態の発光素子51には、発光ダイオード素子が採用されており、各発光素子51は、実装基板20上の配線パターンを通じて電源と接続されることで、導光プリズム部材60の導入部61へ向けて照明光を発するようになっている。なお、各発光素子51は、単色に発光する発光素子であってもよく、色の切り替えが可能なマルチカラーの発光素子であってもよい。
導光プリズム部材60は、例えばアクリル樹脂ないしはポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂により、透過率の高い透光性に形成されており、実装基板20と表示板40との間に、すなわち、リング部材70よりも背面側に配置されている。図5に示すように導光プリズム部材60は、視認側ケース12の反射壁部12bに囲まれた収容空間に、収容されている。そして、導光プリズム部材60は、導入部61及び導出部63を一体的に形成している。
導入部61は、リング用光源部50と対向する入射端61aから、視認側かつ径方向外側の導出部63へ向かって延伸して設けられている。導入部61と導出部63との接続箇所には、光学的な界面はなく、導入部61と導出部63とが連続的に形成されている。
リング用光源部50の発光素子51からの照明光は、入射端61aから導入部61の媒質内部に導入される。内部に導入された照明光は、導入部61の表面にて反射されながら、導入部61の内部を導出部63まで導光されるようになっている。また、途中で収容空間に射出されてしまった照明光も、鏡面状の反射壁部12bに反射されることで、再び導光プリズム部材60の内部に戻される。
導出部63は、表示板40を間に挟みつつ、リング部材70と対向して配置されている。導出部63は、中心軸AXを中心とする円環板状を呈している。導出部63において、導出面64を挟んで径方向内側及び径方向外側には、エッジ部65が形成されている。こうした構成により、エッジ部65に径方向両側から挟まれた導出面64は、当該径方向に幅をもった円環状となっている。導出部63において、導出面64の反対側には、反射面66が平面状に設けられている。
導入部61から導出部63へと導光された照明光は、導出部63の媒質内部にて、エッジ部65及び反射面66に反射されながら、周方向に旋回することにより、周方向に比較的均質な密度に分布する。こうした照明光が導出面64から表示板40へ向けて、導出部63の外部へ射出される。この際、導出面64の中央部64aからは、照明光を比較的均質に射出可能であるが、導出面64のエッジ部65近傍に位置する内周部64b及び外周部64cでは、エッジ部65での乱反射等の影響を受け、照明光にムラが生じ得る。
導出面64から射出された照明光は、表示板40に入射することとなる。ここで、表示板において導出部63と対向する対向部には、照明領域40a及び規制領域40b,40cが設けられている。
照明領域40aは、導出面64のうち中央部と正対する箇所に円環状に設けられている。照明領域40aでは、表示板40の表面に印刷等が設けられていない、すなわち基材が視認側にも背面側にも露出していることにより、照明光を透過して、視認側へ射出するようになっている。
規制領域40b,40cは、照明領域40aと隣接して設けられている。具体的に、規制領域40bは、導出面64のうち内周部64bと正対する箇所、及び当該箇所よりもさらに径方向内側に連続して設けられている。規制領域40cは、導出面64のうち外周部64cと正対する箇所、及び当該箇所よりさらに径方向外側に連続して設けられている。規制領域40cでは、表示板40の表面に遮光性の印刷等が設けられていることにより、照明光の透過が規制されている。特に本実施形態では、規制領域40cにおいて、表示板40の表面に黒色の遮光層が形成されていることで、照明光は殆ど遮光吸収されるようになっている。
こうした照明領域40a及び規制領域40b,40cの配置に応じて、導出面64のうち中央部64aは、シボ加工等により粗面状となっている一方、内周部64b及び外周部64cは、鏡面状となっている。このようにすることで、導出部63の媒質内部を反射される照明光のうち、内周部64b及び外周部64cに到達するものは再び媒質内部に反射され易く、中央部64aに到達する一部は表示板40側に射出及び拡散され易くなる。したがって、照明ムラの少ない照明光を導出面64の中央部64aから集中的に射出することが可能となる。このため、当該中央部64aと正対する照明領域40aは、照明ムラの少ない照明光を効率的に視認側に射出することができる。
