JP2015102656A - 反力発生装置 - Google Patents

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Ichiro Osuga
一郎 大須賀
播本 寛
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Abstract

【課題】 明確な反力を得るために、ドーム部の側部における弾性変形部分の押圧方向の長さを長くすることなく、かつかつドーム部の大きな変形ストローク量を得ることができるようにする。【解決手段】 反力発生部材21w,21bは、ドーム状に弾性体で構成されたドーム部21w1,21b1と、軸心方向の押圧力が付与されるトップ部21w2,21b2と、ドーム部21w1,21b1の下端部から径方向外側に延びたべース部21w3,21b3とを有し、べース部21w3,21b3にて支持部31d上に固定されている。ドーム部21w1,21b1の上部内面に対向した支持部31dの対向部分に、ドーム部21w1,21b1の弾性変形時にドーム部21w1,21b1又はトップ部21w2,21b2の一部が侵入する穴31d1を設ける。【選択図】 図3

Description

本発明は、操作子の操作に対して弾性変形による反力を発生するドーム部を有する反力発生部材を支持部材上に固定した反力発生装置に関する。
従来から、電子オルガン、電子ピアノ等の鍵盤楽器には、押鍵操作に対して反力を付与するための弾性体により構成されたドーム部(ラバードーム)を有する反力発生部材を設けることがある。例えば、下記特許文献1には、鍵を上方にて揺動可能に支持する鍵フレーム(棚板)上に、反力発生部材(レットオフ素子)を設けた鍵盤装置が示されている。この反力発生部材は、押鍵時に鍵によって押されることにより、ドーム部が徐々に弾性変形して弾性変形量の増加に従って反力を徐々に増加させ、反力がピークに達した後にドーム部が座屈変形して反力を急激に減少させ、その後にドーム部がさらに弾性変形して反力をふたたび増加させる。そして、この鍵盤装置においては、ドーム部の座屈変形によるクリック感により、ピアノのレットオフによる鍵タッチと似たタッチ感が得られるようにしている。
実公平7−49512号公報
しかしながら、前記従来の鍵盤装置においては、ある程度長い押鍵ストロークの間、押鍵操作に対するドーム部の弾性変形による反力を得るために、ドーム部のある程度大きな変形ストローク量を得ようとしても、ドーム部を大きく弾性変形させると、ドーム部の上部下面が反力発生部材の下部を支持する支持部材(前記特許文献1で座板)に当接してしまう。これにより、前記従来技術においては、ドーム部の大きな変形ストローク量を確保できず、ある程度長い押鍵ストローク(操作ストローク)に対するドーム部の弾性変形による反力を得ることができない。そこで、ドーム部の大きな変形ストローク量を確保するために、ドーム部の側部の高さを高くすること、すなわちドーム部の側部における弾性変形部分の押圧方向の長さを長くすることが考えられる。しかし、ドーム部の側部における弾性変形部分の押圧方向の長さを長くすると、ドーム部の剛性は低く設定されているので、明確な反力が得られなくなる。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、明確な反力を得るために、ドーム部の側部における弾性変形部分の押圧方向の長さを長くすることなく、かつドーム部の大きな変形ストローク量を得ることができるようにした反力発生装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明の特徴は、軸心(Yw,Yb)方向の一端部から軸心方向の他端部に向かって径方向長さを徐々に増加させ、かつ他端部を開口させてドーム状に弾性体で一体形成されていて、軸心方向の押圧により弾性変形して、弾性変形量に応じた反力を発生するドーム部(21w1,21b1,21w13,21b13,21w14,21b14)と、ドーム部の一端部にドーム部と一体形成され、軸心方向の押圧力が付与されるトップ部(21w2,21b2)と、ドーム部の他端部にドーム部と一体形成され、ドーム部の軸心方向に厚みを有するとともにドーム部の他端部から径方向外側に延びたべース部(21w3,21b3)とを有する反力発生部材(21w,21b)を備え、べース部を支持部材(31d)に固定して、操作子(11w,11b)の操作に対して反力を発生する反力発生装置において、トップ部に対向した支持部材の対向部分に、ドーム部の弾性変形時にドーム部又はトップ部の一部が侵入する収容部(31d1,31d2)を設けたことにある。
この場合、収容部は、例えば、支持部材の対向部分を貫通する穴又は支持部材の対向部分上に形成した凹部である。反力発生部材は、例えば、軸心方向の押圧開始からドーム部が徐々に弾性変形して弾性変形量の増加に従って反力を徐々に増加させ、反力がピークに達した後にドーム部が座屈変形して反力を急激に減少させ、その後に反力を増加させる。
上記のように構成した本発明においては、ドーム部の変形ストローク量が大きくなると、ドーム部又はトップ部の一部が支持部材に設けた収容部に侵入する。したがって、ドーム部の側部における弾性変形部分の押圧方向の長さを長くしなくても、ドーム部の大きな変形ストローク量を確保できる。その結果、本発明によれば、操作子の操作に対する明確な反力が得ることができるようにしたうえで、ドーム部の大きな変形ストローク量を得ることができて、操作子の操作に対し、明確な反力を発生させた後、充分長い操作ストロークを確保することができる。
また、本発明の他の特徴は、ドーム部の他端部の軸心方向端はドーム部の径方向に厚みを有しており、べース部はドーム部の他端部の軸心方向端(21w11,21b11)に接続され、収容部の内周面の径方向位置は、ドーム部の他端部の軸心方向端の外周面の径方向位置よりも内側であり、かつ収容部に侵入したドーム部又はトップ部の一部の外周面位置より外側にあることにある。これによれば、収容部に侵入したドーム部又はトップ部の一部は収容部の内周面に接触することなく、かつドーム部の変形時にベース部はほとんど変形しないので、操作子の操作に対してより明確な反力を得ることができる。
この場合、収容部の内周面の径方向位置は、ドーム部の他端部の軸心方向端の内周面の径方向位置と同じ又はその内側であることが好ましい。これによれば、ベース部の変形は極めて小さくて無視でき、ドーム部が変形時に受ける力を支持部材が全て受けるので、操作子の操作に対してさらに明確な反力を得ることができる。
また、本発明の他の特徴は、ドーム部の他端部は径方向外側に延設されて、ドーム部の他端部の径方向外側端(21w12,21b12)がドーム部の軸心方向に厚みを有しており、べース部はドーム部の他端部の径方向外側端に接続され、収容部の内周面の径方向位置は、ドーム部の他端部の径方向外側端の径方向位置と同じ又はその内側であり、かつ収容部に侵入したドーム部又はトップ部の一部の外周面位置より外側にあることにある。これによっても、収容部に侵入したドーム部又はトップ部の一部は収容部の内周面に接触することなく、かつベース部の変形は極めて小さくて無視でき、ドーム部が変形時に受ける力を支持部材が全て受けるので、操作子の操作に対してさらに明確な反力を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る鍵盤装置の概略側面図である。 図1の鍵盤装置の概略平面図である。 (A)は、第1実施形態に係り、反力発生部材が支持部材に固定された押鍵開始前における状態を示す拡大断面図である。(B)は、(A)に示した反力発生部材が変形し始めた状態を示す拡大断面図である。(C)は、(A)に示した反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。 (A)は、第1実施形態の第1変形例に係り、反力発生部材が支持部材に固定された押鍵開始前における状態を示す拡大断面図である。(B)は、(A)に示した反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。 (A)は、第1実施形態の第2変形例に係り、反力発生部材が支持部材に固定された押鍵開始前における状態を示す拡大断面図である。(B)は、(A)に示した反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。 (A)は、第1実施形態の第3変形例に係り、反力発生部材が支持部材に固定された押鍵開始前における状態を示す拡大断面図である。(B)は、(A)に示した反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。 (A)は、ドーム部の復帰不良を説明するための反力発生部材の断面図である。(B)は、前記ドーム部の復帰不良を説明するためのストローク量に対する反力特性を示す特性図である。(C)は、ドーム部の復帰不良を解消した反力発生部材の一例を示す断面図である。(D)は、ドーム部の復帰不良を解消した反力発生部材の他の例を示す断面図である。 (A)は、第2実施形態に係り、反力発生部材が支持部材に固定された押鍵開始前における状態を示す拡大断面図である。(B)は、(A)に示した反力発生部材が変形し始めた状態を示す拡大断面図である。(C)は、(A)に示した反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。 (A)は、第3実施形態に係り、反力発生部材が支持部材に固定された押鍵開始前における状態を示す拡大断面図である。