JP2019021656A - 電力用半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

電力用半導体装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019021656A
JP2019021656A JP2017135501A JP2017135501A JP2019021656A JP 2019021656 A JP2019021656 A JP 2019021656A JP 2017135501 A JP2017135501 A JP 2017135501A JP 2017135501 A JP2017135501 A JP 2017135501A JP 2019021656 A JP2019021656 A JP 2019021656A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
oxide film
semiconductor device
power semiconductor
metal oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017135501A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6884054B2 (ja
Inventor
広志 光山
Hiroshi Mitsuyama
広志 光山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2017135501A priority Critical patent/JP6884054B2/ja
Publication of JP2019021656A publication Critical patent/JP2019021656A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6884054B2 publication Critical patent/JP6884054B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】電力用半導体装置の電気特性の制御を、より簡便に行うことができる電力用半導体装置を提供する。【解決手段】第1および第2の主面を有する半導体基板と、第2の主面側に設けた裏面電極とを備え、裏面電極から電流を取り出す電力用半導体装置であって、裏面電極は、半導体基板の第2の主面上に配設された導電膜と、導電膜上に配設された金属酸化膜と、金属酸化膜上に配設された金属膜と、を有し、金属酸化膜は、局所的に厚さが増した厚膜部を含んでいる。【選択図】図1

Description

本発明は本発明電力用半導体装置に関し、特に、半導体基板の2つの主面にそれぞれ主電極を有する電力用半導体装置に関する。
電力用半導体装置の需要は世界的に増加しており、旺盛な客先需要に対応するため一つの製品を複数の拠点で並行して生産する事例も増えている。この場合、重要となるのが生産拠点によって、電力用半導体装置の電気特性がばらつきを持たないように製造することである。複数の生産拠点であっても、全く同一の製造装置を用いて製造する場合は電気特性の再現率は高くなるが、製造装置の仕様および型式が異なった場合は、各種のパラメータの調整が必要となる。
また、製造を継続する過程で、製造装置の変更、部材の材質変更および製造方法の変更により、従来の条件のままでの製造の継続が困難になった場合にも、電力用半導体装置の電気特性がばらつくので、各種のパラメータの調整が必要となる。
また、顧客の希望によって、電気特性を所望の範囲に合わせるためのパラメータの調整が必要となる場合もある。
電力用半導体装置の電気特性を制御する方法としては、例えば特許文献1に開示されるように、半導体基板の厚みを調整する、不純物拡散層の深さを調整する、ゲート用トレンチの間隔を調整する、ゲート用トレンチに埋め込む材質を変更する等の方法が挙げられる。
特許第5025071号公報
例えば、不純物拡散層の深さを調整するには、製造プロセスの前半部分で行う必要があり、また、多くの特性値に影響を与えるため調整に際しては慎重な評価が必要となり、決定までに時間を要するという問題がある。これは、半導体基板の厚みを調整する方法、ゲート用トレンチの間隔を調整する方法およびゲート用トレンチに埋め込む材質を変更する方法においても同様である。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、電力用半導体装置の電気特性の制御を、より簡便に行うことができる電力用半導体装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電力用半導体装置は、第1および第2の主面を有する半導体基板と、前記第2の主面側に設けた裏面電極と、を備え、前記裏面電極から電流を取り出す電力用半導体装置であって、前記裏面電極は、前記半導体基板の前記第2の主面上に配設された導電膜と、前記導電膜上に配設された金属酸化膜と、前記金属酸化膜上に配設された金属膜と、を有し、前記金属酸化膜は、局所的に厚さが増した厚膜部を含んでいる。
