JP2019029552A - 気相成長装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図3(a)〜(d)を参照しながら、従来の気相成長装置の構成と、半導体膜を基板上に形成する際の処理工程及び保守作業工程について説明する。
気相により原料を供給し、基板上を加熱し、膜を基板上に堆積させるとき、基板以外の場所にも析出が生じる。この析出物は、周辺部材表面で析出した場合と、気流中で析出したものが堆積した場合等とでは、その性状に差が生じるが、前者は強固に部材に張り付き、熱膨張率の差によって冷却時に部材表面を剥ぎ取る可能性があり、一方、後者では圧力変動等によって再び舞い上がり、膜中に不純物として混入して膜の性質を劣化させてしまう。
このとき、基板下流側ではさほど影響がないため、汚れが付いていても、閉塞しない限り、そのまま使用する場合が多いが、原料が分解し始める基板上流端から基板下流端の間の部材にあっては、反応生成物の付着を放置しておくことはできず、頻繁に交換又は洗浄する必要がある。このため、当該部分に対応するフローチャンネルを第2フローチャンネル17として、第1フローチャンネル16とは物理的に分離独立させている。
上述のように、基板等の交換時には、摺動部材32のレール31上の摺動に伴って、下流側フランジ12b、搬送用冶具15、架台13、サセプタ14、及び第2フローチャンネル17が一体で、図3(d)に示す位置まで後方に移動する。このような動作によってグローブボックス30内に搬送された基板や治具類は、別途、ロボットや手動操作等により、パスボックス40に搬送される。このパスボックス40は、扉等によって作業空間と区切られており、作業者が、出来上がった基板や汚れた治具を取り出したり、新しい基板や治具をセットしたりするスペースとされる。このパスボックス40は、大気と遮断するために気密構造となっており、上記の搬送前後で真空置換が行われる。
しかしながら、基板上流端から下流端に対応する部材のみを洗浄するたけでは決して十分ではなく、当該下流端より後方においても、反応炉100内において反応生成物が付着することは好ましくない。
即ち、本発明は、基板上に半導体膜を成長させるための気相成長装置であって、パージガスで満たされた反応炉内において、前記基板を保持するサセプタと、前記サセプタを加熱する加熱手段と、前記反応炉内に導入された反応ガスを前記基板の上流端まで導く第1フローチャンネルと、上流開口端が、前記第1フローチャンネルの下流開口端と対向するとともに、前記基板の周囲を覆うことにより、前記反応ガスを前記基板上に導く第2フローチャンネルと、前記第2フローチャンネルの下流開口端と対向する上流開口端の開口寸法が、前記第2フローチャンネルの下流開口端の開口寸法よりも大きく、且つ、前記第2フローチャンネルの下流開口端と当該上流開口端が面一の位置関係、又は前記第2フローチャンネルの下流開口端が当該上流開口端の内部に位置しており、さらに、後端側が前記反応炉の側壁方向に向かって屈曲しているとともに、下流開口端が、前記側壁に設けられた排気口に向かって開口することにより、前記基板上を通過した前記原料ガスを前記排気口に導く第1排気ノズルと、前記反応炉の前記排気口から外部に向かって開口するように設けられ、上流開口端の開口寸法が、前記第1排気ノズルの下流開口端の開口寸法よりも大きい第2排気ノズルと、前記サセプタ、前記第2フローチャンネル、及び前記第1排気ノズルを支持する架台と、前記架台を、前記サセプタ、前記第2フローチャンネル、及び前記第1排気ノズルを伴って前記反応炉の後方に移動させ、前記反応炉の外部に搬出させる搬送手段と、を備えることを特徴とする気相成長装置を提供する。
また、第2フローチャンネルの下流開口端と対向する、第1排気ノズルの上流開口端の開口寸法が、当該下流開口端の開口寸法よりも大きく、かつ当該下流開口端と当該上流開口端が面一の位置関係、又は当該下流開口端が当該上流開口端の内部に位置し、さらに反応炉内部にパージガスが満たされていることで、第2フローチャンネルから排出された比較的高速な反応ガスは、パージガスを引き込みつつ第1排気ノズルに流入するので、第2フローチャンネルと第1排気ノズルの隙間において反応ガスが漏れるのを防止できる。
