JP2019026306A - 不正開封防止キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】対象者による開封を許容し非対象者による意図しない開封を防止する。【解決手段】口部3に対する周方向の回転に伴って口部から離脱可能とされた内キャップ11と、内キャップに対して相対移動可能に組み合わされた外キャップ12と、を備え、外キャップの外側係止部29は、内キャップに対して前進移動したときに内側係止部24に係止することで、外側係止部が、内キャップが口部に対して緩む緩み側M2に、内側係止部に対して回転することが規制され、外キャップは、内キャップに対して周方向の緩み側M2に移動することが許容される非係止位置と、外側係止部が内キャップに向けて前進移動し内側係止部に係止可能になる係止位置と、の間をキャップ軸O方向に移動可能に配設され、内キャップと外キャップとの間に、係止位置に位置する外キャップを非係止位置に向けて復元移動させる付勢部材34が配設されている。【選択図】図1

Description

本発明は、不正開封防止キャップに関する。
収容容器の不正開封を防止するために、収容容器の口部に不正開封防止キャップが取り付けられる場合がある。なお、不正開封の防止とは、特定の使用対象者(以下、単に対象者という)による開封を許容した上で、例えば乳幼児や子供等の非使用対象者(以下、単に非対象者という)による意図しない開封の防止をいう。
例えば下記特許文献1に示されるように、容器の口部に装着され、外周面に逆止歯が全周にわたって形成された内キャップと、弾性変形可能な操作片を有するとともに内キャップを覆う外キャップと、を備えた不正開封防止キャップが知られている。
操作片には、外キャップを、内キャップの口部に対する緩み側に回転させたときに、操作片の弾性変形に伴って逆止歯を周方向に乗り越えるとともに、外キャップを締め込み側に回転させたときに、逆止歯に対して噛合する爪部が形成されている。
したがって、上記不正開封防止キャップでは、外キャップを前記緩み側に向けて単純に回転操作した場合には、操作片の弾性変形に伴って爪部が逆止歯を周方向に乗り越えるので、内キャップに対して外キャップが空転する。これにより、開封が防止される。
これに対して、操作片を押圧しながら外キャップを前記緩み側に向けて回転操作した場合には、操作片の弾性変形を規制できるので、逆止歯と爪部とを噛合させた状態にすることができ、外キャップおよび内キャップを一体に回転させることができる。これにより、開封を行える。
特開2003−104408号公報
しかしながら、上述した従来の不正開封防止キャップでは、外キャップを例えば握りながら回転操作するときに、操作片を指先等で押さえてしまった場合には、外キャップおよび内キャップが一体に回転して開封に繋がってしまう。したがって、開封に直接関係する本操作、すなわち外キャップの回転操作を行うときに、意図しなくても操作片を押さえてしまうことがある。そのため、非対象者であっても開封できてしまう場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる不正開封防止キャップを提供することである。
本発明に係る不正開封防止キャップは、容器本体の口部に対するキャップ軸回りに沿う周方向の回転に伴って前記口部から離脱可能とされた内キャップと、前記内キャップを覆うとともに、前記内キャップに対して相対移動可能に組み合わされた外キャップと、を備え、前記外キャップに、前記内キャップに対して進退可能に配設されるとともに、前記内キャップに形成された内側係止部に対して係止可能な外側係止部が形成され、前記外側係止部は、前記内キャップに対して前進移動したときに前記内側係止部に係止することで、この外側係止部が、前記内キャップが前記口部に対して緩む緩み側に、前記内側係止部に対して回転することが規制され、前記外キャップは、前記内キャップに対して周方向の前記緩み側に移動することが許容される非係止位置と、前記外側係止部が前記内キャップに向けて前進移動し前記内側係止部に係止可能になる係止位置と、の間をキャップ軸方向に移動可能に配設され、前記内キャップと前記外キャップとの間に、前記係止位置に位置する前記外キャップを前記非係止位置に向けて復元移動させる付勢部材が配設されていることを特徴とする。
この発明によれば、まず、外キャップが非係止位置に位置している場合には、内キャップの内側係止部に対して、外キャップの外側係止部が非係止状態で配置され、外キャップが内キャップに対して前記緩み側に回転することが許容されている。したがって、外キャップを前記緩み側に回転させたとしても、外キャップから内キャップに回転力を伝えることができず、内キャップ、および外キャップを一体的に前記緩み側に回転させることができない。また、外キャップを内キャップに対して係止位置に移動させなければ、外側係止部を内キャップに向けて前進移動させ内側係止部に係止させることができない。
