JP2019018744A - 乗物用シートの製造方法、及び乗物用シート - Google Patents

乗物用シートの製造方法、及び乗物用シート Download PDF

Info

Publication number
JP2019018744A
JP2019018744A JP2017139931A JP2017139931A JP2019018744A JP 2019018744 A JP2019018744 A JP 2019018744A JP 2017139931 A JP2017139931 A JP 2017139931A JP 2017139931 A JP2017139931 A JP 2017139931A JP 2019018744 A JP2019018744 A JP 2019018744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recess
skin material
overlapping
enters
vehicle seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017139931A
Other languages
English (en)
Inventor
竜士 磯部
Ryuji Isobe
竜士 磯部
慎一朗 元田
Shinichiro Motoda
慎一朗 元田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TS Tech Co Ltd
Original Assignee
TS Tech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TS Tech Co Ltd filed Critical TS Tech Co Ltd
Priority to JP2017139931A priority Critical patent/JP2019018744A/ja
Priority to US16/039,437 priority patent/US10766387B2/en
Publication of JP2019018744A publication Critical patent/JP2019018744A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62JCYCLE SADDLES OR SEATS; AUXILIARY DEVICES OR ACCESSORIES SPECIALLY ADAPTED TO CYCLES AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, e.g. ARTICLE CARRIERS OR CYCLE PROTECTORS
    • B62J1/00Saddles or other seats for cycles; Arrangement thereof; Component parts
    • B62J1/12Box-shaped seats; Bench-type seats, e.g. dual or twin seats
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/58Seat coverings
    • B60N2/5891Seat coverings characterised by the manufacturing process; manufacturing seat coverings not otherwise provided for
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/58Seat coverings
    • B60N2/5816Seat coverings attachments thereof
    • B60N2/5825Seat coverings attachments thereof by hooks, staples, clips, snap fasteners or the like
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/58Seat coverings
    • B60N2/5816Seat coverings attachments thereof
    • B60N2/5866Seat coverings attachments thereof by thermal welding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62JCYCLE SADDLES OR SEATS; AUXILIARY DEVICES OR ACCESSORIES SPECIALLY ADAPTED TO CYCLES AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, e.g. ARTICLE CARRIERS OR CYCLE PROTECTORS
    • B62J1/00Saddles or other seats for cycles; Arrangement thereof; Component parts
    • B62J1/18Covers for saddles or other seats; Paddings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62JCYCLE SADDLES OR SEATS; AUXILIARY DEVICES OR ACCESSORIES SPECIALLY ADAPTED TO CYCLES AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, e.g. ARTICLE CARRIERS OR CYCLE PROTECTORS
    • B62J1/00Saddles or other seats for cycles; Arrangement thereof; Component parts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63BSHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING 
    • B63B29/00Accommodation for crew or passengers not otherwise provided for
    • B63B29/02Cabins or other living spaces; Construction or arrangement thereof
    • B63B29/04Furniture peculiar to vessels
    • B63B2029/043Seats; Arrangements thereof on vessels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63BSHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING 
    • B63B29/00Accommodation for crew or passengers not otherwise provided for
    • B63B29/02Cabins or other living spaces; Construction or arrangement thereof
    • B63B29/04Furniture peculiar to vessels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64DEQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
    • B64D11/00Passenger or crew accommodation; Flight-deck installations not otherwise provided for
    • B64D11/06Arrangements of seats, or adaptations or details specially adapted for aircraft seats
    • B64D11/0647Seats characterised by special upholstery or cushioning features

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】表皮材中の重ね部分をクッション材中の凹部に吊り込んで構成される乗物用シートの品質を向上させる。【解決手段】複数のクッション材片に分割されたクッション材を、2つの表皮材断片を重ねて構成された重ね部分を有する表皮材によって覆う際に、クッション材中の支持部と交差部との境界位置に形成された凹部内に、重ね部分を吊り込む。また、凹部内に入り込む重ね部分を構成する表皮材断片が次の条件(1)を満たす第一部分と、次の条件(2)を満たす第二部分と、を有する。(1)各表皮材断片の第一部分同士が、凹部の開口よりも凹部の奥側で互いに接するように溶着されており、且つ、各表皮材断片の第一部分中の一部が押し潰されていること。(2)各表皮材断片において第二部分が第一部分よりも凹部の開口に近い位置で第一部分と隣接し、第二部分の各々は、第二部分同士の間の隙間が第一部分に近付くほど小さくなるように離れていること。【選択図】図10

