JP2019011849A - 車両用差動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用差動装置のデフケースとサイドギヤとの間に挿入されるワッシャの、差動時におけるデフケースとワッシャとの磨耗を防ぐ技術を提供する。
【解決手段】デフケース26とワッシャ56とが接触する、デフケース摺接面66に、油溜り17から車軸36を保持する車軸支持穴50の表面に形成された螺旋状の第1潤滑溝44を経由して供給される潤滑油を、ワッシャ56に循環供給する第2潤滑溝46をデフケース摺接面66に設けると共に、片側の端部が開口していない第3潤滑溝48を併せて設けることによって、十分な量の潤滑用の潤滑油を常に保持することが可能となり、デフケース26とワッシャ56との磨耗が抑制される。
【選択図】図4
【解決手段】デフケース26とワッシャ56とが接触する、デフケース摺接面66に、油溜り17から車軸36を保持する車軸支持穴50の表面に形成された螺旋状の第1潤滑溝44を経由して供給される潤滑油を、ワッシャ56に循環供給する第2潤滑溝46をデフケース摺接面66に設けると共に、片側の端部が開口していない第3潤滑溝48を併せて設けることによって、十分な量の潤滑用の潤滑油を常に保持することが可能となり、デフケース26とワッシャ56との磨耗が抑制される。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両用差動装置に関し、特にデフケースとデフケース内のサイドギヤとの間に介挿されるワッシャの潤滑に関するものである。
車両の走行時に旋回を行った場合、旋回の内側の駆動輪と外側の駆動輪との回転速度の差を許容することが必要となる。車両用差動装置は、たとえばファイナルギヤに固定されデフケースに回転可能に支持されたピニオンギヤと、駆動輪に駆動力を与える車軸に連結され且つピニオンギヤに噛合された一対のサイドギヤとから構成され、車両の旋回時において、左右の駆動輪に対応する車軸に差動回転を許容しつつ駆動力を配分する。
上述の差動装置において、たとえば直進走行中は、一対のサイドギヤの回転速度差、すなわち差動は生じていない。この状態において、ピニオンギヤは回転しておらず、デフケースとサイドギヤとの回転差は生じていない。しかし、車両の旋回時においては、旋回の内側の駆動輪を介して駆動する側のサイドギヤの抵抗が、旋回の外側の駆動輪を駆動する側のサイドギヤの抵抗より大きくなることによって、旋回の内側の駆動輪を駆動するサイドギヤの回転速度が低下し、旋回の外側の駆動輪を駆動するサイドギヤの回転速度が増加することとなる。このサイドギヤの差動によってピニオンギヤの回転が生じるとともに、サイドギヤとデフケースとの回転速度差が生じる。この回転速度差によって生じる、サイドギヤおよびデフケース間に介挿されたワッシャとサイドギヤおよびデフケースとの磨耗を抑制するために、例えば、ワッシャの表面に、何らかの耐摩耗性の表面処理や膜付けを施し、耐摩耗性を改善したワッシャ等を用いることが行われる。また、特許文献1においては、デフケースとサイドギヤの間にワッシャを挿入するとともに、デフケースがワッシャと接触する部分に、潤滑のため潤滑油を導く油路をワッシャの内径と外径とを横切るように径方向に貫通して形成し、供給された潤滑油によって磨耗を抑制する対策がとられている。
しかし、前述の技術においては、表面処理をワッシャに施す場合、耐磨耗性能を高くしようとすると表面処理が高価なものとなる虞がある。また、デフケースがワッシャと接触する部分に潤滑油を導く油路を形成し磨耗を減少する場合、すなわち、デフケースのワッシャと接触する部分に、潤滑油を導く油路をワッシャの内径と外形とを横切るようにワッシャの外周側まで連通して形成する場合においては、摺接面に必要とされる潤滑油が十分に保持できない虞が生じていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、高価な表面処理を必要としないとともに、デフケースとそれと接触するワッシャとの表面の磨耗を抑制するために、デフケースとワッシャとの接触部分に十分な潤滑油を供給することