JP2003227975A - 光ファイバ用被覆材料および光ファイバケーブル - Google Patents

光ファイバ用被覆材料および光ファイバケーブル

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JP2003227975A JP2002027373A JP2002027373A JP2003227975A JP 2003227975 A JP2003227975 A JP 2003227975A JP 2002027373 A JP2002027373 A JP 2002027373A JP 2002027373 A JP2002027373 A JP 2002027373A JP 2003227975 A JP2003227975 A JP 2003227975A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の凹凸が少なく平滑で、加工時などの取
扱性が良好であるとともに、高い難燃性を備えた光ファ
イバ用被覆材料を提供する。 【解決手段】 ポリアミド樹脂を含有する樹脂成分10
0質量部に対して、変性メラミンシアヌレート粉末2〜
30質量部を含有させた光ファイバ用被覆材料であっ
て、前記変性メラミンシアヌレート粉末は、メラミンシ
アヌレートの表面が無機酸化物で処理されてなる一次粒
子から構成されている光ファイバ用被覆材料で、光ファ
イバの被覆層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバの被覆に
使用される光ファイバ用被覆材料および光ファイバケー
ブルに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバはデータ通信やセンサー用途
で実用化されているが、その際、光ファイバのみで使用
されることは少なく、その外周を被覆層で保護した光フ
ァイバケーブルとして用いられることが多い。被覆層に
は、光ファイバケーブルに対して耐熱性や耐薬品性を付
与できることからポリアミドを使用することが提案され
ており、そのような技術は、例えば特開平10−319
281号公報、特開平11−242142号公報、特開
平10−332995号公報、特開平10−30721
8号公報等に開示されている。
【0003】また、例えば自動車内や工場内などの屋内
で使用される光ファイバケーブルについては、夏期にこ
れら屋内が高温となること、エンジン等の高温体の近傍
で使用されること、オイル、電解液、ガソリン等の引火
性の物質が存在する環境下で使用されることなどから、
その被覆材料には難燃性も要求されている。特に近年で
は、燃焼時に発生する有毒ガスを低減するため、ハロゲ
ンを含まずに、UL94規格のV−0、V−1及びDI
N72551−5等に準拠する難燃性試験に合格するレ
ベルの被覆材料が要求されている。
【0004】一方、ポリアミド樹脂を難燃化する技術と
して、ポリアミド樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社
刊、福本修著)などにおいて、トリアジン系化合物、特
にメラミンシアヌレートをポリアミド樹脂に5〜10質
量%の割合で混合する技術が提案されている。通常のメ
ラミンシアヌレートは、メラミンシアヌレートの微粒子
が静電気で凝集した粉末形態をしている。このようなメ
ラミンシアヌレート粉末をポリアミド樹脂に分散させる
には、二軸押出機等を用いて、溶融状態で混錬する方法
が一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法で微粒子が凝集した形態のメラミンシアヌレー
ト粉末とポリアミド樹脂とを混練しても、一部のメラミ
ンシアヌレート微粒子が凝集したままの状態でポリアミ
ド樹脂中に残存することは避けられず、樹脂中にこれを
均一に分散することは困難であった。しかも、ポリアミ
ド樹脂にメラミンシアヌレート粉末を配合した材料を成
形物とする場合、ポリアミド樹脂100質量部に対する
メラミンシアヌレート粉末の配合量は一般的には5〜1
0質量部程度であるが、このような材料を、比較的厚み
が薄く形成される光ファイバの被覆層などに使用する場
合には、十分な難燃効果を発現させるためにメラミンシ
アヌレート粉末の配合量を一般的な成形物の場合よりも
多くする必要があり、ポリアミド樹脂100質量部に対
して10質量部以上、より好ましくは15質量部以上が
必要であった。
【0006】したがって、ポリアミド樹脂100質量部
に対して、凝集しやすく分散しにくいメラミンシアヌレ
ートを15質量部以上配合した材料を、光ファイバの被
