JP2019025963A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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登志雄 石橋
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Abstract

【課題】 ブレーキホースが熱膨張した場合でも、ホイールシリンダに供給すべきブレーキ液圧(液量)を確保でき、ブレーキフィーリングを良好に保つ。
【解決手段】 ブレーキペダル5の操作量を検出する操作量検出器7と、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに接続されたマスタシリンダ11のピストン13,14を移動させブレーキ液圧を発生させる電動モータ26と、ブレーキホース(ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R)の温度を推定し、ブレーキペダル5の操作量に応じて電動モータ26を制御するマスタ圧制御ユニット37とを備え、マスタ圧制御ユニット37は、ブレーキホースの温度上昇に伴って所要液量が増加するのに合わせ、ブレーキペダル5の操作時に本来あるべき温度補正後の目標ピストン位置に近付けるように電動モータ26を駆動制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、四輪自動車等の車両に制動力をするのに用いられる電動ブレーキ装置に関する。
四輪自動車等の車両には、電動モータ等のアクチュエータを駆動制御してマスタシリンダに発生したブレーキ液圧を、各車輪側のホイールシリンダに液圧経路(例えば、ブレーキホース)を介して供給する構成とした電動ブレーキ装置が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−193645号公報
ところで、従来技術による電動ブレーキ装置は、各車輪側のホイールシリンダにブレーキ液圧を供給する液圧経路(特に、ブレーキホース)が熱膨張することがあり、この場合には、ブレーキホース内を流通するブレーキ液量が熱膨張によって相対的に減少する。このため、本来あるべき入力−出力に対して液圧ロスが発生し、結果としてブレーキフィーリングが悪化する虞れがある。特許文献1に記載の従来技術では、下流剛性の変動を考慮してブレーキ液圧を補正可能であるが、液圧回路におけるブレーキホースの温度上昇による熱膨張の影響は考慮されていない。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ブレーキホースが熱膨張した場合でも、ホイールシリンダに供給すべきブレーキ液圧(液量)を確保することができ、ブレーキフィーリングを良好に保つことができるようにした電動ブレーキ装置を提供することにある。
本発明は、制動要求に応じた目標制動量となるように、液圧経路を通じてホイールシリンダにブレーキ液を供給して、押圧部材を被押圧部材に押圧し、制動力を発生させる電動ブレーキ装置において、前記液圧経路の温度に従って当該温度が高くなるほど前記目標制動量を大きくすることを特徴としている。
また、本発明は、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、該入力部材に相対移動可能に配置されたピストンと、該ピストンを進退移動させる電動アクチュエータと、前記ブレーキペダルによる前記入力部材の操作量に応じて前記電動アクチュエータを駆動制御し、前記ピストンを移動させてマスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させ液圧経路へ供給する制御装置と、を備える電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、前記液圧経路の温度が高くなるほど前記電動アクチュエータによる前記ピストンの移動量を増加させることを特徴としている。
本発明の電動ブレーキ装置によれば、液圧経路の配管(ブレーキホース)が熱膨張した場合でも、ホイールシリンダに供給すべきブレーキ液圧(液量)を確保でき、ブレーキフィーリングを良好に保つことができる。
第1の実施の形態による電動ブレーキ装置を示す全体構成図である。 図1中のマスタ圧制御ユニットによる制御処理を具体化して示す制御ブロック図である。 ブレーキペダルの操作量とブースタピストンの目標位置との関係を設定した基準位置の特性を示す特性線図である。 ブレーキペダルの操作量と目標液圧との関係を設定した基準液圧の特性を示す特性線図である。 ブレーキホース内を流れるブレーキ液の液量に対する液圧の特性をブレーキホース温度との関係で示す特性線図である。 第1の実施の形態におけるマスタ圧制御ユニットによるブレーキホース推定温度に基づいた電動倍力装置の制御処理を示す流れ図である。 ブレーキホースの温度に対する補正ゲインの特性を設定した特性線図である。 ブレーキペダルの操作量とブレーキ液圧との関係を温度補正する前と補正後の特性として示す特性線図である。 第2の実施の形態による電動ブレーキ装置を示す全体構成図である。 第2の実施の形態におけるマスタ圧制御ユニットによるブレーキホース測定温度に基づいた電動倍力装置の制御処理を示す流れ図である。
以下、本発明の実施の形態による電動ブレーキ装置を、添付図面に従って詳細に説明する。なお、図1および図9では、電動倍力装置20の外殻を構成するブースタハウジングを、斜線を付して符号Hで示し、ブースタハウジングHの全体形状の図示は省略するものとする。
ここで、図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、左,右の前輪1L,1Rと左,右の後輪2L,2Rとは、車両のボディを構成する車体(図示せず)の下側に設けられている。左,右の前輪1L,1Rには、それぞれ前輪側ホイールシリンダ3L,3Rが設けられ、左,右の後輪2L,2Rには、それぞれ後輪側ホイールシリンダ4L,4Rが設けられている。
これらのホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rは、液圧式のディスクブレーキまたはドラムブレーキのシリンダを構成し、夫々の車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)毎に制動力を付与するものである。ディスクブレーキの場合は、夫々の車輪と一体に回転するディスクが被押圧部材を構成し、押圧部材は摩擦パッド(いずれも図示せず)により構成される。摩擦パッドがディスクに押圧されることにより、車両に制動力が付与される。
ブレーキペダル5は車体のフロントボード(図示せず)側に設けられている。このブレーキペダル5は、車両のブレーキ操作時に運転者によって図1中の矢示A方向に踏込み操作される。ブレーキペダル5には、後述する電動倍力装置20の入力ロッド21が接続されている。これにより、ブレーキペダル5が踏込み操作されると、マスタシリンダ11には電動倍力装置20を介してブレーキ液圧が発生する。また、ブレーキペダル5には、ブレーキスイッチ6と操作量検出器7とが設けられている。
このうち、ブレーキスイッチ6は、車両のブレーキ操作の有無を検出して、例えばブレーキランプ(図示せず)を点灯,消灯させるものである。また、操作量検出器7は、ブレーキペダル5の踏込み操作量(ストローク量)または踏力を検出し、その検出信号を後述のマスタ圧制御ユニット37等に出力する。ブレーキペダル5が踏込み操作されると、マスタシリンダ11には後述の電動倍力装置20を介してブレーキ液圧が発生する。
