JP5663912B2 - 鍵構造、鍵盤構造及び操作子構造 - Google Patents

鍵構造、鍵盤構造及び操作子構造 Download PDF

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Description

本発明は、鍵構造、鍵盤構造及び操作子構造に関するものである。
従来、鍵盤楽器の鍵等、楽器の操作子には、クリック感が付与されていることが多い。これは、演奏者が操作子を押したときの、クリック感が機械振動となって指先から伝わり、操作子を押した実感を演奏者に与えるためである。
特に、例えばコンサート会場等のように音量の大きな空間で演奏する場合には、スイッチを押している機械音がモニターできなくなるため、操作子が押されている実感がなくなり演奏者が不安になるが、操作子を押したときにこのようなクリック感があると、機械振動感覚が伝わることにより、安心して演奏を行うことが可能となる。
さらにアコースティックピアノでは、演奏性を上げるために、鍵を押し込んだときにレットオフといわれるクリック感が生ずるように構成されている。そこで、電子ピアノ等の鍵盤楽器においてもこのようなクリック感を表現することができれば、よりアコースティックピアノに近似した鍵タッチ感、演奏感を得ることができる。
この点、特許文献1には、電子ピアノ等の鍵盤装置において、一端部が固定されて上下方向に撓み変形する弾性体と、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程で弾性体が当接して弾性体の撓み変形を規制し、鍵が上方に回動する戻り行程で弾性体が離間する支点部とを有するクリック感付与部材を複数の鍵のそれぞれに備えて、アコースティックピアノに近似した鍵タッチ感を得られるようにする技術が開示されている。
特開平11−219161号公報
しかしながら、このようなアコースティックピアノの鍵タッチ感に近似したクリック感を電子ピアノ等の鍵盤楽器において実現するために、特許文献1に記載されているような構成をとると、各鍵に対応して別部材(すなわち、特許文献1にいう「クリック感付与部材」)を組み込む必要がある。
このため、鍵盤楽器全体が複雑な構造となり、装置製造コストも高くなってしまうとの問題があり、演奏性の向上と装置コストの低減とを両立させることは困難であった。
そこで、本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、装置コストを抑えつつ、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似したクリック感を実現することのできる鍵構造、鍵盤構造及び操作子構造を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の鍵構造は、
一端側に形成された押下部と、
他端側に形成され、鍵盤シャーシに固定された固定部と、
前記押下部と前記固定部との間を接続するヒンジ部と、を備え、
前記ヒンジ部は、剛性を有する第一ヒンジ部と、この第一ヒンジ部とスリットを隔てて配置され湾曲又は屈曲形成された第二ヒンジ部と、から成り、
当該第二ヒンジ部は、前記ヒンジ部の下側に突出する初期位置に位置する状態から前記ヒンジ部の上側に突出する状態まで弾性変形可能に構成され、
非押鍵時においては、前記第二ヒンジ部が弾性力によって下方に向けて撓み、押鍵時においては、前記第二ヒンジ部が上方に向けて撓むことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鍵構造において、
前記押下部の押鍵時において、前記第二ヒンジ部は、前記鍵盤シャーシ上に設けられている突起部により下側から押し上げられ、これにより前記第二ヒンジ部が弾性力に抗して反対側に撓むように構成されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の鍵構造において、
前記第二ヒンジ部は、前記固定部の側に位置し剛性の低い低剛性部と、この低剛性部よりも剛性が高く前記押下部の側に位置する高剛性部と、が前記ヒンジ部の延在方向に連設されて成り、
押鍵時においては、前記第二ヒンジ部のうち、前記低剛性部が可逆的に前記ヒンジ部の上側に撓むように構成されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の鍵構造において、
前記第二ヒンジ部は、前記固定部の側に位置し剛性が低く前記ヒンジ部の下側に突出する状態から前記ヒンジ部の上側に突出する状態まで遷移可能な低剛性部と、この低剛性部よりも剛性が高く前記押下部の側に位置しその先端部が前記低剛性部の先端部と重なり合う高剛性部と、から成り、
押鍵時においては、前記第二ヒンジ部のうち、前記高剛性部が前記低剛性部を下側から押し上げるとともに、前記高剛性部の先端部が前記低剛性部の先端部を乗り越えて上側に位置するように構成されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の鍵構造において、
前記第一ヒンジ部の長さLは、前記高剛性部の長さl1及び前記低剛性部の長さl2を合わせた長さよりも短いことを特徴としている。
請求項6に記載の鍵盤構造は、
鍵盤シャーシに複数の鍵が配置された鍵盤構造であって、
