JPH04339851A - ポリアセタール樹脂組成物構造体及びその製造法 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物構造体及びその製造法

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JPH04339851A
JPH04339851A JP3253160A JP25316091A JPH04339851A JP H04339851 A JPH04339851 A JP H04339851A JP 3253160 A JP3253160 A JP 3253160A JP 25316091 A JP25316091 A JP 25316091A JP H04339851 A JPH04339851 A JP H04339851A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアセタール樹脂と熱
可塑性ポリウレタン樹脂を配合するいわゆるポリマーブ
レンド系において、簡易な手法により両者が相互に侵入
して網目構造体を形成する方法及びそれによって物性等
の改善されたポリアセタール樹脂組成物構造体に関する
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
セタール樹脂は耐薬品性に優れ、機械的諸物性のバラン
スもとれた樹脂として知られており、種々の分野で広く
使用されている。近年、ポリアセタール樹脂の性能を更
に向上させる目的で、種々の他のポリマーのブレンドも
行われている。例えば耐衝撃性改良のためにポリアセタ
ール樹脂に熱可塑性ポリウレタン樹脂を混合することが
知られており、斯かる成形品は電気・電子機器や自動車
等の靱性を要する部品に使用されている。ところが熱可
塑性ポリウレタン樹脂の添加は、ポリアセタール樹脂に
対する分散性不良のため、成形品表面を粗くさせたり、
ウエルド強度、伸度の著しい低下をもたらすといった問
題を有している。そのため、従来のポリアセタールと熱
可塑性ポリウレタンのブレンド系では、外観が重視され
る製品や、ウエルドが生じる複雑な形状の製品への適用
が困難であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
に鑑み、ポリアセタール樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹
脂とのポリマーブレンドにおけるその分散性向上につき
鋭意検討の結果、他の成分(充填剤)を含めた各成分の
配合量、充填剤の種類及び粒径、並びに各成分間の表面
張力の大小関係に着目し、これを調整することにより簡
易な手法で両成分が相互に侵入した網目構造体が形成さ
れ、このようにして得たポリアセタール樹脂組成物構造
体は耐衝撃性に優れ、且つポリアセタール樹脂の本来有
する優れた成形品の表面状態を示し、特にウエルド強伸
度等の機械的諸物性が改善されることを見出し、本発明
に到ったものである。即ち、本発明はポリアセタール樹
脂A、ブタジエン系グラフト共重合体からなる平均径が
0.05〜10μm の粒子状充填剤B、及び熱可塑性
ポリウレタン樹脂Cの配合量が式(1) 、(2) 及
び(3) の範囲内にある樹脂組成物からなり、ポリア
セタール樹脂Aと熱可塑性ポリウレタン樹脂Cが相互に
侵入して網目状に分散したポリアセタール樹脂組成物構
造体を提供するものである。 C/(A+C)= 0.03〜0.45(重量比) (
1)(B+C)/(A+B+C) = 0.03 〜0
.6(重量比)(2)C/(B+C)= 0.05〜0
.95(重量比) (3)先ず、本発明で言うポリアセ
タール樹脂相互侵入網目構造体について説明すると、図
1、2は従来のポリマーブレンド系における粒子分散形
態を表す模式図であり、マトリックス樹脂であるポリア
セタール樹脂Aに比し比較的含量の少ない熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂Cは分離した粒子状又は層状に分散した形
態を示している。これに対し、図3、4は本発明の相互
侵入網目構造形態を表す模式図であり、この構造では、
熱可塑性ポリウレタン樹脂Cの中にブタジエン系グラフ
ト共重合体粒子Bが包含されており、熱可塑性ポリウレ
タン樹脂Cの含量が比較的少ないにもかかわらず、ポリ
アセタール樹脂Aと熱可塑性ポリウレタン樹脂Cは互い
の相がネットワークを形成し、絡み合った構造となって
、実質上共に連続相を形成している。即ち、本発明では
ポリアセタール樹脂Aに対し熱可塑性ポリウレタン樹脂
Cの少なくとも一部有効量が、一般には大部分が互いに
