JP2019013189A - もやしの青臭さを低減する調味料 - Google Patents

もやしの青臭さを低減する調味料 Download PDF

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Abstract

【課題】もやしの調理に際し、電子レンジで加熱中及び加熱後にもやしから発生する青臭さを簡便かつ効果的に低減するための材(調味料)の提供。【解決手段】黄醤を電子レンジで加熱する前のもやしの重量に対して、0.2〜15重量%、好ましくは、0.2〜5.0重量%、より好ましくは0.3〜2.5重量%含有する、電子レンジにより加熱されたもやし用の黄醤及び黄醤以外の調味成分を含む調味料。糖類、醤油、鰹節や酵母エキス、塩、香辛料、味噌類、酒類調味料、野菜加工品類、澱粉類及び増粘剤からの1種又は2種以上を含有する、前記調味料。【選択図】なし

Description

本発明は、もやしの青臭さを低減する調味料及びもやし料理の調味方法に関する。
もやしはビタミン、遊離アミノ酸、タンパク質及び脂質などの栄養分に富み、安価で利用価値の高い野菜の一つとして飲食業者において、あるいは一般家庭において、重宝されている。もやしは和え物や肉料理のつけ合せや炒め物等に用いられ、独特のシャキシャキした食感や歯ごたえに人気がある。
もやしの種類として、少なくとも緑豆もやし、大豆もやし及びブラックマッペもやしが知られている。
もやしは、調理されるに際しては加熱されることが通常であり、非加熱のまま食されることは少ない。もやしの加熱の方法は、典型的には茹でる、炒める、又は蒸すといった方法である。
上記のとおりもやしは、調理の際には加熱されることが通常であるが、加熱中及び加熱後に特有の青臭さが生じる。とくに電子レンジによる加熱に付されたもやしの青臭さは顕著である。
一方、加熱中及び加熱後のもやしから生じる青臭さを低減するための方策として熱湯や酢をかけたりすることが知られている。また特許文献1にはα,α-トレハロースの糖質誘導体を含有せしめる不快味及び/又は不快臭の低減剤について開示され、不快味及び/又は不快臭が低減される対象として生のもやしも記載されている。
国際公開WO2004/060077号公報
藤野ら、調理科学 Vol. 24, No. 3:193-197 (1991)
加熱中及び加熱後のもやしから生じる青臭さを低減するための方策として、上記のとおり熱湯や酢をかけたりすることが知られているが、これらの方法のうち熱湯をかける方法は煩雑であるし、酢をかける方法はもやしの味を損ねるおそれがある。また特許文献1には電子レンジによる加熱に付されたもやしの青臭さの低減については記載されていない。
すなわち、電子レンジによる加熱に付されたもやしの青臭さについては、軽減することについての検討もされていないばかりでなく、問題として認識されていないのが現状である。
本発明者らは、これまで見出されていなかった上記の問題点、すなわち電子レンジによる加熱に付されたもやしの青臭さを軽減する技術が存在しないという問題点を見出し、もやしの調理に際し、加熱中及び加熱後にもやしから発生する青臭さを簡便かつ効果的に低減するための材(調味料)を創出することを課題とした。
本発明者らは上記課題を解決すべく、加熱中及び加熱後にもやしから発生する青臭さを低減するための新たな材について鋭意研究を重ねたところ、ある種の食品素材(調味料)を用いることにより所期の目的が達成される可能性があることを見出し、さらに研究を進めた結果本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、少なくとも下記の各発明に関する。
[1]電子レンジにより加熱されたもやしを調味するための調味料であって、黄醤 及び黄醤以外の調味成分を含有し、電子レンジにより加熱する前の生のもやしの重量に対して、黄醤を0.3重量%〜2.5重量%の割合で含有する、調味料。
[2]黄醤以外の調味成分が糖類、醤油、鰹節や酵母エキス、塩、香辛料、味噌類、酒類調味料、野菜加工品類、澱粉類及び増粘剤からの1種又は2種以上である、上記[1]に記載の調味料。
