JP5245770B2 - ブレーキ倍力装置、ブレーキ倍力装置付き車両、およびブレーキ倍力方法 - Google Patents

ブレーキ倍力装置、ブレーキ倍力装置付き車両、およびブレーキ倍力方法 Download PDF

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Description

本発明は、ブレーキペダル操作に対するアシスト力を付与可能なブレーキ倍力装置、ブレーキ倍力装置付き車両、およびブレーキ倍力方法に関する。
この種の技術としては、特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報では、ブレーキペダルの踏み込みに連動して進退する入力ピストンの変位に応じて、電動アクチュエータによりブースタピストンを変位させているものが開示されている。シリンダ本体をプライマリピストンとして共用されるピストン組立体(入力ピストン、ブースタピストン)とセカンダリピストンとによって2つの圧力室が隔成されている。
特開2007−112426号公報
しかしながら上記従来技術においては、ピストン組立体が臨んでいる圧力室(第1液圧室)に液圧漏れが発生した場合、運転者にブレーキペダルからの反力が伝わらないまま減速度が増加し、運転者に違和感を与えるおそれがあった。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、第1液圧室に液圧漏れが発生した場合であっても、運転者に違和感を与えることのないブレーキ倍力装置、ブレーキ倍力装置付き車両およびブレーキ倍力方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、第1液圧室の液圧漏れを検出した場合には、第2液圧室から第2ピストンに作用する反力を推定し、アクチュエータが第1ピストンに付与する力を、反力の推定値より小さくするようにした。
そのため、第1ピストンが第2ピストンに当接しても、入力部材により第2ピストンに運転者の踏力が入力されるまでは制動力が十分に発生しないため、運転者へ与える違和感を抑制することができる。
以下、本発明のブレーキ倍力装置、ブレーキ倍力装置付き車両、およびブレーキ倍力方法を実現する最良の形態を、図面に基づき説明する。
[実施例1]
〔ブレーキ倍力装置の構成〕
図1は、本実施例1のブレーキ倍力装置1を搭載した車両30を示す図である。図2は、本実施例1のブレーキ倍力装置1の全体構成を示す。FL輪は左前輪、FR輪は右前輪、RL輪は左後輪、RR輪は右後輪である。また、矢印付きの破線は信号線であり、矢印の向きによって信号の流れを表す。
本実施例1の車両30のブレーキシステムは、左前輪FLと右後輪RRに接続するプライマリ回路10と右前輪FRと左後輪RLに接続するセカンダリ回路20とをからなるいわゆるX配管を有する。
ブレーキ倍力装置1は、マスタシリンダ2と、リザーバタンクRESと、各輪FL,FR,RL,RRに設けたホイルシリンダ4a〜4dと、マスタシリンダ2に接続して設けたマスタシリンダ圧制御機構5およびインプットロッド6と、ブレーキ操作量検出装置7と、マスタシリンダ圧制御機構5を制御するマスタシリンダ圧制御装置8とを有している。
インプットロッド6はブレーキペダルBPとともに進退し、マスタシリンダ2内の液圧(以下、マスタシリンダ圧Pmc)を加減圧する。マスタシリンダ圧制御機構5およびマスタシリンダ圧制御装置8は、マスタシリンダ2のプライマリピストン2bを進退して、マスタシリンダ圧Pmcを加減圧する。
以下、説明のため、マスタシリンダ2の軸方向にx軸を設定し、ブレーキペダルBPの側を負方向と定義する。マスタシリンダ2はいわゆるタンデム型であり、マスタシリンダ2a内にプライマリピストン2bおよびセカンダリピストン2cを有している。マスタシリンダ2aの内周面と、プライマリピストン2bのx軸正方向側の面およびセカンダリピストン2cのx軸負方向側の面との間で、第1液圧室としてのプライマリ液圧室2dを形成している。マスタシリンダ2aの内周面とセカンダリピストン2cのx軸正方向側の面との間で、第2液圧室としてのセカンダリ液室2eを形成している。
プライマリ液圧室2dはプライマリ回路10と連通可能に接続し、セカンダリ液室2eはセカンダリ回路20と連通可能に接続している。プライマリ液圧室2dの容積は、プライマリピストン2bおよびセカンダリピストン2cがマスタシリンダ2a内で摺動することで変化する。プライマリ液圧室2dには、プライマリピストン2bをx軸負方向側に付勢する戻しバネ2fを設置している。セカンダリ液室2eの容積は、セカンダリピストン2cがマスタシリンダ2a内で摺動することで変化する。セカンダリ液室2eには、セカンダリピストン2cをx軸負方向側に付勢する戻しバネ2gを設置している。プライマリ回路10にはプライマリ液圧センサ13、セカンダリ回路20にはセカンダリ液圧センサ23を設け、プライマリ液圧センサ13はプライマリ液圧室2dの液圧を、セカンダリ液圧センサ23はセカンダリ液室2eの液圧を検出し、この液圧情報をマスタシリンダ圧制御装置に送信している。
インプットロッド6のx軸正方向側の一端6aは、プライマリピストン2bの隔壁2hを貫通し、プライマリ液圧室2d内に設置している。インプットロッド6の一端6aとプライマリピストン2bの隔壁2hとの間はシールしており、液密性を確保するとともに、一端6aは隔壁2hに対してx軸方向に摺動可能に設けている。一方、インプットロッド6のx軸負方向側の他端6bは、ブレーキペダルBPに連結している。運転者がブレーキペダルBPを踏むと、インプットロッド6はx軸正方向側に移動し、運転者がブレーキペダルBPを戻すとインプットロッド6はx軸負方向側に移動する。
またインプットロッド6には、プライマリピストン2bの隔壁2hの内周よりも大径で、フランジ部6cの外径よりも小径の大径部6fを形成している。この大径部6fのx軸正方向側端面と隔壁2hのx軸負方向側端面との間には、ブレーキ非作動時においてギャップL1を設けている。このギャップL1によりハイブリッド車両等で回生協調ブレーキ制御を行う場合には、プライマリピストン2bをインプットロッド6に対してx軸負方向に相対移動することによって、回生ブレーキ力分だけ液圧ブレーキを減圧することが可能である。またギャップL1により、インプットロッド6が、プライマリピストン2bに対してx軸正方向にギャップL1分相対変位すると、この大径部6fのx軸正方向の面と隔壁2hとが当接して、インプットロッド6とプライマリピストン2bとが一体に移動することが可能である。
インプットロッド6またはプライマリピストン2bがx軸正方向側へ移動することによってプライマリ液圧室2dの作動液を加圧し、加圧した作動液をプライマリ回路10に供給する。また、加圧した作動液によるプライマリ液圧室2dの圧力により、セカンダリピストン2cがx軸正方向側へ移動する。セカンダリピストン2cがx軸正方向側へ移動することによってセカンダリ液室2eの作動液を加圧し、加圧した作動液をセカンダリ回路20に供給する。