Description

本発明は、乗物用シートの製造方法、及び乗物用シートに係り、特に、2つの表皮材断片を重ねることで構成された重ね部分を有する表皮材によってクッション材が覆われている構成の乗物用シートの製造方法、及び、当該製造方法によって製造される乗物用シートに関する。
クッション材が表皮材によって覆われた乗物用シートにおいて、表皮材が、2つの表皮材断片を重ねることで構成された重ね部分を有する場合がある。換言すると、複数の表皮材断片の各々を接合して一つの表皮材を構成していることがある。
また、クッション材については、着座者の臀部を支持する支持部と、支持部と隣り合う位置で支持部と交差した交差部と、を備えていることがある。このようなクッション材を上記の表皮材で覆う際に、表皮材中の重ね部分が、クッション材において支持部と交差部との境界位置に形成された凹部に吊り込まれることがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の乗物用シート(具体的には二輪車用シート)では、表皮材中の重ね部分が凹部(具体的には長孔)に吊り込まれている。そして、上記の重ね部分は、ボトムプレートの裏側まで回り込んでタッカー等によってボトムプレートの裏面に固着されている。また、特許文献1では、凹部内に吊り込まれる重ね部分が、複数の表皮材断片同士を縫合やウェルダ溶着によって接合させることで構成されている。
特開2003−146272号公報
ここで、凹部内に吊り込まれる重ね部分については、最終的なシートの品質が向上するように構成される必要がある。具体的には、重ね部分を凹部に吊り込んだときの外観(見た目)を良好なものとしつつ、凹部内において重ね部分が吊り込まれた空間に雨水等が溜まり難くなっているのが望ましい。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、表皮材中の重ね部分をクッション材中の凹部に吊り込んで乗物用シートを製造する方法として、シート品質を向上させることが可能な乗物用シートの製造方法を提供することにある。
前記課題は、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、着座者の臀部を支持する支持部を有する第一クッション材片と、前記支持部と隣り合う位置で前記支持部と交差した交差部を有する第二クッション材片とに分割され、前記支持部と前記交差部との境界位置に凹部が形成されたクッション材を用意し、2つの表皮材断片を重ねることで構成された重ね部分を有する表皮材を用意し、前記重ね部分が前記凹部内に入り込むように、前記クッション材を前記表皮材によって覆い、前記凹部内に入り込む前記重ね部分を、該重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々が次の条件(1)を満たす第一部分と、次の条件(2)を満たす第二部分と、を有するように形成することにより解決される。
(1)前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分同士が、前記凹部の開口よりも前記凹部の奥側で互いに接するように溶着されており、且つ、前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分中の一部が押し潰されていること。
(2)前記2つの表皮材断片の各々において前記第二部分が前記第一部分よりも前記凹部の開口に近い位置で前記第一部分と隣接し、前記第二部分の各々は、前記第二部分同士の間の隙間が前記第一部分に近付くほど小さくなるように離れていること。
上記の方法によれば、表皮材において凹部内に入り込む重ね部分が、当該重ね部分を構成する2つの表皮材断片同士を溶着にて接合することで構成されている。また、上記の方法では、凹部内に入り込む重ね部分を構成する2つの表皮材断片の各々が、上記の条件(1)を満たす第一部分と、上記の条件(2)を満たす第二部分と、を有するようになる。すなわち、凹部内に入り込む重ね部分を構成する2つの表皮材断片は、一部分が押し潰れた第一部分にて溶着され、第一部分と隣接する第二部分では、第一部分に近付くほど表皮材断片間の隙間が小さくなるように離れる。
以上の手順を経て、上記2つの表皮材断片によって構成された重ね部分が凹部内に入り込むと、当該重ね部分が良好なものとなる(具体的には、凹部に入り込んだ重ね部分を構成する2つの表皮材断片の間の隙間が比較的幅狭となる)と共に、凹部内において重ね部分が入り込んだ空間に雨水等が溜まり難くなる。この結果、最終製品としての乗物用シートの品質が向上する。
また、上記の乗物用シートの製造方法において、前記凹部内に入り込む前記重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分が、前記凹部の深さ方向において前記凹部の中央よりも前記開口に近くなるように前記クッション材を前記表皮材によって覆うとよい。
上記の方法では、重ね部分が凹部内に入り込んだ際の位置が比較的浅くなる。これにより、重ね部分が凹部内の深部まで入り込む場合と比較して、表皮材の歩留まりを向上させることが可能となる。また、凹部内において重ね部分が入り込んだ空間に雨水等がより溜まり難くなる。
また、上記の乗物用シートの製造方法において、前記表皮材において前記凹部内に入り込む前記重ね部分の端部と隣り合う位置に配置された前記重ね部分を、該重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々が次の条件(3)を満たす第三部分を有するように形成するとよい。
(3)前記2つの表皮材断片の各々の前記第三部分同士が互いに接するように溶着されており、且つ、前記第三部分同士が接している箇所の際位置に前記第三部分の溶融物が形成されていること。
上記の方法では、表皮材において凹部内に入り込む重ね部分の端部と隣り合う位置に、上記の条件(3)を満たす第三部分を有する2つの表皮材断片によって構成された重ね部分が設けられる。これにより、表皮材において凹部内に入り込む重ね部分の両脇位置では、重ね部分の形成による凹凸の発生が抑えられ、且つ、当該重ね部分での強度が十分に確保されるようになる。
また、上記の乗物用シートの製造方法において、前記クッション材を基材の上に載置し、前記凹部内に入り込む前記重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片を、前記重ね部分が前記凹部内に入り込んだ状態において前記凹部の開口よりも前記基材に近い部位にて縫合するとよい。
上記の方法では、凹部に入り込んだ重ね部分のうち、凹部の深部により近い部分が縫合されているため、当該部分の強度を向上させることが可能となる。
また、上記の乗物用シートの製造方法において、前記凹部内に入り込む前記重ね部分は、前記乗物用シートの幅方向に沿って延出し、前記幅方向における前記重ね部分の端部が前記凹部内に入り込むように前記クッション材を前記表皮材によって覆うとよい。
上記の方法では、凹部内に入り込む重ね部分のうち、シート幅方向における端部が凹部内に入り込む。これにより、乗物用シートのうち、凹部に入り込む重ね部分の幅方向端部における外観がより良好なものとなる。
また、上記の乗物用シートの製造方法において、前記凹部内に入り込む前記重ね部分は、前記乗物用シートの幅方向に沿って延出し、前記幅方向において前記凹部内に入り込む前記重ね部分と同じ長さを有するように成形されたターポリンによって、前記凹部内に入り込む重ね部分を包むとよい。
上記の方法では、凹部内に入り込む重ね部分を、当該重ね部分と同じ長さを有するように成形されたターポリンによって包むことにより、当該重ね部分の強度をより向上させることが可能となる。また、ターポリンが重ね部分と同じ長さを有しているため、断片状のターポリンが断続的に重ね部分に取り付けられている場合と比較して、ターポリンの取り付け作業がより容易となる。
また、上記の乗物用シートの製造方法において、前記凹部内に入り込む前記重ね部分に、該重ね部分を吊り込むための線状部材を取り付け、前記線状部材を通すための穴が形成された前記ターポリンによって、前記凹部内に入り込む重ね部分を包むとよい。
上記の方法では、ターポリンに形成された穴に線状部材を通すため、線状部材を取り付けるためにターポリンを断片化する必要がない。このため、凹部内に入り込む重ね部分の強度をターポリンによって向上させる効果が、適切に発揮されるようになる。また、ターポリンによって強度が向上された重ね部分が凹部内に入り込むので、当該重ね部分周辺での皺の発生を抑制し、重ね部分が凹部内に適切に入り込むようになる。
また、上記の乗物用シートの製造方法において、前記凹部内に入り込む前記重ね部分は、前記乗物用シートの幅方向に沿って延出し、前記凹部内に入り込む前記重ね部分中、前記幅方向において互いに位置が異なる複数の部位が前記凹部内に吊り込まれるように前記クッション材を前記表皮材によって覆うとよい。
上記の方法では、重ね部分が凹部内に入り込む際、当該重ね部分中、シート幅方向における複数の部位が凹部内に吊り込まれる。これにより、重ね部分がバランスよく凹部内に入り込むようになり、結果として、シートの外観がより良好なものとなる。
また、上記の乗物用シートの製造方法において、前記凹部内に入り込む前記重ね部分が、前記凹部の奥側に入り込むほど後方且つ下方に向かうように前記クッション材を前記表皮材によって覆うとよい。
上記の方法では、凹部内に入り込む重ね部分が、凹部の奥側に入り込むほど後方且つ下方に向かうように凹部内に入り込む。このような態様でクッション材を表皮材によって覆えば、乗物の乗員が乗物用シートに着座したときに凹部周辺で表皮材の皺が発生し難くなる。