次に、外キャップを内キャップに対して非係止位置から係止位置に移動させ、かつ外側係止部を内キャップに向けて前進移動し内側係止部に係止させた場合には、外側係止部が、内側係止部に対して前記緩み側に回転することが規制される。これにより、外キャップ、および内キャップを口部に対して一体に前記緩み側に回転させることが可能になり、口部から不正開封防止キャップの全体を取外すことができる。
以上のように、外キャップを内キャップに対して非係止位置から係止位置に移動させ、かつ外側係止部を内キャップに向けて前進移動し内側係止部に係止させる予備操作を行わなければ、開封に直接関係する、外キャップおよび内キャップを口部に対して一体に前記緩み側に回転させる本操作を行うことができない。したがって、従来とは異なり、非対象者が本操作を行うことで偶然に開封されるような不都合が生じ難い。このため、事前に予備操作を行うことを認識している対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる。したがって、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質なキャップとすることができる。
外キャップが、非係止位置と係止位置との間をキャップ軸方向に移動可能に配設されているので、外キャップを移動させる向きが、キャップ軸方向の予備操作と、周方向の本操作と、で異ならせることが可能になり、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止し易い。
内キャップと外キャップとの間に付勢部材が配設されているので、口部から不正開封防止キャップの全体を取外すと、係止位置に位置していた外キャップが、付勢部材により自然に非係止位置に復元移動することとなり、外キャップが係止位置に位置したままの状態に保たれることがない。したがって、非対象者による開封を確実に抑制することができる。
ここで、前記内キャップには、前記非係止位置に位置している前記外キャップの前記外側係止部が係止可能なラチェット突部が形成され、前記外側係止部は、前記内キャップが前記口部に対して締め込まれる締め込み側に、前記ラチェット突部に対して回転することが規制され、かつ前記緩み側に、前記ラチェット突部に対して回転することが許容されてもよい。
この場合、内キャップにラチェット突部が形成されているので、外キャップが非係止位置に位置する不正開封防止キャップを口部に装着する際に、口部に対して外キャップを締め込み側に回転させると、内キャップを外キャップとともに締め込み側に回転させることができる。したがって、不正開封防止キャップを口部に装着する際には、予備操作を行う必要がなく、優れた操作性を具備させることができる。
また、前記付勢部材は、前記内キャップまたは前記外キャップと一体に形成されてもよい。
この場合、付勢部材が、内キャップまたは外キャップと一体に形成されているので、部品点数、および組み立て工数の増大を抑制することができる。
本発明に係る不正開封防止キャップによれば、対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができ、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質なキャップとすることができる。
本発明の一実施形態を示す図であって、容器本体の口部に不正開封防止キャップが装着された不正開封防止容器の要部の縦断面図である。 図1に示す不正開封防止容器のA−A線矢視断面図である。 図1に示す不正開封防止キャップのB−B線矢視断面図である。 図1に示す不正開封防止容器であって、外キャップが係止位置に位置し、外側係止部が内側係止部に係止された状態を示す図である。 図4に示す不正開封防止キャップのC−C線矢視断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、不正開封防止キャップ10は、内容物が収容される有底筒状の容器本体2の口部3に装着されて用いられ、対象者による開封を許容しつつ、子供等の非対象者による意図しない開封を防止する。
なお、不正開封防止キャップ10および容器本体2は、不正開封防止容器1を構成する。
不正開封防止キャップ10は、容器本体2の口部3に離脱可能に装着される有頂筒状の内キャップ11と、内キャップ11を覆う有頂筒状の外キャップ12と、を備える。
