JP2019021805A - 電極体及び蓄電デバイス - Google Patents

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友広 宇高
雅浩 山本
Masahiro Yamamoto
雅浩 山本
友哉 岩崎
Tomoya Iwasaki
友哉 岩崎
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Yusuke Homma
裕介 本間
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Abstract

【課題】スプリングバックを抑制することができ、蓄電デバイスの性能を向上させることができ、簡便な手法で製造することができる電極体及び蓄電デバイスを提供すること。【解決手段】電極体は、正極と、負極と、セパレータとを備える。正極は、正極集電体及び前記正極集電体上に形成された正極活物質層を備える。負極は、負極集電体及び前記負極集電体上に形成された負極活物質層を備える。セパレータは、前記正極及び負極の間に配置される。前記正極活物質層及び前記負極活物質層の表面粗さはともに0.2〜5μmである。前記セパレータの表面粗さは0.06μm以上である。【選択図】図1

Description

本開示は電極体及び蓄電デバイスに関する。
近年、高出力且つ高エネルギー密度の蓄電デバイスとして、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスが注目されている。蓄電デバイスとして、扁平状に捲回された構造を有する電極体が電解液とともに角筒形状の缶型の外装容器内に収容されたものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
扁平状に捲回された構造を有する電極体は、一般的に、長尺状の正極と、長尺状の負極と、それらの間に介在するシート状のセパレータとを積層して積層体を形成し、その積層体を円筒状に捲回し、プレス加工によって扁平形状に成形することにより得られる。
扁平状に捲回された構造を有する電極体においては、プレス状態から解放されると、電極体が有する復元力により、電極体の厚みが大きくなる現象(以下、スプリングバックとする)が生じる。このため、電極体を外装容器本体に挿入することが難しくなり、蓄電デバイスを製造することが困難になる。また、電極体のよれや短絡が生じたりする。
このような問題に対して、電極体の製造時に高圧でプレスする等して電極体の扁平形状を保持することが行われている。また、特許文献2には、セパレータと直接接触するセパレータ積層面を電極に設け、そのセパレータ積層面を粗化処理する技術が開示されている。
特開2013−196882号公報 特開2006−278143号公報
しかしながら、電極体を高圧でプレスすると、電極の破損や、電極を構成する活物質の脱落等が生じて蓄電デバイスの性能が低下したり、蓄電デバイスの内部抵抗が大きくなったりする等の問題が生じる。また、特許文献2に開示されている技術は、セパレータ積層面を粗化処理する工程が必須となり、生産性や製造コストの点で問題が生じる。
本開示の一局面は、スプリングバックを抑制することができ、蓄電デバイスの性能を向上させることができ、簡便な手法で製造することができる電極体及び蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本開示の一局面は、正極集電体及び前記正極集電体上に形成された正極活物質層を備える正極と、負極集電体及び前記負極集電体上に形成された負極活物質層を備える負極と、前記正極及び負極の間に配置されるセパレータと、を備える電極体であって、前記正極活物質層及び前記負極活物質層の表面粗さがともに0.2〜5μmであり、前記セパレータの表面粗さが0.06μm以上である電極体である。
本開示の一局面である電極体は、扁平状に捲回された構造(以下では捲回扁平構造とする)を有する電極体とされた場合でも、スプリングバックを抑制できる。また、本開示の一局面である電極体は、捲回扁平構造を有する電極体とする場合でも、必ずしも高圧でプレスしなくてもよいので、電極の破損や、電極を構成する活物質の脱落等が生じにくい。そのため、本開示の一局面である電極体を用いれば、蓄電デバイスの性能を向上させることができる。また、本開示の一局面である電極体は、正極集電体や負極集電体を必ずしも粗化処理する必要がないので、簡便な手法で製造することができる。
本開示の他の局面は、本開示の一局面である電極体と、電解質と、前記電極体及び前記電解質を収納するケースと、を備える蓄電デバイスである。
本開示の他の局面である蓄電デバイスは、電極体のスプリングバックを抑制できる。そのため、電極体をケースに収容することが容易である。また、本開示の他の局面である蓄電デバイスでは、電極体を構成する電極の破損や、電極を構成する活物質の脱落等が生じにくい。そのため、蓄電デバイスの性能を向上させることができる。また、本開示の他の局面である蓄電デバイスは、正極集電体や負極集電体を必ずしも粗化処理する必要がないので、簡便な手法で製造することができる。
電極体1の構成を表す断面図である。 電極体1の構成を表す分解斜視図である。 蓄電デバイス35の構成を表す分解斜視図である。
本開示の実施形態を説明する。
1.電極体