(B)は、(A)に示した反力発生部材が変形し始めた状態を示す拡大断面図である。(C)は、(A)に示した反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。 (A)は、第3実施形態の第1変形例に係り、反力発生部材が支持部材に固定された押鍵開始前における状態を示す拡大断面図である。(B)は、(A)に示した反力発生部材が変形し始めた状態を示す拡大断面図である。(C)は、(A)に示した反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。 (A)は、第3実施形態の押圧部を説明するための反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。(B)は、第3実施形態の第2変形例を説明するための反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。 (A)は、第4実施形態に係り、反力発生部材が支持部材に固定された押鍵開始前における状態を示す拡大断面図である。(B)は、(A)に示した反力発生部材が変形して接点が閉じ始めた状態を示す拡大断面図である。(C)は、(A)に示した反力発生部材が(B)よりもさらに変形した状態を示す拡大断面図である。(D)は、(A)に示した反力発生部材の最終的な変形状態を示す拡大断面図である。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る鍵盤装置を右から見た概略側面図であり、図2は前記鍵盤装置の概略平面図である。なお、図1においては、鍵盤装置の前後方向を左右方向とし、鍵盤装置の上下方向を上下方向とする。
この鍵盤装置は、演奏者によって押離鍵操作される複数の白鍵11w及び複数の黒鍵11bと、演奏者の押鍵操作に対して反力を付与する複数の反力発生部材21w,21bとを備えている。白鍵11wは、前後方向に長尺状に形成されるとともに下方を開放させた断面コ字状に形成されて、鍵フレーム31の平板状の上板部31a上に配置されている。鍵フレーム31は、上板部31aの前端及び後端から下方に延設された平板状の脚部31b,31cを有し、脚部31b,31cの下端部分にて楽器内に設けたフレームFR上に固定されている。鍵フレーム31の上板部31aの後端部の上面上には、白鍵11wの内側にて対向する一対の板状の鍵支持部32が立設固定されている。鍵支持部32の上部には、互いに対向する位置にてそれぞれ外側に突出した突出部が設けられ、突出部を白鍵11wの両側面後端部に設けた貫通孔に内側から回転可能に侵入させている。これにより、白鍵11wは、鍵支持部32により揺動可能に支持され、前端部を上下方向に変位させる。以下の説明では、この白鍵11wの揺動中心を揺動軸Cwとする。黒鍵11bは、前部上面が高くなっている形状こそ異なるが、他の構成は白鍵11wと同様である。そして、黒鍵11bも、鍵支持部32により揺動軸Cb回りに揺動可能に支持されて、揺動により前端部を上下方向に変位させる。
鍵フレーム31の上板部31aの上面には、白鍵11wの前端部の下方位置にて鍵ガイド33wが立設しており、黒鍵11bの前端部の下方位置にて鍵ガイド33bが立設している。鍵ガイド33w,33bは白鍵11w及び黒鍵11b内にそれぞれ摺動可能に侵入しており、白鍵11w及び黒鍵11bは、それらの上下方向の揺動時に左右方向に変位しないようになっている。
反力発生部材21wは各白鍵11wに対してそれぞれ設けられるとともに、反力発生部材21bは各黒鍵11bに対してそれぞれ設けられている。反力発生部材21w,21bは、白鍵11w及び黒鍵11bの前後方向の中央部の下方にて、鍵フレーム31の上板部31aの上面に固定されている。複数の反力発生部材21w,21bは、一体成形により形成されて、鍵盤の横方向に1列に配置されている。
ここで、反力発生部材21w,21bについて説明しておく。反力発生部材21w,21bは、弾性を有するゴムにより一体形成されており、図3(A)〜(C)に示すように、ドーム部21w1、21b1、トップ部21w2,21b2及びベース部21w3,21b3を備えている。なお、(A)は反力発生部材21w,21bが支持部31に固定された押鍵開始前における状態を示し、(B)は反力発生部材21w,21bの変形開始時の変形状態を示し、(C)は反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態を示している。この場合、反力発生部材21w,21bの形状は若干異なる場合もあるが、形状の相違は僅かであるとともに、本発明の特徴点に関しては同一であるので、以下の説明では、両反力発生部材21w,21bを同一形状であるものとして説明する。
ドーム部21w1,21b1は、上部から下方に向かって軸心Yw,Yb回りの径(径方向長さ)を全周に渡って徐々に増加させて、軸心方向Yw,Ybと直交する断面形状が円形になるようにドーム状(お椀状)に形成されており、下端部を円形に開口させている。そして、ドーム部21w1,21b1は、上方からの押圧により変形し易いように薄肉に形成されている。特に、このドーム部21w1,21b1においては、上部を外側に円形状に膨らませて、下部にてほぼ垂直に下方に延設されている。そして、ドーム部21w1,21b1は、上方からの押圧により圧縮された際には、図3(B)に示すように最初に上部を変形させ、その変形量を増加させた後に座屈変形する。これにより、反力発生部材21w,21bは、上方からの押圧力の増加により弾性変形して反力を徐々に増加させるとともに、反力がピークに達した後に座屈変形によって反力を急激に減少させる。そして、その後の押圧力の増加により、ドーム部21w1,21b1はさらに変形し、最終的には、図3(C)に示すように、詳しくは後述する穴31d1内に侵入する。
トップ部21w2,21b2は、上面が開放された円筒状に形成されていて、下面にてドーム部21w1,21b1の上面に接続されている。また、トップ部21w2,21b2は全周にわたって均一の高さかつ厚みに設定され、その上面は平面である。ベース部21w3,21b3は、ドーム部21w1,21b1の下端部に接続されるように形成されるとともに、ドーム部21w1,21b1の下端よりも径方向外側に延設されている。この場合、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11は径方向に厚みを有しており、べース部21w3,21b3はドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11に接続されている。ベース部21w3,21b3の幅方向中央部には、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11における内径に等しい径の穴21w31,21b31が設けられている。ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内側面は、ベース部21w3,21b3に設けた穴21w31,21b31に連続している。すなわち、ドーム部21w1,21b1は、ベース部21w3,21b3の上面上に、ドーム部21w1,21b1の内側面をベース部21w3,21b3の穴21w31,21b31の内側面にほぼ垂直に連続させて一体形成されている。これにより、反力発生部材21w,21bは、下型及び上型を用いて簡単に一体成形される。
また、ベース部21w3,21b3の上面及び下面も平面であり、ベース部21w3,21b3の高さ(厚み)はドーム部21w1,21b1の全周に渡って同一である。なお、これらのトップ部21w2,21b2及びベース部21w3,21b3は、上方から押圧されてもほとんど変形しない。このように構成した反力発生部材21w,21bの少なくともドーム部21w1,21b1及びトップ部21w2,21b2は、軸心Yw、Ybに対して全周に渡って点対称形状である。また、トップ部21w2,21b2及びベース部21w3,21b3の上面の法線は、軸心Yw,Ybの方向とそれぞれ平行である。なお、ドーム部21w1,21b1の上端部が本発明のドーム部の軸心方向の一端部に相当し、ドーム部21w1,21b1の下端部が本発明のドームの軸心方向の他端部に相当する。
また、ベース部21w3,21b3の下面には、一対の脚部21w4,21b4が一体的に形成されている。一対の脚部21w4,21b4は、ベース部21w3,21b3の下面から下方に円柱状に突出している。そして、一対の脚部21w4,21b4を鍵フレーム31の上板部31aの支持部31dに設けた一対の貫通孔にそれぞれ圧入することにより、反力発生部材21w,21bが支持部31dに固定されている。この場合、支持部31dは水平である。なお、脚部21w4,21b4をなくして、ベース部21w3,21b3の下面を、鍵フレーム31の上板部31a(支持部31d)上に接着剤などにより固定するようにしてもよい。
