JP2019028327A - 反力発生装置及び電子鍵盤楽器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弾性変形可能な材料で中空に形成された弾性中空体12と、弾性中空体12の外表面に突出する突起部14と、を備え、弾性中空体12は、突起部14の自由端から弾性中空体12に向かう第1方向とは異なる第2方向X1から操作子2が突起部14に作用して突起部14が第1位置側に傾いた場合と、第1方向及び第2方向X1とは異なる第3方向X2から操作子2が突起部14に作用して突起部14が第2位置側に傾いた場合とで異なる大きさの反力を生ずるように、弾性中空体12における第1位置側の部分である第1領域Ar1と、第2位置側の部分である第2領域Ar2とで、形状及び材質のうち少なくとも一方が異なるように形成されている。
【選択図】図1
Description
このような反力発生装置では、例えば、弾性材料によりドーム状の中空体を形成し、その外表面に剛性の高い突起部を設けて、この突起部をドーム状の中空体を潰す方向に押圧することにより、ある時点において中空体の外郭が座屈して大きな反力を発生させる。
こうした反力発生装置では、中空体の外郭が座屈する直前までは徐々に荷重が高まっていき、座屈した後に荷重が急峻に増加から減少に転じるという特徴があり、このときの荷重の変化を一般に「クリック感」と称する。
電子的に鍵盤楽器の音を再現する電子鍵盤楽器においても、演奏者があたかもアコースティックの鍵盤楽器を演奏しているかのような感覚で演奏できるように、こうした独特なクリック感(レットオフ)を再現する工夫が行われており、弾性体を用いた反力発生装置を電子鍵盤楽器に組み込むことも提案されている)。
また、特許文献2には、ドーム状の弾性体が変形した際に進入することのできる収容部を設けることで、大きな変形ストローク量を得られるようにした技術が記載されている。
こうした特許文献2に記載の技術によれば、ドーム状の弾性体の変形ストローク量を大きくして、ある程度の大きな押し込み量を確保することが可能となる。
このことは、電子鍵盤楽器において擬似的なクリック感(レットオフ)を再現するために反力発生装置を用いる場合のみならず、例えば、電子機器のスイッチ部にクリック感を持たせるための機構等、様々な用途に反力発生装置を用いる場合においても共通する問題である。
弾性変形可能な材料で中空に形成された弾性中空体と、
前記弾性中空体の外表面に突出する突起部と、
を備え、
前記弾性中空体は、前記突起部の自由端から前記弾性中空体に向かう第1方向とは異なる第2方向から操作子が前記突起部に作用して前記突起部が第1位置側に傾いた場合と、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向から前記操作子が前記突起部に作用して前記突起部が第2位置側に傾いた場合とで異なる大きさの反力を生ずるように、前記弾性中空体における前記第1位置側の部分と前記第2位置側の部分とで、形状及び材質のうち少なくとも一方が異なるように形成されていることを特徴としている。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1(a)は、本実施形態における反力発生装置を示す平面図であり、図1(b)は、図1に示す反力発生装置の側断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態における反力発生装置1は、中空に形成された弾性中空体12と、弾性中空体12の外表面に突出する突起部14とを備えている。
本実施形態では、反力発生装置1は基台部11を備え、基台部11の上に基台部11と一体的に弾性中空部12が形成されている。
本実施形態において、弾性中空体12は、例えばゴムや合成樹脂等の弾性変形可能な材料により、ほぼ半球形状のドーム型に形成されている。
なお、弾性中空体12を形成する材料は弾性材料であればよく、特に限定されないが、長期間繰り返しの使用に耐えられる耐久性に優れた材料で形成されることが好ましい。
突起部14及び台座部13は、例えば合成樹脂等で形成されている。
なお、突起部14や台座部13は、弾性中空体12と比較してある程度剛性を有するものであることが好ましく、剛性を有する樹脂によって形成したり、中実構造がとられることが好ましい。
図2(a)に示すように、本実施形態において、突起部14の自由端(本実施形態では図2(a)において上端部)から弾性中空体12に向かう方向に軸線Lを仮に設定した場合に、操作子2はこの軸線Lに沿う第1方向とは異なる方向から突起部14に作用するようになっている。
例えば、図2(a)では、軸線Lに沿う第1方向が鉛直方向である場合に、操作子2がこれと直交する水平方向X(図2(a)において白抜き矢印で示す方向)から突起部14に作用する場合を例示している。
例えば、図1(b)及び図2(a)では、弾性中空体12の外郭における第1領域Ar1は、厚肉部121となっており、第2領域Ar2はこれよりも肉厚の薄い薄肉部122となっている。
このように、弾性中空体12における第1領域Ar1の肉厚が、第2領域Ar2の肉厚よりも厚くなるように形成されていることで、操作子2が第2方向X1から突起部14に作用した場合の方が操作子2が第3方向X2から突起部14に作用した場合よりも反力発生装置1で生ずる反力が大きくなるようになっている。
なお、本実施形態では、以下の説明において、第3方向X2が第2方向X1とは反対の方向であり、操作子2が図2(a)において白抜き矢印で示す水平方向Xに往復移動する場合を例示するが、第2方向X1と第3方向X2とは、互いに異なる方向であればよく、反対方向である場合に限定されない。
