JP2010016102A - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オーミック接触と、低い接触抵抗と、密着強度の大きい表面を有するNiシリサイド膜をアニールなしに形成することのできる炭化珪素半導体装置の製造方法の提供。
【解決手段】SiC基板1を真空中で最表面から所定の深さまでエッチングし、続いて、組成をNiSi1−xで表した場合、0.3<x<0.7となるようなNiとSiの比率で、NiとSiを前記SiC基板1のエッチング面上に堆積してNiシリサイド膜5を成膜する工程を有する炭化珪素半導体装置の製造方法とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は炭化珪素半導体を用いた半導体装置の製造方法に関する。
炭化珪素半導体は、シリコン半導体と比較して大きなバンドギャップを持つため、高い絶縁破壊電界強度を有する。半導体装置の導通状態における抵抗であるオン抵抗は、その絶縁破壊電界強度の3乗に逆比例するため、たとえば、広く用いられている4H型と呼ばれる結晶変態型の炭化珪素半導体(以降、SiCと略記する)においては、そのオン抵抗をシリコン半導体の数100分の1に抑制することができる。さらに、放熱が容易となる良好な熱伝導度特性ともあいまって、特に、ショットキーバリアダイオード、MOSFETなどの次世代の低損失な電力用半導体装置として期待されている。ショットキーバリアダイオードのカソード、MOSFETのソースおよびドレイン、バイポーラトランジスタにおけるエミッタおよびコレクタの各電極には、オーミック特性を示し、かつ接触抵抗が低い金属―半導体界面を形成する必要がある。そのような界面特性を示すn型の4H−SiC基板表面に対するオーミック電極は一般に以下のように形成される。
1018cm−3以上の比較的高いドナー濃度を持つSiC基板表面を周知のRCA洗浄等により有機物、貴金属、パーティクル、自然酸化膜などを除去して清浄化する。その後、清浄化したSiC基板表面にスパッタリング法あるいはEB(Electron Beam)蒸着法などにより、Ni膜を数10nm〜数100nm堆積する。通常、単にNi膜を堆積して成膜したままのNi膜−SiC基板間では良好なオーミック特性を示さないので、さらにアニールを行い、Ni膜−SiC基板界面に存在する自然酸化膜などのバリア層を界面から拡散させて除く。一般的なアニール条件は、真空あるいは常圧Arの雰囲気、アニール温度800〜1000℃、保持時間は数分から30分などである。このような条件でアニールすると、SiC基板表面に、10−5〜10−6Ωcmの低い接触抵抗を持つ良好なオーミック電極を形成することができる。(非特許文献1、非特許文献2)
ところが、前述のアニールを行うと、Ni膜上にAlなどの異種材料を接合させた場合、その接合強度が著しく低下することがある。これはアニールにより、Ni膜11とSiC基板1間で以下の反応が進み、図2の従来のSiCウエハの断面図に示すように、遊離カーボン(C)12がNi膜11表面に析出するためである。以降、何も加工されていないSiC基板のみを表す場合は、SiC基板、SiC基板に酸化膜や拡散層や金属膜の形成などの加工が施されているSiC基板をSiCウエハと称する。
(式1)

2Ni + SiC → NiSi + C (1)
また、アニール温度を1200℃以上のような過度の高温にすると、接触抵抗が増加すると言う問題も生じる。この問題は遊離カーボン膜12が増加することに起因する現象である。その理由は、前記(1)式における遊離カーボン膜12の比抵抗は1350〜1900μΩcmとNiSi膜5aの数10μΩcmより2桁も高いからである。
これらの対策の一つとして、図10の従来の図2とは異なるSiCウエハの断面図に示すように、SiC基板1上にNi膜とTi膜を積層することにより、下記の界面反応を利用して、遊離カーボン膜12をTiC膜13に置き換えるとよいことが知られている。
(式2)

2Ni + Ti + SiC → NiSi + TiC (2)
この界面反応を起こさせることにより、前記図2で問題となる遊離カーボン膜12を低減できるので、Ni膜上に積層される異種材料との接合強度が増加する。また、図10によれば、遊離カーボン膜12の代わりにTiC膜13が形成されるが、このTiC膜13の比抵抗は180μΩcmと遊離カーボン膜12より1桁低く、接触抵抗を低減することができる。他の対策として、(1)式における遊離カーボン膜12を除去するために、アニール後にアセトンなどの有機溶剤中で超音波洗浄を行うこともある。また、アニール後に過酸化水素水と硫酸の混合液によるウェットエッチングにより遊離カーボン膜12を除去した後、表面に形成される酸化膜をバッファードフッ酸により除去する方法もある。さらに、アニール後に酸素プラズマに暴露させ、遊離カーボン膜12を灰化させる方法もある。