実質上連続した網目状分散構造を呈し、かかる分散構造
を呈することに本発明の特徴があり、従来の単純な2成
分配合の場合の粒子状に分離した分散に基づく欠点を改
良したのである。
【0004】かかる分散構造は、形成した構造体、例え
ば成形片を適度に粉砕又は切断し、酸溶液にてマトリッ
クスであるポリアセタール樹脂Aを分解除去することに
よって確認することができる。熱可塑性ポリウレタン樹
脂Cが網目状に分散している場合にはマトリックスAを
分解除去した後も、そのままの形状を保持しているのに
対し、粒子状に分離して分散いる場合には、形態が崩れ
原形を留めないことでもわかる。又、かかるマトリック
スの分解処理後、適当な篩で分離することによって網目
状に存在した部分を略定量的に知ることも出来る。かか
る相互侵入網目構造は、ポリアセタール樹脂A、ブタジ
エン系グラフト共重合体粒子B、熱可塑性ポリウレタン
樹脂Cの3成分を溶融混練することにより、表面張力の
関係でC成分中にB成分粒子が選択的に多数包含され、
混練による剪断力によりB成分粒子の移動分散に連動し
てC成分も枝状に延び、且つ接触し連結して網目状構造
が形成されるものと解される。このためには、A、B及
びCの各成分の溶融混練温度における相対的表面張力の
関係が、下記(4) 式の如く、 AS <CS <BS     (4)(但し、AS 
、CS 及びBS は夫々A、C及びBの溶融混練温度
における表面張力を示す。)成分Cの表面張力がマトリ
ックスAより大であり、粒子成分Bは更に成分Cより大
であることが必要であり、その表面張力差は大きい程好
ましい。実際上はA、C成分の表面張力差が2dyn/
cm以上、更にB、C成分の表面張力差も2dyn/c
m以上であることが望ましいが、本発明における各成分
の表面張力値は溶融混練温度において、通常ポリアセタ
ール樹脂(A成分)の表面張力は18〜23dyn/c
mであり、熱可塑性ポリウレタン樹脂(C成分)は一般
に24〜32dyn/cm の表面張力を有し、ブタジ
エン系グラフト共重合体粒子(B成分)は一般に少なく
とも32dyn/cm 以上であって、充分上記の表面
張力関係を満足している。尚、表面張力の測定法として
は、熱可塑性樹脂の場合、一般に広く利用されているよ
うに、その溶融混練温度での懸滴法で評価することがで
きる。ここで懸滴法とは、管を垂直に立て、その内面に
入れた液体が滴となって管端にぶら下がった状態の滴の
形状から、液体の表面張力を求める方法である。尚、溶
融しないもの(B成分)に対しては、ジスマンプロット
法で算出した接触角法で臨界表面張力を求めることがで
きる。
【0005】又、本発明における相互侵入網目構造を形
成するためには、粒子成分Bの粒径も重要である。粒径
が大き過ぎるとC成分によって充分包含されず緻密な網
目構造を形成し難く、又、小さ過ぎるとほとんどC成分
の変形網状化に寄与しなくなる。そのため充填剤成分B
の平均粒径は0.05〜10μm 、好ましくは0.0
8〜5μmである。
【0006】次に本発明においてA、B、Cの3成分の
配合比は下記の条件を満足することが必要である。 C/(A+C)= 0.03〜0.45(重量比) (
1)(B+C)/(A+B+C) = 0.03 〜0
.6(重量比)(2)C/(B+C)= 0.05〜0
.95(重量比) (3)即ち、本発明の目的であるポ
リアセタール樹脂の特長を生かす観点から、成分Cは成
分Aよりも少なく、成分Cが比較的低配合下でも網目状
の分散形態を形成する点に本発明の特徴と利点がある。 しかし成分Cがあまりに過少になると本発明の目的とす
る網目状の分散形態の形成が困難になる。又、成分Bの
量も網目構造の発現には自ずから限界があり、これもあ
まり過少でも過大でも好ましくない。従って本発明の目
的とするポリアセタール樹脂の特長を生かし、しかも成
分A、Cが相互に網目構造を発現するためには成分A、
B、Cの配合比が上記式(1)、(2) 及び(3) 
の何れをも満足することが肝要であり、特に好ましい配
合比は次の範囲内にある場合である。 C/(A+C)= 0.05〜0.40(重量比)(B
+C)/(A+B+C) = 0.05 〜0.40(
 重量比)C/(B+C)= 0.25〜0.95(重
量比)次に本発明の各成分について説明する。本発明で
用いられるA成分のポリアセタール樹脂とは、オキシメ
チレン基(−CH2O−) を主たる構成単位とする高
分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、オキ
シメチレン基以外に他の構成単位を少量含有するコポリ
マー、ターポリマー、ブロックコポリマーの何れにても
