JP6899726B2 - 不正開封防止キャップ - Google Patents
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Description
特許文献1における不正開封防止キャップでは、外キャップの操作片を弾性変形させることで、操作片に形成された爪部が内キャップの逆止歯列に噛み合う。この状態で、外キャップを内キャップの緩み側に回転させることで、外キャップ及び内キャップが緩み側に一体に回転して、収容容器が開封される。
また、非対象者が外キャップを握りながら回転操作する際に、操作片を指先等で押さえてしまった場合には、爪部と逆止歯列とが噛み合い収容容器が開封されるおそれがあった。すなわち、従来の不正開封防止キャップでは、外キャップの回転操作を行うときに、意図しなくても操作片を押さえてしまうことがある。そのため、非対象者であっても開封できてしまう場合があった。
本発明に係る不正開封防止キャップは、容器本体の口部に装着され、前記口部に対するキャップ軸回りの回転に伴い前記口部から離脱可能とされた内キャップと、前記内キャップを覆う被覆部を有するとともに、前記内キャップに対して前記キャップ軸回りに回転可能に組み合わされた外キャップと、前記被覆部に形成された外側係合部と、前記内キャップのうち前記被覆部との対向位置に形成された内側係合部と、を備え、前記外キャップは、前記外側係合部及び前記内側係合部がキャップ周方向で係合して、前記内キャップに対する前記外キャップの回転を規制する係合位置と、前記外側係合部及び前記内側係合部の係合が解除され、前記内キャップに対する前記外キャップの回転が許容される非係合位置と、の間を前記内キャップに対して前記キャップ軸方向に移動可能に構成され、前記外キャップを前記非係合位置に向けて付勢する付勢部材を備え、前記内キャップは、前記付勢部材に対してキャップ径方向の内側に配置されるとともに、前記口部に装着される装着筒を備え、前記外キャップは、前記付勢部材に対して前記キャップ径方向の外側に配置され、前記装着筒を取り囲む囲繞筒を備えている。
また、付勢部材がキャップ径方向に弾性変形しようとした場合に、付勢部材と、装着筒及び囲繞筒の何れかと、が接触することになる。これにより、付勢部材のキャップ径方向への移動を規制することができ、付勢部材によって外キャップを非係合位置に安定して付勢することができる。
しかも、本発明の構成では、外キャップが付勢部材によって非係合位置に向けて付勢されている。そのため、外キャップが係合位置にある状態で、外キャップの下方への押し込みを解除すると、内キャップに対して外キャップが上方に移動する。そして、外キャップの上方移動に伴い、外側係合部が内側係合部から離脱することで、非係合位置に復帰する。そのため、例えば係合位置の状態で開封操作を終了した場合に、非対象者が外キャップを緩み側に回転させたとしても、内キャップが回転しないようになっている。その結果、非対象者による開封をより確実に防止できる。
この構成によれば、口部に対する締め込み側に向けて外キャップをキャップ軸回りに回転させたときに、内キャップと外キャップとの相対回転を規制する。そのため、容器本体の口部に対して不正開封防止キャップを装着するときに、外キャップが非係合位置にある状態であっても、口部に対する不正開封防止キャップの装着を行うことができる。つまり、内キャップと外キャップとの間にラチェット機構が設けられているので、口部に対して外キャップを締め込み側に回転させると、内キャップ及び外キャップが一体になって締め込み側に回転する。これにより、口部に対して不正開封防止キャップの全体を締め込むことができ、口部に対する装着を行うことができる。
一方、口部に対する緩み側に向けて外キャップをキャップ軸回りに回転させたときに、内キャップと外キャップとの相対回転を許容する。そのため、口部に対して外キャップを緩み側に回転させた場合には、ラチェット機構によって外キャップが空転するので、外キャップの回転力が内キャップに伝わることを防止することができる。したがって、外キャップを緩み側に回転させるだけでは、不正開封防止キャップが開封されるのを防止できる。
この構成によれば、付勢部材が内ラチェット部を構成しているので、ラチェット機構とは別に付勢部材を設ける場合に比べて部品点数の削減や構成の簡素化を図ることができる。
図1に示すように、本実施形態の収容容器3は、内容物が収容される有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部5に装着された有頂筒状の不正開封防止キャップ1と、を備えている。なお、本実施形態において、容器本体2内に収容される内容物としては、例えば、誤飲や誤食を防止する必要のある薬剤等が挙げられる。但し、内容物は、適宜変更が可能である。
装着筒22の下端部には、キャップ径方向の外側に張り出すフランジ部28が形成されている。フランジ部28は、装着筒22の全周に亘って形成されている。なお、フランジ部28は、周方向に間欠的に形成されていても構わない。
