JP2018090656A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、白色度を維持しつつ、耐衝撃性及び振動疲労特性に優れる樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の樹脂組成物は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(b)無機充填材の合計100質量部に対し、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜99質量部、(b)無機充填材を1〜60質量部、(c)酸化チタンを0.1〜5質量部、(d)炭酸カルシウムを0.3〜10質量部含むことを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。より詳細には、家電部品、OA機器部品、音響映像機器部品及び自動車部品等として用いられる、耐衝撃性及び振動疲労特性に優れた樹脂組成物に関する。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は耐熱性、寸法安定性、難燃性に優れる成形材料として、電子・電機部品、OA機器部品、音響映像機器部品および自動車部品などに多岐多様に利用されている。
近年、樹脂部品の小型精密化、軽量化のため熱溶融加工時の流動性と耐衝撃性向上が強く求められている。しかし、白色系に着色された無機充填剤材添加ポリフェニレンエーテル系樹脂において、著しく耐衝撃性や振動疲労特性が低下する問題が顕在化している。
このため、材料面からエラストマーを用いる改良工夫が数多く提案されている。しかし、白色系に着色された無機充填材添加樹脂組成物ではエラストマー添加による耐衝撃性付与効果は小さく、実用的ではない。
また、白色系の着色を中止することは意匠や組み立てミス防止の観点から実施できない。
現在、この問題の具体的な解決策は開示されておらず、改良した樹脂組成物が望まれている。
本発明の解決課題は、白色度を維持しつつ、耐衝撃性及び振動疲労特性に優れる樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂、無機充填材、酸化チタン、炭酸カルシウムを特定量添加した樹脂組成物が、白色度を維持しつつ、良好な耐衝撃性と振動疲労特性とを得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(b)無機充填材の合計100質量部に対し、
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜99質量部、
(b)無機充填材を1〜60質量部、
(c)酸化チタンを0.1〜5質量部、
(d)炭酸カルシウムを0.3〜10質量部
含むことを特徴とする、樹脂組成物。
[2]
(d)炭酸カルシウムの平均粒径が0.1〜10μmである、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂が、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂とを含み、
上記ポリフェニレンエーテルと上記ポリスチレン系樹脂との質量割合(ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン系樹脂)が、99/1〜5/95である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
上記ポリスチレン系樹脂が、アタクチックポリスチレン及び/又はハイインパクトポリスチレンである、[3]に記載の樹脂組成物。
[5]
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(b)無機充填材の合計100質量部に対し、(e)縮合リン酸エステル系難燃剤を2〜20質量部含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(b)無機充填材の合計100質量部に対し、(f)エラストマーを1〜20質量部含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]
(f)エラストマーが、ブロック共重合体及び/又は水添ブロック共重合体である、[6]に記載の樹脂組成物。
本発明によれば、白色度を維持しつつ、耐衝撃性及び振動疲労特性に優れる樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔樹脂組成物〕
本実施形態の樹脂組成物は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂(本明細書において、「(a)成分」と記載する場合がある。)、(b)無機充填材(本明細書において、「(b)成分」と記載する場合がある。)、(c)酸化チタン(本明細書において、「(c)成分」と記載する場合がある。)、及び(d)炭酸カルシウム(本明細書において、「(d)成分」と記載する場合がある。)を含み、(a)成分及び(b)成分の合計100質量部に対し、(a)成分の含有量が40〜99質量部、(b)成分の含有量が1〜60質量部、(c)成分の含有量が0.1〜5質量部、(d)成分が0.3〜10質量部である。
このように構成されているため、本実施形態の樹脂組成物は、白色度を維持しつつ、優れた耐衝撃性及び振動疲労特性を発揮することができる。
以下、本実施形態の樹脂組成物の構成成分について説明する。