具体的には、例えば、弾性中空体12は、初期状態において図1(a)等に示すように、凸状に湾曲するドーム形状に形成されており、弾性中空体12は、第2方向X1から操作子2が突起部14に作用した場合及び第3方向X2から操作子2が突起部14に作用した場合のうち少なくともいずれか一方の場合に、操作子2の変位量が所定量となった時点で、弾性中空体12における第1位置側の部分(第1領域Ar1)及び第2位置側の部分(第2領域Ar2)のうち少なくともいずれか一方が、初期状態における凸状の湾曲とは逆方向に屈曲する(すなわち、座屈する)ように形成されている。
図2(b)に示す従来の反力発生装置3では、基台部31の上にゴム等の弾性部材で形成された弾性中空体32が設けられており、この弾性中空体32の上に突起部34が設けられている。
図2(b)に示す従来例では、突起部34の自由端(本実施形態では図2(b)において上端部)から弾性中空体32に向かう方向に軸線Lを仮に設定した場合に、この軸線Lに沿う第1方向(図2(b)において白抜き矢印で示す方向)に突起部34を押し込むことで反力を発生させるようになっている。
図3(a)において横軸に変位量(すなわち、押し込みのストローク量)をとり、縦軸に荷重をとっている。また、グラフ中、「A」で示す曲線は突起部34を押し込んでいく往路を示す曲線であり、「B」で示す曲線は突起部34を押し込み切った後、元の初期状態まで突起部34が復帰していく復路を示す曲線である。
また、図3(b)は、反力発生装置の突起部を押し込む前の初期状態を示し、図3(c)は、突起部を押し込んだ後の状態を示したものである。
図3(b)に示す初期状態の反力発生装置3の突起部34を徐々に下側に押し込んでいくと、荷重が徐々に上がっていき、押し込みのストローク量が所定量に達したところで弾性中空体32の外郭が座屈する。これにより、図3(a)においてP1で示すように荷重曲線にピークがあらわれる。そして、図3(a)においてP2を過ぎたところで突起部34の下端が基台部31に当接して(すなわち図3(c)に示す状態となり)、荷重が最大となる。その後突起部34への押し込み動作が解除されると、突起部34は基台部31から離間する方向に復帰して、荷重も徐々に下がっていく。そして、図3(a)においてP3を過ぎたところで座屈した弾性中空体32の外郭が元の形状に復帰し、このとき図3(a)においてP4に示すように再び荷重が大きくなる。さらに突起部34が元の初期位置まで復帰すると荷重が「0」となる。
このように従来例の構成ではストロークが短く、ストロークの範囲内でクリック感を与える位置や荷重等を自由にコントロールすることが難しかった。
またこのような反力発生装置3では、往路では突起部34の下端が基台部31に当接するまで突起部34を押し込み、復路では突起部34が元の位置まで戻るという単純な往復運動をするのみである。このためストローク−荷重特性曲線(荷重曲線)は往路(押し込み時)の荷重よりも復路(初期状態への復帰時)の荷重がやや低くなるものの、両者は類似した平行するカーブを描くこととなり、往路と復路とでストローク−荷重特性を自由にコントロールすることはできない。
これに対して、図4は、本実施形態における反力発生装置における変位(押し込みのストローク)と反力発生装置で発生する荷重との関係を示す特性カーブ(ストローク−荷重特性曲線(荷重曲線))の例を表すグラフである。
図4では、図3(a)と同様に、横軸に変位量(すなわち、押し込みのストローク量)をとり、縦軸に荷重をとっている。また、グラフ中、「A」で示す曲線は、操作子2が第2方向X1から突起部14に作用する場合(すなわち、突起部14を第2方向X1の下流側である第1位置側に押し込んでいく往路の場合)を示す曲線であり、「B」で示す曲線は、操作子2が第3方向X2から突起部14に作用する場合(すなわち、突起部14を第3方向X2の下流側である第2位置側に押し込んでいく復路の場合)を示す曲線である。
両者の曲線は、類似した並行するカーブを描くものではなく、往路と復路とで荷重の大小が反転する位置を有している。
また、図6(a)から図6(f)は、復路における操作子の動きと反力発生装置における弾性変形の様子を時系列にしたがって示した説明図である。
このように徐々に突起部14が第2方向X1の下流側である第1位置側に傾いていくと、弾性中空体12の第1領域Ar1が押されて変形していくため(図5(c)等)、この変形に伴って徐々に荷重(反力)が発生する。
さらに、操作子2の変位量(押し込みストローク量)が所定量となった時点で、弾性中空体12の第1領域Ar1が押し潰されて座屈変形する(図5(d))。
本実施形態では、弾性中空体12の第1領域Ar1は、比較的肉厚に形成された厚肉部121となっているため、この第1領域Ar1で座屈変形が起こることにより、図4において「P5d」で示すように、ひときわ大きな荷重(反力)が生じ、その後荷重が急激に下がり、これによりクリック感が生ずる。
一旦座屈変形した弾性中空体12は、操作子2の変位(移動)に伴ってさらに押し潰されていくが(図5(e)等)、荷重としては、徐々に下がって安定する。
そして、操作子2が突起部14に接触しない位置まで移動すると(図5(f))、図4において「P5f」で示すように、荷重が「0」となる。
なお、このとき、操作子2の第3方向X2の移動(変位)に伴って、徐々に突起部14が第3方向X2の下流側である第2位置側に傾いて弾性中空体12の第2領域Ar2が変形していくが(図6(c)等)、第2領域Ar2は比較的肉薄に形成された薄肉部122となっているため、変形に伴って生じる荷重(反力)は往路の場合よりも小さい。
そして、操作子2の変位量(押し込みストローク量)が所定量となった時点で、弾性中空体12の第2領域Ar2が押し潰されて座屈変形する(図6(d))。
なお、弾性中空体12の第2領域Ar2は、薄肉部122となっているため、この第2領域Ar2で座屈変形が起こっても、図4において「P6d」で示すように、第1領域Ar1で座屈変形が起こった場合ほどの大きな荷重(反力)は生じず、クリック感は生じない。