特開平10−209072号公報 特開2003−264315号公報 特開2001−110746号公報 A.V.Adedeji et al., Materials Science Forum Vols.527−529 (ICSCRM 2005) (2006) pp.879−882(Fig.2) N.Kiritani et al., Materials Science Forum Vols. 433−436 (ECSCRM 2002) (2003) pp.669−672(Abstract)
一方で、Si(シリコン半導体)基板上に堆積されたNi膜をアニールする場合、Si基板とNi膜の界面にはアニール条件によって、アニール温度350℃まではNiSi膜、350〜750℃ではNiSi膜、750℃以上ではNiSi膜が形成されることが報告されている。これらのNiシリサイド膜の比抵抗はNiSi膜、NiSi膜の50μΩcmに対して、NiSi膜は15μΩcmと低いことが知られている。従って、Niシリサイド膜の形成が避けられないならば、接触抵抗の低減のためには比抵抗の小さいNiSi膜の形成が望まれる。
また、一方、SiC基板とNi膜の界面反応ではアニール温度が室温〜1200℃の範囲内で確認されているシリサイドはNiSi膜であり、NiSi膜ではないという問題がある(参考文献:S.Ferrero et al., Materials Science Forum Vols.483−485 (ECSCRM 2004) (2005)pp.733−736)。また、Ni膜のみを堆積してアニールすることにより形成される遊離カーボン膜12、積層されたNi膜とTi膜をアニールすることにより形成されるTiC膜13は、いずれも、その膜厚が厚くなるほど接触抵抗が増加するという問題がある。前述のように、遊離カーボン膜12を除去する方法はあるが、追加のプロセスが必要になり、工業的見地からコストの増加につながるという問題がある。
本発明は以上述べた点に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、オーミック接触と、低い接触抵抗と、密着強度の大きい表面を有するNiシリサイド膜をアニールなしに形成することのできる炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することである。
特許請求の範囲の請求項1記載の発明によれば、SiC基板を真空中で最表面から所定の深さまでエッチングし、続いて、組成をNiSi1−xで表した場合、0.3<x<0.7となるようなNiとSiの比率で、NiとSiを前記SiC基板のエッチング面上に堆積してNiシリサイド膜を成膜する工程を有する炭化珪素半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項2記載の発明によれば、前記所定の深さが0.12nm以上である特許請求の範囲の請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項3記載の発明によれば、前記Niシリサイド膜が少なくともx=0.5であるNiSi膜を含んでいる特許請求の範囲の請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項4記載の発明によれば、SiC基板と、別途形成されたNiとSiの組成比率が1対1に近いNiSi合金板とを真空中に挿入し、前記SiC基板とNiSi合金板との表面をそれぞれArイオンビームエッチングし、続いてエッチングした両表面を真空中で、常温、1MPa以上の圧力で接触させてSiC基板とNiSi合金板とを貼り付けることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項5記載の発明によれば、前記NiSi合金板を真空中に挿入する前の該合金板の表面が表面粗さRMS<0.5nmに研磨されている特許請求の範囲の請求項4記載の炭化珪素半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項6記載の発明によれば、前記Arイオンビームエッチングを300秒以上行う特許請求の範囲の請求項4記載の炭化珪素半導体装置の製造方法とする。
