JP7331315B1 - 活性エネルギー線硬化型インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物油変性硬化性樹脂を含む活性エネルギー線硬化型インク組成物において、ラミネート特性に優れるインク組成物を提供すること。【解決手段】顔料(A)、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)、及びアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)を含有し、前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)のアルキレンオキサイドの付加モル数が1.5~30である、活性エネルギー線硬化型インク組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線、好ましくは電子線を照射されることで硬化する、活性エネルギー線硬化型インク組成物に関する。
活性エネルギー線硬化型インク組成物は、様々な基材の印刷に使用されている。インクジェット印刷は、版が不要であることから小ロット生産において有利であるし、また、光硬化型(典型的には、紫外線硬化型)インク組成物は有機溶剤の含有量を低減できることから、VOC排出の削減が可能という環境対応の面でのメリットもある。
一方で、活性エネルギー線硬化型インク組成物は、活性エネルギー線で硬化される必要があるため、光重合開始剤を含有することが必要な場合がある。インク組成物中の光重合開始剤は、活性エネルギー線を受けてラジカルを発生させて重合反応を開始させるが、光重合開始剤の一部が反応せずに硬化物中に残存することがある。硬化物中に残存した光重合開始剤は、被印刷基材にマイグレーション(移行)し;更に、被印刷基材が包装体である場合には、被包装物(包装内容物)に入り込むことがある。そのため、光重合開始剤は規制対象になることがあり、使用が制限されつつある。
そのため、光重合開始剤を含有しない活性エネルギー線硬化型インク組成物が提案されており、例えば特許文献1には、アミン官能基を有するモノマー又はオリゴマーと、アリールケトン又はアルキルアリールケトン骨格を有するモノマー又はオリゴマーと、を含み、光重合開始剤を含有しない活性光線硬化型インキ組成物が開示されている。
また、植物油を変性させた硬化性樹脂を含む活性エネルギー線硬化型インク組成物も提案されている(特許文献2~5参照)。特許文献2には、植物油変性(メタ)アクリレート化合物を含む活性エネルギー線硬化型インクが;特許文献3には、植物油変性ポリエポキシアクリレートを含む活性エネルギー線硬化型スクリーン印刷インキが;特許文献4には、エポキシ化植物油(メタ)アクリレートを含む光硬化性樹脂組成物が;特許文献5には、植物油変性(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化型オフセットインキが、開示されている。
特開2023-15859号公報 特開2022-29119号公報 特開2022-183814号公報 特開2019-26675号公報 特開2020-94136号公報
前述のように、植物油変性硬化性樹脂を含む活性エネルギー線硬化型インク組成物が提案されているが、これらのインク組成物の性能は不十分であることがあった。特に、これらの植物油変性硬化性樹脂を含む活性エネルギー線硬化型インク組成物が、光重合開始剤を含まない場合(例えば、電子線で硬化させるインク組成物である場合)には、印刷適性は確保できるものの、ラミネート適性(インク組成物の硬化塗膜にフィルムを積層したときの接着強度等)が不十分であることがあった。
そこで本発明は、トリグリセリド骨格を有する硬化性樹脂、好ましくは植物油変性硬化性樹脂を含む活性エネルギー線硬化型インク組成物において、ラミネート特性に優れるインク組成物を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、以下に示す活性エネルギー線硬化型インク組成物に関する。
[1]顔料(A)、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)、及びアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)を含有し、前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)のアルキレンオキサイドの付加モル数が1.5~30である、活性エネルギー線硬化型インク組成物。
また本発明は、好ましい形態として、以下に示す活性エネルギー線硬化型インク組成物に関する。
[2]前記活性エネルギー線硬化型インク組成物は、電子線硬化型インク組成物である、前記[1]に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[3]前記トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)におけるトリグリセリドのカルボン酸残基が、パルミチン酸及びステアリン酸から選択される1種以上の飽和脂肪酸残基と、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸から選択される1種以上の不飽和脂肪酸残基と、を含む、前記[1]又は[2]に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[4]前記トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)が、ビスフェノール骨格を有しない、前記[1]~[3]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[5]前記トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)におけるトリグリセリドは、植物油由来のトリグリセリドである、前記[1]~[