JP2019026675A - 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】エポキシ化植物油(メタ)アクリレートとの相溶性に優れる光硬化性樹脂組成物の提供。【解決手段】式(1)で表されるアリル化合物を重合して得られるアリル重合体(A)とエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)、エチレン性不飽和化合物(C)とを含有する光硬化性樹脂組成物。[nは2〜4の整数;Zはn価の脂環式炭化水素基]【選択図】なし

Description

本発明は、一般式(1)で表されるアリル化合物を重合して得られるアリル重合体(A)、
[式中、nは2〜4のいずれかの整数を表わし、Zはn価の脂環式炭化水素基である。]
エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)、
エチレン性不飽和化合物(C)とを含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物、
並びにその樹脂組成物を含んでなるインキ、塗料に関するものである。
従来、光(紫外線等)により硬化させる種々の樹脂組成物が開示されている。そのような樹脂組成物は、インキ、塗料、接着剤、フォトレジストなどに使用されている。
例えば、紫外線硬化タイプの印刷インキは、硬化速度が早く短時間で硬化できること、溶剤を使わないので環境に適合していること、省資源・省エネルギーであること等の点が高く評価され実用化が広がっている。従来から、紫外線により硬化する印刷インキとしては、アクリレート等のエチレン性不飽和化合物、光開始剤、顔料等を含む種々の組み合わせが提案されている。
しかし、例えば、エチレン性不飽和化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を用いたインキ組成物は、添加される光硬化剤等の添加剤の種類にもよるが、インキ組成物自体の保存安定性がよくないことが一般に知られている。そして、保存安定性を改善するために、ジアリルフタレート樹脂を添加することで解決が図られている(特許文献1)。
また、例えば、エチレン性不飽和化合物として、ポリエチレングリコールジアクリレートを用いて調製された印刷インキは乾燥皮膜上へのスタンプインキの定着及び固着が良いが、印刷インキ単独では耐湿水性が悪いことが知られている。そして、耐湿水性を改善するために、ジアリルフタレート樹脂を添加することで解決が図られている(特許文献2)。
上記のように、ジアリルフタレート樹脂に代表されるイナート樹脂を添加することによって良好な効果が得られている。しかし、印刷インキ用樹脂組成物の主成分であるエチレン性不飽和化合物の種類によってはイナート樹脂の溶解性が悪く、添加後のインキ組成物は未溶解物のために白濁化し、印刷インキとしての適性が低下する。従来のイナート樹脂は、エチレン性不飽和化合物の種類によっては使用不可能であった。
より具体的には、近年、環境保護の観点から、インキ用樹脂組成物中に含まれるエチレン性不飽和化合物として、植物油アクリレート(例えば、エポキシ化大豆油アクリレート等が)頻繁に使用されている。エポキシ化大豆油アクリレートは、植物成分由来のため環境に適している反面、ジアリルフタレート樹脂に対する溶解性が悪いため、樹脂組成物を調製した場合に未溶解物による白濁化が問題点として指摘されている。
特開昭53−69706号公報 特開昭52−4310号公報
本発明の目的は、広範囲なエチレン性不飽和化合物に用いることのできる式(1)で表されるアリル化合物を重合して得られるアリル重合体(A)を用いた光硬化性樹脂組成物を提供することにあり、より具体的には、エポキシ化植物油(メタ)アクリレートを含有するインキ、及び塗料に対して、アリル重合体(A)を添加しても溶解性(相溶性)に優れる光硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、鋭意研究の結果、特定の構造を有するアリル重合体(A)が、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)とエチレン不飽和化合物を組合わせて用いることで、相溶性に優れることを見出し、本発明に完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
項1. 一般式(1)で表されるアリル化合物を重合して得られるアリル重合体(A)と
[式中、nは2〜4のいずれかの整数を表わし、Zはn価の脂環式炭化水素基である。]
エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)、
エチレン性不飽和化合物(C)とを含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
項2. エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)とエチレン性不飽和化合物(C)の比率が1:99〜99:1の範囲であることを特徴とする項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
項3. 前記式(1)表されるアリル化合物が、式(2)〜(9)で表される化合物が、
[式中、nは2〜4のいずれかの整数である。]
で表される化合物の何れかである項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
項4. 更に、光重合開始剤を含有する項1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
項5. 項1〜4の何れかに記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とするインキ。
項6. 項1〜4の何れかに記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする塗料。
項7. オーバープリントワニスである項6に記載の塗料。