前記鍵は、その一端側に形成された押下部と、前記鍵の他端側に形成され前記鍵を前記鍵盤シャーシに固定する固定部と、前記押下部と前記固定部との間を接続するヒンジ部と、を備え、
前記ヒンジ部は、剛性を有する第一ヒンジ部と、この第一ヒンジ部とスリットを隔てて配置され湾曲形成された第二ヒンジ部と、から成り、
当該湾曲形成された第二ヒンジ部は、非押鍵時において下方に撓んで前記ヒンジ部の下側に突出する状態となるとともに、押鍵時においては上方に撓むことにより、前記ヒンジ部の上側に突出した状態になるように弾性変形可能に構成されていることを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の鍵盤構造において、
前記鍵盤シャーシ上に、押鍵時において前記第二ヒンジ部の下側から当接して前記第二ヒンジ部を前記ヒンジ部の上側に押し上げる突起部を備えていることを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の鍵盤構造において、
前記第二ヒンジ部は、剛性の低い低剛性部と、この低剛性部よりも剛性の高い高剛性部と、から成り、
押鍵時においては、前記第二ヒンジ部のうち、前記低剛性部が可逆的に前記ヒンジ部の上側に撓むように構成されていることを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の鍵盤構造において、
前記第二ヒンジ部は、剛性の低い低剛性部と、この低剛性部よりも剛性の高い高剛性部と、から成り、
前記高剛性部と、前記低剛性部とは分離されており、
前記高剛性部の先端部と前記低剛性部の先端部とは互いに重なり合い、
押鍵時においては、前記高剛性部の先端部が前記低剛性部の先端部を下側から押し上げるとともに、前記高剛性部の先端部が前記低剛性部の先端部を乗り越えて前記低剛性部の上側に位置するように構成されていることを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は請求項9に記載の鍵盤構造において、
前記第一ヒンジ部の長さは、前記高剛性部の長さ及び前記低剛性部の長さを合わせた長さよりも短いことを特徴としている。
請求項11に記載の発明は、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の鍵盤構造において、
前記突起部は、前記第二ヒンジ部のうち、前記高剛性部に当接する位置に配置されていることを特徴としている。
請求項12に記載の操作子構造は、
一端側に形成された押下部と、
他端側に形成され、楽器本体部に固定された固定部と、
前記押下部と前記固定部との間を接続するヒンジ部と、を備え、
前記ヒンジ部は、剛性を有する第一ヒンジ部と、湾曲又は屈曲形成された第二ヒンジ部と、から成り、
当該第二ヒンジ部は、前記ヒンジ部の下側に突出する初期位置に位置する状態から前記ヒンジ部の上側に突出する状態まで弾性変形可能に構成され、
前記押下部の非押下時においては、前記第二ヒンジ部が弾性力によって下方に向けて撓み、前記押下部の押下時においては、前記第二ヒンジ部が上方に向けて撓むことを特徴としている。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の操作子構造において、
前記押下部の押下時において、前記第二ヒンジ部は、前記楽器本体部上に設けられている突起部により下側から押し上げられ、これにより前記第二ヒンジ部が弾性力に抗して反対側に撓むように構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、鍵等の操作子を構成しているヒンジ部を、剛性を有する第一ヒンジ部と湾曲又は屈曲形成された第二ヒンジ部とを有する構成とし、非押鍵時には、第二ヒンジ部が弾性力によって下方に向けて撓み、押鍵時においては、第二ヒンジ部が弾性力に抗して反対側に撓むように弾性変形するようになっている。
これにより、鍵等の操作子が押鍵された際に、クリック感を生じさせ、アコースティックピアノに近似した鍵タッチ感を実現することができるとともに、演奏者に確実に鍵等の操作子が押されているという安心感を与えることができる。
第1の実施形態の鍵構造及び鍵盤構造を有する鍵盤楽器の側断面図である。 図1における一点鎖線部分の拡大図である。 第1の実施形態におけるヒンジ部の斜視図である。 (a)から(f)は、第1の実施形態における押鍵時のヒンジ部の変形の様子を示す要部断面図である。 図4(a)から(f)に示す各時点における鍵荷重とストロークとの関係を示すグラフである。 第2の実施形態におけるヒンジ部の斜視図である。 (a)から(f)は、第2の実施形態における押鍵時のヒンジ部の変形の様子を示す要部断面図である。 図7(a)から(f)に示す各時点における鍵荷重とストロークとの関係を示すグラフである。 本発明に係る操作子を備える電子管楽器の一例を示した斜視図である。 図9の電子管楽器に設けられる操作子の一例を示した平面図である。
[第1の実施の形態]
先ず、図1から図5を参照しつつ、本発明に係る鍵(操作子)構造及び鍵盤構造を鍵盤楽器に適用した第1の実施形態について説明する。なお、本発明の範囲は図示例に限定されない。
図1は、本実施形態における鍵(操作子)構造及び鍵盤構造を有する鍵盤楽器100の側断面図であり、図2は、図1における一点鎖線部分の拡大図である。
