以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向、X軸と直交する所定面内のY軸と平行な方向をY軸方向、X軸及びY軸と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。また、X軸を中心とする回転又は傾斜方向をθX方向、Y軸を中心とする回転又は傾斜方向をθY方向、Z軸を中心とする回転又は傾斜方向をθZ方向とする。本実施形態において、所定面は水平面と平行であり、Z軸方向は鉛直方向であることとする。なお、所定面は、水平面に対して傾斜してもよい。
[電子部品実装装置]
図1は、本実施形態に係る電子部品実装装置1の一例を模式的に示す平面図である。電子部品実装装置1は、電子部品Cを基板Pに実装する。電子部品実装装置1は、ベース部材2と、基板Pを搬送する基板搬送装置3と、電子部品Cを供給する電子部品供給装置100と、ノズル4を有する実装ヘッド5と、実装ヘッド5を移動するヘッド移動装置6と、ノズル4を移動するノズル移動装置7とを備える。
ベース部材2は、基板搬送装置3、電子部品供給装置100、実装ヘッド5、ヘッド移動装置6、及びノズル移動装置7を支持する。
基板搬送装置3は、基板Pを実装位置DMに搬送する。実装位置DMは、基板搬送装置3の搬送経路に規定される。基板搬送装置3は、基板Pを搬送する搬送ベルト3Bと、基板Pをガイドするガイド部材3Gと、基板Pを保持する保持部材3Hとを有する。搬送ベルト3Bは、アクチュエータの作動により移動して、基板PをX軸方向に搬送する。また、不図示の昇降機構により、保持部材3Hと基板Pと搬送ベルト3Bとが上下方向に移動する。基板Pは、X軸方向の実装位置DMに移動した後、昇降機構により上昇して、搬送ベルト3Bとガイド部材3Gとに挟持される。実装ヘッド5は、実装位置DMに配置された基板Pの表面に電子部品Cを実装する。
電子部品供給装置100は、電子部品Cを供給位置SMに供給する。電子部品供給装置100は、複数のテープフィーダ10を含む。テープフィーダ10は、複数の電子部品Cを保持する。電子部品供給装置100は、複数の電子部品Cのうち少なくとも1つの電子部品Cを供給位置SMに供給する。電子部品供給装置100は、基板搬送装置3の+Y側及び−Y側の両方に配置される。なお、電子部品供給装置100は、基板搬送装置3の+Y側及び−Y側の一方に配置されてもよい。
実装ヘッド5は、電子部品供給装置100から供給された電子部品Cをノズル4で保持して基板Pに実装する。実装ヘッド5は、複数のノズル4を有する。実装ヘッド5は、電子部品供給装置100から電子部品Cが供給される供給位置SMと、基板Pが配置されている実装位置DMとの間を移動可能である。供給位置SMと実装位置DMとは、XY平面内において異なる位置に規定される。実装ヘッド5は、供給位置SMに供給された電子部品Cをノズル4で保持して、実装位置DMに移動した後、実装位置DMに配置されている基板Pに電子部品Cを実装する。
ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能である。ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向に移動するX軸駆動装置6Xと、実装ヘッド5をY軸方向に移動するY軸駆動装置6Yとを有する。X軸駆動装置6X及びY軸駆動装置6Yのそれぞれは、アクチュエータを含む。X軸駆動装置6Xは、実装ヘッド5と連結される。X軸駆動装置6Xの作動により、実装ヘッド5がX軸方向に移動する。Y軸駆動装置6Yは、X軸駆動装置6Xを介して実装ヘッド5と連結される。Y軸駆動装置6Yの作動によりX軸駆動装置6XがY軸方向に移動することによって、実装ヘッド5がY軸方向に移動する。
ノズル4は、電子部品Cを着脱可能に保持する。ノズル4は、電子部品Cを吸着保持する吸引ノズルである。ノズル4の先端部に開口が設けられる。ノズル4の開口は、真空システムと接続される。ノズル4の先端部と電子部品Cとが接触した状態で、ノズル4の先端部に設けられた開口からの吸引動作が実施されることにより、ノズル4の先端部に電子部品Cが吸着保持される。開口からの吸引動作が解除されることにより、ノズル4から電子部品Cが解放される。なお、ノズル4は、電子部品Cを挟んで保持する把持ノズルでもよい。
ノズル移動装置7は、ノズル4をZ軸方向及びθZ方向のそれぞれに移動可能である。ノズル移動装置7は、複数のノズル4のそれぞれに設けられる。ノズル移動装置7は、実装ヘッド5に支持される。ノズル4は、ノズル移動装置7を介して実装ヘッド5に支持される。
本実施形態において、ノズル4は、ヘッド移動装置6及びノズル移動装置7により、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。ノズル4が移動することにより、ノズル4に保持されている電子部品Cも、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、ノズル4は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
電子部品実装装置1に基準位置FMが設定される。ヘッド移動装置6及びノズル移動装置7は、基準位置FMを基準として、実装ヘッド5の位置を調整する。
[電子部品供給装置]
次に、電子部品供給装置100について説明する。図2は、本実施形態に係る電子部品供給装置100の一例を模式的に示す側面図である。本実施形態において、電子部品供給装置100は、電気駆動方式の電子部品供給装置である。テープフィーダ10は、電動式テープフィーダである。
電子部品供給装置100は、キャスタ101に支持される台車102と、台車102に支持されるリールホルダ103と、リールホルダ103に支持されるテープリール104と、台車102に支持されるフィーダバンク105と、フィーダバンク105に支持されるテープフィーダ10とを備える。
台車102は、キャスタ101により床面を移動可能である。リールホルダ103は、テープリール104を回転可能に保持する。テープリール104にキャリアテープ11が巻かれている。複数の電子部品Cがキャリアテープ11に保持される。本実施形態において、テープリール104は、第1のテープリール104Rと、第2のテープリール104Lとを含む。
フィーダバンク105は、複数のテープフィーダ10を着脱可能に保持する。テープフィーダ10は、フィーダバンク105においてX軸方向に複数配置される。テープリール104からテープフィーダ10にキャリアテープ11が供給される。テープフィーダ10は、テープリール104から供給されたキャリアテープ11をY軸方向に移動する。テープフィーダ10によりキャリアテープ11が移動することによって、キャリアテープ11に保持されている複数の電子部品Cのうち特定の電子部品Cが供給位置SMに搬送される。