覆材料として使用すると、形成された被覆層の表面に、
凝集したメラミンシアヌレート粉末により、凹凸(コ
ブ)が生じることがある。このような凹凸は光ファイバ
の外周にクロスヘッド型被覆装置などを用いて別途被覆
材料を被覆して光ファイバケーブルを製造する場合に特
に生じやすい。被覆層の表面に凹凸が生じると、光ファ
イバケーブルの外観が悪くなることに加え、得られた光
ファイバケーブルを加工する際に、光ファイバケーブル
と加工機のケーブル繰り出し装置周辺やガイドとの間で
の、引っかかりや摩擦抵抗の増大に起因して、光ファイ
バケーブルに大きな力が加わり、光ファイバケーブルの
性能を著しく低下させたり、加工時の歩留まりが悪化し
たりするという問題があった。また、このようにポリア
ミド樹脂中においてメラミンシアヌレート粉末が凝集し
ていると、メラミンシアヌレートの分散が不均一である
ため、光ファイバケーブルの難燃性にばらつきが生じる
という問題もあった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、難燃性に優れ、光ファイバへの被覆加
工性に優れた光ファイバ用被覆材料、及び表面の凹凸が
少なく平滑で、加工時などの取扱性が良好であるととも
に、例えばUL94規格のV−0、V−1及びDIN7
2551−5に準拠する難燃性試験に合格するなど高い
難燃性を備えた光ファイバケーブルを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ用被
覆材料は、ポリアミド樹脂を含有する樹脂成分100質
量部に対して、変性メラミンシアヌレート粉末2〜30
質量部を含有させた光ファイバ用被覆材料であって、前
記変性メラミンシアヌレート粉末は、メラミンシアヌレ
ートの表面が無機酸化物で処理されてなる一次粒子から
構成されていることを特徴とする。前記無機酸化物はシ
リカであることが好ましい。前記変性メラミンシアヌレ
ートの一次粒子における前記無機酸化物の量は、メラミ
ンシアヌレート100 質量部に対して0.1 〜10質
量部であることが好ましい。前記変性メラミンシアヌレ
ートの一次粒子径は、0.5〜100μmであることが
好ましい。前記変性メラミンシアヌレートの一次粒子径
は、0.7〜10μmであることが好ましい。前記ポリ
アミド樹脂は、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリ
アミド612、ポリアミド66からなる群より選ばれる
少なくとも1種であることが好ましい。本発明の光ファ
イバケーブルは、光ファイバの外周に、前記光ファイバ
用被覆材料からなる被覆層を備えていることを特徴とす
る。また、前記光ファイバケーブルは、前記光ファイバ
用被覆材料からなる被覆層が光ファイバケーブルの最外
層に形成されていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の光ファイバケーブルには、ポリアミド樹
脂を含有する樹脂成分100質量部に対して、メラミン
シアヌレートの表面が無機酸化物で処理されてなる一次
粒子から構成される変性メラミンシアヌレート粉末を2
〜30質量部含有させた光ファイバ用被覆材料が用いら
れる。以下、各構成成分について、説明する。
【0010】[樹脂成分]本発明において樹脂成分は、
少なくともポリアミド樹脂を含有する。ポリアミド樹脂
としては、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミ
ド612、ポリアミド66などのポリアミド重合体や、
ポリアミドエラストマー、複数種類のポリアミド単位か
ら構成されるポリアミド系共重合体などを使用すること
ができるが、これらの中では、ポリアミド11、ポリア
ミド12、ポリアミド612、ポリアミド66からなる
群より選ばれる1種以上を使用することが好ましい。
【0011】ポリアミドエラストマーとしては、ソフト
セグメントとしてポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル、ポリプロピレングリコール、脂肪族ポリエステルジ
オールなどを構成する単量体単位を用い、ハードセグメ
ントとしてポリアミド12またはポリアミド6を構成す
る単量体単位を用いたものが挙げられる。これらのなか
では、汎用性が高く低コストなポリテトラメチレンエー
テルグリコールとポリアミド12の単量体単位からなる
共重合体が好ましい。
【0012】複数種類のポリアミド単位から構成される
ポリアミド系共重合体としては、ポリアミド10、ポリ
アミド11、ポリアミド12、ポリアミド6、ポリアミ