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[6]前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)におけるアルキレンオキサイドが、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる1種以上を含む、前記[1]~[5]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[7]前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)は、2以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能モノマーである、前記[1]~[6]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[8]前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマーは、1分子中の重合性官能基数が3以上である多官能モノマーである、前記[1]~[7]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[9]前記トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)の含有量は、前記活性エネルギー線硬化型インク組成物に含まれる硬化性成分の合計に対して、10.0~60.0質量%である、前記[1]~[8]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[10]前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)の含有量は、前記活性エネルギー線硬化型インク組成物に含まれる硬化性成分の合計に対して、40.0~90.0質量%である、前記[1]~[9]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[11]前記活性エネルギー線硬化型インク組成物が、ラミネート用インク組成物である、前記[1]~[10]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[12]前記活性エネルギー線硬化型インク組成物が、オフセット印刷用インク組成物及び/又はフレキソ印刷用インク組成物である、前記[1]~[11]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
本発明のインク組成物は、硬化性樹脂としてトリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を配合しているため、バイオマス成分の含有割合を高めることができる。更に、本発明のインク組成物は、十分な印刷特性を有しており、しかも硬化皮膜のラミネート特性が高いため、ラミネート用インクとして、オフセット印刷又はフレキソ印刷用のインクとして用いることができ、例えば包装用途のラミネートフィルムの製造に用いることができる。
[1.活性エネルギー線硬化型インク組成物の組成]
本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物(単に「インク組成物」ともいう)は、顔料(A)と、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)と、アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)と、を含み、更に他の任意の成分を含有してもよい。
[1-1.顔料(A)]
本発明のインク組成物に含まれる顔料(A)は、インク組成物に着色力や隠蔽力等を付与するために添加される成分であり、例えば着色顔料、白色顔料、金属パウダー等が挙げられる。このような顔料としては、従来からインク組成物に使用されている、例えば下記の有機及び/又は無機顔料を特に制限なく挙げることができる。
顔料の例には、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンゾイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系の各種有機顔料、及び各種無機顔料等が挙げられる。
イエロー顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、108、109、114、120、128、129、138、139、150、151、155、166、180、184、185、213等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、7、12、22、38、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、53:1、57、57:1、63:1、101、102、112、122、123、144、146、149、168、177、178、179、180、184、185、190、202、209、224、242、254、255、270、C.I.Pigment Violet 19等が挙げられる。
シアン顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、22、27、29、60等が挙げられる。
ブラック顔料としては、例えば、カーボンブラック(C.I.Pigment Black 7)等が挙げられる。
ホワイト顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられ、アルミ
ナ、シリカ等の種々の材料で表面処理されていてもよい。
インク組成物における顔料(A)の含有量は、顔料の種類と目的とする着色の程度に応じて異なり、特に限定されないが、インク組成物の全体に対して、例えば、5.0~25.0質量%程度であり、好ましくは10.0~20.0質量%程度でありうる。なお、着色されたインク組成物を調製する場合、補色として他の色の顔料や染料を併用したり、他の色のインク組成物を添加したりすることもできる。