ここで、ブレーキペダル5の踏込み操作(即ち、制動要求)は、後述の電動倍力装置20を介してマスタシリンダ11に伝達される。電動倍力装置20は、ブレーキペダル5とマスタシリンダ11との間に設けられ、ブレーキペダル5の踏込み操作時に踏力を増力してマスタシリンダ11に伝える。このとき、電動倍力装置20は、その作動を制御するマスタ圧制御ユニット37を有している。マスタ圧制御ユニット37は、電動倍力装置20を駆動制御することによって、マスタシリンダ11にブレーキ液圧(M/C液圧)を発生させる。
マスタシリンダ11に発生した液圧は、例えば一対のシリンダ側液圧配管38A,38Bを介して後述の液圧供給装置(即ち、ESC39という)に送出される。このESC39は、マスタシリンダ11からの液圧をブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41Rを介して各ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに分配、供給する。これにより、前述のように車輪(各前輪1、各後輪2)毎に制動力が付与される。
次に、ブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ11について、図1を参照して説明する。
マスタシリンダ11は、運転者のブレーキ操作により作動される。マスタシリンダ11は、車両に制動力を付与するホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rへ制動液圧を供給する。図1に示すように、マスタシリンダ11は、タンデム型マスタシリンダにより構成されている。即ち、マスタシリンダ11は、シリンダ本体12と、プライマリピストン13と、セカンダリピストン14と、第1の液圧室15と、第2の液圧室16と、第1の戻しばね17と、第2の戻しばね18とを含んで構成されている。
シリンダ本体12は、軸方向の一側が開口端となり、他側が底部となって閉塞された有底筒状体として形成されている。シリンダ本体12は、その開口端側が後述する電動倍力装置20のブースタハウジングHに取付けられている。シリンダ本体12には、リザーバ19と接続される第1,第2のリザーバポート12A,12Bが設けられている。また、シリンダ本体12には、シリンダ側液圧配管38A,38B等を介してESC39(さらに、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4R)へと接続される第1,第2のサプライポート12C,12Dが設けられている。
プライマリピストン13は、第1の液圧室15と電動倍力装置20の出力ロッド36との間に位置して設けられている。このプライマリピストン13の軸方向一側は、シリンダ本体12の開口端側から外部に突出し、後述の出力ロッド36が突当て状態で当接されている。一方、セカンダリピストン14は、シリンダ本体12内に位置して、第1の液圧室15と第2の液圧室16との間に設けられている。セカンダリピストン14の一側には、第1の戻しばね17がセット荷重を付与した状態で配設され、セカンダリピストン14の他側には、第2の戻しばね18がセット荷重を付与した状態で配設されている。
第1の液圧室15は、プライマリピストン13とセカンダリピストン14との間でシリンダ本体12内に画成されている。第2の液圧室16は、セカンダリピストン14とシリンダ本体12の底部との間でシリンダ本体12内に画成されている。第1の戻しばね17は、第1の液圧室15内に位置してプライマリピストン13とセカンダリピストン14との間に配設されている。第1の戻しばね17は、プライマリピストン13をシリンダ本体12の開口端側に向けて付勢している。一方、第2の戻しばね18は、第2の液圧室16内に位置してシリンダ本体12の底部とセカンダリピストン14との間に配設されている。第2の戻しばね18は、セカンダリピストン14を第1の液圧室15側に向けて付勢している。
ここで、ブレーキペダル5が矢示A方向に踏込み操作されると、マスタシリンダ11のシリンダ本体12内では、プライマリピストン13とセカンダリピストン14とがシリンダ本体12の底部側に向かって摺動変位する。そして、第1,第2のリザーバポート12A,12Bが、プライマリピストン13とセカンダリピストン14とにより遮断されたときに、マスタシリンダ11の第1,第2の液圧室15,16からはブレーキ液によるブレーキ液圧(M/C圧)が発生する。一方、ブレーキペダル5の操作が解除されると、プライマリピストン13とセカンダリピストン14とは、第1,第2の戻しばね17,18によりシリンダ本体12の開口部側(図1中の矢示B方向側)に向けて押し戻されるように摺動変位される。
リザーバ19はマスタシリンダ11のシリンダ本体12に取付けられている。このリザーバ19は、内部にブレーキ液を収容(貯溜)する作動油タンクとして構成され、シリンダ本体12内の液圧室15,16にブレーキ液を補充(給排)する。図1に示す如く、第1のリザーバポート12Aが第1の液圧室15に連通され、第2のリザーバポート12Bが第2の液圧室16に連通しているときには、リザーバ19と液圧室15,16との間でブレーキ液が流入,流出(供給,排出)される。
一方、第1のリザーバポート12Aがプライマリピストン13により第1の液圧室15から遮断され、第2のリザーバポート12Bがセカンダリピストン14により第2の液圧室16から遮断されると、リザーバ19と液圧室15,16との間のブレーキ液の供給および排出が断たれる。この場合、マスタシリンダ11の液圧室15,16内には、プライマリピストン13およびセカンダリピストン14の変位に伴ってブレーキ液圧(M/C圧)が発生し、このブレーキ液圧は、一対のシリンダ側液圧配管38A,38Bを介してESC39に供給される。
次に、電動倍力装置20の具体的な構成について、図1を参照して説明する。
電動倍力装置20は、ブレーキペダル5とマスタシリンダ11との間に位置して設けられている。電動倍力装置20は、電動倍力装置20の外殻を形成するブースタハウジングHを介して、車体のフロントボードである車室前壁に固定される。電動倍力装置20は、運転者によるブレーキペダル5の踏込み操作時に、ロッド入力および/またはペダルストロークに応じて電動モータ26を駆動することにより、ブレーキ操作力(踏力)を増力してマスタシリンダ11に伝える倍力機構(ブースタ)を構成するものである。これに加えて、電動倍力装置20は、運転者のブレーキ操作(ペダル操作)がなくても、自動的に制動力(自動ブレーキ)を付与する自動ブレーキ付与機構を構成するものである。
即ち、電動倍力装置20は、例えばマスタ圧制御ユニット37からの自動ブレーキ指令に応じて電動モータ26を駆動することにより、マスタシリンダ11内にブレーキ液圧を発生させる。これにより、運転者のブレーキ操作に拘わらず、各ホイールシリンダ3L,3R,4L,4R内にブレーキ液圧を供給し、自動的に制動力を付与することができる。
電動倍力装置20は、入力ロッド21、電動アクチュエータ25、回転センサ27、電流センサ28、パワーピストン33、リアクションディスク35、出力ロッド36、マスタ圧制御ユニット37等を備えている。そして、電動倍力装置20は、制動要求に応じた目標制動量となるように、マスタシリンダ11から液圧経路(シリンダ側液圧配管38A,38B、ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R)を通じてホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rにブレーキ液を供給する。