ド66からなる群の中から選択される単量体単位を組み
合わせて構成される2元〜4元共重合体が用いられる。
中でもポリアミド12とポリアミド6の単量体単位から
構成される共重合体は、融点が例えば180℃以下と低
いものが多いので、光ファイバに被覆層を設ける工程を
比較的低温で行うことができ、光ファイバがプラスチッ
ク光ファイバである場合にも、これに熱損傷を与えにく
く好ましい。
【0013】また、ポリアミド樹脂は複数種を混合して
使用することもでき、具体的には、ポリアミド11また
はポリアミド12とポリアミドエラストマー、ポリアミ
ド11またはポリアミド12とポリアミド系共重合体な
どの組み合わせが例示できる。
【0014】さらに、樹脂成分としては、上述したポリ
アミド樹脂にポリアミド樹脂以外の樹脂を混合したもの
を使用してもよい。この場合には、樹脂成分中、ポリア
ミド樹脂以外の樹脂の割合を50質量%以下とすること
が好ましい。具体的には、ポリアミド11またはポリア
ミド12と、ポリオレフィンやフッ素化ポリオレフィン
との混合物などを使用することができる。ここで使用さ
れるポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン/プロピレンゴムなどが挙げら
れ、フッ素化ポリオレフィンとしては、例えばポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビ
ニリデンとテトラフルオロエチレンの共重合体、フッ化
ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロ
プロピレンの共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフル
オロプロピレンの共重合体等が挙げられる。
【0015】また、ポリオレフィンとして、ポリオレフ
ィンに有機酸または有機酸無水物がグラフト重合された
ものを使用すると、ポリアミド樹脂とポリオレフィンと
の混合分散性が向上し、得られる光ファイバ用被覆材料
の耐衝撃性が優れるため好ましい。また、ポリアミド1
1またはポリアミド12とポリオレフィンとを併用する
場合には、ポリアミド11またはポリアミド12の割合
が50〜95質量%で、ポリオレフィンの割合が5〜5
0質量%であると、ポリアミド樹脂が有する高い耐熱性
を大きく損なわずに耐衝撃性の向上が可能となるため好
ましい。
【0016】[変性メラミンシアヌレート粉末]本発明
で使用される変性メラミンシアヌレート粉末は、メラミ
ンシアヌレートの表面が無機酸化物で処理され、一次粒
子の表面に無機酸化物が固着された一次粒子から構成さ
れる。メラミンシアヌレート粒子の表面を処理し、これ
に固着する無機酸化物としては、例えば、シリカ、アル
ミナ、酸化アンチモンなどを使用できるが、これらのな
かではシリカが好ましい。シリカは負電荷を有するの
で、シリカにより表面が処理された変性メラミンシアヌ
レート粉末の一次粒子同士は、静電的に相互に反発する
ようになる。その結果、一次粒子同士の凝集が抑制さ
れ、ポリアミド樹脂を含有する樹脂成分中に変性メラミ
ンシアヌレート粉末が均一に高分散する。また、シリカ
は安価であることからも好ましい。
【0017】変性メラミンシアヌレート粉末における無
機酸化物の量は、メラミンシアヌレート100 質量部
に対して0.1 〜10質量部の範囲であることが好ま
しい。無機酸化物の量が0.1質量部未満であると、メ
ラミンシアヌレート粒子の表面に固着する無機酸化物量
が小さく、粒子の表面を十分に処理できず、得られた変
性メラミンシアヌレート粉末の樹脂成分中での凝集を十
分には抑制できなくなる傾向がある。一方、10質量部
を超えると、粒子の表面に固着せず遊離する無機酸化物
が増加するだけであって、メラミンシアヌレート粒子の
表面処理効果はほとんど増加しない傾向がある。
【0018】また、変性メラミンシアヌレート粉末は、
その一次粒子径が0.5〜100μmの範囲にあるもの
が好ましく、より好ましくは0.7〜10μmである。
一次粒子径が0.5μm未満の変性メラミンシアヌレー
ト粉末は、樹脂成分中において凝集して分散しにくくな
る。その結果、このような変性メラミンシアヌレート粉
末を含有する光ファイバ用被覆材料を使用して、光ファ
イバの外周に被覆層を形成した場合、この被覆層の表面
に凸凹が生じやすくなり、光ファイバケーブルの外観が
悪くなったり、加工時などの取扱性が悪くなるという傾
向がある。一方、一次粒子径が100μmを超える変性
メラミンシアヌレート粉末を使用すると、最終的に得ら