一旦座屈変形した弾性中空体12は、操作子2の変位(移動)に伴ってさらに押し潰されていくが(図6(e)等)、荷重としては、徐々に下がって安定する。
そして、操作子2が突起部14に接触しない位置まで移動すると(図6(f))、図4において「P6f」で示すように、荷重が「0」となる。
また、弾性中空体12の構成(本実施形態では肉厚)を第1領域Ar1と第2領域Ar2とで変えているため、従来の反力発生装置3と異なり、往路におけるストローク−荷重特性曲線(荷重曲線)と復路におけるストローク−荷重特性曲線(荷重曲線)とが平行とならず、一部に置いて交差する特有の形状を描く。
なお、図4に示したストローク−荷重特性曲線(荷重曲線)は一例である。本実施形態の反力発生装置1では、弾性中空体12の構成の仕方等により、各種任意のストローク−荷重特性曲線(荷重曲線)となるように設定することが可能である。
以上のように、本実施形態によれば、弾性変形可能な材料で中空に形成された弾性中空体12と、この弾性中空体12の外表面に突出する突起部14とを備える反力発生装置1において、突起部14の自由端から弾性中空体12に向かう方向に軸線Lを仮に設定した場合に、軸線Lに沿う第1方向とは異なる第2方向X1から操作子2が突起部14に作用して突起部14が第1位置側に傾いた場合と、第2方向X1とは反対の第3方向X2に操作子2が突起部14に作用して突起部14が第2位置側に傾いた場合とで異なる大きさの反力を生ずるように、弾性中空体12における第1位置側の部分である第1領域Ar1と、第2位置側の部分である第2領域Ar2とで、その構成(形状又は材質)が異なるように形成している。
これにより、弾性中空体12の肉厚を部分的に変える等の簡易な手法により、操作子2の往路と復路とで操作子2のストローク量と反力発生装置1において発生する反力との関係を示すストローク−荷重特性曲線を異なるようにすることができ、往路ではクリック感を生じさせ、復路ではクリック感や抵抗をできるだけ生じさせないようにする等、反力発生装置1の荷重特性を自在にコントロールすることができる。このため、反力発生装置1の用途や可能性を広げることができる。
これにより、操作子2の変位(移動)に伴って反力発生装置1に生じる荷重(反力)を往路・復路ともに調整することができる。
このように、操作子2の変位量(移動量)が所定量となった時点で、弾性中空体12を座屈させることで、大きな荷重(反力)の変化を生じさせることができ、クリック感を生じさせることができる。
また、座屈する部分の肉厚等を調整することで、クリック感の大きさ等を自在に調整することができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
なお、図7及び図8(a)から図8(f)に示す反力発生装置1の構成(形状及び材質)は、前述の実施形態で示したものと同様である。
他方、操作子2は、図8(a)等に示すように突起部14に対して面で接触する形状に構成されている。
このように徐々に突起部14が第2方向X1の下流側である第1位置側に傾いていくと、弾性中空体12の第1領域Ar1が押されて変形していくため(図8(c)等)、この変形に伴って徐々に荷重(反力)が発生する。
さらに、操作子2の変位量(押し込みストローク量)が所定量となった時点で、弾性中空体12の第1領域Ar1が押し潰されて座屈変形する(図8(d))。
本実施形態では、弾性中空体12の第1領域Ar1は、比較的肉厚に形成された厚肉部121となっているため、この第1領域Ar1で座屈変形が起こることにより、図7において「P8d」で示すように、ひときわ大きな荷重(反力)が生じ、その後荷重が急激に下がり、これによりクリック感が生ずる。
一旦座屈変形した弾性中空体12は、操作子2の変位(移動)に伴ってさらに押し潰されていくが(図8(e)等)、荷重としては、徐々に下がって安定する。
このように、操作子2が往路と復路との間で突起部14から離間しないまま移動(変位)の方向を切り替える構成とした場合には、図7において「P8f」で示すように、一定の荷重(反力)を維持したままで操作子2が移動方向を変えて折り返す。復路においては第3方向X2の下流側に位置する第2領域Ar2で弾性中空体12が座屈変形するが、図6(d)等において説明したように、第2領域Ar2は薄肉部122となっているため、大きな荷重(反力)を生じさせることなく、操作子2は円滑に初期位置(すなわち、操作子2が突起部14に当接しない図8(a)の位置)まで復帰する。
このように構成した場合も、往路と復路とでストローク−荷重特性曲線(荷重曲線)が大きく異なるようにして、往路だけにクリック感を生じさせることができる。
これに対して、本実施形態のように、弾性中空体12が座屈変形することでクリック感を生じさせる場合には、必ずしも操作子2の往路・復路上に操作子2が突起部14を乗り越える箇所を設ける必要がない。
このため、操作子2を突起部14に接触しない位置まで移動させなくとも、図7及び図8(a)〜図8(f)に示す例のように、操作子2が往路と復路との間で突起部14から離間しないまま移動(変位)の方向を切り替えるように構成することができる。
また、操作子2が突起部14に接触する前に弾性中空体12に座屈変形が生ずるように構成すれば、操作子2が突起部14に接触しない位置で止まり、復路を折り返すように設計することもできる。
このように、本実施形態では、従来手法と比較して反力発生装置1の荷重特性のコントロールの自由度が高く、組み込み先の装置の構造や用途等に応じて荷重特性を自在にコントロールすることが可能となる。
例えば、図9は、図7等に示したのと同様に、操作子2が往路において一旦突起部を乗り越えたのち、突起部14から離間しないまま復路の移動を行う場合のストローク−荷重特性曲線(荷重曲線)の一例を示したものであり、図10(a)から図10(f)はこの場合の反力発生装置1と操作子2との関係を示した模式図である。