本発明に係る電力用半導体装置によれば、電力用半導体装置の電気特性の制御を、より簡便に行うことができる。
本発明に係る電力用半導体装置の裏面側の構成を示す断面図である。 本発明に係る電力用半導体装置の製造方法を示す断面図である。 本発明に係る電力用半導体装置の製造方法を示す断面図である。 本発明に係る電力用半導体装置の製造方法を示す断面図である。 AlSi膜上に形成された自然酸化膜の断面形状を示す図である。 レーザーアニール装置の構成を示すブロック図である。 レーザー光の走査方法を模式的に示した図である。 厚膜部の配置パターンを示す平面図である。 厚膜部の配置パターンを示す平面図である。 厚膜部の配置パターンを示す平面図である。 厚膜部の配置パターンを示す平面図である。 Al酸化膜の厚さ調整を説明する断面図である。 Al酸化膜の厚さ調整を説明する断面図である。 Al酸化膜の厚さ調整を説明する断面図である。 電力用半導体装置の裏面電極の形成方法を示す断面図である。 電力用半導体装置の裏面電極の形成方法を示す断面図である。
<前提技術>
発明の実施の形態の説明に先立って、電力用半導体装置の裏面側の主電極の形成方法について説明する。
電力用半導体装置としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を例に採ると、一般的にIGBTでは、半導体基板の一方の主面(第1の主面)側にエミッタ電極およびゲート電極を設け、裏面となる他方の主面(第2の主面)側にコレクタ電極を設け、コレクタ電極から電流を取り出す。
コレクタ電極としては、アルミニウム(AlあるいはAlSi)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)および金(Au)の積層金属膜が良く用いられる。以下、図15および図16を用いて、コレクタ電極の形成方法について説明する。
図15および図16は、IGBTの裏面側に設けるコレクタ電極の形成方法を説明する断面図である。図15に示すように半導体基板10のバルク部分であるSi半導体層1上には、コレクタ電極の一部を構成するAl膜2が設けられている。そして、Al膜2上にはAl酸化膜30が形成されている。
Al膜2の表面にはAlの自然酸化膜(AlxOy)であるアルミ(Al)酸化膜30が形成される。通常であれば50Å(5nm)程度の厚さのAl酸化膜30が一様に形成され、酸化皮膜となる。なお、以下では、Al酸化膜を金属酸化膜と呼称する場合もある。
その後、図16に示すようにAl膜2上に、Ti膜51、Ni膜52およびAu膜53をこの順に形成して、Ti/Ni/Auの積層金属膜5(金属膜)を形成する。Ti膜51は、Al膜2とオーミック接合させるための膜であり、Ni膜52はハンダ接合のための膜であり、Au膜53は、ハンダ付けが実施されるまで、Ni膜52の酸化を防止するための膜である。なお、Ti膜51は、Al酸化膜30を被覆して、外気との接触を避け安定性を高める機能も有している。
Al膜2上のAl酸化膜30の一部はTiと反応してTiOxとなるが、大部分のAl酸化膜30はAlxOyとして存在している。このAl膜2上に形成されたAl酸化膜30は、その物性として比抵抗が1014〜1015Ωcm、絶縁耐圧が15kV/mm程度の絶縁体である。ただし、前提技術で述べたように、IGBTのコレクタ電極を構成するAl膜上に形成されるAl酸化膜30は、通常は厚さが50Å(5nm)程度であることから、実質的に抵抗体として機能するが、IGBTの動作時には上記絶縁耐圧以上の電圧が印加されるので、所望の電流を流す際の支障とはならない。
本発明は、抵抗体として機能するAl酸化膜に着目し、この抵抗値を制御することで、電力用半導体装置の電気特性を制御するという技術思想に立脚した発明である。
<実施の形態>
<装置構成>
以下、本発明に係る電力用半導体装置の実施の形態について説明する。図1は本発明をIGBTに適用した場合の半導体基板10の裏面側の構成を示す断面図である。なお、半導体基板10の表面側にはIGBTのエミッタ電極、ゲート電極および不純物領域等が設けられているが、本発明とは関係が薄いので図示および説明は省略する。
図1に示すように半導体基板10のバルク部分であるSi半導体層1上には、コレクタ電極6の一部を構成する導電膜としてAl膜2が設けられている。なお、IGBTでは、Al膜2のSi半導体層1内には、Si半導体層1とは異なる導電型の不純物によりコレクタ層となる不純物拡散層が設けられるが、この図では省略している。
そして、Al膜2上には、金属酸化膜であるアルミ(Al)酸化膜3が形成されており、Al酸化膜3は、局所的に厚さが増した厚膜部4を複数含んでいる。この厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率(0〜1の範囲)を調整することで、抵抗体としてのAl酸化膜3の抵抗値を制御することができる。
