JP2019019291A - 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料 Download PDF

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伸一郎 大橋
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伸一郎 大橋
井上 聡
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Abstract

【課題】乾燥性に優れる光硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】樹脂(A)と、ポリチオール化合物変性アクリレート(B)を含有する光硬化性樹脂組成物であって、樹脂(A)が、式(1)で表されるアリル化合物を重合して得られるアリル重合体(a)である、光硬化性樹脂組成物。

[nは2〜4の整数;Zはn価の脂環式炭化水素基又はn価の芳香族式炭化水素基]
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂(A)とポリチオール化合物変性アクリレート(B)を含有する光硬化性樹脂組成物、並びにその樹脂組成物を含んでなるインキ、塗料に関する。さらに詳しくは、乾燥性に優れた光硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来、光(例えば、紫外線)により硬化させる種々の樹脂組成物は、インキ、塗料、接着剤、フォトレジスト等に使用されている。例えば、紫外線硬化タイプの印刷インキは、硬化速度が速く短時間で硬化できること、溶剤を使わないので環境に適合していること、省資源・省エネルギーであること等の点が高く評価され実用化が広がっている。
そのような樹脂組成物の中で、ジアリルフタレート(ジアリルオルソフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート)から誘導されたジアリルフタレート樹脂を含有する樹脂組成物は、紙用のUVオフセットインキとして採用されている。
しかしながら、オフセットインキとして用いる際にジアリルフタレート樹脂を配合するとプラスチック基材との密着性が充分でないことが知られている(特許文献1)。そこで、ジアリルフタレート樹脂とキシレンホルムアルデヒド樹脂を組合せて用いることで、プラスチック基材との密着性を改善している(特許文献2)。
近年、さらなる省エネルギー化が求められており、乾燥性の点でさらなる向上が求められている。
特開昭52−4310号公報 特開2012−144605号公報
本発明の目的は、乾燥性の優れる光硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、鋭意研究の結果、樹脂(A)とポリチオール化合物変性アクリレート(B
)を含有する光硬化性樹脂組成物が、乾燥性に優れることを見出し、本発明に完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
項1. 樹脂(A)と、ポリチオール化合物変性アクリレート(B)を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物であって、
樹脂(A)が、式(1)で表されるアリル化合物を重合して得られるアリル重合体(a)である、光硬化性樹脂組成物。
[式中、nは2〜4のいずれかの整数を表わし、Zはn価の脂環式炭化水素基、又はn価の芳香族式炭化水素基である。]
項2. 式(1)表されるアリル化合物が、式(2)〜(9)で表される化合物が、
[式中、nは2〜4のいずれかの整数である。]
で表される化合物の何れかである項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
項3. 式(1)中のZが、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基のいずれかである項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
項4. 更に、光重合開始剤を含有する項1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
項5. 項1〜4の何れかに記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とするインキ。
項6. 項1〜4の何れかに記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする塗料。
項7. オーバープリントワニスである項6に記載の塗料。
ポリチオール化合物変性アクリレート(B)を含有すると、乾燥性に優れた光硬化性樹脂組成物となる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、更に、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重
合開始剤を含有することによって、光照射による重合がスムーズに進むため、硬化物を短
時間に得ることができる。
本発明のインキは、本発明の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする。
このインキは、樹脂フィルム基材に印刷するためのインキとして適しており、特にPP樹
脂製のシート、フィルム等の基材に印刷するためのインキとして適している。
本発明の塗料は、本発明の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする。