また、上記の乗物用シートの製造方法において、前記表皮材において前記凹部内に入り込む前記重ね部分の端部と交差するように配置された前記重ね部分を、該重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々が次の条件(4)を満たす第四部分と、次の条件(5)を満たす第五部分と、を有するように形成するとよい。
(4)前記2つの表皮材断片の各々の前記第四部分同士が互いに接するように溶着されており、且つ、前記2つの表皮材断片の各々の前記第四部分中の一部が押し潰されていること。
(5)前記2つの表皮材断片の各々において前記第五部分が前記第四部分と隣接し、前記第五部分の各々は、前記第五部分同士の間の隙間が前記第四部分に近付くほど小さくなるように離れていること。
上記の方法では、表皮材において凹部内に入り込む重ね部分の端部と交差する箇所に、上記の条件(4)を満たす第四部分と、上記の条件(5)を満たす第五部分と、を有する2つの表皮材断片によって構成された重ね部分が設けられる。これにより、凹部周辺において表皮材に掛かる応力を分散させると共に、凹部周辺での表皮材の皺の発生を抑制し、以てシートの外観がより良好なものとなる。
また、前述の課題は、本発明の乗物用シートによれば、着座者の臀部を支持する支持部を有する第一クッション材片と、前記支持部と隣り合う位置で前記支持部と交差した交差部を有する第二クッション材片とに分割され、前記支持部と前記交差部との境界位置に凹部が形成されたクッション材と、2つの表皮材断片を重ねることで構成された重ね部分を有する表皮材と、を備え、前記重ね部分が前記凹部内に入り込んだ状態で、前記クッション材が前記表皮材によって覆われており、前記凹部内に入り込んだ前記重ね部分は、該重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々が次の条件(1)を満たす第一部分と、次の条件(2)を満たす第二部分と、を有するように形成されていることにより解決される。
(1)前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分同士が、前記凹部の開口よりも前記凹部の奥側で互いに接しており、且つ、前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分中の一部が押し潰されていること。
(2)前記2つの表皮材断片の各々において前記第二部分が前記第一部分よりも前記凹部の開口に近い位置で前記第一部分と隣接し、前記第二部分の各々は、前記第二部分同士の間の隙間が前記第一部分に近付くほど小さくなるように離れていること。
上記のように構成された本発明の乗物用シートであれば、凹部内に入り込んだ重ね部分が良好なものとなる(具体的には、当該重ね部分を構成する2つの表皮材断片の間の隙間が比較的幅狭となる)と共に、凹部内において重ね部分が入り込んだ空間に雨水等が溜まり難くなる。この結果、最終製品としての乗物用シートの品質が向上する。
本発明の乗物用シートの製造方法によれば、凹部に入り込んだ表皮材の重ね部分が良好なものとなる(具体的には、当該重ね部分を構成する2つの表皮材断片の間の隙間が比較的幅狭となる)と共に、凹部内において重ね部分が入り込んだ空間に雨水等が溜まり難くなる。
また、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、重ね部分が凹部内に入り込んだ際の位置が比較的浅くなるため、表皮材の歩留まりが向上し、凹部内において重ね部分が入り込んだ空間に雨水等がより溜まり難くなる。
また、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、表皮材において凹部内に入り込む重ね部分の両脇位置において、重ね部分の形成による凹凸の発生が抑えられ、且つ、当該重ね部分での強度が十分に確保されるようになる。
また、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、凹部に入り込んだ重ね部分のうち、凹部の深部により近い部分が縫合されているため、当該部分の強度が向上する。
また、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、乗物用シートのうち、凹部に入り込む重ね部分の幅方向端部における外観がより良好なものとなる。
また、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、凹部内に入り込む重ね部分の強度を、当該重ね部分と同じ長さを有するように成形されたターポリンによって向上させることが可能となる。また、ターポリンの取り付け作業がより容易となる。
また、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、凹部内に入り込む重ね部分の強度をターポリンによって向上させる効果が適切に発揮される。また、凹部内に入り込む重ね部分周辺での皺の発生を抑制することが可能となる。
また、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、重ね部分がバランスよく凹部内に入り込むようになり、結果として、シートの外観がより良好なものとなる。
また、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、乗物の乗員が乗物用シートに着座したときに凹部周辺で表皮材の皺が発生し難くなるように、適切にクッション材を表皮材によって覆うことが可能となる。
また、本発明の乗物用シートの製造方法によれば、凹部周辺において表皮材に掛かる応力を分散させると共に、凹部周辺での表皮材の皺の発生をより効果的に抑制することが可能となる。
また、本発明の乗物用シートであれば、凹部内に入り込んだ表皮材の重ね部分が良好なものとなる(具体的には、凹部に入り込んだ重ね部分を構成する2つの表皮材断片の間の隙間が比較的幅狭となる)と共に、凹部内において重ね部分が入り込んだ空間に雨水等が溜まり難くなる。
本発明の一実施形態に係る乗物用シートの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る乗物用シートを上方から見た図である。 本発明の一実施形態に係る乗物用シートを裏側から見た図である。 図1のI−I断面を示す図である。 図4に図示された凹部内部の拡大図である。 表皮材を裏側から見た図である。 図6中、凹部に入り込む重ね部分の端部周辺を拡大して示した図である。 シート外観のうち、凹部に入り込む重ね部分の端部周辺を拡大して示した図である。 図1のJ−J断面を示す図である。 図1のK−K断面を示す図である。 本発明の一実施形態に係る乗物用シートの製造手順の流れを示す図である。 バリ止めウェルダ溶着の説明図である。 電線ウェルダ溶着の説明図である。 比較例を示す図である。 変形例に係るターポリンの取り付け構造を示す図である。
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)に係る乗物用シート及びその製造方法について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下では、自動二輪車用のシート(以下、二輪車用シートS)を乗物用シートの一例として挙げて説明する。ただし、本発明は、自動二輪車以外の乗物、例えば、自動三輪車、乗用車等の四輪車、あるいは船舶や航空機等に搭載された乗物用シートに対しても適用可能である。
以下の説明中、「前後方向」とは、二輪車用シートSの前後方向に相当し、自動二輪車の走行方向と一致する。また、「幅方向」とは、二輪車用シートSの幅方向(横幅方向)に相当し、二輪車用シートSに着座した乗員から見た左右方向と一致する。
なお、以下では、二輪車用シートSを構成する各パーツの位置や状態を説明する際、特に断る場合を除き、二輪車用シートSが搭載された自動二輪車が水平面上で直立している状態(左右に傾いていない状態)にあるケースを想定して説明することとする。
<<本実施形態に係る二輪車用シートの構成>>
本実施形態に係る二輪車用シートSの構成について、図1乃至図9を参照しながら説明する。図1は、二輪車用シートSの斜視図であり、図2は、二輪車用シートSを上方から見た図であり、図3は、二輪車用シートSを裏側から見た図である。なお、図3において、二輪車用シートSのボトムプレート10は、幾分簡略化して図示されている。
図4は、図1のI−I断面を示す図である。図5は、図4に図示された吊り込み凹部23内部の拡大図である。図6は、表皮材30を裏側から見た図であり、表皮材30の裏面中、後述する吊り込み用の重ね部分4a周辺を示す図である。図7は、図6に図示された吊り込み用の重ね部分4aの端部周辺を拡大して示した図である。図8は、シート外観のうち、吊り込み用の重ね部分4aの端部周辺を拡大して示した図である。図9は、図12のJ−J断面を示す図である。
本実施形態に係る二輪車用シートSは、跨座式のシートであって二人乗り用のシートである。すなわち、二輪車用シートSは、図1に示すように、前方座席1及び後方座席2を備えている。また、前方座席1及び後方座席2の間には段差3が形成されており、後方座席2は、段差3が形成された分、前方座席1よりも上方に位置している。
二輪車用シートSは、図4に示すように、ボトムプレート10の上面にクッション材20を載置し、クッション材20の表面を表皮材30によって覆うことで構成されている。以下、二輪車用シートSの各構成部品について、それぞれ説明する。