本実施形態において、テープフィーダ10は、第1のテープリール104R及び第2のテープリール104Lのそれぞれから供給されるキャリアテープ11を移動可能なダブルテープフィーダである。なお、テープフィーダ10は、ダブルテープフィーダでなくてもよい。
[キャリアテープ]
次に、キャリアテープ11について説明する。図3は、本実施形態に係るキャリアテープ11の一例を模式的に示す平面図である。図4は、本実施形態に係るキャリアテープ11の一例を模式的に示す断面図である。
図3及び図4に示すように、キャリアテープ11は、電子部品Cを保持するベーステープ12と、ベーステープ12に保持されている電子部品Cを覆うようにベーステープ12に接合されたカバーテープ13とを含む。
ベーステープ12は、複数の電子部品Cを保持する。ベーステープ12は、例えば紙又は合成樹脂のような柔軟材料により形成される。ベーステープ12は、電子部品Cが収容される収容部14と、収容部14に隣接する非収容部15と、スプロケットホール16とを有する。
収容部14は、電子部品Cを収容する。収容部14は、ベーステープ12に設けられた凹部を含む。複数の収容部14のそれぞれに電子部品Cが収容される。1つの収容部14に1つの電子部品Cが収容される。なお、1つの収容部14に複数の電子部品Cが収容されてもよい。
収容部14は、ベーステープ12の長手方向であるY軸方向に間隔をあけて複数設けられる。本実施形態において、複数の収容部14は、ベーステープ12の長手方向に等間隔で設けられる。
非収容部15は、電子部品Cを収容しない。非収容部15は、収容部14の開口の周囲に配置されたベーステープ12の上面を含む。
非収容部15は、ベーステープ12の長手方向であるY軸方向において収容部14に隣接する。非収容部15は、ベーステープ12の長手方向において隣り合う収容部14の間に配置される。非収容部15は、ベーステープ12の長手方向に間隔をあけて複数設けられる。本実施形態において、複数の非収容部15は、ベーステープ12の長手方向に等間隔で設けられる。
後述するスプロケット(33,34,39)のスプロケットピンがスプロケットホール16に挿入される。スプロケットホール16は、ベーステープ12の長手方向であるY軸方向に間隔をあけて複数設けられる。本実施形態において、複数のスプロケットホール16は、ベーステープ12の長手方向に等間隔で設けられる。
収容部14とスプロケットホール16とは、ベーステープ12の幅方向であるX軸方向に配置される。本実施形態において、スプロケットホール16は、収容部14よりも+X側に配置される。
カバーテープ13は、電子部品Cを覆う。カバーテープ13は、例えば合成樹脂のような柔軟材料により形成される。カバーテープ13は、収容部14の開口を覆い、スプロケットホール16を覆わないように、ベーステープ12の上面に接合される。カバーテープ13は、電子部品Cが収容部14から脱落することを抑制する。
カバーテープ13は、接着材17及び接着材18によりベーステープ12に接合される。接着材17及び接着材18は、ベーステープ12の上面とカバーテープ13の下面との間に設けられる。接着材17は、収容部14の−X側において、Y軸方向に延在するように設けられる。接着材18は、収容部14の+X側において、Y軸方向に延在するように設けられる。接着材18は、X軸方向において、収容部14とスプロケットホール16との間に設けられる。
キャリアテープ11の幅方向であるX軸方向において、カバーテープ13の寸法は、ベーステープ12の寸法よりも小さい。接着材17は、カバーテープ13の−X側の端部に沿ってY軸方向に延在する。カバーテープ13の下面の−X側の端部とベーステープ12の上面とが接着材17によって接合される。接着材18は、カバーテープ13の+X側の端部に沿ってY軸方向に延在する。カバーテープ13の下面の+X側の端部とベーステープ12の上面とが接着材18によって接合される。
[テープフィーダ]
次に、テープフィーダ10について説明する。図5は、本実施形態に係るテープフィーダ10の一例を模式的に示す側面図である。図6は、本実施形態に係るテープフィーダ10の一部を拡大した図である。
テープフィーダ10は、テープリール104から供給されたキャリアテープ11を収容部14の間隔で断続的に移動し、ベーステープ12からカバーテープ13の少なくとも一部を剥離し、カバーテープ13が剥離されたベーステープ12に保持されている電子部品Cを供給位置SMに搬送する。
図5及び図6に示すように、テープフィーダ10は、メインフレーム20と、メインフレーム20に支持され、キャリアテープ11を搬送する搬送機構30と、メインフレーム20に支持され、キャリアテープ11のベーステープ12からカバーテープ13の少なくとも一部を剥離する剥離機構40と、搬送機構30及び剥離機構40を制御する制御装置50とを備える。
メインフレーム20は、テープリール104から供給されたキャリアテープ11の入口21と、搬送機構30によって搬送されるキャリアテープ11をガイドするガイド部材22とを有する。入口21に供給されたキャリアテープ11は、ガイド部材22にガイドされながら、剥離機構40に搬送される。図5に示す例において、入口21は、メインフレーム20の−Y側の端部に設けられる。剥離機構40は、入口21よりも+Y側に配置される。また、剥離機構40は、入口21よりも+Z側に配置される。
搬送機構30は、キャリアテープ11を搬送する。搬送機構30は、入口21に供給されたキャリアテープ11を剥離機構40に搬送する。また、搬送機構30は、剥離機構40においてカバーテープ13の少なくとも一部が剥離されたベーステープ12を供給位置SMに搬送する。
搬送機構30は、キャリアテープ11の長手方向にキャリアテープ11を搬送する。搬送機構30の搬送方向とキャリアテープ11の長手方向とは一致する。搬送機構30の搬送方向は、Y軸方向である。
キャリアテープ11は、搬送機構30により+Y方向に搬送される。以下の説明においては、キャリアテープ11が搬送される+Y方向を適宜、搬送方向下流側、と称し、搬送方向下流側と反対の方向を適宜、搬送方向上流側、と称する。
搬送機構30は、入口21を介してキャリアテープ11が供給される第1搬送機構301と、第1搬送機構301よりも搬送方向下流側に配置される第2搬送機構302とを含む。第1搬送機構301は、入口21から供給されたキャリアテープ11を第2搬送機構302に送る。第2搬送機構302は、第1搬送機構301から送られたキャリアテープ11を搬送する。
図5に示すように、第1搬送機構301は、メインフレーム20に支持される駆動モータ37と、駆動モータ37の出力軸に固定された出力ギア37Aと連結される伝達ギア38と、伝達ギア38と連結されるスプロケット39とを有する。