[3]電子レンジにより加熱調理したもやしに、黄醤を含有する調味料を混合することを特徴とする、もやし料理の調味方法。
[4]黄醤を含有する調味料が、電子レンジにより加熱する前の生のもやしの重量に対して、黄醤が0.3重量%〜2.5重量%の割合となるように調製した調味料であることを特徴とする、[3]に記載のもやし料理の調味方法。
本発明によれば、電子レンジにより加熱されたもやしの青臭さを低減する調味料が提供される。また本発明によれば、電子レンジにより加熱されたもやしの旨味を増強する調味料が提供される。
本発明の調味料のうち、調味成分として糖類、醤油、鰹節や酵母エキス、塩、香辛料、味噌類、酒類調味料、野菜加工品類、澱粉類及び増粘剤からの1種又は2種以上を含むものによれば、電子レンジにより加熱されたもやしの食味をより一層向上させることができる。
本発明のもやし料理の調味方法によれば、電子レンジにより加熱されたもやしの青臭さを低減した調理品を簡便に提供することができる。
中国の北京周辺で製造される黄醤は大豆の発酵調味料であり、いわゆる中華大豆みその一種である。黄醤は、中国では、回鍋肉、北京ダックのタレによく用いられる芝麻醤(ねりごま)及び醤油を加えた北京風あまみそとして市販されている甜麺醤(李錦記社製、ヱスビー食品社販売)の原料として用いられている。また、炸醤麺(ジャージャー麺)のトッピングである豚ひき肉を主とした肉味噌の調味料として、あるいは、京醤肉絲(ジン・ジャン・ロー・スー)の調味料として、欠かさず利用されている。しかしながら、黄醤を野菜の臭いの低減、とくに電子レンジにより加熱されたもやしの青臭さを低減、に用いることは、従来まったくなされていなかったしその示唆さえ報告されていない。そもそも黄醤に何らかの臭いを低減する作用を有すること自体、これまで全く知られていなかったことである。
したがって、本発明においては構成が新規であるばかりでなく、本発明が解決を企図した課題もこれまで知られていなかったものであり、さらに本発明が奏する効果は、従来技術では達成し得なかった、予測不能な格別なものである。
実施例2において試験されたサンプルのうち、比較例5(Cont)及び試験例2(No.1)〜試験例4(No.3)の各サンプルの外観を示す写真図である。白いカードに記載された数字のそれぞれが、各プレート中のサンプルが当該数字に対応する試験例のサンプルであることを示す。 実施例2において試験されたサンプルのうち、試験例2(No.1)〜試験例6(No.5)の各サンプルの外観を示す写真図である。白いカードに記載された数字のそれぞれが、各プレート中のサンプルが当該数字に対応するNo.のサンプルであることを示す。 実施例2において試験されたサンプルのうち、試験例6(No.5)〜試験例8(No.7)の各サンプルの外観を示す写真図である。白いカードに記載された数字のそれぞれが、各プレート中のサンプルが当該数字に対応するNo.のサンプルであることを示す。
以下に本発明について、より詳細に説明する。
なお本明細書において「添加」又は「添加する」の語は、添加の対象となる2つの成分、物質及び材料のうち、両方が混在している状態にすることを意味する。すなわち、「AをBに添加する」の記載は、必ずしもBにAを加えることのみを限定的に意味するものではなく、AにBを加えることも包含して意味する。
また本明細書において、「%」により表される割合(濃度)は、他に特段の記載がない限り重量による割合を示す。
[本発明の調味料]
本発明の調味料は上記のとおり、黄醤を含有する、電子レンジにより加熱されたもやし用の調味料である。
一方、理論に束縛されるものではないが、本発明の調味料において電子レンジにより加熱されたもやしの青臭さが低減されるメカニズムとしては、黄醤に含有される何らかの成分が、もやしの青臭さの原因物質であると考えられている(非特許文献1)n-ヘキサナールを主体とするアルデヒド類に対して何らかの作用を及ぼしていることが考えられる。したがって本発明の調味料は、n-ヘキサナールを主体とするアルデヒド類による不快臭を伴うもやし以外の食材に対しても効果を発揮すると考えられる。