((a)ポリフェニレンエーテル系樹脂)
本実施形態の樹脂組成物は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂(本明細書において、単に「PPE系樹脂」と記載する場合がある。)を含有するため、難燃性及び耐熱性に優れる。
上記PPE系樹脂は、ポリフェニレンエーテル(本明細書において、「PPE」と記載する場合がある)とポリスチレン系樹脂とを含むことが好ましく、PPEとポリスチレン系樹脂とからなる混合樹脂であってもよいし、PPEのみからなる樹脂であってもよい。
上記PPE系樹脂はPPEを含有するため、本実施形態の樹脂組成物は、難燃性及び耐熱性に一層優れる。
上記PPEとしては、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位構造からなるホモ重合体、下記式(1)で表される繰り返し単位構造を有する共重合体が挙げられる。
上記PPEは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2018090656
上記式(1)中、R、R、R、及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7の第1級アルキル基、炭素数1〜7の第2級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、及び少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される一価の基である。
上記PPEは、加工時の流動性、靭性及び耐薬品性の観点から、0.5g/dLの濃度のクロロホルム溶液を用いて、30℃の条件下、ウベローデ型粘度管で測定した還元粘度が、0.15〜2.0dL/gであることが好ましく、より好ましくは0.20〜1.0dL/g、さらに好ましくは0.30〜0.70dL/gである。
上記PPEとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等のホモ重合体;2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体等の共重合体;等が挙げられる。中でも、樹脂組成物としたときの靭性と剛性のバランスや、原料の入手のし易さの観点から、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)がより好ましい。
上記PPEは、公知の方法により製造することができる。PPEの製造方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、米国特許第3306874号明細書に記載のHayによる第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、2,6−キシレノールを酸化重合する方法、米国特許第3306875号明細書、米国特許第3257357号明細書、米国特許第3257358号明細書、特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開昭63−152628号公報等に記載の方法等が挙げられる。
上記PPEは、上記ホモ重合体及び/又は上記共重合体と、スチレン系モノマー若しくはその誘導体、及び/又はα,β−不飽和カルボン酸若しくはその誘導体と、を反応させることによって得られる変性PPEであってもよい。ここで、上記スチレン系モノマー若しくはその誘導体及び/又はα,β−不飽和カルボン酸若しくはその誘導体のグラフト量又は付加量としては、(a)成分100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。
上記変性PPEの製造方法としては、例えば、ラジカル発生剤の存在下又は非存在下で、溶融状態、溶液状態又はスラリー状態で、80〜350℃の温度下で反応させる方法等が挙げられる。
上記PPEとしては、上記ホモ重合体及び/又は上記共重合体と、上記変性PPEとの、任意の割合の混合物を用いてもよい。
(a)成分に含まれるポリスチレン系樹脂としては、スチレン系化合物を含む単量体成分を重合して得られる重合体が挙げられる。上記単量体成分には、スチレン系化合物と共重合可能な化合物が含まれていてもよい。
上記ポリスチレン系樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系樹脂100質量%に対してスチレン系化合物に由来する構成単位を60質量%超含むものが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。
上記スチレン系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。特に原材料の実用性の観点から、スチレンが好ましく使用される。
上記ポリスチレン系樹脂としては、アタクチックポリスチレン、ゴム補強されたポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン、HIPS)、スチレン含有量が50重量%以上のスチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、及び該スチレン−アクリロニトリル共重合体がゴム補強されたAS樹脂等が挙げられ、アタクチックポリスチレン及び/又はハイインパクトポリスチレンが好ましい。
