JP2019026810A - ポリオキシメチレン樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、ポリオキシメチレン樹脂組成物の開示はなされておらず、特許文献2に記載の組成物は、ポリオキシメチレン樹脂組成物に特有の課題である熱滞留時の安定性の点で、改善の余地を有していた。
また、特許文献3に記載の組成物は、耐衝撃性と剛性の両立の点、成形機などでの熱滞留時の安定性の点、摺動特性の点で、改善の余地を有していた。
また、特許文献4に記載の技術も、摺動性や成形機などでの熱滞留時の安定性の点で、改善の余地を有していた。
〔1〕
(A)ポリオキシメチレン樹脂100質量部と、(B)改質材0.5〜50質量部とを含有し、
前記(B)改質材は、(b−1)熱可塑性ポリウレタン及び(b−2)グラフトゴム共重合体を含み、
前記(b−2)グラフトゴム共重合体は、2層以上の構造を有する、
ことを特徴とする、ポリオキシメチレン樹脂組成物。
〔2〕
前記(b−2)グラフトゴム共重合体は、ICP−MS分析におけるSi元素の量が1〜25質量%である、項目〔1〕に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
〔3〕
前記(b−1)熱可塑性ポリウレタンがエステル系ポリウレタンである、項目〔1〕又は〔2〕に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
〔4〕
前記エステル系ポリウレタンは、イソシアネート成分を1としたときのエステル成分の比率(mol比)が4〜5であり、かつポリオール成分の比率(mol比)が5〜6である、項目〔3〕に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
〔5〕
前記エステル系ポリウレタンが、2種のポリオール成分を含む、項目〔3〕又は〔4〕に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
〔6〕
前記(b−2)グラフトゴム共重合体は、シリコーン/アクリル系重合体を含み、かつ、ICP−MS分析におけるSi元素の量が2〜10質量%である、項目〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
〔7〕
硫酸イオンの濃度が0.01〜0.2ppmである、項目〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
〔8〕
前記(A)ポリオキシメチレン樹脂は、メルトフローレートが0.1〜60g/10分である、項目〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
〔9〕
ペレット形状である、項目〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
〔10〕
項目〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物からなることを特徴とする、成形体。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、(A)ポリオキシメチレン樹脂100質量部と、(B)改質材0.5〜50質量部とを含有し、上記(B)改質材は、(b−1)熱可塑性ポリウレタン及び(b−2)グラフトゴム共重合体を含み、上記(b−2)グラフトゴム共重合体は、2層以上の構造を有する、ことを特徴とする。また、本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、任意成分として、(C)着色剤、その他の添加剤を含有してもよい。
以下、本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物を構成する各成分について、詳述する。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物が含有する(A)ポリオキシメチレン樹脂(本明細書において、(A)成分、又は(A)などと記載する場合がある。以下、(B)成分、(b−1)成分、(b−2)成分、(C)成分についても同様である。)について、詳細に説明する。
また、具体的に、ポリオキシメチレンコポリマーとしては、ホルムアルデヒド単量体、若しくは、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)又は4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、コモノマーとしての環状エーテル又は環状ホルマールとを共重合させて得られるポリオキシメチレンコポリマーが挙げられる。ここで、環状エーテル又は環状ホルマールとしては、エチレンオキサイド;プロピレンオキサイド;エピクロルヒドリン;1,3−ジオキソラン;1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコール又はジグリコールの環状ホルマール;等が挙げられる。
第4級アンモニウム化合物の使用量=P×14/Q ・・・ (6)
直接的測定では、以下に限定される方法ではないが、1H−NMR及び13C−NMR等の二次元NMR、プレサチュレーション法、WET法等により、直接観測することができる。
間接的測定では、以下に限定される方法ではないが、(A)ポリオキシメチレン樹脂をNMR測定溶媒に溶解させ、次いで、末端部のOH基に反応しうるシリル化剤等を用いて誘導体化した後に、測定することができる。