支持部31dには、ドーム部21w1,21b1の下方にて、支持部31dを貫通する円形の穴31d1が設けられている。穴31d1の中心は、反力発生部材21w,21b(ドーム部21w1,21b1及びトップ部21w2,21b2)の軸心Yw,Ybと同じである。穴31d1の内径は、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11(ドーム部21w1,21b1とベース部21w3,21b3の接続部)の外径よりも大きい。すなわち、穴31d1の内周面の径方向位置は、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の外周面の径方向位置よりも外側にある。したがって、ドーム部21w1,21b1が最大限に変形した状態では、変形前におけるドーム部21w1,21b1の上部下面は、ドーム部21w1,21b1の側壁の上部及び下部の略U字状の変形により、前記ベース部21w3,21b3の穴21w31,21b31を通過して、支持部31dに設けた穴31d1内に侵入する。なお、この穴31d1が本発明の収容部に相当する。
ふたたび、図1の説明に戻ると、白鍵11w及び黒鍵11bの下面であって、反力発生部材21w,21bのトップ部21w2,21b2の上面に対向する位置には、反力発生部材21w,21bを上方から押圧する押圧部11w1,11b1がそれぞれ設けられている。押圧部11w1,11b1は平板状に構成され、その下面は、平面であって、白鍵11w及び黒鍵11bの下面に対して、前側にて高く後側にて低くなるように傾斜している。そして、この押圧部11w1,11b1の傾斜は、反力発生部材21w,21bの反力のピーク時において、押圧部11w1,11b1の下面の法線(下面に垂直な直線)が、反力発生部材21w、21bの軸心Yw,Ybにそれぞれ平行になるように設定されている。なお、この押圧部11w1,11b1の下面は平面でなくても、球面などであってもよい。また、押圧部11w1,11b1を、白鍵11w及び黒鍵11bの内部上面から下方に突出させた十字型、H字型等のリブなどで構成してもよい。
また、この鍵盤装置は、押圧部11w1,11b1と鍵支持部32の中間位置にて、白鍵11w及び黒鍵11bと、鍵フレーム31の上板部31aとの間にそれぞれ組み込まれた白鍵11w用のスプリング34w及び黒鍵11b用のスプリング34bを備えている。スプリング34w,34bは、白鍵11w及び黒鍵11bを上板部31aに対して上方に付勢している。なお、これらのスプリング34w、34bは、コイル状でなくても、白鍵11w及び黒鍵11bを上方に付勢することができれば、板ばねのようなスプリングでもよい。
白鍵11wは、その前端部から下方に延設させた延設部11w2を備え、延設部11w2の下端には前方に突出させた係合部11w3が設けられ、係合部11w3は鍵フレーム31の上板部31aに設けた貫通孔を介して、上板部31aの下方に上方から侵入している。また、鍵フレーム31の上板部31aの前端部下面には、上限ストッパ部材35wが設けられている。上限ストッパ部材35wは、フェルトのような緩衝部材により構成されており、白鍵11wの係合部11w3との当接により、白鍵11wの前端部の上方への変位を規制する。また、鍵フレーム31の上板部31aの前端部上面には、下限ストッパ部材36wが設けられている。下限ストッパ部材36wも、フェルトのような緩衝部材により構成されており、白鍵11wの前端部下面との当接により、白鍵11wの前端部の下方への変位を規制する。
黒鍵11bは、その前端部から下方に延設させた延設部11b2を備え、延設部11b2の下端には後方に突出させた係合部11b3が設けられ、係合部11b3は鍵フレーム31の上板部31aに設けた貫通孔を介して、上板部31aの下方に上方から侵入している。また、鍵フレーム31の上板部31aの中間部下面には、上限ストッパ部材35bが設けられている。上限ストッパ部材35wも、フェルトのような緩衝部材により構成されており、黒鍵11bの係合部11b3との当接により、黒鍵11bの前端部の上方への変位を規制する。また、鍵フレーム31の上板部31aの中間部上面には、下限ストッパ部材36bが設けられている。下限ストッパ部材36bも、フェルトのような緩衝部材により構成されており、黒鍵11bの前端部下面との当接により、黒鍵11bの前端部の下方への変位を規制する。
また、鍵フレーム31の上板部31aの下面であって反力発生部材21w,21bの若干後方位置には、電気回路基板37が上板部31aと平行になるように固定されている。電気回路基板37の上面には、白鍵11w及び黒鍵11bのためのドーム状の鍵スイッチ38w,38bがそれぞれ固定されている。鍵スイッチ38w,38bは、白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵時に、白鍵11w及び黒鍵11bの下面から突出させた突出部で押圧されてオフ状態からオン状態に変化して、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作を検出する。なお、この鍵スイッチ38w,38bによる押離鍵操作の検出は、楽音信号の発生制御に利用される。
次に、前記のように構成した第1実施形態に係る鍵盤装置の動作について説明する。演奏者が白鍵11w及び黒鍵11bを押し始めると、白鍵11w及び黒鍵11bはスプリング34w,34bの反力に抗して、揺動軸Cw,Cb回りにそれぞれ揺動を開始し、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が下方に変位して係合部11w3,11b3が上限ストッパ部材35w,35bから離れ、その後、押圧部11w1,11b1が反力発生部材21w,21bのトップ部21w2,21b2の上面の後側端部に当接する。そして、白鍵11w及び黒鍵11bがさらに押されると、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部がさらに下方に変位して、押圧部11w1,11b1の押圧により反力発生部材21w,21bのドーム部21w1,21b1が全周に渡ってほぼ均等に変形し始める。これにより、演奏者は、スプリング34w,34bによる反力に加えて、反力発生部材21w,21bの徐々に増加する反力を感じ始める。この場合のドーム部21w1,21b1の変形は、軸心Yw,Ybに対してほぼ対称である(図3(B)参照)。
ただし、実際には、反力発生部材21w,21bは揺動軸Cw,Cb回りに回動動作する白鍵21w,21bによってそれぞれ押圧され、反力発生部材21w,21bに対する白鍵11w及び黒鍵11bの押圧方向は白鍵11w及び黒鍵11bの回動動作に応じて変化するので、前記ドーム部21w1,21b1の変形は厳密には軸心Yw,Ybに対して対称ではない。しかし、前記押圧方向の変化は僅かであり、かつ反力のピーク時には、押圧部11w1,11b1の下面の法線が軸心Yw,Ybに対して平行である状態で、反力発生部材21w,21bが白鍵11w及び黒鍵11bによってそれぞれ押圧されるので、前記ドーム部21w1,21b1の変形は実質的に軸心Yw,Ybに対して対称であるとみなしてよい。
白鍵11w及び黒鍵11bがさらに押されると、反力発生部材21w,21bの反力がピークに達して、その後に、ドーム部21w1,21b1が座屈変形し始める。この場合のドーム部21w1,21b1の座屈は、全周にわたってほぼ同時に起こる。これにより、演奏者の押鍵に対する反力発生部材21w,21bの反力は急激に減少し、演奏者は明確なクリック感を感じる。なお、鍵スイッチ38w,38bは、この座屈よりも若干遅れて、白鍵11w及び黒鍵11bの下面から突出させた突出部の押圧によりオフ状態からオン状態に変化する。この鍵スイッチ38w,38bのオン状態への変化に応答して、図示しない楽音信号発生回路は楽音信号を発生し始める。
さらに、白鍵11w及び黒鍵11bが押されると、ドーム部21w1,21b1はさらに変形して、ドーム部21w1,21b1の側壁の上部及び下部の略U字状の変形により、変形前におけるドーム部21w1,21b1の上部下面は、前記ベース部21w3,21b3の穴21w31,21b31を通過して支持部31dに設けた穴31d1内に侵入する(図3(C)参照)。白鍵11w及び黒鍵11bがさらに押されると、白鍵11w及び黒鍵11bの前端下面が下限ストッパ部材36w,36bに当接して、白鍵11w及び黒鍵11bの揺動は終了する。この状態では、反力発生部材21w,21bの弾性変形も終了する。
そして、白鍵11w及び黒鍵11bが離鍵されると、反力発生部材21w,21b及びスプリング34w,34bの反力により、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部は上方に変位する。この白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が上方へ変位して戻る過程においては、鍵スイッチ38w,38bはオン状態からオフ状態に変化して、図示しない楽音信号発生回路は楽音信号の発生停止を制御する。また、この白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が上方へ戻る過程において、反力発生部材21w,21bは原形に復帰する。さらに、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が上方へ変位すると、係合部11w3,11b3は上限ストッパ部材35w,35bに当接して、白鍵11w及び黒鍵11bは離鍵状態に戻る。そして、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵動作が終了する。