(a)成分としては、PPEとポリスチレン系樹脂とからなり、PPEとポリスチレン系樹脂との質量割合(PPE/ポリスチレン系樹脂)が、99/1〜5/95であるポリフェニレンエーテル系樹脂を用いることができる。PPEとポリスチレン系樹脂との質量割合(PPE/ポリスチレン系樹脂)は、耐熱性、成形流動性の観点から、90/10〜10/90であることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物における(a)成分の含有量は、加工性、耐熱性、耐衝撃性及び振動疲労特性の観点から、(a)成分及び(b)成分の合計量を100質量部としたときに、40〜99質量部であり、40〜98質量部であることが好ましく、50〜95質量部であることがより好ましい。この(a)成分の含有量が40〜99質量部の範囲であれば、加工性、耐熱性、耐衝撃性及び振動疲労特性のバランスを十分に良好なものとすることができる。
本実施形態の樹脂組成物中の(a)成分の含有量は、難燃性の観点から、樹脂組成物全量(100質量%)に対して、2〜98質量%であることが好ましい。また、本実施形態の樹脂組成物中のPPEの含有量は、難燃性の観点から、樹脂組成物全量(100質量%)に対して、0.25〜92.2質量%であることが好ましい。
((b)無機充填材)
本実施形態に用いる(b)無機充填材としては、例えば、繊維状の無機充填材、板状の無機充填材等が挙げられる。上記無機充填剤は、0.1質量%以上の白色系の無機充填材(例えば、JIS Z8715に準拠して測定される白色度が70%以上の無機充填材)が含まれていてもよい。上記無機充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお(b)成分に、後述の、(c)酸化チタン、(d)炭酸カルシウム、(e)縮合リン酸エステル系難燃剤、(f)エラストマーは含まれないものとする。
上記繊維状の無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、窒化珪素繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリウム、窒化珪素等のウイスカー類、ワラストナイト、アルミニウム、チタン、銅等の金属繊維等が挙げられる。
上記繊維状の無機充填材の繊維の平均直径(D)と平均長さ(L)の比で表されるL/Dは、その補強効果の観点から、5以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、100以上であることがさらに好ましく、また、500以下であることが好ましい。
上記板状の無機充填材としては、例えば、フレーク状ガラス、マイカ、タルク、アルミフレーク等の金属箔等が挙げられる。
上記板状の無機充填材の平均厚み(H)と平均板径(R)の比で表されるR/Hは、その補強効果の観点から、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、20以上であることがさらに好ましく、また、3000以下であることが好ましい。
上記無機充填材としては、一層優れた加工性、耐熱性、耐衝撃性、振動疲労特性が得られる観点から、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスフレーク、マイカ、タルク、鱗片状黒鉛が好ましい。
上記無機充填剤は、表面処理が施されていてもよい。
無機充填材に対する表面処理としては、例えば、シラン系やチタネート系等の種々のカップリング剤による表面処理等が挙げられる。中でも、樹脂との密着性の観点から、アミノシラン又はエポキシシランによる表面処理が好ましい。樹脂と無機充填材とが密着することで、振動疲労特性及び耐衝撃強度が一層向上する。
無機充填材に対する表面処理の方法としては、例えば、ガラス繊維の場合は繊維引き取り時にシランカップリング剤溶液に浸漬し乾燥する、短繊維や粉末状の場合はシランカップリング剤溶液を含浸し乾燥する等の方法が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物における(b)成分の含有量は、加工性、耐熱性、耐衝撃性、振動疲労特性の観点から、(a)成分及び(b)成分の合計100質量部に対して、1〜60質量部であり、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは5〜50質量部である。この(b)成分の含有量が1〜60質量部の範囲であれば加工性、耐熱性、耐衝撃性及び振動疲労特性のバランスを十分に良好なものとすることができる。
本実施形態の樹脂組成物中の、(a)成分及び(b)成分の合計量は、白色度、加工性、耐衝撃性、振動疲労特性の観点から、64.5〜99.6質量%であることが好ましく、より好ましくは80.0〜96.7質量%である。
((c)酸化チタン)
本実施形態に用いる(c)酸化チタンとしては、特に限定されるものではなく、公知の酸化チタンを使用できる。
(c)酸化チタンの1次粒径は、分散性、白色着色性と製造時のハンドリング性のバランスの観点から、好ましくは0.01〜0.5μmであり、より好ましくは0.05〜0.4μmであり、さらに好ましくは0.15〜0.3μmである。
なお、1次粒径は、JIS Z8825により測定することができる。
(c)酸化チタンは、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニアチタン、錫等の含水酸化物及び/又は酸化物、ステアリン酸等の高級脂肪酸塩、有機珪素化合物等の表面処理剤で表面処理されていてもよい。
