JP2019015820A - 光ファイバケーブル、移動媒体及び通信機器 - Google Patents

光ファイバケーブル、移動媒体及び通信機器 Download PDF

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彰規 石角
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剛 森中
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Hideki Kihara
英樹 木原
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Abstract

【課題】耐熱性、機械特性、難燃性に優れる光ファイバケーブルを提供する。【解決手段】光ファイバ及び被覆層を有する光ファイバケーブルであって、前記被覆層を構成する材料が、ポリアミド樹脂(A)及び銅化合物(B)を含む樹脂組成物である光ファイバケーブル。銅化合物(B)を構成する材料が、塩化銅であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバケーブル、移動媒体及び通信機器に関する。
光ファイバは、通信、センサ、照明、装飾、ディスプレイ等の幅広い用途で用いられている。ガラス系の光ファイバは、広い波長に亘って光伝送性に優れる一方で、加工性や機械特性に劣る等の課題を有する。一方、プラスチック光ファイバは、例えば、ポリメチルメタクリレート等の透明性の高い樹脂からなる芯に、芯よりも低屈折な透明性の高い樹脂で芯の外周を被覆した構造を有するものが挙げられ、ガラス系光ファイバに比べて、加工性や柔軟性に優れる等の特徴を有する。また、プラスチック光ファイバの低損失窓は、可視光領域にあり、520nm、570nm、650nm付近において伝送損失が低い。このようなプラスチック光ファイバに対しては、素子の寿命、帯域、受光素子の波長特性、価格、汎用性等のバランスから、赤色の光(650nm)が用いられている。しかしながら、赤色の光(650nm)は伝送損失が大きいため、長距離の通信には適さない。そのため、長距離の通信が必要な場合、赤色の光(650nm)よりも伝送損失が小さい緑色の光(570nm)が用いられている。
通常、光ファイバを用いる際は、光ファイバ単体で用いられることは少なく、機械特性、難燃性、耐熱性等を付与するために、光ファイバに熱可塑性樹脂等を被覆した光ファイバケーブルとして用いられることが多い。
光ファイバに耐熱性を付与する方法として、例えば、特許文献1には、ポリアミド樹脂でプラスチック光ファイバを被覆した光ファイバケーブルが提案されている。
国際公開2008/038791号パンフレット
しかしながら、特許文献1で提案されている光ファイバケーブルは、耐熱性の効果を有するものの、その効果は十分とは言えない。
そこで、本発明の目的は、耐熱性、機械特性、難燃性に優れる光ファイバケーブルを提供することにある。
本発明は、光ファイバ及び前記光ファイバの外周に形成された被覆層を有する光ファイバケーブルであって、前記被覆層を構成する材料が、ポリアミド含有樹脂(A)及び銅化合物(B)を含む樹脂組成物である光ファイバケーブルに関する。
また、本発明は、前記光ファイバケーブルを含む移動媒体に関する。
また、本発明は、前記光ファイバケーブルを含む通信機器に関する。
本発明の光ファイバケーブルは、耐熱性、機械特性、難燃性に優れる。
本発明の光ファイバケーブルの一例を示す模式的断面図である。図1(a)は被覆層が1層の光ファイバケーブル、図1(b)は被覆層が2層の光ファイバケーブルである。 本発明の光ファイバケーブル中の光ファイバの一例であるステップ・インデックス型光ファイバの一例を示す模式的断面図である。図2(a)は鞘が1層の光ファイバ、図2(b)は鞘が2層の光ファイバである。 本発明の光ファイバケーブルの一例を示す模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いながら説明するが、本発明はこれらの図面に限定されるものではない。
本発明の光ファイバケーブルは、光ファイバ及び前記光ファイバの外周に形成された被覆層を有する。
(被覆層)
被覆層を構成する材料は、ポリアミド含有樹脂(A)及び銅化合物(B)を含む樹脂組成物である。
(ポリアミド含有樹脂(A))
ポリアミド含有樹脂(A)は、ポリアミド(A1)と相溶可能な樹脂(A2)のアロイ(A3)である。具体的には、脂肪族ポリアミド(A1)、半芳香族ポリアミド(A2)、ポリアミド(A31)及びポリアミド(A31)と相溶可能な樹脂(A32)のアロイ(A3)、ポリアミドからなるブロック及びポリエステル若しくはポリエーテルからなるブロックを含むポリアミドエラストマー(A4)、ポリアミド主鎖にポリオレフィンをグラフトさせたポリアミド−グラフト−ポリオレフィン樹脂(A5)、ポリオレフィン主鎖にポリアミドをグラフトさせたポリオレフィン−グラフト−ポリアミド樹脂(A6)等が挙げられる。これらのポリアミド含有樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのポリアミド含有樹脂(A)の中でも、光ファイバケーブルの耐熱性に優れることから、脂肪族ポリアミド(A1)、半芳香族ポリアミド(A2)、ポリアミド(A31)及び前記ポリアミド(A31)と相溶可能な樹脂(A32)のアロイ(A3)、ポリアミドからなるブロック及びポリエステル若しくはポリエーテルからなるブロックを含むポリアミドエラストマー(A4)が好ましく、半芳香族ポリアミド(A2)、ポリアミド(A31)及び前記ポリアミド(A31)と相溶可能な樹脂(A32)のアロイ(A3)、がより好ましい。