本発明は、従来、SiC基板とNi膜との界面をオーミック接触とするために必要であったアニールを施す際に生じる、遊離カーボン膜を除去するための追加のプロセスを必要としないだけでなく、アニール処理自体を省略する製造方法である。すなわち、低い接触抵抗と異種材料との強い密着強度の両立を実現する方法として、SiC基板を真空中で最表面から0.12nm以上の深さまでエッチングした後、真空を破らずにNiとSiを同時に堆積する方法であり、このNiとSiの組成をNiSi1−xとすると、図1に示すようなNiSi膜を含むように0.3<x<0.7となるように成膜する工程を有する炭化珪素半導体装置の製造方法を特徴とする。
また、本発明は、図9に示す製造装置を用いて、SiC基板と、別途形成された、NiとSiの組成比率が1対1に近いNiSi合金板とを真空中に挿入し、前記SiC基板と前記NiSi合金板との表面をそれぞれArイオンビームエッチングし、続いてエッチングした両表面を真空中で、常温、1MPa以上の圧力で接触させてSiC基板にNiSi合金板を貼り付けて炭化珪素半導体装置を形成する製造方法を特徴とする。
本発明によれば、オーミック接触と、低い接触抵抗と、密着強度の大きい表面を有するNiシリサイド膜をアニールなしに形成することのできる炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の炭化珪素半導体装置の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下、説明する実施例の記載に限定されるものではない。
図1は本発明にかかるNiSi膜を表面に有するSiCウエハの断面図である。図3は、真空チャンバーに挿入する直前のSiCウエハの斜視断面図である。図4は真空チャンバー中で、Niシリサイド膜の形成前にSiC基板の表面をArイオンビームエッチングすることを示すスパッタリング装置の概略断面図である。図5はArイオンビームエッチング時間とエッチング深さとの関係図である。図6は接触抵抗を求める伝送長法を説明するための説明図である。図7はSiC基板表面のエッチング時間と接触抵抗の関係図である。図8はNiシリサイド膜組成と接触抵抗との関係図である。図9はSiC基板とNiSi合金板とを真空中でエッチング後、張り合わせる装置の概略断面図である。
Niシリサイド膜の接触抵抗を求めるために、図3に示すように、厚み約400μm、鏡面に研磨された不純物濃度1×1018cm−3であるn型4H−SiC基板1上に保護酸化膜2を形成した状態のSiCウエハ100を準備する。このSiCウエハ100をフォトレジスト3で覆い、フォトリソグラフィーによりフォトレジスト3の一部を除去して、さらにバッファードフッ酸により前記保護酸化膜2を除去してコンタクトホール4を開ける。このコンタクトホール4は実際のMOSFETを形成する際のソース電極のコンタクトホールを想定したものである。コンタクトホール4は図3では4a、4b、4c、4dの4つ形成されている。これらのコンタクトホール4は後述の伝送長法を測定できるように4aと4b間の距離D1に対して、4bと4c間の距離D2、4cと4d間の距離D3を順に大きくなるパターンで形成し、フォトレジスト3は除去せずそのまま残しておく。
このSiCウエハ100を図4に示す真空チャンバー内に入れ、チャンバー到達圧力2×10−6Paまで真空引きをした後、ビームソース6からArイオンビーム7を照射し、SiCウエハ100上のコンタクトホ−ル4表面をエッチングする。このときのArイオンビーム条件を加速電圧1.5kV、ビーム電流20mA、Arガス圧0.1Paとし、SiCウエハ100をイオンビームの入射角が45°になるように傾ける。このとき、Arイオンビーム7によるエッチング時間を最大1200秒まで変化させた。SiCウエハ100のエッチング時間(秒)とコンタクトホールの表面粗さRMS(Root Mean Sqare)(nm)との相関を調べた結果を図5に示す。ちなみに、RMS(Rqで表示される表面粗さと同一)とは、平均線から測定曲線までの偏差の二乗を平均した値の平方根で表される表面粗さとして定義される。1200秒エッチングした後、SiCウエハ100表面のフォトレジスト3と保護酸化膜2をバッファードフッ酸により除去、コンタクトホール4表面と前記保護酸化膜2の下のエッチングされていない領域との段差をAFM(Atomic Force Microscopy)により測定したところ、1.0nmのエッチング深さであることが分かった。エッチング開始の粗さが0.2nmであるので、1200秒で0.8nmのエッチングがされたことになる。これよりエッチングレートは0.04nm/分と見積もることができる。このようにして得られたSiCウエハ100表面上にNiとSiを厚さ200nmでDCマグネトロンスパッタ8a、8bにより堆積した。Arイオンビームエッチングからスパッタリングに移行する間、チャンバーの真空度は常に1×10−5Pa以下に保たれている。NiSi1−xの組成を変化させることができるように、NiとSiの2つのターゲットを用い、それぞれ独立にスパッタした。このときのスパッタ条件は、基板温度150℃、電圧300V、圧力0.4Paであり、2つのターゲットへの電流値を変化させて組成を変化させた。その後、フォトレジスト3を除去することにより、その上のメタルも同時に除去できるリフトオフ法によりメタルをパターニングする。
