JP2015060719A - 非水電解質電池 - Google Patents

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佑磨 菊地
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尚己 西尾
陽子 徳野
Yoko Tokuno
陽子 徳野
具道 中
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具道 中
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Abstract

【課題】高いエネルギー密度と低い内部抵抗とを示すことができる、リチウムチタン複合酸化物を用いた非水電解質電池を提供すること
【解決手段】実施形態に係る電池100は、負極11と、負極11の表面に結合した不織布セパレータ13と、不織布セパレータ13を介して負極11に対向する正極12と、非水電解質とを具備する。負極11は、リチウムチタン複合酸化物を含む。不織布セパレータ13は電気絶縁性の繊維を含む。不織布セパレータ13は、サイカス法により測定される負極11に対する剥離強度が0.1N以上である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、非水電解質電池に関する。
近年、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの車両の普及が著しい。かかる車両では、電源用の二次電池としてリチウムイオン二次電池が多用されている。これらリチウムイオン電池のセパレータは、安価で生産性が高いことが要求される。これらの要求を満たすために、リチウムイオン電池のセパレータとしては、多孔質ポリオレフィンフィルムが多く使われている。
また、リチウムイオン二次電池を搭載した車両は、ガソリン車と比べて走行距離が十分とは言えない。そのため、リチウムイオン二次電池は、さらに高いエネルギー密度が求められている。合わせて、リチウムイオン二次電池は、安全性の観点から、内部抵抗の更なる低減が求められている。
このような背景の中、セパレータを電極と一体化して薄膜化する技術が開発されてきた。しかしながら、薄く且つ抵抗低減に有効な不織布はまだ実現されていない。
特許第3253632号明細書 特開2011−243345号公報 特開2012−33313号公報
本発明が解決しようとする課題は、高いエネルギー密度と低い内部抵抗とを示すことができる、リチウムチタン複合酸化物を用いた非水電解質電池を提供することにある。
実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、負極と、負極の表面に結合した不織布セパレータと、不織布セパレータを介して負極と対向する正極と、非水電解質とを具備する。負極は、リチウムチタン複合酸化物を含む。不織布セパレータは電気絶縁性の繊維を含む。不織布セパレータは、サイカス法により測定される負極に対する剥離強度が0.1N以上である。
図1は、実施形態に係る一例の非水電解質電池の部分切欠き概略斜視図である。 図2は、図1に示す非水電解質電池のII−II’に沿った概略断面図である。 図3は、図1に示す非水電解質電池が具備する負極の断面図である。 図4は、実施形態に係る非水電解質電池が具備することができる他の例の負極の断面図である。 図5は、実施形態に係る非水電解質電池が具備することができる他の例の負極の断面図である。 図6は、実施例の非水電解質電池が具備する負極に対する不織布セパレータの剥離強度を測定するために用いた切刃の概略断面図である。 図7は、実施例1の非水電解質電池が具備する不織布セパレータの断面SEM写真である。 図8は、実施例2の非水電解質電池が具備する不織布セパレータの断面SEM写真である。 図9は、実施例1〜15及び比較例1〜8の非水電解質電池の交流インピーダンスの値を示したグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する記載は省略する。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[実施形態]
実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、負極と、負極の表面に結合した不織布セパレータと、不織布セパレータを介して負極と対向する正極と、非水電解質とを具備する。負極は、リチウムチタン複合酸化物を含む。不織布セパレータは電気絶縁性の繊維を含む。不織布セパレータは、サイカス法により測定される負極に対する剥離強度が0.1N以上である。
実施形態に係る非水電解質電池において、リチウムチタン複合酸化物は、負極活物質として働くことができる。
リチウムチタン複合酸化物を負極活物質として用いる非水電解質電池では、充放電の際の膨張及び収縮といった体積変化が殆どない。そのため、この実施形態に係る非水電解質電池では、充放電の際に、負極から不織布セパレータへ加わる力が殆どなく、その結果、負極の体積変化に起因する構造上のひずみを抑制することができる。これにより、負極の体積変化を原因とした不織布セパレータの破壊を抑制することができ、そのおかげで、負極の表面に結合した不織布セパレータを薄くすることができる。
また、例えばリチウムチタン複合酸化物であるスピネル構造のチタン酸リチウムは、リチウムの吸蔵放出電位が1.55V(vs.Li/Li+)である。このように高い電位でリチウムの吸蔵及び放出が可能な負極活物質を用いる非水電解質電池では、充放電を繰り返しても、リチウムデンドライトの生成を抑制することができる。このため、負極の表面に結合した不織布セパレータの空孔率を高くすることができると共に、不織布セパレータの厚さ方向のLi+イオンの拡散を促進することができる。また、この実施形態に係る非水電解質電池では、不織布セパレータの空孔率を高くすることにより、不織布セパレータと負極表面との接触面積を小さくすることができる。接触面積が小さいほど、Li+イオンの移動のロスを小さくすることができる。