このように動作する第1実施形態においては、上記説明のように、ドーム部21w1,21b1の変形ストローク量が大きくなると、ドーム部21w1,21b1の上部内面は、支持部31dに設けた穴31d1内に侵入する。したがって、ドーム部21w1,21b1の側部における弾性変形部分の押圧方向の長さを長くしなくても、ドーム部21w1,21b1の大きなストローク量を確保できる。その結果、上記第1実施形態によれば、白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵操作に対する明確な反力が得ることができるようにしたうえで、ドーム部21w1,21b1の大きな変形ストローク量を得ることができて、押鍵操作に対し、明確な反力を発生させた後、充分長い押鍵ストロークを確保することができる。また、支持部31dに設けた穴31d1は、外部に連通しているので、ドーム部21w1,21b1の変形に伴う空気の流入及び流出がスムーズに行われる。
a1.第1変形例
上記第1実施形態においては、支持部31dに設けた穴31d1の直径をドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の外径よりも大きくした。これにより、上記第1実施形態によれば、ドーム部21w1,21b1の下端の下方に位置するベース部21w3,21b3の一部(ベース部21w3,21b3における穴21w31,21b31近傍の部分)は、変形量は少ないものの、押圧力が大きいと多少変形する場合がある。この問題を解消するために、上記第1実施形態の一部を変形した第1変形例について、図4を用いて説明する。図4(A)は、この第1変形例に係り、反力発生部材21w,21bが支持部31dに固定された押鍵開始前における状態を示している。図4(B)は、図4(A)に示した反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態を示している。なお、反力発生部材21w,21bの変形開始時の形状は上記第1実施形態の場合と同じであるので、図4においては上記図3(B)に相当する図面を省略している。
この第1変形例においては、支持部31dを貫通する穴31d1の内径が、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内径及びベース部21w3,21b3に設けた穴21w31,21b31の内径に等しい。なお、穴31d1の内径は、ドーム部21w1,21b1が穴31d1に侵入した状態では、穴31d1に侵入したドーム部21w1,21b1の部分の外径より大きい。すなわち、穴31d1の内周面の径方向位置は、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内周面の径方向位置と同じであり、かつ穴31d1に侵入したドーム部21w1,21b1の一部の外周面位置より外側にある。他の部分に関しては、上記第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
これによれば、穴31d1に侵入したドーム部21w1,21b1の部分は穴31d1に接触することがない。また、反力発生部材21w,21bが白鍵11w及び黒鍵11bにより押されて、ドーム部21w1,21b1が変形したときでも、ドーム部21w1,21b1が変形時に受ける力を支持部31dが全て受けるので、ベース部21w3,21b3の変形は極めて小さくて無視することができる。その結果、この第1変形例においては、ドーム部21w1,21b1のみの変形による反力を得ることができ、押鍵操作に対してより明確な反力を得ることができる。
なお、前記第1変形例においては、穴31d1の内径がドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内径及びベース部21w3,21b3に設けた穴21w31,21b31の内径に等しくした。しかし、穴31d1の内径が前記第1変形例の場合よりも若干大きくても、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の外径よりも小さければよい。すなわち、穴31d1の内周面の径方向位置は、前記第1変形例の場合よりも若干外側でも、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の外周面の径方向位置よりも内側であればよい。この場合、ドーム部21w1,21b1が変形したときでも、ベース部21w3,21b3の変形は小さくて、ドーム部21w1,21b1が変形時に受ける力を支持部31dがほとんど受ける。したがって、この場合でも、押鍵操作に対して明確な反力を得ることができる。
また、前記場合と逆に、穴31d1の内径を前記第1変形例の場合よりも小さくしてもよい。すなわち、穴31d1の内径を、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内径及びべース部21w3,21b3に設けた穴21w31,21b31の内径よりも小さくしてもよい。しかし、この場合には、穴31d1の内径があまりにも小さいと、ドーム部21w1,21b1が変形して穴31d1内に侵入した際に、ドーム部21w1,21b1の一部が穴31d1の内周面に接触する可能性がある。したがって、この場合には、穴31d1の内径を、穴31d1内に侵入したドーム部21w1,21b1の部分の外径より大きくする。すなわち、穴31d1の内周面の径方向位置は、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内周面の径方向位置よりも内側であり、かつ穴31d1内に侵入したドーム部21w1,21b1の一部の外周面位置より外側にあればよい。これによっても、穴31d1に侵入したドーム部21w1,21b1の部分は穴31d1の内周面に接触することなく、かつドーム部21w1,21b1が変形時に受ける力を支持部31dが全て受ける。したがって、この場合も、押鍵操作に対してより明確な反力を得ることができる。
a2.第2変形例
次に、上記第1実施形態の第2変形例について、図5を用いて説明する。図5(A)は、第2変形例に係り、反力発生部材21w,21bが支持部31dに固定された押鍵開始前における状態を示している。図5(B)は、図5(A)に示した反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態を示している。なお、この場合も、反力発生部材21w,21bの変形開始時の形状は上記第1実施形態の場合と同じであるので、図5においては上記図3(B)に相当する図面を省略している。
この第2変形例においては、上記第1実施形態の支持部31dを貫通する穴31d1に代えて、支持部31dの上面に円形の凹部31d2が設けられている。凹部31d2の水平面上の位置は上記第1実施形態の穴31d1の水平面上の位置に等しく、凹部31d2の内径は上記第1実施形態の穴31d1の内径に等しい。すなわち、凹部31d2の内周面の径方向位置は、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の外周面の径方向位置よりも外側にある。凹部31d2の深さは、反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態においてドーム部21w1,21b1が凹部31d2内に侵入する最大深さよりも深い。なお、この場合、凹部31d2が本発明の収容部に相当する。また、凹部31d2には、反力発生部材21w,21bの内面と凹部31d2により囲まれた空間内の空気の流入及び流出のために、凹部31d2を外部連通させる貫通孔31d3が設けられている。なお、ベース部21w3,21b3に通気用の溝を設けるなどして、前記空間内の空気が外部から自由に流入されるとともに、外部に自由に流出される構造であれば、貫通孔31d3は不要である。他の部分に関しては、上記第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
このように構成された第2変形例においても、反力発生部材21w,21bは、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作に対して、上記第1実施形態の場合と全く同様に動作する。したがって、この第2変形例においても、上記第1実施形態と同様な効果が期待される。
a3.第3変形例
上記第2変形例の一部を変更した上記第1実施形態の第3変形例について、図6を用いて説明する。図6(A)は、第3変形例に係り、反力発生部材21w,21bが支持部31dに固定された押鍵開始前における状態を示している。図6(B)は、図6(A)に示した反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態を示している。なお、この場合も、反力発生部材21w,21bの変形開始時の形状は上記第1実施形態の場合と同じであるので、図6においては上記図3(B)に相当する図面を省略している。
この第3変形例においても、上記第1変形例の支持部31dを貫通する穴31d1に代えて、支持部31dの上面に円形の凹部31d2が設けられている。凹部31d2の水平面上の位置は上記第1変形例の穴31d1の水平面上の位置に等しく、凹部31d2の内径は上記第1変形例の穴31d1の内径に等しい。すなわち、凹部31d2の内周面の径方向位置は、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内周面の径方向位置と同じである。凹部31d2の深さは、反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態においてドーム部21w1,21b1が凹部31d2内に侵入する最大深さよりも深い。また、この場合も、凹部31d2には、反力発生部材21w,21bの内面と凹部31d2により囲まれた空間内の空気の流入及び流出のために、凹部31d2を外部連通させる貫通孔31d3が設けられている。また、ベース部21w3,21b3に通気用の溝を設けるなどして、前記空間内の空気が外部から自由に流入されるとともに、外部に自由に流出される構造であれば、貫通孔31d3は不要である。他の部分に関しては、上記第1変形例と同じであるので、その説明を省略する。