図6に、SiC基板1の表面に前述の間隔D1、D2、D3で形成したコンタクトホール4(4a、4b、4c、4d)と、これらのコンタクトホール4に接触するNiシリサイド膜5の断面形状と各抵抗成分とを示す。接触抵抗は、伝送長法により見積もる。この伝送長法について具体的に説明する。接触抵抗をRc、SiCウエハのシート抵抗をRsとする。隣接するNiシリサイド膜間距離をD、D、Dとそれに対応する隣接するNiシリサイド膜間のIV測定により求めた抵抗をR、R、Rとし、横軸にNiシリサイド膜間距離、縦軸にNiシリサイド膜間抵抗とした座標軸にプロットすると、所定の傾きの直線が得られる。この直線を距離0に延長させて得られる抵抗軸との交点をRとすると、このRから接触抵抗Rcが得られる。このようにして形成された様々なNiシリサイド膜の接触抵抗を測定した。
図7には、従来のNiシリサイド膜(NiSi)5a(△印で示す)の接触抵抗(0.7×10−5Ωcm)と図4の真空チャンバーによるスパッタで形成したNi0.5Si0.5の組成のNiシリサイド膜5b(×印で示す)の接触抵抗と、後述の実施例2で説明するNi0.5Si0.5の組成の合金板5c(●印で示す)の接触抵抗(1.2×10−7Ωcm)とを示す。ただし、スパッタによるNiシリサイド膜5bについては、Arイオンビームによるエッチング時間(横軸)と接触抵抗(縦軸)との相関を併せて示す。縦軸に1.E−07などの表記は1.0×10−7を表す。同様の他の表記も同様である。図7では、スパッタにより形成したNi0.5Si0.5の組成Niシリサイド膜5bの場合、エッチング時間180秒まで接触抵抗が2×10−1Ωcm〜1×10−6Ωcmへ急激に低下していることが分かる。さらにエッチング時間を増加する場合の接触抵抗の結果からは、最表面のSiあるいはC原子と結合していた酸素や水分子がスパッタされ、最表面SiあるいはC原子の結合種はダングリングボンドとなる、すなわち最表面が化学的に活性化した状態になると推測される。エッチング時間180秒のときのエッチング深さは上述のエッチングレートより0.12nmが得られる。従って、これ以上の深さをエッチングすることが低接触抵抗を得るという観点で、好ましいことが分かる。また、180秒以上のエッチング時間では時間の増加に伴い緩やかに接触抵抗が減少しているが、これは表面粗さが大きくなり、実効的なNiSi膜/SiC界面の面積が増大したためと考えられる。
また、図8には、従来のNiシリサイド膜(NiSi)5a(△印で示す)の接触抵抗(0.7×10−5Ωcm)と、後述の実施例2で説明するNi0.5Si0.5の組成の合金板5c(●印で示す)の場合のArイオンビームによるエッチング時間300秒における接触抵抗(1.2×10−7Ωcm)と、スパッタによるNiSi1−xの組成5b(×印で示す)と接触抵抗との相関を示す。図8では、スパッタによるNiSi1−xの組成5c(×印で示す)におけるxの範囲が0.3≦x≦0.7の場合に、接触抵抗が7〜8×10−7Ωcmのように10−7Ωcm台と最小となっていることを示している。NiSi膜/SiC基板界面には、NiSi、NiSi、NiSiなどの組成が混在している状態にあると考えられるが、x=0.5の近傍でNiSiの割合が高くなるために低接触抵抗になると思われる。このスパッタにより形成されるNiSiのNiシリサイド膜5bがSiC基板1表面に成膜された状態を図1のSiCウエハの断面図に示す。
以上の実施例1の説明によれば、NiSi膜をスパッタによりSiC基板上に成膜する炭化珪素半導体装置の製造方法とすることにより、オーミック接触と、低い接触抵抗と、密着強度の大きい表面を有するNiシリサイド膜をアニールなしに形成することのできることが分かる。