れる光ファイバ用被覆材料の難燃性が十分に向上しない
傾向がある。
【0019】変性メラミンシアヌレート粉末の調製方法
としては、メラミンシアヌレートの粒子の表面に無機酸
化物を固着させることが可能な方法であれば特に制限は
ないが、例えば特開平7−224049号公報に開示さ
れているように、シリカゾルなどの無機酸化物のゾルの
存在下においてメラミンとシアヌール酸を水媒体中で中
和反応させてメラミンシアヌレートを生成させ、メラミ
ンシアヌレートを含有する水分散スラリーを噴霧乾燥す
ることにより、メラミンシアヌレート粒子の表面に無機
酸化物粒子が固着した変性メラミンシアヌレート粉末を
調製する方法が挙げられる。ここでメラミンおよびシア
ヌール酸としては、平均粒径が10〜100μmの市販
品がそれぞれそのまま使用できる。また、シアヌール酸
としては、エノール型、ケト型のいずれも使用できる。
無機酸化物のゾルとしては、ヒドロゾルまたはオルガノ
ゾルが使用でき、好ましくは、平均粒径が数nm〜数1
0nmの粒径の無機酸化物を含有するゾルを使用する。
【0020】[光ファイバ用被覆材料]本発明の光ファ
イバ用被覆材料は、上述したポリアミド樹脂を含有する
樹脂成分100質量部に対して、変性メラミンシアヌレ
ート粉末を2〜30質量部添加し、含有させたものであ
って、より好ましくは5〜20質量部である。添加量が
2質量部未満では、樹脂成分に対して十分な難燃性を付
与できず、一方30質量部を越えると、光ファイバ用被
覆材料の流動性が低下するとともに、この光ファイバ用
被覆材料から形成された被覆層の表面の平滑性も低下す
る。すなわち、樹脂成分100質量部に対して、変性メ
ラミンシアヌレート粉末を2〜30質量部の範囲で添加
することによって、十分な難燃性を有するうえ、被覆層
表面の平滑性にも優れる光ファイバ用被覆材料とするこ
とが可能となる。また、樹脂成分と変性メラミンシアヌ
レートとの混合方法としては特に制限はないが、例え
ば、二軸押出機等を用いて、溶融状態で混錬する方法な
どを例示できる。さらに、この光ファイバ用被覆材料に
は、染料、顔料などの着色剤、あるいは成形助剤など一
般的に添加される添加剤が含まれていてもよい。
【0021】[光ファイバケーブル]本発明の光ファイ
バケーブルは、プラスチック光ファイバなどの光ファイ
バの外周に、上述の光ファイバ用被覆材料からなる被覆
層が形成されたものである。被覆層は一層であっても複
数であってもよい。被覆層を複数有する場合、上述の光
ファイバ用被覆材料を一つの被覆層に用いることも複数
層に用いることも可能である。光ファイバケーブルの難
燃性を向上させるためには、上述の光ファイバ用被覆材
料を最外層に被覆することが好ましい。本発明の光ファ
イバケーブルは公知の方法で、光ファイバに被覆層を形
成することにより製造できる。クロスヘッド型被覆装置
を用いて被覆層を形成すると、光ファイバケーブルの製
造を容易に行うことができるため好ましい。また、複数
層を形成する場合には、一層ずつ順に被覆層を形成して
も良いし、同時に複数の被覆層を形成しても良い。光フ
ァイバ外周に形成される被覆層全体の厚さは、100〜
1500μmであることが好ましい。厚さが薄すぎると
光ファイバを十分に保護することができない場合があ
り、厚すぎると光ファイバの取扱性が低下するおそれが
ある。上述の光ファイバ用被覆材料を用いた被覆層の厚
さは100〜1000μmであることが好ましい。被覆
層が薄すぎると難燃性が不十分となるおそれがあり、被
覆層が厚すぎると光ファイバケーブルを曲げることが困
難となり、取扱性が低下するおそれがある。このように
本発明の光ファイバケーブルは比較的薄い被覆層が好適
に形成されるが、上述の光ファイバ用被覆材料を用いて
いるため、光ファイバケーブルの表面を十分平滑にする
ことができる。
【0022】また、本発明では光ファイバとして公知の
構造を有するものを使用でき、糸状の芯材の外表面を鞘
材で被覆した構造を有し、芯材と鞘材の界面で屈折率が
急激に変化するSI型光ファイバ、糸状の芯材のみから
なり、中心から外周部に向かって連続的に芯材の屈折率
が低下するGI型光ファイバ、中心から外周部に向かっ
て複数の芯材が積層形成され、芯材の屈折率が段階的に
低下する多層光ファイバなどを例示できる。さらには、
マルチコア光ファイバを使用してもよい。また、このマ
ルチコア光ファイバのコアは、芯材のみから構成するこ
とも可能であり、芯材の周囲に鞘材が形成された構造と
することも可能である。これらの光ファイバの中でも、
光ファイバを広帯域化して高速の信号伝送を行うために
は、GI型光ファイバあるいは多層光ファイバを用いる
ことが好ましい。また、GI型光ファイバまたは多層光