駆動モータ37は、キャリアテープ11を搬送するための動力を発生する。駆動モータ37は、モータ駆動装置70から供給される電流に基づいて作動する。モータ駆動装置70は、駆動回路を含み、制御装置50に制御される。本実施形態において、駆動モータ37は、ステッピングモータである。
伝達ギア38は、駆動モータ37が発生する動力をスプロケット39に伝達する。スプロケット39は、キャリアテープ11を支持した状態で、キャリアテープ11が+Y方向に搬送されるように回転する。スプロケット39は、X軸と平行な回転軸を中心に回転するように、メインフレーム20に支持される。スプロケット39は、伝達ギア38を介して伝達された駆動モータ37の動力に基づいて回転する。
スプロケット39は、キャリアテープ11のスプロケットホール16に挿入されるスプロケットピンを有する。スプロケットホール16にスプロケット39のスプロケットピンが挿入されることにより、キャリアテープ11はスプロケット39に支持される。スプロケットピンがスプロケットホール16に挿入された状態で、スプロケット39が回転することにより、電子部品Cを保持するキャリアテープ11が+Y方向に搬送される。
図5及び図6に示すように、第2搬送機構302は、メインフレーム20に支持される駆動モータ31と、駆動モータ31の出力軸に固定された出力ギア31Aと連結される動力伝達機構32と、動力伝達機構32と連結されるスプロケット33及びスプロケット34とを有する。
駆動モータ31は、キャリアテープ11を搬送するための動力を発生する。駆動モータ31は、モータ駆動装置70から供給される電流に基づいて作動する。本実施形態において、駆動モータ31は、ステッピングモータである。
動力伝達機構32は、駆動モータ31が発生する動力をスプロケット33及びスプロケット34のそれぞれに伝達する。動力伝達機構32は、出力ギア31Aと連結される第1ギア32Aと、第1ギア32Aの回転軸を中心に第1ギア32Aと一緒に回転可能な第2ギア32Bと、第2ギア32Bと連結される第3ギア32Cとを含む。
スプロケット33及びスプロケット34のそれぞれは、キャリアテープ11を支持した状態で、キャリアテープ11が+Y方向に搬送されるように回転する。スプロケット33及びスプロケット34のそれぞれは、X軸と平行な回転軸を中心に回転するように、メインフレーム20に支持される。
スプロケット33及びスプロケット34のそれぞれは、動力伝達機構32と連結される。スプロケット33及びスプロケット34のそれぞれは、動力伝達機構32を介して伝達された駆動モータ31の動力に基づいて回転する。スプロケット33は、動力伝達機構32の第3ギア32Cと連結されるギア33Aを有する。スプロケット34は、動力伝達機構32の第3ギア32Cと連結されるギア34Aを有する。駆動モータ31が作動し、第3ギア32Cが回転することにより、スプロケット33とスプロケット34とが同期して回転する。
スプロケット33及びスプロケット34のそれぞれは、キャリアテープ11のスプロケットホール16に挿入されるスプロケットピンを有する。スプロケットホール16にスプロケット33のスプロケットピンが挿入されることにより、キャリアテープ11はスプロケット33に支持される。スプロケットホール16にスプロケット34のスプロケットピンが挿入されることにより、キャリアテープ11はスプロケット34に支持される。スプロケットピンがスプロケットホール16に挿入された状態で、スプロケット33及びスプロケット34のそれぞれが回転することにより、電子部品Cを保持するキャリアテープ11が+Y方向に搬送される。
図7は、本実施形態に係るスプロケット33により移動されるキャリアテープ11の一例を模式的に示す側面図である。図7に示すように、スプロケット33は、円板部33Bと、円板部33Bの外縁部に設けられたスプロケットピン33Pとを有する。
スプロケットピン33Pは、スプロケット33の回転方向に間隔をあけて複数設けられる。スプロケットピン33Pのそれぞれは、キャリアテープ11のスプロケットホール16に配置される。図7に示すように、スプロケット33に設けられている複数のスプロケットピン33Pのうち少なくとも一部のスプロケットピン33Pが、キャリアテープ11のスプロケットホール16に配置される。スプロケットホール16にスプロケットピン33Pが配置された状態で、回転軸を中心にスプロケット33が回転することにより、キャリアテープ11はY軸方向に移動される。
スプロケット34及びスプロケット39は、スプロケット33と同等の構造である。スプロケット34及びスプロケット39についての説明は省略する。
スプロケット33及びスプロケット34のそれぞれは、ステッピングモータである駆動モータ31のステップ動作により断続的に回転する。駆動モータ31は、収容部14に配置されている電子部品Cが供給位置SMに順次配置されるように、ステップ動作する。同様に、スプロケット39は、ステッピングモータである駆動モータ37のステップ動作により、スプロケット33及びスプロケット34と同期して断続的に回転する。
図5及び図6に示すように、スプロケット33は、スプロケット34よりも搬送方向下流側に配置される。スプロケット33の外形及び寸法とスプロケット34の外形及び寸法とは、等しい。スプロケット33とスプロケット34とは、Y軸方向に配置される。供給位置SMは、スプロケット33とスプロケット34との間に規定される。Z軸方向におけるスプロケット33の回転軸の位置とスプロケット34の回転軸の位置とは、等しい。スプロケット33とスプロケット34との間において、ベーステープ12は、ベーステープ12の上面とXY平面とが平行となるように、スプロケット33及びスプロケット34に支持される。
テープフィーダ10は、スプロケット33の回転方向の位置及び速度を検出する検出装置60を有する。複数のスリットを有するスリット板35がスプロケット33に固定される。スリット板35は、スプロケット33と一緒に回転する。検出装置60は、スプロケット33に固定されたスリット板35のスリットを検出して、スプロケット33の回転方向の位置及び速度を検出する。
図8は、本実施形態に係るスプロケット33及び検出装置60の一例を模式的に示す側面図である。スリット板35は、スプロケット33に固定される。スリット板35は、円板状の部材である。スリット板35は、スプロケット33と一緒に回転する。スプロケット33の回転軸AXとスリット板35の中心とは一致する。スリット板35は、回転軸AXを中心に回転可能である。
スリット板35は、回転方向に設けられた複数のスリット36を有する。異なるスリット幅を有する複数のスリット36がスリット板35に設けられる。スリット幅とは、回転方向におけるスリット36の寸法をいう。本実施形態においては、スリット36の総数をNとした場合、総数Nよりも少ない数のM種類のスリット幅のスリット36が設けられる。異なるスリット幅のスリット36が回転方向にランダムに設けられる。