ボトムプレート10は、基材に相当し、例えばPP(ポリプロピレン)樹脂材料を用いて構成してよい。この場合に、PP樹脂材料は、ナノセルロースを含むようにする。これにより、ボトムプレート10の剛性及び強度を向上させ、ボトムプレート10を薄肉、軽量化することができる。また、ボトムプレート10を構成する樹脂材料がナノセルロースを含むことによって、リサイクル性を向上できる。
また、上記のナノセルロースを、脂環式炭化水素基を有するカルボン酸で変性することで、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の疎水性が高い熱可塑性樹脂中に均一に分散させることができる。その結果、変性ナノセルロースと樹脂との界面密着性が向上し、強度、弾性率、耐熱性に優れ、線熱膨張係数がアルミ合金並みに極めて低いという特徴を備える変性ナノセルロース−樹脂複合材料及び成型体を得ることが可能となる。このように変性ナノセルロースは、特に、従来の化学修飾されたセルロース繊維では補強し難いPPに対して高い補強効果(引張強度)及び弾性率を付与することが可能である。
また、上記のナノセルロースを含む樹脂組成物は、樹脂組成物中で、樹脂がラメラ層を形成し、該ラメラ層が変性ナノセルロースの繊維長の方向と異なる方向に積層してなるという規則的な構造を有するようにしてもよい。こうすることで、上記の樹脂組成物から成形される成形体の機械的強度を向上できる。
なお、ボトムプレート10の全体を、ナノセルロースを含む樹脂材料により構成してもよい。また、ボトムプレート10の一部、特に強度が必要な乗員座部周辺を、ナノセルロースを含む樹脂により構成してもよい。これにより、強度が必要な箇所について効果的に強度を確保することができる。
クッション材20は、ウレタン等のパッド材を所定形状に成形することで構成されている。また、クッション材20は、前後に二分割されている。具体的に説明すると、本実施形態に係るクッション材20は、図4に示すように、前方座席1を構成する第一クッション材片21と、後方座席2を構成する第二クッション材片22と、に分かれている。
第一クッション材片21は、その上部に、前方座席1に着座する乗員(着座者に相当)の臀部を支持する第一支持部21a(支持部に相当)を有する。同様に、第二クッション材片22は、その上部に、後方座席2に着座する乗員の臀部を支持する第二支持部22aを有する。また、第二クッション材片22は、その前端部に、段差状の立ち上がり部22bを有する。この立ち上がり部22bは、二輪車用シートSにおいて段差3を形成する部分であり、第一クッション材片21の第一支持部21aと隣り合う位置で当該第一支持部21aと交差した交差部に相当する。
また、クッション材20において第一クッション材片21と第二クッション材片22との間、厳密には第一支持部21aと立ち上がり部22bとの境界位置には、凹部としての吊り込み凹部23が形成されている。この吊り込み凹部23は、クッション材20を上方から見たときに緩やかなカーブをなすように湾曲しており、詳しくは、幅方向中央に向かうほど後方に近付くように湾曲している。
表皮材30は、図6に示すように複数のピース(表皮材断片31)によって構成されている。具体的に説明すると、表皮材30は、互いに隣り合う2つの表皮材断片31の外縁部同士を重ね合わせて接合させることで構成されている。これにより、表皮材30の各部には、線状に延出した重ね部分4が形成されている。ここで、重ね部分4とは、表皮材30において、2つの表皮材断片31が互いに向かい合っている部分を意味し、2つの表皮材断片31同士が接合している部分、及び、2つの表皮材断片31同士がV字状またはU字状に交差している部分を含む。
表皮材30のうち、前方座席1を構成する部分に着目すると、図2に示すように、吊り込み凹部23と対向する位置(すなわち、前方座席1の後端と段差3との境界位置)には、幅方向に沿って延出した重ね部分4(以下、吊り込み用の重ね部分4a)が設けられている。クッション材20を表皮材30によって覆う際、吊り込み用の重ね部分4aは、吊り込み凹部23内に入り込む(吊り込まれる)。つまり、吊り込み用の重ね部分4aは、吊り込み凹部23内に入り込む重ね部分4に相当する。
また、幅方向において吊り込み用の重ね部分4aの両脇位置には、図8に示すように、幅方向に沿って二輪車用シートSの側端まで延出した重ね部分4(以下、両側の重ね部分4b)が設けられている。
また、図8に示すように、吊り込み用の重ね部分4aにおける幅方向端部からは、当該端部と交差するように前方に向かって延出した重ね部分4(以下、前方延出の重ね部分4c)が設けられている。
また、図1に示すように、表皮材30のうち、後方座席2を構成する部分にも重ね部分4が形成されている。なお、重ね部分4のうちの一部に沿って、当該重ね部分4を構成する2つの表皮材断片31が縫合された際の縫合ラインL(図1中、破線にて図示)が形成されている。表皮材30の裏面中、重ね部分4に沿って縫合ラインLが形成された部分の所定領域(例えば、乗員が着座する箇所)には、図6に示すように、縫合ラインLに沿って防水テープ6が貼り付けられている。
本実施形態において、各重ね部分4は、重なり合う2つの表皮材断片31の外縁部を溶着して接合させることで形成されている。表皮材断片31は、ポリ塩化ビニル(PVC)製の人工皮革等、溶着に適した皮革材料からなる。また、重ね部分4のうち、吊り込み用の重ね部分4aは、重なり合う2つの表皮材断片31に対して後述のバリ止めウェルダ溶着を施すことで構成されている。これに対して、両側の重ね部分4b、及び前方延出の重ね部分4cは、いずれも、重なり合う2つの表皮材断片31に対して後述の電線ウェルダ溶着を施すことで構成されている。
以上のように構成された表皮材30によって、前述のクッション材20が覆われる。このとき、吊り込み用の重ね部分4aが吊り込み凹部23に入り込む。より詳しく説明すると、吊り込み用の重ね部分4aには、図4及び図5に示すように、線状部材としての吊り込み紐5が取り付けられている。この吊り込み紐5は、無端状(具体的には環状)に結ばれている。
そして、吊り込み用の重ね部分4aは、吊り込み凹部23の開口23aから吊り込み凹部23内に入り込み、吊り込み用の重ね部分4aに取り付けられた吊り込み紐5が吊り込み凹部23内に吊り込まれる。吊り込み紐5の端部に形成されたループ部5aは、吊り込み凹部23の底を通過し、図3及び図4に示すように、ボトムプレート10に形成された貫通孔11を通じてボトムプレート10の裏面(下面)まで回り込む。ループ部5aは、図4に示すように、貫通孔11付近に形成された爪状突起12に係止され、さらにタッカーによってボトムプレート10の裏面に固定されている。
また、本実施形態では、図6に示すように、吊り込み用の重ね部分4a中、幅方向において互いに異なる部位に複数の吊り込み紐5(具体的には、4つの吊り込み紐5)が取り付けられている。複数の吊り込み紐5は、二輪車用シートSの幅方向中央位置を境として左右対称に取り付けられている。そして、これら複数の吊り込み紐5により、吊り込み用の重ね部分4a中、幅方向において互いに位置が異なる複数の部位(すなわち、4か所の部位)が左右対称に吊り込み凹部23内に吊り込まれている。かかる状態でクッション材20が表皮材30によって覆われている。このような構成であれば、吊り込み用の重ね部分4aがバランスよく吊り込み凹部23内に入り込み、結果として、シート外観がより良好なものとなる。
なお、吊り込み紐5の数や位置については、特に限定されるものではなく、吊り込み用の重ね部分4aを吊り込むのに適していれば自由に設定することが可能である。
また、本実施形態において、複数の吊り込み紐5のうち、幅方向において最も外側に位置する吊り込み紐5は、吊り込み用の重ね部分4aの幅方向両端部に取り付けられている。つまり、本実施形態では、吊り込み用の重ね部分4aにおける幅方向両端部が吊り込み凹部23に入り込んでいる。かかる状態でクッション材20が表皮材30によって覆われている。このような構成であれば、シート外観、特に吊り込み用の重ね部分4aにおける幅方向端部の外観がより良好なものとなる。
また、本実施形態において、吊り込み紐5は、布材であるターポリン7を介して吊り込み用の重ね部分4aに取り付けられている。より具体的に説明すると、図5及び図6に示すように、吊り込み用の重ね部分4aの末端部(吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31が接合している部分)が、ターポリン7によって包まれている。ここで、ターポリン7は、幅方向において吊り込み用の重ね部分4aと同じ長さを有するように成形されている。つまり、吊り込み用の重ね部分4aの末端部は、図6に示すように、幅方向一端(左端)から他端(右端)に亘ってターポリン7に包まれている。
また、ターポリン7には、図7に図示したスリット穴7aが幅方向において一定間隔毎に複数(具体的には4つ)形成されている。複数のスリット穴7aの各々は、吊り込み紐5を通すために形成された穴(スリット)であり、各スリット穴7aに吊り込み紐5が一つずつ通されている。スリット穴7aに通された各吊り込み紐5は、ターポリン7中、スリット穴7a間に位置する部分に係止されている。これにより、吊り込み紐5は、ターポリン7を介して吊り込み用の重ね部分4aに取り付けられている。
上記のように吊り込み用の重ね部分4aの末端部がターポリン7に包まれることで、吊り込み用の重ね部分4aの強度が向上することになる。これにより、吊り込み用の重ね部分4aを吊り込み凹部23内に吊り込む際には、当該吊り込み用の重ね部分4a周辺での皺の発生が抑制される。結果として、吊り込み用の重ね部分4aは、吊り込み凹部23内に適切に入り込むようになる。このような効果は、円弧状に湾曲している吊り込み凹部23内に吊り込み用の重ね部分4aを吊り込む場合に特に有効である。
