JP2019014776A - 樹脂組成物 - Google Patents
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すなわち本発明は、以下の通りである。
(b)クロロホルム中、30℃で測定した極限粘度が0.16〜0.36dL/gであるポリフェニレンエーテル系樹脂と、
(c)平均繊維長0.01〜0.10mmの繊維状無機充填剤と、
(d)平均粒子径が5〜25μmであるタルクとを含有することを特徴とする、樹脂組成物。
[2]前記(a)成分と前記(b)成分の合計を100質量部としたときに、前記(c)成分の含有量が25〜150質量部である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記(a)成分と前記(b)成分の合計を100質量部としたときに、前記(d)成分の含有量が25〜150質量部である、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記(c)成分と前記(d)成分の含有質量比(c)/(d)が1/5〜5/1である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[5]前記(c)成分が平均繊維長0.01〜0.10mmのガラス繊維である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[6](e)リン系化合物および(f)相容化剤のうち少なくとも1つを更に含有する、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
本実施形態で用いられる(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その製造方法によりリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、リニアPPSと略記する。)および架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、架橋PPSと略記する。)に二分される。
前者のリニアPPSは、下記化学式(1)で示されるアリーレンスルフィドの繰返し単位を通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上を含む重合体である。
[−Ar−S−] ・・・(1)
(ここで、Arはアリーレン基を示し、アリーレン基として、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン基、置換フェニレン基(置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基が好ましい。)、p,p’−ジフェニレンスルホン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフチレン基等が挙げられる。)
リニアPPS粉末5gを塩化メチレン80mLに加え、6時間ソックスレー抽出を実施した後、室温まで冷却し、抽出後の塩化メチレン溶液を秤量瓶に移す。更に、上記の抽出に使用した容器を塩化メチレン合計60mLを用いて、3回に分けて洗浄し、該洗浄液を上記秤量瓶中に回収する。次に、約80℃に加熱して、該秤量瓶中の塩化メチレンを蒸発させて除去し、残渣を秤量し、この残渣量より塩化メチレンによる抽出量、すなわちリニアPPS中に存在するオリゴマー量の割合を求めることができる。
また、−SX基の定量は以下の方法によって行うことができる。すなわち、リニアPPS粉末を予め120℃で4時間乾燥した後、乾燥リニアPPS粉末20gをN−メチル−2−ピロリドン150gに加えて粉末凝集塊がなくなるように室温で30分間激しく撹拌混合し、スラリー状態にする。かかるスラリーを濾過した後、毎回約80℃の温水1リットルを用いて7回洗浄を繰り返す。ここで得た濾過ケーキを純水200g中に再度スラリー化し、ついで1Nの塩酸を加えて該スラリーのpHを4.5に調整する。
そして、架橋型(半架橋型も含む)ポリフェニレンスルフィド樹脂は、上記したリニアPPSを重合した後に、さらに酸素の存在下でポリフェニレンスルフィド樹脂の融点以下の温度で加熱処理し、酸化架橋を促進してポリマー分子量、粘度を適度に高めたものである。
更にこれらのPPS(リニアPPS、架橋PPS)は酸変性されたPPSでも構わない。ここで酸変性したPPSとは、上記PPSを酸化合物で変性する事によって得られるものであり、該酸化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物や、飽和型の脂肪族カルボン酸や芳香族置換カルボン酸等が挙げられる。さらに、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、ケイ酸、炭酸等の無機化合物系の酸化合物も該酸化合物として挙げることができる。
上記したリニアPPS、架橋PPSのそれぞれの300℃における溶融粘度は、1〜10000Pa・s、好ましくは50〜8000Pa・s、より好ましくは100〜5000Pa・sのものが使用できる。
本実施形態に用いられる(b)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂は、下記の化学式(2)で示される繰返し単位(構造ユニット)を有し、クロロホルム中、30℃で測定した極限粘度が0.16〜0.36dL/gであるホモ重合体および/または共重合体のポリフェニレンエーテル樹脂、またはこのポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂が任意の割合で混合された物である。(以下、PPEと略記する。)