本発明によれば、インキ、塗料、接着剤及びフォトレジストの成分として使用した場合
に、特定の構造を有するアリル重合体(A)がエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)とエチレン不飽和化合物(C)を組合わせて用いた際に相溶性に優れるため、光硬化性樹脂組成物として、広範囲の割合で、組成の調整が可能となる。とりわけ、プロピレンオキサイド変性アクリレートやエチレンオキサイド変性アクリレートなどのエチレン性不飽和化合物(C)とエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)を併用して用いた場合、ジアリルフタレート樹脂では実現不可能な光硬化性樹脂組成の配合調整が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
光硬化性樹脂組成物
本発明の光硬化性樹脂組成物は、式(1)で表されるアリル化合物を重合することによって得られるアリル重合体(A)、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)、及びエチレン性不飽和化合物(C)を含有するものである。エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)とエチレン性不飽和化合物(C)を併用することで、アリル重合体(A)との溶解性が得られる。これは、アリル重合体のSP値とエポキシ化植物油(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和化合物の混合物のSP値が近似することによって、溶解性が向上しているものと推測される。
アリル重合体(A)
本発明の光硬化性樹脂組成物には、式(1)で表されるアリル化合物を重合することによって得られるアリル重合体(A)を用いることができる。
[式中、nは2〜4のいずれかの整数を表わし、n価の脂環式炭化水素基である。]
アリル重合体(A)の重量平均分子量は、2,000〜150,000であることが好ましく、5,000〜140,000であることがより好ましい。なお、明細書において、「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(島津製作所製、GPCシステム)を用いて常温で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。アリル重合体(A)のSP値としては、特に限定されないが、8〜12の範囲であればよい。
式(1)で表されるアリル化合物に基づく単量体単位の含有量は、アリル重合体(A)100重量%中、20重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることが更に好ましく、98重量%以上であることが特に好ましく、100重量%であってもよい。
光硬化性樹脂組成物におけるアリル重合体(A)の含有量は、光硬化性樹脂組成物全量に対して、1〜60重量%であることが好ましく、1〜50重量%であることがより好ましく、5〜45重量%であることが更に好ましい。アリル重合体(A)の含有量が60重量%を超えると、エポキシ植物油(メタ)アクリレート(B)の溶解性が悪くなり、粘度も高くなり取扱い性が悪くなることがある。アリル重合体(A)の含有量が1重量%未満であると、光硬化性樹脂組成物に充分な乾燥性が得られないことがある。
(i)n価の脂環式炭化水素基
式(1)中のZは、n価の脂環式炭化水素基である。この場合、炭素数は3〜18であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、4〜10であることが特に好ましい。
n価の脂環式炭化水素基は、飽和のn価の脂環式炭化水素基であってもよく、一部において不飽和結合を有していてもよい。なお、本発明において、脂環式とは、芳香性を有しない環状構造を有する炭化水素基を意味する。
式(1)中のn価は、2価又は3価であることが好ましく、2価であることがより好ましい。
また、n価の脂環式炭化水素基はアルキル基を有していてもよい。アルキル基は炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖であればよく、炭素数1〜5であることが好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アルキル基は、脂環式炭化水素基の置換可能位置に1個又は2個以上存在していてもよい。なお、n価の脂環式炭化水素基は、必ずしもアルキル基を有していなくともよい。
式(1)で表される具体的なアリル化合物としては、式(2)〜(9)の化合物を例示することができる。
式(2)〜(9)、
[式中、nは2〜4のいずれかの整数である。]
式(2)〜(9)において、環構造内で架橋されていてもよく、環構造内で架橋されたもの例として、アダマンダン、ノルボルナン等を例示することができる。
式(2)〜(9)の環上におけるCOOCHCH=CH基の置換位置は何れの組み合わせであっても良く、それらの混合物でも良い。特に、2つのCOOCHCH=CH基が6員環に結合するときに、2つのCOOCHCH=CH基は、オルト配向(1,2位の2置換)、またはメタ配向(1,3位の2置換)、またはパラ配向(1,4位の2置換)のいずれでもよいが、オルト配向(1,2位の2置換)、またはパラ配向(1,4位の2置換)であることが好ましい。
式(1)中で表される具体的なアリル化合物としては、シクロブタンジカルボン酸ジアリル、シクロペンタンジカルボン酸ジアリル、シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル(ヘキサヒドロフタル酸ジアリル)、ノルボルナンジカルボン酸ジアリル、シクロブテンジカルボン酸ジアリル、シクロペンタンジカルボン酸ジアリル、シクロヘキセンジカルボン酸ジアリル(テトラヒドロフタル酸ジアリル)及びノルボルネンジカルボン酸ジアリル等を例示することができる。中でも、1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、ノルボルナンジカルボン酸ジアリルが好ましい。Zは、より特に好ましくは、不飽和結合を有しない環状構造であって、炭素数が4〜7、更には炭素数が5または6、最も好ましくは炭素数が6である。