本実施形態において、鍵盤楽器100は、図1に示すように、鍵盤シャーシ1と、この鍵盤シャーシ1上に上下方向(図1において上下方向)に回動可能に配置された操作子である複数の鍵3と、この複数の鍵3にそれぞれ対応して設けられ鍵3の各押鍵動作に応じてそれぞれオン信号を出力する複数のゴムスイッチ5(図1では1つのみを示す)と、鍵盤シャーシ1の後側上部に設けられて複数の鍵3の各後端部側を覆う上部ケース6とを備えている。
本実施形態において、鍵3は、複数の白鍵3a(図1では1つのみを示す)と、複数の黒鍵3b(図1では1つのみを示す)とを備えているが、以下の説明において、単に「鍵3」としたときは、白鍵3aと黒鍵3bとを含むものとする。
鍵盤シャーシ1は、例えば合成樹脂により形成されており、図1に示すように、楽器本体の下部ケースを兼ねるように構成されている。すなわち、この鍵盤シャーシ1の前端部(図1では左端部)には、鍵3の前端下部を覆う前カバー部11が鍵盤シャーシ1の底部(すなわち図1において下側)から上方に突出すように形成されている。
この前カバー部11の後部側(図1では右側)には、図1及び図2に示すように、白鍵3aが押鍵されてその前端部が下方に下がったときに白鍵aの前端部を受ける凹部である白鍵逃げ部12が設けられている。
この鍵盤シャーシ1における白鍵逃げ部12の後部側(図1では右側)には、第1立上り部13が形成されている。
この第1立上り部13の上下方向における中間部には、補助ガイド部14が設けられている。補助ガイド部14は、鍵3の前端下部をガイドするものであり、補助ガイド部14の上面は、白鍵逃げ部12側に位置する前部側が低く、後部側に行くにしたがって次第に高くなる傾斜面となっている。
また、この第1立上り部13の上部には、前カバー部11よりも少し低い高さで、第1の平坦部15が後方側に向けて形成されている。この第1の平坦部15の後部(図1では右側)には、立下り部16が設けられている。
この立下り部16には、図1及び図2に示すように、各鍵3に設けられている鍵3のストッパ部35の突起部37(後述)に対応する位置に開口部17が設けられている。開口部17には、鍵3のストッパ部35の突起部37が上下方向に移動可能に挿入されるようになっている。これにより、鍵3の上下方向の可動範囲が開口部17の高さの範囲内に規制される。
第1の平坦部15の下面であってこの開口部17の上部に対応する位置には、鍵3の初期状態又は鍵3が押鍵された後に初期位置に復帰する際に、ストッパ部35の突起部37が下方から当接する上限位置規制部18が設けられている。上限位置規制部18は、フェルト等により形成されており、ストッパ部35の突起部37が当接した際に衝撃を吸収可能となっている。
また、開口部17が設けられた立下り部16の後部側(図1では右側)には、鍵3のストッパ部35が下方に下がったときにその前端部を受ける凹部であるストッパ逃げ部19が設けられている。
このストッパ逃げ部19の底部上には、鍵3が押鍵されてストッパ部35が下方に下がった際に、ストッパ部35の下端部が上方から当接する下限位置規制部21が設けられている。下限位置規制部21は、フェルト等により形成されており、ストッパ部35の下端部が当接した際に衝撃を吸収可能となっている。
ストッパ逃げ部19の後部側(図1では右側)には、第2立上り部22が設けられている。
また、この第2立上り部22の上部には、ストッパガイド部23が設けられている。ストッパガイド23部の上面は、開口部17側であるストッパ逃げ部19側に位置する前部側が低く、後部側に行くにしたがって次第に高くなる傾斜面となっている。
ストッパガイド部23は、鍵3を鍵盤シャーシ1に取り付ける際に、鍵3を前下がりに傾けて鍵3のストッパ部35の下端部を載置した状態で、ストッパ部35の突起部37を鍵盤シャーシ1の開口部17内に向けてガイドするように構成されている。
ストッパガイド部23は、前述の補助ガイド部14と同じ傾斜角度に形成されており、補助ガイド部14の上面はストッパガイド部23の上面の延長上に設けられている。
これにより、鍵3のストッパ部35がストッパガイド部23の上面に沿ってガイドされる際には、鍵3全体がストッパガイド部23の上面と同じ角度で前下がりに傾き、鍵3の前端部がこの角度を保ったまま補助ガイド部14の上面に当接して、補助ガイド部14によりガイドされるようになっている。
このストッパガイド部23の後端部上には、鍵3の内部に挿入されて鍵3の横振れを防ぐための鍵ガイド部24が設けられている。
また、このストッパガイド部23の後端下部には、中間脚部25が設けられており、この中間脚部25の上には、ゴムスイッチ5を搭載するスイッチ基板7が取り付けられている。なお、図1においては、ゴムスイッチ5を1つしか図示していないが、スイッチ基板7上には、各鍵3に対応して複数のゴムスイッチ5が設けられている。
このゴムスイッチ5は、図1に示すように、スイッチ基板7上に配設されたゴムシート51を備え、このゴムシート51上であって、各鍵3のスイッチ押圧部34(後述)にそれぞれ対応する位置にドーム状の膨出部52を形成したものである。
ゴムスイッチ5及びこれを押圧する機構は特に限定されないが、例えば、鍵3が押下されたときに、鍵3に設けられているスイッチ押圧部34(後述)がゴムスイッチ5の膨出部52を押圧する。これにより膨出部52が弾性変形して、その内部に設けられている可動接点がスイッチ基板7上の固定接点と接触し、ON信号を出力するように構成されている。