脂肪族ポリアミド(A1)としては、例えば、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド1010、ポリアミド6、ポリアミド66等が挙げられる。これらの脂肪族ポリアミド(A1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの脂肪族ポリアミド(A1)の中でも、酸素遮断性に優れることから、ポリアミド6、ポリアミド66が好ましい。
半芳香族ポリアミド(A2)は、主鎖骨格の一部に芳香環を含むポリアミドであり、芳香族ジアミンとジカルボン酸との縮重合により得られるポリアミド、ジアミンと芳香族ジカルボン酸との縮重合により得られるポリアミドが挙げられる。これらの半芳香族ポリアミド(A2)の中でも、結晶性が高過ぎず、被覆に適した融点を有することから、メタ位置換のベンゼン環を有するポリアミドが好ましい。
半芳香族ポリアミド(A2)としては、例えば、ポリアミド4T(1,4−ブタンジアミンとテレフタル酸の共重合体)、ポリアミド6T(1,6−ヘキサンジアミンとテレフタル酸の共重合体)、ポリアミドMXD6(メタ−キシリレンジアミンとアジピン酸の共重合体)、ポリアミド6I(1,6−ヘキサンジアミンとイソフタル酸の共重合体)、ポリアミド6T/I(1,6−ヘキサンジアミンとテレフタル酸/イソフタル酸混合物との共重合体)、ポリアミド9T(1,9−ノナンジアミンとテレフタル酸の共重合体)等が挙げられる。これらの半芳香族ポリアミド(A2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの半芳香族ポリアミド(A2)の中でも、耐熱性、酸素遮断性に優れることから、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T/Iが好ましい。
アロイ(A3)は、ポリアミド(A31)及び前記ポリアミド(A31)と相溶可能な樹脂(A32)のアロイである。
ポリアミド(A31)としては、例えば、脂肪族ポリアミド(A1)で例示したもの、半芳香族ポリアミド(A2)で例示したもの等が挙げられる。これらのポリアミド(A31)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのポリアミド(A31)の中でも、耐熱性、酸素遮断性に優れることから、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T/Iが好ましい。
前記相溶可能な樹脂(A32)としては、例えば、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリアセタール、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの相溶可能な樹脂(A32)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの相溶可能な樹脂(A32)の中でも、耐薬品性に優れることから、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、熱可塑性エラストマーが好ましく、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテルがより好ましい。
相溶とは、ポリアミド(A31)と前記相溶する樹脂(A32)とを溶融混練した際に、両者が均一に分散し、混ざり合うことをいう。
アロイ(A3)中のポリアミド(A31)と前記相溶可能な樹脂(A32)の含有率は、アロイ(A3)100質量%中、ポリアミド(A31)50質量%〜90質量%、相溶可能な樹脂(A32)10質量%〜50質量%が好ましく、ポリアミド(A31)60質量%〜80質量%、相溶可能な樹脂(A32)20質量%〜40質量%がより好ましい。ポリアミド(A31)50質量%以上、相溶可能な樹脂(A32)50質量%以下であると、酸素遮断性、耐熱性に優れる。ポリアミド(A31)60質量%以下、相溶可能な樹脂(A32)40質量%以上であると、加工性に優れる。
ポリアミド(A31)と前記相溶する樹脂(A32)とをアロイ化する方法としては、例えば、ポリアミド(A31)と前記相溶する樹脂(A32)とを均一に分散させることができる相溶化剤を用いる方法、樹脂(A32)の末端基や側鎖にポリアミド(A31)と相互作用が働くような官能基を導入する方法等が挙げられる。これらのポリアミド(A31)と前記相溶する樹脂(A32)とをアロイ化する方法の中でも、生産性に優れることから、ポリアミド(A31)と前記相溶する樹脂(A32)とを均一に分散させることができる相溶化剤を用いる方法が好ましい。
相溶化剤の種類は、ポリアミド(A31)のアミド基と、前記相溶する樹脂(A32)の極性基との間に水素結合を形成し、両方の樹脂を十分に分散させることができることから、極性基を有する相溶化剤が好ましく、カルボキシル基を有する相溶化剤、エポキシ基を有する相溶化剤、アミノ基を有する相溶化剤がより好ましい。
カルボキシル基を有する相溶化剤しては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸;前記不飽和カルボン酸のエステル;前記不飽和カルボン酸の酸アミド;前記不飽和カルボン酸の無水物等が挙げられる。
エポキシ基を有する相溶化剤としては、例えば、エピクロロヒドリン、2‐メチルエピクロロヒドリン、2,2−ビス(4‐グリシジルフェニルエ―テル)プロパン、エポキシ樹脂等が挙げられる。
