JP2020180265A - 活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオマス由来成分をより多く使用しながら、低粘度であり、密着性、耐スクラッチ性、及び耐擦過性の基本的特性が維持された活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物とすること。【解決手段】多官能ポリエステルオリゴマー、可塑剤及び光重合性化合物を含有し、且つ粘度が300〜2000mPa・sである、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物に関する。
地球環境保全を目標として、様々な業界や業種で環境負荷低減活動が展開されており、各種の観点から環境負荷低減を促す活動が行われている。例えば、塗料やインキ等に含まれている揮発性有機化合物(VOC)は、地球温暖化に繋がる化学物質であることから、VOC使用の自主規制・削減による環境負荷の低減活動の対象となっている。
VOC削減の観点から、紫外線や電子線等の活性エネルギー線で硬化する活性エネルギー線硬化型印刷インキ組成物の活用が検討されている。活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、活性エネルギー線の照射により重合する重合性化合物と、必要に応じて活性エネルギー線の照射により重合開始機能を発現する重合開始剤等とを含む。
活性エネルギー線硬化型印刷インキ組成物は、VOC使用を抑制できVOC揮発量をゼロ又は少なくできることから、環境負荷の低減が可能である。さらに、急速に硬化する(速乾性を有している)ため、省エネルギー化と生産性向上が可能であって、塗料やインキとして実際に使用されてきている。
印刷業界においては、各種方式で印刷された印刷物表面のインキが十分乾燥しないと、印刷物を重ねた際の裏移りや、印刷物に触れた際のインキ付着が発生するため、後工程に進めることや商品として流通することができない。そのため、印刷直後の印刷物に活性エネルギー線を照射することで、印刷物表面のインキを瞬時に硬化(乾燥)できる活性エネルギー線硬化型インキが普及してきている。
このような活性エネルギー線硬化型インキは、例えば、特許文献1及び特許文献2にあるように広く知られている。
さらに、活性エネルギー線硬化型印刷インキ組成物については、環境負荷の低減を目指した各種対応が行われている。例えば、より少ない活性エネルギー線照射で硬化(乾燥)できる製品の開発や、電力消費が大きく短波長の紫外線によるオゾンの発生を招く高圧水銀灯等から、省電力でオゾンの発生の少ない紫外線LEDランプや低出力紫外線ランプへの置換え等が行われている。
近年、環境負荷低減活動として、化石資源由来の原材料を再生可能資源であるバイオマス由来の原材料に代替することにより、環境中のCOを増加させない(カーボンニュートラル)なバイオマス製品として、温室効果ガス排出量を削減することが行われている。
例えば、印刷インキ業界においては、新たにインキグリーンマーク(IGマーク)制度を制定し、印刷インキ構成成分におけるバイオマス由来成分の比率に応じて環境対応レベルを3段階にランク付けし、環境負荷の低減を促す活動が行われている。
しかしながら、これまでの活性エネルギー線硬化型インキは、化石資源由来の原材料である重合性化合物を多量に用いるものであって、IGマークの認定基準に適合させることは困難であった。しかも、バイオマスを由来とする重合性化合物を容易にかつ大量に入手することは困難であった。
さらに、最近は、バイオマス由来成分として、食糧生産との競合に配慮して、非可食性のバイオマス成分(食用でないバイオマス成分、特に、食用でない物質から得られたバイオマス成分)の利用についても検討されている。
例えば、特許文献3には、カシューナッツシェルリキッドに含まれるカルダノール等の天然再生可能資源又はそれらの誘導体から合成されたウレタンアクリレートを、ベースとする紫外線硬化型組成物を印刷インキとして用いることが可能である旨記載されている。しかしながら、このようなウレタンアクリレートを容易にかつ大量に入手することは困難と考えられる。
また多官能アクリレート化合物を多量に配合すると、高粘度化するために取り扱いが困難になる可能性があった。
特開2017−137369号公報 特開2015−081264号公報 特許第5335436号公報
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、バイオマス由来成分をより多く使用しながら、低粘度、硬化性、密着性、耐擦過性、耐スクラッチ性等の基本的特性が維持された活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物とすることを課題とする。
しかも、バイオマス由来の原料比率を高めて、非可食性バイオマスを使用するため食糧生産と競合せず、飢餓問題・食糧問題につながることを抑制し得る。そして、持続可能な循環型社会の形成に大きく貢献できる活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、下記の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を使用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を解決するに至った。
すなわち、本発明は、
1.多官能ポリエステルオリゴマー、可塑剤及び光重合性化合物を含有し、且つ粘度が300〜2000mPa・sである、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
2.可塑剤の、濁点滴定法によるsp値(溶解性パラメータ)が9.0(cal/cm1/2以上11.0(cal/cm1/2未満である1に記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
3.多官能ポリエステルオリゴマーと可塑剤との合計含有量がインキ組成物中20.0〜75.0質量%であり、多官能ポリエステルオリゴマーに対する可塑剤の質量ベースの比率が、可塑剤/多官能ポリエステルオリゴマー=1.0〜30.0質量%である、1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
4.多官能ポリエステルオリゴマーが植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーである、及び/又は、可塑剤が植物油成分を有する可塑剤である、1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
5.植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーの変性に用いられた植物油が非可食の植物油である4に記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
6.植物油成分を有する可塑剤に用いられた植物油が非可食の植物油である4に記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
7.インキ組成物中に、平均粒子径8.0μm以下のワックスを1.0〜5.0質量%含有する1〜6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
8.インキ組成物中に、表面調整剤を0.01〜1.00質量%含有する1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
9.着色剤を含有する1〜8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
本発明によれば、硬化性、密着性、耐スクラッチ性、耐擦過性等が維持された活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を得ることができ、さらにバイオマス由来の原料比率を高めることも可能となる。