さらに、中間脚部25の後部側(図1では左側)には、図1及び図2に示すように、鍵取付部26が設けられている。鍵取付部26は、その上面が前カバー部11の上端面とほぼ同じかこれよりも高い高さとなるように形成されている。この鍵取付部26には、各鍵3の固定部32に対応する位置に、鍵3の固定部32をねじ止めするためのねじ孔27が形成されている。
また、中間脚部25と鍵取付部26との間には、初期位置にあるときの鍵3の上面とほぼ平行する第2の平坦部28が形成されている。この第2の平坦部28の上面には、後述するように、鍵3の第2のヒンジ部42に下側から当接してこれを上側に押し上げる突起部29が設けられている。
複数の鍵3は、例えば合成樹脂により形成されており、図1に示すように、その内部が中空状に形成されている。
複数の鍵3のうち白鍵3aは、その前後方向(長手方向、図1において左右方向)の長さが長く、これと直交する上下方向(図1において上下方向)の高さが低く形成されている。また、黒鍵3bは、この白鍵3aよりも前後方向の長さが短く上下方向の高さが高く形成されている。なお、白鍵3a及び黒鍵3bは、前後方向の長さ及び上下方向の高さがそれぞれ異なる以外は、ほぼ同様の構成となっている。
鍵3は、一端側がユーザ(演奏者)により押下される部分である押下部31となっており、他端側が鍵盤シャーシ1の鍵取付部26に固定される固定部32となっている。また、押下部31と固定部32との間は、両者を接続するヒンジ部33となっている。
固定部32には、ねじ38を挿通させるねじ孔32a(図3参照)が設けられており、各鍵3は、このねじ孔32aにねじ38を挿通させて各固定部32をそれぞれ鍵取付部26上にねじ止めすることにより、鍵盤シャーシ1上に固定される。これにより、複数の白鍵3a及び複数の黒鍵3bが鍵盤シャーシ1上に配列された状態で、上下方向に回動可能に取り付けられるようになっている。
この複数の鍵3における前後方向(図1において左右方向)のほぼ中間部には、図1に示すように、スイッチ押圧部34が下側に延出して設けられている。各スイッチ押圧部34は、鍵盤シャーシ1上に取り付けられたスイッチ基板7上に設けられているゴムスイッチ5にそれぞれ対応し、鍵3が押下された際に当該鍵3に対応するゴムスイッチ5の膨出部52を押圧するように構成されている。
さらに、鍵3におけるスイッチ押圧部34の前側(図1においては左側)には、鍵3の上限位置と下限位置とを規制するためのストッパ部35が下側に延出して形成されている。このストッパ部35は、断面略L字型に形成されており、鍵3の下側に延出された板状の垂下部36と、この垂下部36の下部に設けられて鍵3の前側(図1では左側)に突出する突起部37とを備えている。
図3は、ヒンジ部33を拡大した斜視図である。なお、図3では、本実施形態における特徴部分の構成を明示するため、ヒンジ部33の一部を切り欠いて想像線(二点鎖線)で示している。
ヒンジ部33は、樹脂により形成された一枚の板状の部材を鍵3の長手方向に3分割して成り、その両側部分は曲げこわさである剛性(曲げ剛性)の高い(すなわち撓みにくい)第一ヒンジ部41となっている。また、中央部分は、非押鍵時の初期位置においてヒンジ部33の下側に突出するほぼ略くの字型に湾曲形成された第二ヒンジ部42となっている。この第一ヒンジ部41と第二ヒンジ部42との間は、それぞれスリット43により隔てられている。
第二ヒンジ部42は、固定部32の側に位置し剛性(曲げ剛性)の低い低剛性部44と、この低剛性部44よりも剛性(曲げ剛性)が高く押下部31の側に位置する高剛性部45とがヒンジ部33の延在方向に連設されて構成されており、非押鍵時には、弾性力によって下方に向けて撓んだ状態となっている。
なお、第一ヒンジ部41と第二ヒンジ部42との剛性を比較すると、第一ヒンジ部41が最も剛性が高く、第二ヒンジ部42の高剛性部45がこれに次いで剛性が低く、低剛性部44が最も剛性が低くなるように構成されている。本実施形態では、低剛性部44の厚みを薄くすることにより低剛性部44の剛性を低くしているが、各部の剛性を異ならせる構成はこれに限定されない。例えば、低剛性部44の幅を狭くすることにより低剛性部44の剛性を低くしてもよい。
図4(a)から図4(f)は、本実施形態におけるヒンジ部を、第一ヒンジ部41と第二ヒンジ部42との間のスリット43部分で断面した側断面図である。
図4(a)に示すように、第一ヒンジ部41及び第二ヒンジ部42を構成する各部の長さ寸法は、第一ヒンジ部41の長さをLとしたとき、高剛性部45の長さl1及び低剛性部44の長さl2を合わせた長さよりも短いとの関係となっている。
また、図4(a)に示すように、第2の平坦部28上に設けられている突起部29は、第二ヒンジ部42の高剛性部45に下側から当接するようになっている。なお、突起部29が当接する位置は特に限定されないが、本実施形態では、高剛性部45の押下部31側の端部よりも僅かに固定部32側に寄った位置としている。
突起部29は、非押鍵時には高剛性部45との間に僅かな隙間を保っているが、押鍵時には下側から高剛性部45に当接してこれを押し上げる。高剛性部45は、突起部29が当接すると、突起部29の当接した位置を支点と屈曲し、低剛性部44をヒンジ部33の上側に撓む位置まで変形させる。これにより、押鍵時においては、第二ヒンジ部42がその弾性力に抗して可逆的に反対側に撓むようになっている。