更に、この実施形態に係る非水電解質電池では、不織布セパレータは、サイカス法により測定される負極に対する剥離強度が、0.1N以上である。理論により束縛されることを望まないが、このように高い剥離強度が不織布セパレータと負極の表面との間に得られるのは、リチウムチタン複合酸化物の表面に存在し得る酸素原子と不織布セパレータの繊維との間の化学的な結合に起因すると考えられる。この実施形態に係る非水電解質電池は、不織布セパレータと負極とがこのように高い剥離強度を示すことができるので、不織布セパレータと負極との間の界面抵抗を低くすることができる。
この実施形態に係る非水電解質電池は、以上説明したように、不織布セパレータを薄くすることができ、不織布セパレータの空孔率を高くすることができる。そのおかげで、この実施形態に係る非水電解質電池は、不織布セパレータの占有体積を小さくでき且つ軽量化することができ、ひいては高いエネルギー密度を達成することができる。
また、この実施形態に係る非水電解質電池は、以上に説明したように、不織布セパレータを薄くすることができ、不織布セパレータの厚さ方向のLi+イオンの拡散を促進することができ、不織布セパレータと負極の表面との間の界面抵抗を低くすることができ、不織布セパレータと負極表面との接触面積を小さくすることができる。そのおかげで、この実施形態に係る非水電解質電池は、低い内部抵抗を示すことができる。
対照的に、負極に炭素材料を用いる非水電解質電池では、以下に説明する理由により、負極の表面に結合させた不織布セパレータを用いることによって高いエネルギー密度と低い内部抵抗とを達成することは非常に困難である。
まず、負極に炭素材料を用いる非水電解質電池では、充放電の際に炭素材料が膨張及び収縮し得る。このような体積変化は最大で10%ほどであるため、このような非水電解質電池では、充放電の際に、負極の体積変化によりセパレータ内に大きな応力が生じ得る。特に捲回型の電池では、負極が膨張した際に、構造上、局所的なひずみが生じ、セパレータにも局所的に大きな負荷がかかり得る。そのため、負極に炭素材料を用いる非水電解質電池では、セパレータを薄くすると、充放電の際にセパレータが破壊され、正極と負極との間での短絡が起こるおそれがある。
次に、炭素材料はリチウム吸蔵放出電位がリチウムチタン複合酸化物よりも卑であるため、負極に炭素材料を用いる非水電解質電池では、充放電を繰り返すと、不可避的に負極表面にリチウムデンドライトが析出し得る。リチウムデンドライトは、負極表面に堆積するため、セパレータの孔が厚さ方向に連通していると該セパレータを貫いて、正極と負極との間の短絡を発生させ得る。
このように、負極に炭素材料を用いる非水電解質電池では、短絡が起こる危険性及びそれに起因する安全性の観点から、薄くて高い空孔率を示すセパレータを使用することが難しい。
なお、本発明者らは、後述する実施例に示すように、炭素材料として黒鉛を用いた負極の表面に不織布セパレータを結合させた非水電解質電池では、リチウムデンドライトの析出により短絡が起こったことを確認した。
そして、炭素材料は、表面に酸素原子を含んでいないため、不織布セパレータの繊維との化学的な結合性が、リチウムチタン複合酸化物よりも小さい。そのため、負極に炭素材料を用いる非水電解質電池において不織布セパレータを用いる際、サイカス法により測定される該不織布セパレータの負極の表面に対する剥離強度を0.1N以上とするためには、物理的な結合に頼る必要がある。例えば、かくのごとく高い剥離強度を得る方策としては、不織布セパレータの繊維を炭素材料に侵入させることで得られるアンカー効果を利用することが考えられる。しかしながら、このような方策では、炭素材料に繊維が侵入するため、炭素材料内部の抵抗が上昇するおそれがある。その結果、このような非水電解質電池は、電池特性、例えば低温特性が低下し得る。
このように、負極に炭素材料を用いる非水電解質電池では、負極の表面に結合させた不織布セパレータを用いることによって高いエネルギー密度と低い内部抵抗とを達成することはできない。
さらに、負極の表面に結合していない、自立膜としての不織布セパレータは、20μm以上の厚さが必要になる。また、例えばオレフィン系などの多孔体から形成されたセパレータは、その厚さ方向のLi+イオンの拡散を促進することが難しい。そのため、自立膜としての不織布セパレータや多孔体から形成されたセパレータを用いても、実施形態に係る非水電解質電池のように高いエネルギー密度と低い内部抵抗とを達成することはできない。
つまり、リチウムチタン複合酸化物を含む負極と、この負極の表面に結合し、負極に対する剥離強度が0.1N以上である不織布セパレータとを具備することによって、高いエネルギー密度と低い内部抵抗とを示すことができる非水電解質電池を提供できることは、本発明者らが初めて見出したものであり、負極に炭素材料を用いた技術及び自立膜としての不織布セパレータを用いた技術のいずれからも予測し得ない効果である。
次に、非水電解質電池が具備する不織布セパレータ―の負極表面に対する剥離強度のサイカス法による測定手順を説明する。
まず、非水電解質電池をSOC0%程度まで放電する。
次に、非水電解質電池から負極及びセパレータを含む電極群を取り出す。例えば、ラミネート型セルの場合、内部の電極群に触れないようにハサミなどでラミネート包材を切って、電極群を取り出すことができる。缶型セルの場合には、例えば、回転のこぎりなどで、短絡しないように注意しながら、キャップと缶とを溶接している部分を切り取って、電極群を取り出すことができる。取り出した電極群に粘着テープなどが付着している場合、これらを綺麗に剥がし取る。