なお、ターポリン7自体は、縫製及び溶着によって吊り込み用の重ね部分4aに固定されている。つまり、吊り込み用の重ね部分4aにターポリン7を固定させるために縫製部4L及び溶着部4Mが形成されている。溶着部4Mは、ターポリン7が吊り込み用の重ね部分4aにウェルダ溶着された箇所である。なお、ターポリン7のうち、溶着部4Mに位置する部分は、ウェルダ溶着の際に溶着器が押し当てられて凹んでいる。
縫製部4Lは、ターポリン7を吊り込み用の重ね部分4aに縫合するために形成された部分である。この縫製部4Lが形成されることで、吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31同士も縫合(接合)されている。これにより、吊り込み用の重ね部分4aの末端部の強度(接合強度)が、より高められている。なお、ターポリン7に形成されたスリット穴7aは、縫製部4Lに掛からない位置に形成されている。
また、吊り込み用の重ね部分4aが吊り込み凹部23に入り込んだ状態において、縫製部4Lは、図5に示すように、吊り込み用の重ね部分4a中、吊り込み凹部23の開口23aよりもボトムプレート10に近い部位に在る。つまり、本実施形態では、吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31を、吊り込み用の重ね部分4aが吊り込み凹部23内に入り込んだ状態において吊り込み凹部23の開口23aよりもボトムプレート10に近い部位にて縫合している。これにより、吊り込み用の重ね部分4aのうち、吊り込み凹部23の深部により近い部分の強度が向上することになる。
また、本実施形態では、図4に示すように、吊り込み凹部23内に入り込む重ね部分4が、吊り込み凹部23の奥側に入り込むほど後方且つ下方に向かっている。より具体的には、吊り込み用の重ね部分4aは、略45度斜め下方に傾きながら後方に向かって吊り込み凹部23内に入り込んでいる。かかる状態でクッション材20が表皮材30によって覆われている。このような構成であれば、乗員が二輪車用シートSの前方座席1に着座したとしても、吊り込み凹部23周辺で表皮材30の皺が発生し難くなる。
また、本実施形態では、図5に示すように、吊り込み用の重ね部分4aが吊り込み凹部23内に入り込む際の位置が比較的浅い位置となっている。より詳しく説明すると、吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31の各々の、互いに溶着されて接合している部分(具体的には、後述する第一部分32)が、吊り込み凹部23の深さ方向において吊り込み凹部23の中央よりも開口23aに近い位置に配置されている。かかる状態でクッション材20が表皮材30によって覆われている。このような構成であれば、吊り込み用の重ね部分4aが吊り込み凹部23内の深部まで入り込む場合と比較して、表皮材30の歩留まりがより高くなる。また、上記の構成であれば、吊り込み凹部23内において吊り込み用の重ね部分4aが入り込んだ空間に雨水等がより溜まり難くなる。この結果、二輪車用シートSの前方座席1に着座した乗員の衣類(特に、ズボン)が濡れるのを効果的に抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、吊り込み用の重ね部分4aが、上記のように吊り込み凹部23内に浅く吊り込む上で好適な態様で形成されている。具体的に説明すると、吊り込み用の重ね部分4aは、当該吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31の各々が次の条件(1)を満たす第一部分32と、次の条件(2)を満たす第二部分33と、を有するように形成されている。
(1)2つの表皮材断片31の各々の第一部分32同士が、吊り込み凹部23の開口23aよりも吊り込み凹部23の奥側で互いに接しており、且つ、2つの表皮材断片31の各々の第一部分32中の一部が押し潰されていること。
(2)2つの表皮材断片31の各々において第二部分33が第一部分32よりも吊り込み凹部23の開口23aに近い位置で第一部分32と隣接し、第二部分33の各々は、第二部分33同士の間の隙間が第一部分32に近付くほど小さくなるように離れていること。
上記の条件(1)について説明すると、第一部分32は、吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31の各々において、ウェルダ溶着(厳密には、後述するバリ止めウェルダ溶着)によって接合される部分であり、吊り込み用の重ね部分4aの末端部をなす。第一部分32中、ウェルダ溶着の際に溶着器が押し当てられた部分は、押し潰されている。
そして、吊り込み用の重ね部分4aを吊り込み凹部23に吊り込むと、互いに接合された第一部分32が、図5に示すように吊り込み凹部23内に入り込む。
上記の条件(2)について説明すると、第二部分33は、吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31の各々において、互いに離れており、且つV字状に交差している部分である。吊り込み用の重ね部分4aを吊り込み凹部23に吊り込むと、互いにV字状に交差した第二部分33が、図5に示すように吊り込み凹部23の開口23a付近に配置される。このとき、第二部分33同士の隙間のうち、開いている側の隙間は、比較的幅狭となっている。
以上のような第一部分32及び第二部分33が、吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31の各々に設けられていることで、シート外観を良好なものとしつつ、吊り込み凹部23内に雨水等を溜め難くすることが可能となる。より詳しく説明すると、前述の通り、吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31において吊り込み凹部23の開口23a周辺に配置される第二部分33は、V字状に交差している。また、第二部分33同士の隙間のうち、開いている側の隙間は、比較的幅狭となっている。このため、吊り込み用の重ね部分4aを吊り込み凹部23内に浅く吊り込んだとしても、その吊り込みラインの外観を良好なものとすることが可能となる。また、吊り込み用の重ね部分4aを吊り込み凹部23内に浅く吊り込むことにより、吊り込み凹部23内において吊り込み用の重ね部分4aが入り込んだ空間に雨水等がより溜まり難くなる。
また、表皮材30において、幅方向において吊り込み用の重ね部分4aの両脇位置には、幅方向に沿って延出した重ね部分4(すなわち、両側の重ね部分4b)が設けられている。両側の重ね部分4bの各々は、これを構成する2つの表皮材断片31の各々が次の条件(3)を満たす第三部分34を有するように形成されている。
(3)2つの表皮材断片31の各々の第三部分34が互いに接するように溶着されており、かつ、第三部分34同士が接している箇所の際位置に第三部分34の溶融物34aが形成されていること。
上記の条件(3)について説明すると、第三部分34は、両側の重ね部分4bのそれぞれを構成する2つの表皮材断片31の各々において、ウェルダ溶着(厳密には、後述する電線ウェルダ溶着)によって接合される部分である。なお、一方の第三部分34は、図9Aに示すようにU字状に折り返されており、折り返された部分と、もう一方の第三部分34とが接合されている。また、U字状に折り返された第三部分34の折り曲げ部分と、もう一方の第三部分34との間には当初、V字状の空隙が空いていたが、電線ウェルダ溶着によって第三部分34同士が接合されることで、当該V字状の空隙内に第三部分34の溶融物34aが生じる。
以上のような第三部分34が、両側の重ね部分4bのそれぞれを構成する2つの表皮材断片31の各々に設けられていることで、両側の重ね部分4bの形成による凹凸の発生を抑えつつ、両側の重ね部分4bにおける強度を十分に確保することが可能となる。また、吊り込み用の重ね部分4aの両脇位置に両側の重ね部分4bが設けられていることで、吊り込み用の重ね部分4aの両脇位置での強度が確保されることになる。
また、表皮材30において、吊り込み用の重ね部分4aにおける幅方向端部からは、当該端部と交差するように前方に向かって延出した重ね部分4(すなわち、前方延出の重ね部分4c)が設けられている。前方延出の重ね部分4cは、これを構成する2つの表皮材断片31の各々が次の条件(4)を満たす第四部分35と、次の条件(5)を満たす第五部分36と、を有するように形成されている。
(4)2つの表皮材断片31の各々の第四部分35同士が互いに接するように溶着されており、且つ、2つの表皮材断片31の各々の第四部分35中の一部が押し潰されていること。
(5)2つの表皮材断片31の各々において第五部分36が第四部分35と隣接し、第五部分36の各々は、第五部分36同士の間の隙間が第四部分35に近付くほど小さくなるように離れていること。
上記の条件(4)は、上述した条件(1)と略同様である。すなわち、第四部分35同士は、ウェルダ溶着(厳密には、後述するバリ止めウェルダ溶着)によって接合されている。より具体的には、図9Bに示すように、U字状に折り返された一方の第四部分35の、折り返された部分と、もう一方の第四部分35とが接合されている。なお、第四部分35中、ウェルダ溶着の際に溶着器が押し上げられた部分は、押し潰されている。