入力ロッド21は、ブレーキペダル5に機械的に連結され、電動倍力装置20のパワーピストン33に対しては軸方向に相対移動可能に設けられている。この入力ロッド21は、ブレーキペダル5の操作により進退移動する入力部材を構成している。入力ロッド21は、ロッド部材22とピストン部材23とを備えている。ロッド部材22とピストン部材23とは、同心に連結された状態で、直動機構31およびパワーピストン33の内側に挿通されている。この場合、ロッド部材22の軸方向の一側となる突出端には、ブレーキペダル5が連結されている。
これに対し、ロッド部材22の軸方向の他側は、その先端が球形部22Aとなってパワーピストン33内に挿入されている。ロッド部材22の中間部には、全周にわたって径方向外側に突出する鍔部22Bが設けられている。鍔部22Bとパワーピストン33との間には、第1の戻しばね24が設けられている。第1の戻しばね24は、パワーピストン33に対して入力ロッド21(ロッド部材22)を軸方向の一側に向けて常時付勢している。
ピストン部材23は、パワーピストン33内に挿嵌され、パワーピストン33に対して軸方向に相対移動を可能(摺動可能)に配置されている。ピストン部材23は、ロッド部材22に対向して設けられた本体部23Aと、該本体部23Aから軸方向の他側に突出して設けられた受圧部23Bとを備えている。本体部23Aの軸方向の一側には、ロッド部材22の球形部22Aと対応する位置に凹部23Cが設けられている。凹部23Cには、ロッド部材22の球形部22Aが、例えばかしめ等の手段を用いて固着されている。
一方、受圧部23Bの先端面は、リアクションディスク35と当接する当接面となっている。例えば、ブレーキペダル5が操作されていないときは、受圧部23Bの先端面とリアクションディスク35との間に所定の隙間が形成される。ブレーキペダル5が踏込み操作され液圧が発生すると、リアクションディスク35が弾性変形して両者間の隙間を埋めるように、受圧部23Bの先端面とリアクションディスク35とが当接し、入力ロッド21の推力(踏込み力が)がリアクションディスク35に加えられる。
電動アクチュエータ25は、車両のマスタシリンダ11でブレーキ液圧を発生させることにより、車両のホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rへ制動液圧を付与すべく作動する。即ち、電動アクチュエータ25は、パワーピストン33をマスタシリンダ11の軸方向に進退移動させ、該パワーピストン33に推力を付与することにより、マスタシリンダ11のプライマリピストン13およびセカンダリピストン14を変位させる。このために、電動アクチュエータ25は、電動モータ26と、該電動モータ26の回転を減速して筒状回転体30に伝える減速機構29と、筒状回転体30の回転をパワーピストン33の軸方向変位に変換する直動機構31等とにより構成されている。
電動モータ26は、例えばDCブラシレスモータを用いて構成され、モータ軸(出力軸)となる回転軸26Aと、該回転軸26Aに取付けられた永久磁石等のロータ(図示せず)と、コイル等のステータ(図示せず)とを備えている。回転軸26Aの軸方向一側の端部は、転がり軸受26Bを介してブースタハウジングHに回転可能に支持されている。
電動モータ26には、レゾルバと呼ばれる回転センサ27と、モータ電流の通電量であるモータ電流を検出する電流センサ28とが設けられている。回転センサ27は、電動モータ26(回転軸26A)のモータ回転位置(回転角)を検出し、その検出信号をマスタ圧制御ユニット37に出力する。マスタ圧制御ユニット37は、この回転位置信号に従って電動モータ26(即ち、パワーピストン33)のフィードバック制御を行う。また、回転センサ27は、検出した電動モータ26のモータ回転位置に基づいて車体に対するパワーピストン33の絶対変位を検出するピストン位置検出手段(回転検出手段)としての機能を備えている。
減速機構29は、例えばプーリ・ベルト減速機構により構成されている。減速機構29は、電動モータ26の回転軸26Aに一体回転するように取付けられた駆動プーリ29Aと、筒状回転体30と一体回転するように取付けられた従動プーリ29Bと、これらの間に巻装されたベルト29Cとを含んで構成されている。減速機構29は、電動モータ26の回転軸26Aの回転を所定の減速比で減速して筒状回転体30に伝達する。筒状回転体30は、ブースタハウジングHに転がり軸受30Aを介して回転可能に支持されている。
直動機構31は、例えばボールネジ機構により構成されている。直動機構31は、筒状回転体30の内周側に複数のボールを介して軸方向に移動可能に設けられた筒状(中空)の直動部材32を備えている。直動部材32の内側には、パワーピストン33が直動部材32の軸方向他側の開口から挿入されている。直動部材32の軸方向他端は、パワーピストン33の鍔部33Bに当接している。これにより、直動部材32は、筒状回転体30の内周側を、パワーピストン33と一体になって軸方向の他側(前側)に変位することができる。
パワーピストン33は、入力ロッド21と出力ロッド36との間に位置して設けられている。このパワーピストン33は、入力ロッド21に対して相対移動可能に配置されたピストンを構成している。パワーピストン33は、入力ロッド21のピストン部材23が挿嵌されている筒部33Aと、直動部材32の他端が当接する鍔部33Bと、リアクションディスク35に対面する当接部33Cとを備えている。パワーピストン33は、マスタシリンダ11でブレーキ液圧を発生させるように、電動アクチュエータ25の作動により軸方向に駆動される。
第2の戻しばね34は、パワーピストン33の鍔部33BとブースタハウジングHとの間に設けられている。第2の戻しばね34は、パワーピストン33を、制動解除方向(矢示B方向)に常時付勢する。これにより、パワーピストン33は、ブレーキ操作の解除時に、電動モータ26が制動解除側に回転することによる駆動力と第2の戻しばね34の付勢力とにより、初期位置まで戻される。
リアクションディスク35は、パワーピストン33および入力ロッド21と出力ロッド36との間に設けられている。リアクションディスク35は、例えば、ゴム等の弾性樹脂材料からなる円板として形成され、入力ロッド21とパワーピストン33とに当接する。リアクションディスク35は、ブレーキペダル5から入力ロッド21に伝わる踏力(推力)と、電動アクチュエータ25からパワーピストン33に伝わる推力(ブースタ推力)とを、出力ロッド36に伝達する。換言すれば、リアクションディスク35は、マスタシリンダ11で発生するブレーキ液圧の反力を、入力ロッド21(ピストン部材23)とパワーピストン33とに分配して伝える。
出力ロッド36は、パワーピストン33とマスタシリンダ11のプライマリピストン13との間に位置して設けられている。出力ロッド36は、入力ロッド21へのペダル操作力および/またはパワーピストン33の推力を、マスタシリンダ11のプライマリピストン13に出力する。出力ロッド36は、一端側に大径のフランジ部36Aが設けられている。フランジ部36Aは、その一側が凹状に窪んで、内部にリアクションディスク35が嵌合されている。出力ロッド36は、入力ロッド21へのペダル操作力および/またはパワーピストン33の推力に従って、マスタシリンダ11のプライマリピストン13を軸方向に押圧する。
ここで、直動機構31は、バックドライバビリティを有しており、直動部材32の直線運動(軸方向移動)によって筒状回転体30を回転させることができる。図1に示すように、パワーピストン33が戻り位置まで後退したときには、直動部材32の一端(後端)がブースタハウジングHに当接する。ブースタハウジングHは、直動部材32を介してパワーピストン33の戻り位置を規制するストッパとして機能する。