本実施形態において鍵3は、押下部31が押下されると、鍵盤シャーシ1に固定されている固定部32を支点としてヒンジ部33が下方に向かって撓ることにより鍵3全体が回動するように構成されている。そして、突起部29は、鍵3がある程度押し下げられたときに下側から第二ヒンジ部42と接触して新たな回動の支点の役割を果たすようになっており、押下部31に加えられた押し下げ力を効率的に第二ヒンジ部42に伝えるものである。
このため本実施形態では、突起部29が設けられていない場合と比べて、第二ヒンジ部42の変形を早期に発生させることができる。これによって、装置内部のスペースの関係等により、鍵3自身が少ない鍵ストロークしかとれないような場合でも、突起部29が設けられていることにより、確実にクリック感を発生させることができる。
このように、突起部29は押下部31に加えられた押し下げ力を効率的に第二ヒンジ部42に伝えて、少ない鍵ストロークしかとれない場合でもクリック感を発生させるようにするための構成であるから、例えば、鍵ストロークを十分にとることのできる(すなわち、鍵ストロークの深い)鍵盤楽器100の場合には、この突起部29を設けない構成とすることもできる。鍵ストロークの深い鍵盤の場合には、突起部29を設けなくてもクリック感を得ることは十分可能である。
なお、第一ヒンジ部41及び第二ヒンジ部42は、ここに示した形状、構成に限定されず、例えば突起部29を設けない構成とした場合には、第一ヒンジ部41及び第二ヒンジ部42についてもそれに応じて適宜形状、構成を変更することが可能である。
次に、図4(a)から図4(f)及び図5を参照しつつ、本実施形態における作用について説明する。
図5は、縦軸に鍵3を指で押下した場合に鍵3にかかる鍵荷重をとり、横軸に鍵3を指で押下した場合の鍵3の変移量(図5において「ストローク」という)をとって、押鍵時の鍵荷重の変化の仕方を示したものである。なお、図5におけるa〜fは、それぞれ図4(a)から図4(f)に対応している。
図4(a)は、非押鍵時における初期位置を表したものである。図4(b)は、押鍵し始めて次第に鍵3が下方に押し下げられていく状態を示している。図5中の「b」に示すように、押鍵により次第に鍵荷重がかかっていき、ストロークが大きくなると、図4(b)に示すように、高剛性部45に突起部29が当接する。突起部29が高剛性部45に当接すると、突起部29の当接した位置を支点として高剛性部45が屈曲し始める。さらに荷重が加わると(図5中の「c」)、低剛性部44が高剛性部45に押圧されて変形し始め(図4(c))、ある一定の鍵荷重に達するまで(図5中の「d」)その弾性に抗して少しずつヒンジ部33の上側に撓む位置まで変形していく(図4(d))。そして、ある一定の鍵荷重に達したときに低剛性部44が完全にヒンジ部33の上側に撓む状態まで変形する(図4(e))。このとき、図5中の「e」に示すように鍵荷重が一気に下がることにより、鍵3を押下している指にクリック感が伝わる。そして、演奏者が鍵3から指を離すことにより、鍵ストロークが徐々に戻るとともに鍵荷重もさがり(図4(f)、図5中の「f」)、その後、ある一定のところまで戻ると、弾性力により第二ヒンジ部42が元の初期位置に復帰する。
以上のように、本実施形態によれば、鍵3が押鍵された際に、第二ヒンジ部42が変形することによりクリック感を生じさせることができる。このため、別部材を用いることなく、装置コストを抑えながら、演奏者の指に鍵3のクリック感を伝えることができ、アコースティックピアノに近似した鍵タッチ感を実現することができるとともに、鍵3が確実に押されているという安心感を演奏者に与えることができる。
すなわち、本実施形態では、第二ヒンジ部42を、低剛性部44と高剛性部45と、がヒンジ部33の延在方向に連設されて成る構成とし、押鍵時においては、第二ヒンジ部42のうち、低剛性部44が可逆的にヒンジ部33の上側に撓むように構成されているため、装置コストを抑えながら、確実にクリック感を生じさせることができる。
また、第一ヒンジ部41の長さLは、高剛性部45の長さl1及び低剛性部44の長さl2を合わせた長さよりも短くなっているため、鍵3が押鍵されて第二ヒンジ部42が変形した際に、低剛性部44が完全にヒンジ部33の上側に撓む状態まで変形し、確実にクリック感を生じさせることができる。
また、鍵3がある程度押し下げられたときに下側から第二ヒンジ部42と接触する突起部29が設けられているため、押下部31に加えられた押し下げ力を効率的に第二ヒンジ部42に伝えて、第二ヒンジ部42の変形を早期に発生させることができる。これにより、装置内部のスペースの関係等により、鍵3自身が少ない鍵ストロークしかとれないような場合でも、確実にクリック感を発生させることができる。
また、突起部29は、第二ヒンジ部42のうち、高剛性部45に当接する位置に配置されているため、鍵3が押鍵された際に高剛性部45を押し上げ、低剛性部44を変形させてクリック感を生じさせることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図6から図8を参照しつつ、本発明に係る鍵構造及びこれを含む鍵盤構造の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、ヒンジ部の構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図6は、本実施形態における鍵8のヒンジ部83を拡大した斜視図である。なお、図6では、本実施形態における特徴部分の構成を明示するため、ヒンジ部83の一部を切り欠いて想像線(二点鎖線)で示している。
