JP2019019167A - 非着氷性組成物及び非着氷性重合物 - Google Patents

非着氷性組成物及び非着氷性重合物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた非着氷性を有する非着氷性重合物を得ることが可能な非着氷性組成物の提供。【解決手段】式(1)で表される架橋性モノマーと、前記架橋性モノマー以外のエステル化合物であり、前記架橋性モノマーとラジカル重合可能な官能基を有するラジカル重合性モノマーと、を含有しており、かつ、前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとの合計モルに対する前記架橋性モノマーの割合が2.5〜70モル%である、非着氷性組成物。前記ラジカル重合性モノマーが(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はテレフタル酸ジアリルである非着氷性組成物。[R1はH又はメチル基;R2は、ビニリデン基を有する特定の置換基を]【選択図】なし

Description

本発明は、非着氷性組成物及び非着氷性重合物に関する。
従来から構造物表面への着氷や着雪によって様々な被害が発生している。例えば、船舶、航空機、車両、道路、鉄道、道路標識、信号機等の表面に着氷や着雪が生じることは安全上重大な問題であり、風力発電施設等では冬期着氷によって発電量の低下が起こっている。また、送電網や送受信機等の表面に着氷が生じて氷が蓄積するとその負荷によって事故や故障が引き起こされる恐れがある。このような着氷・着雪を防止する方法としては、例えば、構造物表面に付着・蓄積した氷や雪をヒーターや解氷液を用いて除去する方法が知られている。しかしながら、かかる方法では電力や解氷液が必要であるため、時間やコストがかかるといった問題を有していた。
また、他の着氷・着雪を防止する方法としては、例えば、着氷着雪防止性を有する塗料を、着氷が予想される構造物表面に塗布する方法も知られている。前記塗料としては、シリコーン樹脂やフッ素樹脂の改良樹脂が挙げられ、例えば、特開平10−120941号公報(特許文献1)には、ポリフルオロアルキル基含有ビニル単量体とシリコーン系ビニル単量体との共重合体に平均粒径が0.1〜50μmの粉末を特定量混合してなる撥水性塗料組成物が記載されており、特開昭58−65779号公報(特許文献2)には、特定のオルガノポリシロキサン樹脂及びアルカリ金属化合物からなる着氷防止材料用組成物が記載されている。また、特開2017−2269号公報(特許文献3)には、航空機のような大型の構造物用の塗料として、常温反応硬化型樹脂と粒子状フッ素樹脂とを特定の比率で混合してなる混合塗料が記載されている。
さらに、特開平5−230161号公報(特許文献4)には、ビニル系重合体からなる幹ポリマーとオルガノポリシロキサンからなる枝ポリマー及びポリオキシアルキレンからなる枝ポリマーとからなるグラフト共重合体を主成分とする被覆組成物が記載されており、特開平5−105723号公報(特許文献5)には、特定のフマル酸ジエステルを構成単位として含有する重合体からなる撥水・撥油性樹脂が記載されている。
しかしながら、これら従来の着氷着雪防止性を有する塗料や重合体はいずれも、構造物表面と水滴との接触面積を小さくする、つまり、該構造物表面に撥水性を付与することによって結果的に着氷を抑制するものであるため、構造物表面と氷とが接触している界面内において該表面への氷の付着自体が抑制される非着氷性としては未だ十分なものではなく、また、着氷防止効果を安定して奏することは未だ困難であった。
特開平10−120941号公報 特開昭58−65779号公報 特開2017−2269号公報 特開平5−230161号公報 特開平5−105723号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れた非着氷性を有する非着氷性重合物、及びそれを得ることが可能な非着氷性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ビニル基を2個有する特定の架橋性モノマーと、前記架橋性モノマーとラジカル重合可能な官能基を有するラジカル重合性モノマーと、を特定の割合でラジカル共重合せしめて得られる共重合体においては、該共重合体表面への氷の付着力が著しく小さく、顕著な非着氷性が発揮されることを見出した。また、前記の著しく小さい付着力は前記共重合体表面の撥水性が低くとも達成され、かかる非着氷性は、該共重合体表面と氷とが接触している界面内において氷の付着自体が抑制されて発揮されるものであること、そのため前記共重合体においては着氷が安定して抑制されること、を見出した。さらに本発明者は、前記共重合体においては光の透過率が十分に高いため、窓ガラス等に塗布したり、そのまま構造体やガラス等の透明性が必要とされる材料の代用材料として用いることも可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の非着氷性組成物は、下記一般式(1):
[式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは、下記一般式(2):
[式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。]
で示される基、又は下記一般式(3):
[式(3)中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。]