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)デフケースと、前記デフケースに回転自在に支持されたピニオンギヤと、一対の車軸にそれぞれ連結され且つ前記ピニオンギヤに噛合される一対のサイドギヤと、前記一対のサイドギヤのギヤ裏面と前記デフケースとの間に介挿された一対のワッシャとを備えるとともに、前記デフケースにおいて前記一対の車軸を回転自在に支持する一対の車軸支持穴の内周面に形成された螺旋状の第1潤滑溝と、前記デフケースの前記一対のワッシャとのそれぞれの摺接面に前記一対のサイドギヤの外周側の空間に連通する第2潤滑溝と、前記第1潤滑溝と前記第2潤滑溝とを連通する連通路と、を備える車両用差動装置であって、(b)前記デフケースの前記一対のワッシャとのそれぞれの摺接面に、一方の端部が前記連通路と連通し、他方の端部が閉鎖され前記サイドギヤの外周側の空間と連通しない第3潤滑溝が形成されていることを特徴とする。
第2発明の要旨とするところは、第1発明の車両用差動装置において、前記第1潤滑溝は、前記一対の車軸支持穴の内周面に形成され前記デフケースの前記一対のワッシャとのそれぞれの摺接面において、前記第1潤滑溝と同じ数の前記第2潤滑溝が形成されていることを特徴とする。
第3発明の要旨とするところは、第1発明または第2発明の車両用差動装置において、前記第2潤滑溝および前記第3潤滑溝がそれぞれ偶数の同じ数であり、前記第2潤滑溝の内周側開口と他の前記第2潤滑溝の内周側開口と、及び前記第3潤滑溝の内周側開口と他の前記第3潤滑溝の内周側開口とが、前記一対の車軸支持穴の径方向において相互に対向配置されていることを特徴とする。
第4発明の要旨とするところは、第1発明または第2発明の車両用差動装置において、前記第2潤滑溝及び前記第3潤滑溝がそれぞれ奇数の同じ数であり、前記第2潤滑溝の内周側開口と前記第3潤滑溝の内周側開口とが、前記一対の車軸支持穴の径方向において相互に対向配置されていることを特徴とする。
第5発明の要旨とするところは、第1発明から第4発明の何れかの車両用差動装置において、前記第1潤滑溝の前記サイドギヤ側の開口と前記第2潤滑溝の内周側の開口とは、前記一対の車軸支持穴の径方向から見て重なるように配置されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、デフケースと、前記デフケースに回転自在に支持されたピニオンギヤと、一対の車軸にそれぞれ連結され且つ前記ピニオンギヤに噛合される一対のサイドギヤと、前記一対のサイドギヤのギヤ裏面と前記デフケースとの間に介挿された一対のワッシャとを備えるとともに、前記デフケースにおいて前記一対の車軸を回転自在に支持する一対の車軸支持穴の内周面に形成された螺旋状の第1潤滑溝と、前記デフケースの前記一対のワッシャとのそれぞれの摺接面に前記一対のサイドギヤの外周側の空間に連通する第2潤滑溝と、前記第1潤滑溝と前記第2潤滑溝とを連通する連通路と、を備える車両用差動装置であって、(b)前記デフケースの前記一対のワッシャとのそれぞれの摺接面に、一方の端部が前記連通路と連通し、他方の端部が閉鎖され前記サイドギヤの外周側の空間と連通しない第3潤滑溝が形成されている。これによれば、第1潤滑溝から流れ込む潤滑油を前記デフケースの前記摺接面に保持することが可能となり、前記デフケースと前記ワッシャとの磨耗を抑制することが容易となる。
第2の発明によれば、前記第1潤滑溝は、前記一対の車軸支持穴の内周面に形成され前記デフケースの前記一対のワッシャとのそれぞれの摺接面において、前記第1潤滑溝と同じ数の前記第2潤滑溝が形成されている。これによれば、第3潤滑溝によって潤滑のための潤滑油が保持されると共に、第1潤滑溝と第2潤滑溝とを経由してデフケースの内外を循環する潤滑油の量が確保され、前記ワッシャの表面に新しい潤滑油が供給されることなり、前記デフケースと前記ワッシャとの磨耗を抑制することが容易となる。