このように構成された第3変形例においても、反力発生部材21w,21bは、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作に対して、上記第1変形例の場合と全く同様に動作する。したがって、この第3変形例においても、上記第1変形例と同様な効果が期待される。
なお、この第3変形例においても、上記第1変形例の場合と同様な変形が可能である。すなわち、凹部31d2の内径を前記第3変形例の場合よりも若干大きくしても、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の外径よりも小さくすればよい。言い換えれば、凹部31d2の内周面の径方向位置は、前記第3変形例の場合よりも若干外側でも、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の外周面の径方向位置よりも内側であればよい。これによっても、上記第1変形例の変形の場合と同様に、ドーム部21w1,21b1が変形時に受ける力を支持部31dがほとんど受けるので、押鍵操作に対して明確な反力を得ることができる。
また、この第3変形例においても、上記第1変形例の場合と同様に、凹部31d2の内径をドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内径及びべース部31w3,31b3に設けた穴の内径よりも小さくしてもよい。ただし、この場合も、凹部31d2の内径を、凹部31d2内に侵入したドーム部21w1,21b1の部分の外径より大きくしておく。すなわち、凹部31d2の内周面の径方向位置は、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内周面の径方向位置よりも内側であり、かつ穴31d1内に侵入したドーム部21w1,21b1の一部の外周面位置より外側にあればよい。これによっても、上記第1変形例を変形した場合と同様に、凹部31d2に侵入したドーム部21w1,21b1の部分は凹部31d2の内周面に接触することなく、かつドーム部21w1,21b1が変形時に受ける力を支持部31dが全て受けるので、押鍵操作に対してより明確な反力を得ることができる。
a4.ドーム部の復帰不良に対する対策
上記第1実施形態及びその第1乃至第3変形例においては、ある程度長い押鍵ストロークに対して適度な反力を発生させるために、ドーム部21w1,21b1の押圧方向の変形量を大きくするようにした。このように変形量を大きくすると、ドーム部21w1,21b1の変形後の復帰時において、次のような復帰不良の問題が発生する場合がある。
この復帰不良現象は、一般的に、ストロークに対する反力特性において、大きなピーク反力の発生をストロークの前半に設け、その直後に一気に反力を減少させる場合に生じ易い。この場合、図7(A)に示すようなドーム部21w1,21b1、トップ部21w2,21b2及びベース部21w3,21b3を有する反力発生部材21w,21bを用いて、上記第1実施形態及び第1乃至第3変形例のように、押離鍵操作に対して反力を付与することを想定する。往路(押鍵時)では、適正な反力(復帰方向の反力)が発生するように設定しているので、復帰力は必ず存在すると考えがちであるが、弾性材料であるゴムは粘弾性体であって、変形の際には内部損失が伴う。このために、往路と復路(離鍵時)とでは、一般的に図7(B)に示すように、ストロークに対する反力の特性には、ヒステリシスが存在する。そして、図示のように、復路では反力が0以下になる部分が生じてしまう場合がある。特に、反力発生部材21w,21bが劣化して耐久性が悪化し、反力が全体的に落ち込み、復路では反力が0以下になる部分が生じてしまう場合がある。このような場合には、反力発生部材21w,21bの原形への復帰が適正に行われない。
このような復帰不良現象を解消するための最も簡単な対策は、ピーク反力からの反力の減少の度合い(ピーク反力からの落差)をあまり大きくしないことである。この対策を実現するための方法は種々存在するが、簡単な2つの例を挙げておく。第1の例は、図7(C)に示すように、ドーム部21w1,21b1の肉厚を、上部から下端21w11,21b11に向けて、すなわちトップ部21w2,21b2からベース部21w3,21b3に向けて徐々に厚くする方法である。また、第2の例は、図7(D)に示すように、ドーム部21w1,21b1の内径及び外径をトップ部21w2,21b2からベース部21w3,21b3に向けて徐々に大きくする方法である。なお、図7(D)の反力発生部材21w,21bにおいては、ドーム部21w1,21b1の下端部の内径が下方に向けて徐々に大きくなっているとともに、べース部21w3,21b3の穴21w31,21b31も下方に向けて徐々に大きくなっている。これらの方法によれば、反力発生部材21w,21bの復帰不良が改善される。
b.第2実施形態
次に、上記第1実施形態の反力発生部材21w,21bを変更した第2実施形態について図8を用いて説明する。図8(A)はこの第2実施形態に係る反力発生部材21w,21bが支持部31dに固定された押鍵開始前における状態を示し、図8(B)は前記反力発生部材21w,21bの変形開始時の変形状態を示し、図8(C)は前記反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態を示している。この場合も、反力発生部材21w,21bの形状は若干異なる場合もあるが、形状の相違は僅かであるとともに、本発明の特徴点に関しては同一であるので、以下の説明では、両反力発生部材21w,21bを同一形状であるものとして説明する。
この第2実施形態に係る反力発生部材21w,21bにおいては、円筒状のトップ部21w2,21b2がドーム部21w1,21b1を貫通して、トップ部21w2,21b2の下面がドーム部21w1,21b1の上部下面よりも下方に位置する。言い換えれば、ドーム部21w1,21b1の上部内周面がトップ部21w2,21b2の外周面に接続されている。他の構成に関しては、上記第1実施形態の場合と同じであるので、その説明を省略する。
このように構成した第2実施形態に係る鍵盤装置においても、上記第1実施形態と同様に動作する。ただし、この第2実施形態においては、押鍵による反力発生部材21w,21bの変形時、特に反力発生部材21w,21bの変形終了時には、支持部31dに設けた穴31d1内には、ドーム部21w1,21b1の一部も浸入するが、トップ部21w2,21b2の下部が主に侵入する。なお、ドーム部21w1,21b1の最終的な変形量が少なければ、トップ部21w2,21b2の一部のみが支持部31dに設けた穴31d1内に侵入する場合もある。これによっても、上記第1実施形態の場合と同様な効果が期待される。
なお、この第2実施形態においても、上記第1実施形態の第1変形例及びその変形で説明したように、支持部31dに設けた穴31d1の内径の大きさ(穴31d1の内周面の径方向位置)を種々に設定してもよい。また、上記第1実施形態の第2及び第3変形例のように、前記穴31d1に代えて、支持部31dに円形の凹部31d2を設け、さらに凹部31d2の内径の大きさ(凹部31d2の内周面の径方向位置)を、第1実施形態の第2変形例、第3変形例及びその変形で説明したように、種々に設定するようにしてもよい。
c.第3実施形態
次に、上記第1実施形態の反力発生部材21w,21bを変更した第3実施形態について図9を用いて説明する。図9(A)はこの第3実施形態に係る反力発生部材21w,21bが支持部31dに固定された押鍵開始前の状態を示し、図9(B)は前記反力発生部材21w,21bの変形開始時の変形状態を示し、図9(C)は前記反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態を示している。この場合も、反力発生部材21w,21bの形状は若干異なる場合もあるが、形状の相違は僅かであるとともに、本発明の特徴点に関しては同一であるので、以下の説明では、両反力発生部材21w,21bを同一形状であるものとして説明する。
この第3実施形態に係る反力発生部材21w,21bにおいては、ドーム部21w1,21b1の上部側面は上方から下方に向かって径を徐々に増加させながら略直線状に傾斜しており、ドーム部21w1,21b1の下部は径方向外側に水平方向に延設されている。この場合、ドーム部21w1,21b1の下端部の径方向外側端21w12,21b12は軸心Yw,Ybの方向に厚みを有しており、径方向外側端21w12,21b12がべース部21w3,21b3の穴31d1の上端部の内周面に接続されている。すなわち、ドーム部21w1,21b1は、ベース部21w3,21b3の穴21w31,21b31の内周面上に、ドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の上面をベース部21w3,21b3の上面に水平に連続させて一体形成されている。