なお、上記の粘度は、ツインキャピラリーレオメーター(マルバーン社製、ロザンド、RH10)等によって測定することができ、所定の温度及びシェアレートで、適宜測定することができる。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、(B)改質材を含有する。また、(B)改質材は、(b−1)熱可塑性ポリウレタン及び(b−2)グラフトゴム共重合体を含み、(b−2)グラフトゴム共重合体は、2層以上の構造を有する。
同様の観点から、本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物における、(A)成分100質量部に対する(B)成分の含有量は、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましく、また、45質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましく、35質量部以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性ポリウレタンとは、主鎖にウレタン結合を有する高分子化合物であり、かつ熱可塑的に処理することができるエラストマーである。高分子の構造としては、例えば、剛直なウレタンセグメント(ハードセグメント)と柔軟なジオールセグメント(ソフトセグメント)とから構成されるマルチブロックコポリマーが挙げられる。
なお、上記のエステル成分は、カルボン酸成分とイソシアネート成分とが反応することで生成する成分を指す。
グラフトゴム共重合体とは、コアシェルゴムであり、コア層と、コア層を覆う1層以上のシェル層とから構成される重合体である。ここで、シェル層の層数は、特に限定されるものではなく、2層以上であってもよい。
(b−2)グラフトゴム共重合体全体を100質量部としたときのコア層の質量比は、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましい。コア層の質量比を上記下限以上とすることで、(b−2)グラフトゴム共重合体同士の鎖の絡み合いが少なくなり、分散性をより向上させることができる。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、付加的成分(任意成分)として、(C)着色剤を含有してもよい。ここで、(C)着色剤とは、可視光の吸収、散乱、反射等の作用により外観に変化をもたらす物質をいう。
なお、上記「金属の酸化物」は、鉄、亜鉛若しくはチタンから選ばれる2種以上の金属からなる「複合金属酸化物」も包含する。
なお、(C)着色剤のモース硬度は、モース硬度計により測定することができる。
同様の観点から、本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物における(A)ポリオキシメチレン樹脂100質量部に対する(C)着色剤の含有量は、2.5質量部以下であることがより好ましく、2.0質量部以下であることがさらに好ましく、1.5質量部以下であることが一層好ましく、1.0質量部以下であることが特に好ましく、0.8質量部以下であることが最も好ましく、また、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることが更に好ましい。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、付加的成分(任意成分)として、従来公知の、ポリオキシメチレン樹脂組成物に使用されている各種安定剤などの添加剤を含有することができる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホルムアルデヒドやギ酸などの捕捉剤としては、以下に限定されるものではなく、例えば、メラミンやポリアミド系樹脂といったホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物及びその重合体、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、及びカルボン酸塩が挙げられる。具体例としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、硼酸カルシウム、及び脂肪酸カルシウム塩(ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム等)が挙げられる。上記脂肪酸カルシウム塩における脂肪酸は、ヒドロキシル基で置換されていてもよい。
また、(A)ポリオキシメチレン樹脂100質量部に対する捕捉剤、例えばホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体の含有量は、0.1〜3質量部であることが好ましい。
また、(A)ポリオキシメチレン樹脂100質量部に対する補足剤、例えばアルカリ土類金属の脂肪酸塩の含有量は、0.1〜1質量部であることが好ましい。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、硫酸イオンの濃度が0.01〜2.0ppmであることが好ましい。ポリオキシメチレン樹脂組成物における硫酸イオンの濃度が0.01ppm以上であれば、溶融混練時に意図的にミクロボイドを形成することが可能であるため好ましく、また、2.0ppm以下であれば、熱安定性をより向上させることができる。同様の観点から、ポリオキシメチレン樹脂組成物における硫酸イオンの濃度は、1.0ppm以下であることがより好ましく、0.8ppm以下であることがさらに好ましく、0.7ppm以下であることが一層好ましく、0.6ppm以下であることが特に好ましく、また、0.02ppm以上であることがより好ましく、0.03ppm以上であることがさらに好ましく、0.04ppm以上であることが一層好ましい。