なお、図9及び図10(a)から図10(f)に示す反力発生装置1の構成(形状及び材質)も、前述の実施形態で示したものと同様である。
他方、操作子2は、図10(a)等に示すように突起部14に対して面で接触する形状に構成されているとともに、突起部14に当接する面に段差部21が形成されている。なお、段差部21の形状は図示例に限定されないが、突起部14に当接させながら移動させた際に突起部14を円滑に乗り越えることができるように、段差部21の角部に多少の傾斜やR形状を設けることが好ましい。
このように徐々に突起部14が第2方向X1の下流側である第1位置側に傾いていくと、弾性中空体12の第1領域Ar1が押されて変形していくため(図10(c)等)、この変形に伴って徐々に荷重(反力)が発生する。
さらに、操作子2の変位量(押し込みストローク量)が所定量となった時点で、弾性中空体12の第1領域Ar1が押し潰されて座屈変形する(図10(d))。
本実施形態では、弾性中空体12の第1領域Ar1は、比較的肉厚に形成された厚肉部121となっているため、この第1領域Ar1で座屈変形が起こることにより、図9において「P10d」で示すように、ひときわ大きな荷重(反力)が生じ、その後荷重が急激に下がり、これによりクリック感が生ずる。
一旦座屈変形した弾性中空体12は、操作子2の変位(移動)に伴ってさらに押し潰されていくが(図10(e)等)、荷重としては、徐々に下がって安定する。
このように、操作子2が往路と復路との間で突起部14から離間しないまま移動(変位)の方向を切り替える構成とした場合には、図9において「P10h」で示すように、一定の荷重(反力)を維持したままで操作子2が移動方向を変えて折り返す。この場合も、復路においては第3方向X2の下流側に位置する第2領域Ar2で弾性中空体12が座屈変形し、また段差部21が再度突起部14を乗り越えるが、図6(d)等において説明したように、第2領域Ar2は薄肉部122となっているため、大きな荷重(反力)を生じさせることなく、操作子2は円滑に初期位置(すなわち、操作子2が突起部14に当接しない位置)まで復帰する。
このように構成した場合も、往路と復路とでストローク−荷重特性曲線(荷重曲線)が大きく異なるようにして、往路だけにクリック感を生じさせることができる。また、操作子2の形状を変えることで、任意の時点で複数のクリック感を生じさせることが可能となる。
弾性中空体12の形状及び材質のうち少なくともいずれか一つを、第1位置側の部分である第1領域Ar1と、第2位置側の部分である第2領域Ar2と、で異なるように形成してもよい。
例えば、弾性中空体12の各領域で形状を異なるように形成する場合には、各領域の肉厚、外観形状、内部形状等を変えるようにしてもよい。
また、例えば、弾性中空体12の各領域で材質を異なるように形成する場合には、各領域を構成する材料やその密度等を変えるようにしてもよい。
なお、弾性中空体12の各領域で形状や材質を変える場合に、弾性中空体12の全体を一体的に形成するのが難しい場合には、材料、密度、形状の異なる複数の部品を組み合わせて構成してもよい。この場合には、例えば、材料、密度、形状等の異なる複数の部品を接着等の手法により接合した構成とする。
図11(a)及び図11(b)は、反力発生装置10の弾性中空体15の内面に部分的にリブ状突起部151,152を設けた例を示す断面斜視図である。
図11(a)では、弾性中空体15の内面における左右方向(図11(a)における左右方向)全体に亘ってリブ状突起部151が設けられている例を示しており、図11(b)では、弾性中空体15の内面における左右方向の半分(図11(b)における左側半分)のみにリブ状突起部151が設けられている例を示している。
リブ状突起部151,152が座屈する際に生ずる荷重は、リブ状突起部151,152が設けられていない部分(薄肉部等)が座屈する際に生ずる荷重よりも大きくなる。
このため、リブ状突起部151,152を設ける位置や範囲と座屈させる方向とを適宜調整、設計することで、用途に応じた所望の荷重特性となるように調整することが可能となる。
また、図11(b)に示す例では、弾性中空体15の左側(図11(b)における左側)に弾性中空体15を押し潰し、座屈させる場合には荷重が大きくなり、これとは反対の弾性中空体15の右側(図11(b)における右側)に弾性中空体15を押し潰し、座屈させる場合には荷重が小さくなる。これにより、突起部14を傾ける作用方向を変えて弾性中空体15を座屈させる方向を調整することで、異なる荷重特性を得ることが可能となる。
図12(a)及び図12(b)では、弾性中空体15の内面における左右方向のほぼ半分(図12(a)及び図12(b)における左側半分)のみに板状突起部153が設けられている例を示している。
図12(a)及び図12(b)に示すように、弾性中空体15の設置面を構成する基台部11の上面に底付きするような板状突起部153を設けた場合には、この板状突起部153が存する側に弾性中空体15を押し潰し、座屈させようとすると、操作荷重が劇的に上昇する。
このため、板状突起部153を設ける位置や範囲と座屈させる方向とを適宜調整、設計することで、用途に応じた所望の荷重特性となるように調整することが可能となる。
例えば、図13(a)に示すように、反力発生装置1aの弾性中空体12aを高さの低い円盤状としてもよい。
本実施形態では、突起部14と弾性中空体12aとを結ぶ軸線Lに沿う第1方向とは異なる方向から突起部14を押圧して反力を発生させるため、図13(a)に示すように弾性中空体12aの高さが低い場合でも、軸線Lに沿う第1方向から押圧する場合と比較して十分なストローク量を確保することができ、反力発生装置1aとして十分に機能させることができる。
また、例えば、図13(c)に示すように、弾性中空体12cを円筒の外周に傾斜面17cを有する円錐状とした反力発生装置1cでもよい。