この塗料は、樹脂フィルム基材に描画するための塗料として適しており、特にPP樹脂製
のシート、フィルム等の基材に描画するための塗料として適している。
また、本発明の塗料はオーバープリントワニスであることが好ましい。
本発明によれば、インキ、塗料、接着剤及びフォトレジストの成分として使用した場合
に、合成高分子の基材、特に樹脂フィルム基材に対する乾燥性に優れる光硬化性樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
樹脂(A)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、樹脂(A)を含有する。樹脂(A)として、ウレタン樹脂、塩酢ビ樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、環化ゴム樹脂、硝化綿、ロジン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられ、印刷方法、印刷する基材に応じて適宜選択できる。これらの樹脂は、溶解型、エマルジョン型、コロイダルディスパージョン型等のいずれでも良く、常温硬化型、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型等硬化方式も制限無く用いることができる。
また、光硬化性樹脂組成物に用いる樹脂(A)としては、後述するような各種重合体を用いてもよい。
アリル重合体(a)
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いる樹脂(A)として、式(1)で表されるアリル化合物を重合することによって得られるアリル重合体(a)を用いることができる。
[式中、nは2〜4のいずれかの整数を表わし、n価の脂環式炭化水素基、又はn価の芳香族式炭化水素基である。]
アリル重合体(a)の重量平均分子量は、2,000〜150,000であることが好ましく、5,000〜140,000であることがより好ましい。なお、明細書において、「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(島津製作所製、GPCシステム)を用いて常温で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
式(1)で表されるアリル化合物に基づく単量体単位の含有量は、アリル重合体(a)100重量%中、20重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることが更に好ましく、98重量%以上であることが特に好ましく、100重量%であってもよい。
光硬化性樹脂組成物におけるアリル重合体(a)の含有量は、光硬化性樹脂組成物全量に対して、1〜70重量%であることが好ましく、1〜60重量%であることがより好ましく、1〜55重量%であることが更に好ましい。アリル重合体(a)の含有量が70重量%を超えると、ポリチオール化合物変性アクリレート(B)との溶解性が悪くなり、粘度も高くなり取扱い性が悪くなることがある。アリル重合体(a)の含有量が1重量%未満であると、光硬化性樹脂組成物に充分な乾燥性が得られないことがある。
式(1)中のZは、n価の脂環式炭化水素基、又はn価の芳香族式炭化水素基のいずれかである。
(i)n価の脂環式炭化水素基
式(1)中のZが、n価の脂環式炭化水素基である場合、炭素数は3〜18であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、4〜10であることが特に好ましい。
n価の脂環式炭化水素基は、飽和のn価の脂環式炭化水素基であってもよく、一部において不飽和結合を有していてもよい。なお、本発明において、脂環式とは、芳香性を有しない環状構造を有する炭化水素基を意味する。
式(1)中のZが、n価の脂環式鎖状炭化水素基において、nは2又は3であることが好ましく、2であることがより好ましい。
また、n価の脂環式炭化水素基はアルキル基を有していてもよい。アルキル基は炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖であればよく、炭素数1〜5であることが好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アルキル基は、脂環式炭化水素基の置換可能位置に1個又は2個以上存在していてもよい。なお、n価の脂環式炭化水素基は、必ずしもアルキル基を有していなくともよい。
式(1)中のZが、n価の脂環式炭化水素基である場合の具体的なアリル化合物としては、式(2)〜(9)の化合物を例示することができる。
式(2)〜(9)、
[式中、nは2〜4のいずれかの整数である。]
式(2)〜(9)において、環構造内で架橋されていてもよく、環構造内で架橋されたもの例として、アダマンダン、ノルボルナン等を例示することができる。
式(2)〜(9)の環上におけるCOOCHCH=CH基の置換位置は何れの組み合わせであっても良く、それらの混合物でも良い。特に、2つのCOOCHCH=CH基が6員環に結合するときに、2つのCOOCHCH=CH基は、オルト配向(1,2位の2置換)、またはメタ配向(1,3位の2置換)、またはパラ配向(1,4位の2置換)のいずれでもよいが、オルト配向(1,2位の2置換)、またはパラ配向(1,4位の2置換)であることが好ましい。