内キャップ11、および外キャップ12は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態ではこの共通軸をキャップ軸Oという。
不正開封防止容器1において、キャップ軸Oに沿った不正開封防止キャップ10側を上側といい、容器本体2の底部側を下側という。また、キャップ軸O方向から見た平面視において、キャップ軸Oに交差する方向を径方向といい、キャップ軸O回りに周回する方向を周方向という。さらに、図2、図3、および図5に示されるように、周方向のうち、不正開封防止容器1の上面視でキャップ軸Oを時計回りに周回する方向を第1回転方向M1といい、その逆方向を第2回転方向M2という。
容器本体2は、内部に内容物が収容される有底筒状に形成され、キャップ軸Oと同軸に配置されている。内容物としては、特に限定されるものではないが、例えば誤飲、誤食を防止する必要がある薬剤等が挙げられる。
図示の例では、容器本体2として単層のボトル容器としているが、この場合に限定されるものではなく、例えば二重容器等の積層型ボトル容器であっても構わないし、パウチ容器等であっても構わない。容器本体2における胴部の形状としては、例えば横断面視円形状、楕円形状あるいは六角形状等の角形状であっても良く、特定の形状に限定されるものではない。
容器本体2の口部3には、内キャップ11が螺着される雄ねじ部4が形成されている。
雄ねじ部4は、口部3に対して内キャップ11を第1回転方向M1に回転させた際に、内キャップ11が締め込まれるように螺旋状に形成されている。そのため、周方向のうち、第1回転方向M1が、内キャップ11の口部3に対する締め込み側となり、第2回転方向M2が、内キャップ11の口部3に対する緩み側となる。
内キャップ11は、口部3に螺着された周壁部21、および頂壁部22を備える有頂筒状に形成されている。
頂壁部22は、パッキン35を介して口部3の上端開口縁に配置されている。なお、パッキン35は必須なものではなく具備しなくても構わない。この場合において、頂壁部22の下面に下方に向けて突出するシール筒を形成し、このシール筒を容器本体2の口部3の内側に密に嵌合させる等してもよい。
周壁部21は、外径が下方から上方に向かうに従い漸次、縮径した多段筒状に形成されている。図示の例では、周壁部21は、頂壁部22の外周縁部から下方に向けて延びる上側部分21aと、開放端部を構成する下側部分21bと、上側部分21aと下側部分21bとを連結する中間部分21cと、を備える。
下側部分21bの上端部の外周面には、内側抜け止め突起25が全周にわたって連続して形成されている。
中間部分21cの外周面には、図2に示されるように、第2回転方向M2に向かうに従い漸次、径方向の外側に向けた突出量が高くなるラチェット突部23が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。ラチェット突部23は、中間部分21cに、周方向に等間隔をあけて4つ形成されている。ラチェット突部23における第2回転方向M2側の端部には、第2回転方向M2を向きキャップ軸O方向に延びる係止面23aが形成されている。ラチェット突部23における径方向の外端部は、下側部分21bの外周面と同等の径方向の位置に位置している。ラチェット突部23は、中間部分21cの外周面うち、上端部を除くキャップ軸O方向の全域にわたって形成されている。
なお、ラチェット突部23の数は適宜変更してもよい。ラチェット突部23は、内キャップ11に周方向に等間隔をあけて複数形成するのが好ましい。
上側部分21aの外周面には、図5に示されるように、径方向の外側に向けて突出する内側係止部24が形成されている。内側係止部24は、上側部分21aに周方向に間隔をあけて複数形成されている。内側係止部24は、上側部分21aに、周方向に等間隔をあけて4つ形成されている。内側係止部24は、第1回転方向M1に向かうに従い漸次、径方向の外側に向けた突出量が高くなっている。内側係止部24における第1回転方向M1側の端部には、第1回転方向M1を向きキャップ軸O方向に延びる係止面24aが形成されている。内側係止部24における径方向の外端部は、中間部分21cの外周面と同等の径方向の位置に位置している。内側係止部24は、上側部分21aの外周面におけるキャップ軸O方向の全域にわたって形成されている。
なお、内側係止部24の径方向の外側に向けた突出量は、周方向の全域にわたって同等にしてもよい。内側係止部24の数は適宜変更してもよい。内側係止部24は、内キャップ11に周方向に等間隔をあけて複数形成するのが好ましい。
ラチェット突部23および内側係止部24それぞれの径方向の突出量は互いに同等になっている。ラチェット突部23および内側係止部24それぞれのキャップ軸O方向の長さは互いに同等になっている。ラチェット突部23および内側係止部24それぞれの係止面23a、24aの周方向の位置は互いに同等になっている。