[1-2.トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)]
本発明のインク組成物に含まれるトリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)は、エポキシ化トリグリセリド(具体的には、トリグリセリドの脂肪酸残基に含まれる炭素=炭素不飽和結合をエポキシ化したもの)に、アクリル酸又はメタクリル酸の一方又は両方を付加した化合物をいう。本特許明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸の一方又は両方を意味する。
トリグリセリドとは以下の構造式1で示されうる。構造式1において、R1~R3はそれぞれ独立して、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸の残基であるが;R1~R3の少なくとも一つが不飽和脂肪酸残基であることが好ましい。
トリグリセリドは、植物油の主要成分でありうる。つまり、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)におけるトリグリセリドは、植物油由来のトリグリセリドであり得る。植物油の例には、大豆油、パーム油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、綿実油、ヒマワリ油、ベニ花油、米ヌカ油、コーン油、ヤシ油、アマニ油、ヒマシ油等が含まれる。これらの植物油に含まれるトリグリセリドは、R1~R3の脂肪酸残基の種類やその組成比率が異なっており、例えば、大豆油は、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸残基と、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸残基と、からなる脂肪酸残基を有することが知られている。
エポキシ化トリグリセリドとは、トリグリセリドの脂肪酸残基に含まれる炭素=炭素二重結合をエポキシ化した化合物である。トリグリセリドのエポキシ化は、有機過酸(過酢酸や過安息香酸等)や過酸化水素等によって行われうるが、その手段は特に限定されない。
エポキシ化トリグリセリドの一つであるエポキシ化大豆油は、市場から入手することもできる。エポキシ化大豆油としては、PHOTOMER3005(IGMResinsB.V.社)、EBECRYL860、5848(ダイセル・オルネクス社)、MIRAMERPE-310(MIWON社)、LAROMEREA9101(BASF社)、CN111(SARTOMER社)、Agysin2020(DSM社)等を挙げることができる。
エポキシ化トリグリセリドに(メタ)アクリル酸を反応させると、以下に示すように、エポキシ化部位に(メタ)アクリル酸が開環付加して、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂となる。
(Rは水素原子又はメチル基である)
トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)の分子量は、1000~10000であってよく、1000~8000であり得る。トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、2~5個の(メタ)アクリル基を有することが好ましく、2~4個の(メタ)アクリル基を有することがより好ましく、2又は3個の(メタ)アクリル基を有することが更に好ましい。
トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)は、市場から入手することもでき、その具体例としては:MIRAMER PE-240,PE-312,PE-310(MIWON社製);CN-111(アルケマ社製);PHOTOMER P-3005(IGMResinsB.V.社);EBECRYL450、860、3702(ダイセル・オルネクス社)等が含まれる。
トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、トリグリセリド骨格とともに、他の骨格(例えば、ビスフェノール骨格)を有していてもよい。例えば、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、トリグリセリドをエポキシ化したエポキシ化合物と、ビスフェノール骨格(ビスフェノールA骨格、ビスフェノールE骨格、ビスフェノールF骨格等)を有するエポキシ化合物とを架橋剤等によって反応させ、その反応物に(メタ)アクリル酸を付加した化合物であってもよい。ただし、ビスフェノール骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含むインク組成物は、その硬化皮膜のラミネート特性が低下することがあるため、好ましくない場合がある。
インク組成物におけるトリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)の含有量は、インク組成物に含まれる硬化性成分(エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)と(メタ)アクリレートモノマー(C)と、他の硬化性成分とを含む)の合計に対して、10.0質量%以上であることが好ましく、20.0質量%以上であることがより好ましく、25.0質量%以上であることが更に好ましく;また、60.0質量%以下であることが好ましく、50.0質量%以下であることがより好ましい。
[1-3.アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)]