図6に示すように、本実施形態における鍵8は、図示しない押下部と、鍵盤シャーシに鍵8を固定する固定部82と、押下部と固定部82とを接続するヒンジ部83と、を備えている。固定部82にはねじ孔82aが形成されている。
ヒンジ部83は、第1の実施形態と同様に、樹脂により形成された一枚の板状の部材を鍵3の長手方向に3分割して成り、その両側部分は剛性を有する第一ヒンジ部84となっている。また、中央部分は、非押鍵時の初期位置においてヒンジ部83の下側に突出するほぼ略くの字型に屈曲形成された第二ヒンジ部85となっている。この第一ヒンジ部84と第二ヒンジ部85との間は、それぞれスリット86により隔てられている。
第二ヒンジ部85は、固定部82の側に位置し剛性が低く先端がヒンジ部83の下側に突出する状態からヒンジ部83の上側に突出する状態まで遷移可能な低剛性部87と、この低剛性部87よりも剛性が高く押下部の側に位置する高剛性部88とがヒンジ部83の延在方向に連設されて構成されている。
本実施形態では、低剛性部87と高剛性部88とは分離されており、端部同士が接触している。非押鍵時における初期位置においては、低剛性部87の先端部は、ヒンジ部83の下側に突出する位置にあり、高剛性部88の先端部が、この低剛性部87の先端部に下側から当接して重なり合うように構成されている。
押鍵時においては、第二ヒンジ部85のうち、高剛性部88が低剛性部87を下側から押し上げるとともに、高剛性部88の先端部が低剛性部87の先端部を乗り越えて上側に位置するようになっている。
なお、低剛性部87の端部、高剛性部88の端部のいずれか一方又は双方にグリスやシリコンオイル等を塗布してもよい。これにより、低剛性部87の端部、高剛性部88の端部の磨耗を防止することができる。
また、本実施形態では、第一ヒンジ部84の固定部82側の端部と、高剛性部88の押下部側の端部にヒンジ部83の延在方向に直交するようにそれぞれ溝部84a,88aが形成されている。第一ヒンジ部84の端部と、高剛性部88の端部とにこのような溝部84a,88aを設けることによって、演奏者が鍵8を押下した際に、鍵8がより少ない力で滑らかに下方に撓むようにすることができる。
なお、第一ヒンジ部84と第二ヒンジ部85との剛性を比較すると、第一ヒンジ部84が最も剛性が高く、第二ヒンジ部85の高剛性部88がこれに次いで剛性が低く、低剛性部87が最も剛性が低くなるように構成されている。本実施形態では、低剛性部87の厚みを薄くすることにより低剛性部87の剛性を低くしているが、各部の剛性を異ならせる構成はこれに限定されない。例えば、低剛性部87の幅を狭くすることにより低剛性部87の剛性を低くしてもよい。
図7(a)から図7(f)は、本実施形態におけるヒンジ部を、第一ヒンジ部84と第二ヒンジ部85との間のスリット86部分で断面した側断面図である。
図7(a)に示すように、第一ヒンジ部84及び第二ヒンジ部85を構成する各部の長さ寸法は、第一ヒンジ部84の長さをM(L)としたとき、高剛性88の長さm1(l1)及び低剛性部87の長さm2(l2)を合わせた長さよりも短いとの関係となっている。
また、図7(a)に示すように、第2の平坦部28上に設けられている突起部29は、第二ヒンジ部85の高剛性部88に下側から当接するようになっている。なお、突起部29が当接する位置は特に限定されないが、本実施形態では、高剛性部88の押下部側の端部よりも僅かに固定部82側に寄った位置としている。
突起部29は、非押鍵時には高剛性部88との間に僅かな隙間を保っているが、押鍵時には下側から高剛性部88に当接してこれを押し上げる。高剛性部88は、突起部29が当接すると、突起部29の当接した位置を支点と屈曲し、低剛性部87を下側から押し上げ、弾性力に抗してヒンジ部83の上側(すなわち、非押鍵時における初期位置とは反対側)に撓ませるとともに、高剛性部88の先端部が低剛性部87の先端部を乗り越えて上側に位置するようになっている。
なお、第1の実施形態で説明したように、鍵ストロークの深い鍵盤の場合には、突起部29を設けなくてもクリック感を得ることが十分可能であるため、突起部29を設けない構成とすることもできる。
なお、第一ヒンジ部84及び第二ヒンジ部85は、ここに示した形状、構成に限定されず、例えば突起部29を設けない構成とした場合には、第一ヒンジ部84及び第二ヒンジ部85についてもそれに応じて適宜形状、構成を変更することが可能である。
次に、図7(a)から図7(f)及び図8を参照しつつ、本実施形態における作用について説明する。
図8は、縦軸に鍵8を指で押下した場合に鍵3にかかる鍵荷重をとり、横軸に鍵8を指で押下した場合の鍵8の変移量(図8において「ストローク」という)をとって、押鍵時の鍵荷重の変化の仕方を示したものである。なお、図8におけるa〜fは、それぞれ図7(a)から図7(f)に対応している。