で示される基を示す。]
で表される架橋性モノマーと、前記架橋性モノマー以外のエステル化合物であり、前記架橋性モノマーとラジカル重合可能な官能基を有するラジカル重合性モノマーと、を含有しており、かつ、
前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとの合計モルに対する前記架橋モノマーの割合が2.5〜70モル%である、
ことを特徴とする組成物である。
本発明の非着氷性組成物においては、前記ラジカル重合性モノマーが、下記一般式(4):
[式(4)中、Rはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。]
で表される化合物、及びテレフタル酸ジアリルからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の非着氷性重合物は、本発明の非着氷性組成物中の前記架橋性モノマーと前記重合性モノマーとを重合させてなる共重合体であることを特徴とするものである。
本発明によれば、優れた非着氷性を有する非着氷性重合物、及びそれを得ることが可能な非着氷性組成物を提供することが可能となる。
実施例3、7〜9、比較例4、8〜9で得られた基板におけるメタクリル酸ビニル含有率と非着氷再現率との関係を示すグラフである。 実施例5、10〜14、比較例6、10〜11で得られた基板におけるメタクリル酸ビニル含有率と非着氷再現率との関係を示すグラフである。 実施例6、15〜17、比較例2、12〜13で得られた基板におけるアジピン酸ジビニル含有率と非着氷再現率との関係を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の非着氷性組成物について説明する。本発明の非着氷性組成物は、下記一般式(1):
[式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは、下記一般式(2):
[式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。]
で示される基、又は下記一般式(3):
[式(3)中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。]
で示される基を示す。]
で表される架橋性モノマーと、前記架橋性モノマー以外のエステル化合物であり、前記架橋性モノマーとラジカル重合可能な官能基を有するラジカル重合性モノマーと、を含有しており、かつ、
前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとの合計モルに対する前記架橋性モノマーの割合が2.5〜70モル%である、
ことを特徴とするものである。
本発明に係る架橋性モノマーは、下記一般式(1):
で表わされる化合物である。
前記式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。これらの中でもRとしては、電子供与の程度がより低いために、不飽和結合上の電子密度がより少なくなって架橋性モノマーが比較的ラジカル重合しやすくなる傾向にあるという観点からは、水素原子が好ましい。
また、前記式(1)中、Rは、下記一般式(2):
で示される基、又は下記一般式(3):
で示される基を示す。
前記式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。これらの中でもRとしては、得られる重合物の結晶強度がより高くなる傾向にあるという観点及び市場においてメタクリル化合物として比較的入手しやすい傾向にある観点から、メチル基が好ましい。
また、前記式(3)中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示す。前記炭素数としては、炭素数が多くなりすぎると得られる重合物の結晶強度が低下する傾向にあるという観点からは1〜2であることが好ましい。さらに、前記式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。これらの中でもRとしては、電子供与の程度がより低いために、不飽和結合上の電子密度がより少なくなって架橋性モノマーが比較的ラジカル重合しやすくなる傾向にあるという観点からは、水素原子が好ましい。
前記架橋性モノマーとしては、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような架橋性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸ビニル、アジピン酸ジビニル、マロン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、コハク酸ジビニルが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、市場においてより入手しやすく比較的安価である傾向にあるという観点からは、本発明に係る架橋性モノマーとしては、メタクリル酸ビニル及びアジピン酸ジビニルからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明に係る架橋性モノマーは、2個のビニル基(CH=CR−[R:R、R、R])を有するため、後述するラジカル重合性モノマーと反応してこれらを架橋させ、本発明の非着氷性重合物を得ることができる。また、上記のようにエステル化合物(本発明において、分子内にエステル結合構造(−COO−)を有する化合物を「エステル化合物」という)でもある前記架橋性モノマーは、得られる重合物にエステル結合構造を導入するが、かかるエステル結合構造を一定量有することによって、本発明の非着氷性重合物は顕著な非着氷性を発揮できるものと発明者は推察する。