このようにインプットロッド6がブレーキペダルBPと連動して移動し、プライマリ液圧室2dを加圧する構成により、万一、故障により駆動モータ50が停止した場合にも、運転者のブレーキ操作によってマスタシリンダ圧Pmcを上昇でき、所定のブレーキ力を確保することができる。また、マスタシリンダ圧Pmcに応じた力がインプットロッド6を介してブレーキペダルBPに作用し、ブレーキペダル反力として運転者に伝達するため、上記構成を採らない場合に必要な、ブレーキペダル反力を生成するバネ等の装置が不要となる。よって、ブレーキ倍力装置の小型化・軽量化を図ることができ、車両への搭載性が向上する。
インプットロッド6の他端6b側には、運転者の要求ブレーキ力を検出するブレーキ操作量検出装置7を設けている。ブレーキ操作量検出装置7は、インプットロッド6のx軸方向変位量を検出する変位センサ(ブレーキペダルBPのストロークセンサ)である。
リザーバタンクRESは、隔壁によって互いに仕切られた少なくとも2つの液室を有している。各液室はそれぞれブレーキ回路11,21を介して、マスタシリンダ2のプライマリ液圧室2dおよびセカンダリ液室2eと連通可能に接続している。
ホイルシリンダ4a〜4dは、シリンダ、ピストン、パッド等を有しており、マスタシリンダ2aが供給した作動液によって上記ピストンが移動し、このピストンに連結したパッドをディスクロータ40a〜40dに押圧するものである。なお、ディスクロータ40a〜40dはそれぞれ車輪FL,FR,RL,RRと一体回転し、ディスクロータ40a〜40dに作用するブレーキトルクは、車輪FL,FR,RL,RRと路面との間に作用するブレーキ力となる。
マスタシリンダ圧制御機構5は、プライマリピストン2bの変位量すなわちマスタシリンダ圧Pmcを、マスタシリンダ圧制御装置8の制御指令に従って制御するものであり、駆動モータ50と、減速装置51と、回転−並進変換装置55と、を有している。
マスタシリンダ圧制御装置8は演算処理回路であり、ブレーキ操作量検出装置7や駆動モータ50からのセンサ信号等に基づいて、駆動モータ50の作動を制御する。
〔マスタシリンダ圧制御機構〕
以下、マスタシリンダ圧制御機構5の構成と動作について説明する。駆動モータ50は三相DCブラシレスモータであり、マスタシリンダ圧制御装置8の制御指令に基づき供給する電力によって動作し、所望の回転トルクを発生する。
減速装置51は、駆動モータ50の出力回転をプーリ減速方式により減速する。減速装置51は、駆動モータ50の出力軸に設けた小径の駆動側プーリ52と、回転−並進変換装置55のボールネジナット56に設けた大径の従動側プーリ53と、駆動側および従動側プーリ52,53に巻き掛けたベルト54とを有している。減速装置51は、駆動モータ50の回転トルクを、減速比(駆動側および従動側プーリ52,53の半径比)分だけ増幅し、回転−並進変換装置55に伝達する。
回転−並進変換装置55は、駆動モータ50の回転動力を並進動力に変換し、この並進動力によりプライマリピストン2bを押圧する。本実施例1では、動力変換機構としてボールネジ方式を採用しており、回転−並進変換装置55は、ボールネジナット56と、ボールネジ軸57と、可動部材58と、戻しバネ59とを有している。
マスタシリンダ2のx軸負方向側には第1ハウジング部材HSG1を接続し、第1ハウジング部材HSG1のx軸負方向側には第2ハウジング部材HSG2を接続している。ボールネジナット56は、第2ハウジング部材HSG2内に設けられたベアリングBRGの内周に、軸回転可能に設置している。ボールネジナット56のx軸負方向側の外周には、従動側プーリ53を嵌合している。ボールネジナット56の内周には、中空のボールネジ軸57が螺合している。ボールネジナット56とボールネジ軸57との間の隙間には、複数のボールを回転移動可能に設置している。
ボールネジ軸57のx軸正方向側の端には可動部材58を一体に設け、この可動部材58のx軸正方向側の面にはプライマリピストン2bが接合している。プライマリピストン2bは第1ハウジング部材HSG1内に収容し、プライマリピストン2bのx軸正方向側の端は第1ハウジング部材HSG1から突出してマスタシリンダ2のマスタシリンダ2aの内周に嵌合している。
第1ハウジング部材HSG1内であって、プライマリピストン2bの外周に戻しバネ59を設置している。戻しバネ59は、x軸正方向側の端を第1ハウジング部材HSG1内部のx軸正方向側の面Aに固定する一方、x軸負方向側の端を可動部材58に係合している。戻しバネ59は、面Aと可動部材58との間でx軸方向に押し縮めて設置しており、可動部材58およびボールネジ軸57をx軸負方向側に付勢している。
従動側プーリ53が回転するとボールネジナット56が一体に回転し、このボールネジナット56の回転運動により、ボールネジ軸57がx軸方向に並進運動する。x軸正方向側へのボールネジ軸57の並進運動の推力により、可動部材58を介してプライマリピストン2bをx軸正方向側に押圧する。なお、図2では、ブレーキ非操作時にボールネジ軸57がx軸負方向側に最大変位した初期位置にある状態を示す。
一方、ボールネジ軸57には、上記x軸正方向側への推力と反対方向(x軸負方向側)に、戻しバネ59の弾性力が作用する。これによりブレーキ中、すなわちプライマリピストン2bをx軸正方向側に押圧してマスタシリンダ圧Pmcを加圧している状態で、万一、故障により駆動モータ50が停止し、ボールネジ軸57の戻し制御が不能となった場合でも、戻しバネ59の反力によりボールネジ軸27が初期位置に戻る。これによりマスタシリンダ圧Pmcがゼロ付近まで低下するため、ブレーキ力の引きずりの発生を防止し、この引きずりに起因して車両挙動が不安定になる事態を回避することができる。
また、インプットロッド6とプライマリピストン2bとの間に画成した環状空間Bには、一対のバネ6d,6eを配設している。一対のバネ6d,6eは、その各一端をインプットロッド6に設けたフランジ部6cに係止し、バネ6dの他端をプライマリピストン2bの隔壁2hに係止し、バネ6eの他端を可動部材58に係止している。一対のバネ6d,6eは、プライマリピストン2bに対してインプットロッド6を両者の相対変位の中立位置に向けて付勢し、ブレーキ非作動時にインプットロッド6とプライマリピストン2bとを相対移動の中立位置に保持する機能を有している。また、インプットロッド6とプライマリピストン2bとが中立位置からいずれかの方向に相対変位したとき、一対のバネ6d,6eにより、プライマリピストン2bに対してインプットロッド6を中立位置に戻す付勢力が作用する。
なお、駆動モータ50には回転角検出センサ50aを設けており、これにより検出したモータ出力軸の位置信号をマスタシリンダ圧制御装置8に入力する。マスタシリンダ圧制御装置8は、入力した位置信号に基づき駆動モータ50の回転角を算出し、この回転角に基づき回転−並進変換装置25の推進量、すなわちプライマリピストン2bのx軸方向変位量を算出する。
〔倍力制御処理〕
次に、マスタシリンダ圧制御機構5とマスタシリンダ圧制御装置8による、インプットロッド6の推力の増幅作用について説明する。本実施例1では、マスタシリンダ圧制御装置8は駆動モータ50によりインプットロッド6の変位に応じたプライマリピストン2bの変位、すなわちインプットロッド6とプライマリピストン2bの相対変位を制御している。