本開示の電極体は、正極と、負極と、セパレータとを備える。
(1−1)正極
正極は、正極集電体と、その正極集電体上に形成された正極活物質層とを備える。正極活物質層は、正極集電体の片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
正極集電体は、例えば、帯状又はシート状の金属箔から成る。正極集電体を構成する金属として、例えば、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。正極集電体の厚さは、強度及び電極体を偏平形状に成形する際のプレス圧の観点から、好ましくは10〜25μmであり、さらに好ましくは15〜25μmである。
正極集電体には、後述するアルカリ金属イオンのプレドープ性等の観点から、複数の貫通孔が形成されていることが好ましい。貫通孔の開口幅は、好ましくは0.1〜1000μmであり、さらに好ましくは0.5〜500μmである。また、貫通孔の開口率は、好ましくは1〜80%であり、さらに好ましくは2〜70%である。開口率とは、正極集電体の面積に対し、貫通孔の面積が占める割合である。
正極活物質層は正極活物質を含む。正極活物質層は、必要に応じて、バインダー、導電助剤、増粘剤等をさらに含んでいてもよい。正極活物質として、例えば、マンガン酸化物、バナジウム酸化物等の遷移金属酸化物;リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、ナトリウムコバルト酸化物、ナトリウムニッケル酸化物、ナトリウムマンガン酸化物等のアルカリ金属遷移金属複合酸化物;硫黄単体、金属硫化物等の硫黄系活物質;ニトロキシラジカル化合物等の有機活物質、活性炭等が挙げられる。
上記バインダーとして、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、NBR等のゴム系バインダー;ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、特開2009−246137号公報に開示されているようなフッ素変性(メタ)アクリル系バインダー等が挙げられる。
上記導電助剤として、例えば、カーボンブラック、黒鉛、気相成長炭素繊維、金属粉末等が挙げられる。上記増粘剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース、そのNa塩又はアンモニウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。
正極活物質層の厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは50〜200μmである。なお、正極集電体の両面に正極活物質層が形成されている場合、正極活物質層の厚さは、両面での合計の厚さを意味する。後述する負極においても、負極集電体の両面に負極活物質層が形成されている場合、負極活物質層の厚さは、両面での合計の厚さを意味する。
(1−2)負極
負極は、負極集電体と、その負極集電体上に形成された負極活物質層とを備える。負極活物質層は、負極集電体の片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
負極集電体は、例えば、帯状又はシート状の金属箔から成る。負極集電体を構成する金属として、例えば、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられる。負極集電体の厚さは、強度及び電極体を偏平形状に成形する際のプレス圧の観点から、好ましくは10〜25μmであり、さらに好ましくは10〜20μmである。
負極集電体には、後述するアルカリ金属イオンのプレドープ性等の観点から、複数の貫通孔が形成されていることが好ましい。貫通孔の開口幅は、好ましくは1〜1000μmであり、さらに好ましくは5〜500μmである。また、貫通孔の開口率は、好ましくは1〜80%であり、さらに好ましくは2〜70%である。
負極活物質層は負極活物質を含む。負極活物質層は、必要に応じて、バインダー、導電助剤、増粘剤等をさらに含んでいてもよい。負極活物質として、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、黒鉛粒子をピッチや樹脂の炭化物で被覆した複合炭素材料等の炭素材料;リチウムと合金化が可能なSi、Sn等の金属若しくは半金属又はこれらの酸化物を含む材料等が挙げられる。
上記バインダー、上記導電助剤、及び上記増粘剤として、上記正極の説明において例示した材料と同様のものを挙げることができる。負極活物質層の厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは40〜150μmである。
(1−3)正極活物質層及び負極活物質層の表面粗さ
正極活物質層及び負極活物質層の表面粗さは、ともに0.2〜5μmである。なお、以下では、正極活物質層と負極活物質層とをまとめて活物質層と呼ぶことがある。また、正極活物質層の表面粗さと、負極活物質層の表面粗さとをまとめて、活物質層表面粗さと呼ぶことがある。また、正極活物質と負極活物質とをまとめて、活物質と呼ぶことがある。