検出装置60は、スプロケット33の回転方向の位置を検出する。検出装置60は、フォトセンサを含み、スプロケット33に固定されたスリット板35のスリット36を光学的に検出して、スプロケット33の回転方向の位置を検出する。検出装置60は、検出光を射出してスリット板35に検出光を照射する射出部と、スリット板35を介して射出部から射出された検出光の少なくとも一部を受光する受光部とを有する。
スプロケット33及びスリット板35が回転することにより、検出装置60は、複数のスリット36を順次検出する。検出装置60は、複数(例えば3つ又は4つ)のスリット36のスリット幅の組み合わせにより、スリット板35の回転方向の位置を検出する。スリット板35の回転方向の位置が検出されることにより、スプロケット33の回転方向の位置が検出される。
また、検出装置60は、スプロケット33の回転方向の位置の単位時間当たりの変化量を検出することによって、スプロケット33の回転方向の速度を検出することができる。スプロケット33の回転方向の位置及び速度を示す検出装置60の検出データは、制御装置50に出力される。
キャリアテープ11は、スプロケット33の回転により搬送方向に搬送される。スプロケット33の回転方向の速度と、キャリアテープ11の搬送方向の速度とは、実質的に等しい。制御装置50は、検出装置60で検出されたスプロケット33の回転方向の速度に基づいて、キャリアテープ11の搬送方向の速度を検出することができる。
なお、検出装置60は、スプロケット34の回転方向の位置及び速度を検出してもよいし、スプロケット33及びスプロケット34の両方の回転方向の位置及び速度を検出してもよい。
また、図5に示すように、検出装置60は、第1搬送機構301のスプロケット39にも設けられる。スプロケット39に設けられている検出装置60は、スプロケット39の回転方向の位置及び速度を検出する。制御装置50は、検出装置60で検出されたスプロケット39の回転方向の速度に基づいて、キャリアテープ11の搬送方向の速度を検出することができる。
また、図5及び図6に示すように、テープフィーダ10は、搬送機構30の搬送方向におけるキャリアテープ11の位置を検出する光学センサ80を有する。光学センサ80は、搬送機構30の搬送方向におけるキャリアテープ11の端面11Tを検出可能である。
図9は、本実施形態に係る光学センサ80の一例を模式的に示す斜視図である。図6及び図9に示すように、光学センサ80は、検出光を射出する射出部81と、射出部81から射出された検出光の少なくとも一部を受光可能な位置に配置される受光部82とを有する。射出部81は、搬送機構30によって搬送されるキャリアテープ11よりも−Z側に配置される。受光部82は、搬送機構30によって搬送されるキャリアテープ11よりも+Z側に配置される。射出部81及び受光部82のそれぞれは、メインフレーム20に支持される。図6に示すように、本実施形態において、受光部82は、支持部材83を介してメインフレーム20に支持される。射出部81と受光部82との相対位置は固定される。また、射出部81及び受光部82とメインフレーム20との相対位置は固定される。なお、射出部81がキャリアテープ11よりも+Z側に配置され、受光部82がキャリアテープ11よりも−Z側に配置されてもよい。
キャリアテープ11は、端面11Tを有する。テープリール104に巻かれているキャリアテープ11の長さは有限である。図9に示すように、非収容部15においてキャリアテープ11がカットされ、端面11Tが形成される。端面11Tは、キャリアテープ11の搬送方向下流側に設けられる。キャリアテープ11の端面11Tは、搬送方向における非収容部15の端部15Tを含む。また、キャリアテープ11の端面11Tは、ベーステープ12の非収容部15の端部15Tと同一平面内に配置されるカバーテープ13の端部を含む。
光学センサ80は、搬送機構30によって搬送されるキャリアテープ11の端面11Tの位置を検出する。搬送機構30は、射出部81と受光部82との間の検出光の光路をキャリアテープ11の端面11Tが通過するように、キャリアテープ11を搬送する。搬送機構30により、キャリアテープ11の端面11Tは、光学センサ80の検出光の光路よりも搬送方向上流側から搬送方向下流側に移動する。射出部81から検出光が射出された状態において、キャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路を通過する前の受光部82の検出光の受光状態とキャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路を通過した後の受光部82の検出光の受光状態とは、異なる。キャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路を通過する前においては、射出部81と受光部82との間にキャリアテープ11が存在しない。受光部82は、射出部81から射出された検出光を第1受光量で受光する。キャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路を通過した後においては、射出部81と受光部82との間にキャリアテープ11が存在する。射出部81から射出された検出光の少なくとも一部がキャリアテープ11で遮られ、受光部82は、射出部81から射出された検出光を第1受光量よりも小さい第2受光量で受光する。光学センサ80の検出データは、制御装置50に出力される。
制御装置50は、光学センサ80の受光部82の検出光の受光状態に基づいて、キャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路を通過した時点を検出することができる。また、制御装置50は、光学センサ80の受光部82の検出光の受光状態に基づいて、搬送機構30の搬送方向におけるキャリアテープ11の端面11Tの位置を検出することができる。制御装置50は、光学センサ80の受光部82で受光される検出光の受光量が第1受光量から第2受光量に変化した時点を、キャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路を通過した時点であると判定する。また、制御装置50は、光学センサ80の受光部82で受光される検出光の受光量が第1受光量から第2受光量に変化したとき、キャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路に位置すると判定する。
搬送機構30に搬送されるキャリアテープ11の速度は、検出装置60によって検出される。制御装置50は、光学センサ80によって検出されたキャリアテープ11の端面11Tの位置と、検出装置60によって検出されたキャリアテープ11の速度とに基づいて、キャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路を通過した後のキャリアテープ11の端面11Tの搬送方向における位置を算出することができる。