式(1)中のZが、n価の脂環式炭化水素基である場合の具体的なアリル化合物としては、シクロブタンジカルボン酸ジアリル、シクロペンタンジカルボン酸ジアリル、シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル(ヘキサヒドロフタル酸ジアリル)、ノルボルナンジカルボン酸ジアリル、シクロブテンジカルボン酸ジアリル、シクロペンタンジカルボン酸ジアリル、シクロヘキセンジカルボン酸ジアリル(テトラヒドロフタル酸ジアリル)及びノルボルネンジカルボン酸ジアリル等を例示することができる。中でも、1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、ノルボルナンジカルボン酸ジアリルが好ましい。Zは、より特に好ましくは、不飽和結合を有しない環状構造であって、炭素数が4〜7、更には炭素数が5または6、最も好ましくは炭素数が6である。
(ii)n価の芳香族式炭化水素基
式(1)中のZが、n価の芳香族式炭化水素基である場合、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基のいずれかであることが好ましく、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基のいずれかであることがより好ましい。
式(1)中のZが、n価の芳香族炭化水素基において、nは2又は3であることが好ましく、2であることがより好ましい。
また、n価の芳香族式炭化水素基はアルキル基を有していてもよい。アルキル基は炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖であればよく、炭素数1〜5であることが好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アルキル基は、芳香族炭化水素基の置換可能位置に1個又は2個以上存在していてもよい。なお、n価の芳香族炭化水素基は、必ずしもアルキル基を有していなくともよい。
式(1)中のZが、n価の芳香族式炭化水素基である場合、環上におけるアリルエステル(COOCHCH=CH)基の置換位置は何れの組み合わせであっても良く、それらの混合物でも良い。特に、2つのCOOCHCH=CH基が6員環に結合するときに、2つのCOOCHCH=CH基は、オルト配向またはメタ配向またはパラ配向のいずれでもよい。
式(1)中のZが、n価の芳香族炭化水素基である場合の具体的なアリル化合物としては、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリルが挙げられる。
(iii)アリル化合物の製造方法
本発明のアリル化合物は、式(10)で表わされるカルボン酸化合物、又はそれらの酸無水物とハロゲン化アリル又はアリルアルコールとを、必要に応じて、酸性物質、塩基性物質、触媒、溶媒等の存在下、反応させることにより製造できる。式(10)で表わされるカルボン酸化合物は試薬や工業薬品として入手可能である。
Z-(COOH)n …(10)
[式中、n、及びZに関しては、式(1)におけるn、及びZと同じ意味である。]
ハロゲン化アリルとしては、例えばアリルクロリド、アリルブロミド、アリルヨージド等が挙げられる。ハロゲン化アリルの使用量に特に制限は無いが、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して、通常、2〜20モル当量の範囲であるのが好ましく、反応速度及び容積効率の観点からは、2.3〜10モル当量の範囲であるのがより好ましい。これらのハロゲン化アリル化合物は試薬や工業薬品として入手可能である。
アリルアルコールは試薬や工業薬品として入手可能である。アリルアルコールの使用量に特に制限は無いが、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して、通常、2〜10モル当量の範囲であるのが好ましく、2〜5モル当量の範囲であるのがより好ましい。
酸性物質としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、硫酸が挙げられ、酸性物質の使用量は、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して0.001〜0.1モル当量の範囲であるのが好ましく、0.005〜0.05モル当量の範囲であるのがより好ましい。
塩基性物質としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属の水素化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素化物、アルコラート等が一般に用いられるが、アルカリ土類金属の水酸化物、水素化物、炭酸化物、炭酸水素化物や、第4級アンモニウム化合物や脂肪族アミンや芳香族アミンのような有機塩基を用いることも可能である。塩基性物質の使用量は、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して0.5〜30モル当量の範囲であるのが好ましく、2〜15モル当量の範囲であるのがより好ましい。
触媒として、例えば銅、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム等の遷移金属や遷移金属塩が用いられるが、このうち銅化合物が好適に用いられる。
銅化合物としては特に限定はなく、ほとんどの銅化合物が用いられるが、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅等のハロゲン化銅、酸化第一銅、シアン化第一銅、硫酸第一銅、硫酸第二銅、リン酸第二銅、硝酸第一銅、硝酸第二銅等の無機酸の銅塩、水酸化第二銅、炭酸銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅等が好ましい。その中でも特に、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、硫酸銅、酢酸第二銅は容易に入手可能で安価な点で好適である。