ファイバの外周部に鞘材を被覆することも可能である。
光ファイバの外径は特に限定されないが、500〜15
00μm程度であることが好ましい。
【0023】このような光ファイバケーブルは、光ファ
イバの外周に、ポリアミド樹脂を含有する樹脂成分10
0質量部に対して、変性メラミンシアヌレート粉末2〜
30質量部を含有させた光ファイバ用被覆材料からなる
被覆層を備えているので、UL94規格のV−0、V−
1及びDIN72551−5に準拠する難燃性試験に合
格するレベルの難燃性を備えているだけでなく、未変性
のメラミンシアヌレートを用いた場合と比較して、表面
の凹凸が少なく平滑で、ケーブルの外観が良く、また光
ファイバケーブルを加工する際に、光ファイバケーブル
表面の凸凹による引っかかりを防止し、摩擦抵抗を低減
できるため、光ファイバケーブルに加わる力を低減し
て、ケーブルの性能低下を抑制することができ、加工時
の歩留まりを向上することができる。したがって、光信
号伝送の配線、高速光通信のためのコンピュータ接続配
線、交換機回りの配線、工場自動機械制御の配線、自動
車などの移動体用データ伝送用配線、光センサー用配線
などの各種の用途に使用する場合にも容易に取り扱うこ
とができ、また、特に、自動車内や工場内など、高温状
態あるいは引火性の物質が存在する環境下に使用するこ
とも可能である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。
【0025】(難燃性)難燃性試験は、DIN7255
1−5に準拠する測定方法に基づいて行った。なお、こ
の測定方法は、電線用の難燃性測定法であるDIN72
551−5を、光ファイバケーブルの難燃性を測定する
ために、次のように若干変更したものである。すなわ
ち、この測定法においては、燃焼時または燃焼後の電線
を斜め45°に維持することが必要とされている。しか
し、光ファイバケーブルは電線とは異なり、光ファイバ
が燃焼した場合に光ファイバケーブルをこのような斜め
45°に維持することが困難である。よって、光ファイ
バケーブルを燃焼時または燃焼後に斜め45°に維持す
るために、光ファイバケーブルの周上に螺旋状に一対の
銅線を、互いが交差するように巻き付けた状態で難燃性
を測定する。銅線としては直径0.7mmφのものを用
い、螺旋周期は光ファイバケーブルの長手方向に20m
m周期とする。また、難燃性試験の合否の判定基準は、
光ファイバケーブルにバーナーの炎を7秒間あてて着火
した後、炎を試料から遠ざけ、30秒以内に炎が消えた
ものを可とし、消えなかったものを不可とする。このよ
うな試験を10本のサンプルに対して行って、可の本数
が8本以上である場合に合格とし、それ以下の場合を不
合格として表1に示した。さらに、5秒以内に炎が消え
たものの本数も併せて表1に記載した。
【0026】(ケーブル表面の凸凹性)クロスヘッド型
ケーブル被覆装置から送り出されてきた光ファイバケー
ブルを、凹凸検出装置を通過させ、外形変動値が70μ
m以上の凸部を検出した場合に、1カウントするように
設定した。ケーブル長3000mに換算したカウント数
をもって、ケーブル表面の凹凸性の指標とした。なお、
凹凸検出装置としては、外径凹凸検出機(形式:TM−
1000XY、タキカワ・エンジニアリング社製)を使
用した。
【0027】(実施例1)プラスチック光ファイバ(素
線)として、三菱レイヨン製の直径1.00mmのGK
40を使用した。クロスヘッド型ケーブル被覆装置に直
結したダイスに、この光ファイバを導入し、光ファイバ
用被覆材料を、0.6mmの厚さに一定速度80m/m
inで被覆して、外径2.2mmのプラスチック光ファ
イバケーブルを作製した。被覆温度は200℃とした。
なお、光ファイバ用被覆材料として、ポリアミド612
樹脂(ダイセルヒュルス社製、ダイアミドN−190
1)100質量部に対して、日産化学社製のシリカ変性
メラミンシアヌレート(商品名:MC−440、一次粒
子径10〜30μm)10質量部を配合したものを使用
した。得られた光ファイバケーブルの各種評価を行い、
その結果を表1に示した。実施例1で得られたPOFケ
ーブルは、ケーブル表面(被覆層表面)の凸凹の数が少
なく、難燃性も優れていた。
【0028】[実施例2〜6、比較例1〜4]使用した
光ファイバ用被覆材料を表1に示すように変更した以外
は、実施例1と同様にして光ファイバケーブルを作製し
た。得られた光ファイバケーブルの各種特性を評価し、
その結果を表1に示した。
【0029】
【表1】 なお、表1中の表記について以下に示す。 ポリアミド612:ダイセルヒュルス社製、ダイアミド