アミノ基を有する相溶化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の脂肪族アミン化合物;N,N−ジメチルアミノスチレン等の芳香族アミン化合物;モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルチオピロリドン等の複素環化合物等が挙げられる。
相溶化剤の含有率は、前記ポリアミド含有樹脂(A)100質量%中、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。相溶化剤の含有率が0.5質量%以上であると、ポリアミド(A31)と前記相溶する樹脂(A32)との分散性に優れる。また、相溶化剤の含有率が20質量%以下であると、樹脂組成物の本来の性能を損なわない。
ポリアミドエラストマー(A4)としては、ポリアミドからなるブロック及びポリエステル若しくはポリエーテルからなるブロックを含むエラストマーが挙げられる。具体的には、ポリアミド6からなるブロック及びポリエーテルジオールからなるブロックを含むポリアミドエラストマー、ポリアミド12からなるブロック及びポリエーテルジオールからなるブロックを含むポリアミドエラストマー等が挙げられる。
ポリアミドエラストマー(A4)中のポリアミドからなるブロックの含有率は、ポリアミドエラストマー(A4)100質量%中、50質量%〜90質量%が好ましく、60質量%〜80質量%がより好ましい。ポリアミドからなるブロックの含有率が50質量%以上であると、酸素遮断性、耐熱性に優れる。また、ポリアミドからなるブロックの含有率が90質量%以下であると、加工性に優れる。
示差走査熱量測定法で測定したポリアミド樹脂(A)の融点は、150℃〜300℃が好ましく、180℃〜280℃がより好ましい。ポリアミド樹脂(A)の融点が150℃以上であると、光ファイバケーブルの耐熱性に優れる。また、ポリアミド樹脂(A)の融点が300℃以下であると、加工性に優れる。
尚、本明細書において、示差走査熱量測定法で測定した融点とは、ISO3146:2000に準拠して、示差走査熱量計を用いて測定した値とする。
樹脂組成物中のポリアミド樹脂(A)の含有率は、前記樹脂組成物100質量%中、50質量%〜99質量%が好ましく、60質量%〜95質量%がより好ましい。ポリアミド樹脂(A)の含有率が50質量%以上であると、光ファイバケーブルの機械特性に優れる。また、ポリアミド樹脂(A)の含有率が99質量%以下であると、光ファイバケーブルの酸素遮断性に優れる。
(銅化合物(B))
銅化合物(B)としては、例えば、ハロゲン化銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅等が挙げられる。これらの銅化合物(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの銅化合物(B)の中でも、熱安定性に優れる、ハロゲン化銅が好ましい。
ハロゲン化銅の具体例としては、例えば、ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅等が挙げられる。これらのハロゲン化銅は、1種を単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのハロゲン化銅の中でも、入手性が良いことや非常に安価であることから、塩化第一銅、塩化第二銅がより好ましい。
樹脂組成物中の銅化合物(B)の含有率は、前記樹脂組成物100質量%中、0.005質量%〜10質量%が好ましく、50.01質量%〜5質量%がより好ましい。銅化合物(B)の含有量が0.005質量%以上であると、樹脂組成物中の分散性に優れる。また、銅化合物(B)の含有量が10質量%であると、光ファイバケーブルの機械特性の低下を抑制することができる。
(難燃剤(C))
樹脂組成物は、必要に応じて、更に難燃剤(C)を含んでもよい。
難燃剤(C)は、ポリアミド樹脂(A)の難燃性を改善させる機能を有するため、樹脂組成物が難燃剤(C)を含むことで、光ファイバケーブルの難燃性を更に向上させる効果を有する。
難燃剤(C)としては、例えば、臭素化合物、塩素化合物等のハロゲン系難燃剤;リン、リン酸塩化合物、リン酸エステル化合物等のリン系難燃剤;メラミンシアヌレート化合物等の窒素系難燃剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化金属系難燃剤;等が挙げられる。これらの難燃剤(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの難燃剤(C)の中でも、光ファイバケーブルの機械特性に優れることから、ハロゲン系難燃剤と窒素系難燃剤が好ましい。
樹脂組成物中の難燃剤(C)の含有率は、樹脂組成物100質量%中、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。難燃剤(C)の含有率が5質量%以上であると、光ファイバケーブルの難燃性に優れる。また、難燃剤(C)の含有率が50質量%以下であると、樹脂組成物の本来の性能を損なわない。
(難燃助剤(D))
樹脂組成物は、必要に応じて、更に難燃助剤(D)を含んでもよい。
難燃助剤(D)は、難燃剤(C)との相互作用により難燃性を改善させる機能を有するため、樹脂組成物が難燃助剤(D)を含むことで、光ファイバケーブルの難燃性を更に向上させる効果を有する。