なお、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率が0の場合とは、厚膜部4を有さない場合であり、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率が1の場合とは、Al酸化膜3の全体が厚膜部4の厚さとなっている場合である。
ここで、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率は、厚膜部4を形成した領域と、厚膜部4よりも薄い領域との面積比およびAl酸化膜3の全体の面積に対する厚膜部4の面積比で定義されるだけでなく、Al酸化膜3が形成されている領域とされていない領域との面積比で定義することができる。また、面積比だけでなく、体積比で定義しても良い。
なお、Al酸化膜3の厚さは例えば50Å(5nm)程度であり、厚膜部4の厚さは50〜200Å(5〜20nm)程度である。
そして、厚膜部4を有するAl酸化膜3上には、Ti膜51、Ni膜52およびAu膜53がこの順に積層されて、Ti/Ni/Auの積層金属膜5を構成している。なお、積層金属膜5は図1においては何れも同じ厚さとして示しているが、これに限定されるものではなく、また、材質もTi、Ni、Auに限定されるものではない。
また、厚膜部4はレーザーアニールによりAl酸化膜3を局所的に厚くすることで形成され、その際、酸化種がAl酸化膜3中を透過し、Al酸化膜3とAl膜2との境界面にたどり着き、そこで新たな酸化反応が起こることにより酸化が進行するので、厚膜部4は、Al膜2側および積層金属膜5に向けて膜厚が厚くなっている。
次に、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率を調整することで電力用半導体装置の電気特性を制御することができる理由を説明する。なお、以下では、便宜的に、Siのエピタキシャル層を有するエピタキシャル基板に形成される、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を例に採って説明する。
MOSFETのオン抵抗Ronは以下の数式(1)次式のように示される。
Ron=Rms+Rcs+Rch+Racc+Rdrift+Rsub+Rcd+Rmd ・・・(1)
なお、この数式(1)はIGBTにおいても適用可能である。
上記数式(1)においてRmsはソース電極の抵抗、Rcsはソースコンタクト抵抗、Rchはチャネル抵抗、Raccは蓄積層の抵抗、RdriftはSiのエピタキシャル層の抵抗、RsubはSi基板の抵抗、Rcdはドレインコンタクト抵抗、Rmdはドレイン電極の抵抗である。Rmdはエピタキシャル基板の裏面(エピタキシャル層が設けられた側とは反対側の主面)に設けられたAl膜、その表面に形成されたAl酸化膜およびTi/Ni/Auの積層金属膜の合成抵抗である。このAl酸化膜は、図1で示される厚膜部4を有するAl酸化膜3に相当し、Al酸化膜3および厚膜部4の膜厚、および厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率を調整することで、結果としてMOSFETのオン抵抗Ronの調整が可能となる。
なお、通常のMOSFETおよびIGBTにおけるオン抵抗Ronは、殆どがRdriftとRchで決定されるが、本発明においてはRmdに含まれるAl酸化膜3の抵抗値を調整することで、Ronに対するRmdが5〜30%程度となるように制御して、オン抵抗を調整可能とする。
<製造方法>
次に、製造工程を順に示す断面図である図2〜図4を用いてコレクタ電極6の製造方法について説明する。なお、図2〜図4は、IGBTのエミッタ電極、ゲート電極および不純物領域等を半導体基板の表面側に形成した後の工程を示しており、表面側が下側となるように配置した状態を示している。
図2に示す工程において、Si半導体層1上にスパッタリングによりAl膜2を形成する。なお、Al膜の代わりにAlSi膜を形成しても良い。AlSiは、アルミニウム中に重量比で数%のシリコンが添加された組成を有している。その後、半導体基板をスパッタリング装置から取り出して大気に曝す。
裏面電極の材料としては、銀(Ag)およびモリブデン(Mo)なども挙げられるが、Alはコスト的にも安価であり、また、成膜も容易と言う利点がある。
この過程で、Al膜上には図3に示すように自然酸化膜が一様に形成されて、Al酸化膜30となる。
その後、図4に示す工程において、Al酸化膜30の厚みを局所的に厚くして厚膜部4を形成することで、厚膜部4を有するAl酸化膜3を得る。
図5はAlSi膜上に一様に形成された自然酸化膜の断面形状を示すTEM(Transmission Electron Microscope)写真である。図5においては酸化膜の厚みは54Åと示されており、自然酸化膜の厚みは50Å程度であることが判る。
なお、図5に示すように、TEMを用いた物理解析により、Al酸化膜3の厚膜部4の厚さ、断面形状などを比較的容易に観察することができる。
また、上述した工程は、IGBT製造プロセスの後半部分で行われることになり、Al酸化膜3の抵抗成分の増減によって半導体基板の表面側に形成された構成に与える影響もほぼ無視できることから、調整に際しての評価も比較的簡単にでき、電力用半導体装置の電気的特性の制御を、より簡便に行うことができる。