(c)酸化チタンは、乾式法、又は湿式法により製造することができる。また、(c)酸化チタンの結晶構造は、ルチル型、アナターゼ型のいずれでもよいが、樹脂組成物の白色着色性及び熱安定性の観点から、ルチル型が好ましい。
(c)酸化チタンの配合量は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(b)無機充填材の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部であり、好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.3〜3質量部である。(c)成分を0.1質量部以上とすることにより、樹脂組成物の白色度が著しく向上し、5質量部未満とすることにより耐衝撃性の低下を抑制することができる。
((d)炭酸カルシウム)
本実施形態に用いる(d)炭酸カルシウムの平均粒径は、0.1〜10μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。平均粒径が上記範囲にあることで、分散性、白色着色性と製造時のハンドリング性、耐衝撃性及び振動疲労特性のバランスの点で好ましい。
平均粒径は、例えば、電子顕微鏡(JIS Z8827)やレーザー回折式粒度分布測定装置により、JIS Z8825に準拠して測定することができる。
(d)炭酸カルシウムは、表面処理が施されていてもよい。
(d)炭酸カルシウムに対する表面処理としては、特に限定されるものではないが、例えば、脂肪酸、樹脂酸、珪酸、燐酸、シランカップリング剤、アルキルアリールスルホン酸またはその塩等による表面処理等が挙げられる。脂肪酸としては、炭素数6〜31、好ましくは炭素数12〜28の飽和または不飽和脂肪酸が挙げられる。中でも、分散性と製造時のハンドリング性の観点から、脂肪酸で表面処理を施したものが好ましい。また、(d)成分として脂肪酸で表面処理を施した炭酸カルシウムを用いると、樹脂に無機充填材がより均一分散し、樹脂組成物の振動疲労特性、耐衝撃強度が一層優れる。
(d)炭酸カルシウムの配合量は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(b)無機充填材の合計100質量部に対して、0.3〜10質量部であり、好ましくは0.3〜8質量部、より好ましくは0.5〜7質量部である。(d)成分を0.3質量部以上とすることにより、樹脂組成物の白色度が著しく向上し、10質量部以下とすることにより耐衝撃性の低下を抑制することができる。
本実施形態の樹脂組成物において、(b)成分の含有量と、(c)成分の含有量及び(d)成分の含有量の合計量との質量割合(無機充填材/酸化チタンと炭酸カルシウムとの合計量)は、白色度、耐衝撃性、振動疲労特性の観点から、1/15〜60/0.4が好ましく、より好ましくは1/10〜60/0.8である。
((e)縮合リン酸エステル系難燃剤)
本実施形態の樹脂組成物は、(e)縮合リン酸エステル系難燃剤を含んでいてもよい。(e)成分を含むことにより、(a)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂の助難燃効果と(e)成分の難燃性付与効果とが相まって、本実施形態の樹脂組成物に対する難燃性付与に大きな効果を奏する。
上記(e)縮合リン酸エステル系難燃剤としては、以下に限定されないが、例えば、下記式(2)により表されるリン酸エステル及び/又はその縮合物を用いることができる。
Figure 2018090656
式(2)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール置換アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アリール基、及びアルキル置換アリール基からなる群より選ばれる一価の基を表す。Xは、アリーレン基を表す。nは、0〜5の整数である。
なお、上記nが異なるリン酸エステル及び/又はその縮合物である場合、上記nはそれらの平均値を表す。n=0である場合は、式(2)の化合物は、リン酸エステル単量体を示す。
代表的なリン酸エステル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等が挙げられる。
上記リン酸エステルの縮合物としては、通常nは平均値で1〜5の値を取り得るが、好ましくは平均値で1〜3である。
また、他の樹脂に混練した際に発現される難燃性及び耐熱性の観点から、上記R、R、R及びRは、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、全てがアリール基であることがより好ましい。また、同様の観点から、好ましいアリール基としては、フェニル、キシレニル、クレジル又はこれらのハロゲン化誘導体が挙げられる。
上記Xのアリーレン基としては、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビフェノール又はこれらのハロゲン化誘導体からそれぞれ2個の水酸基が脱離した残基等が挙げられる。
縮合型のリン酸エステル化合物としては、以下に限定されるものではないが、レゾルシノール−ビスフェニルホスフェート化合物、ビスフェノールA−ポリフェニルホスフェート化合物、ビスフェノールA−ポリクレジルホスフェート化合物等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物における(e)縮合リン酸エステル系難燃剤の含有量は、(a)成分及び(b)成分の合計量を100質量部としたときに、流動性、耐熱性及び難燃性の観点から、2〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量部、さらに好ましくは5〜18質量部である。(e)成分の含有量が2〜20質量部の範囲であれば、流動性、耐熱性及び難燃性のバランスを一層十分に良好なものとすることができる。