上記の条件(5)は、上述した条件(2)と略同様である。第五部分36は、前方延出の重ね部分4cを構成する2つの表皮材断片31の各々において第四部分35と隣接している部分である。第五部分36同士は、互いに離れており、且つV字状に交差している。
以上のような第四部分35及び第五部分36が、前方延出の重ね部分4cを構成する2つの表皮材断片31の各々に設けられていることで、前方延出の重ね部分4cと交差する吊り込み用の重ね部分4aが吊り込み凹部23に吊り込まれる際に表皮材30(特に、吊り込み用の重ね部分4a付近)に掛かる応力を分散させることが可能となる。また、吊り込みライン周辺での表皮材30の皺の発生を抑制することが可能となり、以てシート外観がより良好なものとなる。
<<本実施形態に係る二輪車用シートの製造方法>>
次に、上述した二輪車用シートSの製造方法について図10乃至図13を参照しながら説明する。図10は、二輪車用シートSの製造手順の流れを示す図である。図11は、バリ止めウェルダ溶着の説明図である。図12は、電線ウェルダ溶着の説明図である。図13は、比較例を示す図であり、より詳しくは、吊り込み用の重ね部分4aを電線ウェルダ溶着によって形成した場合の吊り込みラインの断面構造を示している。
二輪車用シートSの製造工程は、図10に図示の手順に従って進行する。具体的に説明すると、ボトムプレート10及びクッション材20を用意し(S001)、ボトムプレート10上にクッション材20を載置する(S002)。その後、複数の表皮材断片31の外縁部同士を重ねてウェルダ溶着することで重ね部分4が形成された表皮材30を用意し(S003)、ボトムプレート10上に載せたクッション材20の表面を表皮材30によって覆う(S004)。このとき、吊り込み用の重ね部分4aをクッション材20の吊り込み凹部23内に吊り込む(S011)。すなわち、吊り込み用の重ね部分4aが吊り込み凹部23内に入り込むようにクッション材20を表皮材30によって覆う。
ここで、重ね部分4を構成する2つの表皮材断片31を溶着する方法について説明すると、重ね部分4のうち、吊り込み用の重ね部分4aについては、図11に図示のバリ止めウェルダ溶着が利用される。バリ止めウェルダ溶着は、吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31において接合される部分(すなわち、第一部分32)を上下一対の溶着型41、42の間に挟み込んで溶着する。さらに、バリ止めウェルダ溶着では、図11に示すように、2つの表皮材断片31の各々において溶着型41、42の間に挟み込まれる箇所と隣接する部分(すなわち、第二部分33)にバリ止め用の押さえ具43が押し当てられる。これにより、上述した条件(1)を満たす第一部分32と、上述した条件(2)を満たす第二部分33と、をそれぞれ有する2つの表皮材断片31によって、吊り込み用の重ね部分4aが構成される。
重ね部分4のうち、両側の重ね部分4bについては、図12に図示の電線ウェルダ溶着が利用される。電線ウェルダ溶着は、両側の重ね部分4bを構成する2つの表皮材断片31において接合される部分(すなわち、第三部分34)を上下一対の溶着型41、42の間に挟み込んで溶着する。さらに、電線ウェルダ溶着では、図12に示すように、2つの表皮材断片31において接合される部分の際位置に溶着電線44が押し当てられる。これにより、上述した条件(3)を満たす第三部分34をそれぞれ有する2つの表皮材断片31によって、両側の重ね部分4bが構成される。
重ね部分4のうち、前方延出の重ね部分4cについては、図11に図示のバリ止めウェルダ溶着が利用される。つまり、前方延出の重ね部分4cを構成する2つの表皮材断片31において接合される部分(すなわち、第四部分35)を上下一対の溶着型41、42の間に挟み込んで溶着する。さらに、2つの表皮材断片31の各々において溶着型41、42の間に挟み込まれる箇所と隣接する部分(すなわち、第五部分36)にバリ止め用の押さえ具43が押し当てられる。これにより、上述した条件(4)を満たす第四部分35と、上述した条件(5)を満たす第五部分36と、をそれぞれ有する2つの表皮材断片31によって、前方延出の重ね部分4cが構成される。
ところで、吊り込み用の重ね部分4aを形成するにあたり、バリ止めウェルダ溶着ではなく、電線ウェルダ溶着を利用した場合、吊り込み用の重ね部分4aを構成する2つの表皮材断片31において接合される部分(第一部分32に相当する部分)の際位置に溶融物が形成されるようになる。この場合、2つの表皮材断片31において接合される部分と隣接する位置に在る部分(第二部分33に相当する部分)は、比較的幅広な間隔を隔てて離間するようになる。
上記のように表皮材断片31同士の間の隙間が比較的幅広となった状態(以下、「口開き状態」という)で形成された吊り込み用の重ね部分4aを吊り込み凹部23内に吊り込む場合、その吊り込み位置が浅いと、口開き状態にある吊り込み用の重ね部分4aがそのまま見えてしまう(露出してしまう)。このため、口開き状態にある吊り込み用の重ね部分4aについては、シート外観を良好にする理由から、図13に示すように吊り込み凹部23の深部まで吊り込み用の重ね部分4aを吊り込む形になる。しかし、吊り込み用の重ね部分4aを深く吊り込むと、吊り込み凹部23内において吊り込み用の重ね部分4aが入り込む空間が大きくなってしまう。この結果、吊り込み凹部23内に雨水等が溜まり易くなってしまう。
これに対して、本実施形態では、バリ止めウェルダ溶着によって吊り込み用の重ね部分4aを形成する。この場合には、表皮材断片31同士の間の隙間が比較的幅狭となった状態で吊り込み用の重ね部分4aが形成されることになる。このように構成された吊り込み用の重ね部分4aであれば、シート外観を良好にする上で吊り込み凹部23の深部まで吊り込む必要がなく、その吊り込み位置を比較的浅く設定することが可能である。この結果、吊り込み凹部23内において吊り込み用の重ね部分4aが入り込む空間に雨水等を溜め難くすることが可能となる。
二輪車用シートSの製造工程の説明に戻ると、吊り込み用の重ね部分4aを吊り込み凹部23内に吊り込む際には、ターポリン7を介して吊り込み用の重ね部分4aの各部に取り付けられた複数の吊り込み紐5の各々を吊り込む。これにより、幅方向における吊り込み用の重ね部分4aの中央部及び両端部が吊り込み凹部23内に入り込み、バランスよく吊り込まれるようになる。
また、各吊り込み紐5は、吊り込み凹部23の深部に向かう程、後方且つ下方に向かうように吊り込まれる。すなわち、本実施形態において、吊り込み用の重ね部分4aは、吊り込み凹部23の奥側に入り込むほど後方且つ下方に向かうように吊り込まれる。
そして、吊り込み凹部23を通ってボトムプレート10の裏側に至った吊り込み紐5は、その下端部に形成されたループ部5aがボトムプレート10の爪状突起12に引っ掛けられた後、タッカーによってボトムプレート10に固定される(S012)。
以上までに説明してきた手順を経て、最終的に本実施形態に係る二輪車用シートSが完成する。
<<その他の実施形態>>
以上までに本発明の乗物用シート及びその製造方法について、一例を挙げて説明してきた。ただし、上記の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、他の実施形態も考えられる。例えば、上記の実施形態では、吊り込み用の重ね部分4aの末端部を包むターポリン7が一枚のシートであり、幅方向において吊り込み用の重ね部分4aと同じ長さを有することとした。ただし、これに限定されるものではなく、図14に示すように、断片化された輪状のターポリン7xが幅方向において互いに離れた箇所に複数設けられていてもよい。図14は、変形例に係るターポリン7xの取り付け構造を示す図である。同図に示すように複数のターポリン7xが幅方向において互いに離れた位置で吊り込み用の重ね部分4aに取り付けられ、各ターポリン7xに吊り込み紐5が引っ掛けられている。ただし、上記の実施形態のように一枚のターポリン7が吊り込み用の重ね部分4aの幅方向一端から他端まで連続していれば、ターポリン7の取り付け作業がより容易となる。また、一枚の連続したターポリン7の方が、ターポリン7に包まれる吊り込み用の重ね部分4aの強度(引張強度)をより効果的に向上させることが可能となる。かかる点においては、上記の実施形態の方が望ましい。
また、上記の実施形態では、強度確保の理由により、吊り込み用の重ね部分4aの両脇位置に、電線ウェルダ溶着によって形成された重ね部分4(すなわち、両側の重ね部分4b)を設けることとした。また、吊り込み用の重ね部分4aの幅方向端部と交差する位置に、バリ止めウェルダ溶着によって形成された重ね部分4(すなわち、前方延出の重ね部分4c)を設けることとした。ただし、これに限定されるものではなく、両側の重ね部分4bや前方延出の重ね部分4cが設けられていなくてもよい。
1 前方座席
2 後方座席
3 段差
4 重ね部分
4a 吊り込み用の重ね部分
4b 両側の重ね部分
4c 前方延出の重ね部分
4L 縫製部
4M 溶着部
5 吊り込み紐(線状部材)
5a ループ部
6 防水テープ
7 ターポリン
7a スリット穴(穴)
7x ターポリン
10 ボトムプレート(基材)
11 貫通孔
12 爪状突起
20 クッション材
21 第一クッション材片
21a 第一支持部(支持部)
22 第二クッション材片
22a 第二支持部
22b 立ち上がり部(交差部)
23 吊り込み凹部(凹部)
23a 開口
30 表皮材
31 表皮材断片
32 第一部分
33 第二部分
34 第三部分
34a 溶融物
35 第四部分
36 第五部分
41 溶着型
42 溶着型
43 押さえ具
44 溶着電線
L 縫合ライン
S 二輪車用シート(乗物用シート)