本発明に係るラジカル重合性モノマーは、前記架橋性モノマー以外の、分子内にエステル結合構造(−COO−)を有するエステル化合物である。本発明者は、このようなラジカル重合性モノマーによっても得られる重合物にエステル結合構造が導入されることにより、本発明の非着氷性重合物は顕著な非着氷性を発揮できるものと発明者は推察する。
本発明に係るラジカル重合性モノマーはまた、前記架橋性モノマーとラジカル重合可能な官能基を有する。前記架橋性モノマーとラジカル重合可能な官能基とは、前記架橋性モノマーのビニル基とラジカル重合可能な官能基であり、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、アリル基、ビニロキシ基が挙げられる。本発明に係るラジカル重合性モノマーとしては、前記官能基を2個以上有していてもよく、その場合、複数ある官能基としては、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。このような官能基としては、得られる重合物におけるエステル結合構造の含有量がより多くなってより優れた非着氷性が発揮される傾向にあるという観点からは、エステル結合構造を含む不飽和官能基であることが好ましく、アクリル基及びメタクリル基からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、また、1分子内に1個又は2個であることがより好ましい。
本発明に係るラジカル重合性モノマーとして好ましい化合物としては、例えば、下記一般式(4):
で表される化合物が挙げられる。
前記式(4)中、Rはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示す。前記炭素数としては、側鎖が長くなりすぎると得られる重合物の結晶強度が低下する傾向にあるという観点から、1〜5であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。このようなフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ベンジル基及びこれらの構造異性体が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でもRとしては、側鎖が長くなりすぎると得られる重合物の結晶強度が低下する傾向にあるという観点からは、メチル基、エチル基及びこれらの構造異性体からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
また、前記式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。これらの中でもRとしては、得られる重合物の結晶強度がより高くなる傾向にあるという観点及び市場においてメタクリル化合物として比較的入手しやすい傾向にある観点から、メチル基が好ましい。
このような式(4)で表されるラジカル重合性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル、メタクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、側鎖の置換基が長くなりすぎると得られる重合物の結晶強度が低下する傾向にあるという観点及びフッ素原子に置換されることにより耐寒性が更に向上する傾向にあるという観点からは、メタクリル酸トリフルオロメチル及びメタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチルからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
また、本発明に係るラジカル重合性モノマーとして好ましい他の化合物としては、例えば、テレフタル酸ジアリルも挙げられる。
本発明に係るラジカル重合性モノマーとしては、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の非着氷性組成物においては、前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとの合計モルに対する前記架橋性モノマーの割合({架橋性モノマーのモル数/(架橋性モノマーのモル数+ラジカル重合性モノマーのモル数)}×100;各モノマーが2種以上の混合物である場合、そのモル数は合計モル数(以下同じ))が2.5〜70モル%であることが必要である。前記架橋性モノマーの割合が前記範囲内にあることにより、これらモノマーを重合させてなる共重合体である本発明の非着氷性重合物において顕著な非着氷性が発揮される。
前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとの合計モルに対する前記架橋性モノマーの割合としては、特に優れた非着氷性が発揮される傾向にあるという観点から、2.5〜65モル%であることが好ましく、5〜30モル%であることがより好ましい。