マスタシリンダ圧制御機構5およびマスタシリンダ圧制御装置8は、運転者のブレーキ操作によるインプットロッド6の変位量に応じて、プライマリピストン2bが変位するようにしている。これによりプライマリ液圧室2dを、インプットロッド6の推力に加えてプライマリピストン2bの推力によって加圧し、マスタシリンダ圧Pmcを調整する。すなわちインプットロッド6の推力を増幅する。増幅比(以下、倍力比α)は、プライマリ液圧室2dにおけるインプットロッド6とプライマリピストン2bの軸直方向断面積(以下、それぞれ受圧面積AIRおよびAPP)の比等により、以下のように決定される。
マスタシリンダ圧Pmcの液圧調整を、式(1)で示される圧力平衡関係をもって行う。
Pmc=(FIR+K×△x)/AIR=(FPP−K×△x)/APP …(1)
ここで、圧力平衡式(1)における各要素は、以下のとおりである。
Pmc:プライマリ液圧室2dの液圧(マスタシリンダ圧)、
FIR :インプットロッド6の推力、
FPP :プライマリピストン2bの推力、
AIR :インプットロッド6の受圧面積、
APP :プライマリピストン2bの受圧面積、
K :バネ6d,6eのバネ定数、
Δx:インプットロッド6とプライマリピストン2bとの相対変位量。
尚、実施例1では、インプットロッド6の受圧面積AIRを、プライマリピストン2bの受圧面積APPよりも小さく構成している。
ここで相対変位量Δxは、インプットロッド6の変位をxIR、プライマリピストン2bの変位をxPPとして、Δx=xPP−xIRと定義する。よって、Δxは、相対移動の中立位置では0、インプットロッド6に対してプライマリピストン2bが前進(x軸正方向側へ変位)する方向では正符号、その逆方向では負符号となる。なお、圧力平衡式(1)ではシールの摺動抵抗を無視している。プライマリピストン2bの推力FPPは、駆動モータ50の電流値から推定できる。
一方、倍力比αを、下記(2)式のように表すことができる。
α=Pmc×(APP+AIR)/FIR …(2)
よって、この(2)式に上記(1)式のPmcを代入すると、倍力比αは下記(3)式のようになる。
α=(1+K×Δx/FIR)×(AIR+APP)/AIR …(3)
倍力制御では、目標のマスタシリンダ圧特性を得ることができるように、駆動モータ50(プライマリピストン2bの変位xPP)を制御する。ここでマスタシリンダ圧特性とは、インプットロッド6の変位xIRに対するマスタシリンダ圧Pmcの変化の特性を指す。インプットロッド6の変位xIRに対するプライマリピストン2bの変位xPPを示すストローク特性と、上記目標マスタシリンダ圧特性とに対応して、インプットロッド6の変位xIRに対する相対変位量Δxの変化を示す目標変位量算出特性を得ることができる。検証により得られた目標変位量算出特性データに基づき、相対変位量Δxの目標値(以下、目標変位量Δx*)を算出する。
すなわち、目標変位量算出特性は、インプットロッド6の変位xIRに対する目標変位量Δx*の変化の特性を示し、インプットロッド6の1つの変位量xIRに対応して1つの目標変位量Δx*が定まる。検出したインプットロッド6の変位量xIRに対応して決定される目標変位量Δx*を実現するように駆動モータ50の回転(プライマリピストン2bの変位量xPP)を制御すると、目標変位量Δx*に対応する大きさのマスタシリンダ圧Pmcがマスタシリンダ2で発生する。
ここで、上記のようにインプットロッド6の変位量xIRをブレーキ操作量検出装置7により検出し、プライマリピストン2bの変位量xPPを回転角検出センサ50aの信号に基づき算出し、相対変位量Δxを上記検出(算出)した変位量の差により求めることができる。倍力制御では、具体的には、上記検出した変位量xIRと目標変位量算出特性とに基づいて目標変位量Δx*を設定し、上記検出(算出)された相対変位量Δxが目標変位量Δx*と一致するように駆動モータ50を制御(フィードバック制御)する。なお、プライマリピストン2bの変位量xPPを検出するストロークセンサを別途設けることとしてもよい。
このように踏力センサを用いることなく倍力制御を行った場合、その分、コストを低減できる。また、相対変位量Δxが任意の所定値となるように駆動モータ50を制御することにより、受圧面積比(AIR+APP)/AIRで定まる倍力比よりも大きな倍力比や小さな倍力比を得ることができ、所望の倍力比に基づく制動力を得ることができる。
一定倍力制御は、インプットロッド6およびプライマリピストン2bを一体的に変位する、すなわちインプットロッド6に対してプライマリピストン2bが常に上記中立位置となり相対変位量Δx=0で変位するように、駆動モータ50を制御するものである。このようにΔx=0となるようにプライマリピストン2bを変位した場合、上記(3)式により、倍力比αは、α=(AIR+APP)/AIRとして一意に定まる。よって、必要な倍力比に基づいてAIRおよびAPPを設定し、変位量xPPがインプットロッド6の変位量xIRに等しくなるようにプライマリピストン2bを制御することで、常に一定の(上記必要な)倍力比を得ることができる。
一定倍力制御における目標マスタシリンダ圧特性は、インプットロッド6の前進(x軸正方向側への変位)に伴い発生するマスタシリンダ圧Pmcが2次曲線、3次曲線、あるいはこれらにそれ以上の高次曲線等が複合した多次曲線(以下、これらを総称して多次曲線という)状に大きくなる。また、一定倍力制御は、インプットロッド6の変位xIRと同じ量だけプライマリピストン2bが変位する(xPP=xIR)ストローク特性を有している。このストローク特性と上記目標マスタシリンダ圧特性とに基づき得られる目標変位量算出特性では、インプットロッド6のあらゆる変位xIRに対して目標変位量Δx*が0となる。
これに対して、倍力可変制御は、目標変位量Δx*を正の所定値に設定し、相対変位量Δxがこの所定値となるように駆動モータ50を制御する。これにより、マスタシリンダ圧Pmcを増加する方向へインプットロッド6が前進移動するに従い、インプットロッド6の変位量xIRに比べてプライマリピストン2bの変位量xPPが大きくなるようにするものである。上記(3)式により、倍力比αは、(1+K×Δx/FIR)倍の大きさとなる。すなわち、インプットロッド6の変位量xIRに比例ゲイン(1+K×Δx/FIR)を乗じた量だけプライマリピストン2bを変位させることと同義となる。このようにΔxに応じて倍力比αが可変となり、マスタシリンダ圧制御機構5が倍力源として働いて、運転者の要求通りのブレーキ力を発生させつつペダル踏力の大きな低減を図ることができる。
すなわち、制御性の観点からは上記比例ゲイン(1+K×Δx/FIR)は1であることが望ましいが、例えば緊急ブレーキ等により運転者のブレーキ操作量を上回るブレーキ力が必要な場合には、一時的に、1を上回る値に上記比例ゲインを変更することができる。これにより、同量のブレーキ操作量でも、マスタシリンダ圧Pmcを通常時(上記比例ゲインが1の場合)に比べて引き上げることができるため、より大きなブレーキ力を発生させることができる。ここで、緊急ブレーキの判定は、例えば、ブレーキ操作量検出装置7の信号の時間変化率が所定値を上回るか否かで判定できる。
このように倍力可変制御は、インプットロッド6の前進に対してプライマリピストン2bの前進をより進め、インプットロッド6に対するプライマリピストン2bの相対変位量Δxがインプットロッド6の前進に伴い大きくなり、これに対応してインプットロッド6の前進に伴うマスタシリンダ圧Pmcの増加が一定倍力制御よりも大きくなるように駆動モータ50を制御する方法である。