パワーピストン33の鍔部33Bには、直動部材32の他端が後方(図1の右方)から当接している。このため、パワーピストン33が直動部材32から離れて単独で前進できるようになっている。即ち、例えば、電動モータ26が断線等によって作動不良になる等、電動倍力装置20に異常が発生した場合は、直動部材32は、第2の戻しばね34のばね力によってパワーピストン33と共に後退位置に戻される。これにより、ブレーキの引き摺りを抑制することができる。
一方、制動力を付与するときは、ペダル操作により入力ロッド21が前進方向に移動するに従って、リアクションディスク35を介して出力ロッド36をマスタシリンダ11側へと変位させ、該マスタシリンダ11に液圧を発生させることができる。このとき、入力ロッド21が所定量前進すると、ピストン部材23の本体部23Aの前端がパワーピストン33(の内壁)に当接する。これにより、入力ロッド21とパワーピストン33との両方の前進に基づいて、マスタシリンダ11に液圧を発生させることができる。
なお、減速機構29は、プーリ・ベルト減速機構に限らず、例えば歯車減速機構等の他の形式の減速機構を用いて構成してもよい。また、回転運動を直線運動に変換する直動機構31は、例えばラック−ピニオン機構等によって構成することもできる。さらに、減速機構29は、必ずしも設ける必要はなく、例えば、筒状回転体30に電動モータ26のロータを設けると共に、電動モータ26のステータを筒状回転体30の周囲に配置して、電動モータ26により筒状回転体30を直接的に回転させるようにしてもよい。また、上記実施形態においては、直動機構31とパワーピストン33とを別体としているが、それぞれの一部を一体化して構成してもよく、例えば、パワーピストン33に直動機構31のうちの直動部材32とを一体にしてもよい。
マスタ圧制御ユニット37は、例えばマイクロコンピュータ等からなるブースタ用ECUであり、電動倍力装置20の電動アクチュエータ25を電気的に駆動制御する制御装置を構成している。即ち、マスタ圧制御ユニット37は、例えばブレーキペダル5による入力ロッド21のペダル操作量に応じてパワーピストン33を軸方向に移動させ、マスタシリンダ11内にブレーキ液圧を発生させる。また、マスタ圧制御ユニット37は、自動ブレーキ指令を出力する機能を有し、電動倍力装置20は、前記自動ブレーキ指令によっても電動モータ26を駆動することにより、マスタシリンダ11内にブレーキ液圧を発生させる。この場合は、運転者のブレーキ操作に拘わらず、各ホイールシリンダ3L,3R,4L,4R内にブレーキ液圧を供給し、自動的に制動力を付与することができる。
マスタ圧制御ユニット37は、図2に示すように、後述の基準位置特性算出部50、基準液圧特性算出部51、制御切替部52およびモータ制御部53を備えている。また、マスタ圧制御ユニット37には、フラッシュメモリ、ROM,RAM等からなるメモリ37Aが設けられている。このメモリ37A内には、例えば図2に示すように、ペダル操作量等に応じて電動モータ26を駆動制御する処理プログラムと、電動モータ26(パワーピストン33)の駆動制御を後述のブレーキホース温度に基づいて補正するための処理プログラム(図6参照)と、例えば図7に示すように、ブレーキホースの推定温度に対して補正ゲインGを設定したゲインマップ等とが格納されている。
また、マスタ圧制御ユニット37のメモリ37Aには、例えば図3に示すような、電動倍力装置20が搭載された車両毎に予め決められている基準の下流剛性に対し、ブレーキペダル5の操作量とパワーピストン33の目標ピストン位置との関係を、後述の特性線54として設定した基準位置の特性マップと、図4に示すようなブレーキペダル5の操作量と目標液圧との関係を、後述の特性線55として設定した基準液圧の特性マップと、位置制御モードと液圧制御モードとの制御切替処理(図2参照)用のプログラム等とが格納されている。
なお、下流剛性とは、車両に制動力を付与するホイールシリンダ3L,3R,4L,4R側でのブレーキ液の必要液量、必要液圧のことを指しており、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rは、使用状況によって目標減速度に対する必要液量、必要液圧が変化することが知られている。具体的には、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに設けられている摩擦パッド(図示せず)が温度や摩耗具合によってその硬さが変わる。例えば、摩擦パッドの温度が上がって軟らかくなった場合には、下流剛性が低くなる傾向にあり、摩擦パッドの摩耗が進んで硬くなった場合には、下流剛性が高くなる傾向にあることが知られている。
マスタ圧制御ユニット37の入力側は、ブレーキペダル5の操作を検出するブレーキスイッチ6と、ブレーキペダル5の変位量を検出する操作量検出器7と、電動モータ26の回転センサ27および電流センサ28、車両データバス(図示せず)等とに接続されている。マスタ圧制御ユニット37の出力側は、電動モータ26、車両データバス等に接続されている。そして、マスタ圧制御ユニット37は、ブレーキスイッチ6や操作量検出器7からの検出信号に従って電動アクチュエータ25によりマスタシリンダ11内に発生させるブレーキ液圧を可変に制御する機能を有すると共に、電動倍力装置20が正常に動作しているか否か等を判別する機能も有している。
マスタシリンダ11に発生した液圧は、例えば一対のシリンダ側液圧配管38A,38Bを介して液圧供給装置としてのESC39に送られる。このESC39は、例えば複数の制御弁と、ブレーキ液を加圧する液圧ポンプと、該液圧ポンプを駆動する電動モータと、余剰のブレーキ液を一時的に貯留する液圧制御用リザーバ(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。ESC39の各制御弁の開閉と電動モータの駆動は、液圧供給装置用のホイール圧制御ユニット42(ECU)により制御され、これによって、ESC39は、マスタシリンダ11からの液圧を各ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに分配して供給し、車両の各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)には、互いに独立した制動力が付与される。
シリンダ側液圧配管38A,38Bは、マスタシリンダ11とESC39との間を接続している。具体的には、シリンダ側液圧配管38Aの上流側は、第1のサプライポート12Cに接続され、シリンダ側液圧配管38Aの下流側は、ESC39およびブレーキ側液圧配管40L,41Rを介して前輪側ホイールシリンダ3L,後輪側ホイールシリンダ4Rに接続されている。また、シリンダ側液圧配管38Bの上流側は、第2のサプライポート12Dに接続され、シリンダ側液圧配管38Bの下流側は、ESC39およびブレーキ側液圧配管40R,41Lを介して前輪側ホイールシリンダ3R,後輪側ホイールシリンダ4Lに接続されている。
この場合、ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41Rは、各車輪(左,右の前輪1L,1Rと左,右の後輪2L,2R)を上側から覆う車体側の各ホイールハウス内にそれぞれ配置された可撓性配管(ブレーキホース)により構成されている。このうち、ブレーキ側液圧配管40L(ブレーキホース)は、ESC39と前輪側ホイールシリンダ3Lとの間を接続し、ブレーキ側液圧配管40R(ブレーキホース)は、ESC39と前輪側ホイールシリンダ3Rとの間を接続している。ブレーキ側液圧配管41L(ブレーキホース)は、ESC39と後輪側ホイールシリンダ4Lとの間を接続し、ブレーキ側液圧配管41R(ブレーキホース)は、ESC39と後輪側ホイールシリンダ4Rとの間を接続している。