リング部材70は、図1〜4に示すように、本体表示部5に取付けられ、表示板40,42それぞれに対して視認側に配置されていることで、本体表示部5から視認側に突出しているように視認される。以下では、リング部材70において視認側を、前端側とし、リング部材70において背面側を、後端側とする。より詳細に、リング部材70は、表示板40の照明領域40aを間に挟みつつ、導光プリズム部材60と対向して配置されている。リング部材70は、第1リング71と第2リング75とを有し、両リング71,75が組み合わさることにより、全体としては中心軸AXを中心とした円環状(リング状)を呈している。
図6に示すように、第1リング71は、例えばスモーク調に着色されたアクリル樹脂ないしはポリカーボネイト樹脂の半透光性の合成樹脂により、第2リング75より小径の円環状(リング状)に形成されている。より詳細に第1リング71は、径方向内側から径方向外側へ向かう程前端側へ向かうように傾斜する板状に形成されていることで、全体としては円錐台の側面のような形状を呈している。第1リング71は、上述の合成樹脂材料及び形状により、弾性を有している。
第1リング71において径方向内側の端部72には、本体表示部5の表示板42と面状に当接可能な平面状に形成された内側当接面72aが全周に亘って設けられている。
第1リング71において径方向外側の端部73には、後述する第2リング75と面状に当接可能な平面状に形成された外側当接面73aが全周に亘って設けられている。さらに、第1リング71は、外側当接面73aから径方向外側に突出した外側突起73bを、複数有している。複数の外側突起73bは、周方向に略等間隔に配置されている。特に本実施形態では外側突起73bが4箇所に設けられることで、中心軸AXを挟んで互いに反対側に配置された一対の外側突起73bが、合計二対存在している。また、第1リング71の径方向外側においては、上述の傾斜形状により内側表示部6の表示板40との間に空間SPが設けられている。
第2リング75は、例えば遮光性の合成樹脂により、第1リング71より大径の円環状(リング状)に形成されている。第2リング75は、第1リング71の径方向外側に配置され、リング部材70の外周壁76を全周に亘って構成している。より詳細に、第2リング75は、径方向外側から径方向内側へ向かう程前端側へ向かうように傾斜する板状に形成されていることで、全体としては円錐台の側面のような形状を呈している。ここで、第2リング75の表示板42に対する角度は、第1リング71の表示板42に対する角度よりも大きく設定されている。
第2リング75は、その前端側に、全周爪部77を有している。全周爪部77は、全周において外周壁76から径方向内側に突出し、第1リング71の外側当接面73aと対向するように、後端側を向く平面状に形成された爪当接面77aを有している。
また、第2リング75は、全周爪部77とは径方向外側端部73の外側突起73bを挟んだ反対側において、外周壁76から径方向内側に突出して形成された突出部78を複数有している。複数の突出部78は、外側突起73bと同数、周方向に略等間隔に配置されている。特に本実施形態では突出部78が4箇所に設けられることで、中心軸AXを挟んで互いに反対側に配置された一対の突出部78が、合計二対存在している。また本実施形態では、図7に示すように、外側突起73bを周方向両側から間隔を空けて囲む囲み部78aが、突出部78の周方向両端部と接続して一体的に設けられている。
さらに第2リング75の外周壁76は、図6に示すように、全周に亘って、外側表示部8に配置された表示板42まで延伸している。第2リング75の外周壁76において最も後端側に位置する最後端部79は、表示板42と当接するようになっている。
図6,7に示すように、内側表示部6と外側表示部8との間に形成された段差部分では、視認側ケース12が表示板40,42に覆われずに径方向外側に剥き出し状態となっている剥き出し部6aが形成されている。この剥き出し部6aは、本体表示部5において内側表示部6の円周状の縁部を形成している。
剥き出し部6aにおいて、外側突起73b及び突出部78と軸方向に略一致する箇所(本実施形態では4箇所)には、径方向外側に突出する本体突起7がそれぞれ設けられている。各本体突起7の中央には、径方向内側に凹む凹部7aが設けられている。凹部7aの内部には、背面側(後端側)を向く本体当接面7bが形成されている。