倍力可変制御における目標マスタシリンダ圧特性は、インプットロッド6の前進(x軸正方向側への変位)に伴い発生するマスタシリンダ圧Pmcの増加が一定倍力制御よりも大きくなる(多次曲線状に増加するマスタシリンダ圧特性がより急峻になる)。また、倍力可変制御は、インプットロッド6の変位xIRの増加に対するプライマリピストン2bの変位xPPの増加分が1よりも大きいストローク特性を有している。このストローク特性と上記目標マスタシリンダ圧特性とに基づき得られる目標変位量算出特性では、インプットロッド6の変位xIRが増加するに応じて目標変位量Δx*が所定の割合で増加する。
また、倍力可変制御として、上記制御〔マスタシリンダ圧Pmcを増加する方向へインプットロッド6が移動するに従い、インプットロッド6の変位量xIRに比べてプライマリピストン2bの変位量xPPが大きくなるように駆動モータ50を制御すること〕に加え、マスタシリンダ圧Pmcを増加する方向へインプットロッド6が移動するに従い、インプットロッド6の変位量xIRに比べてプライマリピストン2bの変位量xPPが小さくなるように駆動モータ50を制御することを含めてもよい。このように1を下回る値に上記比例ゲインを変更することで、ハイブリッド車両の回生ブレーキ力分だけ液圧ブレーキを減圧する回生協調ブレーキ制御に適用することも可能である。
〔液圧漏れ時制御処理〕
前述のように本実施例1では、通常マスタシリンダ圧制御装置8はインプットロッド6とプライマリピストン2bの相対変位量Δxを制御している。この通常制御に対して、プライマリ液圧室2dが液圧漏れした場合には、マスタシリンダ圧制御装置8はセカンダリ液室2eへの反力FSPに応じて、駆動モータ50によるプライマリピストン2bの推力FPPを制御する。換言すると、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしていないときには駆動モータ50の位置制御を行い、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときには駆動モータ50のトルク制御を行う。
図3は、プライマリ液圧室2dが液圧漏れを検出し、駆動モータ50の制御を切り換える制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、運転者がブレーキペダルBPを踏み込んで制動操作を行っているか否かを判定し、制動操作を行っていない場合にはステップS2へ移行し、制動操作を行っている場合にはステップS4へ移行する。
ステップS2では、車両が停車中か否かを判定し、車両が停車中であればステップS3へ移行し、車両が停車中でなければ処理を終了する。
ステップS3では、駆動モータ50を駆動してプライマリピストン2bを押圧して、ステップS4へ移行する。プライマリ液圧室2dが液圧漏れしていない場合には、プライマリピストン2bを押圧することにより、プライマリ液圧室2dとセカンダリ液室2eにはほぼ等しい液圧が発生する。一方、プライマリ液圧が液圧漏れしている場合には、プライマリピストン2bを押圧しても、プライマリ液圧室2dには液圧がほとんど発生せず、セカンダリ液室2eのみに液圧が発生する。
ステップS4では、プライマリ液圧センサ13によりプライマリ液圧室2dの液圧P1を、セカンダリ液圧センサ23によりセカンダリ液室2eの液圧P2を検出して、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、セカンダリ液室2eの液圧P2とプライマリ液圧室2dの液圧P1との差が設定した液圧差Pdiffより大きいか否かを判定し、液圧P2と液圧P1との差が液圧差Pdiffより大きい場合にはステップS6へ移行し、液圧P2と液圧P1との差が液圧差Pdiffより小さい場合には処理を終了する。すなわち、液圧P2と液圧P1との差が液圧差Pdiffより大きい場合には、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしていると判定している。
ステップS6では、駆動モータ50の制御を後述する液圧漏れ時用のストローク-液圧マップに基づく制御に移行して処理を終了する。
図4は、液圧漏れ時用のストローク-液圧マップである。図4のマップの横軸はブレーキペダルBPのストローク量(インプットロッド6のx軸方向変位量)、縦軸はマスタシリンダ圧Pmcを示す。また図4のマップの実線はマスタシリンダ圧Pmcの目標値、一点鎖線はマスタシリンダ圧Pmcの目標値のうち、駆動モータ50の出力(プライマリピストン2b)によるマスタシリンダ圧Pmcの上昇分を示す。
ここで前述のようにインプットロッド6の大径部6fのx軸正方向側端面と隔壁2hのx軸負方向側端面との間のギャップをL1とする。またプライマリピストン2bのx軸正方向側端面とセカンダリピストン2cのx軸負方向側端面との間の距離をL2とする(図1参照)。図4に示すように、ブレーキペダルBPのストローク量がL1+L2となるまでマスタシリンダ圧Pmcの目標値をゼロとする。またブレーキペダルBPのストローク量がL1+L2を超えるとブレーキペダルBPのストローク量に応じてマスタシリンダ圧Pmcの目標値を増大する。またブレーキペダルBPのストローク量がL1+L2を超えると、マスタシリンダ圧Pmcの目標値に対して、駆動モータ50の出力によるマスタシリンダ圧Pmcの上昇分の目標値の割合を小さくし、運転者のブレーキペダル踏力によるマスタシリンダ圧Pmcの上昇分の割合を大きくしている。
図5の実線は、液圧漏れ時用のストローク-液圧マップにしたがって駆動モータ50を制御したときのブレーキペダルBPのストローク量と駆動モータ50によるプライマリピストン2bの推力FPPの関係を示すグラフである。また図5の一点鎖線は、ブレーキペダルBPのストローク量とセカンダリ液圧室2eからセカンダリピストン2cに作用する反力FSPの関係を示すグラフである。
図5に示すように、全ストローク量に渡ってセカンダリピストン2cへの反力FSPよりも、プライマリピストン2bの推力FPPを小さく設定している。またブレーキペダルBPのストローク量がL1+L2を超えると、ブレーキペダルBPのストローク量に応じてセカンダリピストン2cへの反力FSPとプライマリピストン2bの推力との差が増大するようにしている。
マスタシリンダ圧制御装置8は、プライマリ液圧室2dに設けた戻しバネ2f、セカンダリ液室2eに設けた戻しバネ2g、環状空間Bに設けた一対のバネ6d,6e、摩擦等を考慮して、プライマリピストン2bへの反力FSPが図5の実線で示すようになるように、駆動モータ50にトルク指令値を出力して制御している。
〔ブレーキ倍力装置の作用〕
(液圧漏れ時の問題点)
以下では、シールの摺動抵抗、プライマリ液圧室2dに設けた戻しバネ2f、セカンダリ液室2eに設けた戻しバネ2g、環状空間Bに設けた一対のバネ6d,6eによる各部材に作用する力は無視して考える。