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、ラベル等の印刷に使用される。以下、この組成物について詳細に説明する。
(着色剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物には、各色相の着色剤を含有させて、各色の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を得ることもできる。また着色剤を含有させず、又は含有量を低減させて無色クリアーや有色クリアーな組成物にもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物に使用される着色剤としては、フレキソインキ組成物で使用されている公知の顔料、染料を制限なく使用できるが、耐光性の点より、有機顔料又は無機顔料等の顔料が好ましい。
具体的には、無機顔料として、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、鉄黒、酸化クロムグリーン、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料(白色、黒色等の無彩色の着色顔料も含める)、及び、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。また、有機顔料として、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンゾイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系の顔料等が挙げられる。
各色相の着色剤を含有させて、各色の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物とする場合は、着色剤の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中での濃度は1〜60質量%であることが好ましい。
(顔料分散剤・顔料分散用樹脂)
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物が着色剤として顔料を採用するとき、顔料分散剤及び/又は顔料分散用樹脂を配合することができる。
顔料分散剤としては、公知のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの界面活性剤としては、例えば、シリコン系界面活性剤(例えば、ポリエーテル変性シリコンオイル、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン等)、フッ素系界面活性剤、オキシアルキレンエーテル系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、リン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
また、顔料分散用樹脂として、高分子分散剤(例えば、カルボジイミド系、ポリエステル系、ポリアミン系、ポリエステルアミン系、ポリウレタン系、脂肪酸アミン系、ポリアクリレート系、ポリカプロラクトン系、ポリシロキサン系、多鎖型高分子非イオン系、高分子イオン系の分散剤等)等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物が顔料分散剤や顔料分散用樹脂を含む場合には、使用する全顔料の量を100質量部としたときに、1〜200質量部含有することが好ましい。
<多官能ポリエステルオリゴマー及び可塑剤>
環境面を考慮して、インキ組成物分中のバイオマス度が10%以上となるように、多官能ポリエステルオリゴマーとして植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーを採用でき、及び/又は、可塑剤として植物油成分を有する可塑剤を採用できる。
(多官能ポリエステルオリゴマー)
多官能ポリエステルオリゴマーとしては、従来から活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物に使用されている多官能ポリエステルオリゴマーを使用できる。
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中の多官能ポリエステルオリゴマーの含有量としては、15.0〜65.0質量%が好ましく、20.0〜50.0質量%がより好ましく、さらに好ましくは28.0〜45.0質量%である。
中でも、本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物がクリアーではないときには、多官能ポリエステルオリゴマーを、好ましくは本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中に15.0〜55.0質量%となるように配合でき、さらに好ましくは、20.0〜50.0質量%、より好ましくは25.0〜45.0質量%となるように配合できる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物がクリアーであるときには、多官能ポリエステルオリゴマーを、好ましくは本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中に15.0〜65.0質量%となるように配合でき、さらに好ましくは、20.0〜55.0質量%、より好ましくは25.0〜50.0質量%となるように配合できる。
なおクリアーなインキ組成物は、印刷面を通じて下地を確認できるものである
多官能ポリエステルオリゴマーを配合しないときには、活性エネルギー線による硬化性や耐擦過性が悪化する。
(植物油変性多官能ポリエステルオリゴマー)
本発明においては多官能ポリエステルオリゴマーとして、植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーを使用することが好ましい。植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーとしては、(メタ)アクリレート基を分子内に2つ以上有し、植物油により変性された、2官能、4官能又は6官能の多官能のポリエステルオリゴマーであれば制限なく用いることができる。これにより、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物のバイオマス度を高くでき好ましい。
植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーを配合しないときには、活性エネルギー線による硬化性や耐擦過性が悪化する。
なお変性に使用される植物油は、植物油に含有される各種脂肪酸エステル、及び、その各種脂肪酸エステルを加水分解して得た脂肪酸等を包含する概念である。植物油としては、大豆油、ナタネ油、ひまわり油、トール油、トウモロコシ油等の可食性のものや、ヒマシ油、ヤシ油、パーム核油、不飽和動植物油及びそれらの脂肪酸のエポキシ化物、硬化ヒマシ油、重合ヒマシ油、カシューナッツシェルリキッド、カシューナッツシェルリキッドの重合物、並びにカシューナッツシェルリキッドの変性誘導体等の非可食性の植物油又はその変性体を使用できる。中でも、好ましくは非可食性の植物油又はその変性体であり、さらに好ましくはトール油である。
多官能ポリエステルオリゴマーの中でも、6官能の植物由来変性(ポリエステル)オリゴマーが好ましく、例えば、EBECRYL 450や、AgiSyn 716等からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
(可塑剤)