難燃助剤(D)としては、例えば、三酸化二アンチモン;ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム等のホウ酸塩化合物;ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部が水素、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、ハロゲン化アルキル基、フルオロエステル基等の1種以上の官能基で置換された樹脂等のケイ素化合物等が挙げられる。これらの難燃助剤(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの難燃助剤(D)の中でも、分散性に優れ、難燃剤(D)との相乗効果に優れることから、ホウ酸亜鉛、ケイ素化合物が好ましい。
樹脂組成物中の難燃助剤(D)の含有率は、樹脂組成物100質量%中、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。難燃助剤(D)の含有率が1質量%以上であると、光ファイバケーブルの難燃性に優れる。また、難燃助剤(D)の含有率が15質量%以下であると、樹脂組成物の本来の性能を損なわない。
樹脂組成物中の難燃助剤(D)の含有量は、難燃剤(C)100質量部に対して、1質量部〜300質量部が好ましく、3質量部〜150質量部がより好ましい。難燃助剤(D)の含有量が1質量部以上であると、光ファイバケーブルの難燃性に優れる。また、難燃助剤(D)の含有量が300質量部以下であると、樹脂組成物の本来の性能を損なわない。
(顔料(E))
樹脂組成物は、必要に応じて、更に顔料(E)を含んでもよい。
顔料(E)は、樹脂組成物を着色させる機能を有するため、樹脂組成物が顔料(E)を含むことで、光ファイバケーブルの識別性、意匠性を更に向上させる効果を有する。
顔料(E)としては、例えば、無機系顔料、有機系顔料等が挙げられる。具体的には、黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック等;白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等;赤色顔料としては、例えば、酸化鉄等;黄色顔料としては、例えば、アゾ系有機系顔料、黄鉛、クロム黄、亜鉛黄等;青色顔料としては、例えば、群青(ウルトラマリンブルー)、コバルトブルー等;緑色顔料としては、例えば、酸化クロム等が挙げられる。これらの顔料(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物中の顔料(E)の含有率は、樹脂組成物100質量%中、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。顔料(E)の含有率が0.5質量%以上であると、光ファイバケーブルの意匠性に優れる。また、顔料(E)の含有率が20質量%以下であると、樹脂組成物の本来の性能を損なわない。
(他の添加剤(F))
樹脂組成物は、必要に応じて、他の添加剤(F)を含んでもよい。
他の添加剤(F)としては、例えば、熱安定剤、滑剤、溶融張力向上剤、受酸剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。これらの他の添加剤(F)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物中の他の添加剤(F)の含有率は、樹脂組成物100質量%中、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜5質量%がより好ましい。他の添加剤(F)の含有率が0.1質量%以上であると、添加剤の効果が発現する。また、他の添加剤(F)の含有率が10質量%以下であると、樹脂組成物の本来の性能を損なわない。
樹脂組成物の混合方法としては、例えば、二軸押出機等の装置を用いて溶融混練する方法等が挙げられる。
溶融混練するための装置としては、例えば、添加材料供給フィーダーが主材料ホッパーと押出機との間に取り付けられ、添加材料を直接押出機へ混入するサイドフィード式二軸押出機;押出時の水分や残存モノマー等を脱揮するための装置が付帯されたベント式二軸押出機等が挙げられる。
溶融混練の温度は、200℃〜280℃が好ましく、215℃〜270℃がより好ましい。混練温度が200℃以上であると、樹脂組成物を十分に混練することができる。また、混練温度が280℃以下であると、樹脂組成物の本来の性能を損なわない。
本発明の光ファイバケーブルは、光ファイバと被覆層との間に被覆内層を設けても良い。
被覆内層を構成する材料(G)としては、例えば、ポリアミド樹脂(G‘)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの被覆内層を構成する材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリアミド樹脂(G‘)としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド1010等の脂肪族ポリアミド等が挙げられる。これらのポリアミド(G’)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の光ファイバケーブルは、光ファイバと、光ファイバの外周に被覆層とを有する。
本発明の光ファイバケーブルとしては、例えば、図1(a)に示すような光ファイバ10の外周に1層の被覆層20を有する光ファイバケーブル、図1(b)に示すような光ファイバ10の外周に2層以上の被覆層20a(最内層)・20b(最外層)を有する光ファイバケーブル等が挙げられる。
(光ファイバ)
光ファイバは、光ファイバとしての機能を有するものであれば特に限定されず、公知の光ファイバを用いることができる。