よく、又、分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有す
るものであってもよい。又、その重合度に関しても特に
制限はなく、溶融加工性を有するものであれば何れにて
もよい。
【0007】次に、本発明で用いられるC成分の熱可塑
性ポリウレタン樹脂とは前記の如く溶融混練時の表面張
力値が上記ポリアセタール樹脂Aのそれより大なるもの
で、下記 (i)、(ii)及び(iii) を主たる
構成成分とする熱可塑性重合体である。 (i)ジイソシアネート化合物 (ii) 分子量が500〜5000の高分子量ポリオ
ール(iii)分子量が60〜500 の低分子量ポリ
オール及び/又はポリアミン ここで熱可塑性ポリウレタン樹脂Cを構成する(i) 
のジイソシアネート化合物とは、例えば1,4 −ブチ
レンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、シクロペンチレン−1,3 −ジイソシア
ネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシレ
ン−1,4 −ジイソシアネート、2,4 −トリレン
ジイソシアネート、2,6 −トリレンジイソシアネー
ト、2,4 −トリレンジイソシアネートと2,6 −
トリレンジイソシアネートとの異性体混合物、4,4’
−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,2 
−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイ
ソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,4 −
ナフチレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート
、アゾベンゼン−4,4’−ジイソシアネート、m−ま
たはp−テトラメチルキシレンジイソシアネートおよび
1−クロロベンゼン−2,4 −ジイソシアネートを包
含する。好ましくは4,4’−メチレンビス(フェニル
イソシアネート)、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,4 −トリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート等である。次に熱可塑性ポリウレ
タン樹脂Cの構成成分である (ii) の高分子量ポ
リオールは分子量が500〜5000、好ましくは10
00〜3000で、ポリウレタンの軟質セグメントを形
成する成分である。斯かる高分子量ポリオールとしては
主として両末端に水酸基を有するポリエステルジオール
(ポリ炭酸エステルジオールを含む)、ポリエーテルジ
オール等であり、その一部少量がトリオール等であって
もよい。適当なポリエステルジオールは、1種または2
種以上の2価のアルコールと1種または2種以上のジカ
ルボン酸とから構成されるポリエステルジオールである
。これを構成する適当なジカルボン酸は、アジピン酸、
コハク酸、セバシン酸、スベリン酸、メチルアジピン酸
、グルタル酸、アゼライン酸、チオジプロピオン酸およ
びシトラコン酸および少量の芳香族ジカルボン酸を含有
する混合物等が挙げられる。又、他の構成成分として適
当な2価のアルコールは、1,3 −又は1,2−プロ
ピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、1,3
 −ブタンジオール、2−メチルペンタンジオール、1
,5 −ジエチレングリコール、1,5 −ペンタンジ
オール、1,6 −ペンタンジオール、1,12−ドデ
カンジオールおよびそれらの混合物等が挙げられる。さ
らに、ヒドロキシルカルボン酸、ラクトン、およびカー
ボネート、たとえばε−カプロラクトンおよび3−ヒド
ロキシル酪酸をポリエステルジオールの構成成分とする
こともできる。好ましいポリエステルジオールは、ポリ
アジピン酸エステルのジオール、ポリラクトンのジオー
ル及びポリ炭酸エステルのジオールである。適当なポリ
エーテルジオールとしては、1種または2種以上のアル
キレングリコール、たとえば、エチレングリコール、1
,2 −又は1,3 −プロピレングリコール、1,4
 −ブタンジオールおよび1,5 −ペンタンジオール
、およびそれらの混合物等の縮合生成物である。適当な
ポリアルキレンエーテルジオールはテトラヒドロフラン
からも製造することができる。さらに、ポリエーテルジ
オールは、コモノマー、ことに不規則コモノマー又はブ