可塑剤としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、ヒマシ油、ヤシ油、パーム核油、不飽和動植物油及びそれらの脂肪酸のエポキシ化物、硬化ヒマシ油、重合ヒマシ油、カシューナッツシェルリキッド、カシューナッツシェルリキッドの重合物、並びにカシューナッツシェルリキッドの変性誘導体、クエン酸アセチルトリブチル等が例示できる。
本発明においては可塑剤としては、植物油成分を有する可塑剤を使用することが好ましい。
植物油成分を有する可塑剤としては、植物油成分が非可食のものが好ましい。
植物油成分が非可食の植物油成分を有する可塑剤は、具体的に、ヒマシ油、ヤシ油、パーム核油、不飽和動植物油及びそれらの脂肪酸のエポキシ化物、硬化ヒマシ油、重合ヒマシ油、カシューナッツシェルリキッド、カシューナッツシェルリキッドの重合物、並びにカシューナッツシェルリキッドの変性誘導体、セバシン酸ジオクチル、クエン酸アセチルトリブチル等が例示できる。
可塑剤の中でも、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物の相溶性の点から、濁点滴定法によるsp値(溶解性パラメータ)が9.0(cal/cm1/2以上11.0(cal/cm1/2未満であるものが好ましい。
濁点滴定によるsp値は、下記のK.W.SUH,J.M.CORBETTの式に従い算出される値である。なお、この方法によるsp値の算出については、J.Appl.Polym.Sci.1968,12,2359を参考にすることができる。sp値についても同様である。
式 sp値=(Vml1/2・δH+Vmh1/2・δD)/(Vml1/2+Vmh1/2
濁点滴定では、試料0.5gを良溶媒であるトルエン10mL又はトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)10mLに溶解させた中に低sp値貧溶媒であるn−ヘキサンを加えていき、濁点での滴定量H(mL)を読み、同様にトルエン溶液中に高sp値貧溶媒であるエタノールを加えたときの濁点における滴定量D(mL)を読み、これらを下記式に適用し、Vml、Vmh、δH、及びδDを算出し、上記式へ代入すればよい。
なお、上記の濁点滴定で用いた各溶剤の分子容やsp値は次の通りである。
良溶媒の分子容 φ0 トルエン:106.28mL/mol
TMPTA:279.55mL/mol
低sp値貧溶媒の分子容 φl n−ヘキサン:131.61mL/mol
高sp値貧溶媒の分子容 φh エタノール:58.39mL/mol
各溶剤のsp値 トルエン:9.14、TMPTA:9.88
n−ヘキサン:7.28、エタノール:12.58
Vml=(φ0・φl)/{(1−VH)・φl+VH・φ0}
Vmh=(φ0・φh)/{(1−VD)・φh+VD・φ0}
VH=H/(M+H)
VD=D/(M+D)
δH=(δ0・M)/(M+H)+(δl・H)/(M+H)
δD=(δ0・M)/(M+D)+(δl・D)/(M+D)
δ0:良溶媒のsp値
δl:低sp値貧溶媒のsp値
δh:高sp値貧溶媒のsp値
H:低sp値貧溶媒の滴定量(mL)
D:高sp値貧溶媒の滴定量(mL)
M:良溶媒の量(mL)
VH:低sp値貧溶媒滴定量の体積分率(%)
VD:高sp値貧溶媒滴定量の体積分率(%)
可塑剤を含有することにより、各種物性が良好なままでインキの粘度を低下させることができ、含有しない場合には印刷適性が低下する。本発明は特に多官能ポリエステルオリゴマーを含有するインキ組成物であるため、可塑剤を含有しないと、粘度が高くなったり、密着性が低下したりする。
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物がクリアーであるか否かに関わらず、可塑剤を、本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中に好ましくは0.5〜15.0質量%となるように配合でき、より好ましくは、1.0〜10.0質量%、さらに好ましくは1.0〜9.0質量%となるように配合できる。
かつ、多官能ポリエステルオリゴマーと可塑剤との合計含有量はインキ組成物中に20.0〜75.0質量%でもよい。
中でも、クリアーではない活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物にする際には、好ましくは20.0〜60.0質量%であり、クリアーである活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物にする際には、好ましくは25.0〜70.0質量%である。
多官能ポリエステルオリゴマーと可塑剤の使用割合は多官能ポリエステルオリゴマーに対する可塑剤の質量ベースの比率が、可塑剤/多官能ポリエステルオリゴマー=1.0〜30.0質量%であることが好ましい。
これにより、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、硬化性、密着性、耐擦過性、及び耐スクラッチ性に優れるインキを得ることができる。
(ワックス)
具体的には、蜜蝋、ラノリンワックス、鯨蝋、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油等の動植物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の鉱物、石油系ワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体等の水素化ワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス(PTFE)等を採用できる。
このようなワックスとしては、スクラッチ性向上のために平均粒子径8.0μm以下のものを選択して使用することができ、好ましくは6.0μm以下、より好ましくは4.0μm以下、更に好ましくは2.0μm以下のものを使用できる。平均粒子径が2.0μm以下であるときには、耐擦過性(耐スクラッチ性)がより良好となる。
また、使用するワックスの平均粒子径を、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物の粘度及びフレキソ印刷機のアニロックスの線数に応じて適宜選択してもよい。
ワックスを含有する場合の、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中の含有量は、0.5〜5.0質量%が好ましく、1.5〜4.5質量%がより好ましく、2.0〜4.0質量%がさらに好ましい。
ワックスの含有量が0.5質量%より少ないと耐擦過性(耐スクラッチ性)が低下する傾向にあり、一方、5.0質量%より多いとターンロールを汚す等して作業性が低下する傾向にある。
(表面調整剤)
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、レベリング性、スリッピング性を向上させるための公知の表面調整剤を含んでいてもよい。
表面調整剤としては、例えば、シリコン系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、アセチレングリコール系表面調整剤等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
表面調整剤の具体例としては、ビックケミー社製のBYKシリーズ、エボニックジャパン社製のTEGOシリーズ、共栄社化学社製のポリフローシリーズ等からなる群より選ばれる1種以上を用いることできる。
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物が表面調整剤を含む場合には、その含有量を0.01〜1.0質量%とすることができる。
(光重合開始剤)
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、公知の光重合開始剤を含んでいてもよい。