凹部7aに対応して、第2リング75の後端側において外側突起73b及び突出部78と軸方向に略一致する箇所(本実施形態では4箇所)には、径方向内側に突出する部分爪部80がそれぞれ設けられている。すなわち、複数の部分爪部80が互いに周方向の異なる位置に設けられている。各部分爪部80が対応する凹部7aに挿入されていることで、部分爪部80において前端側を向き、本体当接面7bと対向する爪当接面80bが当該本体当接面7bと当接するようになっている。
また、剥き出し部6aにおいて、本体突起7に対して周方向にずれた箇所には、外周壁76から周方向内側に突出するリブ81を周方向の両側から挟む位置決め部7cが設けられている。
こうして第2リング75は、その外周壁76の前端側が第1リング71の径方向外側の端部73に係合された状態で、外周壁76の後端側が本体表示部5に係止されることにより、当該本体表示部5に取付けられていることとなる。すなわち、第2リング75の全周爪部77の爪当接面77aが第1リング71の外側当接面73aと当接することで、全周爪部77が第1リング71の径方向外側端部73の全周を前端側から押さえ付けている。これと共に、第2リング75の部分爪部80の爪当接面80bが本体表示部5の本体当接面7bと当接することで、部分爪部80が本体表示部5における内側表示部6の縁部を周方向において部分的に後端側から押さえ付けている。
こうして第2リング75が本体表示部5に取付けられた状態において、第1リング71は、径方向内側において内側表示部6の表示板40と当接すると同時に、径方向内側において第2リング75の全周爪部77により前端側から押さえ付けられていることとなる。このとき、第1リング71は、その弾性により空間SP側に弾性変形した状態となり、外側当接面73a及び爪当接面77aを通じて、前端側への弾性反力を第2リング75に及ぼす。すなわち、空間SPは、第1リング71の弾性変形を許容する許容部として機能している。空間SPを利用して第1リング71が及ぼす弾性反力によって、第2リング75の全周爪部77における第1リング71との係合及び部分爪部80における本体表示部5との係合が強固なものとなり、第1リング71と第2リング75との係合状態が維持される。
また、第2リング75の最後端部79が表示板42と当接する際に、表示板42が弾性変形することにより、第2リング75の寸法における製造誤差を吸収しつつ、上述の係合状態を維持することが可能となっている。こうして、表示板42がリング部材70の後端側を受け支えるリング受け部を構成している。
こうしたリング部材70の本体表示部5への取り付け方法について簡潔に説明する。まず、第1リング71を弾性変形させながら、当該第1リング71の外側突起73bを第2リング75の全周爪部77と突出部78との間に嵌め込む。外側突起73bが全周爪部77及び突出部78により軸方向の移動を規制されると共に、囲み部78aにより周方向の移動を規制される。こうして、第1リング71と第2リング75とが仮固定状態となる。
このような仮固定状態のリング部材70を、内側表示部6に取付ける。この際に、第1リング71の内側当接面72aが内側表示部6の表示板40と当接し(より詳細には圧接し)、表示板40側からの力を受けて第1リング71が空間SP側に弾性変形すると共に、外側当接面73aが全周爪部77の爪当接面77aと当接して、第1リング71と第2リング75とが係合される。同時に、第2リング75の部分爪部80が本体表示部5の凹部7aに嵌り込み、外周壁76の後端側が本体表示部5に対して係止される。第1リング71と本体表示部5との間の空間SPを第1リング71の弾性変形に利用しつつ、第1リング71、第2リング75及び本体表示部5の三部品が三つ巴に相互作用し合うことで、リング部材70の強固な固定が実現される。
さらには、第1リング71が光透過性を有することにより、照明領域40aを透過した照明光を視認側に透過するようになっており、乗員からはリング部材70が発光しているように視認される。したがって、本体表示部5のリング用光源部50、導光プリズム部材60、及び表示板40の照明領域40aが、後端側から第1リング71を照明する照明部68として機能している。
(作用効果)
以上説明した本実施形態の作用効果を以下に改めて説明する。