活物質層表面粗さが0.2〜5μmであることにより、スプリングバックを抑制できる。活物質層表面粗さは、0.3μm以上であることが好ましい。この場合、スプリングバックを一層抑制できる。活物質層表面粗さは、4μm以下であることが好ましく、3μm以下であることが特に好ましい。この場合、スプリングバックを一層抑制できる。活物質層表面粗さの測定方法は、後述する実施例に記載の方法である。
電極体が捲回扁平構造を有する場合、活物質層表面粗さは、捲回扁平構造となった後における値である。電極体が蓄電デバイスの構成要素である場合、活物質層表面粗さは、蓄電デバイスから取り出した電極体における活物質層の表面粗さである。
活物質層に含まれる活物質の形状、粒子径、配合割合等を考慮し、例えば、活物質層形成時のプレス圧や、電極体を偏平形状に成形する際のプレス圧を調整する等の方法で、活物質層表面粗さを上記範囲に調整することができる。
活物質の取り得る形状は、その種類や製造方法等によって異なる。また、粉砕等により活物質の形状を制御することができる。活物質の形状として、例えば、球状、板状、針状、柱状等が挙げられる。活物質層表面粗さを調整するために、種々の形状又は粒子径の活物質を組み合わせてもよい。
また、活物質層は、通常、活物質、バインダー、溶剤等を含有するスラリーを調製し、このスラリーを集電体上に塗布し、乾燥させることにより製造されるが、上記スラリーを調製する方法によっても活物質層表面粗さを調整することができる。例えば、スラリーを混練する際の混練時間、シェアの大きさ、各成分の配合割合等を調整することによって、活物質層表面粗さを調整することができる。
正極活物質層に含まれる正極活物質及び負極活物質層に含まれる負極活物質の50%体積累積径D50(以下ではD50とする)は、ともに2〜10μmであることが好ましく、2.5〜8μmであることがさらに好ましい。D50が上記範囲にある活物質を使用することにより、スプリングバックを抑制することができ、しかも内部抵抗の低い蓄電デバイスを得ることができる。なお、D50の測定方法は、レーザー回折・散乱法である。
(1−4)セパレータ
セパレータの表面粗さは0.06μm以上である。そのことによりスプリングバックを抑制できる。セパレータの表面粗さは0.07μm以上であることが好ましく、0.08μm以上であることがさらに好ましい。この場合、スプリングバックを一層抑制できる。
セパレータの表面粗さは10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがさらに好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。この場合、スプリングバックを一層抑制できる。
なお、セパレータの表面粗さとは、後述する実施例に記載の方法により、セパレータの片面について測定された表面粗さの平均値を意味する。本開示の電極体において、セパレータにおける少なくとも片面の表面粗さが0.06μm以上であればよい。
例えば、セパレータの原材料となる樹脂シートを延伸する際の延伸速度や延伸倍率、延伸後の熱処理温度等を調整する等の方法で、セパレータの表面粗さを上記範囲内になるように調整することができる。
また、サンドブラスト用いる方法、粗面化剤を用いる方法、電極体を偏平形状に成形する際のプレス圧の設定等によっても、セパレータの表面粗さを調整することができる。粗面化剤として、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機フィラーや、架橋樹脂粒子等の有機フィラー等が挙げられる。セパレータの表面粗さを調整するためのより具体的な方法は、例えば、特開2009−91461号公報、国際公開第2010/74151号パンフレット等に開示されている。
セパレータの材質として、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、これらの材質の層を複数積層した積層体(例えば、PP/PE/PPの3層構造を有する積層体)、ポリイミド、アラミド等の樹脂製の微多孔質膜、セルロース系不織布等が挙げられる。これらの材質から成る層の少なくとも一方の面に上記無機フィラーや上記有機フィラーを主成分とする耐熱層が積層されていてもよい。
セパレータの厚さは、絶縁性、イオン伝導性及びスプリングバックの観点から、好ましくは5〜50μmであり、さらに好ましくは10〜20μmである。また、セパレータの透気度は、10〜200秒/100ccであることが好ましい。
(1−5)電極体の構造
電極体の構造は特に限定されないが、例えば、捲回扁平構造が好ましい。捲回扁平構造を有する電極体の例を図1に示す。電極体1は、第1のセパレータ3、負極5、第2のセパレータ7、及び正極9がこの順で積層されたものである。第1のセパレータ3、負極5、第2のセパレータ7、及び正極9の形態はそれぞれ帯状又はシート状である。
電極体1は、例えば、まず、電極体1の一端を内側として、円筒状または楕円筒状に捲回された後、扁平形状に成形されることにより、捲回扁平構造となる。あるいは、電極体1は、最初から、扁平形状に捲回されることにより、捲回扁平構造となる。
電極体1は、例えば、図2に示す形態を有する。負極5、第2のセパレータ7、及び正極9はこの順に積層されている。なお、図2では、第1のセパレータ3の記載は省略している。