(iii)アリル化合物の製造方法
本発明のアリル化合物は、式(10)で表わされるカルボン酸化合物、又はそれらの酸無水物とハロゲン化アリル又はアリルアルコールとを、必要に応じて、酸性物質、塩基性物質、触媒、溶媒などの存在下、反応させることにより製造できる。式(10)で表わされるカルボン酸化合物は試薬や工業薬品として入手可能である。
Z-(COOH)n …(10)
[式中、n、及びZに関しては、前記式(1)におけるn、及びZと同じ意味である。]
ハロゲン化アリルとしては、例えばアリルクロリド、アリルブロミド、アリルヨージド等が挙げられる。ハロゲン化アリルの使用量に特に制限は無いが、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して、通常、2〜20モル当量の範囲であるのが好ましく、反応速度及び容積効率の観点からは、2.3〜10モル当量の範囲であるのがより好ましい。これらのハロゲン化アリル化合物は試薬や工業薬品として入手可能である。
アリルアルコールは試薬や工業薬品として入手可能である。アリルアルコールの使用量に特に制限は無いが、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して、通常、2〜10モル当量の範囲であるのが好ましく、2〜5モル当量の範囲であるのがより好ましい。
酸性物質としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、硫酸が挙げられ、酸性物質の使用量は、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して0.001〜0.1モル当量の範囲であるのが好ましく、0.005〜0.05モル当量の範囲であるのがより好ましい。
塩基性物質としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属の水素化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素化物、アルコラート等が一般に用いられるが、アルカリ土類金属の水酸化物、水素化物、炭酸化物、炭酸水素化物や、第4級アンモニウム化合物や脂肪族アミンや芳香族アミンのような有機塩基を用いることも可能である。塩基性物質の使用量は、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して0.5〜30モル当量の範囲であるのが好ましく、2〜15モル当量の範囲であるのがより好ましい。
触媒として、例えば銅、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム等の遷移金属や遷移金属塩が用いられるが、このうち銅化合物が好適に用いられる。
銅化合物としては特に限定はなく、ほとんどの銅化合物が用いられるが、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅等のハロゲン化銅、酸化第一銅、シアン化第一銅、硫酸第一銅、硫酸第二銅、リン酸第二銅、硝酸第一銅、硝酸第二銅等の無機酸の銅塩、水酸化第二銅、炭酸銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅等が好ましい。その中でも特に、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、硫酸銅、酢酸第二銅は容易に入手可能で安価な点で好適である。
反応は、溶媒の存在下又は不存在下にて実施できる。溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン等が挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量に特に制限はないが、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して、通常、0.01〜20倍重量の範囲であるのが好ましく、0.1〜10倍重量の範囲であるのがより好ましい。本反応の場合、溶媒を特に使用しなくてもアリル化合物を効率よく製造できる。
特に、塩基性物質を水溶液として反応に用いる場合、反応を促進させるために相間移動触媒を使用するのが好ましい。相間移動触媒に特に制限はないが、例えばトリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩;テトラブチルホスホニウムクロリド等のホスホニウム塩;15‐クラウン‐5,18‐クラウン‐6等のクラウンエーテル等が挙げられる。相間移動触媒を使用する場合、その使用量は、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して、通常、0.001〜1モル当量の範囲であるのが好ましく、0.01〜0.4モル当量の範囲であるのがより好ましい。
反応温度は、十分な反応速度を得、かつ副反応を効果的に抑え高収率を得る意味において、通常、−30〜150℃の範囲であるのが好ましく、−10〜130℃の範囲であるのがより好ましい。また、反応時間は10分〜15時間の範囲であるのが好ましく、副反応抑制の観点からは10分〜10時間の範囲であるのが好ましい。
反応は、窒素、アルゴンのような不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。また、反応は大気圧下でも加圧下でも実施できるが、製造設備面の観点からは、大気圧下で実施するのが好ましい。反応は、例えば攪拌型反応装置に原料を一度に、又は分割して仕込み、上記「0033」記載の所定温度で所定時間反応させることにより行なうことができる。
反応終了後、得られた反応混合液を中和した後、必要に応じて水、飽和食塩水等で洗浄してから濃縮し、更に蒸留、カラムクロマトグラフィー等の、有機化合物の精製において通常用いられる精製操作を行なうことによって、純度の高いアリル化合物を取得できる。