光ファイバの種類としては、例えば、ステップ・インデックス型光ファイバ、マルチステップ・インデックス型光ファイバ、グレーテッド・インデックス型光ファイバ、多芯光ファイバ等が挙げられる。これらの光ファイバの種類の中でも、耐熱性に優れることから、ステップ・インデックス型光ファイバ、多芯光ファイバが好ましく、より長距離の通信を可能とすることから、ステップ・インデックス型光ファイバがより好ましい。
ステップ・インデックス型光ファイバは、芯と鞘との界面で光を全反射させ、芯内で光を伝播させる。
ステップ・インデックス型光ファイバとしては、例えば、図2(a)に示すような芯11の外周に1層の鞘12を有する光ファイバ、図2(b)に示すような芯11の外周に2層以上の鞘12a(内層)・12b(外層)を有する光ファイバ等が挙げられる。
(芯)
芯を構成する材料(芯材)は、透明性の高い材料であれば特に限定されず、使用目的等に応じて適宜選択することができる。
芯材としては、例えば、ガラス;アクリル樹脂、スチレン樹脂、カーボネート樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの芯材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの芯材の中でも、被覆層を被覆する必要性が高いことから、樹脂が好ましく、より長距離の通信を可能とすることから、アクリル樹脂が好ましい。
アクリル樹脂としては、例えばメチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレート単位を50質量%以上含む共重合体等が挙げられる。これらのアクリル樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのアクリル樹脂の中でも、光学特性、機械特性、耐熱性、透明性に優れることから、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレート単位を50質量%以上含む共重合体が好ましく、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレート単位を60質量%以上含む共重合体がより好ましく、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレート単位を70質量%以上含む共重合体が更に好ましく、メチルメタクリレート単独重合体が特に好ましい。
芯材の製造方法としては、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等が挙げられる。これらの芯材の製造方法の中でも、異物の混入を抑制できることから、塊状重合法、溶液重合法が好ましい。
(鞘)
鞘は、芯の外周に形成される。鞘は、図2(a)に示すように1層でもよく、図2(b)に示すように2層以上でもよい。
鞘を構成する材料(鞘材)は、芯材より屈折率の低い材料であれば特に限定されず、芯材の組成や使用目的等に応じて適宜選択することができる。
芯材としてアクリル樹脂を用いる場合、より長距離の通信を可能とすることから、鞘材としてフッ素樹脂を用いることが好ましい。特に、芯材としてメチルメタクリレート単独重合体を用いる場合、より長距離の通信を可能とすることから、鞘材としてフッ素樹脂を用いることが好ましい。
フッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン(VDF)単独重合体、VDF−トリフルオロエチレン共重合体、VDF−テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体、VDF−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VDF−TFE−HFP共重合体、VDF−TFE−HFP−(パーフルオロ)アルキルビニルエーテル共重合体、VDF−ヘキサフルオロアセトン共重合体、VDF−HFP共重合体、VDF−TFE−ヘキサフルオロアセトン共重合体、エチレン−VDF−TFE−HFP共重合体、エチレン−TFE−HFP共重合体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート−アルキル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。これらのフッ素樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのフッ素樹脂の中でも、柔軟性、耐衝撃性、透明性、耐薬品性に優れ、低価格であることから、VDF−TFE共重合体、VDF−TFE−HFP共重合体、エチレン−VDF−TFE−HFP共重合体、エチレン−TFE−HFP共重合体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート−アルキル(メタ)アクリレート共重合体が好ましい。
特に、鞘が1層の場合、耐薬品性に優れることから、VDF−TFE共重合体、VDF−TFE−HFP共重合体、エチレン−VDF−TFE−HFP共重合体、エチレン−TFE−HFP共重合体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート−アルキル(メタ)アクリレート共重合体が好ましく、機械特性に優れることから、VDF−TFE共重合体、VDF−TFE−HFP共重合体、エチレン−VDF−TFE−HFP共重合体、エチレン−TFE−HFP共重合体がより好ましい。