図7(a)は、非押鍵時における初期位置を表したものである。図7(b)は、押鍵し始めて次第に鍵8が下方に押し下げられていく状態を示している。図8中の「b」に示すように、押鍵により次第に鍵荷重がかかっていき、ストロークが大きくなると、図7(b)に示すように、高剛性部88に突起部29が当接する。突起部29が高剛性部88に当接すると、突起部29の当接した位置を支点として高剛性部88が屈曲し始める。さらに荷重が加わると(図8中の「c」)、高剛性部88が下側から低剛性部87を押し上げることにより低剛性部87が変形し始め(図7(c))、ある一定の鍵荷重に達するまで(図8中の「d」)その弾性に抗して少しずつヒンジ部83の上側に撓む位置まで変形していく(図7(d))。そして、ある一定の鍵荷重に達したときに高剛性部88の先端部が低剛性部87の先端部を乗り越えて上側に位置する(図7(e))。このとき、図8中の「e」に示すように鍵荷重が一気に下がることにより、鍵8を押下している指にクリック感が伝わる。そして、演奏者が鍵8から指を離すことにより、鍵ストロークが徐々に戻るとともに鍵荷重もさがり、その後、ある一定のところまで戻ると、弾性力により第二ヒンジ部42が元の初期位置に復帰する(図7(f)、図8中の「f」)。
以上のように、本実施形態によれば、鍵8が押鍵された際に、第二ヒンジ部85が変形することによりクリック感を生じさせることができる。このため、別部材を用いることなく、装置コストを抑えながら、演奏者の指に鍵8のクリック感を伝えることができ、アコースティックピアノに近似した鍵タッチ感を実現することができるとともに、鍵8が確実に押されているという安心感を演奏者に与えることができる。
すなわち、本実施形態では、第二ヒンジ部85を、低剛性部87と高剛性部88と、がヒンジ部83の延在方向に連設されて成る構成とし、押鍵時においては、高剛性部88の先端部が低剛性部87の先端部を乗り越えて上側に位置するように構成されているため、装置コストを抑えながら、確実にクリック感を生じさせることができる。
また、第一ヒンジ部84の長さM(L)は、高剛性部88の長さm1(l1)及び低剛性部87の長さm2(l2)を合わせた長さよりも短くなっているため、鍵8が押鍵されて高剛性部88は突起部29により押し上げられた際に、高剛性部88の先端部が重なり合っている低剛性部87の先端部を乗り越えて上側に位置するため、確実にクリック感を生じさせることができる。
また、鍵8がある程度押し下げられたときに下側から第二ヒンジ部85と接触する突起部29が設けられているため、押下部に加えられた押し下げ力を効率的に第二ヒンジ部85に伝えて、第二ヒンジ部85の変形を早期に発生させることができる。これにより、装置内部のスペースの関係等により、鍵8自身が少ない鍵ストロークしかとれないような場合でも、確実にクリック感を発生させることができる。
また、突起部29は、第二ヒンジ部85のうち、高剛性部88に当接する位置に配置されているため、鍵8が押鍵された際に突起部29が高剛性部88を押し上げ、高剛性部88の先端部が低剛性部87の先端部を乗り越えてクリック感を生じさせることができる。
なお、本実施形態においては、操作子が鍵盤楽器における鍵である場合を例として説明したが、操作子は鍵盤楽器における鍵に限定されない。
例えば、操作子は図9に示すような電子管楽器9の操作ボタンであってもよい。
この場合には、図10に示すように、操作子91は、一端側が演奏者によって押下される押下部92であり、他端側が楽器本体部90に固定された固定部93となっている。そして、操作子91は、押下部92と固定部93との間を接続するヒンジ部94を備え、このヒンジ部94は、剛性を有する第一ヒンジ部95と、湾曲又は屈曲形成された第二ヒンジ部96と、から構成される。そして、この第二ヒンジ部96は、ヒンジ部94の下側に突出する初期位置に位置する状態からヒンジ部94の上側に突出する状態まで弾性変形可能に構成され、押下部92の非押下時においては、第二ヒンジ部96が弾性力によって下方に向けて撓み、押下部92の押下時においては、楽器本体部90上に設けられている突起部99により第二ヒンジ部96が下側から押し上げられることにより第二ヒンジ部96が弾性力に抗して反対側に撓むように構成される。
操作子91をこのような構成とすることにより、別部材を用いることなく、装置コストを抑えながら、演奏者の指に鍵8のクリック感を伝えることができ、操作子91が確実に押されているという安心感を演奏者に与えることができる。
また、第1の実施形態におけるヒンジ部33にも第2の実施形態におけるヒンジ部83と同様に、第一ヒンジ部41の端部と高剛性部45の端部とに溝部を設けてもよい。溝部を設けることによって、演奏者が鍵3を押下した際に、鍵3がより少ない力で滑らかに下方に撓むようにすることができる。
なお、その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
1 鍵盤シャーシ
3 鍵
29 突起部
31 押下部
32 固定部
33 ヒンジ部
34 スイッチ押圧部
41 第一ヒンジ部
42 第二ヒンジ部
43 スリット
44 低剛性部
45 高剛性部
100 鍵盤楽器

Claims (13)

  1. 一端側に形成された押下部と、
    他端側に形成され、鍵盤シャーシに固定された固定部と、
    前記押下部と前記固定部との間を接続するヒンジ部と、を備え、
    前記ヒンジ部は、剛性を有する第一ヒンジ部と、この第一ヒンジ部とスリットを隔てて配置され湾曲又は屈曲形成された第二ヒンジ部と、から成り、
    当該第二ヒンジ部は、前記ヒンジ部の下側に突出する初期位置に位置する状態から前記ヒンジ部の上側に突出する状態まで弾性変形可能に構成され、
    非押鍵時においては、前記第二ヒンジ部が弾性力によって下方に向けて撓み、押鍵時においては、前記第二ヒンジ部が上方に向けて撓むことを特徴とする鍵構造。