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、例えば、所定量の(A)ポリオキシメチレン樹脂及び(B)改質材、並びに必要に応じて(C)着色剤、その他の添加剤を、溶融混練することにより得ることができる。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物及び当該ポリオキシメチレン樹脂組成物からなる成形体は、耐衝撃性が要求される用途に好適に使用可能である。具体的には、以下に限定されるものではないが、例えば、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギア等のギア、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受け、及びガイド等に代表される機構部品;アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンター、及び複写機に代表されるオフィスオートメーション機器用部品;デジタルビデオカメラ、及びデジタルカメラ等の映像機器用部品;CD、DVD、Blu−ray(登録商標) Disc、その他光デイスクのドライブ;ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像又は情報機器、携帯電話及びファクシミリに代表される通信機器用部品;電気機器用部品;電子機器用部品等が挙げられる。
(A)ポリオキシメチレン樹脂を、それぞれ下記に示すようにして調製するとともに、(b−1)熱可塑性ポリウレタン及び(b−2)グラフトゴム共重合体として、下記に示すものを用いた。
熱媒を通すことができるジャッケット付きの二軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8(L:重合機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:重合機の内径(m)。)を、80℃に調整した。この重合機に、トリオキサンを4kg/時間、コモノマーとしての1,3−ジオキソランを200g/時間、連鎖移動剤としてのメチラールをトリオキサン1モルに対して1.8×10-3モルの量で連続的に添加した。
熱媒を通すことができるジャッケット付きの二軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8(L:重合機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:重合機の内径(m)。)を、80℃に調整した。この重合機に、トリオキサンを4kg/時間、コモノマーとしての1,3−ジオキソランを200g/時間、連鎖移動剤としてのメチラールをトリオキサン1モルに対して1.10×10-3モルの量で連続的に添加した。
熱媒を通すことができるジャッケット付きの二軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8(L:重合機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:重合機の内径(m)。)を、80℃に調整した。この重合機に、トリオキサンを4kg/時間、コモノマーとしての1,3−ジオキソランを200g/時間、連鎖移動剤としてのメチラールをトリオキサン1モルに対して3.0×10-3モルの量で連続的に添加した。
繰り返しのハードセグメントとソフトセグメントとで構成されている、市販のエステル系ポリウレタン(ESTANE:登録商標)を用いた。各組成のmol比は、ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート成分):アジピン酸(エステル成分):テトラメチレングリコール(ポリオール成分):エチレングリコール(ポリオール成分)=1:4.5:3.3:2.2であった。
繰り返しのハードセグメントとソフトセグメントとで構成されている、市販のエーテル系ポリウレタン(RESAMINE:登録商標)を用いた。各組成のmol比は、ジフェニルメタンジイソシアネート:テトラメチレングリコール=1:8.8であった。
繰り返しのハードセグメントとソフトセグメントとで構成されている、市販のカプロラクトン系ポリウレタン(ミラクトラン:登録商標)を用いた。各組成のmol比は、ジフェニルメタンジイソシアネート:テトラメチレングリコール:ポリカプロラクトンポリオール=1:1:3であった。
これらは、WO2011125540公報などに記載の方法で調整可能である。
市販のメタブレンS2100を用いた。このグラフトゴム共重合体のSi元素の量は、2.9質量%であった。
市販のメタブレンS2006を用いた。このグラフトゴム共重合体のSi元素の量は、3.5質量%であった。
市販のメタブレンS2030を用いた。このグラフトゴム共重合体のSi元素の量は、11.1質量%であった。
市販のKANE ACE MR−01を用いた。このグラフトゴム共重合体のSiの元素量は、27質量%であった。
市販のメタブレンC223Aを用いた。
市販のメタブレンE875Aを用いた。
市販のKANE ACE FM−53を用いた。
以下の手順に従って、ポリオキシメチレン樹脂組成物の調製及び成形体の作製を行った。