((f)エラストマー)
本実施形態の樹脂組成物は、必要により(f)成分として、エラストマーを含んでも構わない。
(f)成分としては、少なくとも2個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体(以下、単に「ブロック共重合体」と記載する場合がある。)及び/又はブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。これらブロック共重合体を含有することにより、本実施形態の樹脂組成物は、一層優れた耐衝撃性を有する。
(f)成分がスチレン系化合物に由来する構成単位を含む重合体を含む場合、該重合体は、該重合体100質量%に対するスチレン系化合物に由来する構成単位を60%以下含むものであってもよい。
ここでいう芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」とは、当該重合体ブロックにおいて、少なくとも50質量%以上が芳香族ビニル化合物に由来する構成単位であるブロックを指す。より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」に関しても同様で、少なくとも50質量%以上が共役ジエン化合物に由来する構成単位であるブロックを指す。より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
例えば、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック中に、ランダムに少量の共役ジエン化合物等の他の化合物に由来する構造単位が結合されている重合体ブロックの場合であっても、該重合体ブロックの50質量%以上が芳香族ビニル化合物に由来する構成単位より形成されていれば、芳香族ビニル化合物を主体とするブロック共重合体とみなす。また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの場合においても同様である。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが好ましい。
上記共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
また、該ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック(I)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(II)とが、I−II−I型、I−II−I−II型の中から選ばれる結合形式を有するブロック共重合体である事が好ましい。中でも、I−II−I型がより好ましい。
(f)成分は、上記ブロック共重合体の混合物であっても構わない。
上記ブロック共重合体は、水素添加されたブロック共重合体であることが好ましい。水素添加されたブロック共重合体とは、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水素添加処理することにより、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの脂肪族ニ重結合の量(即ち、水素添加率)を、0%を超えて100%の範囲で制御したものをいう。該水素添加されたブロック共重合体の好ましい水素添加率は50%以上であり、より好ましくは80%以上、最も好ましくは98%以上である。
本実施形態における水添ブロック共重合体としては、従来から知られ販売されている水添ブロック共重合体であり、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能である。
(f)成分としては、水素添加されていないブロック共重合体と水素添加されたブロック共重合体の混合物も問題なく使用可能である。
また、(f)成分としては、国際公開第02/094936号公報に記載されているような、全部又は一部が変性されたブロック共重合体や、オイルがあらかじめ混合されたブロック共重合体も好適に使用することができる。
本実施形態の樹脂組成物における(f)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の合計量を100質量部としたときに、耐熱性、耐衝撃性及び振動疲労特性の観点から、1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量部、さらに好ましくは2〜15質量部である。この(f)成分の含有量が1〜20質量部の範囲であれば、耐熱性、耐衝撃性及び振動疲労特性のバランスを十分に良好なものとすることができる。
(その他の成分)
本実施形態の樹脂組成物は、上述した成分の他に、樹脂組成物の、白色性の維持、耐衝撃性、振動疲労特性を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