(iv)アリル重合体(A)の製造方法
アリル化合物の重合方法は、特に限定されず、通常の重合反応を用いることができる。重合反応には、必要に応じて、適宜重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤を用いることで、より高分子量のアリル重合体(A)を短時間に得ることができる。
アリル化合物の重合反応に用いる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ系重合開始剤、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド等のリン系光重合開始剤などが挙げられる。前記光重合開始剤は、チオキサントン等のイオウ系化合物、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン等のベンジル系化合物など増感剤と併用してもよい。
重合開始剤の添加量は、アリル化合物100重量部に対して、1.0重量部以下であることが好ましく、0.2重量部以下であることがより好ましく、0.001〜0.1重量部であることが更に好ましい。
重合時の反応温度は60〜240℃であることが好ましく、80〜220℃であることがより好ましい。反応時間は、0.1〜100時間であることが好ましく、1〜30時間であることがより好ましい。
式(1)で表されるアリル化合物を上述の方法等により重合することにより、式(1)で表されるアリル化合物に基づく単量体単位を有するアリル重合体(A)を調製できる。
エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)
本発明の光硬化性樹脂組成物には、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)を含有する。エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)を含有することで、環境に適応した光硬化性樹脂組成物を提供することができる。
エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)は、分子構造中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)は、エポキシ化植物油が有するエポキシ基に(メタ)アクリル酸を開環付加重合させることで得ることができる。
このようなエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)は、光重合開始剤と併用することにより、紫外線(UV光)や電子線などのエネルギー線の照射により、速やかに硬化する。特に、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)とラジカル型光重合開始剤とを含む場合、紫外線(UV光)や電子線などのエネルギー線が照射されると、ラジカル型光重合開始剤が活性化し、ラジカルが発生する。このラジカルとエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)の(メタ)アクリロイル基(より具体的には、(メタ)アクリロイル基中のビニル基)が反応することで、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)の硬化反応、重合反応が進行し、硬化する。このようなエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)の硬化反応を利用して、基版上に硬化膜を形成する。そして、このようにして形成された硬化膜は、緻密な3次元網目構造を有しているので、耐熱性、耐溶剤性等の耐久性に優れるとともに、硬度にも優れたものとなる。
また、このようなエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)は、硬化するまでの時間が極めて短いものである。そのため、光硬化性樹脂組成物中に添加しても、印刷の生産性への影響はない。
このようなエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)の出発原料である植物油は、通常、脂肪酸とグリセリンとの間でのトリエステル(トリグリセリド)である脂肪酸トリグリセリドを主成分とするものであり、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸(炭素−炭素二重結合を主鎖中に有する脂肪酸)を含むものである。そして、植物油が有する炭素−炭素二重結合(C=C)の少なくとも一部をエポキシ基に変性(エポキシ変性)することによりエポキシ化植物油が生成する。
エポキシ化植物油の出発原料である植物油としては、具体的には、アサ実油、エノ油、オイチシカ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ダイコン種油、大風子油、ツバキ油、ニガー油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、落花生油、米糠油、ごま油、やし油、ひまし油、パーム油、アーモンド油、カシューナッツ油、ヘーゼルナッツ油、松の実油、脱水ひまし油、桐油、亜麻仁油、ひまわり油、ローズヒップ油、荏油、大豆油、菜種油、サフラワー油、綿実油、胡麻油、トウモロコシ油、オリーブ油、ココアバターなどが挙げられる。これらは一種類でも二種類以上の混合物でも構わない。一般的に、植物油はリノール酸、リノレン酸、オレイン酸など不飽和脂肪酸を主成分としている。これら植物油の有する炭素−炭素二重結合(C=C)の少なくとも一部を過酢酸、過安息香酸等でエポキシ化して、エポキシ基に変性(エポキシ変性)することによりエポキシ化植物油が得られる。