外キャップ12は、内キャップ11を覆うとともに、内キャップ11に対して相対移動可能に組み合わされている。内キャップ11に相対移動可能に外装された本体筒26と、本体筒26の上端部内に嵌合された天板部材27と、を備えている。なお、本体筒26および天板部材27は一体に形成されてもよい。
天板部材27は有頂筒状に形成されている。天板部材27の周壁部には、径方向の内側に向けて突出する受板部27aが形成されている。受板部27aは、キャップ軸Oを中心とする円弧状に形成されている。受板部27aは、内キャップ11の頂壁部22より上方に位置している。なお、受板部27aの下面と、天板部材27の周壁部の内周面と、を連結するリブが周方向に間隔をあけて複数配置されている。
本体筒26の内周面には、内キャップ11の内側抜け止め突起25より下方に位置し、径方向の内側に向けて突出する外側抜け止め突起32が全周にわたって連続して形成されている。外側抜け止め突起32は、本体筒26の下端部の内周面に形成されている。本体筒26には、径方向に貫く窓孔26aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。窓孔26aは、内キャップ11において、上側部分21aから下側部分21bの上端部にわたる部分に向けて一体に開口している。窓孔26aは、本体筒26に2つ形成されており、本体筒26おいて、キャップ軸Oを径方向に挟む両側に位置する部分に各別に配置されている。窓孔26aは、径方向の外側から見た正面視で、キャップ軸O方向に長い長方形状を呈する。
窓孔26aの内周面において、下端に位置して上方を向く下端面に、径方向に弾性変位可能に連結された操作片28が配設されている。操作片28は、その下端部回りに径方向に弾性変位可能に配設されている。これにより、操作片28は、内キャップ11に対して進退可能に配設されている。操作片28は、径方向の外側から見た正面視で、窓孔26aよりわずかに小さい、キャップ軸O方向に長い長方形状を呈する。
操作片28の表面のうち、径方向の内側を向く内面に、径方向の内側に向けて突出する外側係止部29が形成されている。外側係止部29は、キャップ軸O方向に長い直方体状に形成されている。外側係止部29は、図2および図5に示されるような、キャップ軸Oに直交する横断面視において、一対の辺が径方向に延び、残り一対の辺が周方向に延びる矩形状を呈する。外側係止部29の上端縁には、図1に示されるように、上方に向けて突出し、窓孔26aの内周面において、上端に位置して下方を向く上端面より上方に位置する突片29aが配設されている。突片29aは、本体筒26の内周面より径方向の内側に位置している。外側係止部29は、操作片28の内面のうち、下部を除くキャップ軸O方向の全域にわたって形成されている。外側係止部29は、操作片28の内面における周方向の中間部分に形成されている。
外側係止部29は、内キャップ11のうち、中間部分21cおよび上側部分21aの下部が位置するキャップ軸O方向の位置と同等の位置に位置している。外側係止部29が、中間部分21cの外周面に当接若しくは近接している。これにより、操作片28の径方向の内側に向けた変位が規制されている。
この状態において、外キャップ12を内キャップ11に対して第2回転方向M2に回転させると、外側係止部29は、ラチェット突部23を周方向に通過する。つまり、外側係止部29は、ラチェット突部23に対して第2回転方向M2に回転することが許容されて、外キャップ12が内キャップ11に対して空転する。これにより、内キャップ11が、口部3に対して第2回転方向M2に回転することがなく、内キャップ11の口部3に対する螺着が維持される。
一方、外キャップ12を内キャップ11に対して第1回転方向M1に回転させると、外側係止部29は、ラチェット突部23の係止面23aに当接して係止される。つまり、外側係止部29は、ラチェット突部23に対して第1回転方向M1に回転することが規制されて、外キャップ12が内キャップ11とともに第1回転方向M1に回転する。これにより、内キャップ11が、口部3に対して第1回転方向M1に回転して締め込まれる。
外キャップ12は、内キャップ11に対して上方に向けて移動可能に配設されている。外キャップ12は、外側抜け止め突起32が内キャップ11の内側抜け止め突起25に内側抜け止め突起25の下方から当接するまで上方に向けて移動可能に配設されている。外キャップ12が内キャップ11に対して上昇端位置に位置したときに、外側係止部29の下端部は、図4に示されるように、内キャップ11の中間部分21cを上方に超えて、上側部分21aの下端部が位置するキャップ軸O方向の位置と同等の位置に位置する。