さらに、図13(d)に示すように、弾性中空体12dが角柱状である反力発生装置1dでもよいし、図13(e)に示すように、弾性中空体12dを角柱の外周に傾斜面17eを有する角錐状とした反力発生装置1eでもよい。なお、弾性中空体12は、四角柱状や四角錐状でなくてもよく、各種の多角柱状又は多角錐状でもよい。
また、例えば、図13(f)に示すように、弾性中空体12fを直方体状とした反力発生装置1fでもよく、この場合に、図13(g)に示すように、反力発生装置1gの突起部14が弾性中空体12gの上面の中心側ずれた位置に配置されていてもよい。
また、例えば、図13(h)に示すように、弾性中空体12hが複数の円筒を組み合わせた形状となっている反力発生装置1hであってもよいし、図13(i)に示すように、弾性中空体12iが外周に傾斜面17iを有する複数の円錐を組み合わせた形状となっている反力発生装置1iであってもよい。この場合の円筒や円錐は同じ大きさのものの組み合わせでもよいし、異なる大きさのものの組み合わせでもよい。また2つの組み合わせに限定されず、3つ以上を組み合わせたものであってもよい。
例えば、弾性中空体12の高さが低い方が、弾性中空体12が押圧されて変形したり座屈した際に発生する荷重を低く抑えることができる。また、突起部14から弾性中空体12の周縁部までの長さを長くした方が、弾性中空体12が押圧されて変形したり座屈した際に発生する荷重を低く抑えることができる。
さらに、弾性中空体12の形状である肉厚、外観形状、内部形状及び弾性中空体12の材質である材料、密度等といった各種の要素のうちの全部又は一部を組み合わせて、反力発生装置1の荷重特性の調整を行ってもよい。
操作子2側の条件をも変えることで、反力発生装置1の荷重特性の調整をよりバリエーション豊富なものとすることができる。
反力発生装置1を各種のスイッチ装置等に適用する場合に、弾性中空体12を3つ以上の領域に分割し、各領域で形状や材質が異なるように形成することにより、3方向以上の多方向においてストローク−荷重特性を変えることができ、バリエーション豊かなスイッチング操作を実現することも可能となる。
例えば、弾性中空体12を4方向に分割した第1領域から第4領域までの各領域で形状や材質が異なるように形成してもよい。この場合、反力発生装置1をゲームのコントローラなどの前後左右の4方向に操作するような装置に適用することで、各方向に対して異なる操作感を与えることが可能になる。
また、弾性中空体12を、形状や材質の異なる複数の領域に明確に分割しなくとも、弾性中空体12の異なる方向に対して徐々に形状や材質を変化させるように構成してもよい。
次に、図14及び図15を参照しつつ、上述の反力発生装置1を電子鍵盤楽器に適用した場合の構成例について説明する。
本実施形態の電子鍵盤楽器5は、例えば電子ピアノやキーボード等の電子鍵盤楽器である。
図14に示すように、電子鍵盤楽器5は、上述の反力発生装置1と、押鍵時及び離鍵時に揺動する複数の鍵55と、この鍵55の動きに伴って移動(変位)する操作子2と、を備えている。
電子鍵盤楽器5は、ケース51内に楽器本体53が収容されたものであり、楽器本体53は、鍵盤シャーシ54上に配列された多数の鍵55(白鍵55a及び黒鍵55b)を備えている。
各鍵55の後端部は鍵盤シャーシ54の後端部に設けられた鍵支持部541に回動軸542を介して回動可能に取り付けられている。また、鍵盤シャーシ54には、複数の鍵55それぞれに対応するハンマー部材7が軸部材74を介して回動自在に取り付けられている。
各ハンマー部材7の係止部73は、それぞれ対応する鍵55の前端側に係止されている。
鍵55を押し下げる押鍵操作が行われると、鍵55の前端側が回動軸542を回動中心として下方向に回動するとともに、当該鍵55の前端側に係止されているハンマー部材7の係止部73が押し下げられ、ハンマー本体71が軸部材74を回転中心として錘部72が上昇する方向に回動する。また、押鍵操作が止んで離鍵すると、ハンマー本体71は錘部72の自重によって下方向に回動し、楽器本体53内に設けられたハンマー載置部531上に錘部72が載置される初期位置に復帰するように構成されている。
ハンマー部材7のハンマー本体71上であって押鍵操作に応じて反力発生装置1の突起部14を第2方向X1に押圧し、離鍵操作に応じて突起部14を第3方向X2に押圧するような位置には、操作子2が配置されている。
本実施形態において操作子2は、突起部14と接する自由端側がほぼL字状のフック形状となっている。
なお、操作子2は、突起部2を確実に押圧することのできるものであればよく、その形状は図14等に図示した例に限定されない。
また、操作子2を設ける位置等も図示例には限定されない。
そして、突起部14の自由端から弾性中空体12に向かう方向に軸線Lを仮に設定した場合、押鍵操作に応じて鍵55が移動した際に、軸線Lに沿う第1方向とは異なる第2方向X1から操作子2が突起部14を押圧することで突起部14が第1位置側に傾くような位置に操作子2及び反力発生装置1を配置し、押鍵操作による操作子2の変位量が所定量となった時点で、弾性中空体12における第1位置側の部分である第1領域Ar1が、初期状態における凸状の湾曲とは逆方向に屈曲する(すなわち座屈変形する)ように形成されている。
なお、ここでは、図1(a)及び図1(b)等に示した反力発生装置1を電子鍵盤楽器5に適用した場合を例として説明するが、電子鍵盤楽器5に適用可能な反力発生装置1はこれに限定されず、上記変形例として説明したものやその他各種の形状・構成を有する反力発生装置1を適用することができる。
図15(a)から図15(d)は、反力発生装置1及びハンマー部材7に設けられた操作子2の動作を説明する模式的な説明図である。
図15(a)は、ハンマー部材7が錘部72の自重によって下方向に回動し、ハンマー載置部531上に錘部72が載置されている初期位置にある状態を示している。