ESC39は、各ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rとマスタシリンダ11との間に配設されている。ESC39は、マスタシリンダ11と各ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rとを接続してブレーキ液を流通させる2系統の液圧回路を備えている。また、ESC39は、その作動を制御するホイール圧制御ユニット42(ECU)を有している。
ホイール圧制御ユニット42は、ESC39用のECUとして、ESC39の駆動制御をすることにより、ESC39からブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41Rを介してホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rにブレーキ液圧を供給することで、各ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rのブレーキ液圧を個別に増圧、減圧または保持する制御を行う。これにより、例えば制動力分配制御、ブレーキアシスト制御、アンチロックブレーキ制御(ABS)、トラクション制御、横滑り防止を含む車両安定化制御、坂道発進補助制御等のブレーキ制御が実行される。
マスタシリンダ11に発生した液圧は、液圧センサ43により検出され、その検出信号はホイール圧制御ユニット42に出力される。この液圧センサ43は、例えばシリンダ側液圧配管38Aの途中に設けられている。液圧センサ43で検出したマスタシリンダ11のブレーキ液圧は、その検出信号がホイール圧制御ユニット42からマスタ圧制御ユニット37にも出力される。なお、液圧センサ43は、例えばシリンダ側液圧配管38Bの途中に設けてもよく、両方の配管38A,38Bに設けてもよい。
各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の近傍には、それぞれの回転速度(車輪速)を個別に検出する車輪速センサ44〜47(合計4個)が設けられている。これらの車輪速センサ44〜47は、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の回転速度を検出する車速検出器を構成している。車輪速センサ44〜47は、各車輪の回転速度(車輪速)を個別に検出し、その検出信号をホイール圧制御ユニット42に出力する。これにより、車両の車速v等が検出される。
また、ホイール圧制御ユニット42の入力側には、液圧センサ43、車輪速センサ44〜47に加えて温度センサ48,49が接続されている。このうち、温度センサ48は、例えば車両のエンジンルーム(図示せず)内の温度Teを検出するエンジンルーム内温度検出器であり、温度センサ49は、例えば周囲の大気温度T0を検出する大気温度検出器である。温度センサ48,49は、それぞれの温度検出信号をホイール圧制御ユニット42に出力すると共に、これらの検出信号は、ホイール圧制御ユニット42からマスタ圧制御ユニット37にも出力される。車輪速センサ44〜47からの検出信号もホイール圧制御ユニット42からマスタ圧制御ユニット37に出力される。
次に、マスタ圧制御ユニット37による電動倍力装置20の電動モータ26を駆動制御する構成について、図2を参照して説明する。
図2に示す如く、マスタ圧制御ユニット37は、制御入力Sx(Sx=Sa)に対するパワーピストン33(即ち、Pピストン)の目標位置(以下、目標ピストン位置という)を決定する基準位置特性算出部50と、制御入力Sx(Sx=Sb)に対する目標液圧を決定する基準液圧特性算出部51と、制御切替手段としての制御切替部52と、モータ制御手段としてのモータ制御部53とを備えている。なお、これらの特性算出部50,51、制御切替部52およびモータ制御部53は、マスタ圧制御ユニット37のハードウェアとして回路的に構成されているものではなく、マスタ圧制御ユニット37が有する機能の概念として構成されているものである。
ここで、制御切替部52は、基準位置特性算出部50により算出された目標ピストン位置と、基準液圧特性算出部51により算出された目標液圧とのいずれかに基づいて電動モータ26の作動を制御するかを決定し、その制御を実行するものである。モータ制御部53は、前記制御切替部52により決定された目標ピストン位置(または、目標液圧)に従って電動モータ26を駆動制御するものである。
例えば、制御切替部52により目標ピストン位置S0(後述の数4式参照)が決定された場合、モータ制御部53は、後述の補正ゲインG(図7参照)に従ってパワーピストン33を進め量ΔSだけ、目標ピストン位置S0に対して進め制御するように電動モータ26を駆動制御する。このように、マスタ圧制御ユニット37は、モータ制御部53で電動モータ26を駆動制御することにより、ブレーキホース(ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R)内を流れるブレーキ液の液量がホースの熱膨張によって減少するのを抑えることができる。
この結果、マスタ圧制御ユニット37は、本来あるべき入力(制動要求)−出力(目標制動量)に対して液圧ロスを発生させることなく、ブレーキフィーリングを良好に保つことができる。なお、制御切替部52が目標ピストン位置に替えて、目標液圧に従って電動モータ26を駆動制御する場合でも、モータ制御部53は、目標液圧に対してパワーピストン33を同様に進め制御し、ブレーキホース(ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R)の温度に従って当該温度が高くなるほど目標制動量を大きくするように電動モータ26を駆動制御することができる。
基準位置特性算出部50は、予め設定されている基準の下流剛性に対し、制御入力Saとして、例えばブレーキペダル5の操作量Sを用い、図3に示す基準位置の特性線54による特性マップ(ブレーキペダル5の操作量に対するパワーピストン33の目標位置の関係)をメモリ37Aから読出す。この上で、基準位置特性算出部50は、この基準位置の特性マップを用い、制御入力Saに対して目標ピストン位置(即ち、パワーピストン33の目標位置)を算出する。
基準液圧特性算出部51は、予め設定されている基準の下流剛性に対し、制御入力Sbとして、例えばブレーキペダル5の操作量Sを用い、図4に示す基準液圧の特性線55による特性マップ(ブレーキペダル5の操作量に対する目標液圧の関係)をメモリ37Aから読出す。この上で、基準液圧特性算出部51は、基準液圧の特性マップを用い、制御入力Sbに対して目標液圧を算出する。
制御切替部52は、基準位置特性算出部50により算出された目標ピストン位置と基準液圧特性算出部51により算出された目標液圧とのいずれか一方を、所定の判定条件に従って選択する。このとき、制御切替部52は、目標ピストン位置(または、目標液圧)に対して制限をかけたり、または補正を行なったりしてもよい。
第1の実施の形態による電動倍力装置20を備えた電動ブレーキ装置は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、車両の運転者がブレーキペダル5を踏込み操作すると、これにより入力ロッド21が矢示A方向に押込まれると共に、電動倍力装置20の電動アクチュエータ25がマスタ圧制御ユニット37により作動制御される。即ち、マスタ圧制御ユニット37は、例えば操作量検出器7からの検出信号(制動要求)により電動モータ26に起動指令を出力し、前記制動要求に応じた目標制動量となるように電動モータ26を回転駆動し、その回転が減速機構29を介して筒状回転体30に伝えられると共に、筒状回転体30の回転は、直動機構31によりパワーピストン33の軸方向変位に変換される。