  2. 押鍵時において、前記第二ヒンジ部は、前記鍵盤シャーシ上に設けられている突起部により下側から押し上げられ、これにより前記第二ヒンジ部が弾性力に抗して反対側に撓むように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鍵構造。
  3. 前記第二ヒンジ部は、前記固定部の側に位置し剛性の低い低剛性部と、この低剛性部よりも剛性が高く前記押下部の側に位置する高剛性部と、が前記ヒンジ部の延在方向に連設されて成り、
    押鍵時においては、前記第二ヒンジ部のうち、前記低剛性部が可逆的に前記ヒンジ部の上側に撓むように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍵構造。
  4. 前記第二ヒンジ部は、前記固定部の側に位置し剛性が低く前記ヒンジ部の下側に突出する状態から前記ヒンジ部の上側に突出する状態まで遷移可能な低剛性部と、この低剛性部よりも剛性が高く前記押下部の側に位置しその先端部が前記低剛性部の先端部と重なり合う高剛性部と、から成り、
    押鍵時においては、前記第二ヒンジ部のうち、前記高剛性部が前記低剛性部を下側から押し上げるとともに、前記高剛性部の先端部が前記低剛性部の先端部を乗り越えて上側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍵構造。
  5. 前記第一ヒンジ部の長さは、前記高剛性部の長さ及び前記低剛性部の長さを合わせた長さよりも短いことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の鍵構造。
  6. 鍵盤シャーシに複数の鍵が配置された鍵盤構造であって、
    前記鍵は、その一端側に形成された押下部と、前記鍵の他端側に形成され前記鍵を前記鍵盤シャーシに固定する固定部と、前記押下部と前記固定部との間を接続するヒンジ部と、を備え、
    前記ヒンジ部は、剛性を有する第一ヒンジ部と、この第一ヒンジ部とスリットを隔てて配置され湾曲形成された第二ヒンジ部と、から成り、
    当該湾曲形成された第二ヒンジ部は、非押鍵時において下方に撓んで前記ヒンジ部の下側に突出する状態となるとともに、押鍵時においては上方に撓むことにより、前記ヒンジ部の上側に突出した状態になるように弾性変形可能に構成されていることを特徴とする鍵盤構造。
  7. 前記鍵盤シャーシ上に、押鍵時において前記第二ヒンジ部の下側から当接して前記第二ヒンジ部を前記ヒンジ部の上側に押し上げる突起部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の鍵盤構造。
  8. 前記第二ヒンジ部は、剛性の低い低剛性部と、この低剛性部よりも剛性の高い高剛性部と、から成り、
    押鍵時においては、前記第二ヒンジ部のうち、前記低剛性部が可逆的に前記ヒンジ部の上側に撓むように構成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の鍵盤構造。
  9. 前記第二ヒンジ部は、剛性の低い低剛性部と、この低剛性部よりも剛性の高い高剛性部と、から成り、
    前記高剛性部と、前記低剛性部とは分離されており、
    前記高剛性部の先端部と前記低剛性部の先端部とは互いに重なり合い、
    押鍵時においては、前記高剛性部の先端部が前記低剛性部の先端部を下側から押し上げるとともに、前記高剛性部の先端部が前記低剛性部の先端部を乗り越えて前記低剛性部の上側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の鍵盤構造。
  10. 前記第一ヒンジ部の長さは、前記高剛性部の長さ及び前記低剛性部の長さを合わせた長さよりも短いことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の鍵盤構造。
  11. 前記突起部は、前記第二ヒンジ部のうち、前記高剛性部に当接する位置に配置されていることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の鍵盤構造。
  12. 一端側に形成された押下部と、
    他端側に形成され、楽器本体部に固定された固定部と、
    前記押下部と前記固定部との間を接続するヒンジ部と、を備え、
    前記ヒンジ部は、剛性を有する第一ヒンジ部と、湾曲又は屈曲形成された第二ヒンジ部と、から成り、
    当該第二ヒンジ部は、前記ヒンジ部の下側に突出する初期位置に位置する状態から前記ヒンジ部の上側に突出する状態まで弾性変形可能に構成され、
    前記押下部の非押下時においては、前記第二ヒンジ部が弾性力によって下方に向けて撓み、前記押下部の押下時においては、前記第二ヒンジ部が上方に向けて撓むことを特徴とする操作子構造。
  13. 前記押下部の押下時において、前記第二ヒンジ部は、前記楽器本体部上に設けられている突起部により下側から押し上げられ、これにより前記第二ヒンジ部が弾性力に抗して反対側に撓むように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の操作子構造。
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