図6はプライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときに、インプットロッド6とプライマリピストン2bとの相対変位量Δxをゼロとするようにマスタシリンダ圧制御装置8が駆動モータ50を制御したときのタイムチャートである。図6(a)の実線はインプットロッド6の変位量xIR、一点鎖線はプライマリピストン2bの変位量xPP、二点鎖線はインプットロッド6とプライマリピストン2bとの相対変位量Δxのタイムチャートである。図6(b)は、インプットロッド6の推力FIRのタイムチャートである。インプットロッド6の推力FIRは、ブレーキペダルBPの踏力および反力とほぼ等しいと考えて良い。図6(c)は、プライマリピストン2bの推力FPPのタイムチャートである。図6(d)は、減速度のタイムチャートである。減速度の変化はマスタシリンダ圧Pmc(ここではセカンダリ液室2eの液圧)の変化とほぼ同期すると考えて良い。
図7〜図9はプライマリ回路10が失陥しているときのブレーキ倍力装置1の状態を示す図である。図7は、図6のタイムチャートにおける時間t1の時点のブレーキ倍力装置1の状態を示す。図8は、図6のタイムチャートにおける時間t1〜t2のブレーキ倍力装置1の状態を示す。図9は、図6のタイムチャートにおける時間t3の時点のブレーキ倍力装置1の状態を示す。
・〜時間t1
運転者がブレーキペダルBPを踏み込むとインプットロッド6がx軸正方向に変位する。マスタシリンダ圧制御装置8は相対変位量Δxがゼロとなるように駆動モータ50を制御するため、インプットロッド6とプライマリピストン2bとは一体に進むことになる(図6中の矢印A参照)。このとき、プライマリ液圧室2dは液圧漏れをしているため、プライマリ液圧室2dに液圧は発生せず、インプットロッド6には反力がほとんど発生しない(図6中の矢印B参照)。すなわち、運転者は反力を感じないままブレーキペダルBPのストローク量が大きくなる。
またセカンダリピストン2cにはx軸正方向に推力が作用せず、セカンダリ液圧室2eに液圧はほとんど発生しないため、減速度は発生しない(図6中の矢印C参照)。
・時間t1〜時間t2
時間t1においてインプットロッド6の変位量xIRがL2となると、プライマリピストン2bのx軸正方向側端面とセカンダリピストン2cのx軸負方向側端面とが当接する(図7参照)。その後もマスタシリンダ圧制御装置8は、プライマリピストン2bとインプットロッド6との相対変位量Δxがゼロとなるように駆動モータ50を制御するため、インプットロッド6、プライマリピストン2b、セカンダリピストン2cは一体に進むことになる(図6中の矢印D、図8参照)。
このとき、プライマリ液圧室2dは液圧漏れをしているため、プライマリ液圧室2dに液圧はほとんど発生せず、インプットロッド6には反力が発生しない(図6中の矢印E)。そのため、運転者は反力を感じないままブレーキペダルBPのストローク量が大きくなる。
セカンダリ液圧室2eに液圧が発生するため、セカンダリ液圧室2eに液圧に抗ってプライマリピストン2bを駆動することになり、プライマリピストン2bの推力FPPは急増し(図6中の矢印F参照)、また減速度が急増する(図6中の矢印G参照)。
すなわち、運転者は反力を感じることができないのに減速度が急増することとなる。
・時間t2〜時間t3
時間t2においてセカンダリピストン2cのx軸正方向端部とマスタシリンダ2aの端部とが当接し、それ以降、セカンダリピストン2cはx軸方向に移動することができなくなる。このとき、プライマリ液圧室2dは液圧漏れをしているため、プライマリ液圧室2dに液圧はほとんど発生せず、インプットロッド6には反力が発生しない(図6中の矢印H参照)。そのため、運転者は反力を感じないままブレーキペダルBPを更に踏み込むこととなる。
マスタシリンダ圧制御装置8は、インプットロッド6とプライマリピストン2bとの相対変位量Δxがゼロとなるように、プライマリピストン2bの推力を増加するように駆動モータ50に指令する。しかし、セカンダリピストン2cに当接しているプライマリピストン2bもx軸方向に移動することができないため、すぐに駆動モータ50の出力は最大となる(図6中の矢印I参照)。
プライマリピストン2bはx軸正方向側に変位できず、インプットロッド6のみがx軸正方向側に変位する(図6中の矢印J参照)。そのためインプットロッド6とプライマリピストン2bとの相対変位量Δxが増加する(図6中の矢印K参照)。インプットロッド6は移動するがプライマリピストン2bは移動しないため、セカンダリ液圧室2eの液圧は増加せず、減速度は増加しない(図6中の矢印L参照)。
・時間t3〜
インプットロッド6がプライマリピストン2bに対してギャップL1分相対移動し、時間t3においてインプットロッド6の大径部6fのx軸正方向側端面と隔壁2hのx軸負方向側端面が当接する(図9参照)。すでにセカンダリピストン2cはマスタシリンダ2aの端部と当接し、プライマリピストン2bはセカンダリピストン2cと当接しているため、インプットロッド6もこれ以降は進むことができない(図6中の矢印M参照)。
このとき、運転者のブレーキペダルBPの踏力に応じた反力が、マスタシリンダ2a端部、セカンダリピストン2c、プライマリピストン2b、インプットロッド6、ブレーキペダルBPの順に伝達する(図6中の矢印N参照)。
インプットロッド6の推力FIRは増加するが、プライマリピストン2b、セカンダリピストン2cが移動しないため、セカンダリ液圧室2eの液圧は増加せず、減速度も増加しない(図6中の矢印P参照)。
図10(a)はブレーキペダルBPのストローク量に対する減速度の変化、図10(b)はブレーキペダルBPへの踏力に対する減速度の変化を示す図である。なお図10中の実線はプライマリ液圧室2dが液圧漏れしていないときを、点線はプライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときを示す。
図10(a)に示すように、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしていないときにくらべ、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときには、ブレーキペダルBPのストローク量が大きくなってから減速度が立ち上がっている。また図10(b)に示すように、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしていないときには、踏力の増加に応じて徐々に減速度が増加している。一方、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときには、踏力が増加しないまま減速度が急増することとなる。
なお、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときには、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしていないときに比べて減速度はほぼ半分となる。これはプライマリ液圧室2dにはほとんど液圧が発生しないため、左前輪FL、右後輪RRに制動力が発生せず、車両30にはセカンダリ液圧室2eに発生した液圧により右前輪FR、左後輪RLの制動力のみが作用するからである。
上述のように、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときには、運転者は反力を感じないまま減速度が急増することとなるため、運転者に違和感を与えるおそれがあった。