これにより、電動倍力装置20のパワーピストン33は、マスタシリンダ11のシリンダ本体12内に向けて入力ロッド21とほぼ一体的に前進し、ブレーキペダル5から入力ロッド21に付与される踏力(ペダル操作力)と電動アクチュエータ25からパワーピストン33に付与されるブースタ推力とに応じたブレーキ液圧がマスタシリンダ11の第1,第2の液圧室15,16内に発生する。
一方、ブレーキペダル5に連結された入力ロッド21は、第1の液圧室15内の圧力を出力ロッド36とリアクションディスク35とを介して受圧し、これをブレーキ反力としてブレーキペダル5へと伝える。この結果、車両の運転者には入力ロッド21を介して踏み応えが与えられるようになり、これによって、ブレーキペダル5の操作感を向上でき、ペダルフィーリングを良好に保つことができる。
マスタシリンダ11に発生したブレーキ液圧は、例えば一対のシリンダ側液圧配管38A,38Bを介して液圧供給装置としてのESC39に送られる。このESC39は、マスタシリンダ11からの液圧をブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41Rを介してホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに分配して供給する。これにより、車両の各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)に互いに独立した制動力が付与される。
ところで、ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41Rは、各車輪(左,右の前輪1L,1Rと左,右の後輪2L,2R)を上側から覆う車体側の各ホイールハウス内にそれぞれ配置された可撓性配管(ブレーキホース)により構成されている。このため、ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R(即ち、可撓性のブレーキホース)は、周囲温度や車両エンジンの熱影響で熱膨張することがあり、この場合には、ブレーキホース内を流通するブレーキ液量が熱膨張によって相対的に減少し、本来あるべき入力−出力に対して液圧ロスが発生し、結果としてブレーキフィーリングが悪化する虞れがある。
図5は、ブレーキホース(ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R)内を流れるブレーキ液の液量に対する液圧の特性をブレーキホース温度との関係で示している。図5の縦軸は、マスタシリンダ11から出されるブレーキ液圧〔MPa〕であり、横軸はマスタシリンダ11のピストン(例えば、プライマリピストン13)の面積と進め量から割出した液量〔cc〕である。この場合、ブレーキホースの温度は、例えば熱電対等の温度センサで直接的に検出し、特性線56は、例えば温度0℃におけるブレーキ液の液量と液圧との関係を示している。特性線57は、例えば温度25℃におけるブレーキ液の液量と液圧との関係を示し、特性線58は、例えば温度50℃におけるブレーキ液の液量と液圧との関係を示している。特性線59は、例えば温度75℃におけるブレーキ液の液量と液圧との関係を示し、特性線60は、例えば温度100℃におけるブレーキ液の液量と液圧との関係を示している。
例えば、特性線57のように、ブレーキホースの温度が25℃におけるブレーキ液の液量と液圧との関係が理想的な特性である。しかし、ブレーキホースの温度が、例えば100℃まで上昇すると、特性線60のように液量差ΔQが発生し、特性線57(25℃)と同じ液圧を出力するためには、液量差ΔQ分だけブレーキペダル5を余分に踏み込んで電動モータ26を回転させる必要が生じる。なお、例えば特許文献1に記載の従来技術は、下流剛性の変動を考慮してブレーキ液圧を補正可能であるが、液圧回路におけるブレーキホースの温度上昇による熱膨張の影響は考慮されていない。
そこで、第1の実施の形態では、図6に示すように、マスタ圧制御ユニット37により、例えばエンジンルーム内の温度Te等からブレーキホースの温度を推定演算し、この推定温度に基づいた電動倍力装置20の制御処理を行うことによって、ブレーキホースの温度上昇時にも、本来あるべき入力(制動要求)−出力(目標制動量)特性を確保してブレーキフィーリングを良好にできるようにしている。
即ち、図6の制御処理がスタートすると、ステップ1でドライバ(運転者)の入力指令を判定し、「NO」と判定するときには、例えば車両の運転者がブレーキペダル5を踏込み操作はしていないので、ブレーキ操作が行われるのを待機する。ステップ1で「YES」と判定したときには、ブレーキ操作が行われたので、次のステップ2でブレーキホース温度Tb1を、下記の数1式の如く、推定演算する。ここで、エンジンルーム温度Teは、図1に示す温度センサ48で検出され、例えば周囲の大気温度T0は、温度センサ49により検出される。伝達係数αは、車両のエンジンルームからブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R(即ち、ブレーキホース)に伝わる温度の係数であり、例えば実験データ等に基づいて決定される。伝達係数αは、エンジンルーム温度Teと大気温度T0との差分温度(Te−T0)に対して乗算(掛け算)される。
Figure 2019025963
例えば、周囲の大気温度T0が30℃で、エンジンルーム温度Teが80℃であり、伝達係数αを、α=0.3とした場合、数1式のブレーキホース温度Tb1は、Tb1=45℃として求められる。即ち、ブレーキホース温度Tb1は、エンジンルーム温度Teよりも低いが、大気温度T0よりも高い温度として推定演算される。
次のステップ3では、単位時間(例えば、1分間)当りのブレーキ作動回数nに基づいた補正温度Tb2を下記の数2式により求める。ブレーキ作動回数nは、ブレーキペダル5が1分間に何回踏込み操作されたかを、例えばブレーキスイッチ6または操作量検出器7からの検出信号によりマスタ圧制御ユニット37の内蔵カウンタ(図示せず)で検出することができる。
Figure 2019025963
ブレーキペダル5が1回踏まれる毎に、ブレーキホースの温度が3℃だけ上昇する場合、仮にブレーキペダル5が1分間に4回(n=4)踏込み操作されたとすると、前記数2式による補正温度Tb2は、Tb1=45℃のときに57℃として求められる。
次のステップ4では、車速に基づいた補正温度Tb3を下記の数3式により求める。ブレーキホースの温度は、車両走行中に前方からの風による冷却作用で、例えば車速vが20km/h増速される毎に、2℃分だけ減少されると想定する。この場合、車両の走行速度(車速v)は、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の近傍に設けられた車輪速センサ44〜47からの検出信号により求められる。
Figure 2019025963
例えば車速vが60km/hのときには、補正温度Tb2が57℃の場合、風による冷却作用を考慮した補正温度Tb3は、例えば51℃として求められる。ここでは、この補正温度Tb3(=51℃)を、ブレーキホースの温度Tbとして推定する。図6のステップ5では、ブレーキホースの温度Tbが推定されたか否か、即ち前記数3式による補正温度Tb3が求められたか否かを判定し、「NO」と判定する間は、前記ステップ2以降の処理を繰返す。