本発明における「青臭さ」とは、もやしを電子レンジによって加熱した際に生じる不快な青くさい臭いを意味する。当該青臭さは、豆類に含有されている上記n-ヘキサナール等の何らかの成分が、電子レンジによる加熱によって凝縮されて感知されるものであると考えられる。
本明細書において「青臭さが低減される」とは、本発明の調味料を適用前の電子レンジにより加熱されたもやしに比較して、適用後の電子レンジにより加熱されたもやしの青臭さを低減することを意味し、好ましくは、本発明の調味料を適用前の電子レンジにより加熱されたもやしと適用後の電子レンジにより加熱されたもやしとの青臭さの差を、人が感知することができる程度に低減することである。
本発明において、調味料がある成分を「含む」とは、当該成分が前記調味料中に存在することを意味し、成分の由来は限定されない。すなわち、前記「含む」には、元々原料中に存在している、原料中に存在していなかった成分を外部から添加する、あるいは調味料の製造過程において生じるといった、当該成分が存在することとなったいずれの場合も包含される。
本発明において用いられる黄醤は上記のとおり中華大豆みその一種であり、中国の北京を中心として河北省等北方地区の代表的な伝統発酵食品である。黄醤は、蒸煮大豆に生小麦粉、麹を加えて製麹した後、食塩水を加えて数カ月から1年程度醗酵熟成させることにより製造される(醸協、第93巻第3号、198頁 1998年)。なお、本発明における黄醤としては、黄豆醤(葱伴侶社(中国)製)のように、黄醤を主原料として、添加物として化学調味料、増粘剤、保存料、または、甘味料等の一種又は二種以上を配合した黄醤含有中華大豆みそ等もさらに含まれるものである。しかしながら、本発明に用いる黄醤としては、甘味や旨味等の味のバランスやコク(味の厚み及び味の持続性)の点から、化学調味料や保存料等の上記添加物を配合していない黄醤を使用することが好ましい。
本発明の調味料の形状は限定されず、液状、半液状(ペースト状を含む)及び固形状等の形状であってよい。本発明の調味料の形状として、液状の形状は好ましい。液状の形状の場合には、黄醤の量に対する調味料の体積の割合が大きくなりもやしを和えやすいためである。
青臭さを低減する対象であるもやしに適用される黄醤の量は、もやしの青臭さを低減する量であれば限定されないところ、例えば電子レンジで加熱する前のもやしの全重量に対して約0.2重量%〜約15.0重量%の割合である。黄醤の量を電子レンジで加熱する前のもやしの全重量に対して約0.2重量%以上とすることにより、黄醤が奏するもやしの青臭さを低減する効果をより確実に達成するようにすることができる。また黄醤の量を加熱前のもやしの全重量に対して約15.0重量%以下の割合とすることにより、調味料の香味のバランスがとりやすくなる。
調理品においてもやしの色彩を保ち、また調理品の食味をより良好にするためには、黄醤の量は加熱前のもやしの全重量に対して約0.2重量%〜約5.0重量%の割合が好ましく、約0.3重量%〜約2.5重量%の割合はより好ましく、約0.3重量%〜約2.3重量%の割合は一層より好ましい。黄醤の量を加熱前のもやしの全重量に対して約2.3重量%以下の割合とすることにより、調理品における黄醤のえぐ味及び/又は醗酵臭を避け、食味を一層より良好にすることができる。
もやしに適用される本発明の調味料の量は本発明の調味料を、適用される対象であるもやしのほぼ全体に概ね均等に和えることができる量であればとくに限定されず、例えば加熱前のもやしの全重量に対して約20重量%〜約30重量%の割合としてよい。液状の形状である本発明の調味料(調味液)の場合にも、加熱前のもやしの全重量に対して約20重量%〜約30重量%の割合で適用することができる。
本発明の調味料に含有される黄醤の量は0.6重量%〜75.0重量%であればとくに限定されず、青臭さを低減する対象であるもやしに適用される黄醤の量及びもやしに適用される調味料自体の量、ならびに必要に応じて、目的とする効果や他の成分の種類及び量等を基準に、設定することができる。