この状態では、ハンマー本体71に設けられた操作子2は反力発生装置1の突起部14に接触せず、何ら反力は発生しない。
図15(b)に示すように、操作子2が突起部14に当接すると、突起部14が操作子2の移動方向(ここでは第2方向X1)の下流側である第1位置側に押されて傾いていく。
そして、操作子2の第2方向X1の移動(変位)に伴って、突起部14は徐々に第2方向X1の下流側である第1位置側に傾いていき、弾性中空体12の第1領域Ar1も徐々に押し潰されて変形していく。そして、操作子2の変位量(押し込みストローク量)が所定量となった時点で、弾性中空部12における第1領域Ar1が座屈変形する。
弾性中空体12の第1領域Ar1は、比較的肉厚に形成された厚肉部121となっているため、この第1領域Ar1で座屈変形が起こることにより、図4において「P5d」で示すように、ひときわ大きな荷重(反力)が発生し、その後荷重(反力)は大きく低下して安定する(図4参照)。このような急激な荷重(反力)の上昇とその後の急激な低下によってクリック感が生じ、電子鍵盤楽器5における擬似的なレットオフ(クリック感)を演奏者に感じさせることができる。
その後、操作子2は突起部14を乗り越えて突起部14から離間する。操作子2が突起部14に接触しない位置まで移動すると、図4において「P5f」で示すように、荷重が「0」となる。
離鍵操作時には、前述のように、錘部72の自重によってハンマー本体71が下方向に回動する。これに伴って操作子2も第3方向X2に変位(移動)し、図15(c)に示すように操作子2が第3方向X2から突起部14に当接する。
このような操作子2の第3方向X2の移動(変位)に伴って、徐々に突起部14が第3方向X2の下流側である第2位置側に傾いていき、弾性中空体12の第2領域Ar2も徐々に押し潰されて変形していく。そして、操作子2の変位量(押し込みストローク量)が所定量となった時点で、弾性中空部12における第2領域Ar2が座屈変形する。
弾性中空体12の第2領域Ar2は、比較的肉厚の薄い薄肉部122となっているため、この第2領域Ar2で座屈変形が起こってもそれほど大きな荷重(反力)は発生しない(例えば図4における「P6b」参照)。
これにより、離鍵時にはクリック感(レットオフ)を生じずに、操作子2は突起部14を乗り越えて突起部14から離間する。
そして、図15(d)に示すように、操作子2が突起部14に接触しない位置まで移動すると、図4において「P6f」で示すように、荷重が「0」となる。
他方、本実施形態では操作子2が第3方向X2に移動(変位)する復路でも、操作子2の変位量(押し込みストローク量)が所定量となった時点で、弾性中空部12における第2領域Ar2が座屈変形するが、薄肉部122で構成されている第2領域Ar2が座屈しても大きな荷重(反力)は生じず、ほとんどクリック感を発生させないとともに、操作子2は大きな抵抗を受けることなく円滑に突起部14を乗り越えて初期位置に復帰する。
このため、押鍵時及び離鍵時に演奏者はアコースティックピアノを演奏している場合と酷似した演奏感を体感することができる。
また、離鍵時には操作子2及びこれを備えるハンマー部材7が円滑に初期位置に復帰することができるため、例えば鍵55を連打するような奏法を行う場合でも、スムーズな演奏を行うことができる。
これにより、押鍵時及び離鍵時に操作子2が確実に反力発生装置1の突起部14に作用することができ、演奏者にアコースティックピアノを演奏している場合と同様の手ごたえを感じさせることができる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
弾性変形可能な材料で中空に形成された弾性中空体と、
前記弾性中空体の外表面に突出する突起部と、
を備え、
前記弾性中空体は、前記突起部の自由端から前記弾性中空体に向かう第1方向とは異なる第2方向から操作子が前記突起部に作用して前記突起部が第1位置側に傾いた場合と、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向から前記操作子が前記突起部に作用して前記突起部が第2位置側に傾いた場合とで異なる大きさの反力を生ずるように、前記弾性中空体における前記第1位置側の部分と前記第2位置側の部分とで、形状及び材質のうち少なくとも一方が異なるように形成されていることを特徴とする反力発生装置。
<請求項2>
前記弾性中空体は、前記第1位置側の部分と、前記第2位置側の部分とで、その前記形状である肉厚、外観形状、内部形状及び前記材質である材料、密度、のうち少なくともいずれか一つが異なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反力発生装置。
<請求項3>
前記弾性中空体は、前記突起部の傾きによる移動量と反力との関係が、前記突起部が前記第1位置側に傾いた場合と、前記突起部が前記第2位置側に傾いた場合とで異なるように、前記弾性中空体における前記第1位置側の部分と前記第2位置側の部分とで、形状及び材質のうち少なくとも一方が異なるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反力発生装置。
<請求項4>
前記弾性中空体は、前記第1方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合及び前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合のうち少なくともいずれか一方の場合に、前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加とならないように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の反力発生装置。
<請求項5>