負極5には、負極活物質層11が形成されている。負極5は、電極体1の幅方向Wにおける一端に、活物質層未形成部13を備える。活物質層未形成部13は、負極活物質層11が形成されていない部分である。活物質層未形成部13では、負極集電体が露出している。活物質層未形成部13は、電極体1の長手方向Lにおいて連続している。長手方向Lは、捲回扁平構造を形成するときに、電極体1を捲回す方向である。電極体1の厚み方向Dから見て、活物質層未形成部13の少なくとも一部は、第2のセパレータ7と重なることなく、幅方向Wに突出している。活物質層未形成部13に、負極リードを接続することができる。負極リードは、負極5と蓄電デバイスの負極端子とを接続する。
正極9には、正極活物質層15が形成されている。正極9は、電極体1の幅方向Wにおける一端に、活物質層未形成部17を備える。活物質層未形成部17は、幅方向Wにおいて、活物質層未形成部13とは反対側に位置する。活物質層未形成部17は、正極活物質層15が形成されていない部分である。活物質層未形成部17では、正極集電体が露出している。活物質層未形成部17は、電極体1の長手方向Lにおいて連続している。電極体1の厚み方向Dから見て、活物質層未形成部17の少なくとも一部は、第2のセパレータ7と重なることなく、幅方向Wに突出している。活物質層未形成部17に、正極リードを接続することができる。正極リードは、正極9と蓄電デバイスの正極端子とを接続する。
一般的に、スプリングバックに起因する問題は、捲回扁平構造を有する大型の電極体で生じ易い。より具体的には、図1に示す方向Aでの電極体の厚さ(以下では電極体厚さとする)が10mm以上になると、一般的にスプリングバックが生じ易くなるが、本開示の電極体1は、電極体厚さが10mm以上であっても、スプリングバックを抑制することができる。本開示の電極体1における電極体厚さは、好ましくは10〜20mmである。
また、図1に示す方向Bでの電極体の高さ(以下では電極体高さとする)と電極体厚さとの比(電極体高さ/電極体厚さ)が小さくなると、一般的に、スプリングバックが生じ易くなるが、本開示の電極体1は、電極体高さ/電極体厚さが小さくても、スプリングバックを抑制することができる。本開示の電極体1において、電極体高さ/電極体厚さは、好ましくは2〜8であり、さらに好ましくは3〜7であり、特に好ましくは4〜6である。
(1−6)電極体の製造方法
捲回扁平構造を有する電極体を、例えば、以下の方法で製造できる。まず、第1のセパレータ、負極、第2のセパレータ及び正極をこの順に積層し、積層体を形成する。第1のセパレータ、負極、第2のセパレータ及び正極は、それぞれ、帯状又はシート状の形態を有する。
次に、この積層体を渦巻状に捲回する。最後に、渦巻き状に捲回された積層体を扁平形状にプレスすることにより、捲回扁平構造を有する電極体を製造する。
扁平形状に成形する際のプレス圧は、例えば、10〜200kgf/cm2 であることが好ましく、20〜100kgf/cm2 であることがさらに好ましい。プレス圧が200kgf/cm2 以下である場合、蓄電デバイスの内部抵抗が上昇したり、後述するアルカリ金属イオンのプレドープ性が悪化したりすることを抑制できる。プレス圧が10kgf/cm2 以上である場合、電極体をケース内に収容することが容易になる。
2.蓄電デバイス
本開示の蓄電デバイスは、電極体と、電解質と、ケースとを備える。電極体は、上記「1.電極体」の項で述べたものである。
(2−1)電解質
電解質は、通常、溶媒中に溶解された電解液の状態で用いられる。電解質として、リチウムイオンを生成することができる電解質が好ましい。リチウムイオンを生成することができる電解質として、例えば、LiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、LiN(CSO、LiN(CFSO、LiN(FSO等が挙げられる。これらの電解質は、単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
電解質を溶解させるための溶媒として、非プロトン性の有機溶媒が好ましい。非プロトン性の有機溶媒として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、1−フルオロエチレンカーボネート、1−(トリフルオロメチル)エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。粘度が低く、イオン伝導度が高い電解液が得られることから、溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒を用いることが好ましい。
電解液は、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、無水コハク酸、無水マレイン酸、プロパンスルトン、ジエチルスルホン等の添加剤をさらに含有していてもよい。電解質は、ゲル状又は固体状であってもよい。この場合、電解質の漏液を抑制することができる。
(2−2)ケース
ケースは、その中に電極体及び電解質を収納する。ケースの形態は、電極体及び電解質を収容することができれば特に限定されるものではない。電極体が捲回扁平構造を有する場合、角型のケースが好ましい。角型のケースの例を図3に示す。ケース19は、ケース本体21と、封口板23とを備える。ケース本体21は、一側面に開口22を有する扁平な矩形の箱である。封口板23は、ケース本体21の開口22を気密に塞ぐ板状部材である。ケース本体21及び封口板23の材質は金属が好ましい。金属として、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄等が挙げられる。ケース本体21の材質と封口板23の材質とは同じであることが好ましい。