本発明のインク組成物に含まれるアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)は、脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体に、(メタ)アクリル酸をエステル結合させた化合物である。
脂肪族アルコール化合物に付加するアルキレンオキサイドは、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド等であり;好ましくは、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド、あるいはその組み合わせであり得る。
また、脂肪族アルコール化合物の1分子に付加する、アルキレンオキサイド単位(-alkylene-O-)のモル数(平均付加モル数)は、1.5~30であり、5~20であることがより好ましい。1分子の脂肪族アルコール化合物に付加するアルキレンオキサイドの平均付加モル数が1.5以上(好ましくは5以上)であると、インク組成物の硬化皮膜のラミネート特性を高めることができる。「1分子の脂肪族アルコール化合物に付加する、アルキレンオキサイドのモル数」とは、2以上のヒドロキシ基を有する脂肪族アルコール化合物である場合には、当該2以上のヒドロキシ基に付加したアルキレンオキサイドの合計モル数をいう。
アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマーは、1つの(メタ)アクリレート基を有するか(単官能)、又は2以上の(メタ)アクリレート基を有する(多官能)ことができるが;好ましくは2以上の(メタ)アクリレート基を有する(多官能)ことが好ましく、3以上の重合性官能基((メタ)アクリレート基を含む)を有することがより好ましい。
単官能のアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマーは、モノアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール又はドデシルフェノール)のアルキレンオキサイド付加体に、(メタ)アクリル酸をエステル結合させた化合物であり得る。
2官能のアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマーは、2価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール)の2つのアルコール部にアルキレンオキサイドを付加し、更に2つの(メタ)アクリル酸をエステル結合させた化合物であり得る。
3官能のアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマーは、3価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン)の3つのアルコール部にアルキレンオキサイドを付加し、更に3つの(メタ)アクリル酸をエステル結合させた化合物であり得る。
4官能以上のアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマーは、4価以上のアルコール(例えば、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等)の4以上のアルコール部にアルキレンオキサイドを付加し、更に4以上の(メタ)アクリル酸をエステル結合させた化合物であり得る。
インク組成物におけるアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)の含有量は、インク組成物に含まれる硬化性成分(エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)と(メタ)アクリレートモノマー(C)と、他の硬化性成分とを含む)の合計に対して、40.0質量%以上であることが好ましく、50.0質量%以上であることがより好ましく;また、90.0質量%以下であることが好ましく、80.0質量%以下であることがより好ましい。
インク組成物における、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)と(メタ)アクリレートモノマー(C)との含有質量比率[(B)/(C)]は、得られるインク組成物の粘度等の物性に応じて調整されうるが、0.3~1.0の範囲にあることが好ましく、0.4~0.9の範囲にあることがより好ましい場合がある。
[1-4.他の成分]
本発明のインク組成物は、他の任意の成分を含んでいてもよく、他の任意の成分の例には、重合禁止剤、他の重合性化合物、非硬化性樹脂、重合開始剤、増感剤、レベリング剤、体質顔料、有機溶媒等が含まれる。
[1-4-1.重合禁止剤]
本発明のインク組成物は、重合禁止剤を含むことができる。重合禁止剤は、インク組成物の保存時において重合反応が生じることを防止することができ、インク組成物が増粘するのを抑制することができる。重合禁止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン等のフェノール系化合物(キノン系化合物を含む)や、酢酸トコフェロール、ニトロソアミン系化合物、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン等が含まれ;なかでも、キノン系化合物及びニトロソアミン系化合物をより好ましく例示することができる。
インク組成物における重合禁止剤の含有割合は、重合禁止剤の種類によって適宜設定されるが、キノン系化合物の場合は、硬化性成分全体を100質量部としたときに0.1~1.0質量部程度である。
[1-4-2.他の硬化性成分]
インク組成物は、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)及びアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)とともに、他の硬化性成分を含有してもよい。他の硬化性成分の例には、単官能モノマー、多官能モノマー、硬化性オリゴマー等が含まれる。