同じモル比となるようにNiおよびSi粉末を均一に混ぜ合わせ、加圧、加熱して原子レベルまでNi0.5Si0.5の組成とした合金板5cを形成する。形成温度によって安定な相が変化するので、加熱はNi50%、970℃以下とする。表面の粗さはRMS<0.5nmとなるように研磨してある。他方、実施例1に記載と同様に、所定のソース電極のコンタクトパターンで酸化膜とフォトレジストが開口されたSiCウエハ100を用意する。これらNiSi合金板5cおよびSiCウエハ100を図9に示す構成の真空チャンバー内に挿入し、実施例1と同様に、真空引きし、ビームソース6a、6bからのArイオンビームによりエッチングし、SiCウエハ100表面を深さ0.12nm削る。エッチングはSiCウエハ100表面、NiSi合金板5c表面とも実施する。このときエッチング時間は300秒とする。その後、NiSi合金板5cをSiCウエハ100に常温、1Mpaの圧力で接触させた。SiCウエハ100は加圧可能な台座10aに取り付けられている。このように作製されたオーミック電極の接触抵抗を、実施例1のNiSiスパッタ膜5bと従来のNiSi膜5aの場合の接触抵抗を併せて図8に示す。NiSi合金板5cを貼り付けた場合は接触抵抗が1.2×10−7Ωcmと、NiSi膜5bをスパッタで形成した場合の7〜8×10−7Ωcmと比較して、また従来のNiSi膜5aの場合の接触抵抗6×10−6Ωcmと比較して、さらに1桁低い値を得ることができた。これは、NiSiスパッタ膜5bではNi、Siとも原子レベルではなく、クラスター状で基板表面に堆積するためにクラスター表面のみしかNiSi(x=0.5)組成とならず、NiSi全体に対してNiSiの割合が下がってしまうのに対し、NiSi合金板5cではその作製時に原子レベルまでNiSi(x=0.5)の組成となっているためと考えられる。
以上の実施例2の説明によれば、NiSi膜の合金板をSiC基板上に貼り付ける炭化珪素半導体装置の製造方法とすることにより、オーミック接触と、低い接触抵抗と、密着強度の大きい表面を有するNiシリサイド膜をアニールなしに形成することのできることが分かる。
本発明にかかるNiSi膜を表面に有するSiCウエハの断面図である。 従来のSiCウエハの断面図である。 本発明にかかる真空チャンバーに挿入する直前のSiCウエハの斜視断面図である。 本発明にかかる真空チャンバー中で、Niシリサイド膜の形成前にSiC基板の表面をArイオンビームエッチングすることを示すスパッタ装置の概略断面図である。 本発明にかかるArイオンビームエッチング時間とエッチング深さとの関係図である。 本発明にかかる接触抵抗を求める伝送長法を説明するための説明図である。 本発明にかかるSiC基板表面のエッチング時間と接触抵抗の関係図である。 本発明にかかるNiシリサイド膜組成と接触抵抗との関係図である。 本発明にかかるSiC基板とNiSi合金板とを真空中でエッチング後、張り合わせる装置の概略断面図である。 従来の異なるSiCウエハの断面図である。
符号の説明
1 SiC基板
2 保護酸化膜
3 フォトレジスト
4、4a、4b、4c、4d コンタクトホール
5 Niシリサイド膜
5a NiSi膜
5b スパッタによるNi0.5Si0.5の組成Niシリサイド膜
5c Ni0.5Si0.5組成の合金板
6、6a、6b ビームソース
7 Arイオンビーム
8a、8b DCマグネトロンスパッタ
10a 台座
11 Ni膜
12 カーボン膜
13 TiC膜
100 SiCウエハ。

Claims (6)

  1. 炭化珪素半導体基板を真空中で最表面から所定の深さまでエッチングし、続いて、組成をNiSi1−xで表した場合、0.3<x<0.7となるようなNiとSiの比率で、NiとSiを前記炭化珪素半導体基板のエッチング面上に堆積してNiシリサイド層を成膜する工程を有することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記所定の深さが0.12nm以上であることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記Niシリサイド膜が少なくともx=0.5であるNiSi膜を含んでいることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 炭化珪素半導体基板と、別途形成されたNiとSiの組成比率が1対1に近いNiSi合金板とを真空中に挿入し、前記炭化珪素半導体基板とNiSi合金板との表面をそれぞれArイオンビームエッチングし、続いてエッチングした両表面を真空中で、常温、1MPa以上の圧力で接触させて炭化珪素半導体基板とNiSi合金板とを貼り付けることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 前記NiSi合金板を真空中に挿入する前の該合金板の表面が表面粗さRMS<0.5nmに研磨されていることを特徴とする請求項4記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 前記Arイオンビームエッチングを300秒以上行うことを特徴とする請求項4記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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