ロックコモノマーとして、エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシドおよび/またはテトラヒドロフラン(THF
)から誘導されたエーテルグリコールであってもよく、
少量の3−メチルTHF とTHF ポリマーエーテル
コポリマーを使用することもできる。特に好ましいポリ
エーテルジオールは、ポリ(テトラメチレンエーテル)
グリコール(PTMEG)、ポリ(プロピレンオキシド
)グリコール、プロピレンオキシドとエチレンオキシド
とのコポリマー、およびテトラヒドロフランとエチレン
オキシドとのコポリマーであり、より好ましくはポリ(
テトラメチレンエーテル)グリコールである。他の適当
なポリマーのジオールは、主鎖が主として炭化水素であ
るもの、たとえばポリブタンジオールであってもよい。 熱可塑性ポリウレタン樹脂Cの構成成分である (ii
i)分子量が60〜500 の低分子量ポリオール及び
/又はポリアミンは、主として脂肪族直鎖ジオール又は
ジアミン、或いは芳香族ジオール又はジアミンから選ば
れた少なくとも1種またはそれ以上で、一部少量のトリ
オールを含有していてもよい。この成分は熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂Cの硬質セグメントとなり、又、鎖延長、
架橋の役割を果たすものである。好ましい低分子量ポリ
オールとしては、1,2 −エタンジオール、1,3 
−プロパンジオール、1,4 −ブタンジオール、1,
5 −ペンタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール
、1,4 −シクロヘキサンジオール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサント
リオール、トリメチロールプロパン、ハイドロキノンジ
エチロールエーテル、レゾルシンジエチロールエーテル
等が挙げられる。より好ましくはエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,2 −エタンジオール、1
,4 −ブタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール
、グリセリン、ハイドロキノンジエチロールエーテル、
レゾルシンジエチロールエーテル又はこれらの誘導体で
ある。又、ポリアミンとしては、ジフェニルメタンジア
ミン、m−フェニレンジアミン又はこれらの誘導体であ
る。斯かる反応生成物からなる熱可塑性ポリウレタン樹
脂は、高分子量ポリオール(ii)1当量に対して、低
分子量ポリオール及び/又はポリアミン (iii)が
約0.2〜5当量の範囲内の量で構成されたポリウレタ
ンが好ましく、 (ii)成分の多いほど軟質となり組
成物の硬度に影響する。
【0008】次に、B成分のブタジエン系グラフト共重
合体としては、前記の通り表面張力がC成分より大きく
、且つその粒径が0.05〜10μmの粒子状であるこ
とが必要である。機械的物性、ウエルド部での物性、成
形品の表面性等を考慮すると、混練温度もしくは押出温
度で溶融しない下記の如き架橋タイプのものが好ましい
。即ち、ブタジエン系重合体にメタクリル酸エステル、
芳香族モノビニル化合物及びシアン化ビニル化合物より
成る群から選ばれたビニル系単量体の1種以上をグラフ
ト共重合せしめたブタジエン系グラフト共重合体である
。更に詳しくは、メタクリル酸エステルとしては炭素数
1〜4のアルキルエステルがよく、特にメチルエステル
が好ましい。芳香族モノビニル化合物としては、例えば
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ハロ
ゲン化スチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、特に
スチレンが好ましい。シアン化ビニル化合物としては、
例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−ハ
ロゲン化アクリロニトリル等が挙げられ、特にアクリロ
ニトリルが好ましい。又、前述の如き安定した網目構造
をとるために表面張力を高くするものとして、グラフト
成分の内、メタクリル酸エステル、芳香族モノビニル化
合物及びシアン化ビニル化合物の割合が10〜90重量
%の重合物が好ましい。特に好ましいのは、メチルメタ
クリレート−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂である
。本発明でB成分として用いられるブタジエン系グラフ
ト共重合体は、塊状重合、懸濁重合、塊状懸濁重合、溶
液重合あるいは乳化重合の何れの方法でも製造できる。