前記弾性中空体は、初期状態において凸状に湾曲するドーム形状に形成されており、
前記弾性中空体は、前記第1方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合及び前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合のうち少なくともいずれか一方の場合に、前記操作子の変位量が所定量となった時点で、前記弾性中空体における前記第1位置側の部分及び前記第2位置側の部分のうち少なくともいずれか一方が、初期状態における凸状の湾曲とは逆方向に屈曲するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の反力発生装置。
<請求項6>
前記弾性中空体は、前記第1方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合には前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加とならず、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合には前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加となるように形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の反力発生装置。
<請求項7>
前記弾性中空体は、前記第1方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合には前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加とならず、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合には前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加となり、かつ、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合における前記弾性中空体の反力が前記第1方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合における前記弾性中空体の反力よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の反力発生装置。
<請求項8>
前記弾性中空体は、前記第1方向とは異なる方向であって、前記第2方向及び前記第3方向を含む3つ以上の複数の方向のそれぞれから前記操作子が前記突起部に作用した場合で、前記突起部の傾きによる移動量と反力との関係が異なるように、前記弾性中空体における前記3つ以上の複数の方向にそれぞれ対応する複数の部分で、形状及び材質のうち少なくとも一方が異なるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の反力発生装置。
<請求項9>
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の反力発生装置と、
押鍵時及び離鍵時に揺動する複数の鍵と、
前記鍵の動きに伴って移動する前記操作子と、
を有し、
前記操作子は、押鍵操作に応じて前記突起部を前記第1方向に押圧し、離鍵操作に応じて前記突起部を前記第2方向に押圧するような位置に配置されることを特徴とする電子鍵盤楽器。
<請求項10>
前記操作子は、前記押鍵操作に応じて前記突起部を前記第1方向に押圧する際、ある時点で前記突起部を乗り越えた状態となり、この状態からの離鍵操作に応じて前記突起部を前記第2方向に押圧し、ある時点で前記突起部を乗り越えた状態となるように位置及び移動量が設定されることを特徴とする請求項9に記載の電子鍵盤楽器。
<請求項11>
押鍵時及び離鍵時に揺動する複数の鍵と、
前記鍵の動きに伴って移動する前記操作子と、
弾性変形可能な材料により初期状態において凸状に湾曲する中空のドーム形状に形成された弾性中空体と、前記弾性中空体の外表面に突出する突起部と、を有する反力発生装置と、
を備え、
前記突起部の自由端から前記弾性中空体に向かう方向を第1方向とした場合、押鍵操作に応じて前記鍵が移動した際に、前記第1方向とは異なる第2方向から前記操作子が前記突起部を押圧することで前記突起部が第1位置側に傾くような位置に前記操作子及び前記反力発生装置を配置し、
前記押鍵操作による前記操作子の変位量が所定量となった時点で、前記弾性中空体における前記第1位置側の部分が、初期状態における凸状の湾曲とは逆方向に屈曲するように形成されていることを特徴とする電子鍵盤楽器。
2 操作子
5 電子鍵盤楽器
7 ハンマー部材
12 弾性中空体
14 突起部
121 厚肉部
122 薄肉部
Claims (11)
- 弾性変形可能な材料で中空に形成された弾性中空体と、
前記弾性中空体の外表面に突出する突起部と、
を備え、
前記弾性中空体は、前記突起部の自由端から前記弾性中空体に向かう第1方向とは異なる第2方向から操作子が前記突起部に作用して前記突起部が第1位置側に傾いた場合と、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向から前記操作子が前記突起部に作用して前記突起部が第2位置側に傾いた場合とで異なる大きさの反力を生ずるように、前記弾性中空体における前記第1位置側の部分と前記第2位置側の部分とで、形状及び材質のうち少なくとも一方が異なるように形成されていることを特徴とする反力発生装置。 - 前記弾性中空体は、前記第1位置側の部分と、前記第2位置側の部分とで、その前記形状である肉厚、外観形状、内部形状及び前記材質である材料、密度、のうち少なくともいずれか一つが異なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反力発生装置。