本発明の非着氷性組成物としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、前記架橋性モノマー及び前記ラジカル重合性モノマー以外の他の成分を更に含有していてもよい。前記他の成分としては、例えば、重合開始剤、溶剤、有機顔料、無機顔料、重合反応に用いられる金属触媒等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が挙げられ、より具体的には、過酸化ベンゾイル(BPO)、ヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;塩素等のジハロゲン;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、前記重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニトリル等の熱分解性開始剤からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
前記溶剤としては、ラジカル重合反応を阻害しない非プロトン性溶媒であることが好ましく、例えば、ヘキサン、ジクロロメタン、四塩化炭素、THF、ベンゼン、ジエチルエーテル、DMSO、DMF等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の非着氷性組成物がこれらの他の成分を更に含有する場合、その含有量(2種以上の混合物である場合には合計含有量)としては、同非着氷性組成物の全質量に対して5質量%以下であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。
次いで、本発明の非着氷性重合物について説明する。本発明の非着氷性重合物は、前記非着氷性組成物中の前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとを重合させてなる共重合体であることを特徴とするものである。
前記重合方法としては、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等のラジカル重合法として従来公知の方法を適宜採用することができ、例えば、前記架橋性モノマー、前記ラジカル重合性モノマー、及び前記重合開始剤として前記熱分解性開始剤を含有する非着氷性組成物を、前記熱分解性重合開始剤の分解点以上の温度(好ましくは100〜150℃)において0.1〜2時間加熱せしめる方法が挙げられる。前記加熱時間及び温度としては前記非着氷性組成物の組成によって適宜調整することができる。
本発明の非着氷性重合物は、前記非着氷性組成物中の前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとを重合させてなる共重合体であるため、前記架橋性モノマーに由来する構成単位と前記ラジカル重合性モノマーに由来する構成単位とを含む網目状のポリマーであり、分子内にエステル結合構造(−COO−)を有する。前記架橋性モノマーに由来する構成単位と前記ラジカル重合性モノマーに由来する構成単位とは、ランダム及びブロックのいずれの形態をなしていてもよく、これらの混合であってもよい。また、前記非着氷性重合物としては、飽和であっても不飽和であってもよい。
このような非着氷性重合物としては、例えば、下記一般式(11):
[式(11)中、a11、b11、c11は、それぞれ独立に、鍵括弧([ ](以下同じ))で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*(アスタリスク(以下同じ))は、他の繰り返し単位との結合部位を示す。]
で表される繰り返し単位を含む化合物が挙げられる。ここで、前記式(11)において、繰り返し数がa11及びb11である各ユニットは前記架橋性モノマーに由来する構成単位を示し、繰り返し数がc11であるユニットは前記ラジカル重合性モノマーに由来する構成単位を示す。これらの各ユニットは、ランダム及びブロックのいずれの形態をなしていてもよく、式(11)に示される順で結合していなくともよく、ランダムな順で結合したものであってもよい。
本発明の非着氷性重合物としてはまた、例えば、下記一般式(12):
[式(12)中、a12、b12、c12は、それぞれ独立に、鍵括弧で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示す。]
で表される繰り返し単位を含む化合物;下記一般式(13):
[式(13)中、a13、b13、c13は、それぞれ独立に、鍵括弧で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示す。]
で表される繰り返し単位を含む化合物;下記一般式(14):
[式(14)中、a14、b14、c14、d14は、それぞれ独立に、鍵括弧で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示す。]
で表される繰り返し単位を含む化合物;下記一般式(15):
[式(15)中、a15、b15、c15は、それぞれ独立に、鍵括弧で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示す。]
で表される繰り返し単位を含む化合物;下記一般式(16):
[式(16)中、a16、b16、c16は、それぞれ独立に、鍵括弧で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示す。]