ステップ5で「YES」と判定したときには、次のステップ6でブレーキホースの温度Tbが温度Taよりも高い温度であるか否かを判定する。温度Taは、例えば図7に示す補正ゲインGの特性線61のように、補正ゲインGが零か、それ以上かを判定する基準温度であり、一例としては40℃(Ta=40℃)に設定される。ブレーキホースの温度Tbを、仮に51℃とした場合、ステップ6で「YES」と判定され、次のステップ7では、ブレーキホースの温度Tbに基づいた補正ゲインGが算出される。
ステップ7では、図7に示す補正ゲインGの特性線61により、ブレーキホースの温度Tbに対する補正ゲインG1が求められる。ブレーキホースの温度Tbを、例えば51℃とした場合の補正ゲインG1は、G1=0.15として求められる。次のステップ8では、ブレーキホースの温度Tbに基づいたパワーピストン33の進め量ΔSを、下記の数4式により演算し、この進め量ΔSだけパワーピストン33を進め制御する。
Figure 2019025963
ここで、目標ピストン位置S0は、例えば図3に示す基準位置の特性線54によりブレーキペダル5の操作量に対するパワーピストン33の目標位置として、図2に示す基準位置特性算出部50により算出される。しかし、この目標ピストン位置S0は、ブレーキホースの温度Tbに基づいた補正を行わない限りは、本来あるべき入力−出力に対して液圧ロスが発生し、結果としてブレーキフィーリングが悪化する。
そこで、ステップ8では、パワーピストン33を前記数4式による進め量ΔSだけ進め制御する。例えば目標ピストン位置S0(S0=6mm)とし、補正ゲインG1(例えば、G1=0.15)とした場合の進め量ΔSは、ΔS=0.9mmとして求められる。このため、図2に示すモータ制御部53は、下記の数5式による補正演算を行い、補正後の目標ピストン位置Sx(例えば、6.9mm)となるように、パワーピストン33を補正ゲインGによる進め量ΔS(例えば、0.9mm)だけ進め制御する。その後はステップ9でリターンする。
Figure 2019025963
このように、ブレーキホースの温度Tbに基づいてパワーピストン33を温度補正分の進め量ΔS(例えば、0.9mm)だけ進め制御することにより、ブレーキホース(ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R)内を流れるブレーキ液の液量がホースの熱膨張によって減少するのを抑えることができ、本来あるべき入力−出力に対して液圧ロスを発生させることなく、ブレーキフィーリングを良好に保つことができる。
ステップ6で「NO」と判定したときには、ブレーキホースの温度Tbが温度Ta以下となっているので、次のステップ10で補正ゲインGを、G=0に設定する。このため、ステップ8では、前記数4式によるパワーピストン33を進め量ΔSが零となり、図2に示すモータ制御部53は、補正前の目標ピストン位置S0(例えば、6mm)となるように、パワーピストン33を制御する。
この場合、モータ制御部53は、図3に示す基準位置の特性線54に基づいたブレーキペダル5の操作量に対するパワーピストン33の目標位置となるように、図2に示す基準位置特性算出部50により算出される目標ピストン位置S0として、パワーピストン33の位置制御を行う。そして、その後はステップ9でリターンする。
図8に実線で示す特性線62は、ブレーキペダル5の操作量に対するブレーキ液圧の理想的な制御特性を示している。一方、特性線63は、ブレーキホースがエンジンからの熱影響、ブレーキ操作回数の頻度等で熱膨張し、これによって、ブレーキペダル5の操作量に対するブレーキ液圧の上昇カーブが低下した場合を示している。これに対し、点線で示す特性線64は、ブレーキホースの温度に基づいてパワーピストン33の進め制御を行うことにより、ブレーキペダル5の操作量に対するブレーキ液圧の上昇カーブを特性線62に近付けるように、所要液量が増大した分の補正制御を実施した場合を示している。
かくして、第1の実施の形態による電動ブレーキ装置は、ブレーキペダル5の操作量を検出する手段(操作量検出器7)と、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに接続されたマスタシリンダ11のピストン13,14を移動させブレーキ液圧を発生させる電動モータ26と、電動モータ26のモータ位置を検出するモータ位置検出手段(回転センサ27)と、電動モータ26の駆動によりマスタシリンダ11に発生したブレーキ液圧を検出する液圧検出手段(液圧センサ43)と、ブレーキホース(ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R)の温度を推定するためエンジンルーム内の温度を検出する温度検出手段(温度センサ48)と、ブレーキペダル5の作動履歴を保存するメモリ37Aと、車両の速度を検出する手段(車輪速センサ44〜47)と、ブレーキペダル5の操作量に応じて電動モータ26を制御する制御装置(マスタ圧制御ユニット37)とを備え、ブレーキホースの温度上昇に伴って増加する所要液量の増加に合わせて、ブレーキペダル5の操作時に本来あるべき温度補正後の目標ピストン位置または目標液圧に近付けるように電動モータ26を駆動制御する構成としている。
このように構成することにより、ブレーキペダル5の操作時にブレーキホースの温度Tbに応じて目標液圧(液量)を適正に補正して制御することができ、ブレーキホースが熱膨張した場合であっても、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに必要な液圧を安定して供給することができる。この結果、ブレーキペダル5のペダルフィーリングを良好に保ち、ブレーキの操作性を向上することができる。
次に、図9および図10は本発明の第2の実施の形態による電動ブレーキ装置を示している。第2の実施の形態の特徴は、ブレーキホースの温度を温度センサで直接的に検出し、検出温度に基づいてブレーキペダルの操作時に本来あるべき目標液圧に近付けるように電動モータを駆動制御する構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態で採用したマスタ圧制御ユニット71は、第1の実施の形態のマスタ圧制御ユニット37とほぼ同様に構成されている。しかし、この場合のマスタ圧制御ユニット71は、メモリ71A内に図10に示す如き、ブレーキホース測定温度に基づいた電動倍力装置20の制御処理用プログラムを格納している。
ブレーキホースからなるブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41Rのうち、例えばブレーキ側液圧配管40L,40Rには、ブレーキホースの温度を直接的に検出する温度センサ72,73が設けられている。なお、他のブレーキ側液圧配管41L,41Rにも、同様な温度センサを設けてもよい。これらの温度センサ72,73からの温度検出信号は、ホイール圧制御ユニット42(ECU)にそれぞれ出力されると共に、マスタ圧制御ユニット71にも必要に応じて出力される。
ここで、第2の実施の形態で採用したマスタ圧制御ユニット37は、図10の制御処理がスタートすると、ステップ11でドライバ(運転者)の入力指令を判定し、「NO」と判定するときには、例えば車両の運転者がブレーキペダル5を踏込み操作はしていないので、ブレーキ操作が行われるのを待機する。ステップ11で「YES」と判定したときには、ブレーキ操作が行われたので、次のステップ12でブレーキホースの温度Tbを、温度センサ72,73からの信号により検出する。