光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射を受けてラジカル等の活性種を発生させ、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物の光重合を開始させるものであれば特に限定されず、例えば、レドックス開始剤、熱重合開始剤、光重合開始剤等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を電子線により硬化させる際には、光重合開始剤を含有させる必要はない。
レドックス開始剤は、過酸化物と還元剤を組み合わせることで温和な条件下の酸化還元反応によって重合開始機能を発揮するものである。
熱重合開始剤又は光重合開始剤は、それぞれ、活性エネルギー線(赤外線、紫外線、LED、電子線等)の照射を受けてラジカルを発生させて重合開始機能を発揮するものである。
重合開始剤は、用途や目的等に応じて適宜選択され、通常は、光重合開始剤を用いることが好ましいが、毒性について検討が必要な場合には、潜在的な毒性が高い熱重合開始剤及び光重合開始剤よりも、比較的毒性が低いレドックス開始剤を用いることもできる。
これらの中でも、発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線に対する硬化性を良好にすることができる点から、450〜300nmの波長にわたって光吸収特性を有し、その範囲の波長の光により硬化反応(ラジカル重合)の開始剤機能を発現することができる光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、トリアジン系化合物、芳香族ケトン系化合物、芳香族オニウム塩系化合物、有機過酸化物、チオキサントン系化合物、チオフェニル系化合物、アントラセン系化合物、ヘキサアリールビスイミダゾール系化合物、ケトオキシムエステル系化合物、ボレート系化合物、アジニウム系化合物、メタロセン系化合物、活性エステル系化合物、ハロゲン化炭化水素系化合物及びアルキルアミン系化合物、ヨードニウム塩系化合物及びスルフォニウム塩系化合物等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドやビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン及び2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
さらに、例えば、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
このような光重合開始剤として、例えば、BASF社のイルガキュア907、369、184、379、819等、Lamberti社のTPO、DETX等、みどり化学社のTAZ−204等を用いることができる。
インキ組成物中における光重合開始剤の含有量としては、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物の成分等に応じて適宜定めることができ、例えば活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中に0.1〜25.0質量%、好ましくは0.1〜15.0質量%、より好ましくは1.0〜15.0質量とすることができる。
インキ組成物中における光重合開始剤の含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物の十分な硬化性と、良好な内部硬化性やコストとを両立できるので好ましい。
(光重合性化合物)
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、上記以外の重合性化合物として、エチレン性不飽和結合を有する公知のモノマー、オリゴマー、樹脂を使用できる。
(エチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物)
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、公知のエチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物を用いることができる。
このような化合物としては、例えば、次のような化合物等が挙げられる。
−アクリルアミド誘導体−
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物の色にもよるが、硬化性を向上させるために、アクリルアミド誘導体を含有させることが好ましい。例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン(ACMO)、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中の、アクリルアミド誘導体の含有量は45.0質量%以下である。そして好ましくは35.0質量%以下である。
アクリルアミド誘導体の含有量が45.0質量%を超える場合、耐擦過性、スクラッチ性等が低下するおそれがある。
−不飽和カルボン酸系化合物−
不飽和カルボン酸系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、それらの塩及びそれらの酸無水物等が挙げられる。
−アルキル(メタ)アクリレート系化合物−
アルキル(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
−ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物−
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−エチルヘキシルEO変性(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性アクリレート、p−クミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール変性(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
−ハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物−
ハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO(エチレンオキサイド)付加(メタ)アクリレート等が挙げられる。
−エーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物−
エーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、1,3−ブチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、クレジルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO繰返し単位数400、700等)、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アルコキシ化2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート(エトキシ化2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシ化2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等)、アルコキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート(エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート等)、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、エトキシ化コハク酸(メタ)アクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート、等のアルコキシ及び又はフェノキシ系(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
−カルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物−
カルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲ
ンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタ
レート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート
等が挙げられる。
−ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物−
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸−2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸−6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸−4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸−3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸−2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸−p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸−m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸−o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル等が挙げられる。
−その他の(メタ)アクリレート系化合物−
その他の(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、アクリロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトールアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド4級塩、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、クレゾール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、1−(メタ)アクリロイルピペリジン−2−オン、2−(メタ)アクリル酸−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−2−イルメチル、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、イミドアクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、マレイミド等が挙げられる。
−スチレン系化合物−
スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
−N−ビニル系化合物−
N−ビニル系化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。
−アリレート系化合物−
アリレート系化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレート等が挙げられる。
−その他のエチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物−
エチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物として、前記化合物以外の「その他のエチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物」を用いることができる。
そのような化合物としては、例えば、酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、三員環化合物類(例えば、ビニルシクロプロパン類、1−フェニル−2−ビニルシクロプロパン類、2−フェニル−3−ビニルオキシラン類、2,3−ジビニルオキシラン類等)、環状ケテンアセタール類(例えば、2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ジオキソラン類、2−メチレン−4−フェニル−1,3−ジオキセパン、4,7−ジメチル−2−メチレン−1,3−ジオキセパン、5,6−ベンゾ−2−メチレン−1,3−ジオキセパン等)等が挙げられる。
(エチレン性不飽和結合を2つ備えた化合物(但し、植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーを除く))
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、公知のエチレン性不飽和結合を2つ備えた化合物を用いることができる。
このようなエチレン性不飽和結合を2つ備えた化合物としては、公知のものを制限なく使用することができ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(100)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(700)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノベンゾエート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、ジエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、(メタ)アクリル酸ビニロキシアルキル、ビニロキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、例えば、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートであってもよい前記エチレン性不飽和結合を2つ備えた化合物のアルコキシ化物(例えば、エトキシ化、プロポキシ化、ブトキシ化物等)等が挙げられる。
また、例えば、エチレンオキサイド(EO)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコールPO(プロピレンオキサイド)変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上であってもよい前記エチレン性不飽和結合を2つ備えた化合物のアルキレンオキサイド変性物(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)の1種以上を用いることができる。
また、例えば、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上であってもよい前記エチレン性不飽和結合を2つ備えた化合物のカプロラクトン変性物の1種以上を用いることができる。
(エチレン性不飽和結合を3つ備えた化合物(但し、植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーを除く))
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、公知のエチレン性不飽和結合を3つ備えた化合物を含有させることができる。
このようなエチレン性不飽和結合を3つ備えた化合物としては、公知のものを制限なく使用することができ、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルヘキサヒドロ−s−ト