Al酸化膜30の厚みを局所的に厚くする方法としては、大気中または酸素雰囲気中でのレーザーアニールを用いて、ウエハ面内でのAl酸化膜30の局所的な加熱を実施して、選択的に酸化を促進する方法が挙げられる。また、低温で絶縁膜が形成できる陽極酸化法を用いてAl酸化膜30の厚みを全体的に増加させた後に、写真製版処理によるエッチングマスクのパターニングおよび当該エッチングマスクを用いたAl酸化膜30のエッチング処理を行うことで、局所的にAl酸化膜30の厚膜領域を形成する方法が挙げられる。何れの方法においても、厚膜部4の配置パターンを調整することで、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率を制御可能である。
<レーザーアニールについて>
ここで、レーザーアニールを用いてAl酸化膜30の厚みを局所的に厚くする方法についてさらに説明する。
図6は、レーザーアニール装置の構成を示すブロック図である。図6に示すようにレーザーアニール装置は、レーザー光発振器60、レーザー光学系61、鏡62およびステージ63を備え、ステージ63上に半導体ウエハWHが載置される。なお、半導体ウエハWHは、ウエハ状態にある半導体基板10を指す。
図6に示したように、レーザー光発振器60から出たレーザー光50は、レーザー光学系61により所定の大きさのビームに整形される。レーザー光学系61により整形されたレーザー光50は、鏡62により反射されて、ステージ63上に載置された半導体ウエハWHに垂直に照射される。半導体ウエハWHは、半導体基板10の裏面が鏡62側を向くようにステージ63上に載置される。
レーザー光発振器60は、パルス的にレーザー光を発振するので、可変できるパラメータはレーザーパワー、スポット径、レーザー照射の周期(周波数)およびスポットの重ね合わせ量となる。レーザーパワーを調整することで加熱温度を調整できる。なお、上述したレーザーアニール装置の構成は一例であり、これに限定されるものではない。
図7はレーザー光50の走査方法を模式的に示した図である。図7に示すように、ステージ63はオリエンテーションフラットOFに対して直交するX方向と、オリエンテーションフラットOFに対して平行なY方向に移動可能である。
図7においては、レーザー光50の照射領域の軌跡をライン101、102、103、104、105および106として表しており、Y方向の最上部のライン101のように、図に向かって右端から左端に向けてレーザー光50を照射した後、ステージ63をY方向に所定の間隔空けるように移動させ、半導体ウエハWHの左端から右端に向けてライン102のように照射する。これを繰り返すことでライン103〜106のように照射が行われる。なお、ライン106は照射途中の状態にあり、レーザー光50はライン106の先頭に位置している。
レーザー光50が照射された部分のAl酸化膜30の厚みが増して厚膜部4となるので、ライン101〜106は厚膜部4となった部分を示している。このようにライン状に厚膜部4を形成する場合は、レーザースポットの高さ(Y方向の寸法)と幅(X方向の寸法)を調整し、上下には重ならず左右には重なるようにする。これによりライン状とするX方向におけるレーザー光50の未照射部が発生するのを防止することができる。なお、図7においては、ライン状に厚膜部4を形成する例を示したが、レーザースポットのサイズを小さくし、レーザー照射の周期を低くし、レーザースポットの重なり量をマイナスに設定することで、隣り合うレーザースポット間の距離は広くなりドット状の厚膜部4を形成することができる。
レーザー照射のパターンを変えることで厚膜部4の配置パターンが変わり、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率を任意に制御することができる。
<陽極酸化について>
陽極酸化では、半導体基板10の裏面側にAl酸化膜30が形成された状態の半導体ウエハを陽極側とし、半導体ウエハの裏面に対向するように白金の陰極を配置し、電解液中で陽極と陰極との間で電流を流すことでAl酸化膜30を全体的に厚くする。そして、陽極酸化で全体的に厚くされたAl酸化膜30上に、写真製版処理により所望のパターンを有するエッチングマスク、例えばレジストマスクを形成し、その後にエッチング処理を実施することで、レジストマスクに覆われた部分のAl酸化膜30の厚みは保ち、レジストマスクに覆われていない部分のAl酸化膜30の厚みは薄くして、それぞれの厚みを設定することが可能となる。写真製版技術と組み合わせた場合、チップ単位で局所酸化領域を制御することも可能である。
レジストマスクの開口パターンを変えることで厚膜部4の配置パターンが変わり、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率を任意に制御することができる。
陽極酸化に用いる電解液は、アルミニウムの酸化物に溶媒作用のあるものであれば良く、シュウ酸の他、硫酸、シュウ酸と硫酸の混合液、リン酸などの酸性電解液を用いることができる。