第1実施形態によると、第2リング75は、外周壁76の前端側が第1リング71の径方向外側に係合された状態で外周壁76の後端側が本体表示部5に係止されることにより、本体表示部5に取付けられている。そして、第2リング75が本体表示部5に取付けられた状態において、第1リング71の弾性による弾性反力によって第2リング75との係合状態が維持されている。この結果、第1リング71、第2リング75及び本体表示部5の部品寸法に製造誤差が存在していたとしても、第1リング71が弾性変形することにより当該寸法誤差が吸収されると共に、弾性反力により係合状態が強固なものとなる。以上により、本体表示部5に対する固定が良好なリング部材70を、製造容易に実現することができる。
また、第1実施形態によると、第2リング75は、第1リング71を本体表示部5との間の空間SP側に弾性変形させた状態によって、第1リング71から前端側への弾性反力を受けた状態で、係合状態を維持している。このような構成では、空間SPが第1リング71の弾性変形を許容するので、第1リング71、第2リング75及び本体表示部5の部品寸法に製造誤差が存在していたとしても、当該寸法の誤差が確実に吸収されると共に、第2リング75が弾性反力を受けやすくなることで、係合状態はより強固なものとなる。以上により、本体表示部5に対する固定が良好なリング部材70を、製造容易に実現することができる。
また、第1実施形態によると、第2リング75は、第1リング71の径方向外側端部73の全周を前端側から押さえ付ける全周爪部77を有する。全周爪部77による押さえ付けでは、例えば第1リング71において本体表示部5と当接する径方向内側の端部を支点として、第1リング71を全周に比較的均等に弾性変形させることができるので、全周に亘って安定した挟み込みを実現できる。
また、第1実施形態によると、第2リング75は、全周爪部77とは径方向外側の端部73を挟んだ反対側において、外周壁76から径方向内側に突出して形成された突出部78を有する。このような突出部78を設けた場合、リング部材70の本体表示部5への取り付け時に、先立って第1リング71の端部73を全周爪部77と突出部78との間に挿入することで、第1リング71と第2リング75とを仮固定した状態で、リング部材70を本体表示部5に対して組付けることが可能となる。したがって、製造がより容易なものとなる。
仮に、本体表示部5の縁部を部分的に後端側から押さえ付ける爪部を、全周に設けた場合、第2リング75又は本体表示部5の縁部を、全周に亘って弾性変形させなければ、リング部材70を本体表示部5に取り付けできないため、当該取り付けは困難極まる。しかしながら第1実施形態によると、第2リング75は、本体表示部5の縁部を部分的に後端側から押さえ付ける部分爪部80を、周方向の異なる位置に複数有する。したがって、部分爪部80の配置箇所のみ取り付け対応すれば、リング部材70の取り付けが可能となるので、製造がより容易なものとなる。
また、第1実施形態によると、外周壁76において最も後端側に位置する最後端部79は、リング受け部としての表示板42を弾性変形させた状態で、表示板42と当接している。すなわち、第2リング75の特に外周壁76の寸法に製造誤差が存在していたとしても、表示板42が当該寸法誤差を吸収することができるので、第1リング71、第2リング75及び本体表示部5の係合及び係止位置を、適切な位置に調整可能となる。
また、第1実施形態によると、第1リング71は、照明部68からの光を透過する光透過性を有する。照明による第1リング71の発光を、本体表示部5に対する固定が良好なリング部材70によって、確実に実現することができる。
(他の実施形態)
以上、一実施形態について説明したが、本開示は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的に変形例1としては、図8〜10に示すように、第1リング71は、外側当接面73aから第2リング75の外周壁76と略平行に後端側に延伸して形成された内部壁71dを有していてもよい。この内部壁71dの後端側は、表示板40と当接せずに、表示板40との間に隙間GPを形成していることが好ましい。この隙間が第1実施形態の空間に相当する。ここで、外側突起73bは、内部壁71dの比較的後端側から、径方向外側に突出している。そして、第2リング75の突出部78は、第1実施形態と同様に、全周爪部77とは外側突起73bを挟んだ反対側において、外周壁76から径方向内側に突出して形成されている。
なお、図8〜10の例において、第1リング71は、光拡散部71aとスモーク部71bとを一体的に形成した二色成形部品となっている。光拡散部71aは、第1リング71において後端側に配置され、傾斜板部71cと内部壁71dとを一体的に有することで、径方向断面においてL字状ないしはV字状をなすように形成されている。光拡散部71aは、照明光を拡散する光拡散材料により形成されている。スモーク部71bは、第1リング71において前端側に露出する部分を覆い、より詳細には傾斜板部71cの表面を覆っている。スモーク部71bは、例えばスモーク調に着色されたアクリル樹脂ないしはポリカーボネイト樹脂の半透光性の合成樹脂により、形成されている。