他の硬化性成分としての単官能モノマーの例には、不飽和カルボン酸系化合物、アルキル(メタ)アクリレート系化合物、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物、ハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物、エーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物、その他の(メタ)アクリレート系化合物、スチレン系化合物、N-ビニル系化合物、アリレート系化合物、その他のエチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物でありうる。
他の硬化性成分としての多官能モノマーの例には、多官能(メタ)アクリレート系化合物やビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物等が含まれる。
他の硬化性成分としての硬化性オリゴマーは、(メタ)アクリル化されたオリゴマー((メタ)アクリレートオリゴマー)であり得る。硬化性オリゴマーの分子量は、400~5000の重量平均分子量を有し、2以上の(メタ)アクリル基を有することが好ましい。硬化性オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート化ポリアクリレート、(メタ)アクリレート化ポリエーテル等の(メタ)アクリレート化オリゴマー等が含まれる。なかでも、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート等をインク組成物に含有させることが好ましい場合がある。これらのオリゴマーは、レオロジー、顔料の濡れ性、印刷機上でのインク転写、光沢、耐薬品性等のフィルム特性を付与しうる。
エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させ、エポキシ化合物が有するグリシジル基に(メタ)アクリル酸のカルボキシル基を開環付加させた化合物である。ポリエステル(メタ)アクリレートとは、分子内にエステル結合と2以上の(メタ)アクリロイル基(官能基)を有する化合物であり、例えば、ポリエステルポリオールの(メタ)アクリレート化物等である。ポリウレタン(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリル基で変性されたポリウレタンであり、例えば、ポリエーテル、ポリカーボネート等の骨格を有するポリウレタンと(メタ)アクリル酸との反応物である。
[1-4-3.非硬化性樹脂]
本発明のインク組成物は、非硬化性樹脂を含有してもよい。非硬化性樹脂とは、重合可能な官能基((メタ)アクリル基等の炭素=炭素不飽和結合を有する官能基)を有さない樹脂である。非硬化性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、500~50000、又は1000~4000程度である。非硬化性樹脂の例には、ロジン樹脂、炭化水素樹脂、ポリエステル、ポリケトン、ポリウレタン、アルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂等が含まれるが、特に限定されない。
[1-4-4.重合開始剤]
本発明のインク組成物は、重合開始剤を含有してもしなくてもよい。例えば、紫外線硬化インク組成物とする場合は、重合開始剤を通常含む必要がある。一方、電子線硬化型インク組成物とする場合は、重合開始剤を含まないことが好ましい場合がある。
重合開始剤の例には、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、トリアジン系化合物、芳香族ケトン系化合物、芳香族オニウム塩系化合物、有機過酸化物、チオキサントン系化合物、チオフェニル系化合物、アントラセン系化合物、ヘキサアリールビスイミダゾール系化合物、ケトオキシムエステル系化合物、ボレート系化合物、アジニウム系化合物、メタロセン系化合物、活性エステル系化合物、ハロゲン化炭化水素系化合物、及びアルキルアミン系化合物、ヨードニウム塩系化合物及びスルフォニウム塩系化合物、等が含まれ、これらからなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物の例には、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドやビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、等が含まれ、これらからなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
トリアジン系化合物の例には、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン及び2,4-トリクロロメチル(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン、等が含まれ、これらからなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
その他の重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、等が挙がられ、これらからなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
[1-4-5.増感剤]
本発明のインク組成物は、硬化性を向上させる観点から増感剤を含有してもよい。増感剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
増感剤の例には、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン、9,10-ビス(2-エチルヘキシルオキシ)アントラセン等のアントラセン系増感剤;2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤等が挙げられる。前記増感剤の市販品としては、アントラセン系増感剤では、商品名「DBA」、「DEA」(川崎化成工業社)、チオキサントン系増感剤では、商品名「DETX」、「ITX」(Lambson社)等が挙げられる。