そこで本実施例1のブレーキ液圧装置1では、マスタシリンダ圧制御装置8は、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときには、通常(プライマリ液圧室2dが液圧漏れしていないとき)よりも駆動モータ50によるプライマリピストン2bの推力を小さくするようにした。
さらに、本実施例1のブレーキ液圧装置1では、マスタシリンダ圧制御装置8は、プライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときには、セカンダリ液圧室2eからセカンダリピストン2cに作用する反力FSPよりも、駆動モータ50によるプライマリピストン2bの推力を小さく設定するようにした。なお、セカンダリ液圧室2eからセカンダリピストン2cに作用する反力FSPは、マスタシリンダ圧制御装置8においてセカンダリ液圧センサ23が検出したセカンダリ液室2eの液圧と戻しバネ2gの付勢力を用いて演算により推定することができる。
図11はプライマリ液圧室2dが液圧漏れしているときに、本実施例1のブレーキ倍力装置1におけるマスタシリンダ圧制御装置8が駆動モータ50を制御したときのタイムチャートである。図11(a)の実線はインプットロッド6の変位量xIR、一点鎖線はプライマリピストン2bの変位量xPP、二点鎖線はインプットロッド6とプライマリピストン2bとの相対変位量Δxのタイムチャートである。図11(b)は、インプットロッド6の推力FIRのタイムチャートである。インプットロッド6の推力FIRは、ブレーキペダルBPの踏力および反力とほぼ等しいと考えて良い。図11(c)の実線はプライマリピストン2bの推力FPP、一点鎖線はセカンダリ液圧室2eからセカンダリピストン2cに作用する反力FSPのタイムチャートである。図11(d)は、減速度のタイムチャートである。減速度の変化はマスタシリンダ圧Pmc(ここではセカンダリ液室2eの液圧)の変化とほぼ同期すると考えて良い。
・〜時間t4
運転者がブレーキペダルBPを踏み込むとインプットロッド6がx軸正方向に変位する。マスタシリンダ圧制御装置8は、セカンダリピストン2cに作用するx軸負方向の力よりも、駆動モータ50によるプライマリピストン2bの推力を小さく設定するようにした。マスタシリンダ圧制御装置8は、プライマリピストン2bの推力FPPをセカンダリ液圧室2eからセカンダリピストン2cに作用する反力FSPよりも小さくするように制御する(図11中の矢印A参照)。
このとき、プライマリ液圧室2dは液圧漏れをしているため、プライマリ液圧室2dに液圧はほとんど発生せず、インプットロッド6には反力が発生しない(図11中の矢印B参照)。すなわち、運転者は反力を感じないままブレーキペダルBPのストローク量が大きくなる。
またセカンダリピストン2cにはx軸正方向に推力が作用せず、セカンダリ液圧室2eに液圧はほとんど発生しないため、減速度は発生しない(図11中の矢印C参照)。
・時間t4〜時間t5
時間t4においてインプットロッド6の変位量xIRがL2となると、プライマリピストン2bのx軸正方向側端面とセカンダリピストン2cのx軸負方向側端面とが当接する。このとき、プライマリピストン2bの推力FPPは、セカンダリピストン2cに作用する反力FSPよりも小さいため、プライマリピストン2bの推力FPPだけでは、セカンダリピストン2cを押圧することはできない。そのため、インプットロッド6のみがx軸正方向側に変位し、プライマリピストン2bはx軸正方向側に変位しない(図11中の矢印D参照)。インプットロッド6とプライマリピストン2bとの相対変位量Δxは増加する(図11中の矢印E参照)。
このとき、プライマリ液圧室2dは液圧漏れをしているため、プライマリ液圧室2dに液圧はほとんど発生せず、インプットロッド6には反力が発生しない(図6中の矢印F)。
また、プライマリピストン2bによりセカンダリピストン2cを押圧しないため、セカンダリピストン2cに作用する反力FSPは増加せず、またプライマリピストン2bの推力FPPも増加しない(図11中の矢印G参照)。
セカンダリピストン2cにはx軸正方向に推力が作用せず、セカンダリ液圧室2eに液圧はほとんど発生しないため、減速度は発生しない(図11中の矢印H参照)。
・時間t5〜時間t6
インプットロッド6がプライマリピストン2bに対してギャップL1分相対移動し、時間t5においてインプットロッド6の大径部6fのx軸正方向側端面と隔壁2hのx軸負方向側端面が当接する。
このとき、運転者のブレーキペダルBPの踏力に応じた反力が、マスタシリンダ2a端部、セカンダリピストン2c、プライマリピストン2b、インプットロッド6、ブレーキペダルBPの順に伝達する(図11中の矢印I参照)。
運転者の踏力はセカンダリ液圧室2eに伝達するため、セカンダリピストン2cに作用する反力FSPが増加し、それに伴ってマスタシリンダ圧制御装置8はプライマリピストン2bの推力FPPを増加するように駆動モータ50を制御する(図11中の矢印K参照)。
インプットロッド6の推力FIRとプライマリピストン2bの推力FPPがセカンダリピストン2cに伝達され、セカンダリ液圧室2eの液圧は増加して、減速度が増加する(図11中の矢印L参照)。
・時間t3〜
時間t6においてセカンダリピストン2cのx軸正方向端部とマスタシリンダ2aの端部とが当接し、それ以降、インプットロッド6、プライマリピストン2b、セカンダリピストン2cはx軸方向に移動することができなくなる(図11中の矢印M参照)。このときセカンダリピストン2cに作用する反力FSPは最大となり、プライマリピストン2bの推力FPPも最大となる。
運転者のブレーキペダルBPへの踏力に応じてインプットロッド6の推力FIRは増加するが(図11中の矢印N参照)、プライマリピストン2b、セカンダリピストン2cが移動しないため、セカンダリ液圧室2eの液圧は増加せず、減速度も増加しない(図11中の矢印P参照)。
図12(a)はブレーキペダルBPのストローク量に対する減速度の変化、図12(b)はブレーキペダルBPへの踏力に対する減速度の変化を示す図である。なお図12中の細実線はプライマリ液圧室2dが液圧漏れしていないときを、太点線はプライマリ液圧室2dが液圧漏れしているとき、点線はプライマリ液圧室2dが液圧漏れしたときにマスタシリンダ圧制御装置8の駆動モータ50の制御を切り換えなかった場合を示す。
図12(a)に示すように、プライマリ液圧室2dが液圧漏れした場合に、マスタシリンダ圧制御装置8による駆動モータ50の制御を切り換えたときも、切り換えなかったときも、ブレーキペダルBPのストローク量に対する減速度の立ち上がりは同様である。また図12(b)に示すように、プライマリ液圧室2dが液圧漏れした場合に、マスタシリンダ圧制御装置8の駆動モータ50の制御を切り換えたときは、運転者のブレーキペダルBPの踏力の増加に応じて減速度が徐々に増加する。
したがって、運転者は減速度の増加に応じて反力の増加を感じることができるため、運転者の違和感を抑制することができる。
また本実施例1では、マスタシリンダ圧制御装置8は、インプットロッド6のストローク量に応じたマップ(図4)に基づいて、駆動モータ50がプライマリピストン2bに付与する力を制御するようにした。