上記その他の成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性エラストマー(ポリオレフィン系エラストマー)、熱安定剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、結晶核剤、難燃剤((e)成分に該当しない有機リン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム系化合物、シリコーン系難燃剤等)、可塑剤(低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、耐候(光)性改良剤、スリップ剤、有機の充填材や強化材(ポリアクリロニトリル繊維、アラミド繊維等)、各種着色剤、離型剤等が挙げられる。
〔樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の樹脂組成物は、上述した(a)〜(d)成分、さらに必要に応じて(e)成分、(f)成分、その他の成分を溶融混練することにより製造することができる。
溶融混練を行う溶融混練機としては、以下に限定されないが、例えば、単軸押出機、二軸押出機を含む多軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練機が挙げられるが、特に、混練性の観点から、二軸押出機が好ましい。具体的には、COPERION社製のZSKシリーズ、東芝機械(株)製のTEMシリーズ、日本製鋼所(株)製のTEXシリーズ等が挙げられる。
押出機を用いた好ましい製造方法を以下に述べる。押出機のL/D(バレル有効長/バレル内径)は、20以上60以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは30以上50以下である。
押出機の構成については、特に限定されないが、例えば、原料の流れ方向に対し、上流側に第1原料供給口、これより下流に第1真空ベント、その下流に第2原料供給口を設け(必要に応じて、さらに第3、第4原料供給口を設けてもよい)、さらにその下流に第2真空ベントを設けたものが好ましい。特に、第1真空ベントの上流にニーディングセクションを設け、第1真空ベントと第2原料供給口の間にニーディングセクションを設け、また第2〜第4原料供給口と第2真空ベントの間にニーディングセクションを設けたものがより好ましい。
上記第2〜第4原料供給口への原材料供給方法は、特に限定されるものではないが、押出機第2〜第4原料供給口の開放口よりの単なる添加供給よりも、押出機サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて供給する方法がより安定して供給できる傾向にあるため好ましい。
特に、原料に粉体が含まれ、樹脂の熱履歴による架橋物や炭化物の発生を低減したい場合は、押出機サイドから供給する強制サイドフィーダーを用いた方法がより好ましく、強制サイドフィーダーを第2〜第4原料供給口に設け、これら原料の粉体を分割して供給する方法がさらに好ましい。
また、液状の原材料を添加する場合は、プランジャーポンプ、ギアポンプ等を用いて押出機中に添加する方法が好ましい。
そして、押出機第2〜第4原料供給口の上部開放口は、同搬する空気を抜くための開放口として使用することもできる。
樹脂組成物の溶融混練工程における溶融混練温度、スクリュー回転数に関しては、特に限定されるものではないが、通常、結晶性樹脂においてはその結晶性樹脂の融点温度以上、非結晶性樹脂においてはそのガラス転移温度以上で加熱溶融して無理なく加工できる温度を選ぶことができ、通常200〜370℃の中から任意に選び、スクリュー回転数を100〜1200rpmとする。
好ましい二軸押出機による本発明の樹脂組成物の具体的な製法態様の一つとして、例えば、(a)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂、(c)成分の酸化チタン、(d)成分の炭酸カルシウム及び(f)成分のエラストマーを、二軸押出機の第一供給口に供給し、加熱溶融ゾーンをポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融温度に設定し、スクリュー回転数100〜1200rpm、好ましくは200〜500rpmにて溶融混練し、(a)成分、(c)成分、(d)成分及び(f)成分が溶融混練した状態で、二軸押出機の第二供給口より(e)成分の縮合リン酸エステル系難燃剤、第三供給口より(b)成分の無機充填材を供給し、さらに溶融混練する方法が挙げられる。また、(a)成分、(c)成分、(d)成分及び(f)成分を二軸押出機に供給する位置は、上記したように一括して押出機の第一供給口から供給しても良く、第二供給口、第三供給口及び第四供給口を設けてそれぞれの成分を分割して供給しても構わない。
さらに、樹脂の酸素存在下における熱履歴による架橋物や炭化物の発生を低減化させる場合、各原材料の押出機への添加経路における個々の工程ラインの酸素濃度を1.0体積%未満に保持することが好ましい。上記添加経路としては、特に限定されないが、具体例としては、ストックタンクから順に、配管、リフィルタンクを保有した重量式フィーダー、配管、供給ホッパー、二軸押出機、といった構成を挙げることができる。上記のような低い酸素濃度を維持するための方法としては、特に限定されないが、気密性を高めた個々の工程ラインに不活性ガスを導入する方法が有効である。通常、窒素ガスを導入して酸素濃度1.0体積%未満に維持することが好ましい。