リアジン、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリプロピオネート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート等が挙げられる。
また、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の前記3官能モノマーのエトキシ化、プロポキシ化、ブトキシ化等のアルコキシ化物、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド変性物、カプロラクトン変性物等が挙げられる。
(エチレン性不飽和結合を4つ以上備えた化合物(但し、植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーは除く))
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、公知のエチレン性不飽和結合を4つ以上備えた化合物を用いることができる。
このようなエチレン性不飽和結合を4つ以上備えた化合物としては、公知のものを制限なく使用することができ、例えば、エチレン性不飽和結合を4つ備えた化合物、エチレン性不飽和結合を5つ備えた化合物、エチレン性不飽和結合を6つ備えた化合物及びエチレン性不飽和結合を7つ以上備えた化合物が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を4つ以上備えた化合物としては、例えば、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の前記4官能以上のモノマーのエトキシ化、プロポキシ化、ブトキシ化等のアルコキシ化物、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド変性物、カプロラクトン変性物等が挙げられる。
<エポキシ化植物油(メタ)アクリレート化合物>
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物には、公知のエポキシ化植物油(メタ)アクリレート化合物を含有させることもできる。エポキシ化植物油(メタ)アクリレートは、植物油を由来とするものであることから、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物におけるバイオマス成分の量を増加させることが可能である。
エポキシ化植物油(メタ)アクリレート化合物としては、エポキシ化植物油を(メタ)アクリル変性することにより得られるものであって、例えば、不飽和植物油の二重結合を過酢酸、過安息香酸等の酸化剤によりエポキシ化したエポキシ化植物油のエポキシ基に、(メタ)アクリル酸を開環付加重合させた化合物等が挙げられる。
(オリゴマー又はポリマー(但し、植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーは除く))
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、公知のエチレン性不飽和結合を備えたポリマー又はオリゴマーを含有することができる。
エチレン性不飽和結合を備えたポリマー又はオリゴマーとしては、(メタ)アクリロイル基やビニル基等からなる群より選ばれる1種以上のエチレン性不飽和結合を1つ以上有するものが挙げられる。
エチレン性不飽和結合を備えたポリマー又はオリゴマーとしては、例えば、ポリジアリルフタレート、ネオペンチルグリコールオリゴ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンオリゴ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールオリゴ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ロジン変性エポキシ(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエーテル(メタ)アクリレート、未反応の不飽和基を備えたアクリル系樹脂、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタン、アクリル変性フェノール系樹脂、アクリル化アミン化合物のオリゴマー等が挙げられる。
(市販品)
前記の化合物以外のエチレン性不飽和結合を備えた化合物の市販品としては、例えば、共栄社化学社製の「ライトアクリレート」、「ライトエステル」、「エポキシエステル」、「ウレタンアクリレート」及び「高機能性オリゴマー」シリーズ、新中村化学工業社製の「NKエステル」及び「NKオリゴ」シリーズ、日立化成工業社製の「ファンクリル」シリーズ、東亞合成化学社製の「アロニックス」シリーズ、大八化学工業社製の「機能性モノマー」シリーズ、大阪有機化学工業社製の「特殊アクリルモノマー」シリーズ、三菱レイヨン社製の「アクリエステル」及び「ダイヤビームオリゴマー」シリーズ、日本化薬社製の「カヤラッド」及び「カヤマー」シリーズ、日本触媒社製の「(メタ)アクリル酸/メタクリル酸エステルモノマー」シリーズ、日本合成化学工業社製の「NICHIGO−UV紫光ウレタンアクリレートリゴマー」シリーズ、日本酢ビ・ポバール社製の「カルボン酸ビニルエステルモノマー」シリーズ、興人フィルム&ケミカルズ社製の「機能性モノマー」シリーズ、ダイセル・オルネクス社製の「EBECRYL」、「ACA」、「KRM」、「IRR」、「RDX」及び「OTA」シリーズ、アルケマ社製の「CN」及び「SR」シリーズ、BASF社製の「Laromer」シリーズ、IGM Resins社製の「フォトマー」シリーズ、根上工業社製の「アートレジン」シリーズ、日油社製の「ブレンマー」シリーズ、第一工業製薬社製の「ニューフロンティア」シリーズ、MIWON社製の「Miramer」シリーズ、DSM社製の「AgiSyn」シリーズ等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を備えた化合物は、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中に0〜80.0質量%、好ましくは45.0質量%以下となる量で含むことができる。
(その他のエチレン性不飽和結合を備えていない樹脂)
その他のエチレン性不飽和結合を備えていない樹脂としては、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物に付与する特性、特に、適度な粘弾性特性やインキ組成物構成時の印刷特性等に応じて、性能が低下しない範囲で公知のものを特に制限なく用いることができる。
その他のエチレン性不飽和結合を備えていない樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン系樹脂、ブロックポリマー、グラフトポリマー(コアシェルポリマー)、アクリル変性フェノール系樹脂、ロジン変性フェノール系樹脂、ロジン変性アルキド系樹脂、ロジン変性石油系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンエステル系樹脂、脂肪酸変性ロジン系樹脂、石油系樹脂変性フェノール系樹脂、アルキド系樹脂、植物油変性アルキド系樹脂、石油系樹脂、炭化水素系樹脂(ポリブテン及びポリブタジエン等)、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂ワックス等)等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