Claims (11)

  1. 着座者の臀部を支持する支持部を有する第一クッション材片と、前記支持部と隣り合う位置で前記支持部と交差した交差部を有する第二クッション材片とに分割され、前記支持部と前記交差部との境界位置に凹部が形成されたクッション材を用意し、
    2つの表皮材断片を重ねることで構成された重ね部分を有する表皮材を用意し、
    前記重ね部分が前記凹部内に入り込むように、前記クッション材を前記表皮材によって覆い、
    前記凹部内に入り込む前記重ね部分を、該重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々が次の条件(1)を満たす第一部分と、次の条件(2)を満たす第二部分と、を有するように形成することを特徴とする乗物用シートの製造方法。
    (1)前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分同士が、前記凹部の開口よりも前記凹部の奥側で互いに接するように溶着されており、且つ、前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分中の一部が押し潰されていること。
    (2)前記2つの表皮材断片の各々において前記第二部分が前記第一部分よりも前記凹部の開口に近い位置で前記第一部分と隣接し、前記第二部分の各々は、前記第二部分同士の間の隙間が前記第一部分に近付くほど小さくなるように離れていること。
  2. 前記凹部内に入り込む前記重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分が、前記凹部の深さ方向において前記凹部の中央よりも前記開口に近くなるように前記クッション材を前記表皮材によって覆うことを特徴とする請求項1に記載の乗物用シートの製造方法。
  3. 前記表皮材において前記凹部内に入り込む前記重ね部分の端部と隣り合う位置に配置された前記重ね部分を、該重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々が次の条件(3)を満たす第三部分を有するように形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の乗物用シートの製造方法。
    (3)前記2つの表皮材断片の各々の前記第三部分同士が互いに接するように溶着されており、且つ、前記第三部分同士が接している箇所の際位置に前記第三部分の溶融物が形成されていること。
  4. 前記クッション材を基材の上に載置し、
    前記凹部内に入り込む前記重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片を、前記重ね部分が前記凹部内に入り込んだ状態において前記凹部の開口よりも前記基材に近い部位にて縫合することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乗物用シートの製造方法。
  5. 前記凹部内に入り込む前記重ね部分は、前記乗物用シートの幅方向に沿って延出し、
    前記幅方向における前記重ね部分の端部が前記凹部内に入り込むように前記クッション材を前記表皮材によって覆うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の乗物用シートの製造方法。
  6. 前記凹部内に入り込む前記重ね部分は、前記乗物用シートの幅方向に沿って延出し、
    前記幅方向において前記凹部内に入り込む前記重ね部分と同じ長さを有するように成形されたターポリンによって、前記凹部内に入り込む重ね部分を包むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の乗物用シートの製造方法。
  7. 前記凹部内に入り込む前記重ね部分に、該重ね部分を吊り込むための線状部材を取り付け、
    前記線状部材を通すための穴が形成された前記ターポリンによって、前記凹部内に入り込む重ね部分を包むことを特徴とする請求項6に記載の乗物用シートの製造方法。
  8. 前記凹部内に入り込む前記重ね部分は、前記乗物用シートの幅方向に沿って延出し、
    前記凹部内に入り込む前記重ね部分中、前記幅方向において互いに位置が異なる複数の部位が前記凹部内に吊り込まれるように前記クッション材を前記表皮材によって覆うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の乗物用シートの製造方法。
  9. 前記凹部内に入り込む前記重ね部分が、前記凹部の奥側に入り込むほど後方且つ下方に向かうように前記クッション材を前記表皮材によって覆うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の乗物用シートの製造方法。
  10. 前記表皮材において前記凹部内に入り込む前記重ね部分の端部と交差するように配置された前記重ね部分を、該重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々が次の条件(4)を満たす第四部分と、次の条件(5)を満たす第五部分と、を有するように形成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の乗物用シートの製造方法。
    (4)前記2つの表皮材断片の各々の前記第四部分同士が互いに接するように溶着されており、且つ、前記2つの表皮材断片の各々の前記第四部分中の一部が押し潰されていること。
    (5)前記2つの表皮材断片の各々において前記第五部分が前記第四部分と隣接し、前記第五部分の各々は、前記第五部分同士の間の隙間が前記第四部分に近付くほど小さくなるように離れていること。
  11. 着座者の臀部を支持する支持部を有する第一クッション材片と、前記支持部と隣り合う位置で前記支持部と交差した交差部を有する第二クッション材片とに分割され、前記支持部と前記交差部との境界位置に凹部が形成されたクッション材と、
    2つの表皮材断片を重ねることで構成された重ね部分を有する表皮材と、を備え、
    前記重ね部分が前記凹部内に入り込んだ状態で、前記クッション材が前記表皮材によって覆われており、
    前記凹部内に入り込んだ前記重ね部分は、該重ね部分を構成する前記2つの表皮材断片の各々が次の条件(1)を満たす第一部分と、次の条件(2)を満たす第二部分と、を有するように形成されていることを特徴とする乗物用シート。
    (1)前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分同士が、前記凹部の開口よりも前記凹部の奥側で互いに接しており、且つ、前記2つの表皮材断片の各々の前記第一部分中の一部が押し潰されていること。
    (2)前記2つの表皮材断片の各々において前記第二部分が前記第一部分よりも前記凹部の開口に近い位置で前記第一部分と隣接し、前記第二部分の各々は、前記第二部分同士の間の隙間が前記第一部分に近付くほど小さくなるように離れていること。
JP2017139931A 2017-07-19 2017-07-19 乗物用シートの製造方法、及び乗物用シート Pending JP2019018744A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017139931A JP2019018744A (ja) 2017-07-19 2017-07-19 乗物用シートの製造方法、及び乗物用シート
US16/039,437 US10766387B2 (en) 2017-07-19 2018-07-19 Conveyance seat manufacturing method and conveyance seat