反応は、溶媒の存在下又は不存在下にて実施できる。溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン等が挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量に特に制限はないが、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して、通常、0.01〜20倍重量の範囲であるのが好ましく、0.1〜10倍重量の範囲であるのがより好ましい。本反応の場合、溶媒を特に使用しなくてもアリル化合物を効率よく製造できる。
特に、塩基性物質を水溶液として反応に用いる場合、反応を促進させるために相間移動触媒を使用するのが好ましい。相間移動触媒に特に制限はないが、例えばトリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩;テトラブチルホスホニウムクロリド等のホスホニウム塩;15‐クラウン‐5,18‐クラウン‐6等のクラウンエーテル等が挙げられる。相間移動触媒を使用する場合、その使用量は、式(10)で表わされるカルボン酸化合物に対して、通常、0.001〜1モル当量の範囲であるのが好ましく、0.01〜0.4モル当量の範囲であるのがより好ましい。
反応温度は、十分な反応速度を得、かつ副反応を効果的に抑え高収率を得る意味において、通常、−30〜150℃の範囲であるのが好ましく、−10〜130℃の範囲であるのがより好ましい。また、反応時間は10分〜15時間の範囲であるのが好ましく、副反応抑制の観点からは10分〜10時間の範囲であるのが好ましい。
反応は、窒素、アルゴンのような不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。また、反応は大気圧下でも加圧下でも実施できるが、製造設備面の観点からは、大気圧下で実施するのが好ましい。反応は、例えば攪拌型反応装置に原料を一度に、又は分割して仕込み、上記「0041」記載の所定温度で所定時間反応させることにより行なうことができる。
反応終了後、得られた反応混合液を中和した後、必要に応じて水、飽和食塩水等で洗浄してから濃縮し、更に蒸留、カラムクロマトグラフィー等の、有機化合物の精製において通常用いられる精製操作を行なうことによって、純度の高いアリル化合物を取得できる。
(iv)アリル重合体(a)の製造方法
アリル化合物の重合方法は、特に限定されず、通常の重合反応を用いることができる。重合反応には、必要に応じて、適宜重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤を用いることで、より高分子量のアリル重合体(a)を短時間に得ることができる。
アリル化合物の重合反応に用いる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ系重合開始剤、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド等のリン系光重合開始剤等が挙げられる。前記光重合開始剤は、チオキサントン等のイオウ系化合物、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン等のベンジル系化合物等増感剤と併用してもよい。
重合開始剤の添加量は、アリル化合物100重量部に対して、1.0重量部以下であることが好ましく、0.2重量部以下であることがより好ましく、0.001〜0.1重量部であることが更に好ましい。
重合時の反応温度は60〜240℃であることが好ましく、80〜220℃であることがより好ましい。反応時間は、0.1〜100時間であることが好ましく、1〜30時間であることがより好ましい。
式(1)で表されるアリル化合物を上述の方法等により重合することにより、式(1)で表されるアリル化合物に基づく単量体単位を有するアリル重合体(a)を調製できる。
ポリチオール化合物変性アクリレート(B)
本発明のポリチオール化合物変性アクリレート(B)としては、特に限定されないが、ポリチオール化合物とアクリレートを反応して得られたものであれば、特に問題なく用いることができる。
ポリチオール化合物変性アクリレートの反応に用いることのできるアクリレートとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールエタン、メチロールエタン、等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したものの(メタ)アクリル酸エステル化合物;エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキッド(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;エポキシ化大豆油アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物を例示することができ、好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6‐ヘキサンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物であり、より好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