次に、取り出した電極群から、負極表面上にセパレータが残るように、正極を剥がす。表面上にセパレータが残った状態の負極から、ハサミなどで測定用サンプルを切り出す。
切り出したサンプルをエチルメチルカーボネート(EMC)中で10分間かけて洗浄する。サンプルをEMCから取り出し、洗浄したサンプルをドラフト内で乾燥させる。
乾燥させたサンプルを、表面界面物性分析装置にセットし、セパレータの負極に対する剥離強度を測定する。
次に、この実施形態に係る非水電解質電池を、より詳細に説明する。
この実施形態に係る非水電解質電池は、負極と、負極の表面に結合した不織布セパレータと、不織布セパレータを介して負極に対向する正極と、非水電解質とを具備する。
負極は、負極集電体及びこの負極集電体上に形成された負極材料層を備えることができる。負極材料層は、負極集電体の片面に形成されていても良いし、又は両面に形成されていても良い。負極集電体は、表面に負極材料層が形成されていない部分を含むことができ、この部分は負極集電タブとして働くことができる。
負極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅などの金属箔を使用することができる。
負極は、リチウムチタン複合酸化物を含む。リチウムチタン複合酸化物は、負極活物質として、負極材料層に含まれ得る。負極材料層は、負極活物質に加えて、負極導電助剤及び結着剤を更に含むこともできる。
負極材料層に含まれるリチウムチタン複合酸化物の例としては、チタン酸リチウムが挙げられる。チタン酸リチウムの例としては、スピネル構造を有するチタン酸リチウムLi4+xTi312(0≦x≦3)が挙げられる。負極活物質は、1種又は複数種のリチウムチタン複合酸化物を含むことができる。
負極材料層は、リチウムチタン複合酸化物以外の1種又は複数種の更なる負極活物質を含むこともできる。更なる負極活物質としては、例えば、グラファイト等の炭素材料、並びにスズ及びシリコン系合金材料が挙げられる。
負極活物質の一次粒子の平均粒子径は、0.001〜1μmの範囲内であることが好ましい。
負極材料層に含まれ得る負極導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛などを挙げることができる。
負極材料層に含まれ得る結着剤は、負極活物質と負極導電助剤とを結着させることができる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを挙げることができる。
負極材料層は、例えば、負極活物質、負極導電助剤及び結着剤を含むスラリーを上記負極集電体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
負極の表面に結合する不織布セパレータは、電気絶縁性の繊維を含む。電気絶縁性の繊維を含む不織布は、実質的に電気伝導性を有さない。ここで使用する限りにおいて、「実質的に電気伝導を有さない」とは、分子内で電子が移動しない又は分子間で電子がホッピング伝導しないことを意味する。このような不織布は、電子を通さずにリチウムイオンを通すことができるので、非水電解質電池におけるセパレータとして働くことができる。
不織布セパレータは、20μm以下の厚さを有することができる。不織布セパレータの厚さが20μm以下である実施形態に係る非水電解質電池は、より高いエネルギー密度を提供することができ且つ内部抵抗の上昇をより抑えることができる。現実的には、不織布セパレータは、例えば、1μm以上の厚さを有することができる。
不織布セパレータに含まれる繊維は、平均繊維径が1μm以下であることが好ましい。この実施形態に係る非水電解質電池のうち不織布セパレータに含まれる繊維の平均繊維径が1μm以下である非水電解質電池は、不織布セパレータの空孔率をより高くすることができ、それにより、より低い内部抵抗値を示すことができる。現実的には、不織布セパレータに含まれる繊維の平均繊維径は、10nm以上であり得る。
不織布セパレータに含まれる繊維全体のうち30体積パーセント以上の繊維が50nm以上の繊維径を有することが好ましい。このような不織布セパレータは、より優れたイオン透過性及び含電解液性を確保することができる。
不織布セパレータに含まれる繊維の長さは、特に限定されない。
不織布セパレータに含まれる繊維は、有機物によって形成されていてもよいし、無機物によって形成されていてもよい。有機繊維を用いることが好ましい。
不織布セパレータの材料として用いることのできる有機物としては、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルニトリル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアレート、ポリエーテルイミド、及び熱可塑性ポリイミドが挙げられる。不織布セパレータに含まれる繊維は、これらのうちの1種から形成されていてもよいし、又はこれらのうちの2種類以上から形成されていてもよい。不織布セパレータに含まれる繊維は、ポリアミドイミドを含んでいることが好ましい。ポリアミドイミドを含む繊維は、リチウムチタン複合酸化物の酸素原子と強く結合することができるため、負極の表面に高い強度で結合することができる。そのため、この実施形態に係る非水電解質電池のうち不織布セパレータに含まれる繊維がポリアミドイミドを含む非水電解質電池は、不織布セパレータと負極とがより高い剥離強度を示すことができ、不織布セパレータと負極との間の界面抵抗をより低くすることができる。
負極に対する不織布セパレータの剥離強度は、サイカス法により測定した場合に0.1N以上であれば、高いほど好ましい。現実的には、負極に対する不織布セパレータの剥離強度は、10N以下であり得る。