また、鞘が2層の場合、光ファイバを曲げた際に漏光を抑制できることから、内層(図2(b)でいう12a)はフルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート−アルキル(メタ)アクリレート共重合体が好ましく、外層(図2(b)でいう12b)はVDF−TFE共重合体、VDF−TFE−HFP共重合体、エチレン−VDF−TFE−HFP共重合体、エチレン−TFE−HFP共重合体が好ましい。
フルオロアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(13FM)、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(17FM)等の下記式(1)に示す長鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレート;2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)等の下記式(2)に示す短鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(式中、mは1又は2、nは5〜13のいずれかの整数、Rは水素原子又はメチル基、Xは水素原子又はフッ素原子を示す。)
(式中、mは1又は2、nは1〜4のいずれかの整数、Rは水素原子又はメチル基、Xは水素原子又はフッ素原子を示す。)
フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体やフルオロアルキル(メタ)アクリレート−アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、伝送損失を低減させることができることから、上記式(1)に示す長鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位10〜50質量%、上記式(2)に示す短鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位20〜90質量%及び他の共重合可能な単量体単位0〜50質量%からなる共重合体が好ましい。具体的には、前記含有率の17FM−3FM−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、13FM−3FM−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体が好ましい。
光ファイバの成形方法としては、例えば、溶融紡糸法等が挙げられる。
溶融紡糸法によるステップ・インデックス型光ファイバや多芯光ファイバの成形方法は、例えば、芯材及び鞘材をそれぞれ溶融し、複合紡糸を行う方法が挙げられる。
光ファイバケーブルを温度差の大きい環境で用いる場合、ピストニングを抑制するため、光ファイバをアニール処理することが好ましい。アニール処理は、光ファイバの材料によって処理条件を適宜設定すればよく、連続でもよく、バッチでもよい。
光ファイバの直径は、光ファイバの取り扱い性に優れ、光素子との結合効率や光軸ずれに対する許容度の観点から、0.1mm〜5mmが好ましく、0.2mm〜4.5mmがより好ましく、0.3mm〜4mmが更に好ましい。
ステップ・インデックス型光ファイバにおける芯の直径は、光素子との結合効率や光軸ずれに対する許容度の観点から、ステップ・インデックス型光ファイバの直径に対して85%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましい。
ステップ・インデックス型光ファイバにおける鞘の厚さは、光素子との結合効率や光軸ずれに対する許容度の観点から、ステップ・インデックス型光ファイバの直径に対して7.5%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、2.5%以下が更に好ましい。
鞘を2層とする場合、内層(図2(b)でいう12a)と外層(図2(b)でいう12b)との厚さの範囲を自由に設定することができる。
鞘を2層とする場合、内層と外層の厚さの比は、光ファイバの柔軟性、耐衝撃性、耐薬品性に優れ、光素子との結合効率や光軸ずれに対する許容度の観点から、1:0.1〜1:5が好ましく、1:0.5〜1:4がより好ましく、1:1〜1:3が更に好ましい。
芯材と鞘材の屈折率は、芯材の屈折率より鞘材の屈折率が低ければ特に限定されないが、光が伝播できる最大角度に対する開口数を大きくできることから、芯材の屈折率が1.45〜1.55、鞘材の屈折率が1.35〜1.51が好ましく、芯材の屈折率が1.46〜1.53、鞘材の屈折率が1.37〜1.49がより好ましく、芯材の屈折率が1.47〜1.51、鞘材の屈折率が1.39〜1.47が更に好ましい。
屈折率は、ISO 13468に準拠し、23℃でナトリウムD線を用い、アッベ屈折計により測定した値とする。
(被覆層)
被覆層は、光ファイバの外周を被覆し、ポリアミド樹脂(A)及び銅化合物(B)を含む樹脂組成物からなる。
被覆層は、図1(a)に示すように1層でもよく、図1(b)に示すように2層以上でもよい。
被覆層を2層以上とする場合、ポリアミド樹脂(A)及び銅化合物(B)を含む樹脂組成物からなる被覆層は、光ファイバケーブルの耐熱性に優れることから、光ファイバケーブルの最外層とすることが好ましい。
被覆層の厚さは、0.1mm〜2.5mmが好ましく、0.2mm〜2mmがより好ましい。被覆層の厚さが0.1mm以上であると、光ファイバケーブルの耐熱性に優れる。被覆層の厚さが2.5mm以下であると、光ファイバケーブルの柔軟性、取り扱い性に優れる。