【0009】尚、本発明の樹脂組成物構造体には更にそ
の目的を損なわない範囲で所望の特性を付与するため従
来公知の添加物、例えば滑剤、核剤、染顔料等の着色剤
、離型剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候(光)安定剤、
強化剤、加水分解安定剤、無機又は有機質の繊維状充填
剤、成分B以外の板状又は粒状充填剤、成分A、C以外
の熱可塑性樹脂等の添加剤を配合してもよい。
【0010】本発明の樹脂組成物構造体の調製法は種々
の公知の方法で可能であるが、少なくともA、B、Cの
3成分の共存下で加熱溶融し、30秒以上混練処理する
ことが好ましく、その他の成分も同時に併用配合しても
よく、又、別に加えてもよい。具体的には例えば成分A
、B、Cを予めタンブラー又はヘンシェルミキサーのよ
うな混合機で均一に混合した後、1軸又は2軸の押出機
に供給して溶融混練し、ペレットとした後成形に供して
もよく、直接成形してもよい。尚、ここで言う溶融混練
とは溶融温度において40sec−1以上の剪断速度下
で行うのが望ましい。特に好ましくは100 〜500
sec−1である。処理温度は、樹脂成分が溶融する温
度より5℃乃至100 ℃高い温度であり、特に好まし
くは融点より10℃乃至60℃高い温度である。高温に
過ぎると分解や異常反応を生じ好ましくない。又、溶融
混練処理温度は、30秒以上15分以内、好ましくは1
〜10分である。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアセタール樹脂に
少量の熱可塑性ポリウレタン樹脂を混合した組成物にお
いて、両者が相互に侵入した網目構造を容易に形成でき
、従来の粒状分離分散形態の組成物に比べて、ポリアセ
タール樹脂本来の特徴を維持し、成形品の表面状態が良
好でしかも靱性、耐衝撃性に優れ、特に成形品のウエル
ド強伸度が向上し、極めて有用である。
【0012】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】実施例1〜6、比較例1〜7(A) ポリ
アセタール樹脂(ポリプラスチックス(株)製、ジュラ
コン)、(C)熱可塑性ポリウレタン樹脂(ジフェニル
メタンジイソシアネート−ポリブチレンアジペートジオ
ール−1,4 −ブタンジオール系ポリウレタン、C−
1)、(B) メチルメタクリレート−ブタジエン−ス
チレングラフト共重合体樹脂(MBS樹脂、B−1)(
平均粒径0.3 μm)を表1に示す割合で混合し、設
定温度190 ℃にて30mm二軸押出機でスクリュー
回転数80rpm(剪断速度約100sec−1) で
混練し、ペレット化した。次いで、該ペレットより日精
樹脂工業(株)製成形機でバレル温度190 ℃、金型
温度80℃で成形し、評価した。又、表1(比較例)に
示す本発明の要件を満足しない条件にて実施例と同様に
試験片を作成し評価した。これらの結果を併せて表1に
示す。尚、評価項目及びその測定法は以下の通りである
。 網目構造の確認法 10×10×3 mmの成形片を塩酸エタノール液  
(32N 塩酸:エタノール=1:3(vol))に入
れ、80℃で12時間還流し、肉眼及び光学顕微鏡、電
子顕微鏡により形態変化を観察した。即ち、マトリック
ス樹脂であるポリアセタール樹脂を酸分解、溶出させた
後、この条件では変化しない熱可塑性ポリウレタン樹脂
の分散形態を調べた。 ここで、熱可塑性ポリウレタン樹脂が従来のように粒子
分散であれば、成形片の形態をとどめず、(微)粒子状
の熱可塑性ポリウレタン樹脂が肉眼又は光学顕微鏡で観
察される(図5;比較例2の場合の光学顕微鏡写真)。 これに対し、本発明の如く、ポリアセタール樹脂と熱可
塑性ポリウレタン樹脂が相互侵入網目構造をとっている
場合、成形片はポリウレタン樹脂の形態をとどめており
、これは肉眼又は光学顕微鏡で観察される。更に走査型
電子顕微鏡で拡大して観察すると相互侵入網目構造がよ
り明確に確認できる(図6;実施例1の場合の光学顕微
鏡写真)。又、この網目構造の定量的評価方法として、
前記方法で成形片を酸処理した後、特定の篩で分離し、
残重量%を調べた。粒子状分散部分は篩を通過し残らな
いが、熱可塑性相互侵入網目構造部分は残るため、残重
量%は網目構造部分の(B+C)部分の重量を意味する
。 成形片の物性 成形片のアイゾット衝撃強度(ノッチ付)はASTM 
D256 の方法、引張伸び、ウエルド伸度はASTM
 D638 の方法に準拠して測定した。又、光沢率は
、縦50mm、横100 mm、厚さ3mmの成形片に
て、ASTM D523 の方法に準拠して測定した。 各成分の表面張力の測定法 ポリアセタール樹脂及び熱可塑性ポリウレタン樹脂につ