同様に、第2排気ノズルの上流開口端の開口寸法が、第1排気ノズルの下流開口端の開口寸法よりも大きく構成されており、さらに反応炉内部にパージガスが満たされていることで、第1排気ノズルから排出された比較的高速な反応ガスは、パージガスを引き込みつつ第2排気ノズルに流入するので、第1排気ノズルと第2排気ノズルの隙間から反応ガスが漏れるのを防止できる。
以下の説明においては、図1及び図2を参照しながら、当該気相成長装置の構成と、基板上に半導体膜を形成する処理工程及び保守作業工程について詳述する。
本発明に係る気相成長装置の一例について説明する。
図1に例示する気相成長装置1は、反応炉10、グローブボックス30、及びパスボックス40を備えて概略構成されている。
上記構成の気相成長装置1を用いた、半導体の製膜プロセスの一例について、以下に説明する。
まず、反応ガス導入口25から導入された反応ガスは、基板上に効率よく搬送され、且つ側壁11の内壁方向に漏洩しないように、第1フローチャンネル16及び第2フローチャンネル17によって流れが制御されつつ、サセプタ14上の基板に向かう。サセプタ14上に到達した反応ガスは、RFコイル20の作用によって高温に加熱されたサセプタ14上で熱分解し、分解したガス分子が、サセプタ14の回転に伴って回転する基板上に堆積して膜形成が行われる。
次に、図1及び図2に例示した気相成長装置1において、基板や構成部材等を交換する場合の処理手順について説明する。
以上説明したように、本実施形態の気相成長装置1によれば、第2フローチャンネル17の下流側に、基板上を通過した原料ガスを排気口に導く第1排気ノズル18が設けられ、さらに、反応炉10の排気口から外部に向かうように第2排気ノズル19が設けられた構成を採用している。これにより、第2フローチャンネル17から排出された反応ガスが、第1排気ノズル18及び第2排気ノズル19を介して装置外部に放出されるので、第1排気ノズル18が設けられていない場合と比較して、反応炉10の内壁に反応生成物が付着するのを効果的に抑制できる。
本実施例においては、図1及び図2に示すような、本発明に係る構成を備えた気相成長装置を使用して、GaN(窒化ガリウム)系化合物半導体膜を製膜する実験を行った。
この際、気相成長装置に、2−inchサファイア基板、新品の第1フローチャンネル16及び第2フローチャンネル17、並びに、第1排気ノズル18及び第2排気ノズル19をセットし、以下の条件にてGaN系化合物半導体膜を製膜した。
TMG:110μmol/min
NH3:9slm
キャリアガストータル:25slm
設定温度:500℃
設定圧力:常圧
成膜時間:1.5分
TMG:300μmol/min
NH3:12slm
キャリアガストータル:60slm
設定温度:1125℃
設定圧力:常圧
成膜時間:2時間
上記条件による半導体膜の成膜後、反応炉10内の付着物の状況を目視で確認したところ、第2フローチャンネル17、第1排気ノズル18内には黒い付着物が見られたが、炉内の壁面には、付着物はほとんど付着していなかった。
このような運用方法で、上記の気相成長装置を、さらに1か月程度運用し、炉内を確認したところ、第2排気ノズル19に、多少の反応生成物が付着していたが、他の部分には、反応性生成物は、ほとんど付着していなかった。
10、100・・・反応炉
11・・・側壁
12a,12b・・・上流側フランジ、下流側フランジ
13・・・架台
14・・・サセプタ
15・・・搬送用治具
16・・・第1フローチャンネル
16a・・・上流開口端
16b・・・下流開口端
17・・・第2フローチャンネル
17a・・・上流開口端
17b・・・下流開口端
18・・・第1排気ノズル
18a・・・上流開口端
18b・・・下流開口端
19・・・第2排気ノズル
19a・・・下方(上流)開口端
19b・・・上方(下流)開口端
20・・・RFコイル
21・・・回転軸
22・・・かさ歯車
25・・・反応ガス導入口
26・・・排気口
30・・・グローブボックス
31・・・レール
32・・・摺動部材
40・・・パスボックス
Claims (5)
- 基板上に半導体膜を成長させるための気相成長装置であって、