不織布セパレータは、空孔を有することができる。空孔の平均孔径は5〜10μmの範囲内にあることが好ましい。また、不織布セパレータは、10〜90%の範囲内にある空孔率を示すことができる。この範囲内にある空孔率を示すことができる不織布セパレータは、リチウムイオンのより優れた透過性及び非水電解質のより優れた含浸性を示すことができる。
この不織布セパレータは、例えば、エレクトロスピニング法により形成することができる。エレクトロスピニング法における印加電圧、フィードレート及びステージ−基材間距離が、不織布セパレータの剥離強度に主に影響を及ぼし得る。負極に対する剥離強度が0.1N以上である不織布セパレータは、例えば、エレクトロスピニング法において、電圧とステージ−基材間距離とを調節することによって電場を調整し且つフィードレートによって原料溶液の塗出量を調整することによって得ることができる。
また、エレクトロスピニング法によると、原理的には一本の繊維を含む不織布セパレータを形成することができる。より少ない本数の繊維から構成される不織布セパレータは、より高い静的強度を示すことができる。そのため、エレクトロスピニング法によると、より高い強度とより小さな厚さとを示すことができる不織布セパレータを形成することができる。
また、エレクトロスピニング法によると、繊維をより疎の状態にして不織布を形成すれば、より高い空孔率を達成することができる。対照的に、粒子を用いて高い空孔率、例えば90%程度の空孔率を有するセパレータを形成することは、極めて困難である。
また、エレクトロスピニング法によると、ナノメートルオーダーの繊維径を有する繊維を含む不織布セパレータを得ることができる。より細い繊維を含む不織布セパレータは、その厚さ方向のLi+イオンの拡散をより促進することができる。
次に、不織布セパレータを構成する繊維の繊維径の測定方法の例について説明する。
不織布セパレータを構成する繊維の繊維径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型プローブ顕微鏡(SPM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)などによって測定することができる。
SEMによる不織布セパレータを構成する繊維の繊維径の測定は、例えば、以下の手順によって行うことができる。
まず、先に説明したように剥離強度を測定するために作成したサンプルを、SEMに装入できる大きさに切り出す。
切り出したサンプルをSEMに装入し、SEM写真をランダムに3点取る。得られたSEM写真から、ランダムに30点選択して、繊維径を測る。測定した30点の繊維径の平均を、不織布セパレータの繊維径とすることができる。
また、不織布セパレータの空孔率は、例えば、水銀圧入法によって測定することができる。
実施形態に係る非水電解質電池が具備する正極は、正極集電体及びこの正極集電体の両面又は片面に形成された正極材料層を備えることができる。正極集電体は、表面に正極材料層が形成されていない部分を含むことができ、この部分は正極集電タブとして働くことができる。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅などの金属箔を使用することができる。
正極材料層は、負極に含まれるチタン酸リチウムとの組み合わせにより充放電が可能な正極活物質を含むことができる。また、正極材料層は、正極活物質に加えて、正極導電助剤及び結着剤を更に含むこともできる。
正極材料層に含まれ得る正極活物質としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物の例としては、例えば、LiCoO2、LiNi1-xCox2(0<x<0.5)、LiMnxNiyCoz2(0<x<0.5、0<y<0.5、0<z<0.5)、LiMn2-xx4(MはLi、Mg、Co、Al及び/又はNiであり、0<x<0.2)、LiMPO4(MはFe、Co及び/又はNiである)などを挙げることができる。
正極材料層に含まれ得る正極導電助剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛などを挙げることができる。
正極材料層に含まれ得る結着剤は、負極活物質と負極導電助剤とを結着させることができる。結着剤としては、例えば、ポリステラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを挙げることができる。
正極材料層は、例えば、正極活物質、正極導電助剤及び結着剤を含むスラリーを上記正極集電体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
さて、実施形態に係る非水電解質電池は、1つ又は複数の負極、1つ又は複数の不織布セパレータ及び1つ又は複数の正極を具備することができる。実施形態に係る非水電解質電池では、1つ以上の負極、1つ以上の不織布セパレータ及び1つ以上の正極が電極群を形成することができる。
電極群の構造は、特に限定されない。例えば、電極群はスタック構造を有することができる。スタック構造は、正極及び負極を間にセパレータを挟んで積層した構造を有する。或いは、電極群は捲回構造を有することができる。捲回構造は、正極及び負極を間にセパレータを挟んで積層し、かくして得られた積層体を渦巻状に捲回した構造である。
非水電解質は、例えば、負極、不織布セパレータ及び正極で構成された電極群に含浸され得る。
非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒中に溶解された電解質塩とを含むことができる。或いは、非水電解質は、非水溶媒中に溶解されたポリマーを含んでもよい.