特に好ましくは、アクリル系樹脂(アクリル酸エステル−スチレン共重合体系樹脂等)、スチレン系樹脂(スチレン−アクリル酸エステル共重合体系樹脂等)、ロジン変性フェノール系樹脂、ロジン変性アルキド系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンエステル系樹脂、脂肪酸変性ロジン系樹脂、アルキド系樹脂、植物油変性アルキド系樹脂からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
このような樹脂としては、重量平均分子量は500〜300,000のものが好ましい。また、活性エネルギー線を照射した際の速乾性の観点等から、酸価が1〜100mgKOH/gであることが好ましい。
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物が上記の樹脂成分を含む場合には、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物中の樹脂成分の含有量を0〜30.0質量%、好ましくは0〜20.0質量%とすることができる。
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、その他の成分を含んでいてもよい。
このような「その他の成分」としては、前記組成物に所望の機能や特性等を付与し得る公知のものを制限なく使用することができ、例えば、重合禁止剤、溶剤、アンチブロッキング剤、光安定化剤、消泡剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、増粘剤(チキソトロピー剤)、抗菌・防黴剤等が挙げられる。
(重合禁止剤)
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、保存時の重合を防止する目的で、公知の重合禁止剤を含んでいてもよい。
重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、カテコール、tert−ブチルカテコール、ブチルヒドロキシトルエン等のフェノール化合物や、ハイドロキノン、アルキル置換ハイドロキノン、フェノチアジン、酢酸トコフェロール、ニトロソアミン、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物が重合禁止剤を含む場合には、その含有量を0.01〜1.0質量%とすることができる。
(溶剤)
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は、低粘度化及び基材への濡れ広がり性を向上させる等のために、公知の溶剤を含んでもよい。
溶剤としては、例えば、水、グリコールモノアセテート類、グリコールジアセテート類、グリコールエーテル類、乳酸エステル類等が挙げられる。これらの中でも、水、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチルジグリコールが好ましい。
活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物が溶剤を含む場合には、その含有量を0〜50.0質量%とすることができる。
[製造方法]
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、前記の各成分を全て添加してビーズミルや3本ロールミル等で混合して調製することができる。
また、顔料、顔料分散剤及び各種の活性エネルギー線硬化型化合物を混合することによってあらかじめコンクベースを得た後、所望の組成となるよう活性エネルギー線硬化型化合物、重合開始剤、必要に応じて界面活性剤等の添加剤をコンクベースに添加して調製することもできる。
また、前記の各成分を混合した後にビーズミルや3本ロールミル等で練肉して顔料(すなわち着色成分及び体質顔料)を分散させた後、必要に応じて添加剤(重合開始剤、重合禁止剤、ワックス等のその他の添加剤等)を加え、さらに他の成分の添加により粘度調整することもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物の粘度は300〜2000mPa・sであり、さらに用途等に応じて適宜調整され得る。また好ましくは500〜1500mPa・s、より好ましくは1000〜1500mPa・s、さらに好ましくは1200〜1500mPa・sである。なお、この粘度は、B型粘度計を用い、25℃で、60rpmの条件で粘度(単位mPa・s)を測定した値である。
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を印刷する対象の基材としては、プラスチック、紙、カルトン等であり、これらの複数の基材から構成される積層体等の複合基材であってもよい。
このうち、本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を印刷する対象のプラスチック基材としては、例えば、ポリエステル系ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、セルロース系ポリマー(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等)、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアクリル系ポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、塩化ビニル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状又はノルボルネン構造を有するポリオレフィンポリマー、エチレン・プロピレン共重合体ポリマー等)、ポリアミド系ポリマー(例えば、ナイロン、芳香族ポリアミドポリマー等)、ポリスチレン系ポリマー(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体ポリマー等)、ポリイミド系ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニルスルフィド系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニリデン系ポリマー、ポリビニルブチラール系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、及びポリエポキシ系ポリマー、これらのポリマーのブレンド物等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を使用するには、例えば、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を基材上に公知のフレキソ印刷機を利用してアニロックスロールを用いて印刷し、その後に紫外線等の活性エネルギー線を照射する。これにより基材(印刷媒体)上の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物は速やかに硬化する。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものである。また、表中の各材料の分量の数字についても「質量部」である。酸価の単位はmgKOH/gである。
(活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物)
・顔料
カーボンブラック
PB15:4
・顔料分散剤
PB822(アジスパー 味の素ファインテクノ社製)
・植物油変性多官能ポリエステルオリゴマー
AgiSyn716 renewable material30%
・アクリルアミド誘導体
アクリロイルモルホリン(ACMO)
・他の光重合性化合物
ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)
ジペンタエリストールペンタアクリレート
(商品名:SR399、サートマー社製)
ロジン変性エポキシアクリレート(商品名:UV22C、ハリマ化成社製)
・植物油成分を有する可塑剤
セバシン酸ジオクチル(植物油成分(非可食)39%)