封口板23の上部には、正極端子25と負極端子27とが互いに離間して配置されている。正極端子25は、図示しない正極リードを介して、電極体1を構成する正極9に接続されている。また、負極端子27は、図示しない負極リードを介して、電極体1を構成する負極5に接続されている。
封口板23は、例えば、図示しない安全弁を備えることができる。安全弁を備える場合、ケース19の内部の圧力が所定値以上に上昇したときに安全弁が開弁し、ケース19の内部のガスが外部に放出されることから、蓄電デバイスの安全性が向上する。
(2−3)アルカリ金属イオン供給源
本開示の蓄電デバイスは、例えば、アルカリ金属イオン供給源をさらに備えることができる。アルカリ金属イオン供給源を備える場合、蓄電デバイスは、正極活物質又は負極活物質にアルカリ金属イオンを予めドープすること(以下ではプレドープとする)が可能になる。アルカリ金属イオンとして、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン等が挙げられる。
アルカリ金属イオンをプレドープする方法として、例えば、金属リチウム等のリチウムイオン供給源をリチウム極としてケース内に配置し、正極および負極の少なくとも一方とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンをプレドープする方法が挙げられる。
例えば、図1に示すように、電極体1における一方の扁平面29に、リチウム金属を含むリチウムイオン供給源31を配置することができる。リチウムイオン供給源31はアルカリ金属イオン供給源に対応する。リチウムイオン供給源31は、第1のセパレータ3を介して負極5に対向する。リチウムイオン供給源31上に、リチウム極集電体33を積層することができる。リチウム極集電体33は負極5と電気的に接続されている。
プレドープを行う場合、正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方には、複数の貫通孔が形成されていることが好ましく、正極集電体及び負極集電体の両方に複数の貫通孔が形成されていることがさらに好ましい。また、負極活物質にプレドープを行う場合、負極集電体における貫通孔の開口率が、正極集電体における貫通孔の開口率よりも高いことが好ましい。
(2−4)蓄電デバイスの製造方法
本開示の蓄電デバイスは、例えば、図3に示すように製造できる。一側面に開口22を有する角型のケース本体21を用意する。電極体1及び電解質を、開口22から、ケース本体21の内部に挿入する。次に、開口22を封口板23によって封口することで蓄電デバイス35を製造する。
電極体1の最外周をPE、PP等の樹脂フィルムで覆っておいてもよい。この場合、電極体1をケース本体21に挿入する際に、電極体1がケース本体21に接触して傷付くことを抑制できる。また、スプリングバックをさらに抑制することができる。
3.実施例
<実施例1>
(1)正極の作製
帯状のアルミニウム製エッチング箔を正極集電体とした。正極集電体には開口径1〜10μmの貫通孔が複数形成されている。正極集電体における開口率は5%である。正極集電体の厚みは20μmである。
縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、正極集電体の両面に導電性塗料を塗工した。次に、減圧乾燥させることにより、正極集電体の両面に導電層を形成した。
このとき、正極集電体の両面に、それぞれ、未塗工部を設けた。未塗工部は、導電層が形成されていない部分である。未塗工部は、正極集電体の幅方向W(図2参照)における一端に位置する。未塗工部は、正極集電体の長手方向L(図2参照)において連続している。
次に、正極集電体の両面において、導電層上に正極用スラリーを塗工した。正極用スラリーは、D50が3.5μmであり、BET比表面積が1950m2 /gである活性炭粉体92質量部、導電助剤としてアセチレンブラック粉体6質量部、バインダーとしてフッ素アクリル樹脂6質量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース4質量部、およびイオン交換水200質量部を、2軸遊星攪拌機にて充分混合することにより作製した。活性炭粉末は正極活物質に対応する。正極用スラリーの塗工には、縦型ダイ方式の両面塗工機を用いた。次に、減圧乾燥させることにより、導電層上に正極活物質層を形成した。正極活物質層の厚みは、両面合わせて160μmである。
上記の未塗工部には、正極用スラリーを塗工しなかった。そのため、未塗工部は、正極活物質層が形成されず、活物質層未形成部となった。
(2)負極の作製
帯状の銅製電解エッチング箔を負極集電体とした。負極集電体には開口径80〜100μmの貫通孔が複数形成されている。負極集電体における開口率は30%である。負極集電体の厚みは15μmである。
縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、負極集電体の両面に負極用スラリーを塗工した。負極用スラリーは、D50が5μmであり、BET比表面積が10m2 /gである被覆黒鉛粒子92質量部、アセチレンブラック粉体6質量部、フッ素アクリル樹脂5質量部、カルボキシメチルセルロース4質量部、およびイオン交換水200質量部を加えて2軸遊星攪拌機にて充分混合することにより作製した。被覆黒鉛粒子は、天然黒鉛を非晶質性炭素(ピッチの焼成物)で被覆した粒子である。被覆黒鉛粒子は負極活物質に対応する。
次に、減圧乾燥させることにより、負極集電体の両面に負極活物質層を形成した。負極活物質層の厚みは両面合わせて70μmである。
負極集電体の両面に、それぞれ、活物質層未形成部を設けた。活物質層未形成部は、負極活物質層が形成されていない部分である。活物質層未形成部は、負極集電体の幅方向W(図2参照)における一端に位置する。活物質層未形成部は、負極集電体の長手方向L(図2参照)において連続している。
(3)セパレータの作製
厚みが15μmであり、表面粗さが0.1μmであるPP製のシートから切り出すことで、第1のセパレータ及び第2のセパレータをそれぞれ作成した。第1のセパレータ及び第2のセパレータの幅方向W及び長手方向L(図2参照)におけるサイズは、正極及び負極のサイズよりも大きい。
(4)電極体の作製
上記(3)で作製した第1のセパレータ、上記(2)で作製した負極、上記(3)で作製した第2のセパレータ、及び上記(1)で作製した正極をこの順に積層し、電極体を作製した。
このとき、図2に示すように、負極5の活物質層未形成部13と、正極9の活物質層未形成部17とは、幅方向Wにおいて反対の位置関係となる。電極体の厚み方向Dから見て、活物質層未形成部13の少なくとも一部は、第2のセパレータ7と重なることなく、幅方向Wに突出している。また、電極体の厚み方向Dから見て、活物質層未形成部17の少なくとも一部は、第2のセパレータ7と重なることなく、幅方向Wに突出している。
次に、直径44mmのステンレス製の芯棒の外周面に、第2のセパレータ7が内側となるように、電極体を捲回すことにより、内径44mm、外径59mmの円筒状の捲回体を作製した。
次に、円筒状の捲回体を、図1に示すA方向において、プレス圧が65kgf/cm2 となる条件でプレスすることにより、捲回扁平構造を有する電極体を作製した。この電極体の電極体高さは85mmであり、図1の紙面に直交する方向での幅は145mmであり、電極体厚さは14mmであった。
(5)リチウムイオンキャパシタの作製
超音波溶接により、アルミニウム製のリード部材を正極の活物質層未形成部に接続した。また、超音波溶接により、銅製のリード部材を負極の活物質層未形成部に接続した。
次に、リチウム箔を所定のサイズに切断した。このリチウム箔を銅網に圧着することにより、リチウムイオン供給部材を作製した。リチウム箔は、図1に示すリチウムイオン供給源31に対応する。銅網は、図1に示すリチウム極集電体33に対応する。図1において、リチウム箔と銅網とから構成されるリチウムイオン供給部材を37とする。
次に、図1に示すように、リチウムイオン供給部材37を、電極体1における一方の扁平面29に配置した。このとき、リチウムイオン供給源31であるリチウム箔は、第1のセパレータ3を介して負極5に対向した。
次に、図3に示すように、アルミニウム製の封口板23を用意した。封口板23は正極端子25及び負極端子27を備える。また、封口板23は図示しない注液口を備える。封口板23の寸法は、縦150mm×横15mm×厚さ1mmである。正極端子25及び負極端子27は、インサート樹脂成型により、PP製の樹脂ホルダーを介して、封口板23に一体化されている。
次に、上述したとおり、負極の活物質層未形成部に接続していたリード部材の他端を負極端子27に抵抗溶接して電気的に接続した。また、正極の活物質層未形成部に接続していたリード部材の他端を正極端子25に抵抗溶接して電気的に接続した。その結果、電極体1が封口板23に接続した。
次に、図3に示すように、一側面に開口22を有する角型のアルミニウム製ケース本体21を用意した。ケース本体21の寸法は、縦幅92mm×横幅150mm×厚さ15mmである。次に、封口板23と接続した電極体1を、開口22から、ケース本体21の内部に挿入した。
この状態で、開口22の外周縁部と封口板23の外周縁部とをかしめることにより、開口22を封口した。次に、120mlの電解液を、封口板23に形成された注液口からケース19の内部に注入し、注液口を安全弁で封止することにより、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びジエチルカーボネートを質量比で3:1:4の比率で混合した溶媒に、1モル/Lの濃度でLiPF6 を溶解したものである。リチウムイオンキャパシタのセルは、捲回扁平構造を有する電極体1がケース19の内部に収容された構造を有する。
次に、リチウムイオンキャパシタのセルを60℃の恒温槽中に静置することで、リチウムイオン供給部材37が備えるリチウム箔が完全に無くなるまでプレドープを進行させた。このようにして、リチウムイオンキャパシタのセルを10個作製した。リチウムイオンキャパシタのセルは蓄電デバイスに対応する。
(6)スプリングバックの評価
上記(4)で作製した電極体の、方向B(図1参照)における中央部での電極体厚さをデジタルインジケータ(ミツトヨ社製ID−H0530)を用いて測定した。このときの測定値を初期厚さとする。また、24時間静置した後、同一の電極体の同一部分における電極体厚さを再度測定した。このときの測定値を再測定厚さとする。再測定厚さと初期厚さとの差は0.2mm以下であった。