上記スチレン系樹脂とは、スチレン系化合物の単独重合体、2種以上のスチレン系化合物の共重合体およびスチレン系化合物の重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなるゴム変性スチレン樹脂(ハイインパクトポリスチレン)等があげられる。これら重合体をもたらすスチレン系化合物としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル樹脂の配合比率が、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂:50〜95質量部、(b)ポリフェニレンエーテル樹脂:50〜5質量部で構成されることが好ましい。(b)成分のポリフェニレンエーテル樹脂を5質量部以上とすることで、樹脂組成物の成形時のバリを抑制するとともに、離型性が向上し、50質量部以下とすることで、流動性、難燃性、水蒸気バリア性のバランスに優れた樹脂組成物を与える。より好ましくは、上記配合比率が(a)/(b):65〜85/15〜35である。さらに好ましくは、上記配合比率が(a)/(b):70〜80/20〜30である。
本実施形態に用いられる繊維状無機充填剤は、(c)平均繊維長0.01〜0.10mmの範囲であり、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブ、セルロース繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、石膏繊維、金属繊維、チタン酸カルシウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラストナイトからなる群から選ばれる、少なくとも一種を用いることができる。これらの繊維状無機充填剤は、さらにシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、脂肪族金属塩等の表面処理剤で処理したものや、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂をバインダーとして処理したもので構わない。中でも、耐熱性と樹脂との密着性の観点から、ガラス繊維が好ましい。
本実施形態では、(a)成分と(b)成分の合計を100質量部としたときに、(c)成分の含有量が25〜150質量部であることが好ましい。(c)成分の含有量が25質量部以上であることで、低ソリ性、低バリ性、水蒸気バリア性が向上し、150質量部以下であることで、外観と離型性が良好な樹脂組成物が得られる。低水蒸気透過性が要求される小型かつ薄肉の精密成型の観点から、(c)成分の含有量は、より好ましくは30〜100質量部である。さらに好ましくは、30〜70質量部である。
本実施形態で用いられる(d)平均粒子径が5〜25μmであるタルクは、一般的に、含水ケイ酸マグネシウム(SiO2:58〜64%、MgO:28〜32%、Al2O3:0.5〜5%、Fe2O3:0.3〜5%)を主成分とする板状結晶である。
本実施形態では、(a)成分と(b)成分の合計を100質量部としたときに、(d)成分の含有量が25〜150質量部であることが好ましい。(d)成分の含有量が25質量部以上であることで、低ソリ性、離型性が向上し、150質量部以下であることで、流動性、低バリ性、低ソリ性のバランスが向上する。低水蒸気透過性が要求される小型かつ薄肉の精密成型の観点から、30〜100質量部であることがより好ましい。さらに好ましくは、30〜70質量部とする。
更に、本実施形態では、(c)成分と(d)成分の含有質量比が、(c)/(d)=1/5〜5/1であることが好ましく、1/3〜3/1であることがより好ましい。(c)成分と(d)成分の含有量比が前述の範囲内にあることで、流動性、低ソリ性、低バリ性、水蒸気バリア性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
本実施形態に用いられる、(e)リン系化合物は、流動改質剤および難燃剤として用いられるものであり、代表的な化合物の例としては、有機リン酸エステル化合物が挙げられる。
(e)リン系化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本実施形態の樹脂組成物において、(e)リン系化合物の含有量は、(a)成分と(b)成分の合計を100質量部としたときに、30質量部以下が好ましい。(e)成分の含有を30質量部以下とすることで、機械的強度と流動性、離型性、低バリ性のバランスに優れた組成物を得ることができる。25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
スチレンを主たる成分とするモノマーとは、スチレン成分が100質量%である場合は何ら問題ないが、スチレンと共重合可能な他のモノマーが存在する場合は、その共重合体鎖が(b)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂との混和性を保持する上で、少なくともスチレンモノマーを65質量%以上、より好ましくは75〜95質量%含むこととする。これらの例として具体的には、エポキシ基および/またはオキサゾリル基含有不飽和モノマーとスチレンモノマーの共重合体、エポキシ基および/またはオキサゾリル基含有不飽和モノマーとスチレン/アクリロニトリル=90〜75質量%/10〜25質量%の共重合体等が挙げられる。
エポキシ基含有不飽和モノマーとしては、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、グリシジルイタコネート等が挙げられ、中でもグリシジルメタアクリレートが好ましい。
オキサゾリル基含有不飽和モノマーとしては、例えば、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手でき、好ましく使用できる。