このような構成を採用したことにより、マスタシリンダ圧制御装置8はインプットロッド6のx軸方向変位量xIRに応じて駆動モータ50を制御すれば良いため、制御機構を簡易にすることができる。
また本実施例1では、液圧漏れ検出する手段としては、プライマリ液圧室2dの液圧を検出するプライマリ液圧センサ13を有し、車両停車中に駆動モータ50によりプライマリピストン2bを移動させたときにプライマリ液圧室2dの液圧が変化しないときにはプライマリ液圧室2dの液圧漏れと判断するようにした。
このような構成を採用したことにより、プライマリ回路10が失陥した後に走行を開始した場合には、運転者は減速度の増加に応じて反力の増加を感じることができるため、運転者の違和感を抑制することができる。
また本実施例1では、マスタシリンダ圧制御装置8は、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出していないときには駆動モータ50を位置制御し、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出したときには駆動モータ50をトルク制御することとした。
このような構成を採用したことにより、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出したときにはインプットロッド6の変位量xIRに関わらず駆動モータを制御することができ、運転者が反力を感じない状態で減速度が増加することを抑制することができる。
〔実施例1の効果〕
次に本実施例1の効果について以下に列記する。
(1)プライマリ液圧室2dとセカンダリ液圧室2eとを有するマスタシリンダ2と、ブレーキペダルBPの操作により進退移動し、プライマリ液圧室2dに面して配したインプットロッド6と、インプットロッド6の移動方向に対して相対変位可能であって、インプットロッド6との相対変位量が所定以上となるとインプットロッド6と共に進退移動し、一端をプライマリ液圧室2dに面して配したプライマリピストン2bと、プライマリピストン2bに進退方向の力を付与する駆動モータ50と、プライマリピストン2bとの相対変位量が所定以上となるとプライマリピストン2bと一体に進退移動するとともに、一端をプライマリ液圧室2dに面し他端をセカンダリ液圧室2eに面して配したセカンダリピストン2cと、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出し、インプットロッド6の変位量に応じてプライマリピストン2bを変位するとともに、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出した場合には、プライマリピストン2bとインプットロッド6との相対変位量が所定以上となるまでは、駆動モータ50がインプットロッド6の進退量に応じてプライマリピストン2bに付与する力を減少するマスタシリンダ圧制御装置8とを設けた。
したがって、運転者は減速度の増加に応じて反力の増加を感じることができるため、運転者の違和感を抑制することができる。
(2)アクチュエータ制御装置8は、セカンダリ液圧室2eからセカンダリピストン2cに作用する反力を推定する反力FSPを推定し、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出した場合には、駆動モータ50がプライマリピストン2bに付与する力を、推定した反力FSPより小さくすることを特徴とするブレーキ倍力装置。
(3)マスタシリンダ圧制御装置8は、インプットロッド6の進退量に応じたマップにより駆動モータ50がプライマリピストン2bに付与する力を設定することとした。
よって、マスタシリンダ圧制御装置8はインプットロッド6のx軸方向変位量xIRに応じて駆動モータ50を制御すれば良いため、制御機構を簡易にすることができる。
(4)マスタシリンダ圧制御装置8は、プライマリ液圧室2dの液圧を検出するプライマリ液圧センサ13を有し、停車中に駆動モータ50によりプライマリピストン2bを移動させたときにプライマリ液圧室2dの液圧が変化しないときにはプライマリ液圧室2dの液圧漏れと判断することとした。
よって、プライマリ回路10が失陥した後に走行を開始した場合には、運転者は減速度の増加に応じて反力の増加を感じることができるため、運転者の違和感を抑制することができる。
(5)マスタシリンダ圧制御装置8は、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出していないときには駆動モータ50を位置制御し、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出したときには駆動モータ50をトルク制御することとした。
よって、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出したときにはインプットロッド6の変位量xIRに関わらず駆動モータを制御することができ、運転者が反力を感じない状態で減速度が増加することを抑制することができる。
(6)ブレーキ液圧制御装置1を有する車両30において、ブレーキペダルBPの操作により進退移動するインプットロッド6と、インプットロッド6の移動方向に対して相対変位可能であって、インプットロッド6の相対変位量がギャップL1となるとインプットロッド6と一体に進退移動するプライマリピストン2bと、プライマリピストン2bに進退方向の力を付与する駆動モータ50と、インプットロッド6とプライマリピストン2bとを液圧室内に臨んで配置したプライマリ液圧室2dと、プライマリピストン2bの進退方向に設け、プライマリ液圧室2dの液圧により進退移動するセカンダリピストン2cと、セカンダリピストン2cを液圧室内に臨んで配置したセカンダリ液圧室2eと、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出し、セカンダリ液圧室2eからセカンダリピストン2cに作用する反力FSPを推定し、インプットロッド6の変位量に応じてプライマリピストン2bを変位するとともに、プライマリ液圧室2dの液圧漏れを検出した場合には、駆動モータ50がプライマリピストン2bに付与する力を、セカンダリ液圧室2eからセカンダリピストン2cに作用する力の推定値より小さく設定するマスタシリンダ圧制御装置8とを設けた。
したがって、運転者は減速度の増加に応じて反力の増加を感じることができるため、運転者の違和感を抑制することができる。
(7)ブレーキペダルBPの操作力より大きな力を、プライマリ液圧室2dの作動液を押圧するプライマリピストン2bに作用して、プライマリピストン2bを進退移動し、プライマリ液圧室2dに液圧漏れが発生した後にはセカンダリ液圧室2eからセカンダリ液圧室2eの作動液を押圧するセカンダリピストン2cに作用する力よりプライマリピストン2bに作用する力を小さくしてプライマリピストン2bを進退移動することとした。
したがって、運転者は減速度の増加に応じて反力の増加を感じることができるため、運転者の違和感を抑制することができる。
〔他の実施例〕