で表される繰り返し単位を含む化合物が挙げられる。前記式(12)〜(16)中、各ユニットは、それぞれ独立に、ランダム及びブロックのいずれの形態をなしていてもよく、各式に示される順で結合していなくともよく、ランダムな順で結合したものであってもよい。
本発明の非着氷性重合物においては、前記架橋性モノマーに由来する構成単位と前記ラジカル重合性モノマーに由来する構成単位との合計モルに対する前記架橋性モノマーに由来する構成単位の割合が2.5〜70モル%である(より好ましくは、2.5〜60モル%、5〜30モル%)。前記架橋性モノマーに由来する構成単位の割合が前記範囲内にあることにより、顕著な非着氷性が発揮される傾向にある。
また、本発明の非着氷性重合物において、エステル結合構造の含有率としては、特に優れた非着氷性が発揮される傾向にあるという観点から、非着氷性重合物中の各モノマーに由来する構成単位全体におけるエステル結合構造を含む構成単位の割合で2.5〜100モル%であることが好ましく、70〜100モル%であることがより好ましく、99〜100モル%であることが更に好ましい。
本発明の非着氷性組成物としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、前記架橋性モノマーに由来する構成単位及び前記ラジカル重合性モノマーに由来する構成単位以外の他の成分を更に含有していてもよい。前記他の成分としては、例えば、未反応原料、未反応重合開始剤、残存溶剤、有機顔料、無機顔料、重合反応に用いた金属触媒等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の非着氷性重合物がこれらの他の成分を更に含有する場合、その含有量(2種以上の混合物である場合には合計含有量)としては、同非着氷性重合物の全質量に対して5質量%以下であることが好ましい。
本発明の非着氷性重合物は、用途や被処理物の種類によって任意の形態の成形体とすることができる。前記成形体の形状、大きさ及び厚さ等は特に制限されず、その用途も特に制限されない。例えば、前記非着氷性組成物をコーティング剤として被処理物表面に塗布し、前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとを重合せしめることにより、前記非処理物表面に前記非着氷性重合物を含む塗膜を形成することができる。前記非処理物としては、特に制限されず、例えば、船舶、航空機、車両、道路、鉄道、道路標識、信号機等の着氷が予想される構造物が挙げられる。また、前記構造物の材質としても特に制限されず、例えば、ガラス、繊維、紙、木、皮革、毛皮、レンガ、セメント、金属、金属酸化物、陶、プラスチックが挙げられる。さらに、前記塗布の方法としても特に制限されず、従来公知の方法を採用することができ、例えば、スプレー塗布や刷毛で塗布する方法が挙げられる。
さらに、本発明の非着氷性重合物は、そのまま固体や粉末等として用いることによって、着氷が予想される前記構造物の材料とすることができる。また、本発明の非着氷性重合物は光の透過率が十分に高い(好ましくは、前記他の成分の含有量が1質量%以下である場合に、該非着氷性重合物からなる厚さ1.8mmの基板面に垂直に光を入射させたときの光透過率が94%以上)ため、用途によって任意の形態とした成形体をそのまま構造体やガラス等の透明性が必要とされる材料の代用材料として用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例で得られた基板における着氷力測定及び氷落下測定は、それぞれ以下の方法によりおこなった。
<着氷力測定>
先ず、氷作成用のステンレスリング(高さ:15mm、直径(内径):25.4mm)を基板表面に置き、−10℃で1時間冷却した後、前記ステンレスリング内に4℃の蒸留水を注いだ。これを更に1時間放置して前記蒸留水を凍結させ、前記基板表面に氷を凍着させた。次いで、北海道立総合研究機構工業試験場の着氷力測定装置を用い、温度:−10℃の条件で、前記ステンレスリングの側面から前記基板表面に平行な方向に荷重を負荷し、該基板表面と氷との界面が剥離する時の荷重を測定し、界面の面積(ステンレスリング内面積)あたりの荷重を着氷力(kgf/cm)とした。このとき、荷重が測定されなかったもの、すなわち前記着氷力測定装置の測定限界未満であったものは、「N.D.」とした。なお、前記着氷力測定装置の測定限界は、0.06kgf/cmであった。
<氷落下測定>
先ず、各基板を−10℃で1時間冷却した後、前記基板表面上に4℃の蒸留水を100μL滴下した。これを更に1時間放置して前記蒸留水を凍結させ、前記基板表面上に氷を凍着させた。次いで、温度を−10℃に保ったまま、前記氷が凍着した面が下面となるように基板を180℃回転させ、該氷が自重落下又は自重滑氷したものを「氷落下」と判定した。試験は10回行い、10回のうちで氷落下と判定された回数の割合((氷落下回数/10)*100)を非着氷再現率(%)とした。
(実施例1)