これら、エポキシ基および/またはオキサゾリル基含有不飽和モノマーと共重合する他の不飽和モノマーとしては、スチレン等のビニル芳香族化合物の他に、共重合成分としてアクリロニトリル等のシアン化ビニルモノマー、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
この(f)成分の混和剤の配合量は、上記した(a)成分および(b)成分の合計100質量部に対して、1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部、更に好ましくは3〜10質量部とする。かかる(f)成分の配合量が1質量部以上であれば、(a)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂と(b)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂との混和性が良くなり、20質量部以下であれば、得られた樹脂組成物を用いて成型した成型品のバリ発生を大きく抑制することができ、さらに、靱性(衝撃強度)と剛性のバランスに優れた効果をもたらす。
樹脂組成物全体を100質量%としたときの(a)成分は20〜75質量%、(b)成分は2〜40質量%あることが好ましく、(a)成分は38〜65質量%、(b)成分は9〜27質量%であることがより好ましい。
また、上記成分の他に必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、結晶核剤、導電性付与剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料や染料等の着色剤、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸塩ワックス、ステアリン酸塩ワックス等の公知の離形剤も適宜添加することができる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法では、種々の溶融混練機や混練押出機等を用いることができる。溶融混練機や混練押出機としては、公知の混練機を用いることができ、例えば、単軸押出機、二軸押出機等の多軸押出機等の押出機;ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等の加熱溶融混練機;等が挙げられる。中でも、二軸押出機が好ましい。
(1)成形品中の繊維状無機充填剤の平均繊維長(mm)
樹脂組成物ペレット2〜3gを、650℃の電気炉で2時間熱して残った灰分を、水中に界面活性剤で分散させた。この溶液を、粒子形状画像解析装置(PITA−3)に通し、無機物の長径をスキャンして、粒径分布を測定した。この測定結果のアスペクト比1.5以上の範囲の平均粒子径(mm)を求めた。同じ樹脂ペレットの灰分から、同様の測定を3回行い、3回の平均粒子径(mm)の平均値を「成形品中の繊維状無機充填剤の平均繊維長(mm)」とした。
射出成形機(IS−80EPN、東芝機械社製)を用いて、0.5mm厚みSFD(スパイラルフロー)成形品を以下のとおり作製した。
下記の実施例及び比較例でで得られた樹脂組成物のペレットを、120℃で3時間乾燥させた。乾燥後の樹脂組成物を、上記射出成形機を用い、シリンダー温度310℃、金型温度120℃、ゲージ圧120MPa、射出速度95%、成形サイクル:射出時間/冷却時間=10sec/10secの条件で成形し、上記成形品を得た。得られた成形片のスパイラル長(cm)を測定し、スパイラル長が長いほど、高シェアでの流動性が良く、ソリ・バリの低減に有利と判断した。
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを120℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した。乾燥後、セミオートメルトインデクサ(2A、東洋精機社製)を用いて、ISO1133に準じてシリンダー設定温度300℃、10kg荷重にて、MVR(メルトボリュームレート)(cm3/10min)を測定した。
評価基準としては、MVRが高い値である程、低シェアの流動性に優れ、ソリ・バリの低減に有利であると判定した。
得られた樹脂組成物のペレットを、スクリューインライン型射出成形機(東芝機械(株)社製、製品名「EC75SXII射出成形機」)に供給し、シリンダー温度300℃、金型温度120℃の条件で50cm2、1mm厚みの平板を成形した。この平板を平らな台の上に置き、原子間力顕微鏡(VR−3000、キーエンス製)にて3次元解析し、厚み方向の高さの最も高い点、最も低い点の差(mm)を求めた。評価基準として、0.10mm未満であれば、低ソリ性に優れると判断した。
上記樹脂組成物のペレットを、320℃に設定した射出成形機(TOYOplaster TI50G2)に供給し、ゲート3から樹脂組成物を流し、2つの構造部4とこれらを連結する幅wが7mm、長さlが18mm、厚みtが0.25mmのヒンジ部2とを含む試験片1(図1に示される試験片)を成形した。ここで、各樹脂組成物について、射出速度80%におけるSSP(ショートショットプレッシャー)を求め、SSP+10%の射出圧力で成形を行った。
その際、ヒンジ部2と金型の隙間に生じるバリのうち、最大点のヒンジ部端からの長さを測定し、バリ発生量(mm)と定義した。評価基準として、0.25mm以下であれば、低バリ性に優れると判断した。
(4)に示した50cm2、1mm厚みの平板を成形する際に、10ショット中、スプルーに樹脂が残り離型しない現象が、1回以上あれば×、全く起こらなければ○とした。
(4)で成形した平板を用いて、水蒸気透過性試験機 PERMATRAN W3/31(モコン社製)にて、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下、JIS K7129 B法に準拠し、水蒸気透過度(g/(m2・day))を測定した。評価基準として、0.30g/(m2・day)以下であれば、水蒸気バリア性がよいと判断した。