上述したような植物油をエポキシ変性したエポキシ化植物油として、特に限定されないが、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化コーン油、エポキシ化菜種油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化ひまわり油、エポキシ化パーム油、エポキシ化綿実油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化ココアバターなどが挙げられる。
上述したようなエポキシ化植物油のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を開環付加重合させることで、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)が得られる。中でも、エポキシ化大豆油アクリレートが好ましい。大豆油は、出発原料として安定性が高く、また、構造中に比較的多くの炭素−炭素二重結合を有するものである。そのため、大豆油を出発原料としたエポキシ化大豆油(メタ)アクリレートは、ラジカル光重合開始剤から発生したラジカルにより、好適に硬化反応、重合反応を起こす。
このようなエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)のSP値は、9〜12範囲であればよい。また、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)は、そのヨウ素価が15以下であるのが好ましく、10以下であるのがより好ましい。このようなエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)は、その分子構造中に含まれる(メタ)アクリロイ基の含有率が十分に高いものとなり、紫外線照射時において、より短時間で硬化するとともに、硬化後の硬度が十分に高いものとなる。
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いるエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)の含有量は、光硬化性樹脂組成物中におけるアリル重合体(A)100重量部に対して、50〜300重量部であることが好ましく、50〜250重量部であることがより好ましく、50〜200重量部であることがさらに好ましい。
また、光硬化性樹脂組成物に含有されるエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)の含有量は、光硬化性樹脂組成物の粘度が100〜300Pa・s(25℃)の範囲内になるように添加することが好ましい。
エチレン性不飽和化合物(C)
本発明の光硬化性樹脂組成物には、上述したエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)に加えて、光照射により硬化可能であるエチレン性不飽和化合物(C)をさらに、含有させる。エチレン性不飽和化合物(C)としては、炭素‐炭素二重結合を1〜20個有することが好ましく、1〜10個有することがより好ましく、2〜6個有することがさらに好ましい。エチレン性不飽和化合物(C)としては、アクリル酸エステル化合物、(メタ)アリル化合物およびビニル化合物等が挙げられる。また、エチレン性不飽和化合物は2種以上の化合物の混合物を用いることも可能である。なお、本発明におけるエチレン性不飽和化合物(C)には、上述したエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)は含まれないものとする。
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したものの(メタ)アクリル酸エステル化合物;エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキッド(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物を例示することができ、好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6‐ヘキサンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物であり、より好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
(メタ)アリル化合物としては、ジ(メタ)アリルフタレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等を例示することができる。
ビニル化合物としては、スチレン、ジビニルベンゼン、N-ビニルピロリドン、酢酸ビニル等を例示することができる。
なかでも、エチレン性不飽和化合物(C)のSP値が、8〜12の範囲のものであればよい。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート(SP値:9.9)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(SP値:9.8)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値:10.4)、およびそれらにエチレンオキサイド、またはプロピレンオキサイドを付加したしたものなどを例示できる。
本発明の光硬化性樹脂組成物に含有されるエチレン性不飽和化合物(C)の含有量は、光硬化性樹脂組成物中におけるアリル重合体(A)100重量部に対して、50〜700量部であることが好ましく、50〜600重量部であることがより好ましく、50〜500重量部であることがより好ましい。
本発明におけるエポキシ化植物油アクリレート(B)とエチレン性不飽和化合物(C)の比率は、特に限定されないが、(エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B):エチレン性不飽和化合物(C))の比率が、1:99〜99:1の範囲であればよく、10:90〜70:30の範囲であることが好ましく、20:80〜50:50の範囲であることがより好ましい。
その他の添加物