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017139931A JP2019018744A (ja) 2017-07-19 2017-07-19 乗物用シートの製造方法、及び乗物用シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019018744A true JP2019018744A (ja) 2019-02-07

Family

ID=65014431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017139931A Pending JP2019018744A (ja) 2017-07-19 2017-07-19 乗物用シートの製造方法、及び乗物用シート

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10766387B2 (ja)
JP (1) JP2019018744A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3678896B1 (en) * 2017-09-08 2021-06-23 Adient Engineering and IP GmbH Seat with pad
US11084405B2 (en) * 2019-02-01 2021-08-10 Ts Tech Co., Ltd. Vehicle seat having internal support member

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63294891A (ja) * 1987-05-28 1988-12-01 株式会社アイテス シ−ト用トリムカバ−及びその製法
JPH10236354A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 T S Tec Kk 二輪車用表皮吊り込みシート
JPH10297561A (ja) * 1997-04-22 1998-11-10 T S Tec Kk 二輪車用表皮吊り込みシート
JP2003146272A (ja) * 2001-03-29 2003-05-21 T S Tec Kk 二輪車用シート及びその製造方法
JP2004231125A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 T S Tec Kk 車両用シート
JP2017007570A (ja) * 2015-06-24 2017-01-12 船橋株式会社 シート状部材の接続部の製造方法及び座席カバーの製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0278529A (ja) * 1988-04-01 1990-03-19 Tokyo Seat Kk シート表皮の製造方法
US6345865B1 (en) * 1998-12-28 2002-02-12 T.S. Tech Co., Ltd. Vehicle seat, a skin material for a vehicle seat and a method of manufacturing the vehicle seat
WO2004069523A1 (ja) * 2003-02-05 2004-08-19 Ts Tech Co., Ltd. 車両用表皮材、車両用座席及び該車両用座席の製造装置
JP5451060B2 (ja) * 2007-12-25 2014-03-26 テイ・エス テック株式会社 二三輪車用シート及びその製造方法
JP5718699B2 (ja) * 2011-03-25 2015-05-13 本田技研工業株式会社 鞍乗型車両のシート構造

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63294891A (ja) * 1987-05-28 1988-12-01 株式会社アイテス シ−ト用トリムカバ−及びその製法
JPH10236354A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 T S Tec Kk 二輪車用表皮吊り込みシート
JPH10297561A (ja) * 1997-04-22 1998-11-10 T S Tec Kk 二輪車用表皮吊り込みシート
JP2003146272A (ja) * 2001-03-29 2003-05-21 T S Tec Kk 二輪車用シート及びその製造方法
JP2004231125A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 T S Tec Kk 車両用シート
JP2017007570A (ja) * 2015-06-24 2017-01-12 船橋株式会社 シート状部材の接続部の製造方法及び座席カバーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US10766387B2 (en) 2020-09-08
US20190023162A1 (en) 2019-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8708418B2 (en) Vehicle seat and method of manufacturing the same
JP6339694B2 (ja) カバーを有する要素を製造する方法、及びこのような要素
KR20100126558A (ko) 스티칭 대신에 필름 접착제를 사용하는 차량 내장 처리
JP2017518910A5 (ja)
JP6278566B2 (ja) ワディング材付シートの表皮構造およびワディング材付シートの表皮製造方法
CH706858A2 (it) Sella traspirante per cicli, motocicli e/o altre macchine a pedali.
JP2019018744A (ja) 乗物用シートの製造方法、及び乗物用シート
US3102755A (en) Seat cover for motor vehicles
JP5451060B2 (ja) 二三輪車用シート及びその製造方法
JP6502664B2 (ja) 車両用シート及びそれに用いる車両用シートの成形方法
JP6568881B2 (ja) 車両のシート構造
JP3874647B2 (ja) 二輪車用シート及びその製造方法
JP5665115B2 (ja) シートカバー取付構造
JP5562620B2 (ja) ヘッドレストの製造方法
JP2016022191A (ja) シートの表皮構造およびシートの表皮縫製方法
JP3841514B2 (ja) 二輪車用表皮吊り込みシート
JP2021138202A (ja) 着せ替えシートカバー
JP2015154805A (ja) 乗物用シート
JP2015223972A (ja) シートクッション
JP2006089855A (ja) 水着用カップ及びその製法
JPWO2019004221A1 (ja) シート
JP3690894B2 (ja) ランバーサポートを備えた二輪車用シート
JP6291331B2 (ja) ヘッドレスト表皮及びヘッドレスト装置
JP6075196B2 (ja) 乗り物用シート
JP2021130398A (ja) シートバックカバー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220201

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221018

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230523