アクリレートとの反応に用いることのできるポリチオール化合物として、特に限定されないが、例えば、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとの反応によって得られるエステルが好適に使用される。上記メルカプトカルボン酸と多価アルコールとの反応によって得られるエステルとしては、例えば、ペンタエルスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエルスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ブタンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート等を例示することができる。なかでも、高い乾燥性が得られる点で、ペンタエルスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエルスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)が好ましい。なお、本発明において、ポリチオール化合物とは、2個以上のチオール基を有する化合物を意味する。
上述したポリチオール化合物以外にも、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1, 2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2'−ジメルカプトビフェニル、4,4'−チオビス−ベンゼンチオール、4,4'−ジメルカプトビフェニル、4,4'−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン等を例示することができる
ポリチオール化合物とアクリレートの反応条件は、特に限定されず、通常の合成反応を用いることができる。反応温度は60〜240℃、例えば80〜220℃であることが好ましい。反応時間は、0.1〜100時間、例えば1〜30時間であることが好ましい。
反応は、溶媒の存在下又は不存在下にて実施できる。溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン等が挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いるポリチオール化合物変性アクリレート(B)の含有量は、光硬化性樹脂組成物中におけるアリル重合体(a)100重量部に対して、10〜1200重量部であることが好ましく、50〜1000重量部であることがより好ましく、50〜500重量部であることがさらに好ましい。
また、光硬化性樹脂組成物に含有されるポリチオール化合物変性アクリレート(B)の含有量は、光硬化性樹脂組成物の粘度が100〜300Pa・s(25℃)の範囲内になるように添加することが好ましい。
エチレン性不飽和化合物(C)
また、本発明の光硬化性樹脂組成物には、上述したポリチオール化合物変性アクリレート(B)以外に、必要に応じて、光照射により硬化可能であるエチレン性不飽和化合物(C)をさらに、含有させることが可能である。エチレン性不飽和化合物(C)としては、炭素‐炭素二重結合を1〜20個有することが好ましく、1〜10個有することがより好ましく、2〜6個有することがさらに好ましい。エチレン性不飽和化合物(C)としては、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アリル化合物およびビニル化合物等が挙げられる。また、エチレン性不飽和化合物は2種以上の化合物の混合物を用いることも可能である。なお、本発明におけるエチレン性不飽和化合物(C)には、上述したポリチオール化合物変性アクリレート(B)は含まれない。
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したものの(メタ)アクリル酸エステル化合物;エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキッド(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;エポキシ化大豆油アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物を例示することができ、好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6‐ヘキサンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物であり、より好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
(メタ)アリル化合物としては、ジ(メタ)アリルフタレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等を例示することができる。
ビニル化合物としては、スチレン、ジビニルベンゼン、N-ビニルピロリドン、酢酸ビニル等を例示することができる。
中でも、アリル重合体(a)との相溶性、光硬化した際の硬化性の点で、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したアクリレートが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物に含有されるエチレン性不飽和化合物(C)の含有量は、光硬化性樹脂組成物中におけるアリル重合体(a)100重量部に対して、50〜2500重量部であることが好ましく、50〜1000重量部であることがより好ましく、50〜500重量部であることがより好ましい。
光硬化性樹脂組成物に、ポリチオール化合物変性アクリレート(B)とエチレン性不飽和化合物(C)の両方を添加する場合、ポリチオール化合物変性アクリレート(B)とエチレン性不飽和化合物(C)の比率は、(ポリチオール化合物変性アクリレート(B):エチレン性不飽和化合物(C))の比率が、1:99〜99:1の範囲であればよく、10:90〜90:10の範囲であることが好ましく、30:70〜70:30の範囲であることがより好ましい。