非水溶媒は、特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネイト(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等が挙げられる。これらの溶媒は一種類で使用してもよいし2種類以上を混合して用いてもよい.
電解質塩としては、LiPF6、LiBF4、Li(CF3SO22N(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCF3SO3(通称LiTFS)、Li(C25SO22N(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、ビスオキサラトホウ酸リチウム(LiB(C242(通称LiBOB))、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム(LiBF2(OCOOC(CF32)(通称LiBF2(HHIB)))などのリチウム塩が挙げられる。これらの電解質塩は1種類で使用してもよいし、又は2種類以上を混合して用いてもよい。特に、LiPF6又はLiBF4を用いることが好ましい.
電解質塩濃度は, 1M以上3M以下の範囲内とすることが好ましい。これにより、高負荷電流を流した場合の性能を向上することができる。
また、非水電解質は、添加剤を更に含むことができる。添加剤としては、特に限定されるものではないが、ビニレンカーボネイト(VC)、ビニレンアセテート(VA)、ビニレンブチレート、ビニレンヘキサネート、ビニレンクロトネート、カテコールカーボネート、プロパンスルトンなどが挙げられる。添加剤の濃度は、非水電解質100重量%に対して0.1重量%以上3重量%以下の範囲内にあることが好ましい。更に好ましい範囲は、0.5重量%以上1重量%以下である。
実施形態に係る非水電解質電池は、上記電極群及び非水電解液を収容するための外装部材を更に具備することができる。
外装部材としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどから形成された金属缶を使用することができる。容器の板厚は0.5mm以下が好ましく、さらに好ましい範囲は0.2mm以下である。
或いは、外装部材としては、金属缶の代わりに、ラミネートフィルムから形成された外装容器を使用することも可能である。ラミネートフィルムには、金属箔とこれを被覆する樹脂フィルムとで構成された多層フィルムを使用することが好ましい。樹脂としてポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子を用いることができる。ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下にすることが望ましい。
なお、外装部材の形状は、角型、円筒型、薄型、コイン型など、用途に応じて様々なものを採用することができる。
また、実施形態に係る非水電解質電池は、上記電極群に電気的に接続されたリードを更に具備することができる。例えば、実施形態に係る非水電解質電池は、2つのリードを具備することもできる。一方のリードは、正極集電タブに電気的に接続することができる。他方のリードは、負極集電タブに電気的に接続することができる。
リードの材料は、特に限定されないが、例えば、正極集電体及び負極集電体と同じ材料を用いることができる。
実施形態に係る非水電解質電池は、上記リードに電気的に接続され、上記外装部材から引き出された端子を更に具備することもできる。例えば、実施形態に係る非水電解質電池は、2つの端子を具備することができる。一方の端子は、正極集電タブに電気的に接続されたリードに接続することができる。他方の端子は、負極集電タブに電気的に接続されたリードに接続することができる。
端子の材料は、特に限定されないが、例えば、正極集電体及び負極集電体と同じ材料を用いることができる。
次に、図面を参照しながら、実施形態に係る非水電解質電池を更に詳細に説明する。
まず、図1〜図3を参照しながら、実施形態に係る非水電解質電池の一例を詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る一例の非水電解質電池の部分切欠き概略斜視図である図2は、図1に示す非水電解質電池のII−II’に沿った概略断面図である。図3は、図1に示す非水電解質電池が具備する負極の断面図である。
図1〜図3に示す電池100は、図1及び図2に示す電極群1、図1に示す外装部材2、図1に示す負極端子3、図1に示す正極端子4、及び図示していない非水電解質を具備している。
電極群1は、図2に示すように、複数の負極11、複数の正極12及び複数の不織布セパレータ13を備える。負極11及び正極12は、間に不織布セパレータ13を挟んで、交互に積層されており、それにより、電極群1は積層型の構造を有している。
図2に示すように、負極11は、負極集電体11aと、負極集電体11a上に形成された負極材料層11bとを含む。負極集電体11aは、表面に負極材料層11bが形成されていない部分11cを含み、この部分11cは負極集電タブとして働く。同様に、図2に示すように、正極12は、正極集電体12aと、正極集電体12a上に形成された正極材料層12bとを含む。正極集電体12aは、表面に正極材料層12bが形成されていない部分12cを含み、この部分12cは正極集電タブとして働く。図2に示すように、電極群1において、負極材料層11bと正極材料層12bとは、間に不織布セパレータ13を介在させて対向している。