<厚膜部の配置パターン>
Al酸化膜3における厚膜部4の配置パターンの例について、図8〜図10を用いて説明する。
図8〜図10は、半導体ウエハの裏面側に設けたAl酸化膜3の厚膜部4の配置パターンを示す平面図である。なお、便宜的にオリエンテーションフラットは省略している。
図8は、ドット状の厚膜部4を等間隔で配列したパターンを示しており、配列間隔、ドットの大きさを調整することで、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率を任意に制御することができる。
図9は、ライン状の厚膜部4を等間隔で配列したパターンを示しており、図9では、ライン状の厚膜部4が図示されないオリエンテーションフラットに対して傾斜して設けられた例を示しているが、オリエンテーションフラットに対して平行あるいは直交するようにライン状の厚膜部4を配列しても良い。ラインの配列間隔、ラインの幅を調整することで、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率を任意に制御することができる。
図10は、ライン状の厚膜部4を互いに直交させることでマトリクス状に配列したパターンを示しており、ラインの配列間隔、ラインの幅を調整することで、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率を任意に制御することができる。
図11は、四角形の厚膜部4をチェスボード状に配列したパターンを示しており、四角形の配列間隔、四角形の幅を調整することで、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率を任意に制御することができる。
なお、抵抗分布を均一にするため、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率はウエハのどの部分をとっても同一となるように設定する。また、写真製版技術を用いてチップごとに局所酸化領域の比率を作り分ける場合も、チップ内の抵抗分布を均一にするため、厚膜部4のAl酸化膜3中での存在比率は、チップ内のどの領域においても同一となるように設定する。
<エッチングによるAl酸化膜の厚さ調整>
図12に示すように、レーザーアニールまたは陽極酸化により厚膜部4を有するAl酸化膜3を形成した後、エッチングによりAl酸化膜3の厚さを減ずることで、Al酸化膜3の抵抗値をさらに細かく調整することができる。
例えば、厚膜部4を有するAl酸化膜3を形成した状態のウエハの裏面をウエットエッチングすることで、図13に示されるように厚膜部4の積層金属膜5(図示せず)側に向けて突出した部分が除去され、また、Al酸化膜3の厚さが全体的に薄くなる。これにより、Al酸化膜3の抵抗値を減少する方向に調整することができる。
また、図14は、ウエットエッチングをさらに続けることで、Al酸化膜3の薄い部分が除去され、厚膜部4が部分的に残った状態を示している。Al酸化膜3の抵抗値は厚膜部4のみによって規定されることとなる。これにより、Al酸化膜3の抵抗値をさらに減少させることができ、Al酸化膜3による抵抗成分をゼロに近づけることができる。
なお、図12〜図14は、ウエットエッチングによりAl酸化膜3の厚さを調整する方法について説明したが、ドライエッチングによりAl酸化膜3の厚さを調整しても良い。
例えば、図12に示すように、レーザーアニールまたは陽極酸化により厚膜部4を有するAl酸化膜3を形成した後、Ti/Ni/Auの積層金属膜5を形成する前に、当該積層金属膜5を形成するためのプロセス装置内で、真空内でのアルゴン(Ar)イオンによるスパッタエッチを実施することで、図13、図14に示したように、Al酸化膜3の厚さを調整しても良い。
Ti/Ni/Auの積層金属膜5の形成に、ターゲットとなる材料にArなどの不活性な物質を高速で衝突させることでターゲット材をスパッタリングさせて基板上に付着させるスパッタ法を用いる場合には、同じプロセス装置を用いることができ、上記方法は効率的な方法となる。もちろん、Al酸化膜3のドライエッチングを別のプロセス装置を用いて実施しても良いことは言うまでもない。
なお、エッチングにより厚膜部4を含めてAl酸化膜3を全て除去してしまうと、Al酸化膜3による抵抗成分はゼロにすることができ、Al酸化膜3の抵抗成分の除去による電力用半導体装置の電気特性の制御も可能となる。
なお、本発明を適用することで、定格電流が5A〜300Aの範囲の電力用半導体装置において、Al酸化膜3による抵抗成分を0〜1Ωの範囲、より望ましくは0〜0.2Ωの範囲で制御すれば、電力用半導体装置における電圧降下を最大で1V程度調整することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
2 Al膜、3 Al酸化膜、4 厚膜部、5 金属膜、6 裏面電極、10 半導体基板。

Claims (10)

  1. 第1および第2の主面を有する半導体基板と、
    前記第2の主面側に設けた裏面電極と、を備え、前記裏面電極から電流を取り出す電力用半導体装置であって、
    前記裏面電極は、