本発明の調味料が用いられるもやしは限定されず、緑豆もやし、大豆もやし及びブラックマッペもやしのいずれにも適用することができる。
<本発明の調味料に含有される他の調味成分>
本発明の調味料においては、調理品の食味をより向上させるための各種調味成分を含む。なお本明細書において「調味成分」とは食品の味、風味及び/又は外観を向上させるあらゆる成分を意味する。
当該調味成分はとくに限定されず、糖類(砂糖、液糖、ブドウ糖、三温糖、水あめ等)、醤油、鰹節や酵母エキス、塩、香辛料(にんにく、玉ねぎ、胡麻、唐辛子、胡椒等)、味噌類、酒類調味料(みりん、日本酒、ワイン、エタノール等)、柑橘類(柚子、カボス等)、野菜加工品類(香味野菜を包含する野菜(例:大根、玉ねぎ、長ねぎ、にんにく、にんじん、生姜、ピーマン、胡麻、たけのこ、パセリ、セロリ、きゃべつ、なす、きのこ類(きくらげを含む)等)の加工品及びトマトペースト等)、澱粉類(加工でん粉等)、増粘剤(増粘多糖類、キサンタンガム等)等の調味料等を適宜選択して使用できる。
本発明の調味料のうち、調味成分として上記に記載した香味野菜類を包含する野菜の野菜加工品を含むものは好ましく、特に当該野菜としてにんじん、にんにく及びきくらげを含むものはより好ましい。これらの野菜の配合量は限定されず、目的に応じた配合量としてよい。
上記野菜加工品の形状は限定されず、きざんだもの、スライスしたもの、すりおろしたもの、あるいは粒径1〜7mmにカットしたもの等であってよい。
本発明の調味料のうち、調味成分として水あめ、ごま油、醤油、食塩、砂糖、酵母エキス、酢、唐辛子及びアルコール等の調味料類からの1種又は2種以上を含むものも好ましい。これらの調味料類の配合量は限定されず、目的に応じた配合量としてよい。
本発明の調味料のうち液状のものにおいては、調理品全体に当該調味料を絡ませやすくするために増粘剤を含むものはより好ましい。増粘剤はとくに限定されず、加工でん粉、増粘多糖類及びキサンタンガム等が挙げられる。増粘剤の配合量は限定されず、目的に応じた配合量としてよい。
液状の本発明の調味料としては、黄醤由来の水又は調味成分由来の水分以外の水、すなわち別途添加された水を含むもの(調味液)が挙げられる。
本発明の調味料にはまた、保存料、安定剤、酸化防止剤、着色料、香料、防腐剤及び乳化剤等の通常の調味料に使用可能な各種添加物が適宜配合されていてもよい。これらの成分の配合量は限定されず、目的に応じた配合量としてよい。
<本発明の調味料の使用方法>
本発明の調味料の使用は、電子レンジにより加熱されたもやしに適量を直接、又は適宜水などにより希釈して、混和する(和える)ことによりなされる。前記もやしには、もやし以外の他の食材類(野菜(香味野菜を包含する)、鶏肉、豚肉及び牛肉等の肉類、魚類、ならびに豆腐、こんにゃく及び海藻類等の食材類)が含まれていてもよいことは上記のとおりである。
また本発明の調味料は、電子レンジにより加熱されたもやしを他の食材類と混ぜ合わせたものに用いてもよい。
本発明の調味料は黄醤が有する色(褐色)のために茶色がかった色である場合がある。そのため本発明の調味料を用いる量によって、調理品全体又は一部の色が白色系の色〜茶色がかった色になる。食味以外に、上記のような調理品の色を基準にして本発明の調理品を用いる量を改変してもよい。
本発明の調味料は電子レンジにより加熱されたもやし用であるが、本発明の調味料が用いられるもやしに他の食材類が含まれている場合にも、本発明の調味料は用いることができる。他の食材類として、大根、玉ねぎ、長ねぎ、にんにく、にんじん、生姜、ピーマン、たけのこ、パセリ、セロリ、きゃべつ、なす、ブロッコリ及びきのこ類(きくらげを含む)等の野菜(香味野菜を包含する)、鶏肉、豚肉及び牛肉等の肉類、魚類、ならびに豆腐、こんにゃく及び海藻類等の食材類が例示される。
<本発明の調味料の製造方法>