本発明の光硬化性樹脂組成物は、重合開始剤を含んでいてもよく、特に光重合開始剤を含有することが好ましい。光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤としては、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルホリノプロパン-1、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド等のリン系、チオキサントン等のイオウ系、ベンジル、9,10‐フェナンスレンキノン等のジベンジル系が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜15重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜12重量%の範囲がより好ましく、1〜10重量%の範囲がさらに好ましい。
光硬化性樹脂組成物には、光開始助剤(例えば、トリエタノールアミン等のアミン系光開始助剤)を併用してもよい。光開始助剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜5重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜3重量%の範囲がより好ましい。
また、光硬化性樹脂組成物には、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与するワックスを添加してもよい。ワックスとして、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックス等を例示することができる。ワックスの添加量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜10重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜5重量%の範囲がより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、種々の添加剤、例示すれば、安定剤(例えば、ハイドロキノン、メトキノン、メチルハイドロキノン等の重合禁止剤)、顔料(例えば、シアニンブルー、ジスアゾエロー、カーミン6b、レーキッドC、カーボンブラック、チタンホワイト)等の着色剤、充填剤、粘度調整剤等の各種添加剤を目的に応じて含有することができる。光硬化性樹脂組成物に含有される安定剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.01〜2重量%の範囲であることが好ましく、0.1〜1重量%の範囲がより好ましい。
着色剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、1〜50重量%の範囲であることが好ましく、1〜45重量%の範囲がより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、アリル重合体(A)、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)、及びエチレン性不飽和化合物(C)、さらには、着色剤、光重合開始剤、光開始助剤、添加剤(例えば、安定剤)、ワックスを混合することによって製造できる。本発明の光硬化性樹脂組成物は、光を照射することによって硬化する。硬化に用いる光は、一般に紫外線である。
光硬化性樹脂組成物の硬化反応に用いる硬化装置、また、硬化条件は特に限定されず、通常の光硬化反応に用いられる方法であればよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物の用途は特に限定されない。インキ(例えば、光硬化性平版用印刷インキ、シルクスクリーンインキ、フレキソインキ等の印刷インキ)等の技術分野において使用できる。
例えば、インキの一般的作製方法は次のとおりである。エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)、及びエチレン性不飽和化合物(C)にアリル重合体(A)、及び安定剤等を60℃〜100℃の温度で攪拌しながら溶解させワニスを作製する。このワニスに、顔料、光重合開始剤、その他添加剤を、バタフライミキサーで撹拌混合後、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、パールミル、3本ロール等で練肉することでインキが得られる。
(実施例)
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
アリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)の測定
重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)はGPCを用いて測定した。Mw、Mnは標準ポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量の値である。
カラム:ShodexKF−806L、KF−804、KF−803、KF−802、KF−801を直列に接続
流速:1.0mL/min
温度:40℃
検出:RID−6A
試料:試料20mgをテトラヒドロフラン10mLに溶解させ測定用のサンプルとした。
製造例1 1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル重合体(アリル重合体A)の合成
1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルは、シクロヘキサンジカルボン酸無水物とアリルアルコールをエステル化反応させることによって製造した。