その他の添加物
本発明の光硬化性樹脂組成物は、重合開始剤を含んでいてもよく、特に光重合開始剤を含有することが好ましい。光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤としては、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルホリノプロパン-1、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド等のリン系、チオキサントン等のイオウ系、ベンジル、9,10‐フェナンスレンキノン等のジベンジル系が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜15重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜12重量%の範囲がより好ましく、1〜10重量%の範囲がさらに好ましい。
光硬化性樹脂組成物には、光開始助剤(例えば、トリエタノールアミン等のアミン系光開始助剤)を併用してもよい。光開始助剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜5重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜3重量%の範囲がより好ましい。
また、光硬化性樹脂組成物には、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与するワックスを添加してもよい。ワックスとして、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物等の合成ワックス等を例示することができる。ワックスの添加量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜10重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜5重量%の範囲がより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、種々の添加剤、例示すれば、安定剤(例えば、ハイドロキノン、メトキノン、メチルハイドロキノン等の重合禁止剤)、顔料(例えば、シアニンブルー、ジスアゾエロー、カーミン6b、レーキッドC、カーボンブラック、チタンホワイト)等の着色剤、充填剤、粘度調整剤等の各種添加剤を目的に応じて含有することができる。光硬化性樹脂組成物に含有される安定剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.01〜2重量%の範囲であることが好ましく、0.1〜1重量%の範囲がより好ましい。
着色剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、1〜50重量%の範囲であることが好ましく、1〜45重量%の範囲がより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、樹脂(例えば、アリル重合体(a))、ポリチオール化合物変性アクリレート(B)、必要に応じてエチレン性不飽和化合物(C)、さらには、着色剤、光重合開始剤、光開始助剤、添加剤(例えば、安定剤)、ワックスを混合することによって製造できる。本発明の光硬化性樹脂組成物は、光を照射することによって硬化する。硬化に用いる光は、一般に紫外線である。
光硬化性樹脂組成物の硬化反応に用いる硬化装置、また、硬化条件は特に限定されず、通常の光硬化反応に用いられる方法であればよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物の用途は特に限定されない。インキ(例えば、光硬化性平版用印刷インキ、シルクスクリーンインキ、フレキソインキ等の印刷インキ)等の技術分野において使用できる。
例えば、インキの一般的作製方法は次のとおりである。ポリチオール化合物変性アクリレート(B)、(必要に応じてエチレン性不飽和化合物(C))にアリル重合体(a)、及び安定剤等を60℃〜100℃の温度で攪拌しながら溶解させワニスを作製する。このワニスに、顔料、光重合開始剤、その他添加剤を、バタフライミキサーで撹拌混合後、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、パールミル、3本ロール等で練肉することでインキが得られる。
(実施例)
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
アリル重合体(a)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)の測定
重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)はGPCを用いて測定した。Mw、Mnは標準ポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量の値である。
カラム:ShodexKF−806L、KF−804、KF−803、KF−802、KF−801を直列に接続
流速:1.0mL/min
温度:40℃
検出:RID−6A
試料:試料20mgをテトラヒドロフラン10mLに溶解させ測定用のサンプルとした。
製造例1 1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル重合体の合成
1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルは、シクロヘキサンジカルボン酸無水物とアリルアルコールをエステル化反応させることによって製造した。