図9において、搬送方向における非収容部15の寸法Dは、既知データである。寸法Dとは、キャリアテープ11の端面11Tを規定する非収容部15の端部15Tと、その非収容部15に隣接する収容部14との境界15Uとの搬送方向における距離をいう。端部15Tは、搬送方向下流側の非収容部15の端部を規定し、境界15Uは、搬送方向上流側の非収容部15の端部を規定する。寸法Dは、計測治具又は計測装置を用いて計測可能である。
制御装置50は、光学センサ80によって検出されたキャリアテープ11の端面11Tの位置と、検出装置60によって検出されたキャリアテープ11の速度と、既知データである非収容部15の寸法Dとに基づいて、境界15Uが光学センサ80の検出光の光路を通過する時点を算出することができる。制御装置50は、キャリアテープ11の端面11Tの位置と、キャリアテープ11の速度と、非収容部15の寸法Dとに基づいて、非収容部15の境界15Uが検出光の光路を通過した後の非収容部15の境界15Uの搬送方向における位置を算出することができる。
次に、剥離機構40について説明する。図10は、本実施形態に係る剥離機構40の一例を模式的に示す斜視図である。図10に示すように、剥離機構40は、ベーステープ12とカバーテープ13との間に進入可能な剥離部材41と、剥離部材41をZ軸方向に移動する駆動装置42と、キャリアテープ11をガイドするガイド部材43とを備える。
ガイド部材43は、メインフレーム20に支持される。キャリアテープ11は、ガイド部材43の表面44にガイドされる。表面44は、+Y方向に向かって+Z方向に傾斜する傾斜面44Aと、搬送方向下流側の傾斜面44Aの端部と接続されXY平面と平行な平面44Bとを含む。
傾斜面44Aの一部に開口45が形成される。光学センサ80は、開口45の上を通過するキャリアテープ11の端面11Tを検出する。射出部81は、開口45よりも−Z側に配置される。受光部82は、開口45よりも+Z側に配置される。受光部82は、支持部材83を介してメインフレーム20に支持される。なお、受光部82は、支持部材83を介してガイド部材43に支持されてもよい。射出部81から射出された検出光は、開口45を通過する。受光部82は、射出部81から射出され開口45を通過した検出光を受光可能な位置に配置される。
剥離部材41は、光学センサ80よりも搬送方向下流側に配置される。また、図5及び図6等に示すように、剥離部材41は、搬送方向において、スプロケット33とスプロケット34との間に配置される。供給位置SMは、剥離部材41よりも搬送方向下流側に規定される。
剥離部材41は、搬送方向上流側を向く先端部41Tを有する。先端部41Tは、剥離部材41の刃先を含む。剥離部材41の先端部41Tは尖っている。X軸方向における剥離部材41の寸法は、搬送方向下流側に向かって徐々に大きくなる。また、Z軸方向における剥離部材41の寸法は、搬送方向下流側に向かって徐々に大きくなる。X軸方向における剥離部材41の寸法は、剥離部材41の幅を示す。Z軸方向における剥離部材41の寸法は、剥離部材41の厚みを示す。剥離部材41の先端部41Tは、ベーステープ12とカバーテープ13との間に進入することができる。
剥離部材41は、Z軸方向に変位可能である。剥離部材41は、Y軸方向には変位しない。Z軸方向における剥離部材41の位置が調整され、搬送機構30によりキャリアテープ11が+Y方向に移動されることにより、剥離部材41の先端部41Tは、キャリアテープ11の端面11Tから、ベーステープ12とカバーテープ13との間に進入することができる。なお、剥離部材41は、Y軸方向に変位してもよい。
駆動装置42は、ベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部41Tが進入した後、カバーテープ13の少なくとも一部とベーステープ12とが離れるように、剥離部材41を移動する。駆動装置42は、例えばソレノイドのようなアクチュエータを含む。なお、駆動装置42は、アクチュエータとして圧電素子を含んでもよい。
駆動装置42は、ベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部41Tが進入した後、カバーテープ13の少なくとも一部がベーステープ12から離れるように、平面44A及び平面44Aと対向するベーステープ12の下面と交差するZ軸方向に剥離部材41を移動する。駆動装置42は、カバーテープ13の下面と剥離部材41とが接触した状態で、Z軸方向に剥離部材41を移動する。
平面44Bの一部に開口46が形成される。剥離部材41及び駆動装置42の少なくとも一部は、開口46に配置される。また、図10においては図示を省略してあるが、スプロケット33のスプロケットピンの一部、及びスプロケット34のスプロケットピンの一部が開口46に配置される。スプロケット33は、剥離部材41よりも搬送方向下流側に配置される。スプロケット34は、剥離部材41よりも搬送方向上流側に配置される。供給位置SMは、スプロケット33とスプロケット34との間において、剥離部材41よりも搬送方向下流側に規定される。
[制御装置]
次に、制御装置50について説明する。図11は、本実施形態に係る制御装置50の一例を示す機能ブロック図である。制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む演算処理装置50Aと、ROM(Read Only Memory)又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む記憶装置50Bと、入出力インターフェース50Cとを有する。
光学センサ80、検出装置60、搬送機構30のモータ駆動装置70、及び剥離機構40の駆動装置42のそれぞれは、制御装置50の入出力インターフェース50Cと接続される。光学センサ80の検出データ及び検出装置60の検出データは、制御装置50に出力される。制御装置50は、キャリアテープ11を搬送させるための制御信号をモータ駆動装置70に出力する。また、制御装置50は、剥離部材41を移動させるための制御信号を駆動装置42に出力する。
演算処理装置50Aは、位置データ取得部51と、速度データ取得部52と、寸法データ取得部53と、距離データ取得部54と、制御部55とを有する。記憶装置50Bは、寸法データ記憶部56と、距離データ記憶部57とを有する。
位置データ取得部51は、搬送方向におけるキャリアテープ11の端面11Tの位置を示す位置データを取得する。搬送方向におけるキャリアテープ11の端面11Tの位置は、光学センサ80によって検出される。位置データ取得部51は、入出力インターフェース50Cを介して、光学センサ80からキャリアテープ11の端面11Tの位置データを取得する。