この状態で、操作片28を径方向の内側に押し込んで、外キャップ12を内キャップ11に対して第2回転方向M2に回転させると、外側係止部29が、内側係止部24の係止面24aに当接する。これにより、外側係止部29が、内側係止部24に対して第2回転方向M2に回転することが規制されて、外キャップ12が内キャップ11とともに第2回転方向M2に回転する。したがって、内キャップ11が、口部3に対して第2回転方向M2に回転し緩んで取外される。
なお図示の例では、これとは逆に、外キャップ12を内キャップ11に対して第1回転方向M1に回転させると、外側係止部29は、内側係止部24を周方向に通過する。つまり、外側係止部29は、内側係止部24に対して第1回転方向M1に回転することが許容されて、外キャップ12が内キャップ11に対して空転する。
以上のように、外キャップ12は、内キャップ11に対して第2回転方向M2に移動することが許容される非係止位置と、外側係止部29が内キャップ11に向けて前進移動し内側係止部24に係止可能になる係止位置と、の間をキャップ軸O方向に移動可能に配設されている。
図示の例では、非係止位置は係止位置より下方に位置する。また、非係止位置で、外側係止部29は、ラチェット突部23に係止され、ラチェット突部23に対して第1回転方向M1に回転することが規制される。
ここで、内キャップ11と外キャップ12との間に、係止位置に位置する外キャップ12を非係止位置に向けて復元移動させる付勢部材34が配設されている。付勢部材34は、内キャップ11または外キャップ12と一体に形成されている。図示の例では、付勢部材34は、内キャップ11の頂壁部22と一体に形成されている。付勢部材34は、内キャップ11の頂壁部22の上面と、天板部材27の天壁の下面との間に配設されている。
なお、付勢部材34は、内キャップ11の周壁部21と、外キャップ12の本体筒26と、の間に配設してもよい。
付勢部材34は、図3に示されるように、周方向に間隔をあけて複数配設されている。図示の例では、付勢部材34は、頂壁部22において、キャップ軸Oを径方向に挟む両側に位置する部分に各別に配設されている。付勢部材34は、頂壁部22において、径方向の中間部から外周縁部にわたって配設されている。
付勢部材34は、周方向に延びる帯状のばね本体34aと、ばね本体34aと頂壁部22とを接続する内側接続部34bと、ばね本体34aと外キャップ12とを接続する外側接続部34cと、を備える。ばね本体34a、内側接続部34b、および外側接続部34cは一体に形成されている。
内側接続部34bは、ばね本体34aおよび頂壁部22と一体に形成されている。内側接続部34bは、ばね本体34aにおける周方向の両端部のうち、第2回転方向M2側の端部に接続されている。
外側接続部34cは、天板部材27の受板部27aの内側に挿通されて受板部27aの上面に係止されている。外側接続部34cは、ばね本体34aにおける周方向の両端部のうち、第1回転方向M1側の端部に接続されている。外側接続部34cは、ばね本体34aにおける第1回転方向M1側の端部から、ばね本体34aの外周側を第2回転方向M2に向けて延びている。外側接続部34cにおける第2回転方向M2側の端部は、内側接続部34bから第1回転方向M1に離れて位置している。
ばね本体34aは、内側接続部34bおよび外側接続部34cが、キャップ軸O方向に弾性的に相対変位するように弾性変形可能に形成されている。
以上詳述したように、本実施形態の不正開封防止キャップ10では、まず、外キャップ12が非係止位置に位置している場合には、内キャップ11の内側係止部24に対して、外キャップ12の外側係止部29が非係止状態で配置され、外キャップ12が内キャップ11に対して第2回転方向M2に回転することが許容されている。したがって、外キャップ12を第2回転方向M2に回転させたとしても、外キャップ12から内キャップ11に回転力を伝えることができず、内キャップ11、および外キャップ12を一体的に第2回転方向M2に回転させることができない。
次に、外キャップ12を内キャップ11に対して非係止位置から係止位置に移動させ、かつ外側係止部29を内キャップ11に向けて前進移動し内側係止部24に係止させた場合には、外側係止部29が、内側係止部24に対して第2回転方向M2に回転することが規制される。これにより、外キャップ12、および内キャップ11を口部3に対して一体に第2回転方向M2に回転させることが可能になり、口部3から不正開封防止キャップ10の全体を取外すことができる。