    前記半導体基板の前記第2の主面上に配設された導電膜と、
    前記導電膜上に配設された金属酸化膜と、
    前記金属酸化膜上に配設された金属膜と、を有し、
    前記金属酸化膜は、局所的に厚さが増した厚膜部を含む、電力用半導体装置。
  2. 前記厚膜部は、
    平面視で所定の配置パターンを有するように形成される、請求項1記載の電力用半導体装置。
  3. 前記厚膜部の前記所定の配置パターンによって、前記厚膜部の前記金属酸化膜3中での存在比率を設定する、請求項2記載の電力用半導体装置。
  4. 前記厚膜部は、前記導電膜側および前記金属膜側に向けて膜厚が厚くなった部分を有する、請求項1記載の電力用半導体装置。
  5. 前記厚膜部は、前記導電膜側に向けて膜厚が厚くなった部分を有する、請求項1記載の電力用半導体装置。
  6. 前記金属酸化膜は、前記厚膜部のみからなる、請求項1記載の電力用半導体装置。
  7. 前記導電膜は、
    アルミニウム膜で構成され、
    前記金属酸化膜は、
    アルミ酸化膜で構成される、請求項1記載の電力用半導体装置。
  8. 第1および第2の主面を有する半導体基板と、前記第2の主面側に設けた裏面電極と、を備え、前記裏面電極から電流を取り出す電力用半導体装置の製造方法であって、
    (a)前記半導体基板の前記第2の主面上に導電膜を形成する工程と、
    (b)前記導電膜上に金属酸化膜を形成する工程と、
    (c)前記金属酸化膜上に金属膜を形成する工程と、を有し、
    前記工程(b)は、
    (b−1)前記金属酸化膜を局所的に厚くすることで、厚さが増した厚膜部を形成する工程を含む、電力用半導体装置の製造方法。
  9. 前記工程(b−1)は、
    レーザーアニールまたは陽極酸化により、前記金属酸化膜を局所的に厚くする工程を含む、請求項8記載の電力用半導体装置の製造方法。
  10. 前記工程(b)の後、前記工程(c)の前に、
    エッチングにより前記金属酸化膜の厚さを減ずる工程をさらに有する、請求項8記載の電力用半導体装置の製造方法。
JP2017135501A 2017-07-11 2017-07-11 電力用半導体装置およびその製造方法 Active JP6884054B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017135501A JP6884054B2 (ja) 2017-07-11 2017-07-11 電力用半導体装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017135501A JP6884054B2 (ja) 2017-07-11 2017-07-11 電力用半導体装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019021656A true JP2019021656A (ja) 2019-02-07
JP6884054B2 JP6884054B2 (ja) 2021-06-09

Family

ID=65354445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017135501A Active JP6884054B2 (ja) 2017-07-11 2017-07-11 電力用半導体装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6884054B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7497668B2 (ja) 2020-10-21 2024-06-11 住友電気工業株式会社 トランジスタ

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007019458A (ja) * 2005-06-07 2007-01-25 Denso Corp 半導体装置およびその製造方法
JP2007335432A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 半導体装置とその製造方法
JP2011204716A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Mitsubishi Electric Corp 電力半導体装置およびその製造方法
JP2011219828A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2017055000A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 株式会社東芝 半導体装置
JP2017059636A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 三菱電機株式会社 半導体装置の製造方法