前記一般式(11)で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、先ず、室温(25℃程度(以下同じ))において、円柱型のガラス容器内で、A成分としてメタクリル酸ビニル0.56g(0.005モル)及びB成分としてメタクリル酸メチル2.44g(0.024モル)を均一になるまで混合した。次いで、熱分解性重合開始剤(過酸化ベンゾイル 50%ペースト(日新EM株式会社製))を過酸化ベンゾイル換算で75mg加えて反応組成物を得た。次いで、前記ガラス容器を120℃に熱したホットプレート上に置き、前記反応組成物を10〜20分間撹拌して不溶分を溶解させ、A成分及びB成分を全て重合させた。反応が終了して白煙が生じたときに、冷水で前記反応組成物の温度を室温まで下げ、表記化合物(共重合体)を含む基板状の成形体(高さ:3.65mm、直径:26.7mm)を得た。得られた基板は自然にガラス容器表面から離型した。得られた基板におけるA成分及びB成分の仕込み量(mol)を下記の表1に示す。また、前記仕込み量中(反応組成物中)のA成分及びB成分の合計モルに対するメタクリル酸ビニル(A)の含有率({A/(A+B)}×100、表中:「A/(A+B)[mol%]」、以下同様)を表1に併せて示す。
(実施例2)
前記一般式(12)で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、A成分としてメタクリル酸ビニル1.21g(0.011モル)、B成分としてメタクリル酸ヘキシル2.29g(0.013モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして表記化合物(共重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるA成分及びB成分の仕込み量及びメタクリル酸ビニル(A)の含有率を表1に示す。
(実施例3)
前記一般式(13)で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、A成分としてメタクリル酸ビニル0.19g(0.002モル)、B成分としてメタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル2.36g(0.014モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして表記化合物(共重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるA成分及びB成分の仕込み量及びメタクリル酸ビニル(A)の含有率を表1に示す。
(実施例4)
前記一般式(14)で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、A成分としてメタクリル酸ビニル1.21g(0.011モル)、B成分としてメタクリル酸ヘキシル0.88g(0.005モル)及びメタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル1.89g(0.011モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして表記化合物(共重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるA成分及びB成分の仕込み量及びメタクリル酸ビニル(A)の含有率を表1に示す。
(実施例5)
前記一般式(15)で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、先ず、室温において、円柱型のガラス容器内で、A成分としてメタクリル酸ビニル0.93g(0.008モル)及びB成分としてテレフタル酸ジアリル2.24g(0.009モル)を均一になるまで混合した。次いで、熱分解性重合開始剤(過酸化ベンゾイル 50%ペースト(日新EM株式会社製))を過酸化ベンゾイル換算で75mg加えて反応組成物を得た。次いで、前記ガラス容器を120℃に熱したホットプレート上に置き、前記反応組成物を10〜20分間撹拌して不溶分を溶解させた。次いで、温度を170℃にし、5時間かけてA成分及びB成分を全て重合させ、表記化合物(共重合体)を含む基板状の成形体(高さ:3.65mm、直径:26.7mm)を得た。得られた基板は自然にガラス容器表面から離型した。得られた基板におけるA成分及びB成分の仕込み量及びメタクリル酸ビニル(A)の含有率を表1に示す。
(実施例6)
前記一般式(16)で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、A成分としてアジピン酸ジビニル0.24g(0.0012モル)、B成分としてテレフタル酸ジアリル1.12g(0.005モル)を用いたこと以外は実施例5と同様にして表記化合物(共重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるA成分及びB成分の仕込み量及びアジピン酸ジビニル(A)の含有率を表1に示す。
(比較例1)
下記一般式(21):
[式(21)中、a21、b21は、それぞれ独立に、鍵括弧で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示し、各ユニットはランダム及びブロックのいずれの形態をなしていてもよい。]
で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、B成分を用いず、A成分としてメタクリル酸ビニル3.63g(0.032モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして表記化合物(単独重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるA成分の仕込み量及び含有率を表1に示す。
(比較例2)