(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂
(a−1):溶融粘度(フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、L/D=10/1で6分間保持した後測定した値。)が30Pa・s、塩化メチレンによる抽出量が0.7質量%、−SX基量が32μmol/gのp−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を有するリニア型のPPS。
(a−2):溶融粘度(フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、L/D=10/1で6分間保持した後測定した値。)が60Pa・s、320℃の溶融状態で捕集される揮発分160質量ppmの架橋型のPPS。
(b−1)2,6−キシレノールを酸化重合し、クロロホルム中、30℃で測定した極限粘度が0.21dL/gのポリフェニレンエーテル。
(b−2)2,6−キシレノールを酸化重合し、クロロホルム中、30℃で測定した極限粘度が0.33dL/gのポリフェニレンエーテル。
(b−x1)2,6−キシレノールを酸化重合し、クロロホルム中、30℃で測定した極限粘度が0.10dL/gのポリフェニレンエーテル。
(b−x2)2,6−キシレノールを酸化重合し、クロロホルム中、30℃で測定した極限粘度が0.46dL/gのポリフェニレンエーテル。
(c−1)平均繊維径6μm、平均繊維長0.05mmのガラス繊維(セントラルグラスファイバー社製)
(c−2)平均繊維径13μm、平均繊維長0.08mmのガラス繊維(日本電気硝子社製)
(c−3)平均繊維径6μm、平均繊維長0.05mmの炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製)
(c−x1)平均繊維径13μm、平均繊維長3mmのガラス繊維(日本電気硝子社製)
(d−1)平均粒子径8μmのタルク(富士タルク社製)
(d−2)平均粒子径19μmのタルク(富士タルク社製)
(d−x1)平均粒子径2.3μmのタルク(竹原化学工業社製)
(d−x2)平均粒子径30μmのタルク(富士タルク社製)
(e−1)トリフェニルホスフェート(大八化学社製)
(e−2)ビスフェノールA・ビス(ジフェニルホスフェート)(ADEKA社製)
(f−1):グリシジルメタクリレートを5質量%含有するスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(重量平均分子量110,000)
具体的には、(a)成分のポリフェニレンスルフィド樹脂と(b)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂および(f)成分の混和剤を、二軸押出機の第一供給口に同時に供給して溶融混練し、これら(a)、(b)および(f)成分で構成される基礎的樹脂組成物が溶融混練した状態で二軸押出機の第一ベント口を絶対真空圧95kPa以下で吸引脱気し、続いて、その下流に設けた二軸押出機のサイド1供給口より(d)成分のタルクを、さらに下流のサイド2供給口より(c)成分の繊維状無機充填剤を供給し、これらの成分を溶融混練し、最後に二軸押出機の第二ベント口を絶対真空圧95kPa以下で吸引脱気した。二軸押出機としては、ZSK−70(ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ))を用いた。なお、(e)成分を用いる場合には、液状の(e)成分を、第一供給口とサイド1供給口との間に設けた液体添加ポンプにより供給した。
これらの結果より、樹脂組成物が(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と、(b)クロロホルム中、30℃で測定した極限粘度が0.16〜0.36dL/gであるポリフェニレンエーテル系樹脂と、(c)平均繊維長0.01〜0.10mmの繊維状無機充填剤と、(d)平均粒子径が5〜25μmであるタルクとを含有することで、流動性、低ソリ性、低バリ性、離型性、水蒸気バリア性のバランスに優れた材料を得られることが明らかになった。
2 ヒンジ部
3 ゲート
4 構造部
l ヒンジ部の長さ
w ヒンジ部の幅
t ヒンジ部の厚み
Claims (6)
- (a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と、
(b)クロロホルム中、30℃で測定した極限粘度が0.16〜0.36dL/gであるポリフェニレンエーテル系樹脂と、
(c)平均繊維長0.01〜0.10mmの繊維状無機充填剤と、
(d)平均粒子径が5〜25μmであるタルクとを含有することを特徴とする、樹脂組成物。 - 前記(a)成分と前記(b)成分の合計を100質量部としたときに、前記(c)成分の含有量が25〜150質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記(a)成分と前記(b)成分の合計を100質量部としたときに、前記(d)成分の含有量が25〜150質量部である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記(c)成分と前記(d)成分の含有質量比(c)/(d)が1/5〜5/1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記(c)成分が平均繊維長0.01〜0.10mmのガラス繊維である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- (e)リン系化合物および(f)相容化剤のうち少なくとも1つを更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
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