(7)表面粗さの測定
上記(5)で作製したリチウムイオンキャパシタのセルを、ドライルーム内で解体し、正極、負極、及びセパレータを取り出した。次に、エチルメチルカーボネートを用い正極、負極、及びセパレータを洗浄した。次に、正極及び負極に対し、120℃で2時間減圧乾燥を行った。また、セパレータに対し、常温で減圧乾燥を行った。
次に、小型表面粗さ測定機(ミツトヨ社製SJ−210)を用い、JIS B0601−2001に準拠して、正極活物質層、負極活物質層、及びセパレータの表面粗さをそれぞれ測定した。表面粗さの測定は、任意に選択した10箇所で行った。10箇所の値の平均値を、表面粗さとして採用した。検出器として、測定力0.75mN、先端半径2μm、先端角度60°のスタイラス形状のものを用いた。測定結果を下記表1における「プレス後の表面粗さ」の列に示す。
また、円筒状の捲回体をプレスする前の時点においても、正極活物質層、負極活物質層、及びセパレータの表面粗さをそれぞれ測定した。測定結果を下記表1における「プレス前の表面粗さ」の列に示す。表1における「正極」の列は、正極活物質層の表面粗さを表す。表1における「負極」の列は、負極活物質層の表面粗さを表す。
Figure 2019021805
(8)初期DC−IR(直流内部抵抗)測定
上記(5)で作製したリチウムイオンキャパシタのセル5個について、セルの初期DC−IR値〔Ω〕を測定した。測定には、日本電計株式会社製の充放電装置を用いた。測定方法は、以下の測定条件において、CC放電(定電流放電)を行う方法とした。
(測定条件)
温度:25℃
電圧範囲:3.8〜2.2V
電流値:100A
以下の評価基準により、初期DC−IRの評価を行った。評価結果を上記表1における「初期DC−IR」の列に示す。
(評価基準)
○:DC−IR値(Ω)が1.5mΩ未満である。
△:DC−IR値(Ω)が1.5mΩ以上、2.0mΩ未満である。
×:DC−IR値(Ω)が2.0mΩ以上である。
(8)プレドープ性の評価
上記(5)で作製したリチウムイオンキャパシタのセルを、ドライルーム内で解体し、電極体の最外周を構成する負極を切り出した。これを負極aとする。また、上記(2)にて作成した電極を切り出した。これを負極bとする。セルロース系セパレータを3枚用意し、下からセパレータ、負極a、セパレータ、負極b、セパレータの順で積層し、負極積層体を作製した。
次に、リチウム箔を切断し、切断したリチウム箔を銅網に圧着することにより参照極を作製した。次に、この参照極を負極積層体の上側に配置した。このとき、参照極が備えるリチウム箔がセパレータを介して負極と対向するようした。
次に、2枚の負極の活物質層未形成部と参照極とのそれぞれに、電極端子を溶接により接続した。電極端子は銅製タブである。電極端子は3つ存在する。
次に、電極端子が接続された負極積層体を、第1のラミネートフィルム上に配置した。第1のラミネートフィルムの形状は矩形である。第1のラミネートフィルムは、ポリプロピレン層、アルミニウム層及びナイロン層がこの順で積層されたものである。このとき、3つの電極端子が、第1のラミネートフィルムから外方に突出するようにした。
次に、負極積層体の上から、第2のラミネートフィルムを重ね合わせた。第2のラミネートフィルムの形状は矩形である。第2のラミネートフィルムは、ポリプロピレン層、アルミニウム層及びナイロン層がこの順で積層されたものである。このとき、第1のラミネートフィルムと第2のラミネートフィルムとは、負極積層体を両側から挟む。
次に、第1のラミネートフィルム及び第2のラミネートフィルムの外周縁部3辺を熱融着した。その結果、第1のラミネートフィルム及び第2のラミネートフィルムは、1辺のみが開口した袋となった。負極積層体は、その袋に収容されている。ただし、3つの電極端子は袋から外方に突出している。
次に、袋の開口部から、袋内に電解液を注入した。電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びジエチルカーボネートを質量比で3:1:4となる比率で混合した溶媒に1モル/Lの濃度でLiPF6 を溶解したものである。
次に、袋の開口部を熱融着することにより、積層型の負極単極セル(以下「セルA」とする)を作製した。
一方、上記(5)で作製したリチウムイオンキャパシタのセルを、ドライルーム内で解体し、電極体の最内周を構成する負極を切り出した。これを負極cとする。その後は、負極cを負極aの代わりに用いた以外は、セルAの作製方法と同様にして、積層型の負極単極セル(以下「セルB」とする)を作製した。作製されたセルAの負極aの放電容量とセルBの負極cの放電容量とを、日本電計株式会社製の充放電装置を用い、下記の測定条件でCC放電(定電流放電)を行うことによって測定した。セルAの放電容量とセルBの放電容量とが近い程、電極体全体にプレドープが均一に進んでいることを意味する。
(測定条件)
温度:25℃
カットオフ電圧:3.0V
電流値:1mA
以下の評価基準により、プレドープ性の評価を行った。評価結果を上記表1における「プレドープ性」の列に示す。
(評価基準)
○:セルBの放電容量/セルAの放電容量が0.5以上である。
×:セルBの放電容量/セルAの放電容量が0.5未満である。
<実施例2>