囲繞筒32は、外天壁部31の外周縁から下方に延設されている。囲繞筒32は、装着筒22の外周面全体を装着筒22に対してキャップ径方向の外側から取り囲んでいる。このように、本実施形態の外キャップ11の外天壁部31及び囲繞筒32は、内キャップ10の全体を内キャップ10の上方及びキャップ径方向の外側から覆っている。すなわち、外天壁部31及び囲繞筒32は、本実施形態の被覆部を構成している。
大径部34は、接続部35の外周縁から下方に延設されている。大径部34の内周面は、外キャップ11が内キャップ10に対してキャップ軸O方向に移動する際、フランジ部28の外周面に摺動可能に支持されていることが好ましい。但し、大径部34の内周面は、フランジ部28の外周面に対して離間していても構わない。
一方、図1に示す非係合位置では、外側係合部48と内側係合部45との係合が解除される。これにより、内キャップ10に対する外キャップ11の回転が許容される(内キャップ10に対して外キャップ11が空転する。)。
一方、内ラチェット部54において、第2回転方向L2を向く端面は、外ラチェット部55との内係合面54bを構成している。内係合面54bは、キャップ周方向に直交する平坦面とされている。
まず、外キャップ11が非係合位置にある状態で、外キャップ11を第2回転方向L2に回転操作した場合の作用について説明する。図4に示すように、外キャップ11を第2回転方向L2に回転させると、外ラチェット部55の外摺動面55a及び内ラチェット部54の内摺動面54a同士が摺接する。すると、内キャップ10及び外キャップ11の第2回転方向L2への相対回転に伴い、内ラチェット部54が下方に弾性変形しながら、外ラチェット部55の外摺動面55aを乗り越える。これにより、内キャップ10及び外キャップ11同士が係合することなく、外キャップ11のみが内キャップ10に対して第2回転方向L2に相対回転する。すなわち、外キャップ11が内キャップ10に対して空転するだけで、内キャップ10が第2回転方向L2に回転することはない。その結果、内キャップ10と口部5との螺着が解除されることはなく、収容容器3が閉塞状態を維持する。
収容容器3を開封するには、まず外キャップ11を係合位置に移動させる。具体的には、図2に示すように、外キャップ11を下方に押し込みながら、外キャップ11を第2回転方向L2に回転させる。内側係合部45及び外側係合部48がキャップ軸O方向で対向していない場合、外キャップ11の下方移動に伴い、外側係合部48の下端面が内天壁部23の上面に内天壁部23の上方から当接する。これにより、内キャップ10に対する外キャップ11の下方移動が規制される。この状態で、内側係合部45及び外側係合部48がキャップ軸O方向で対向する位置まで、外キャップ11を第2回転方向L2に回転させる。すると、外キャップ11は、外側係合部48の下端面が内天壁部23の上面を摺接しながら第2回転方向L2に回転する。
内キャップ10を口部5に組み合わせた状態で、外キャップ11を第1回転方向L1に回転させる。すると、図3に示すように、外キャップ11の第1回転方向L1への回転に伴い、内ラチェット部54の内係合面54b及び外ラチェット部55の外係合面55b同士がキャップ周方向で係合する。この状態でさらに外キャップ11を第1回転方向L1に回転させると、外キャップ11の回転力がラチェット機構51を介して内キャップ10に伝達される。これにより、内キャップ10及び外キャップ11が一体になって第1回転方向L1に回転する。その結果、内キャップ10が口部5に螺着され、収容容器3が閉塞される。
この構成によれば、内キャップ10に対して外キャップ11を下方に押し込みながら、外キャップ11を第2回転方向L2に回転させることで、収容容器3を開封できる。すなわち、外キャップ11を第2回転方向L2に回転させるだけでは、収容容器3が開封できないようになっている。そのため、非対象者による開封を防止できる。
しかも、本実施形態では、外キャップ11が内ラチェット部54によって上方に付勢されている構成とした。
この構成によれば、外キャップ11が係合位置にある状態で、外キャップ11の下方への押し込みを解除すると、内キャップ10に対して外キャップ11が上方に移動する。そして、外キャップ11の上方移動に伴い、外側係合部48が内側係合部45から離脱することで、非係合位置に復帰する。そのため、例えば係合位置の状態で開封操作を終了した場合に、非対象者が外キャップ11を第2回転方向L2に回転させたとしても、内キャップ10が回転しないようになっている。その結果、非対象者による開封をより確実に防止できる。
この構成によれば、容器本体2の口部5に対して不正開封防止キャップ1を装着するときに、外キャップ11が非係合位置にある状態であっても、口部5に対する不正開封防止キャップ1の装着を行うことができる。つまり、内キャップ10と外キャップ11との間にラチェット機構51が設けられているので、口部5に対して外キャップ11を第1回転方向L1に回転させると、内キャップ10及び外キャップ11が一体になって第1回転方向L1に回転する。これにより、口部5に対して不正開封防止キャップ1の全体を締め込むことができ、口部5に対する装着を行うことができる。
一方、口部5に対して外キャップ11を第2回転方向L2に回転させた場合には、ラチェット機構51によって外キャップ11が空転するので、外キャップ11の回転力が内キャップ10に伝わることを防止することができる。したがって、外キャップ11を第2回転方向L2に回転させるだけでは、収容容器3が開封されるのを防止できる。