速度データ取得部52は、搬送機構30に搬送されるキャリアテープ11の速度(搬送速度)を示す速度データを取得する。搬送機構30に搬送されるキャリアテープ11の速度は、検出装置60によって検出される。速度データ取得部52は、入出力インターフェース50Cを介して、検出装置60からキャリアテープ11の速度データを取得する。
寸法データ取得部53は、搬送方向における非収容部15の寸法Dを示す寸法データを取得する。図9を参照して説明したように、寸法Dとは、キャリアテープ11の端面11Tを規定する非収容部15の端部15Tと、その非収容部15に隣接する収容部14との境界15Uとの搬送方向における距離をいう。寸法Dは、計測治具又は計測装置を用いて予め計測され、記憶装置50Bの寸法データ記憶部56に記憶されている。寸法データ取得部53は、寸法データ記憶部56から非収容部15の寸法データを取得する。
距離データ取得部54は、搬送方向における光学センサ80の検出光の光路と剥離部材41の先端部41Tとの距離Lを示す距離データを取得する。剥離部材41は、光学センサ80よりも搬送方向下流側に配置されている。距離Lは、電子部品供給装置100の設計データ又は諸元データから導出可能な既知データであり、距離データ記憶部57に記憶されている。距離データ取得部54は、距離データ記憶部57から光学センサ80の検出光の光路と剥離部材41の先端部41Tとの距離データを取得する。
制御部55は、位置データ取得部51で取得されたキャリアテープ11の端面11Tの位置データと、速度データ取得部52で取得されたキャリアテープ11の速度データと、寸法データ取得部53で取得された非収容部15の寸法データとに基づいて、剥離部材41を移動する駆動装置42を制御する。制御部55は、位置データと速度データと寸法データとに基づいて駆動装置42を制御する制御信号を生成して、入出力インターフェース50Cを介して駆動装置42に出力する。また、制御部55は、キャリアテープ11を搬送する駆動モータ31及び駆動モータ37を制御する制御信号を生成して、入出力インターフェース50Cを介してモータ駆動装置70に出力する。
本実施形態において、制御部55は、位置データ取得部51で取得されたキャリアテープ11の端面11Tの位置データと、速度データ取得部52で取得されたキャリアテープ11の速度データと、寸法データ取得部53で取得された非収容部15の寸法データと、距離データ取得部54で取得された光学センサ80の検出光の光路と剥離部材41の先端部41Tとの距離データとに基づいて、駆動装置42を制御する。
[電子部品供給方法]
次に、本実施形態に係る電子部品Cの供給方法について説明する。図12は、本実施形態に係る電子部品Cの供給方法の一例を示すフローチャートである。図13は、本実施形態に係る剥離機構40の動作の一例を模式的に示す側断面図である。図14及び図15のそれぞれは、本実施形態に係る剥離機構40の動作の一例を模式的に示す平面図である。
キャリアテープ11が巻かれたテープリール104がリールホルダ103に装着される。キャリアテープ11の固有データが記憶装置50Bに記憶される。キャリアテープ11の固有データとして、少なくとも非収容部15の寸法Dを示す寸法データが記憶装置50Bの寸法データ記憶部56に記憶される。寸法データ取得部53は、寸法データ記憶部56から非収容部15の寸法データを取得する(ステップS10)。
また、搬送方向における光学センサ80の検出光の光路と剥離部材41の先端部41Tとの距離Lを示す距離データが距離データ記憶部57に記憶されている。距離データ取得部54は、距離データ記憶部57から距離データを取得する(ステップS20)。
キャリアテープ11の端面11Tが入口21を介してテープフィーダ10に供給される。制御部55は、入口21を介してテープフィーダ10に供給されたキャリアテープ11が剥離機構40に搬送されるように、モータ駆動装置70にキャリアテープ11を搬送させる制御信号を出力する(ステップS30)。
モータ駆動装置70は、制御信号に基づいて、駆動モータ37を駆動する。駆動モータ37の作動により、スプロケット39が回転し、キャリアテープ11の端面11Tが光学センサ80に搬送される。
また、モータ駆動装置70は、制御信号に基づいて、駆動モータ31を駆動する。駆動モータ31の作動により、スプロケット33及びスプロケット34のそれぞれが回転する。
検出装置60は、スプロケット39の回転速度及びスプロケット33の回転速度を検出する。スプロケット39の回転速度及びスプロケット33の回転速度は、搬送機構30によって搬送されるキャリアテープ11の速度を示す。速度データ取得部52は、検出装置60からキャリアテープ11の速度データを取得する(ステップS40)。
スプロケット39の回転により、入口21からテープフィーダ10に供給されたキャリアテープ11の端面11Tは、光学センサ80に搬送される。光学センサ80は、キャリアテープ11の端面11Tの位置を検出する。
図13(A)は、搬送機構30に搬送されたキャリアテープ11の端面11Tが光学センサ80の検出光の光路に配置されたときの状態を模式的に示す。搬送機構30は、射出部81と受光部82との間の検出光の光路をキャリアテープ11の端面11Tが通過するように、キャリアテープ11を搬送する。キャリアテープ11の端面11Tは、光学センサ80の検出光の光路よりも搬送方向上流側から搬送方向下流側に移動する。光学センサ80は、搬送機構30によって搬送されるキャリアテープ11の端面11Tの位置を検出する。射出部81から検出光が射出された状態において、キャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路を通過する前の受光部82の検出光の受光状態とキャリアテープ11の端面11Tが検出光の光路を通過した後の受光部82の検出光の受光状態とは、異なる。光学センサ80の検出データは、制御装置50に出力される。
位置データ取得部51は、光学センサ80の受光部82の検出光の受光状態に基づいて、キャリアテープ11の端面11Tが光学センサ80の検出光の光路を通過した時点を取得する。また、位置データ取得部51は、光学センサ80の受光部82の検出光の受光状態に基づいて、搬送機構30の搬送方向におけるキャリアテープ11の端面11Tの位置を示す位置データを取得する(ステップS50)。
制御部55は、位置データ取得部51に取得されたキャリアテープ11の端面11Tの位置データと、速度データ取得部52に取得されたキャリアテープ11の速度データとに基づいて、キャリアテープ11の端面11Tが光学センサ80の検出光の光路を通過した後におけるキャリアテープ11の端面11Tの搬送方向における位置を算出する。
また、制御部55は、位置データ取得部51に取得されたキャリアテープ11の端面11Tの位置データと、速度データ取得部52に取得されたキャリアテープ11の速度データと、距離データ取得部54に取得された光学センサ80の検出光の光路と剥離部材41の先端部41Tとの距離データとに基づいて、キャリアテープ11の端面11Tが光学センサ80の検出光の光路を通過した後、剥離部材41の先端部41Tに到達する時点を算出する。