インク組成物に増感剤を含有させる場合には、過剰添加を防止する観点から、硬化性成分(エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)と(メタ)アクリレートモノマー(C)と、他の硬化性成分とを含む)の合計を100質量部としたときに増感剤の含有量を5.0質量部以下とすることが好ましく、4.0質量部以下とすることがさらに好ましい。また、硬化性成分の合計を100質量部としたときに、重合開始剤と増感剤との合計含有量が2.0~15.0質量部とすることが好ましい。
[1-4-6.レベリング剤]
インク組成物は、印刷に使用する装置の形態等に応じて、界面活性剤をレベリング剤として含むことができる。公知の界面活性剤を特に制限なく含有させることができ、界面活性剤の例には、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等が挙げられる。前記界面活性剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[1-4-7.体質顔料]
インク組成物は、体質顔料を含有してもよい。体質顔料とは、着色力や隠蔽力等を付与するために添加される成分以外の無機微粒子を意味し、炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、石膏、クレイ、シリカ、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料や、シリコーン、ガラスビーズ等があげられる。
[1-4-8.有機溶媒]
インク組成物は、少量の有機溶媒(例えば、インク組成物に対して3質量%以下)を含むか、又は含まないことが好ましい。有機溶媒の例には、モノアルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ケトン類、エーテル類、エステル類、窒素含有化合物類等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[2.活性エネルギー線硬化型インク組成物の物性]
本発明のインク組成物は、活性エネルギー線を照射されることによって硬化することができるが、好ましくは電子線を照射されることで硬化することができる。より詳細に、活性エネルギー線硬化型インク組成物は、10~500kGyの活性エネルギー線(好ましくは電子線)で硬化可能であることが好ましい。
インク組成物の表面張力HLB値(デイビス法)は、8.0以上が好ましく、8.6以上がより好ましく、9.0以上が更に好ましく;また、20.0以下が好ましく、16.0以下がより好ましく、14.0以下が更に好ましい。デイビス法により表面張力値を求めるにあたり、予め定められている官能基毎の基数に基づき、「HLB値=7+Σ(親水基の基数)+Σ(親油基の基数)」により算出することができる。
インク組成物の粘度は、インクの塗布手段に応じて適宜設定されればよいが、23℃の剪断速度D=50 1/sで約5~120Pa・sの粘度を示し;好ましくは、23℃ でコーン&プレートレオメーターを用いて測定した約20~70Pa・sの粘度を示す。
[3.活性エネルギー線硬化型インク組成物の製法]
インク組成物の製法は特に限定されず、例えば、アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)に、顔料(A)及びトリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)を添加混合して調製してもよいし;あるいは顔料(A)の分散物を得て、それに、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)やアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)を添加混合して調製してもよい。
[4.活性エネルギー線硬化型インク組成物の用途]
本発明のインク組成物は、被印刷基材に塗工して形成したインク組成物層(塗膜)を硬化させることで、印刷層とすることができる。被印刷基材は、プラスチック、紙、金属、複合材等の材料で構成されうる。好ましい被印刷基材は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、キャストポリプロピレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET))、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン、ポリ乳酸から誘導されるバイオベースのフィルムや箔等をベースとしたプラスチックフィルムである。
インク組成物の塗工手段は、特に限定されないが、平版印刷(オフセット印刷)、凸版印刷(フレキソ印刷)、凹版印刷(グラビア印刷)、孔版印刷(スクリーン印刷)、あるいはデジタル印刷(インクジェット印刷等)等のいずれでもよいが;フレキソ印刷又はオフセット印刷によって行うことが好ましい。塗工量は特に限定されず、所望の色濃度が得られるように設定すればよい。なお、インク組成物は、被印刷基材の片面だけに塗工してもよいし、両面に塗工してもよい。
インク組成物層(塗膜)の硬化は、活性エネルギー線を照射することで行うことができるが、好ましくは電子線を照射することで行う。硬化のために照射する電子線の照射量は10kGy以上が好ましく、100kGy以上がより好ましい。また500kGy以下が好ましく、300kGy以下がより好ましい。また、活性エネルギー線が紫外線である場合は(例えば、組成物が重合開始剤を含有するとき)、紫外線の照射量は、400mJ/cm以上が好ましい。