第3の発明によれば、前記第2潤滑溝および前記第3潤滑溝がそれぞれ偶数の同じ数であり、前記第2潤滑溝の内周側開口と他の前記第2潤滑溝の内周側開口と、及び前記第3潤滑溝の内周側開口と他の前記第3潤滑溝の内周側開口とが、前記一対の車軸支持穴の径方向において相互に対向配置されている。これによれば、前記デフケースの表面の前記ワッシャとのそれぞれの摺接面に均一な量の潤滑のための潤滑油を保持することが可能となるとともに、新しい潤滑油についても供給される量を増加させると共に前記デフケースの表面の前記ワッシャとの摺接面の全面により均一な量の潤滑油を供給することが可能となり、前記デフケースと前記ワッシャとの磨耗を抑制することが容易となる。
第4の発明によれば、前記第2潤滑溝および前記第3潤滑溝がそれぞれ奇数の同じ数であり、前記第2潤滑溝の内周側開口と前記第3潤滑溝の内周側開口とが、前記一対の車軸支持穴の径方向において相互に対向配置されている。これによれば、前記デフケースの表面の前記ワッシャとの摺接面に均一な量の潤滑のための潤滑油を保持することが可能となるとともに、新しい潤滑油についても供給される量を増加させると共に前記デフケースの表面の前記ワッシャとの摺接面の全面により均一な量の潤滑油を供給することが可能となり、前記デフケースと前記ワッシャとの磨耗を抑制することが容易となる。
第5の発明によれば、前記第1潤滑溝の前記サイドギヤ側の開口と前記第2潤滑溝の内周側の開口とは、前記一対の車軸支持穴の径方向から見て重なるように配置されている。これにより、第3潤滑溝によって潤滑のための潤滑油が保持されると共に、第1潤滑溝から第2潤滑溝に効率的に潤滑油を供給することが可能となり、第1潤滑溝と第2潤滑溝とを経由してデフケースの内外を循環する潤滑用の量が増加されると共に、前記ワッシャの表面に供給される新しい潤滑油の量が増加されることとなり、前記デフケースと前記ワッシャとの磨耗を抑制することがさらに容易となる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用される車両用差動装置10を模式的に示す骨子図である。この図1に示す差動装置10は、例えば駆動輪である左右一対の後輪12l、12rに対応して設けられ、それら一対の後輪12l、12rの差動回転を許容しつつ、入力軸(ドライブピニオン軸)14を介して入力される駆動力をそれら一対の後輪12l、12rへ配分する差動歯車装置である。なお、本実施において、駆動輪を後輪12として示しているが、駆動輪を前輪とした場合においても同様に適用できる。入力軸14は、例えばプロペラシャフトの軸端に自在継手を介して連結されたものであり、図示しない駆動力源により出力された駆動力が変速機及びそのプロペラシャフト等を介して入力軸14に伝達されるように構成されている。
差動装置10は、非回転部材であるハウジング(ケース)16内に、ベアリング18を介してハウジング16により回転可能(自転可能)に支持された入力軸14と、その入力軸14のハウジング16の内部側の端部に形成された小径傘歯車20と、入力軸14と直交する車軸36l、36rの軸心である第1回転軸心CL1まわりに回転可能(自転可能)にハウジング16によりベアリング22とベアリング24とを介して支持されたデファレンシャルケース26すなわちデフケース26と、デフケース26に固定され且つ小径傘歯車20と噛み合う大径傘歯車28と、第1回転軸心CL1に直交する姿勢でノックピン68によりそのデフケース26に固定されたピニオンシャフト30と、そのピニオンシャフト30を挟んで相対向する状態で、デフケース26によって第1軸心CL1まわりに回転可能(自転可能)に支持された一対のサイドギヤ32l、32r(以下、特に区別しない場合には単にサイドギヤ32という)と、ピニオンシャフト30が貫通させられることによってそのピニオンシャフト30により回転可能(自転可能)に支持されて一対のサイドギヤ32l、32rとそれぞれ噛み合う一対のピニオンギヤ34とを、備えている。