不織布セパレータ13は、繊維を含む。そして、不織布セパレータ13は、図3に示したように、自立した膜ではなく、負極11の表面に支持及び固定されている。すなわち、不織布セパレータ13は、負極11に一体化されている。そのため、負極11は、繊維層被覆電極と呼ぶこともできる。
図示していないが、電極群1の複数の負極集電タブ11cは、1つに束ねられて、図示しない負極リードに電気的に接続されている。同様に、電極群1の複数の正極集電タブ12cは、1つに束ねられて、図示しない正極リードに電気的に接続されている。
図1に示すように、電極群1は、外装部材2内に収納されている。外装部材2は、ラミネートフィルムにより形成されている。外装部材2は、図示していない非水電解質を収容している。かくして、非水電解質は、電極群1に含浸されている。また、図示はしていないが、電極群1に接続された負極リード及び正極リードも、外装部材2の内部に収容されている。
外装部材2の一端面からは、負極端子3及び正極端子4が外部に延伸している。負極端子3は、外装部材2の内部で、負極リードに電気的に接続されている。同様に、正極端子4は、外装部材2の内部で、正極リードに電気的に接続されている。
実施形態に係る非水電解質電池における負極と不織布セパレータとの結合形態は、図2に示す形態に限定されない。例えば、図4に示すように、不織布セパレータ13は、負極11のエッジのうち、負極集電タブ11cが突出しているエッジ11dを被覆することもできる。また、図5に示すように、不織布セパレータ13は、負極集電タブ11cを除いた表面全てを被覆することもできる。また、図2に示すように、負極11の表面のうち、正極材料層12bに対向していない負極材料層11bの表面には、不織布セパレータ13が結合していなくても良い。
また、図2では、最上段の負極11が、負極集電体11aの両面に形成された負極材料層11bを含んでいるが、正極材料層12bに対向していない負極材料層11bは省略することができる。
以上説明した実施形態によると、非水電解質電池を提供することができる。この非水電解質電池は、リチウムチタン複合酸化物を含む負極と、この負極の表面に結合された不織布セパレータとを具備する。このような非水電解質電池は、不織布セパレータをより薄くすることができ、高い空孔率を有すものにすることができ、不織布のセパレータの厚さ方向のLi+イオンの拡散を促進することができる。そのおかげで、実施形態に係る非水電解質電池は、リチウムチタン複合酸化物を用いて、高いエネルギー密度と低い内部抵抗とを示すことができる。
[実施例]
以下に例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、発明の主旨を超えない限り本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
実施例1では、以下の手順により図1〜図3に示す非水電解質電池100と同様の非水電解質電池100を作製した。
<負極11の作製>
アルミニウム箔である負極集電体11aの両面に、負極作製用スラリーを塗布した。この際、負極集電体11aに、表面にスラリーが塗布されていない部分11cを残した。負極作製用スラリーは、負極活物質としてのチタン酸リチウムLi4Ti512を用いて調製した。
塗布したスラリーを乾燥させて、プレスし、負極材料層11bとした。次に、負極集電体11aの負極材料層11bが表面に形成されていない部分11cを帯状に打ち抜き、負極集電タブ11cを形成した。
かくして、100mm×2mである主面を有する負極材料層11bを備えた負極11を得た。
<不織布セパレータ13の作製>
このようにして得られた負極11上に、以下の手順に従うエレクトロスピニング法により、不織布セパレータ13を形成した。
まず、ポリアミドイミドを溶媒であるジメチルアセトアミド(DMAc)中に50wt%の濃度で溶解させて、繊維層を形成するための原料溶液を調製した。
次に、得られた原料溶液を、定量定量ポンプを使用して10μL/minの供給速度で紡糸ノズルから負極表面に供給した。この際、紡糸ノズルに高電圧発生器を用いて30kVの電圧を印加し続け、紡糸条件を下記表1に示すように調整した。
上記条件下で、1本の紡糸ノズルを用いたエレクトロスピニング法による膜形成を3時間行った。このようにして得られた負極表面に不織布セパレータが結合した負極一体型構造体を、常温で一晩真空乾燥した。かくして、図3に示すように負極11の表面にポリアミドイミド繊維(PAI繊維)を含む不織布セパレータ13が結合した、負極11と不織布セパレータ13とを含む構造体が得られた。
得られた構造体を断面SEMで観察したところ、不織布セパレータ13の厚さは、14.4μmであることが分かった。
<正極12の作製>
アルミニウム箔である正極集電体12aの両面に、正極作製用スラリーを塗布した。この際、正極集電体12aに、表面にスラリーが塗布されていない部分12cを残した。正極作製用スラリーは、正極活物質としてのマンガン酸リチウムLiMn24を用いて調製した。
塗布したスラリーを乾燥させて、プレスし、正極材料層12bとした。次に、正極集電体12aの正極材料層12bが表面に形成されていない部分12cを帯状に打ち抜き、正極集電タブ12cを形成した。
<非水電解質電池の作製>