いては、協和界面科学(株)製自動界面張力計PD−Z
型を使用し、懸滴法(丸善(株)新実験化学講座18巻
「界面とコロイド」(1977)の78〜79頁記載の
方法)で190 ℃の雰囲気で測定した。ポリアセター
ル樹脂は21dyn/cm、熱可塑性ポリウレタン樹脂
は28dyn/cmであった。 又、MBS樹脂については、200 ℃でプレス機によ
りフィルム状に加工し、協和界面科学(株)製自動接触
角計CA−Z型を使用し、接触角法(丸善(株)新実験
化学講座18巻「界面とコロイド」(1977)の93
〜106 頁記載の方法)にて各温度での臨界表面張力
を測定して温度係数を求め、190 ℃でのMBS樹脂
の表面張力(38dyn/cm)を求めた。
【0014】
【表1】 実施例7〜8、比較例8 B成分(B−1) の粒径を表2に示すように変えた場
合について実施例1と同様の試験を行い評価した。結果
を表2に示す。
【0015】
【表2】 実施例9〜11、比較例9 B成分をメチルメタクリレート−ブタジエン−アクリロ
ニトリルグラフト共重合体(MBA樹脂、B−2)に変
え、又、C成分をジフェニルメタンジイソシアネート−
(ポリテトラメチレンエーテル)グリコール−1,4 
−ブタンジオール系ポリウレタン (C−2)に変えた
場合について上記実施例と同様の試験を行い評価した。 結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のブレンド系における粒子分散形態を表す
模式図(平面図)である。
【図2】従来のブレンド系における粒子分散形態を表す
模式図(立体図)である。
【図3】本発明の相互侵入網目構造形態を表す模式図(
平面図)である。
【図4】本発明の相互侵入網目構造形態を表す模式図(
立体図)である。
【図5】比較例2で得られた成形品の酸分解後の粒子構
造を示す光学顕微鏡写真である。
【図6】実施例1で得られた成形品の酸分解後の粒子構
造(網目構造)を示す光学顕微鏡写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ポリアセタール樹脂A、ブタジエン系
    グラフト共重合体からなる平均径が0.05〜10μm
     の粒子状充填剤B、及び熱可塑性ポリウレタン樹脂C
    の配合量が式(1) 、(2) 及び(3) の範囲内
    にある樹脂組成物からなり、ポリアセタール樹脂Aと熱
    可塑性ポリウレタン樹脂Cが相互に侵入して網目状に分
    散したポリアセタール樹脂組成物構造体。 C/(A+C)= 0.03〜0.45(重量比) (
    1)(B+C)/(A+B+C) = 0.03 〜0
    .6(重量比)(2)C/(B+C)= 0.05〜0
    .95(重量比) (3)
  2. 【請求項2】  請求項1記
    載のポリアセタール樹脂組成物構造体を製造するにあた
    り、混練時の温度における相対的表面張力が式(4) 
    を満足する、ポリアセタール樹脂A、ブタジエン系グラ
    フト共重合体からなる充填剤B、熱可塑性ポリウレタン
    樹脂Cの3成分を用い、前記式(1) 、(2) 及び
    (3) を満足する配合量にて溶融混練することを特徴
    とするポリアセタール樹脂組成物構造体の製造法。 AS <CS <BS     (4)(但し、AS 
    、CS 及びBS は夫々A、C及びBの溶融混練温度
    における表面張力を示す。)
  3. 【請求項3】  B成分のブタジエン系グラフト共重合
    体がメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重
    合体樹脂である請求項2記載のポリアセタール樹脂組成
    物構造体の製造法。
  4. 【請求項4】  熱可塑性ポリウレタン樹脂Cが下記 
    (i)、 (ii)及び (iii)を主たる構成成分
    とする熱可塑性の重合体である請求項2又は3記載のポ
    リアセタール樹脂組成物構造体の製造法。 (i)ジイソシアネート化合物 (ii) 分子量が500〜5000の高分子量ポリオ
    ール(iii)分子量が60〜500 の低分子量ポリ
    オール及び/又はポリアミン
  5. 【請求項5】  C成分の溶融混練温度における表面張
    力が24dyn/cm以上であり、B成分のそれが32
    dyn/cm以上である請求項2〜4の何れか1項記載
    のポリアセタール樹脂組成物構造体の製造法。
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