3Lのセパラブルフラスコに1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル2400gを加え、60gのベンゾイルパーオキサイドを加えて80℃で加熱攪拌した。2.5時間反応させた後、30℃まで冷却した。冷却後、フラスコにメタノールを加え、重合体を沈殿させた。得られた重合体を40℃で16時間減圧乾燥した(収量:408g、収率:17%、Mw=32,000、Mw/Mn=2.8)。得られた重合体を重合体1とし、実施例1に用いた。
実施例1〜4、比較例1〜5
下記表1に記載の各組成の光硬化性樹脂組成物を調製し、光硬化性樹脂組成物の特性を評価した。
1)光硬化性樹脂組成物の調製
製造例1で得られたアリル重合体(a)、DAP樹脂、ポリチオール化合物変性アクリレート(B)、その他成分及び重合禁止剤を下記表1に記載の各組成量で添加し、100℃まで加熱混合して光硬化性樹脂組成物を調製した室温に冷却後、一晩後経過したものの外観が透明であるかで相溶性を確認した。冷却後も外観が透明であったものを〇、白濁したものを×とした。結果は表2に示す。なお、溶解しなかった比較例2、3、5については、粘度測定、乾燥性試験は実施しなかった。
表1に示した重合体1以外の成分は下記のとおりである。
また、表1に示す組成量は重量部での表記である。
DAP樹脂:(株)大阪ソーダ製 ジアリルフタレート樹脂
ES100:MIWON社製 MIRAMER ES100 PEMP変性3EO-TMPTA(3EO-TMPTAをペンタエルスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート(PEMP)で変性したもの)
3EO-TMPTA: MIWON社製 M3130 3molエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
PEMP:SC有機化学(株)製(ペンタエルスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
メチルハイドロキノン:和光純薬工業製
上記で調整した光硬化性樹脂組成物に対して光重合開始剤としてIrgacure907(BASFジャパン(株)製 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)を添加し、加熱混合することで乾燥性試験に用いるサンプルを調製した。光重合開始剤の添加量は、光硬化性樹脂組成物中のアリル重合体(a)又はDAP樹脂、及びポリチオール化合物変性アクリレート(B)又はその他エチレン性不飽和化合物の合計量100重量部に対して5重量部となる量とした。
2)粘度測定
調製したワニスにつき、BROOKFIELD VISCOMETER DV−II+Proを用いて25℃での粘度(Pa・s)を測定した。評価結果を表2に示した。
3)乾燥性試験
調製した光硬化性樹脂組成物を、プラスチックフィルム(ポリプロピレン基材:龍田化学株式会社製 無延伸高透明PPシート 品名:ハイピークリスタル ST−500 厚み0.3mm)にRIテスターを用いてコートし、出力120W/cmのメタルハライドランプ(ランプ距離11cm、コンベアスピード50m/min)で硬化させた。なお、UV硬化装置はアイグラフィックス株式会社製コンベア型紫外線硬化装置を用いた。塗膜を指で触り、面に指紋が付かない状態(タックフリー)になるまで複数回通過させ、その回数で乾燥性を評価した。評価結果を表2に示す
表2に示すように、ポリチオール化合物変性アクリレート(ES100)を含む光硬化性樹脂組成物(実施例1、2)は、一般的に樹脂プラスチック基材用の光硬化性樹脂組成物に通常用いられるアクリレート(比較例1、4:3EO-TMPTA)を添加したものに比べて、高い乾燥性(回数が少ないほど乾燥性に優れる)が得られた。また、アクリレートの変性に用いるポリチオール化合物を単独で添加(比較例2、5:PEMP)しても、樹脂と相溶しなかった。さらに、変性に用いるポリチオール化合物とアクリレートを混合して用い(比較例3;3EO−TMPTAとPEMPの混合)ても、樹脂が相溶しなかった。

Claims (7)

  1. 樹脂(A)と、ポリチオール化合物変性アクリレート(B)を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物であって、
    樹脂(A)が、式(1)で表されるアリル化合物を重合して得られるアリル重合体(a)である、光硬化性樹脂組成物。
    [式中、nは2〜4のいずれかの整数を表わし、Zはn価の脂環式炭化水素基、又はn価の芳香族式炭化水素基である。]
  2. 式(1)表されるアリル化合物が、式(2)〜(9)で表される化合物が、
    [式中、nは2〜4のいずれかの整数である。]
    で表される化合物の何れかである請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 式(1)中のZが、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基のいずれかである請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 更に、光重合開始剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とするインキ。
  6. 請求項1〜4の何れかに記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする塗料。
  7. オーバープリントワニスである請求項6に記載の塗料。
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