上記のようにして作製した負極11と不織布セパレータ13とを含む構造体及び正極12を用いて、図1〜図3に示す非水電解質電池100と同様の実施例1の非水電解質電池100を作製した。ここで、非水電解質としては、プロピレンカーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:2で混合して非水溶媒を調製し、この非水溶媒に電解質としてPF6を1.5mol/Lとなるように溶解させて調製したものを用いた。
<評価>
(短絡試験)
実施例1の非水電解質電池100に対して、1000回充放電を繰り返した。その結果、実施例1の非水電解質電池100は、1000回充放電を繰り返しても、負極11と正極12との間の短絡が起こらないことが分かった。
(抵抗率測定)
実施例1の非水電解質電池100に対して、抵抗率測定を行った。
実施例1の非水電解質電池100のACインピーダンスは、25℃の交流インピーダンスでの1kHzで、28.422mΩであった。
(負極11の表面に対する不織布セパレータ13の剥離強度の測定)
実施例1の非水電解質電池100における負極11の表面に対する不織布セパレータ13の剥離強度を、先に説明した方法により、荷重フリーの切削モードで測定した。測定条件を以下の表2に示す。
上記表2に記載した「スクイ角度」は図6に示す角度αを指しており、「ニゲ角度」は図6に示す角度βを指している。
実施例1の非水電解質電池100の不織布セパレータ13の剥離強度は、0.1222Nであった。
(不織布セパレータ13のSEM観察)
実施例1の非水電解質電池100が具備する不織布セパレータ13に対し、先に説明した方法によって、SEM観察を行った。得られたSEM像の1つを、図7に示す。
図7に示すように、不織布セパレータ13は、複雑に絡み合ったポリアミドイミドの繊維13aから構成されていた。また、図7に示すように、不織布セパレータ13は、繊維13aが密に詰まっているのではなく、繊維13a間に多くの空孔を有しており、いわゆるスカスカの状態であった。
得られたSEM像から先に説明した方法に従って、実施例1の非水電解質電池100が具備する不織布セパレータ13を構成する繊維の平均繊維径を測定した。実施例1の非水電解質電池100が具備する不織布セパレータ13の平均繊維径は400nmであった。
(不織布セパレータ13の空孔率の測定)
実施例1の非水電解質電池100が具備する不織布セパレータ13の空孔率を、水銀圧入法によって測定した。実施例1の非水電解質電池100が具備する不織布セパレータ13の空孔率は90%であった。
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様の方法で非水電解質電池100を作製した。
実施例1と同様に断面SEMで観察したところ、不織布セパレータ13の厚さは、14.4μmであることが分かった。
実施例1と同様に短絡試験を行ったところ、実施例2の非水電解質電池100は1000回充放電を繰り返しても短絡を起こさないことが分かった。
実施例1と同様に抵抗値を測定したところ、実施例2の非水電解質電池100のACインピーダンスは、28.000mΩであった。
実施例1と同様に剥離強度を測定したところ、実施例2の非水電解質電池100の不織布セパレータ13の剥離強度は、0.1417Nであった。
実施例2の非水電解質電池100が具備する不織布セパレータ13に対し、実施例1と同様の方法によって、SEM観察を行った。得られたSEM像の1つを、図8に示す。図8に示すように、不織布セパレータ13は、複雑に絡み合ったポリアミドイミドの繊維13aから構成されていた。また、図8に示すように、不織布セパレータ13は、繊維13aが密に詰まっているのではなく、繊維13a間に多くの空孔を有しており、いわゆるスカスカの状態であった。
実施例1と同様に空孔率を測定したところ、実施例2の非水電解質電池100の不織布セパレータ13の空孔率は90%であった。
(実施例3〜15)
実施例3〜15では、エレクトロスピニング法による不織布セパレータ13の形成条件を変えた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、非水電解質電池100をそれぞれ作製した。
実施例1と同様に短絡試験を行ったところ、実施例3〜実施例15の非水電解質電池100は1000回充放電を繰り返しても短絡を起こさないことが分かった。
各実施例の非水電解質電池100について、実施例1と同様にして、不織布セパレータ13の剥離強度、セパレータ13の厚み及びACインピーダンス(抵抗値)を測定した。測定結果を以下の表3にまとめる。
(比較例1〜8)
比較例1〜8では、不織布セパレータ13の代わりに、厚さが20μmである自立型の市販のセルロースセパレータを用いたことを除いて、実施例1と同様にして非水電解質電池を作製した。用いたセルロースセパレータのメーカー公称値としての空孔率は、69%であった。
実施例1と同様に短絡試験を行ったところ、比較例1〜8の非水電解質電池は1000回充放電を繰り返しても短絡を起こさないことが分かった。
比較例1〜8の非水電解質電池について、実施例1と同様にして、ACインピーダンス(抵抗値)を測定した。測定結果を以下の表3にまとめる。
比較例1〜8の非水電解質電池について、実施例1と同様にして、セパレータの剥離強度を測定したが、刃を動かした瞬間にセパレータが剥離し、強度を測定することができなかった。そのため、以下の表3では、比較例1〜8のセパレータの剥離強度の欄に「0」を記載している。