また、この第3実施形態においては、支持部31dに設けた穴31d1の内径は、上記第1実施形態の場合と同様に、べース部21w3,21b3に設けた穴21w31,21b31の内径よりも大きい。したがって、支持部31dに設けた穴31d1の内径は、べース部21w3,21b3の穴21w31,21b31の内径に等しいドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の外径よりも大きい。すなわち、穴31d1の内周面の径方向位置は、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の径方向位置よりも外側である。他の構成に関しては、上記第1実施形態の場合と同じであるので、その説明を省略する。
このように構成した第3実施形態に係る鍵盤装置においても、上記第1実施形態の場合とほぼ同様に動作する。ただし、この第3実施形態においては、図9(B)に示すように、押鍵によるドーム部21w1,21b1の変形においては、ドーム部21w1,21b1の下部が最初に変形してべース部21w3,21b3の穴21w31,21b31内に侵入する。そして、支持部31dに設けた穴31d1内には、ドーム部21w1,21b1の一部が侵入する。なお、ドーム部21w1,21b1の最終的な変形量が大きければ、トップ部21w2,21b2の一部も穴31d1内に侵入する。これによっても、上記第1実施形態の場合と同様な効果が期待される。
c1.第1変形例
上記第3実施形態においては、上記第1実施形態と同様に、支持部31dの穴31d1の内径を、べース部21w3,21b3の穴21w31,21b31の内径及びドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の外径よりも大きくした。しかし、この第3実施形態においても、上記第1実施形態の第1変形例のように、支持部31dの穴31d1の内径を、べース部21w3,21b3の穴21w31,21b31の内径に等しくするようにしてもよい。この変形例について図面を用いて説明する。図10(A)はこの変形例に係る反力発生部材21w,21bが支持部31dに固定された押鍵開始前の状態を示し、図10(B)は前記反力発生部材21w,21bの変形開始時の変形状態を示し、図10(C)は前記反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態を示している。
そして、この第1変形例においても、上記第3実施形態の場合と同様に、べース部21w3,21b3の穴21w31,21b31の内径は、ドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の外径に等しい。したがって、支持部31dに設けた穴31d1の内径は、べース部21w3,21b3の穴21w31,21b31の内径及びドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の外径に等しい。なお、この場合も、穴31d1の内径は、ドーム部21w1,21b1が穴31d1に侵入した状態では、穴31d1に侵入したドーム部21w1,21b1の部分の外径より大きい。すなわち、穴31d1の内周面の径方向位置は、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の径方向位置と同じであり、かつ穴31d1に侵入したドーム部21w1,21b1の一部の外周面位置より外側にある。他の部分に関しては、上記第3実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
この第1変形例においても、上記第3実施形態の場合とほぼ同様に動作する。そして、上記第1実施形態の第1変形例の場合と同様に、反力発生部材21w,21bが白鍵11w及び黒鍵11bにより押されて、ドーム部21w1,21b1が変形したときでも、ドーム部21w1,21b1が変形時に受ける力を支持部31dが全て受けるので、ベース部21w3,21b3の変形は極めて小さくて無視することができる。その結果、この第1変形例においても、ドーム部21w1,21b1のみの変形による反力を得ることができ、押鍵操作に対してより明確な反力を得ることができる。
なお、この第1変形例においても、穴31d1の内径がドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の径及びベース部21w3,21b3に設けた穴21w31,21b31の内径に等しくした。しかし、穴31d1の内径をこの第1変形例の場合よりも小さくしてもよい。すなわち、穴31d1の内径を、ドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の径及びべース部21w3,21b3に設けた穴21w31,21b31の内径よりも小さくしてもよい。しかし、この場合も、穴31d1の内径があまりにも小さいと、ドーム部21w1,21b1が変形して穴31d1内に侵入した際に、ドーム部21w1,21b1の一部が穴31d1の内周面に接触する可能性がある。したがって、この場合には、穴31d1の内径を、穴31d1内に侵入したドーム部21w1,21b1の部分の外径より大きくする。すなわち、穴31d1の内周面の径方向位置は、全周に渡って、ドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の径方向位置よりも内側にあり、かつ穴31d1に侵入したドーム部21w1,21b1の一部の外周面位置より外側にある。これによっても、穴31d1に侵入したドーム部21w1,21b1の部分は穴31d1の内周面に接触することなく、かつドーム部21w1,21b1が変形時に受ける力を支持部31dが全て受ける。したがって、この場合も、押鍵操作に対してより明確な反力を得ることができる。
なお、前記第3実施形態及びその第1変形例においても、上記第1実施形態の第2及び第3変形例のように、前記穴31d1に代えて、支持部31dに円形の凹部31d2を設け、さらに凹部31d2の内径の大きさ(凹部31d2の内周面の径方向位置)を、上記第1実施形態の第2変形例、第3変形例及びその変形で説明したように、種々に設定するようにしてもよい。
c2.第2変形例
次に、前記第3実施形態の第2変形例について説明する。上記第3実施形態においては、図11(A)に示すように、白鍵11w及び黒鍵11bに設けた押圧部11w1,11b1の下面は、反力発生部材21w,21bのべース部21w3,21b3の穴21w31,21b31及びドーム部21w1,21b1の径方向外側端11w12,11b12の面積よりも広い。したがって、押鍵による押圧部11w1,11b1の最大下降位置は、押圧部11w1,11b1の下面がべース部21w3,21b3の上面に当接する位置に制限される。したがって、白鍵11w及び黒鍵11bのフルストローク量は、下限ストッパ部材36w,36bに加えて、反力発生部材21w,21bによっても制限される。そのために、下限ストッパ部材36w,36bを上記第3実施形態(上記第1及び第2実施形態も同じ)に比べて下方に位置させたとしても、白鍵11w及び黒鍵11bのフルストローク量は、反力発生部材21w,21bによって制限される。
これに対して、図11(B)に示すように、押圧部11w1’,11b1’を、べース部21w3,21b3に設けた穴21w31,21b31内にドーム部21w1,21b1に接触することなく、侵入可能に構成することもできる。すなわち、押圧部11w1’,11b1’の軸心Pw,Pbに直交する断面が、反力発生部材21w,21bのトップ部21w2,21b2の上面の面積と同じ、又は前記上面の面積よりも若干量だけ大きく若しくは小さくなるようにすればよい。この場合、押圧部11w1’,11b1’を、上記第1実施形態で説明したように、白鍵11w及び黒鍵11bの内部上面から下方に突出させた十字型、H字型等のリブなどにより構成するとよい。
この変形例によれば、押鍵時に押圧部11w1’,11b1’が下降しても、押圧部11w1’,11b1’がべース部21w3,21b3の上面に当接することはないので、下限ストッパ部材36w,36bを前記第3実施形態の場合よりも下方に位置させれば、白鍵11w及び黒鍵11bのフルストローク量を前記第3実施形態の場合に比べて大きくすることができる。なお、下限ストッパ部材36w,36bを設けることなく、ドーム部21w1,21b1の変形のみに依存させて、白鍵11w及び黒鍵11bのフルストローク量を反力発生部材21w,21bのみにより設定するようにしてもよい。
d.第4実施形態
上記第1実施形態においては、鍵スイッチ38w,38bとは独立して反力発生部材21w,21bを設けるようにした。しかし、これに代えて、反力発生部材21w,21bに鍵スイッチ38w,38bの機能を持たせるようにした第4実施形態について図面を用いて説明する。図12(A)は、この第4実施形態に係り、反力発生部材21w,21bが支持部31dに固定された押鍵開始前の状態を示す拡大断面図である。図12(B)は、前記反力発生部材21w,21bが変形して接点が閉じ始めた状態を示す拡大断面図である。図12(C)は、前記反力発生部材21w,21bが図12(B)よりもさらに変形した状態を示す拡大断面図である。図12(D)は、前記反力発生部材21w,21bの最終的な変形状態を示す拡大断面図である。