基本的には実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタを作製した。ただし、正極活物質として、D50が5μmであり、BET比表面積が2200m2 /gである活性炭を用い、負極活物質として、D50が7μmであり、BET比表面積が6m2 /gである被覆黒鉛粒子を用い、セパレータとして、表面粗さが0.2μmのものを用いた。
また、本実施例2、及び後述する比較例1〜3においては、円筒状の捲回体を、図1に示すA方向に押圧するプレス圧を調整し、初期厚みと再測定厚みとの差が0.2mm以下となるように電極体を作製した。初期厚みと再測定厚みとの差が0.2mm以下となるプレス圧を上記表1における「プレス圧」の列に示す。
作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<比較例1>
基本的には実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタを作製した。ただし、正極活物質として、D50が2μmであり、BET比表面積が1850m2 /gである活性炭を用い、負極活物質として、D50が2μmであり、BET比表面積が20m2 /gである被覆黒鉛粒子を用い、セパレータとして、表面粗さが0.2μmのものを用いた。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<比較例2>
基本的には実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタを作製した。ただし、正極活物質として、D50が12μmであり、BET比表面積が2000m2 /gである活性炭を用い、負極活物質として、D50が15μmであり、BET比表面積が5m2 /gである被覆黒鉛粒子を用いた。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<比較例3>
基本的には実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタを作製した。ただし、正極活物質として、D50が5μmであり、BET比表面積が2200m2 /gである活性炭を用い、負極活物質として、D50が7μmであり、BET比表面積が6m2 /gである被覆黒鉛粒子を用い、セパレータとして、表面粗さが0.05μmのものを用いた。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
4.他の実施形態
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)本開示の電極体を用いて、リチウムイオンキャパシタ以外の蓄電デバイスを製造してもよい。リチウムイオンキャパシタ以外の蓄電デバイスとして、例えば、リチウムイオン二次電池等が挙げられる。
(2)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(3)上述した電極体及び蓄電デバイスの他、当該電極体又は蓄電デバイスを構成要素とするシステム、電極体の製造方法、蓄電デバイスの製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…電極体、3…第1のセパレータ、5…負極、7…第2のセパレータ、9…正極、11…負極活物質層、13…活物質層未形成部、15…正極活物質層、17…活物質層未形成部、19…ケース、21…ケース本体、22…開口、23…封口板、25…正極端子、27…負極端子、29…扁平面、31…リチウムイオン供給源、33…リチウム極集電体、35…蓄電デバイス、37…リチウムイオン供給部材

Claims (7)

  1. 正極集電体及び前記正極集電体上に形成された正極活物質層を備える正極と、
    負極集電体及び前記負極集電体上に形成された負極活物質層を備える負極と、
    前記正極及び負極の間に配置されるセパレータと、
    を備える電極体であって、
    前記正極活物質層及び前記負極活物質層の表面粗さがともに0.2〜5μmであり、
    前記セパレータの表面粗さが0.06μm以上である電極体。
  2. 請求項1に記載の電極体であって、
    扁平状に捲回された構造を有する電極体。
  3. 請求項1又は2に記載の電極体であって、
    前記正極活物質層に含まれる正極活物質、及び前記負極活物質層に含まれる負極活物質の50%体積累積径D50がともに2〜10μmである電極体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極体であって、
    前記正極集電体及び前記負極集電体の少なくとも一方は複数の貫通孔を有する電極体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極体と、
    電解質と、
    前記電極体及び前記電解質を収納するケースと、
    を備える蓄電デバイス。
  6. 請求項5に記載の蓄電デバイスであって、
    前記ケースが角型の形態を有する蓄電デバイス。
  7. 請求項5又は6に記載の蓄電デバイスであって、
    アルカリ金属イオン供給源をさらに備える蓄電デバイス。
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