上述した樹脂組成物の製造方法は、(a)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂や(f)成分のエラストマーがパウダー状(体積平均粒径が10μm未満)の成分を含む場合、本実施形態の樹脂組成物を二軸押出機を用いて製造する際に、二軸押出機のスクリューにおける残留物をより低減する効果をもたらし、さらには上述した製造方法で得られた樹脂組成物において、黒点異物や炭化物等の発生を低減化する効果をもたらす。
本実施形態の樹脂組成物の具体的な製造方法としては、各原料供給口の酸素濃度を1.0体積%未満に制御した押出機を用い、かつ下記1〜3のいずれかの方法を実施することが好ましい。
1.本実施形態の樹脂組成物に含まれる(a)成分、(c)成分、(d)成分及び(f)成分の全量又は一部、必要に応じて(b)成分の一部、を溶融混練し(第一混練工程)、第一混練工程で得られた溶融状態の混練物に対し、(a)成分、(c)成分、(d)成分及び(f)成分の残量、(e)成分の全量を供給して溶融混練し(第二混練工程)、第二混練工程で得られた溶融状態の混練物に対し、(b)成分の全量又は一部を供給して溶融混練する(第三混練工程)、製造方法。
2.本実施形態の樹脂組成物に含まれる(a)成分、(e)成分、(f)成分の全量、を溶融混練し(第一混練工程)一度冷却しペレット化した後、他の(b)成分、(c)成分及び(d)成分の全量を供給し溶融混練を行う(第二混練工程)、製造方法。
3.本実施形態の樹脂組成物に含まれる(a)〜(f)成分の全量を溶融混練する方法。
特に、(a)成分の原料であるポリフェニレンエーテル、分子構造によっては(f)成分の水添ブロック共重合体は粉体状であり、(e)成分は液状の場合があるため押出機への噛み込み性が悪く、時間当たりの生産量を増やすことが難しい。さらに樹脂の押出機中の滞留時間が長くなることから熱劣化が起きやすい。以上から、上記1又は2の製造方法で得られる樹脂組成物は、3の製造方法で得られる樹脂組成物と比較して、各成分の混合性に優れ、熱劣化による架橋物や炭化物の発生を低減化させることができ、且つ樹脂の時間当たりの生産量を上げることができ、生産性、品質が優れた樹脂組成物が得られるため、より好ましい。
ここで、上記第一混練工程から第二混練工程において、上記混練物を溶融状態として、(a)成分を、一度溶融させてペレット化した後に、再度溶融させることを避けてもよい。
〔成形品〕
本実施形態の樹脂組成物の成形品は、光学機器機構部品、光源ランプ周り部品、金属フィルム積層基板用シート又はフィルム、ハードディスク内部部品、光ファイバー用コネクタフェルール、プリンター部品、コピー機部品、自動車ラジエタータンク部品等の自動車エンジンルーム内部品や自動車ランプ部品等の成形品として広く使用することができる。
以下、本実施形態について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例に用いた物性の測定方法を以下に示す。
((1)シャルピー衝撃試験)
ISO 179に記載された方法により、シャルピー衝撃強さ(kJ/m)を測定した。値が高いほど耐衝撃性に優れていると評価した。
((2)振動疲労試験)
JIS K7118及びK7119に準じて油圧サーボ疲労試験機(株式会社鷺宮製作所製、EHF−50−10−3)を用い、23℃の雰囲気下、周波数30Hzの正弦波にて引張り荷重(50MPa)を負荷し、破断した振動回数を求めた。破断までの振動回数が多い方が耐振動疲労特性に優れていると評価した。
((3)白色度)
JIS Z8715に準じて測色色差計(日本電色工業株式会社製ZE−2000)を用い、L値を求めた。L値が高いほど白色度が高いと評価した。
((4)難燃性)
UL94(米国Under Writers Laboratories Incで定められた規格)の垂直燃焼試験方法に従って試験を行った。
実施例及び比較例に用いた原材料を以下に示す。
<(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂>
(a1):PPE(ポリフェニレンエーテル)
2,6−キシレノールを酸化重合して得たポリフェニレンエーテル(濃度0.5g/dLのクロロホルム溶液で30℃で測定した還元粘度:0.51dL/g)。
(a2):ハイインパクトポリスチレン(商品名「ポリスチレンH9405」、PSジャパン社製)。
<(b)無機充填材>
(b1)平均直径13μm、平均長さ3,000μm。アミノシラン系カップリング剤で表面処理した、ガラス繊維。
(b2)平均直径6μm、平均長さ3,000μm。エポキシシラン系カップリング剤で表面処理した、炭素繊維。
(b3)平均板径130μm、平均厚み5μm。アミノシラン系カップリング剤で表面処理した、ガラスフレーク。
(b4)平均粒径3μmのタルク(商品名「ハイトロンA」、竹原化学工業(株)社製)。
(b5)カーボンブラック(商品名「#980」、三菱化学(株)社製)。
<(c)酸化チタン>
(c1)酸化チタン(一次粒径0.3μm、商品名「RTC−30」、HUNTSMAN(英国)社製)。
<(d)炭酸カルシウム>
(d1)平均粒径12μmの炭酸カルシウム。
(d2)平均粒径6μmの炭酸カルシウム(商品名「サンライトSL−100」、竹原化学工業(株)社製)。
(d3)平均粒径1.3μmの炭酸カルシウム(商品名「サンライトSL−2200」、竹原化学工業(株)社製)。
(d4)平均粒径0.08μmの炭酸カルシウム(商品名「ネオライトSP」、竹原化学工業(株)社製)。
<(e)縮合リン酸エステル系難燃剤>
(e1)芳香族縮合リン酸エステル(商品名「CR−741」、大八化学工業(株)社製)。
<(f)エラストマー>