下記一般式(22):
[式(22)中、a22、b22は、それぞれ独立に、鍵括弧で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示し、各ユニットはランダム及びブロックのいずれの形態をなしていてもよい。]
で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、B成分を用いず、A成分としてアジピン酸ジビニル1.18g(0.006モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして表記化合物(単独重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるA成分の仕込み量及び含有率を表1に示す。
(比較例3)
下記一般式(23):
[式(23)中、a23、b23は、それぞれ独立に、鍵括弧で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示し、各ユニットはランダム及びブロックのいずれの形態をなしていてもよい。]
で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、B成分を用いず、A成分としてヘキサジエン2.69g(0.032モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして表記化合物(単独重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるA成分の仕込み量及び含有率を表1に示す。
(比較例4)
下記一般式(24):
[式(24)中、a24は、鍵括弧で囲まれたユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示す。]
で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、A成分を用いず、B成分としてメタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル2.36g(0.014モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして表記化合物(単独重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるB成分の仕込み量及びA成分の含有率を表1に示す。
(比較例5)
下記一般式(25):
[式(25)中、a25、b25は、それぞれ独立に、鍵括弧で囲まれた各ユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示し、各ユニットはランダム及びブロックのいずれの形態をなしていてもよい。]
で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、A成分を用いず、B成分としてメタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル2.36g(0.014モル)及びメタクリル酸1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチル3.02g(0.007モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして表記化合物(共重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるB成分の仕込み量及びA成分の含有率を表1に示す。
(比較例6)
下記一般式(26):
[式(26)中、a26は、鍵括弧で囲まれたユニットの繰り返し数を示す1以上の整数であり、*は、他の繰り返し単位との結合部位を示す。]
で表される繰り返し単位を含む化合物を得た。すなわち、A成分を用いず、B成分としてテレフタル酸ジアリル3.36g(0.014モル)を用いたこと以外は実施例5と同様にして表記化合物(単独重合体)を含む基板状の成形体を得た。得られた基板におけるB成分の仕込み量及びA成分の含有率を表1に示す。
(比較例7)
先ず、5cm角に裁断した厚み2mmのPET板(アクリサンデー株式会社製)の一方の面上に、氷結防止スプレー(シリコーン系ポリマー、「UNIX(ユニックス)メルテックスプレー」)を同スプレーの説明書に記載の方法にしたがってスプレー塗布した。これを十分にドラフト内で乾燥させ、前記PET表面にシリコーン樹脂を含む塗膜が形成された基板を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜7で得られた基板において着氷力測定をおこなった結果を表2に示す。
(実施例7〜9、比較例8)
A成分及びB成分の仕込み量を表3に示す量としたこと以外は実施例3と同様にして式(13)で表される繰り返し単位を含む化合物を含む基板状の成形体を得た。
(比較例9)
A成分の仕込み量を表3に示す量としたこと以外は比較例1と同様にして式(21)で表される繰り返し単位を含む化合物を含む基板状の成形体を得た。
実施例3、7〜9、比較例4、8〜9で得られた基板において氷落下測定をおこなった結果を各基板におけるA成分及びB成分の仕込み量、A成分の含有率と併せて表3に示す。また、実施例3、7〜9、比較例4、8〜9で得られた基板におけるメタクリル酸ビニル(A)含有率と非着氷再現率との関係を図1に示す。