本発明のインク組成物の印刷層は、ラミネート特性に優れるため、ラミネート用のインク組成物として用いることが好ましく;つまり、当該印刷層に、更にラミネートフィルムを積層することで、ラミネートフィルムと被印刷基材との剥離強度が高い積層体を得ることができる。
つまり、本発明のインク組成物によれば、被印刷基材と、印刷層と、ラミネートフィルムとが積層された積層フィルムにおいて、被印刷基材とラミネートフィルムとのラミネート強度が高い積層フィルムを得ることができる。このような積層フィルムは、例えば包装用途の包装基材等として用いることができ;例えば、食品包装や医薬品包装に好適であり得る。
以下において、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、実施例の記載によって本発明の範囲は限定して解釈されない。なお、表1及び表2に示す配合量の数値は、質量部である。
[A. 活性エネルギー線硬化型インク組成物の調製]
活性エネルギー線硬化型インク組成物の調製に用いた材料を以下に示す。
顔料
・黄色顔料1(商品名「BHS」、PY-13、クラリアントケミカル社製)
・紅色顔料1(商品名「L5B」、PR-57:1、クラリアントケミカル社製)
・藍色顔料1(商品名「FASTOGEN Blue FDB13」、銅フタロシアニン顔料、DIC社製)
・墨色顔料1(商品名「MA-70」、カーボンブラック、三菱ケミカル社製)
硬化性樹脂
・硬化性樹脂1(商品名「ダイソーダップA」、フタル酸ジアリルの重合体、大阪ソーダ社製)
・硬化性樹脂2(商品名「RADPAR-AD032」、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルの重合体、大阪ソーダ社製)
・硬化性樹脂3(商品名「MIRAMER PE-312」、ビスフェノール骨格を有さない大豆油変性エポキシアクリレート、MIWON社製)
・硬化性樹脂4(商品名「MIRAMER PE-310」、ビスフェノール骨格を有する大豆油変性エポキシアクリレート、MIWON社製)
(メタ)アクリレートモノマー
・TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート)
・TMP(EO)3TA(トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド3モル付加体のトリアクリレート)
・TMP(EO)6TA(トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド6モル付加体のトリアクリレート)
・TMP(EO)9TA(トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド9モル付加体のトリアクリレート)
・G(EO)3TA(グリセリンのエチレンオキサイド3モル付加体のトリアクリレート)
・G(EO)6TA(グリセリンのエチレンオキサイド6モル付加体のトリアクリレート)
・G(PO)6TA(グリセリンのプロピレンオキサイド6モル付加体のトリアクリレート)
・G(EO)7.5(PO)7.5TA(グリセリンにエチレンオキサイドを7.5モル、プロピレンオキサイドを7.5モル付加した化合物のトリアクリレート)
・重合禁止剤1:ジブチルヒドロキシトルエン
表1及び表2に記載の配合にて各成分を混合し、ロール温度40℃の3本ロールミルを用いて、顔料分散体の粒度が5.0μm以下になるまで練肉して、各実施例及び比較例のインク組成物を調製した。その後必要に応じて、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)5質量部を添加して粘度が40Pa・s付近となるように調節して、以下の評価を行った。
[B. ラミネート物の作製]
表1及び表2に示す各実施例及び比較例のインク組成物について、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用いて、以下の2つの被印刷物(被印刷物1及び被印刷物2)に展色して展色物を作製した。具体的には、各インク組成物をRIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、被印刷物の処理面に展色した。展色したインク組成物の塗膜の濃度は、分光測色計X-Rite eXact(Advance)(Xrite社製)で測定したときに、表1及び表2に記載の数値となった。
被印刷物1:PTM12(商品名「エンブレットPTM」、ポリエステルフィルム、厚み12μm、ユニチカ社製)
被印刷物2:FOR(商品名「FOR」、ポリプロピレンフィルム、フタムラ化学社製)
作製した展色物のインク組成物の塗膜を、アイ・エレクトロンビーム社の電子線照射装置を用いて硬化した。硬化する際の酸素濃度は200ppm以下の雰囲気とし、加速電圧を90kVとし、電子線の照射の照射量は30kGyとした。
インク組成物の塗膜を硬化した展色物の展色面に、接着剤(三井化学社製タケラックA969V/タケネートA-5)を固形分として2.0g/mとなる量にて塗布し、更にドライラミネート機で無延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ社製「GLC」、厚さ40μm)を積層して積層物を得た。
得られた積層物について、40℃で1日経時した後、15mm幅に切断した。切断したサンプルを、測定温度25℃、引張速度200mm/minの条件で、剥離試験機(安田精機製作所社製)を用いてT型剥離強度(N/15mm)を測定した。当該剥離試験によって、剥離が生じた場合(表1及び表2で「B」で示される)と、剥離が生じずにフィルムが破断した場合(表1及び表2で「F」で示される)とがあった。「B」の場合には剥離が生じたときの応力を、「F」の場合には破断が生じたときの応力を、表1及び表2に示す。
Figure 0007331315000003
Figure 0007331315000004
表2の比較例1に示されるように、(メタ)アクリレートモノマーが、アルキレンオキサイドを付加されていないと、弱い剥離応力で剥離が生じ、インク組成物の硬化皮膜のラミネート特性が十分でないことがわかる。