駆動モータ50の回転トルクが十分に大きく、減速によるトルク増幅が必要でない場合には、減速装置51を省略して、駆動モータ50と回転−並進変換装置55とを直結することとしてもよい。この場合、減速装置51の介在に起因して発生する、信頼性や静粛性、および搭載性等に関する諸問題を回避できる。
なお、プライマリピストン2bは本発明の第1ピストン、セカンダリピストン2cは本発明の第2ピストン、プライマリ液圧室2dは本発明の第1液圧室、セカンダリ液圧室2eは本発明の第2液圧室、インプットロッド6は本発明の入力部材、マスタシリンダ圧制御装置8は本発明の液圧漏れ検出手段、作用力推定手段、アクチュエータ制御手段、駆動モータ50は本発明のアクチュエータ、ブレーキペダルBPは本発明のブレーキ操作子、プライマリ液圧センサ13は本発明の第1液圧検出部に相当する。
実施例1のブレーキ倍力装置を搭載した車両を示す図である。 実施例1のブレーキ倍力装置の全体構成を示す。 実施例1のマスタシリンダ圧制御装置の制御の流れを示すフローチャートである。 実施例1の液圧漏れ時用のストローク-液圧マップである。 実施例1のブレーキペダルのストローク量とプライマリピストンの推力の関係を示すグラフである。 実施例1のブレーキ倍力装置のタイムチャートである。 実施例1のブレーキ倍力装置の状態を示す図である。 実施例1のブレーキ倍力装置の状態を示す図である。 実施例1のブレーキ倍力装置の状態を示す図である。 実施例1のブレーキペダルのストローク量に対する減速度の変化、ブレーキペダルへの踏力に対する減速度の変化を示す図である。 実施例1のブレーキ倍力装置のタイムチャートである。 実施例1のブレーキペダルのストローク量に対する減速度の変化、ブレーキペダルへの踏力に対する減速度の変化を示す図である。
符号の説明
1 ブレーキ倍力装置
2b (第1ピストン)
2c セカンダリピストン(第2ピストン)
2d プライマリ液圧室(第1液圧室)
2e セカンダリ液圧室(第2液圧室)
6 インプットロッド(入力部材)
8 マスタシリンダ圧制御装置(液圧漏れ検出手段、作用力推定手段、アクチュエータ制御手段)
13 プライマリ液圧センサ(第1液圧検出部)
30 車両
50 駆動モータ(アクチュエータ)
BP ブレーキペダル(ブレーキ操作子)

Claims (6)

  1. 第1液圧室と第2液圧室とを有するマスタシリンダと、
    ブレーキ操作子の操作により進退移動し、前記第1液圧室に面して配した入力部材と、
    前記入力部材の移動方向に対して相対変位可能であって、前記入力部材との相対変位量が所定以上となると前記入力部材と共に進退移動し、一端を前記第1液圧室に面して配した第1ピストンと、
    前記第1ピストンに進退方向の力を付与するアクチュエータと、
    前記第1ピストンとの相対変位量が所定以上となると前記第1ピストンと一体に進退移動するとともに、一端を前記第1液圧室に面し他端を前記第2液圧室に面して配した第2ピストンと、
    前記第1液圧室の液圧漏れを検出する液圧漏れ検出手段と、
    前記入力部材の変位量に応じて前記第1ピストンを変位するとともに、前記第1液圧室の液圧漏れを検出した場合には、前記第1ピストンと前記入力部材とが共に進退移動するまでは、前記入力部材の進退量とアクチュエータの制御量とのマップに基づき前記アクチュエータが前記入力手段の進退量に応じて前記第1ピストンに付与する力を減少するアクチュエータ制御手段と、
    を設け
    前記アクチュエータ制御手段は、前記第2液圧室から前記第2ピストンに作用する反力を推定し、前記第1液圧室の液圧漏れを検出した場合には、前記アクチュエータが前記第1ピストンに付与する力を、前記反力の推定値より小さくすることを特徴とするブレーキ倍力装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ倍力装置において、
    前記アクチュエータ制御手段は、前記入力部材の進退量に応じたマップにより前記アクチュエータが前記第1ピストンに付与する力を設定することを特徴とするブレーキ倍力装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のブレーキ倍力装置において、
    前記液圧漏れ検出手段は、第1液圧室の液圧を検出する第1液圧検出部を有し、停車中に前記アクチュエータにより前記第1ピストンを移動したときに第1液圧室の液圧が変化しないときには第1液圧室の液圧漏れと判断することを特徴とするブレーキ倍力装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のブレーキ倍力装置において、
    前記アクチュエータ制御手段は、前記第1液圧室の液圧漏れを検出していないときには前記アクチュエータを位置制御し、前記第1液圧室の液圧漏れを検出したときには前記アクチュエータをトルク制御することを特徴とするブレーキ倍力装置。
  5. ブレーキ操作子の操作により進退移動する入力部材と、
    前記入力部材の移動方向に対して相対変位可能であって、前記入力部材との相対変位量が所定以上となると前記入力部材と一体に進退移動する第1ピストンと、
    前記第1ピストンに進退方向の力を付与するアクチュエータと、
    前記入力部材と前記第1ピストンとを液圧室内に臨んで配置した第1液圧室と、
    前記第1液圧室の液圧により進退移動するとともに、前記第1ピストンの進退方向に設けた第2ピストンと、
    前記第2ピストンを液圧室内に臨んで配置した第2液圧室と、
    前記第1液圧室の液圧漏れを検出する液圧漏れ検出手段と、
    前記入力部材の変位量に応じて前記第1ピストンを変位するとともに、前記第1液圧室の液圧漏れを検出した場合には、前記第1ピストンと前記入力部材とが共に進退移動するまでは、前記入力部材の進退量とアクチュエータの制御量とのマップに基づき、前記アクチュエータが前記第1ピストンに付与する力を減少するアクチュエータ制御手段と、
    を設け、
    前記アクチュエータ制御手段は、前記第2液圧室から前記第2ピストンに作用する反力を推定し、前記第1液圧室の液圧漏れを検出した場合には、前記アクチュエータが前記第1ピストンに付与する力を、前記反力の推定値より小さくすることを特徴とするブレーキ倍力装置付き車両
  6. ブレーキ操作子の操作により進退移動する入力部材と、
    前記入力部材の移動方向に対して相対変位可能であって、前記入力部材との相対変位量が所定以上となると前記入力部材と一体に進退移動する第1ピストンと、
    前記第1ピストンに進退方向の力を付与するアクチュエータと、
    前記入力部材と前記第1ピストンとを液圧室内に臨んで配置した第1液圧室と、
    前記第1液圧室の液圧により進退移動するとともに、前記第1ピストンの進退方向に設けた第2ピストンと、
    前記第2ピストンを液圧室内に臨んで配置した第2液圧室と、
    を有し、
    前記アクチュエータが前記入力部材の変位量に応じて前記第1ピストンを変位するとともに、前記第1液圧室の液圧漏れを検出した場合には、前記第2液圧室から前記第2ピストンに作用する反力を推定し、前記アクチュエータが前記第1ピストンに付与する力を、前記反力の推定値より小さくすることを特徴とするブレーキ倍力方法
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