この第4実施形態の場合、上記第1実施形態の図1の鍵スイッチ38w,38bを省略して、上記第1実施形態の反力発生部材21w,21bを図12に示す反力発生部材21w,21bに変更する。また、この場合も、反力発生部材21w,21bの形状は若干異なる場合もあるが、形状の相違は僅かであるとともに、本発明の特徴点に関しては同一であるので、以下の説明では、両反力発生部材21w,21bを同一形状であるものとして説明する。
この反力発生部材21w,21bは、ドーム部を内側ドーム部21w13,21b13と外側ドーム部21w14,21b14からなる2段構成としている。内側ドーム部21w13,21b13は、上記第1実施形態のドーム部21w1,21b1の上部と同様に構成され、その上面には上記第1実施形態と同様なトップ部21w2,21b2がその下面にて接続されている。外側ドーム部21w14,21b14は、その径を内側ドーム部21w13,21b13の径よりも大きく構成され、内側ドーム部21w13,21b13の下端部に上端部を段差を付けて一体的に接続されている。外側ドーム部21w14,21b14の下端は、上記第1実施形態と同様に、べース部21w3,21b3の上端部に接続されている。なお、内側ドーム部21w13,21b13及び外側ドーム部21w14,21b14も、上記第1実施形態の場合と同様に、上部を外側に円形状に膨らませて、下部にてほぼ垂直に下方に延設されている。
内側ドーム部21w13,21b13と外側ドーム部21w14,21b14の接続部には、ほとんど変形しない上下方向に厚肉の環状部21w15,21b15が設けられている。環状部21w15,21b15の下面には、導電性ゴム等の導電性素材で薄膜に形成した環状の可動接点層41が添着されている。
この場合も、べース部21w3,21b3は、上記第1実施形態と同様に、脚部21w4,21b4により支持部31d上に固定されている。ただし、支持部31d上には、電気回路基板42が固定されており、電気回路基板42にも脚部21w4,21b4を通過させる貫通孔が形成されている。電気回路基板42上には、可動接点層41に対向する位置にて、所定の径方向幅を有し円弧状の導体である金属で薄膜に形成した一対の固定接点層43a,43bが添着されている。一対の固定接点層43a,43bの両端はそれぞれ離れて配置されていて互いに非導通状態にあり、内側ドーム部21w13,21b13の下方への変形により、可動接点層41が固定接点層43a,43bに当接した時点で、一対の固定接点層43a,43bは導通する。
支持部31dには、上記第1実施形態の場合と同様に、トップ部21w2,21b2の下方位置にて、支持部31dを貫通する円形の穴31d1が設けられている。また、電気回路基板42にも、穴31d1と同一半径の円形の貫通する穴42aが設けられている。この場合、固定接点層43a,43bが可動接点層41すなわち環状部21w15,21b15に対向する位置に配置されているので、穴31d1及び穴42aの半径は、可動接点層41及び環状部21w15,21b15の半径に等しいか、それよりも小さい。他の構成に関しては、上記第1実施形態の場合と同じであるので、その説明を省略する。
このように構成した第4実施形態に係る鍵盤装置においても、演奏者が白鍵11w及び黒鍵11bを押し始めると、白鍵11w及び黒鍵11bはスプリング34w,34bの反力に抗して、揺動軸Cw,Cb回りにそれぞれ揺動を開始し、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が下方に変位して係合部11w3,11b3が上限ストッパ部材35w,35bから離れ、その後、押圧部11w1,11b1が反力発生部材21w,21bのトップ部21w2,21b2の上面の後側端部に当接する。そして、白鍵11w及び黒鍵11bがさらに押されると、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部がさらに下方に変位して、押圧部11w1,11b1の押圧により反力発生部材21w,21bの外側ドーム部21w14,21b14が変形し始める。なお、この変形開始時には、内側ドーム部21w13,21b13も変形するものの、その変形量がごく僅かである。なお、この場合も、外側ドーム部21w14,21b14の変形量は軸心Yw,Ybに対してほぼ対称である。これにより、演奏者は、スプリング34w,34bによる反力に加えて、反力発生部材21w,21bの徐々に増加する反力を感じ始める。
白鍵11w及び黒鍵11bがさらに押されると、外側ドーム部21w14,21b14が座屈変形し始める。この場合も、外側ドーム部21w14,21b14の座屈は、全周にわたってほぼ同時に起こる。これにより、演奏者の押鍵に対する反力発生部材21w,21bの反力は急激に減少し、演奏者は明確なクリック感を感じる。この外側ドーム部21w14,21b14の座屈変形の直後に、図12(B)に示すように、環状部21w15,21b15の下方への変位により、可動接点層41が固定接点層43a,43bに当接し、固定接点層43a,43bが導通する。この固定接点層43a,43bの導通が上記第1実施形態の鍵スイッチ38w,38bのオフ状態からオン状態の変化に対応する。したがって、この固定接点層43a,43bの導通に応答して、図示しない楽音信号発生回路は楽音信号を発生し始める。
さらに、白鍵11w及び黒鍵11bが押されると、内側ドーム部21w13,21b13による反力がピークに達して、その後に内側ドーム部21w13,21b13が座屈変形し始める。この場合も、内側ドーム部21w13,21b13の座屈変形は、全周に渡ってほぼ同時に起こる。これにより、演奏者の押鍵に対する反力発生部材21w,21bの反力は急激に減少し、演奏者は明確なクリック感を感じる。そして、内側ドーム部21w13,21b13が多く変形し始めて、図12(C)(D)に示すように、内側ドーム部21w13,21b13の側壁の下部の略U字状の変形により、変形前における内側ドーム部21w13,21b13の上部下面及びトップ部21w2,21b2は、電気回路基板42に設けた穴42a及び支持部31dに設けた穴31d1内に侵入する。白鍵11w及び黒鍵11bがさらに押されると、白鍵11w及び黒鍵11bの前端下面が下限ストッパ部材36w,36bに当接して、白鍵11w及び黒鍵11bの揺動は終了する。この状態では、反力発生部材21w,21bの弾性変形も終了する。
そして、白鍵11w及び黒鍵11bが離鍵されると、反力発生部材21w,21b及びスプリング34w,34bの反力により、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部は上方に変位する。この白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が上方へ変位して戻る過程においては、可動接点層41は固定接点層43a,43bから離れ、固定接点層43a,43bが導通状態から非導通状態に変化する。この固定接点層43a,43bの非導通への変化により、図示しない楽音信号発生回路は楽音信号の発生停止を制御する。また、この白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が上方へ戻る過程において、反力発生部材21w,21bは原形に復帰する。さらに、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が上方へ変位すると、係合部11w3,11b3は上限ストッパ部材35w,35bに当接して、白鍵11w及び黒鍵11bは離鍵状態に戻る。そして、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵動作が終了する。
このように動作する第4実施形態においても、上記説明のように、内側ドーム部21w13,21b13の変形ストローク量が大きくなると、内側ドーム部21w13,21b13の上部及びトップ部21w2,21b2は、電気回路基板42に設けた穴42a及び支持部31dに設けた穴31d1内に侵入する。したがって、内側ドーム部21w13,21b13の側部における弾性変形部分の押圧方向の長さを長くしなくても、内側ドーム部21w13,21b13の大きなストローク量を確保できる。その結果、上記第1実施形態の場合と同様に、白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵操作に対する明確な反力が得ることができるようにしたうえで、内側ドーム部21bw13,21b13の大きな変形ストローク量を得ることができて、押鍵操作に対し、明確な反力を発生させた後、充分長い押鍵ストロークを確保することができる。また、支持部31dに設けた穴31d1は、外部に連通しているので、内側ドーム部21w13,21b13及び外側ドーム部21w14,21b14の変形に伴う空気の流入及び流出がスムーズに行われる。
なお、この第2実施形態においても、上記第2実施形態のように、トップ部21w2,21b2を内側ドーム部21w13,21b13の上部を貫通させて、トップ部21w2,21b2の側部外周面上に内側ドーム部21w13,21b13を接続するようにしてもよい。また、上記第3及び第4実施形態のように、前記穴31d1に代えて、支持部31dに円形の凹部31d2を設けるようにしてもよい。
e.その他の変形例