この場合、温度センサ72,73は、例えばブレーキ側液圧配管40L,40R(ブレーキホース)に取付けられ、該ブレーキホースの温度Tbの温度を直接的に検出している。なお、他のブレーキ側液圧配管41L,41Rにも、同様な温度センサを設けることにより、夫々のブレーキホースの温度を検出することができる。次のステップ13では、ブレーキホースの温度Tbが推定されたか否かを判定し、「NO」と判定する間は、ステップ12の処理を繰返す。
ステップ13で「YES」と判定したときには、次のステップ14でブレーキホースの温度Tbが温度Taよりも高い温度であるか否かを判定する。そして、ステップ15〜18の処理を前述した第1の実施の形態(図6に示すステップ7〜10)と同様に行う。これにより、ブレーキホースの温度Tbに基づいてパワーピストン33を温度補正分の進め量ΔSだけ進め制御することができ、ブレーキホース(ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R)内を流れるブレーキ液の液量がホースの熱膨張によって減少するのを抑えることができる。
かくして、このように構成される第2の実施の形態でも、例えば温度センサ72,73により検出したブレーキホースの温度Tbに基づいて電動倍力装置20の制御処理を行うことにより、ブレーキホースの温度上昇時にも、本来あるべき入力(制動要求)−出力(目標制動量)特性を確保してブレーキフィーリングを良好にでき、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
第1の実施の形態では、ブレーキホースの温度を直接的には検出しないので、コストアップを抑えることができる。しかし、ブレーキホースの温度(推定演算の結果)に関しては、精度にバラツキが生じることもある。これに対し、第2の実施の形態では、ブレーキホースの温度を推定ではなく、直接測定して検出することができ、補正制御の精度を向上することができる。
なお、前記実施の形態によると、モータ制御部53はブレーキホースの温度に基づいた補正ゲインG(図7参照)に従ってパワーピストン33を進め量ΔSだけ、目標ピストン位置S0(数4式参照)に対して進め制御するように電動モータ26を駆動制御する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば目標液圧に従って電動モータ26を駆動制御する場合でも、モータ制御部53は、目標液圧に対してパワーピストン33を同様に進め制御し、ブレーキホースの温度に従って当該温度が高くなるほど目標制動量を大きくするように電動モータ26を駆動制御する構成としてもよい。この場合でも、マスタ圧制御ユニット37は、モータ制御部53で電動モータ26を駆動制御することによりブレーキホース(ブレーキ側液圧配管40L,40R,41L,41R)内を流れるブレーキ液の液量がホースの熱膨張によって減少するのを抑えることができる。
また、前記各実施の形態では、電動倍力装置20を、入力ロッド21に対して相対移動可能なピストンとしてのパワーピストン33を備え、ブレーキホースの温度に従って当該温度が高くなるほど目標制動量を大きくするようにパワーピストン33を進み制御(電動モータ26を駆動制御)する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばESC39の電動モータ(液圧ポンプ)を駆動制御することにより、液圧経路の温度に従って当該温度が高くなるほど目標制動量を大きくする構成としてもよい。この場合でも、本来あるべき入力(制動要求)−出力(目標制動量)に対して液圧ロスを発生させることなく、ブレーキフィーリングを良好に保つことができる。
以上説明した実施形態に基づく電動ブレーキ装置として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様としては、制動要求に応じた目標制動量となるように、液圧経路を通じてホイールシリンダにブレーキ液を供給して、押圧部材を被押圧部材に押圧し、制動力を発生させる電動ブレーキ装置において、前記液圧経路の温度が高くなるほど前記目標制動量を大きくすることを特徴としている。これにより、液圧経路の配管(ブレーキホース)が熱膨張した場合でも、ホイールシリンダに供給すべきブレーキ液圧(液量)を確保でき、ブレーキフィーリングを良好に保つことができる。
第2の態様としては、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、該入力部材に相対移動可能に配置されたピストンと、該ピストンを進退移動させる電動アクチュエータと、前記ブレーキペダルによる前記入力部材の操作量に応じて前記電動アクチュエータを駆動制御し、前記ピストンを移動させてマスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させ液圧経路へ供給する制御装置と、を備える電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、前記液圧経路の温度が高くなるほど前記電動アクチュエータによる前記ピストンの移動量を増加させることを特徴としている。この場合でも、同様な効果を奏する。
電動ブレーキ装置の第3の態様として、前記第1または第2の態様において、前記液圧経路の温度は、車両のホイールハウス内に配置されたブレーキホースの温度であることを特徴としている。これにより、車両のホイールハウス内でブレーキホースの温度が高くなった場合でも、ホイールシリンダに供給すべきブレーキ液圧(液量)を確保でき、ブレーキフィーリングを良好に保つことができる。
3L,3R 前輪側ホイールシリンダ
4L,4R 後輪側ホイールシリンダ
5 ブレーキペダル
6 ブレーキスイッチ
7 操作量検出器
11 マスタシリンダ
20 電動倍力装置
21 入力ロッド(入力部材)
25 電動アクチュエータ
33 パワーピストン(ピストン)
37,71 マスタ圧制御ユニット(制御装置)
40L,40R ブレーキ側液圧配管(液圧経路,ブレーキホース)
41L,41R ブレーキ側液圧配管(液圧経路,ブレーキホース)
48,49,72,73 温度センサ
Tb ブレーキホースの温度

Claims (3)

  1. 制動要求に応じた目標制動量となるように、液圧経路を通じてホイルシリンダにブレーキ液を供給して、押圧部材を被押圧部材に押圧し、制動力を発生させる電動ブレーキ装置において、
    前記液圧経路の温度が高くなるほど前記目標制動量を大きくすることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  2. ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、
    該入力部材に相対移動可能に配置されたピストンと、
    該ピストンを進退移動させる電動アクチュエータと、
    前記ブレーキペダルによる前記入力部材の操作量に応じて前記電動アクチュエータを駆動制御し、前記ピストンを移動させてマスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させ液圧経路へ供給する制御装置と、
    を備える電動ブレーキ装置において、
    前記制御装置は、前記液圧経路の温度が高くなるほど前記電動アクチュエータによる前記ピストンの移動量を増加させることを特徴とする電動ブレーキ装置。
  3. 前記液圧経路の温度は、車両のホイールハウス内に配置されたブレーキホースの温度であることを特徴とする請求項1または2に記載の電動ブレーキ装置。
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