光ファイバの外周に被覆層を被覆する方法としては、例えば、クロスヘッドダイを備えた押出被覆装置を用いて被覆する方法が挙げられる。特に、プラスチック光ファイバに被覆層を被覆する場合、均一な直径の光ファイバケーブルを得ることができることから、クロスヘッドダイを備えた押出被覆装置を用いて被覆する方法が好ましい。
被覆層を2層以上とする場合、1層ずつ順に被覆層を被覆してもよく、同時に複数の被覆層を被覆してもよい。
光ファイバの外周に被覆層を被覆する際の押出の温度は、200℃〜280℃が好ましく、220℃〜260℃がより好ましい。光ファイバの外周に被覆層を被覆する際の押出の温度が200℃以上であると、光ファイバケーブルの外観に優れる。光ファイバの外周に被覆層を被覆する際の押出の温度が280℃以下であると、樹脂組成物の本来の性能を損なわない。
光ファイバケーブルの直径は、0.3mm〜10mmが好ましく、0.5mm〜8mmがより好ましい。光ファイバケーブルの直径が0.3mm以上であると、光ファイバケーブルの耐熱性に優れる。また、光ファイバケーブルの直径が10mm以下であると、光ファイバケーブルの柔軟性、取り扱い性に優れる。
光ファイバケーブルの繰り返し屈曲回数は、光ファイバケーブルの柔軟性に優れることから、10000回以上が好ましく、20000回以上がより好ましい。
光ファイバケーブルの繰り返し屈曲回数は、IEC 60794−1に準拠して測定した値とする。
光ファイバケーブルの他の実施形態としては、例えば、図3に示すような2本の光ファイバを1つの被覆層により被覆した光ファイバケーブルが挙げられる。
図3に示すような光ファイバケーブルの製造方法は、例えば、2芯用のダイス・ニップルを備えたクロスヘッドに光ファイバを通して被覆層を被覆する方法が挙げられる。
通常、光ファイバケーブルを通信用途で用いる場合、光ファイバケーブルの一端を光源システムに接続し、光ファイバケーブルの他端を受光システムに接続する必要がある。その際、双方向で通信を行う場合、図3に示すような2本の光ファイバを有する光ファイバケーブルを用いるとよい。
本発明の光ファイバケーブルは、耐熱性、機械特性、難燃性に優れることから、家庭内ホームネットワーク、および自動車や航空機、鉄道などのような移動媒体中で用いられる通信機器に用いることができる。特に、本発明の光ファイバケーブルは、自動車、船舶、鉄道等の高温環境下に曝され得る移動媒体に特に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(長期耐熱性試験)
実施例及び比較例で得られた光ファイバケーブルについて、温度105℃、相対湿度10%以下で5000時間曝露の処理前後の伝送損失(dB/km)を、波長570nm及び650nm、入射光のNA(開口数)0.1の光を用い、25m−1mのカットバック法により測定した。
25m−1mのカットバック法の測定は、IEC 60793−1−40:2001に準拠して行った。具体的には、25mの光ファイバを測定装置にセットし、出力パワーPを測定した後、光ファイバをカットバック長(入射端から1m)に切断し、出力パワーPを測定し、下式(1)を用いて光の伝送損失を算出した。
(機械特性)
実施例及び比較例で得られた光ファイバケーブルを、IEC 60794−1に準拠して、屈曲試験を行った。具体的には、光ファイバケーブルを繰り返し屈曲装置(機種名「恒温槽付き光ファイバ屈曲試験機」、(株)安田精機製作所製)に取り付け、500gの荷重を加えながら、垂直方向に対して両側に90°の角度で曲げた。初期値より1dB損失増加が生じた時点で試験終了とし、終了時点の繰り返し屈曲回数を確認した。
また、実施例及び比較例で得られた光ファイバケーブルを、105℃で3000時間老化試験し、その後、直径10mmの治具に隙間なく500gの張力で巻き付け、25℃で24時間保持した。24時間後に張力を開放し、被覆の割れの有無を確認した。
(難燃性)
実施例及び比較例で得られた光ファイバケーブルについて、DIN72551−5を参考に、難燃性試験を行った。DIN72551−5の難燃性試験は、電線用であるため、以下のように変更して行った。
電線を測定する場合には、燃焼時又は燃焼後の電線を斜め45°に維持することが必要とされているが、光ファイバケーブルは燃焼時又は燃焼後に斜め45°に維持することが困難である。そのため、光ファイバケーブルを測定する場合には、燃焼時又は燃焼後の光ファイバケーブルを斜め45°に維持するために、光ファイバケーブルの外周面上に、螺旋状に一対の銅線を互いが交差するように巻き付け、その状態で難燃性試験を行った。銅線は直径0.7mmのものを用い、螺旋周期は光ファイバケーブル長手方向に20mmとした。
この難燃性試験において、光ファイバケーブルにバーナーの炎を10秒間あてて着火した後、炎を試料から遠ざけ、30秒以内に炎が消えたものを合格とし、30秒以内に炎が消えなかったものを不合格とした。この難燃性試験を10回行い、その合格回数を確認した。
(材料)
ポリアミド樹脂(A−1):ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド66とのアロイ樹脂(商品名「ノリルGTX9400W」、サビックイノベーティブプラスチック社製)
ポリアミド樹脂(A−2):ポリオレフィンとポリアミド6とのアロイ樹脂(商品名「Orgalloy LE60THM」、アルケマ社製)
ポリアミド樹脂(A−3):ポリアミド12エラストマー樹脂(商品名「グリルアミドELY XE3823」、エムスケミー社製)
ポリアミド樹脂(A−4):ポリアミド12エラストマー樹脂(商品名「グリルアミドELY XE3833」、エムスケミー(株)製)
銅化合物(B−1):塩化第二銅(商品名「塩化第二銅)、和光純薬工業(株)製)