- 前記弾性中空体は、前記突起部の傾きによる移動量と反力との関係が、前記突起部が前記第1位置側に傾いた場合と、前記突起部が前記第2位置側に傾いた場合とで異なるように、前記弾性中空体における前記第1位置側の部分と前記第2位置側の部分とで、形状及び材質のうち少なくとも一方が異なるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反力発生装置。
- 前記弾性中空体は、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合及び前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合のうち少なくともいずれか一方の場合に、前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加とならないように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の反力発生装置。
- 前記弾性中空体は、初期状態において凸状に湾曲するドーム形状に形成されており、
前記弾性中空体は、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合及び前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合のうち少なくともいずれか一方の場合に、前記操作子の変位量が所定量となった時点で、前記弾性中空体における前記第1位置側の部分及び前記第2位置側の部分のうち少なくともいずれか一方が、初期状態における凸状の湾曲とは逆方向に屈曲するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の反力発生装置。 - 前記弾性中空体は、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合には前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加とならず、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合には前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加となるように形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の反力発生装置。
- 前記弾性中空体は、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合には前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加とならず、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合には前記操作子の変位量と前記弾性中空体の反力との関係が単純増加となり、かつ、前記第2方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合における前記弾性中空体の反力が前記第1方向から前記操作子が前記突起部に作用した場合における前記弾性中空体の反力よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の反力発生装置。
- 前記弾性中空体は、前記第1方向とは異なる方向であって、前記第2方向及び前記第3方向を含む3つ以上の複数の方向のそれぞれから前記操作子が前記突起部に作用した場合で、前記突起部の傾きによる移動量と反力との関係が異なるように、前記弾性中空体における前記3つ以上の複数の方向にそれぞれ対応する複数の部分で、形状及び材質のうち少なくとも一方が異なるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の反力発生装置。
- 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の反力発生装置と、
押鍵時及び離鍵時に揺動する複数の鍵と、
前記鍵の動きに伴って移動する前記操作子と、
を有し、
前記操作子は、押鍵操作に応じて前記突起部を前記第1方向に押圧し、離鍵操作に応じて前記突起部を前記第2方向に押圧するような位置に配置されることを特徴とする電子鍵盤楽器。 - 前記操作子は、前記押鍵操作に応じて前記突起部を前記第1方向に押圧する際、ある時点で前記突起部を乗り越えた状態となり、この状態からの離鍵操作に応じて前記突起部を前記第2方向に押圧し、ある時点で前記突起部を乗り越えた状態となるように位置及び移動量が設定されることを特徴とする請求項9に記載の電子鍵盤楽器。
- 押鍵時及び離鍵時に揺動する複数の鍵と、
前記鍵の動きに伴って移動する前記操作子と、
弾性変形可能な材料により初期状態において凸状に湾曲する中空のドーム形状に形成された弾性中空体と、前記弾性中空体の外表面に突出する突起部と、を有する反力発生装置と、
を備え、
前記突起部の自由端から前記弾性中空体に向かう方向を第1方向とした場合、押鍵操作に応じて前記鍵が移動した際に、前記第1方向とは異なる第2方向から前記操作子が前記突起部を押圧することで前記突起部が第1位置側に傾くような位置に前記操作子及び前記反力発生装置を配置し、
前記押鍵操作による前記操作子の変位量が所定量となった時点で、前記弾性中空体における前記第1位置側の部分が、初期状態における凸状の湾曲とは逆方向に屈曲するように形成されていることを特徴とする電子鍵盤楽器。
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