本発明の調味料の製造方法は限定されず、調味料が最終的に調製される前のいずれかの工程において、黄醤を最終調製前の製品に添加して混和すればよい。例えば本発明の調味料のうち、液状のものについては、水に各原料を添加したのち混ぜ合わせ、その後約80℃〜90℃まで加熱し、いわゆる熱詰めにより容器に充填して製造してもよく、あるいは、そのまま放置して冷却することによって製造してよい。放置して冷却した後に、さらに所望の成分や水を加えて全体の構成を整えてもよい。また、野菜加工品などの具材の種類によっては、容器に充てん後レトルト処理により製造してもよい。
上記加熱に付する時間はとくに限定されない。例えば所望の温度に約10分かけて達温させ、その後すぐに冷却を開始してよいし、約5〜10分程度当該温度に保持してもよい。
上記のようにして得た液状の本発明の調味料から加熱による乾燥等により水分を減じて半液状や固形状のものとしてもよい。
添加の際における黄醤は、液体の希釈剤又は担体に溶解もしくは懸濁させるか、あるいは固体の希釈剤又は担体に保持させるなどして、他の成分とともに、あるいは他の成分とは別個に単独で、添加してよい。
上記液体の希釈剤又は担体として、水、アルコール類、グリコール類、グリセリン及び界面活性剤等が挙げられ、固体の希釈剤又は担体としてデキストリン、トータルミルクプロテイン、アラビアガム及びシュークロース等が挙げられ、これらの希釈剤又は担体の1種又は2種以上の混合物を用いてよい。これら希釈剤又は担体のうち液体の希釈剤又は担体が好ましく、液体の希釈剤又は担体としてアルコール類が好ましく、エタノールがとくに好ましい。
また、調味料に黄醤以外の成分を添加する工程がある場合には、当該黄醤以外の成分を溶解又は懸濁した液体に黄醤を溶解もしくは懸濁して、前記黄醤以外の成分とともに添加してよい。あるいは、黄醤を溶解もしくは懸濁した液体に、調味料の他の成分又は原料を加えて、これらの他の成分又は原料とともに添加してもよい。
[本発明のもやし料理の調味方法]
本発明のもやし料理の調味方法は、電子レンジにより加熱調理したもやしに、黄醤を含有する調味料を混合する工程を含む、もやし料理の調味方法である。
青臭さを低減する対象であるもやしに適用される黄醤の量は、もやしの青臭さを低減する量であれば限定されないところ、例えば電子レンジで加熱する前のもやしの全重量に対して約0.2重量%〜約15.0重量%の割合である。
調理品においてもやしの色彩を保ち、また調理品の食味をより良好にするためには、黄醤の量は加熱前のもやしの全重量に対して約0.2重量%〜約5.0重量%の割合が好ましく、約0.3重量%〜約2.5重量%の割合はより好ましく、約0.3重量%〜約2.3重量%の割合は一層より好ましい。黄醤の量を加熱前のもやしの全重量に対して約2.3重量%以下の割合とすることにより、調理品における黄醤のえぐ味及び/又は醗酵臭を避け、食味を一層より良好にすることができる。
本発明の調理方法においてもやしに適用される調味料の量は、調味料を適用される対象であるもやしのほぼ全体に概ね均等に和えることができる量であればとくに限定されず、例えば加熱前のもやしの全重量に対して約20重量%〜約30重量%の割合であってよい。
以下に本発明を実施例によってより詳細に説明するが、本発明は如何なる意味においても当該実施例に限定されるものではない。
実施例1 調味料の効果確認
(目的)
本発明の調味料の効果を、黄醤以外の発酵調味料類を含有する調味料サンプルと比較して確認する。
各実施例において用いられた原料は以下のとおりである。
(材料と方法)
もやし(緑豆もやし)を水洗いし、水気を切った。前記もやし200gを耐熱皿に移し、電子レンジで(600W・2分半)加熱調理した後、そのまま放置して粗熱をとった。
粗熱をとった後のもやし全量に調味液45gを絡めた。調味料(調味液)は表2に記載の原料を混ぜ合わせた後に90℃達温させて、室温まで冷却し調製した。
下記5種のサンプルについて、順位法により評価を行った(N=9)。すなわち、5種のサンプルをそれぞれ比較して順位付けを行い、優れている順に5ポイント、4ポイント、3ポイント、2ポイント及び1ポイントをそれぞれ付与し、ポイントの合計により総合的な評価を行った。

(結果・考察)