N-1901 ポリアミド12:ダイセルヒュルス社製、ダイアミドL-
1640 ポリアミド11:アトフィナ社製、Rilsan BM
W−0 MC−440:日産化学社製、シリカ変性メラミンシア
ヌレート(一次粒子径10〜30μm) MC−640:日産化学社製、シリカ変性メラミンシア
ヌレート(一次粒子径1〜5μm) MC−600:日産化学社製、メラミンシアヌレート
(未変性)(粒子径1−5μm)
【0030】表1から、樹脂成分100質量部に対して
変性メラミンシアヌレート粉末が10〜20質量部の範
囲で配合された光ファイバ用被覆材料からなる被覆層が
形成された実施例1〜6の光ファイバケーブルは、難燃
性が優れているうえ、被覆層表面の凹凸も少なかった。
特に、一次粒子径が小さな変性メラミンシアヌレートを
使用した実施例4および5の光ファイバケーブルは、被
覆層表面の凹凸が少ないことはもちろん、同じ一次粒子
径であって表面が処理されていないメラミンシアヌレー
トを使用した比較例1および2の光ファイバケーブルに
比べ、難燃性試験における消火時間が短縮していて、難
燃性も向上していた。また、変性メラミンシアヌレート
の配合量が少ない比較例3の光ファイバケーブルは難燃
性が低く、配合量が過剰な比較例4の光ファイバケーブ
ルは難燃性には優れているものの、被覆層表面の凹凸が
多かった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
用被覆材料は難燃性に優れているとともに、光ファイバ
への被覆加工性が優れている。そのため、本発明の光フ
ァイバ用被覆材料からなる被覆層を有する本発明の光フ
ァイバケーブルは、UL94規格のV−0、V−1及び
DIN72551−5に準拠する難燃性試験に合格する
レベルの難燃性を備えているだけでなく、表面の凹凸が
少なく平滑で、ケーブルの外観が良好で、加工時などの
取扱性にも非常に優れている。また、本発明の光ファイ
バケーブルは、各種配線や加工を容易に行うことがで
き、また、自動車内や工場内など、高温状態あるいは引
火性の物質が存在する環境下での使用にも適している。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂を含有する樹脂成分10
    0質量部に対して、変性メラミンシアヌレート粉末2〜
    30質量部を含有させた光ファイバ用被覆材料であっ
    て、 前記変性メラミンシアヌレート粉末は、メラミンシアヌ
    レートの表面が無機酸化物で処理されてなる一次粒子か
    ら構成されていることを特徴とする光ファイバ用被覆材
    料。
  2. 【請求項2】 前記無機酸化物がシリカであることを特
    徴とする請求項1に記載の光ファイバ用被覆材料。
  3. 【請求項3】 前記変性メラミンシアヌレートの一次粒
    子における前記無機酸化物の量は、メラミンシアヌレー
    ト100 質量部に対して0.1 〜10質量部であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ用
    被覆材料。
  4. 【請求項4】 前記変性メラミンシアヌレートの一次粒
    子径は、0.5〜100μmであることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の光ファイバ用被覆材
    料。
  5. 【請求項5】 前記変性メラミンシアヌレートの一次粒
    子径は、0.7〜10μmであることを特徴とする請求
    項4に記載の光ファイバ用被覆材料。
  6. 【請求項6】 前記ポリアミド樹脂は、ポリアミド1
    1、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド6
    6からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の光ファ
    イバ用被覆材料。
  7. 【請求項7】 光ファイバの外周に、請求項1ないし6
    のいずれかに記載された光ファイバ用被覆材料からなる
    被覆層を備えていることを特徴とする光ファイバケーブ
    ル。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載され
    た光ファイバ用被覆材料からなる被覆層が光ファイバケ
    ーブルの最外層に形成されていることを特徴とする請求
    項7に記載の光ファイバケーブル。
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