また、表2の比較例2~4に示されるように、硬化性樹脂を含まなかったり(比較例2)、硬化性樹脂がトリグリセリド骨格を有さなかったり(比較例3及び4)すると、弱い剥離応力で剥離が生じており、インク組成物の硬化皮膜のラミネート特性が十分でないことがわかる。
一方、表1の各実施例に示されるように、トリグリセリド骨格を有するエポキシメタアクリレート樹脂と所定のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド)を有するアクリレートモノマーとを含むインク組成物は、硬化皮膜のラミネート特性が十分に高いことがわかる。ただし、硬化性樹脂がトリグリセリド骨格とビスフェノール骨格とを併せ持つエポキシメタアクリレート樹脂であると、一定の応力で剥離が生じ、インク組成物の硬化皮膜のラミネート特性が低下する傾向がみられた(実施例9)。また、(メタ)アクリレートモノマーのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド)の平均付加モル数が3であると、硬化皮膜のラミネート特性がやや低下した(実施例10及び11)。
本発明のインク組成物は、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、好ましくはエポキシ化植物油(メタ)アクリレート樹脂を硬化性樹脂として含有するので、バイオマス成分の高いインク組成物とすることができる。しかも、本発明のインク組成物は、十分な印刷適性を有しつつ、硬化皮膜のラミネート特性も高いため、例えば、積層フィルムにおけるインク組成物として、様々な用途に適用可能である。

Claims (11)

  1. 顔料(A)、トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)、及びアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)を含有する活性エネルギー線硬化型インク組成物であって、
    前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)のアルキレンオキサイドの付加モル数が~30であり、
    光重合開始剤を含有しない、電子線硬化型インク組成物。
  2. 前記トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)におけるトリグリセリドのカルボン酸残基が、パルミチン酸及びステアリン酸から選択される1種以上の飽和脂肪酸残基と、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸から選択される1種以上の不飽和脂肪酸残基と、を含む、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  3. 前記トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)が、ビスフェノール骨格を有しない、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  4. 前記トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)におけるトリグリセリドは、植物油由来のトリグリセリドである、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  5. 前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)におけるアルキレンオキサイドが、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる1種以上を含む、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  6. 前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)は、2以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能モノマーである、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  7. 前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)は、1分子中の重合性官能基数が3以上である多官能モノマーである、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  8. 前記トリグリセリド骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B)の含有量は、前記活性エネルギー線硬化型インク組成物に含まれる硬化性成分の合計に対して、10.0~60.0質量%である、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  9. 前記アルキレンオキサイド付加(メタ)アクリレートモノマー(C)の含有量は、前記活性エネルギー線硬化型インク組成物に含まれる硬化性成分の合計に対して、40.0~90.0質量%である、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  10. 前記活性エネルギー線硬化型インク組成物が、ラミネート用インク組成物である、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  11. 前記活性エネルギー線硬化型インク組成物が、オフセット印刷用インク組成物及び/又はフレキソ印刷用インク組成物である、請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物。
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