この構成によれば、ラチェット機構51とは別に付勢部材を設ける場合に比べて部品点数の削減や構成の簡素化を図ることができる。
この構成によれば、内ラチェット部54がキャップ径方向に弾性変形しようとした場合に、内ラチェット部54と、装着筒22及び囲繞筒32の何れかと、が接触することになる。これにより、内ラチェット部54のキャップ径方向への移動を規制することができ、内ラチェット部54によって外キャップ11を非係合位置に安定して付勢することができる。
上述した実施形態では、内ラチェット部54が付勢部材として機能する場合について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、図5、図6に示すように、付勢部材100をラチェット機構51とは別に設けても構わない。具体的に、図5、図6に示す不正開封防止キャップ1において、囲繞筒32の下端部には、囲繞筒32をキャップ径方向の外側から取り囲む外筒体101が配設されている。外筒体101の下端面は、容器本体2の肩部7に形成された当接面8(平坦面)に、当接面8の上方から当接している。
2…容器本体
5…口部
10…内キャップ
11…外キャップ
22…装着筒
31…外天壁部(被覆部)
32…囲繞筒(被覆部)
45…内側係合部
48…外側係合部
51…ラチェット機構
54…内ラチェット部(付勢部材)
54b…内係合面
55…外ラチェット部
55b…外係合面
100…付勢部材
Claims (4)
- 容器本体の口部に装着され、前記口部に対するキャップ軸回りの回転に伴い前記口部から離脱可能とされた内キャップと、
前記内キャップを覆う被覆部を有するとともに、前記内キャップに対して前記キャップ軸回りに回転可能に組み合わされた外キャップと、
前記被覆部に形成された外側係合部と、
前記内キャップのうち前記被覆部との対向位置に形成された内側係合部と、を備え、
前記外キャップは、
前記外側係合部及び前記内側係合部がキャップ周方向で係合して、前記内キャップに対する前記外キャップの回転を規制する係合位置と、
前記外側係合部及び前記内側係合部の係合が解除され、前記内キャップに対する前記外キャップの回転が許容される非係合位置と、の間を前記内キャップに対して前記キャップ軸方向に移動可能に構成され、
前記外キャップを前記非係合位置に向けて付勢する付勢部材を備え、
前記内キャップは、前記付勢部材に対してキャップ径方向の内側に配置されるとともに、前記口部に装着される装着筒を備え、
前記外キャップは、前記付勢部材に対して前記キャップ径方向の外側に配置され、前記装着筒を取り囲む囲繞筒を備えていることを特徴とする不正開封防止キャップ。 - 前記内キャップと前記外キャップとの間には、前記口部に対する締め込み側に向けて前記外キャップを前記キャップ軸回りに回転させたときに、前記内キャップと前記外キャップとの相対回転を規制し、かつ前記口部に対する緩み側に向けて前記外キャップを前記キャップ軸回りに回転させたときに、前記内キャップと前記外キャップとの相対回転を許容するラチェット機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の不正開封防止キャップ。
- 前記ラチェット機構は、
前記外キャップから前記内キャップに向けて突出するとともに、前記締め込み側を向く面に外係合面を有する外ラチェット部と、
前記内キャップから前記外キャップに向けて突出するとともに、前記緩み側を向く面に前記外係合面に係合する内係合面を有する内ラチェット部と、を有し、
前記付勢部材が、前記内ラチェット部を構成していることを特徴とする請求項2に記載の不正開封防止キャップ。 - 容器本体の口部に装着され、前記口部に対するキャップ軸回りの回転に伴い前記口部から離脱可能とされた内キャップと、
前記内キャップを覆う被覆部を有するとともに、前記内キャップに対して前記キャップ軸回りに回転可能に組み合わされた外キャップと、
前記被覆部に形成された外側係合部と、
前記内キャップのうち前記被覆部との対向位置に形成された内側係合部と、を備え、
前記外キャップは、
前記外側係合部及び前記内側係合部がキャップ周方向で係合して、前記内キャップに対する前記外キャップの回転を規制する係合位置と、
前記外側係合部及び前記内側係合部の係合が解除され、前記内キャップに対する前記外キャップの回転が許容される非係合位置と、の間を前記内キャップに対して前記キャップ軸方向に移動可能に構成され、
前記外キャップを前記非係合位置に向けて付勢する付勢部材を備え、
前記内キャップは、前記付勢部材に対してキャップ径方向の内側に配置されるとともに、前記口部に装着される装着筒を備え、
前記外キャップは、
前記装着筒に対して前記キャップ径方向の外側に配置され、前記装着筒を取り囲む囲繞筒と、
前記囲繞筒に対してキャップ径方向の外側に配置され、前記囲繞筒を取り囲む外筒体と、を備え、
前記付勢部材は、前記囲繞筒と前記外筒体との間で前記囲繞筒及び前記外筒体同士を接続していることを特徴とする不正開封防止キャップ。
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