(比較例9及び10)
比較例9及び10では、不織布セパレータ13の代わりに、Al23粒子で形成したセパレータを用いたことを除いて、実施例1と同様にして非水電解質電池を作製した。Al23粒子で形成したセパレータは、グラビア法によって負極の表面に形成した。
実施例1と同様に短絡試験を行ったところ、比較例9及び比較例10の非水電解質電池は1000回充放電を繰り返しても短絡を起こさないことが分かった。
実施例1と同様にセパレータの厚さを測定したところ、比較例9及び10の非水電解質電池のセパレータは厚さが10.4μmであった。
また、実施例1と同様にセパレータの剥離強度を測定したところ、比較例9におけるセパレータの剥離強度は0.1322Nであり、比較例10におけるセパレータの剥離強度は0.1730Nであった。
比較例9及び10の非水電解質電池について、実施例1と同様にして、セパレータの厚み及びACインピーダンス(抵抗値)を測定した。測定結果を以下の表3にまとめる。
(比較例11)
チタン酸リチウムの代わりに黒鉛を用いたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解質電池を作製した。
実施例1と同様に短絡試験を行った。その結果、比較例11の非水電解質電池は1000回充放電を繰り返した際に短絡が起きた。そのため、以下に示す表3では、比較例11の抵抗値の欄に「−」を記載している。
また、実施例1と同様にセパレータの剥離強度を測定したところ、比較例11におけるセパレータの剥離強度は0.0721Nであった。
<結果>
図9は、実施例1〜15及び比較例1〜8で作製した非水電解質電池の交流インピーダンスの値を示したグラフである。
先に示した結果及び図9から、実施例1〜15の非水電解質電池100は、自立膜であるセルロースセパレータを用いた比較例1〜8の非水電解質電池よりも、並びに無機粒子を含むセパレータを用いた比較例9及び10の非水電解質電池よりも、低い抵抗値を示すことができたことが分かる。特に、図9を参照すると、実施例1〜15の非水電解質電池100の抵抗値が、比較例1〜8の非水電解質電池の抵抗値よりも明らかに低いことが視覚的に確認できる。
また、実施例1〜15の非水電解質電池100は、不織布セパレータ13の厚さが17.0μm以下であるにも拘わらず、短絡試験において短絡が発生しなかったことが分かる。
一方、比較例11の非水電解質電池は、短絡試験の結果、短絡が生じた。これは、負極活物質として黒鉛を用いたため、充放電の際にリチウムデンドライトが発生し、このリチウムデンドライトが不織布セパレータを貫いてしまったことが原因であると推測される。
即ち、以上に説明した少なくとも1つの実施形態及び実施例に係る電池は、リチウムチタン複合酸化物を含む負極と、この負極の表面に結合された不織布セパレータとを具備する。このような非水電解質電池は、不織布セパレータをより薄くすることができ、高い空孔率を有すものにすることができ、不織布のセパレータの厚さ方向のLi+の拡散を促進することができる。そのおかげで、実施形態に係る非水電解質電池は、リチウムチタン複合酸化物を用いて、高いエネルギー密度と低い内部抵抗とを示すことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…非水電解質電池、1…電極群、2…外装部材、11…負極、11a…負極集電体、11b…負極材料層、11c…負極集電タブ、11d…負極のエッジ、12…正極、12a…正極集電体、12b…正極材料層、12c…正極集電タブ、13…不織布セパレータ、13a…繊維、3…負極端子、4…正極端子。

Claims (6)

  1. リチウムチタン複合酸化物を含む負極と、
    電気絶縁性の繊維を含む不織布セパレータであって、前記負極の表面に結合し、サイカス法により測定される前記負極に対する剥離強度が0.1N以上である不織布セパレータと、
    前記不織布セパレータを介して前記負極に対向する正極と
    非水電解質と
    を具備することを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記不織布セパレータは厚さが20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 前記繊維の平均繊維径が1μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質電池。
  4. 前記繊維が有機物によって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質電池。
  5. 前記有機物が、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルニトリル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアレート、及びポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミドからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項4に記載の非水電解質電池。
  6. 前記有機物がポリアミドイミドを含むことを特徴とする請求項4に記載の非水電解質電池。
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