結果を表3に示した。もやしの青臭さの低減については、本発明の調味料(試験例1)が最も優れていた。本発明の調味料はまた、グルタミン酸ナトリウムの旨味を主とする旨味を増強する効果も有していた。
実施例2 黄醤の調味料への配合量の検討−1
(目的)
黄醤の配合量を変えても本発明の調味料の効果が奏されることを確認する。
(材料と方法)
もやし(緑豆もやし)を水洗いし、水気を切った。前記もやし200gを耐熱皿に移し、電子レンジ(600W・2分半)加熱調理した後、そのまま放置して粗熱をとった。
粗熱をとった後のもやし全量に調味液45gを絡めた。調味料(調味液)は表4に記載の原料を混ぜ合わせた後に90℃達温させて後、室温まで冷却して調製した。試験例2〜8は本発明の実施例である。
サンプルを試食し、もやしの青臭さの低減効果が認められる添加量を確認した(N=3)。
(結果・考察)
試験例4〜試験例8のサンプルにおいて、いずれももやしの青臭さの低減効果が顕著であった。したがって、もやしの量に対し黄醤を0.30%以上添加することが好ましいと考えられた。また、試験例4〜試験例5においては、黄醤のえぐ味(苦み)及び黄醤の発酵臭がマイルドであり、より好適であると考えられた。
なお、もやしの量に対して黄醤を5.0%以上添加することにより、調理品の色がもやし固有の白色から茶色がかった色になった(図1A〜C)。
実施例3 黄醤の調味料への配合量の検討−2
(目的)
黄醤の配合量をさらに細かい範囲で変更しても本発明の調味料の効果が奏されることを確認する。
(材料と方法)
もやし(緑豆もやし)を水洗いし、水気を切った。前記もやし200gを耐熱皿に移し、電子レンジで加熱調理(600W・2分半)した後、そのまま放置して粗熱をとった。
粗熱をとった後のもやし全量に調味液45gを絡めた。調味料(調味液)は表5に記載の原料を混ぜ合わせた後に90℃達温させて調製した。試験例5及び試験例9〜14は本発明の実施例である。
サンプルを試食し、もやしの青臭さの効果が認められる添加量を確認した(N=3)。
(結果・考察)
試験例9〜試験例14のいずれのサンプルにおいて、もやしの青臭さの低減効果が顕著であった。したがって、もやしの量に対し黄醤を0.30%以上添加することが好ましいと考えられた。また、試験例9〜試験例13のいずれのサンプルにおいても、黄醤のえぐ味(苦み)及び発酵臭が軽減されていたが、特に試験例9〜試験例12はより好適であると考えられた。黄醤をもやしの量に対し3%以上添加すると黄醤のえぐ味(苦み)及び発酵臭が、強く感じられるようになった。
<小括>
実施例1〜3の結果から、黄醤を含有する調味料として、適用される黄醤の重量をもやしの重量に対して約0.30%以上とすれば、電子レンジにより加熱されたもやしの青臭さを低減できることが明らかになった。また、適用される黄醤の重量をもやしの重量に対して15.0%でも電子レンジにより加熱されたもやしの青臭さを低減できることが判明した。
しかしながら、食味の点からは、適用される黄醤の重量をもやしの重量に対して2.5%以下とすることによりえぐ味(苦み)及び黄醤の発酵臭をマイルドにすることができ、特に、2.3%以下とすることによりえぐ味(苦み)及び黄醤の発酵臭をよりマイルドにすることができる。
実施例4 本発明の調味料を適用しえるもやしの種類の検討
(目的)
大豆もやしに対する効果を確認し、緑豆以外のもやしでも本発明の調味料の効果が奏されることを確認する。
(材料と方法)
もやし(大豆もやし)を水洗いし、水気を切った。前記もやし200gをそれぞれ別個の耐熱皿に移し、電子レンジで加熱調理(600W・2分半)した後、そのまま放置して粗熱をとった。
粗熱をとった後の各もやし全量に調味液45gを絡めた。調味料(調味液)は表6に記載の原料を混ぜ合わせた後に90℃達温させて調製した。試験例1は本発明の実施例であり、実施例1において用いられた本発明品と同一の材料・方法により調製されたものである。
サンプルを試食し、もやしの青臭さの低減効果及び旨味の増強を確認した(N=3)。
(結果・考察)