3Lのセパラブルフラスコに1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル2400gを加え、60gのベンゾイルパーオキサイドを加えて80℃で加熱攪拌した。2.5時間反応させた後、30℃まで冷却した。冷却後、フラスコにメタノールを加え、重合体を沈殿させた。得られた重合体を40℃で16時間減圧乾燥した(収量:408g、収率:17%、Mw=32,000、Mw/Mn=2.8、SP値 10.7)。得られた重合体を重合体1とし、実施例1に用いた。
実施例1〜5、比較例1〜6
下記表1に記載の各組成の光硬化性樹脂組成物を調製し、光硬化性樹脂組成物の特性を評価した。
1)光硬化性樹脂組成物の調製
製造例1で得られたアリル重合体(A)、DAP樹脂、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)、エチレン性不飽和化合物(C)、及び重合禁止剤を下記表1、2に記載の各組成量で添加し、90℃から120℃まで加熱混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。室温に冷却後、一晩後経過したものの外観が透明であるかで相溶性を確認した。冷却後も外観が透明であったものを○、冷却後室温で白濁したものを×とした。結果は表1、2に示す。
また、表1に示す組成量は重量部での表記である。
表1に示した重合体1以外の成分は下記のとおりである。
TMPTA;トリメチロールプロパントリアクリレート:サートマー(Sartomer) 製 SR351NS、SP値(9.9)
DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート:サートマー(Sartomer) 製 SR355NS、SP値(9.8)
3EO−TMPTA;3molEO変性トリメチロールプロパントリアクリレート: サートマー(Sartomer) 製 SR454NS、SP値(9.7)
3PO−TMPTA;3molPO変性トリメチロールプロパントリアクリレート: サートマー(Sartomer) 製 SR492TFN、SP値(9.4)
DPHA;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:東亞合成(株)製 M-404、SP値(10.4)
エポキシ化大豆油アクリレート: サートマー(Sartomer)製 CN111US
メチルハイドロキノン:和光純薬工業(株)製
表1に示すように、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)とエチレン性不飽和化合物(C)を併用して用いた場合、重合体1はエポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)を単独で用いた場合(比較例1)と比べて、相溶性に優れていた。
また、表2に示す組成量は重量部での表記である。
表2に示した成分は下記のとおりである。
DAP樹脂;(株)大阪ソーダ製、ダイソーダップA
TMPTA;トリメチロールプロパントリアクリレート:サートマー(Sartomer) 製 SR351NS、SP値(9.9)
DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート:サートマー(Sartomer) 製 SR355NS、SP値(9.8)
3EO−TMPTA;3molEO変性トリメチロールプロパントリアクリレート: サートマー(Sartomer) 製 SR454NS、SP値(9.7)
DPHA;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:東亞合成(株)製 M-404、SP値(10.4)
エポキシ化大豆油アクリレート: サートマー(Sartomer)製 CN111US
メチルハイドロキノン:和光純薬工業(株)製
表2に示すように、DAP樹脂、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)、エチレン性不飽和化合物(C)の組み合わせにおいては、DAP樹脂単独(比較例6)では、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)と溶解せず、エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)とエチレン性不飽和化合物(C)を併用した場合でも相溶しなかった。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、インキ(例えば、光硬化性平版用印刷インキ、シルクスクリーンインキ、フレキソインキ等の印刷インキ)、塗料の分野において使用可能である。

Claims (7)

  1. 一般式(1)で表されるアリル化合物を重合して得られるアリル重合体(A)と
    [式中、nは2〜4のいずれかの整数を表わし、Zはn価の脂環式炭化水素基である。]
    エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)、
    エチレン性不飽和化合物(C)とを含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. エポキシ化植物油(メタ)アクリレート(B)とエチレン性不飽和化合物(C)の比率が1:99〜99:1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記式(1)表されるアリル化合物が、式(2)〜(9)で表される化合物が、
    [式中、nは2〜4のいずれかの整数である。]
    で表される化合物の何れかである請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 更に、光重合開始剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とするインキ。
  6. 請求項1〜4の何れかに記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする塗料。
  7. オーバープリントワニスである請求項6に記載の塗料。
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