JP2018125352A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 トヨタ自動車株式会社 半導体装置の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007019458A (ja) * 2005-06-07 2007-01-25 Denso Corp 半導体装置およびその製造方法
JP2007335432A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 半導体装置とその製造方法
JP2011204716A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Mitsubishi Electric Corp 電力半導体装置およびその製造方法
JP2011219828A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2017055000A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 株式会社東芝 半導体装置
JP2017059636A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 三菱電機株式会社 半導体装置の製造方法
JP2018125352A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 トヨタ自動車株式会社 半導体装置の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7497668B2 (ja) 2020-10-21 2024-06-11 住友電気工業株式会社 トランジスタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6884054B2 (ja) 2021-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW436836B (en) Field emission electron source
US5214346A (en) Microelectronic vacuum field emission device
JP5339698B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR100367282B1 (ko) 전계 방사형 전자원 및 그 제조방법
TW200522170A (en) Fabrication of single or multiple gate field plates
JP2007165657A (ja) 半導体装置の製造方法および半導体装置
US5202274A (en) Method of fabricating thin film transistor
DE102016116019B4 (de) Verfahren zum Bilden eines Halbleiterbauelements
CN106340536A (zh) 一种功率半导体器件及其制造方法
DE102017124086A1 (de) Halbleitervorrichtung und Herstellungsverfahren
CN106158950A (zh) 一种提高增强型GaN MOS沟道迁移率的器件结构及实现方法
CN107785435A (zh) 一种低导通电阻MIS凹槽栅GaN基晶体管及制备方法
KR100653147B1 (ko) 반도체 소자 및 제조 방법
JP6884054B2 (ja) 電力用半導体装置およびその製造方法
JP2002026341A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP5044003B2 (ja) プローブの作製方法およびプローブ、ならびに走査プローブ顕微鏡
JP2010016102A (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2021027114A (ja) 半導体素子およびその製造方法
CN111725040A (zh) 一种场发射晶体管的制备方法、场发射晶体管及设备
CN109461655A (zh) 具有多栅结构的氮化物高电子迁移率晶体管制造方法
JP2006040725A (ja) 電子線露光用電子源
JP2008153298A (ja) 半導体装置の製造方法および半導体装置
CN116598196A (zh) 沟槽型功率器件及其高反向耐压终端边缘的制备方法
JPH04291768A (ja) Mos型半導体装置およびその製造方法
JP2001007351A (ja) 半導体装置およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210413

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6884054

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250