図13(B)は、搬送機構30に搬送されたキャリアテープ11の端面11Tが剥離部材41の先端部41Tに到達したときの状態を模式的に示す。剥離部材41の先端部41Tが、搬送機構30によって搬送されるキャリアテープ11のベーステープ12とカバーテープ13との間に進入するように、Z軸方向における剥離部材41の位置が調整されている。剥離部材41は、キャリアテープ11の端面11Tよりも搬送方向下流側に配置されている。剥離部材41の先端部41Tは、搬送方向上流側を向く。そのため、キャリアテープ11が搬送機構30によって搬送方向下流側に搬送されることにより、剥離部材41の先端部41Tは、ベーステープ12とカバーテープ13との間に進入することができる。
以下の説明においては、剥離部材41の先端部41Tがベーステープ12とカバーテープ13との間に進入する前のZ軸方向における剥離部材41の位置を適宜、初期位置、と称する。
制御部55は、搬送機構30によって搬送されるキャリアテープ11のベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部41Tが進入した後、カバーテープ13の少なくとも一部がベーステープ12から離れるように剥離部材41を移動させる制御信号を駆動装置42に出力する(ステップS60)。
図13(C)は、ベーステープ12とカバーテープ13との間に進入した剥離部材41が移動を開始したときの状態を模式的に示す。図13(C)に示すように、駆動装置42は、カバーテープ13の少なくとも一部がベーステープ12から離れるように、カバーテープ13と剥離部材41とを接触させた状態で、剥離部材41を+Z方向に移動する。
上述のように、制御部55は、位置データ取得部51に取得されたキャリアテープ11の端面11Tの位置データと、速度データ取得部52に取得されたキャリアテープ11の速度データと、距離データ取得部54に取得された距離データとに基づいて、キャリアテープ11の端面11Tが剥離部材41の先端部41Tに到達する時点を算出することができる。そのため、制御部55は、ベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部41Tが進入した後において、剥離部材41に+Z方向の移動を開始させる制御信号を駆動装置42に出力することができる。
本実施形態において、駆動装置42は、剥離部材41の先端部41Tが非収容部15の端部15Tに進入した後、収容部14に到達する前に、剥離部材41の移動を開始する。
制御部55は、位置データ取得部51に取得されたキャリアテープ11の端面11Tの位置データと、速度データ取得部52に取得されたキャリアテープ11の速度データと、寸法データ取得部53に取得された非収容部15の寸法データとに基づいて、キャリアテープ11の端面11Tが光学センサ80の検出光の光路を通過した後における非収容部15と収容部14との境界15Uの搬送方向における位置を算出する。
また、制御部55は、位置データ取得部51に取得されたキャリアテープ11の端面11Tの位置データと、速度データ取得部52に取得されたキャリアテープ11の速度データと、寸法データ取得部53に取得された非収容部15の寸法データと、距離データ取得部54に取得された距離データとに基づいて、キャリアテープ11の端面11Tが光学センサ80の検出光の光路を通過した後、非収容部15と収容部14との境界15Uが剥離部材41の先端部41Tに到達する時点を算出する。これにより、制御部55は、ベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部41Tが進入した後、剥離部材41の先端部41Tが収容部14(境界15U)に到達する前に、剥離部材41に+Z方向の移動を開始させる制御信号を駆動装置42に出力することができる。
本実施形態において、駆動装置42は、剥離部材41を初期位置から+Z方向に規定量だけ移動する。規定量は、例えば1[mm]以上3[mm]以下に定められる。以下の説明においては、初期位置から規定量だけ+Z方向に移動したときのZ軸方向における剥離部材41の位置を適宜、規定位置、と称する。
駆動装置42は、剥離部材41を初期位置から規定位置に移動した後、剥離部材41を規定位置で停止する。すなわち、駆動装置42は、剥離部材41を初期位置から+Z方向に規定量だけ移動した後、その剥離部材41のZ軸方向の位置を規定位置に維持する。駆動装置42は、剥離部材41を初期位置から+Z方向に移動した後、搬送機構30によるキャリアテープ11の搬送において、剥離部材41がカバーテープ13の少なくとも一部を支持し続けるように、剥離部材41を規定位置に維持する。
図14に示すように、X軸方向において、剥離部材41は、接着材17と接着材18との中心よりも−X側に配置される。図14に示すように、キャリアテープ11の端面11Tが剥離部材41の先端部41Tよりも搬送方向上流側に配置されている状態から、キャリアテープ11が搬送方向下流側に移動し、剥離部材41の先端部41Tがベーステープ12とカバーテープ13との間に進入した後、剥離部材41が+Z方向に規定量だけ移動する。これにより、図15に示すように、カバーテープ13がベーステープ12から部分的に剥離される。本実施形態においては、接着材18によるベーステープ12とカバーテープ13との接合が維持された状態で、接着材17によるベーステープ12とカバーテープ13との接合が解除される。
駆動装置42は、剥離部材41を初期位置から+Z方向に移動した後、搬送機構30がキャリアテープ11を搬送している期間において、接着材18によるベーステープ12とカバーテープ13との接合が維持され、接着材17によるベーステープ12とカバーテープ13との接合が解除されるように、剥離部材41を規定位置に配置する。Z軸方向において剥離部材41が規定位置に配置され続けることにより、剥離部材41は、搬送機構30によるキャリアテープ11の搬送において、カバーテープ13の下面の少なくとも一部を支持し続けることができる。剥離部材41は、接着材18によるベーステープ12とカバーテープ13との接合が維持され、接着材17によるベーステープ12とカバーテープ13との接合が解除されるように、ベーステープ12からカバーテープ13を部分的に剥離することができる。