そして、図8〜10の例において外側突起73b及び突出部78が第1実施形態よりも後端側に配置されていることにより、部分爪部80を外側突起73b及び突出部78と軸方向に略一致する箇所に配置することは、困難となっている。このため、部分爪部80は、外側突起73b及び突出部78よりも後端側おいて、外側突起73b及び突出部78に対して周方向にずれた箇所に配置されている。
変形例2としては、空間SPは、スポンジ等の変形可能な部材により満たされていてもよい。この場合であっても、スポンジ等の変形可能な部材を、第1リング71の弾性変形を許容する許容部として機能させることができる。
変形例3としては、リング部材70は、照明部68により照明されない構成であってもよい。この場合に、第1リング71を遮光性に形成してもよい。
変形例4としては、本体表示部5は、例えば内側表示部6において、指針部30による表示と共に、又は指針部30による表示に代えて、液晶パネルないしは有機ELディスプレイ等により画像を表示するものであってもよい。
5 本体表示部、70 リング部材、71 第1リング、75 第2リング、76 外周壁、100 車両用表示装置

Claims (7)

  1. 情報を表示する本体表示部(5)と、前記本体表示部に取付けられるリング状のリング部材(70)と、を備えた車両用表示装置であって、
    前記リング部材は、
    弾性を有しリング状に形成された第1リング(71)と、
    前記第1リングの径方向外側に配置されて前記リング部材の外周壁(76)を構成するリング状に形成された第2リング(75)と、を有し、
    前記第2リングは、前記外周壁の前端側が前記第1リングの径方向外側に係合された状態で前記外周壁の後端側が前記本体表示部に係止されることにより、前記本体表示部に取付けられており、
    前記第2リングが前記本体表示部に取付けられた状態において、前記第1リングの弾性による弾性反力によって前記第2リングとの係合状態が維持されている車両用表示装置。
  2. 前記第1リングは、その径方向内側において前記本体表示部と当接すると共に、その径方向外側において前記本体表示部との間に、空間(SP)を設けてなり、
    前記第2リングは、前記第1リングを前記空間側に弾性変形させた状態によって、前記第1リングから前端側への弾性反力を受けた状態で、前記係合状態を維持している請求項1に記載の車両用表示装置。
  3. 前記第2リングは、前記第1リングの径方向外側端部の全周を前端側から押さえ付ける全周爪部(77)を有する請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
  4. 前記第2リングは、前記全周爪部とは前記径方向外側端部を挟んだ反対側において、前記外周壁から径方向内側に突出して形成された突出部(78)を有する請求項3に記載の車両用表示装置。
  5. 前記第2リングは、前記本体表示部の縁部を部分的に後端側から押さえ付ける部分爪部(80)を、周方向の異なる位置に複数有する請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
  6. 前記本体表示部は、
    前記リング部材の径方向内側にて表示を行なう内側表示部(6)と、
    前記内側表示部よりも径方向外側において、前記内側表示部とは段差を形成することにより前記内側表示部よりも後端側に配置され、弾性を有するリング受け部(42)を有し、
    前記外周壁において最も後端側に位置する最後端部は、前記リング受け部を弾性変形させた状態で、前記リング受け部と当接している請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
  7. 前記本体表示部は、後端側から前記第1リングを照明する照明部(68)を有し、
    前記第1リングは、前記照明部からの光を透過する光透過性を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
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