上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、ドーム部21w1,21b1の軸心Yw,Ybに直交する断面形状を円形にしたが、この断面形状は円形に限らず、楕円形、長楕円形などでもよい。なお、この場合も、ドーム部21w1,21b1は、周方向の全体に渡り、下方に向かって径方向長さを徐々に変化させる形状である。また、この場合には、支持部31d及び基板42に設けた穴31d1,42a及び凹部31d2の軸心Yw,Ybに直交する断面形状も、ドーム部21w1,21b1の形状に合わせるように楕円形、長楕円形などにする。そして、穴31d1,42a及び凹部31d2の内周面の径方向位置と、ドーム部21w1,21b1の下端21w11,21b11の内周面及び外周面の径方向位置(又はドーム部21w1,21b1の径方向外側端21w12,21b12の径方向位置)と、穴31d1,42a及び凹部31d2に侵入したドーム部21w1,21b1又はトップ部21w2,21b2の一部の外周面位置との関係は、上記各種実施形態及びそれらの各種変形例で説明したように種々に設定される。
上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、ドーム部21w1,21b1又はトップ部21w2,21b2の一部を収容する収容部として、全周に渡ってドーム部21w1,21b1の内周面の径と同じ又はそれよりも大きな径の穴31d1又は凹部31d2の例を示した。しかし、これに限らず、べース部21w3,21b3を支持する支持部31dに、ドーム部21w1,21b1又はトップ部21w2,21b2の一部が侵入可能な幅を有する溝を設け、この溝を収容部としてもよい。この溝は、底があってもよいし、底がなくてもよい。
上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、白鍵11w及び黒鍵11bを回転軸を中心に揺動させるようにした例について説明した。しかし、これに限らず、白鍵11w及び黒鍵11bの後端に板状の薄肉部を設け、薄肉部の後端を支持部材に支持させることにより、薄肉部の弾性変形により白鍵11w及び黒鍵11bを揺動させるようにしたヒンジ型の揺動支点を利用するものでもよい。
また、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、反力発生部材21w,21bを支持部31dに固定して、白鍵11w及び黒鍵11bの押圧部11w1,11b1,11w1’,11b1’により反力発生部材21w,21bを押圧するようにした。しかし、これに代えて、反力発生部材21w,21bを白鍵11w及び黒鍵11bに固定して、鍵フレーム31の上板部31aにおける反力発生部材21w,21bに対向する位置に押圧部を設け、白鍵11w及び黒鍵11bの揺動により、前記押圧部により反力発生部材21w,21bが押圧されるようにしてもよい。この場合、反力発生部材21w,21bを別々に成形して、反力発生部材21w,21bを白鍵11w及び黒鍵11bに個別に固定する必要がある。また、この場合には、反力発生部材21w,21bの上下方向は上記実施形態とは逆になる。
また、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、白鍵11w及び黒鍵11bにより反力発生部材21w,21bを直接押圧するようにした。しかし、白鍵11w及び黒鍵11bの揺動により連動して揺動する揺動体が間接的に反力発生部材21w,21bを押圧するようにした鍵盤装置にも、本発明に係る反力発生装置は適用され得る。すなわち、白鍵11w及び黒鍵11bの揺動により連動して揺動する揺動体(例えば、ハンマー)を設け、揺動体に押圧部を設けるとともに、支持部材の押圧部に対向する位置に反力発生部材21w,21bを設ける。これによっても、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作に対して、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例のような効果を期待できる。また、反力発生部材21w,21bを揺動体側に設けて、反力発生部材21w,21bに対向する位置に押圧部を設けるようにしてもよい。
また、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、ドーム部21w1,21b1の軸心Yw,Ybが上下方向に延設されるように、反力発生部材21w,21bを固定する例について説明した。しかし、ドーム部21w1,21b1の軸心Yw,Ybが上下方向でない方向に延設されるように、反力発生部材21w,21bが固定される場合もある。例えば、白鍵11w及び黒鍵11bの揺動中心Cw,Cbの近傍から白鍵11w及び黒鍵11bの延設方向(すなわち水平方向)と異なる方向(例えば、直角方向)に一体的に延設する延設部材を白鍵11w及び黒鍵11bに設けて、延設部材が白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵により延設方向とほぼ直角方向(例えば、略水平方向)に揺動するようにする。この場合、反力発生部材21w,21bを前記延設部材に固定し、又は前記延設部材に対向する位置に固定すると、ドーム部21w1,21b1の軸心Yw,Ybが上下方向以外の方向(例えば、水平方向)となるように、反力発生部材21w、21bは固定されることになる。また、ハンマーなどの揺動体を用いる場合にも、揺動体の揺動方向によっては、ドーム部21w1,21b1の軸心Yw,Ybは上下方向以外の方向になるように、反力発生部材21w、21bは固定されることになる。要するに、本発明においては、トップ部21w2,21b2に対向するドーム部21w1,21b1の開口側にて反力発生部材21w、21bを支持部材に固定すればよく、軸心Yw,Ybの方向に関しては、上下方向以外の種々の方向が考えられる。したがって、穴31d1,42a及び凹部31d2の位置に関しては、トップ部21w2,21b2に対向するドーム部21w1,21b1の開口側の位置にて、支持部材に穴31d1,42及び凹部31d2を設けるようにすればよい。
さらに、本発明に係る反力発生装置は、鍵盤装置の白鍵11w及び黒鍵11b以外の操作子にも適用され得る。すなわち、手、足などにより操作される操作子に対しても、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、実施形態及び変形例のような反力発生部材21w,21bを用いて、操作子の操作に対して反力を与えるようにしてもよい。なお、この場合の操作子は、揺動中心を中心にして揺動するものに限らず、ドーム部の軸心方向に沿って平行移動するような操作子であってもよい。
11w…白鍵、11b…黒鍵、11w1,11b1,11w1’,11b1’…押圧部、21w,21b…反力発生部材、21w1,21b1…ドーム部、21w11,21b11…下端、21w12,21b12…径方向外側端、21w13,21b13…内側ドーム部、21w14,21b14…外側ドーム部、21w2,21b2…トップ部、21w3,21b3…ベース部、21w31,21b31…穴、31…鍵フレーム、31a…上板部、31d…支持部、31d1…穴、31d2…凹部、32…鍵支持部、34w,34b…スプリング、Yb,Yw…軸心

Claims (5)

  1. 軸心方向の一端部から軸心方向の他端部に向かって径方向長さを徐々に増加させ、かつ前記他端部を開口させてドーム状に弾性体で一体形成されていて、軸心方向の押圧により弾性変形して、弾性変形量に応じた反力を発生するドーム部と、
    前記ドーム部の一端部に前記ドーム部と一体形成され、前記軸心方向の押圧力が付与されるトップ部と、
    前記ドーム部の他端部に前記ドーム部と一体形成され、前記ドーム部の軸心方向に厚みを有するとともに前記ドーム部の他端部から径方向外側に延びたべース部とを有する反力発生部材を備え、
    前記べース部を支持部材に固定して、操作子の操作に対して反力を発生する反力発生装置において、
    前記トップ部に対向した前記支持部材の対向部分に、前記ドーム部の弾性変形時に前記ドーム部又は前記トップ部の一部が侵入する収容部を設けたことを特徴とする反力発生装置。
  2. 前記ドーム部の他端部の軸心方向端は前記ドーム部の径方向に厚みを有しており、
    前記べース部は前記ドーム部の他端部の軸心方向端に接続され、
    前記収容部の内周面の径方向位置は、前記ドーム部の他端部の軸心方向端の外周面の径方向位置よりも内側であり、かつ前記収容部に侵入した前記ドーム部又は前記トップ部の一部の外周面位置より外側にあることを特徴とする請求項1に記載した反力発生装置。
  3. 前記収容部の内周面の径方向位置は、前記ドーム部の他端部の軸心方向端の内周面の径方向位置と同じ又はその内側であることを特徴とする請求項2に記載した反力発生装置。
  4. 前記ドーム部の他端部は径方向外側に延設されて、前記ドーム部の他端部の径方向外側端が前記ドーム部の軸心方向に厚みを有しており、
    前記べース部は前記ドーム部の他端部の径方向外側端に接続され、
    前記収容部の内周面の径方向位置は、前記ドーム部の他端部の径方向外側端の径方向位置と同じ又はその内側であり、かつ前記収容部に侵入した前記ドーム部又は前記トップ部の一部の外周面位置より外側にあることを特徴とする請求項1に記載した反力発生装置。
  5. 前記反力発生部材は、軸心方向の押圧開始から前記ドーム部が徐々に弾性変形して弾性変形量の増加に従って反力を徐々に増加させ、反力がピークに達した後に前記ドーム部が座屈変形して反力を急激に減少させ、その後に反力を増加させる請求項1乃至4のうちのいずれか一つ記載した反力発生装置。
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