以上のように、外キャップ12を内キャップ11に対して非係止位置から係止位置に移動させ、かつ外側係止部29を内キャップ11に向けて前進移動し内側係止部24に係止させる予備操作を行わなければ、開封に直接関係する、外キャップ12および内キャップ11を口部3に対して一体に第2回転方向M2に回転させる本操作を行うことができない。したがって、従来とは異なり、非対象者が本操作を行うことで偶然に開封されるような不都合が生じ難い。このため、事前に予備操作を行うことを認識している対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる。したがって、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質なキャップとすることができる。
外キャップ12が、非係止位置と係止位置との間をキャップ軸O方向に移動可能に配設されているので、外キャップ12を移動させる向きが、キャップ軸O方向の予備操作と、周方向の本操作と、で異ならせることが可能になり、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止し易い。
内キャップ11と外キャップ12との間に付勢部材34が配設されているので、口部3から不正開封防止キャップ10の全体を取外すと、係止位置に位置していた外キャップ12が、付勢部材34により自然に非係止位置に復元移動することとなり、外キャップ12が係止位置に位置したままの状態に保たれることがない。したがって、非対象者による開封を確実に抑制することができる。
また、内キャップ11にラチェット突部23が形成されているので、外キャップ12が非係止位置に位置する不正開封防止キャップ10を口部3に装着する際に、口部3に対して外キャップ12を第1回転方向M1に回転させると、内キャップ11を外キャップ12とともに第1回転方向M1に回転させることができる。したがって、不正開封防止キャップ10を口部3に装着する際には、予備操作を行う必要がなく、優れた操作性を具備させることができる。
また、付勢部材が、内キャップ11または外キャップ12と一体に形成されているので、部品点数、および組み立て工数の増大を抑制することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、付勢部材34として、内キャップ11または外キャップ12と一体に形成された構成を示したが、内キャップ11および外キャップ12と別体とされた構成を採用してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
2 容器本体
3 口部
10 不正開封防止キャップ
11 内キャップ
12 外キャップ
23 ラチェット突部
24 内側係止部
29 外側係止部
34 付勢部材
O キャップ軸
M1 第1回転方向(締め込み側)
M2 第2回転方向(緩み側)

Claims (3)

  1. 容器本体の口部に対するキャップ軸回りに沿う周方向の回転に伴って前記口部から離脱可能とされた内キャップと、
    前記内キャップを覆うとともに、前記内キャップに対して相対移動可能に組み合わされた外キャップと、を備え、
    前記外キャップに、前記内キャップに対して進退可能に配設されるとともに、前記内キャップに形成された内側係止部に対して係止可能な外側係止部が形成され、
    前記外側係止部は、前記内キャップに対して前進移動したときに前記内側係止部に係止することで、この外側係止部が、前記内キャップが前記口部に対して緩む緩み側に、前記内側係止部に対して回転することが規制され、
    前記外キャップは、前記内キャップに対して周方向の前記緩み側に移動することが許容される非係止位置と、前記外側係止部が前記内キャップに向けて前進移動し前記内側係止部に係止可能になる係止位置と、の間をキャップ軸方向に移動可能に配設され、
    前記内キャップと前記外キャップとの間に、前記係止位置に位置する前記外キャップを前記非係止位置に向けて復元移動させる付勢部材が配設されていることを特徴とする不正開封防止キャップ。
  2. 前記内キャップには、前記非係止位置に位置している前記外キャップの前記外側係止部が係止可能なラチェット突部が形成され、
    前記外側係止部は、前記内キャップが前記口部に対して締め込まれる締め込み側に、前記ラチェット突部に対して回転することが規制され、かつ前記緩み側に、前記ラチェット突部に対して回転することが許容されることを特徴とする請求項1に記載の不正開封防止キャップ。
  3. 前記付勢部材は、前記内キャップまたは前記外キャップと一体に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の不正開封防止キャップ。
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