クエン酸アセチルトリブチル(植物油成分(非可食)50%)
ひまし油(植物油成分(非可食)100%)
EO変性カルダノール(植物油成分(非可食)91%)
・PTFEワックス
平均粒子径1μm以上2μm未満 商品名:SST−1MG(SHAMROCK社製)
平均粒子径2μm以上4μm未満 商品名:Fluo HT(Micro Powders社製)
平均粒子径4μm以上6μm未満 商品名:Ceridust 9202F(Clariant社製)
・開始剤
TPO 2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサ
イド
Ir184 (1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン)
Ir369 (2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルフォリノブチロフェノ
ン)
Ir907 (2−メチル−1−[4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノプロ
パン−1−オン)
BMS (4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド)
EMK (エチルミヒラーズケトン)
・消泡剤
商品名:AIREX920(エボニック社製)
・重合禁止剤
商品名:IN510(ニトロソアミン)(大同化成社製)
・表面調整剤
商品名:1000J、 PDMS(ポリジメチルシロキサン)(Momentive社製)
(活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物の調製)
顔料と分散剤と光重合性成分等(ロジン変性エポキシアクリレート、PDMS、PTFEワックス、ACMO(20質量部))を配合した混合物を、アイガーミル(メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用)を用いて分散させて、顔料分散ベース組成物を得た。
得られた顔料分散ベース組成物に、表1及び表2に記載の配合組成(質量%)となるように他の各成分を配合し、撹拌混合して、実施例及び比較例の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物を得た。
(評価方法)
・インキ粘度
B型粘度計を用い、25℃で、60rpmの条件で粘度(単位mPa・s)を測定した。
<紫外線硬化>
・硬化性
基材(合成紙ユポ80)に800lpiのハンドプルーファーを用いて展色、1回(1パス)当たりの照射強度が120W、80mJとなるようにUV光(光源はメタルハライドランプ)を照射した。そして、硬化するまでの照射回数を評価した。照射後、綿棒で塗膜を擦った際にインキが付着しない状態を硬化したと判断した。
・密着性
基材(PET及びユポ80)に800lpiのハンドプルーファーを用いて展色、1回(1パス)当たりの照射強度が120W、80mJとなるようにUV光(光源はメタルハライドランプ)を照射した。得られた塗膜にニチバン社製セロテープ(登録商標)を貼り付けて、貼り付けた上から指で3回擦ったのちに剥離させた。剥離後の塗膜の取られ具合を目視で観察し、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
〇:硬化膜の剥離が無いもの
△:硬化膜の剥離があったが剥離面積が20%未満
×:硬化膜の剥離面積が20%以上
・耐スクラッチ性
基材(ユポ80)に800lpiのハンドプルーファーを用いて展色、1回(1パス)当たりの照射強度が120W、80mJとなるようにUV光(光源はメタルハライドランプ)を照射した。得られた塗膜を爪の先で擦り、塗膜の脱落を目視で観察し、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
〇:脱落が無いもの
〇〜△:脱落はあるがほんの少しのもの
△:脱落はあるが基材が見えないもの
×:脱落があり基材が見えるもの
・耐擦過性
基材(ユポ80)に800lpiのハンドプルーファーを用いて展色、1回(1パス)当たりの照射強度が120W、80mJとなるようにUV光(光源はメタルハライドランプ)を照射した。得られた塗膜を、学振型耐摩擦堅牢性試験機により当て布にカナキン3号で200g×1000回擦ったときの、基材シートからの硬化膜の取られ具合を目視で観察し、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
〇:硬化膜の表面に傷が無かった
○〜△:硬化膜の表面にほんのわずかな傷があった
△:硬化膜の表面に傷があった
×:硬化膜がとられ、シートが見えた
<電子線硬化>
基材(PET、合成紙)に800lpiのハンドプルーファーを用いて展色、EB照射装置にて、1回(1パス)当たり加速電圧90kV,照射線量30kGy下で硬化させ、硬化膜を形成した。上記UV光で硬化させた場合と同様に評価した。
Figure 2020180265
Figure 2020180265
本発明に沿った実施例によれば、適切な粘度範囲のインキ組成物となり、かつ、優れた硬化性、密着性、耐スクラッチ性及び耐擦性に優れた印刷面とすることができた。
これに対して、可塑剤を添加しない比較例1によれば、粘度が高く印刷を行いにくいインキ組成物となり、密着性に劣ることになった。多官能ポリエステルオリゴマーを含有せずにジペンタエリスリトールぺンタアクリレートを含有する比較例2によれば、密着性に劣る結果となった。

Claims (9)

  1. 多官能ポリエステルオリゴマー、可塑剤及び光重合性化合物を含有し、且つ粘度が300〜2000mPa・sである、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
  2. 可塑剤の、濁点滴定法によるsp値(溶解性パラメータ)が9.0(cal/cm1/2以上11.0(cal/cm1/2未満である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
  3. 多官能ポリエステルオリゴマーと可塑剤との合計含有量がインキ組成物中20.0〜75.0質量%であり、多官能ポリエステルオリゴマーに対する可塑剤の質量ベースの比率が、可塑剤/多官能ポリエステルオリゴマー=1.0〜30.0質量%である、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
  4. 多官能ポリエステルオリゴマーが植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーである、及び/又は、可塑剤が植物油成分を有する可塑剤である、請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
  5. 植物油変性多官能ポリエステルオリゴマーの変性に用いられた植物油が非可食の植物油である請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
  6. 植物油成分を有する可塑剤に用いられた植物油が非可食の植物油である請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
  7. インキ組成物中に、平均粒子径8.0μm以下のワックスを1.0〜5.0質量%含有する請求項1〜6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
  8. インキ組成物中に、表面調整剤を0.01〜1.00質量%含有する請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
  9. 着色剤を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキ組成物。
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