パージガスで満たされた反応炉内において、前記基板を保持するサセプタと、
前記サセプタを加熱する加熱手段と、
前記反応炉内に導入された反応ガスを前記基板の上流端まで導く第1フローチャンネルと、
上流開口端が、前記第1フローチャンネルの下流開口端と対向するとともに、前記基板の周囲を覆うことにより、前記反応ガスを前記基板上に導く第2フローチャンネルと、
前記第2フローチャンネルの下流開口端と対向する上流開口端の開口寸法が、前記第2フローチャンネルの下流開口端の開口寸法よりも大きく、且つ、前記第2フローチャンネルの下流開口端と当該上流開口端が面一の位置関係、又は前記第2フローチャンネルの下流開口端が当該上流開口端の内部に位置しており、さらに、後端側が前記反応炉の側壁方向に向かって屈曲しているとともに、下流開口端が、前記側壁に設けられた排気口に向かって開口することにより、前記基板上を通過した前記原料ガスを前記排気口に導く第1排気ノズルと、
前記反応炉の前記排気口から外部に向かって開口するように設けられ、上流開口端の開口寸法が、前記第1排気ノズルの下流開口端の開口寸法よりも大きい第2排気ノズルと、
前記サセプタ、前記第2フローチャンネル、及び前記第1排気ノズルを支持する架台と、
前記架台を、前記サセプタ、前記第2フローチャンネル、及び前記第1排気ノズルを伴って前記反応炉の後方に移動させ、前記反応炉の外部に搬出させる搬送手段と、
を備えることを特徴とする気相成長装置。 - 前記第1排気ノズルは、上方に向かって屈曲していることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
- 前記反応炉の後方端に、当該反応炉を密閉するためのフランジが設けられ、前記架台は、前記搬送手段によって搬送される前記フランジに固定されており、前記搬送手段によって前記フランジが移動することで前記反応炉が開放され、前記架台が、前記サセプタ、前記第2フローチャンネル、及び前記第1排気ノズルを伴って前記反応炉の外部に搬出されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気相成長装置。
- さらに、前記反応炉に隣接して、不活性ガスで満たされた機密構造のグローブボックスボックスを備え、前記搬送手段により、前記架台が、前記サセプタ、前記第2フローチャンネル、及び前記第1排気ノズルを伴って前記グローブボックス内に搬送されることを特徴とする請求項3に記載の気相成長装置。
- さらに、前記グローブボックスに隣接して、前記サセプタに保持された基板、前記第2フローチャンネル、及び前記第1排気ノズルを、前記グローブボックスから大気中へ搬出するか、又はそれらを大気中から前記グローブボックスに搬入するための、真空置換可能なパスボックスを備えることを特徴とする請求項4に記載の気相成長装置。
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JPH0343731U (ja) * | 1989-09-05 | 1991-04-24 | ||
JP2000044385A (ja) * | 1998-07-31 | 2000-02-15 | Nec Corp | ガス整流器 |
JP2008166668A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-07-17 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 気相成長装置および気相成長方法 |
JP2013131555A (ja) * | 2011-12-20 | 2013-07-04 | Stanley Electric Co Ltd | 半導体製造装置 |
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- 2017-08-01 JP JP2017148986A patent/JP6895337B2/ja active Active
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