図15に示すように、剥離部材41よりも搬送方向下流側に規定されている供給位置SMにおいては、カバーテープ13が捲れて、収容部14の開口から退避する。これにより、実装ヘッド5は、供給位置SMにおいて、収容部14に収容されている電子部品Cを、ノズル4で円滑に保持することができる。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、ベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部41Tが進入した後、カバーテープ13の少なくとも一部とベーステープ12とが離れるように剥離部材41が移動することによって、ベーステープ12からカバーテープ13の少なくとも一部が剥離される。これにより、剥離機構40を用いてベーステープ12からカバーテープ13を剥離するとき、剥離部材41とベーステープ12に保持されている電子部品Cとの接触が抑制される。そのため、剥離部材41と電子部品Cとの接触に起因する電子部品Cの品質の低下が抑制され、ベーステープ12からカバーテープ13が円滑に剥離される。
また、本実施形態においては、ベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部41Tが進入した後、Z軸方向におけるキャリアテープ11の位置が維持された状態で、剥離部材41がZ軸方向に移動する。上述のように、キャリアテープ11は、柔軟材料によって形成されており撓み易い。そのため、キャリアテープ11をZ軸方向に移動すると、ベーステープ12とカバーテープ13との間に進入した剥離部材41の先端部41Tがベーステープ12とカバーテープ13との間から外れてしまったり、ベーステープ12とカバーテープ13との剥離が円滑に行われなかったりする可能性がある。本実施形態によれば、Y軸方向に搬送されるキャリアテープ11に対して剥離部材41がZ軸方向に移動することにより、ベーステープ12とカバーテープ13とは円滑に剥離される。
また、本実施形態によれば、駆動装置42は、カバーテープ13の下面と剥離部材41とが接触した状態で、ベーステープ12の下面と交差する+Z方向に剥離部材41が移動する。すなわち、ベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部41Tが進入した後、剥離部材41が電子部品Cを保持するベーステープ12から離れるように、カバーテープ13を支持した状態で+Z方向に移動する。剥離部材41は、電子部品Cを保持するベーステープ12を−Z方向に移動せずに、カバーテープ13を+Z方向に移動することによって、ベーステープ12とカバーテープ13の少なくとも一部とを剥離するため、剥離機構41とベーステープ12に保持されている電子部品Cとの接触が十分に抑制される。そのため、剥離部材41と電子部品Cとの接触に起因する電子部品Cの品質の低下が抑制され、ベーステープ12からカバーテープ13が円滑に剥離される。
また、本実施形態においては、剥離部材41の先端部41Tがベーステープ12とカバーテープ13との間に進入し、剥離部材41が初期位置から+Z方向に規定量だけ移動した後、Z軸方向における剥離部材41の位置が規定位置に維持される。これにより、剥離部材41が初期位置から+Z方向に規定量だけ移動した後、搬送機構30によるキャリアテープ11の搬送において、剥離部材41は、カバーテープ13の下面の少なくとも一部を支持し続けることができる。そのため、例えば図15を参照して説明したように、接着材18によるベーステープ12とカバーテープ13との接合が維持され、接着材17によるベーステープ12とカバーテープ13との接合が解除されるように、ベーステープ12からカバーテープ13を部分的に剥離することができる。また、Z軸方向における剥離部材41の位置が調整されることにより、例えば、接着材17によるベーステープ12とカバーテープ13との接合及び接着材18によるベーステープ12とカバーテープ13との接合の両方が解除されるように、カバーテープ13をベース部材12から全体的に剥離することができる。このように、Z軸方向における剥離部材41の規定位置が調整されることにより、ベーステープ12とカバーテープ13との剥離状態が調整される。
また、本実施形態においては、剥離部材41の先端部41Tが非収容部15の端部15Tに進入した後、収容部14と非収容部15との境界15Uに到達する前に、剥離部材41の移動が開始される。これにより、収容部14に収容されている電子部品Cと剥離部材41との接触が十分に抑制される。
なお、上述の実施形態においては、光学センサ80が剥離部材41よりも搬送方向上流側に配置され、光学センサ80の検出光の光路と剥離部材41の先端部41Tとの距離Lに基づいて、キャリアテープ11の端面11Tが剥離部材41の先端部41Tに到達する時点が算出され、剥離部材41の移動を開始するタイミングが調整されることとした。搬送方向において、光学センサ80の検出光の光路の位置と剥離部材41の先端部41Tの位置とが実質的に等しくてもよい。すなわち、距離Lが実質的にゼロでもよい。この場合、距離Lを考慮することなく、剥離部材41の移動を開始するタイミングを決定することができる。
なお、上述の実施形態において、剥離部材41がX軸方向に傾斜するように移動してもよい。図16は、本実施形態に係る剥離機構40の動作の一例を模式的に示す正面図である。図16において、ベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部14Tが進入した後、駆動装置42は、キャリアテープ11の幅方向であるX軸方向におけるカバーテープ13の一端部とベーステープ12とが離れ、カバーテープ13の他端部とベーステープ12とが離れないように、X軸方向における剥離部材41の一端部41Aを初期位置から+Z方向に第1距離H1だけ移動し、剥離部材41の他端部41Bを初期位置から+Z方向に第1距離H1とは異なる第2距離H2だけ移動してもよい。また、剥離部材41の一端部41Aが初期位置から+Z方向に第1距離H1だけ移動し、剥離部材41の他端部41Bが初期位置から+Z方向に第2距離H2だけ移動した後、その剥離部材41の位置が維持されてもよい。X軸方向におけるカバーテープ13の一端部(−X側の端部)が接着材17でベーステープ12に接合され、X軸方向におけるカバーテープ13の他端部(+X側の端部)が接着材18でベーステープ12に接合されている状態において、X軸方向における剥離部材41の一端部41A(−X側の端部)を初期位置から+Z方向に第1距離H1だけ移動し、剥離部材41の他端部41B(+X側の端部)を初期位置から+Z方向に第1距離H1よりも短い第2距離H2だけ移動することにより、接着材18によるカバーテープ13の他端部とベーステープ12との接合が維持された状態で、接着材17によるカバーテープ13の一端部とベーステープ12との接合を解除することができる。
なお、上述の実施形態において、ベーステープ12とカバーテープ13との間に剥離部材41の先端部41Tが進入した後、カバーテープ13の少なくとも一部とベーステープ12とが離れるように、ベーステープ12と剥離部材41とが接触した状態で、接触部材41が−Z方向に移動してもよい。この場合においても、カバーテープ13の少なくとも一部とベーステープ12とを剥離することができる。