本発明の調味料(試験例1)においては、大豆もやしにおいても青臭さの低減が確認された。また、旨味の増強効果も確認された。
すなわち本発明の調味料により、大豆もやしにおいても、緑豆もやしと同様に青臭さの低減とともに旨味の増強効果が奏されることが確認された。
実施例5 他の成分を併用した場合についての検討
(目的)
調味料に含有されることがある他の成分(植物油脂、香味野菜)を追加して含む本発明の調味料が奏する効果を確認する。
(材料と方法)
もやし(大豆もやし又は緑豆もやし)を水洗いし、水気を切った。前記各もやし200gをそれぞれ別個の耐熱皿に移し、電子レンジで加熱調理(600W・2分半)した後、そのまま放置して粗熱をとった。
粗熱をとった後の各もやし全量に調味液45gを絡めた。調味料(調味液)は表7に記載の原料を混ぜ合わせた後に90℃達温させて調製した。試験例15は本発明の実施例である。
サンプルを試食し、もやしの青臭さの低減効果を確認した(N=3)。
(結果・考察)
3名のパネラーのいずれもが、比較例7に対して黄醤を添加した試験例15の方が、もやしの青臭さが少なく、旨味も強く感じられたと回答した。
すなわち調味料に含有されることがある他の成分を追加して含んでも、本発明の調味料は所望の効果を奏することが確認された。
実施例6 黄醤含有中華みそ(黄豆醤(葱伴侶社(中国)製))についての検討
(目的)
黄豆醤を含有する本発明の調味料が奏する効果を確認する。
(材料と方法)
もやし(大豆もやし又は緑豆もやし)を水洗いし、水気を切った。前記各もやし200gをそれぞれ別個の耐熱皿に移し、電子レンジ加熱調理(600W・2分半)した後、そのまま放置して粗熱をとった。
粗熱をとった後の各もやし全量に調味液45gを絡めた。調味料(調味液)は表8に記載の原料を混ぜ合わせた後に90℃達温させて室温まで冷却して調製した。試験例16〜17は本発明の実施例である。
サンプルを試食し、一対比較、すなわちコントロール(食塩のみ)と各サンプルそれぞれとを比較して、9段階評価(非常に強い:+4、とても強い:+3、強い:+2、やや強い:+1、同程度:0、やや弱い:-1、弱い:-2、とても弱い:-3、非常に弱い:-4の定量評価)によりもやしの青臭さの低減効果、旨味の強さ、コク(味の厚み)、コク(味の持続性)に関する効果を確認した(N=10)。
(結果・考察)
結果を表8に示す。
黄豆醤を含有する本発明の調味料(試験例16及び17)はもやしの青臭さの低減について黄醤を含有する本発明の調味料と同等の効果を示した。コク(味の持続性)についても同様であった。
また黄豆醤を含有する本発明の調味料は、旨味については黄醤を含有する本発明の調味料をやや上回り、コク(味の持続性)についてはやや劣った。
本発明の調味料は、黄豆醤を含有するものも所望の効果を奏することが確認された。
本発明によれば、電子レンジにより加熱されたもやしの青臭さを低減する調味料が提供される。したがって、本発明は調味料産業及び食品産業等の関連産業の発展に寄与するところ大である。
国際公開WO2004/060077号公報 特公平7−79655号公報

Claims (4)

  1. 電子レンジにより加熱されたもやしを調味するための調味料であって、黄醤 及び黄醤以外の調味成分を含有し、電子レンジにより加熱する前の生のもやしの重量に対して、黄醤を0.3重量%〜2.5重量%の割合で含有する、調味料。
  2. 黄醤以外の調味成分が糖類、醤油、鰹節や酵母エキス、塩、香辛料、味噌類、酒類調味料、野菜加工品類、澱粉類及び増粘剤からの1種又は2種以上である、請求項1に記載の調味料。
  3. 電子レンジにより加熱調理したもやしに、黄醤を含有する調味料を混合することを特徴とする、もやし料理の調味方法。
  4. 黄醤を含有する調味料が、電子レンジにより加熱する前の生のもやしの重量に対して、黄醤が0.3重量%〜2.5重量%の割合となるように調製した調味料であることを特徴とする、請求項3に記載のもやし料理の調味方法。
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