(f1)ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量33%、数平均分子量246,000、分子量分布1.07、ポリブタジエン部の水素添加率が99.8%の水添ブロック共重合体を合成した。
(f2)ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量40%、数平均分子量90,000、分子量分布1.17のブロック共重合体を合成した。
〔実施例1〜13〕、〔比較例1〜6〕
二軸押出機ZSK−40(WERNER&PFLEIDERER社製)を用いて樹脂組成物の製造を行った。この二軸押出機において、原料の流れ方向に対して上流側に第1原料供給口を設け、これより下流に第1真空ベント、第2原料供給口、第3原料供給口を設け、さらにその下流に第二真空ベントを設けた。第2原料供給口は押出機上部開放口からギアポンプを用いて行った。
上記のように設定した押出機を用い、上記に示した組成で(a)成分、(c)成分、(d)成分、(f)成分を第一原料供給口から、(e)縮合リン酸エステル系難燃剤を第二原料供給口から、(b)無機充填材を第3原料供給口から添加し、押出温度240〜310℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量100kg/時間の条件にて溶融混練し、ペレットを製造した。なお、(b)成分のうち、(b4)、(b5)成分は、第一原料供給口から添加した。
この樹脂組成物のペレットを用いて250〜310℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60〜120℃の射出成形条件でASTM TYPE1振動疲労測定用成形品を得た。ここで得た成形品を23℃相対湿度50%に24時間以上放置し、(2)振動疲労試験及び(3)白色度の測定を行った。
また、同上の射出成形条件にてISO 10724−1に従い試験片タイプAを成形した。このテストピースを用いて(1)シャルピー衝撃強度(ISO 179)を測定した。
さらに、同上の射出成形条件にて長さ127mm、幅12.7mm、厚み1.6mmの試験片を成形した。これを用い、UL94に準拠した垂直燃焼試験を行い、(4)難燃性の評価を行った。
これらの結果を併せて表1〜2に記載した。
表1〜2に示すように、実施例1〜13の樹脂組成物は、耐衝撃性、振動疲労特性に優れ、さらに白色度も優れていることが分かった。
比較例1〜6は、実施例と比較して、耐衝撃性、振動疲労特性及び白色度のいずれか1つ以上が劣る結果となった。
Figure 2018090656
Figure 2018090656
本実施形態の樹脂組成物で成形される成形品は、優れた白色着色性を有し、耐衝撃性及び振動疲労特性が優れることから樹脂成形品の設計の自由度を上げることができる。このため、電気・電子機器、自動車機器、化学機器、光学機器における各種部品として利用でき、例えば、デジタルバーサタイルディスク等のシャーシーやキャビネット、光ピックアップスライドベース等の光学機器機構部品、光源ランプ周り部品、金属フィルム積層基板用シート又はフィルム、ハードディスク内部部品、光ファイバー用コネクタフェルール、レーザービームプリンター内部部品(トナーカートリッジなど)、インクジェットプリンター内部部品、コピー機内部部品、自動車ラジエタータンク部品等の自動車エンジンルーム内部品、自動車ランプ部品等として、産業上の利用可能性を有している。

Claims (7)

  1. (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(b)無機充填材の合計100質量部に対し、
    (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜99質量部、
    (b)無機充填材を1〜60質量部、
    (c)酸化チタンを0.1〜5質量部、
    (d)炭酸カルシウムを0.3〜10質量部
    含むことを特徴とする、樹脂組成物。
  2. (d)炭酸カルシウムの平均粒径が0.1〜10μmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂が、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂とを含み、
    前記ポリフェニレンエーテルと前記ポリスチレン系樹脂との質量割合(ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン系樹脂)が、99/1〜5/95である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ポリスチレン系樹脂が、アタクチックポリスチレン及び/又はハイインパクトポリスチレンである、請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(b)無機充填材の合計100質量部に対し、(e)縮合リン酸エステル系難燃剤を2〜20質量部含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(b)無機充填材の合計100質量部に対し、(f)エラストマーを1〜20質量部含む、請求項1〜5のいずれか1に記載の樹脂組成物。
  7. (f)エラストマーが、ブロック共重合体及び/又は水添ブロック共重合体である、請求項6に記載の樹脂組成物。
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