(実施例10〜14、比較例10)
A成分及びB成分の仕込み量を表4に示す量としたこと以外は実施例5と同様にして式(15)で表される繰り返し単位を含む化合物を含む基板状の成形体を得た。
(比較例11)
A成分の仕込み量を表4に示す量としたこと以外は比較例1と同様にして式(21)で表される繰り返し単位を含む化合物を含む基板状の成形体を得た。
実施例5、10〜14、比較例6、10〜11で得られた基板において氷落下測定をおこなった結果を各基板におけるA成分及びB成分の仕込み量、A成分の含有率と併せて表4に示す。また、実施例5、10〜14、比較例6、10〜11で得られた基板におけるメタクリル酸ビニル(A)含有率と非着氷再現率との関係を図2に示す。
(実施例15〜17、比較例13)
A成分及びB成分の仕込み量を表5に示す量としたこと以外は実施例6と同様にして式(16)で表される繰り返し単位を含む化合物を含む基板状の成形体を得た。
(比較例12)
B成分の仕込み量を表5に示す量としたこと以外は比較例6と同様にして式(26)で表される繰り返し単位を含む化合物を含む基板状の成形体を得た。
実施例6、15〜17、比較例2、12〜13で得られた基板において氷落下測定をおこなった結果を各基板におけるA成分及びB成分の仕込み量、A成分の含有率と併せて表5に示す。また、実施例6、15〜17、比較例2、12〜13で得られた基板におけるアジピン酸ジビニル(A)含有率と非着氷再現率との関係を図3に示す。
表2に示した結果から明らかなように、実施例1〜6の反応組成物(本発明の非着氷性組成物)を重合させてなる化合物を含む基板においては、着氷力がいずれも検出限界未満(N.D.)であり、著しく優れた非着氷性が発揮されることが確認された。さらに、表2〜5及び図1〜3に示した結果から明らかなように、前記基板においては、架橋性モノマー(A成分)とラジカル重合性モノマー(B成分)との仕込み量の割合が特定の範囲内にあると非着氷再現率が十分に高く、特に優れた非着氷性が発揮されることも確認された。なお、例えば、実施例7で得られた基板においては、基板表面と水滴との接触角(基板表面に蒸留水5μLを滴下してコンタクト・アングルメーター(協和界面科学社製)を用いて25℃で測定)が110°と特に撥水性が高いものではなかったが、上記のように優れた非着氷性が発揮され、該非着氷性は該基板表面の撥水性に起因するものではなく、同基板表面と氷とが接触している界面内において該表面への氷の付着自体が抑制されて発揮されるものであることも確認された。また、上記非着氷再現率は、基板表面上に水滴が付着することによって低下する場合もあったが、エアーダスターなどで乾燥した空気を基板に吹き付けることで十分に回復した。
また、例えば、実施例12で得られた基板は、比重が1.23g/cmであり、熱分析装置(TG−DTA、マック・サイエンス社製)を用いたガラス転移温度及び融点の測定によりこれらの存在は確認されず、同測定により重量減少の開始が確認されたのは120℃付近であった。また、前記基板は−20℃で1ヶ月間放置しても製造直後との間で外観や透明性に変化は観察されなかった。さらに、前記基板の厚さを1.8mmとし、該基板面に垂直に光を入射させたときの光透過率は94%以上であった。
以上、説明したように、本発明によれば、優れた非着氷性を有する非着氷性重合物、及びそれを得ることが可能な非着氷性組成物を提供することが可能となる。また、本発明の非着氷性重合物は光の透過性にも優れるため、着氷が予想される様々な構造物表面に塗布したり該構造物の代用材料として用いることができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1):
    [式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは、下記一般式(2):
    [式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。]
    で示される基、又は下記一般式(3):
    [式(3)中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。]
    で示される基を示す。]
    で表される架橋性モノマーと、前記架橋性モノマー以外のエステル化合物であり、前記架橋性モノマーとラジカル重合可能な官能基を有するラジカル重合性モノマーと、を含有しており、かつ、
    前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとの合計モルに対する前記架橋性モノマーの割合が2.5〜70モル%である、
    ことを特徴とする非着氷性組成物。
  2. 前記ラジカル重合性モノマーが、下記一般式(4):
    [式(4)中、Rはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。]
    で表される化合物、及びテレフタル酸ジアリルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の非着氷性組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の非着氷性組成物中の前記架橋性モノマーと前記ラジカル重合性モノマーとを重合させてなる共重合体であることを特徴とする非着氷性重合物。
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