表1及び表2に示される配合処方に従い、押出機(東芝機械(株)製TEM−26SS押出機(L/D=48、ベント付き)を用いて、シリンダー温度をすべて200℃に設定し、(A)成分の90質量部相当のペレットと、(b−2)成分とを、それぞれ押出機トップのメインスロート部より単独で定量フィーダーから供給した。また、(A)成分の10質量部相当のペレットと、(b−1)成分とを、それぞれ押出機サイド部より単独で定量フィーダーから供給した。場合により、(C)成分、その他の添加剤等の付加的成分を、(A)成分の90質量部相当のペレットと一括混合し、押出機トップのメインスロート部より単独で供給した。押出量15kg/時間、スクリュー回転数150rpmの条件で樹脂混練物をストランド状に押出し、ストランドバスにて急冷し、ストランドカッターで切断し、ペレット形状のポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。
得られたペレット形状のポリオキシメチレン樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械(株)製、EC−75NII)を用いて、シリンダー温度を205℃、金型温度を60℃に設定し、射出時間35秒、冷却時間15秒の射出条件で成形することにより、ISO294−1に準拠した多目的試験片(成形体)を得た。
得られたペレット形状のポリオキシメチレン樹脂組成物又は多目的試験片を用いて、以下の手順に従って各種特性を評価した。
得られた多目的試験片を用いて、ISO179−1に準拠して測定を行った。結果を表1及び表2に示す。値が大きいほど、耐衝撃性に優れると判断した。
得られた多目的試験片を用いて、ISO527に準拠して測定を行った。結果を表1及び表2に示す。値が大きいほど、剛性に優れると判断した。
ボールオンディスク型往復動摩擦摩耗試験機(AFT−15MS型、東洋精密(株)製)を用いて、23℃、湿度50%の環境下で、荷重19.6N、線速度30mm/sec、往復距離20mm、往復回数1万回の条件で、得られた多目的試験片の表面における摺動試験を実施した。ボール材料としては、SUS304ボール(直径5mmの球)を用いた。往復回数1万回に到達した時の摩擦係数を測定した。結果を表1及び表2に示す。値が小さいほど、摺動性に優れると判断した。
得られたペレット形状のポリオキシメチレン樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械(株)製、EC−75NII)を用いて、シリンダー温度を210℃、金型温度を30℃に設定し、射出時間35秒、冷却時間15秒の射出条件で成形することにより、ISO294−1に準拠した多目的試験片(成形体)を得た。10ショット成形した後、シリンダー内に樹脂を可塑化した状態で、ヒーター加熱は続けたままで成形動作を停止し、所定時間停止後、再度成形を開始し、最初の成形体へのシルバーストリークスの発生状況を確認した。シルバーストリークスの発生状況の確認は、成形機の停止時間10分、20分、30分、40分、50分で実施した。そして、シルバーストリークスが成形体の表面全面に現れた時間を、シリンダー内での熱滞留限界時間とした。結果を表1及び表2に示す。限界時間が長いほど、熱滞留時の安定性に優れると評価した。
得られた多目的試験片を用いて、長期熱安定性評価を実施した。具体的には、多目的試験片を145℃環境下のギヤオーブンに入れて、35日間高熱環境下に暴露した。35日後に取り出し、24時間後にISO527−1に準拠した方法で引張強度の測定を行った。暴露前の引張強度と、暴露後の引張強度とを比較し、強度保持率を算出した。結果を表1及び表2に示す。この値が100に近いほど、優れていると判断した。
Claims (10)
- (A)ポリオキシメチレン樹脂100質量部と、(B)改質材0.5〜50質量部とを含有し、
前記(B)改質材は、(b−1)熱可塑性ポリウレタン及び(b−2)グラフトゴム共重合体を含み、
前記(b−2)グラフトゴム共重合体は、2層以上の構造を有する、
ことを特徴とする、ポリオキシメチレン樹脂組成物。 - 前記(b−2)グラフトゴム共重合体は、ICP−MS分析におけるSi元素の量が1〜25質量%である、請求項1に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 前記(b−1)熱可塑性ポリウレタンがエステル系ポリウレタンである、請求項1又は2に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 前記エステル系ポリウレタンは、イソシアネート成分を1としたときのエステル成分の比率(mol比)が4〜5であり、かつポリオール成分の比率(mol比)が5〜6である、請求項3に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 前記エステル系ポリウレタンが、2種のポリオール成分を含む、請求項3又は4に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 前記(b−2)グラフトゴム共重合体は、シリコーン/アクリル系重合体を含み、かつ、ICP−MS分析におけるSi元素の量が2〜10質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 硫酸イオンの濃度が0.01〜0.2ppmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 前記(A)ポリオキシメチレン樹脂は、メルトフローレートが0.1〜60g/10分である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- ペレット形状である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物からなることを特徴とする、成形体。
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