難燃剤(C−1):臭素化ポリスチレン(商品名「HP−3010PST」、アルベマール社製)
難燃剤(C−2):窒素系難燃剤(商品名「MC6000」、日産化学工業社製)
難燃助剤(D−1):三酸化二アンチモン(商品名「AT−3」、鈴裕化学(株)製)
顔料(E−1):群青色顔料(商品名「強化群青 AP−205」、第一化成工業(株)製)
被覆内層(G−1):ポリアミド12(商品名「ダイアミドXE3926」、エムスケミー(株)製)
(光ファイバ)
芯材をポリメチルメタクリレート(屈折率1.492)、内層の鞘材を2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート−2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体(2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート単位:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート単位:メチルメタクリレート単位:メタクリル酸単位=39:41:18:2(質量%)、屈折率1.416)、外層の鞘材をフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(フッ化ビニリデン単位:テトラフルオロエチレン単位:ヘキサフルオロプロピレン単位=60.5:34.5:5.0(質量%)、屈折率1.374)とし、3層構造の同心円状複合紡糸ノズルを用いて紡糸し、140℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2倍に延伸し、内層の鞘の厚さが5μm、外層の鞘の厚さが10μmの直径1.0mmの光ファイバを得た。
得られた光ファイバを、実施例及び比較例の光ファイバケーブルの光ファイバとして用いた。
[実施例1]
ポリアミド樹脂(A−1)60質量部、銅化合物(B−1)1質量部、難燃剤(C−1)30質量部、難燃助剤(D−1)10質量部、顔料(E−1)3質量部を、二軸押出機(機種名「BT−40」、(株)プラスチック工学研究所製)を用いて230℃で溶融混練して、樹脂組成物を得た。
被覆内層としてポリアミド樹脂(G−1)、被覆外層として得られた樹脂組成物を用い、樹脂被覆用クロスヘッド型40mmケーブル被覆装置((株)聖製作所製)に供給し、光ファイバの外周に被覆内層(厚さ0.255mm)と被覆外層(厚さ0.395mm)とを被覆し、直径2.3mmの光ファイバケーブルを得た。
得られた光ファイバケーブルの評価結果を、表2に示す。
[実施例2、比較例1〜2]
材料の種類を変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、光ファイバケーブルを得た。得られた光ファイバケーブルの評価結果を、表1に示す。
実施例1〜7で得られた光ファイバケーブルは、機械特性、耐熱性、特に、長期間に亘る耐熱性に優れることが確認できた。
一方、銅化合物(B)を含まない比較例1〜2で得られた光ファイバケーブルは、耐熱性に劣った。
本発明の光ファイバケーブルは、耐熱性、機械特性、難燃性に優れることから、自動車、船舶、鉄道等の高温環境下に曝され得る移動媒体に特に好適に用いることができる。
10 光ファイバ
11 芯
12 鞘
12a 鞘(内層)
12b 鞘(外層)
20 被覆層
20a 被覆層(最内層)
20b 被覆層(最外層)
[実施例2〜7、比較例1〜2]
材料の種類を変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、光ファイバケーブルを得た。得られた光ファイバケーブルの評価結果を、表1に示す。





実施例1〜7で得られた光ファイバケーブルは、機械特性、耐熱性及び難難燃性、特に、長期間に亘る耐熱性に優れることが確認できた。
一方、銅化合物(B)を含まない比較例1〜2で得られた光ファイバケーブルは、耐熱性に劣った。

Claims (8)

  1. 光ファイバと前記光ファイバの外周に形成された被覆層を有する光ファイバケーブルにおいて、
    前記被覆層を構成する材料が、ポリアミド含有樹脂(A)及び銅化合物(B)を含む樹脂組成物である、光ファイバケーブル。
  2. 示差走査熱量測定法で測定したポリアミド含有樹脂(A)の融点が、150℃〜300℃である、請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 銅化合物(B)を構成する材料が、ハロゲン化銅である、請求項1又は2に記載の光ファイバケーブル。
  4. ポリアミド含有樹脂(A)が、ポリアミド及び前記ポリアミドと相溶可能な樹脂のアロイ(A3)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記光ファイバケーブルの曲げ弾性率5〜18N/mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記光ファイバケーブルを105℃で3000時間曝露の処理した後の、波長570nm、励振NA=0.1の条件で測定した伝送損失が200dB/km以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光ファイバケーブルを含む、移動媒体。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光ファイバケーブルを含む、通信機器。
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