差動装置10においては、サイドギヤ32lが左後輪12lを駆動する左輪用車軸36lに、サイドギヤ32rが右後輪12rを駆動する右輪用車軸36r(以下、特に区別しない場合には単に車軸という)にそれぞれ連結されている。また、ハウジング16内には、各部の潤滑のための潤滑油が封入されている。このために、ベアリング18近傍における入力軸14とハウジング16との間にはオイルシール38が、ベアリング22近傍における車軸36lとハウジング16との間にはオイルシール40が、ベアリング24近傍における車軸36rとハウジング16との間にはオイルシール42がそれぞれ設けられており、ハウジング16内に蓄積された潤滑油の外部への流出が防止されている。ハウジング16に破線で示されているのは、ハウジング16の底部に貯留されている潤滑油の液面17を例示しており、大径傘歯車28の回転に伴って潤滑油が掻上げられ、ハウジング16内の車軸36、サイドギヤ32、ピニオンギヤ34等の各部に供給される。
図2は、デフケース26とその内部の構成を示す断面図である。デフケース26は、車軸36の第1回転軸心CL1を中心として図1で示されたベアリング22、24を介してハウジング16により支持されている。デフケース26には、第1回転軸心CL1方向に貫通し、車軸36を嵌め入れてそれを回転可能に支持する車軸支持穴50と、第1回転軸心CL1と直交する第2回転軸心CL2を有し、ノックピン68によりデフケース26に回転可能に保持されたピニオンシャフト30と、ピニオンシャフト30によって第2軸心CL2まわりに回転可能に支持された一対のピニオンギヤ34と、そのピニオンギヤ34と噛合うとともに互いに対向する状態で回転可能にデフケース26内において支持されている一対のサイドギヤ32l、32rとが設けられている。車軸36l、36rは、サイドギヤ32l、32rとサイドギヤ32のボス部43において第1回転軸心CL1の軸方向に移動可能な状態で相対回転不能にスプライン嵌合されている。なお、車軸36l、36rの第1回転軸心CL1と車軸支持穴50の回転軸心とは同一となるように設定されており、以降、車軸支持穴50の回転軸心についても第1回転軸心CL1という。
車両の走行時において、デフケース26とサイドギヤ32l、32rのサイドギヤ裏面64とデフケース26の摺接面64との回転差、すなわち摺動は生じていない。車両の走行中に旋回が行なわれた場合、一対のピニオンギヤ34に回転が生じるとともに、一対のサイドギヤ32l、32rとに速度差、すなわち差動が生じる。また、デフケース26の回転速度とサイドギヤ32l、32rとの回転速度差が生じることによって、サイドギヤ裏面64とサイドギヤ32からのスラスト力を受けるデフケース26の座面であるデフケース26の摺接面66とに磨耗を生じさせる可能性が生じる。
図3における、リング状の円板形状を有しているワッシャ56は、サイドギヤ裏面64とデフケース26の摺接面66との間に介挿されている。ワッシャ56の表面には、潤滑油がワッシャ56の両面に供給されることを主な目的として8個の貫通穴58が開口されている。なお、貫通穴58の数、および寸法については上記の目的を果たす範囲で増減することが可能であり、また、ワッシャ56の両面への潤滑油の供給が十分であれば貫通穴58をなくすことも可能である。さらに、ワッシャ56の両面に潤滑性もしくは耐摩耗性の改善を目的として、たとえば軟窒化膜等の表面処理もしくは耐磨耗材料、潤滑材料等の膜付けを行っても良い。ワッシャ56の内径62は、サイドギヤ32のボス部43の外径、或いはそのボス部43を嵌め入れるようにデフケース26に形成されたボス部嵌合穴52の内径よりやや大きく、ワッシャ56の外径60は、サイドギヤ裏面64の外径よりやや小さく設定されている。なお、サイドギヤ裏面64とデフケース26の摺接面66との双方で摺動するが、ワッシャ56とデフケース26の摺接面66との摺動が、ワッシャ56とサイドギヤ裏面64との間の摺動に比較して、磨耗がより大きい。また、ワッシャ56の表面の潤滑が十分に行われている状況においては、ワッシャ56の回転は、サイドギヤ裏面64とデフケース摺接面66とのそれぞれの回転との中間的な回転を示すものと推定される。
図2において、上記のワッシャ56とサイドギヤ裏面64およびデフケース摺接面66との磨耗を抑制するための潤滑油の循環経路が示されている。ハウジング16の底部に貯留された潤滑油は、大径傘歯車28によって掻上げられ、車軸36が嵌め入れられている車軸支持穴50の内周面に形成された第1循環溝44内にも保持される。車両の旋回等によってデフケース26とサイドギヤ32とに回転速度差が生じると、サイドギヤ32に相対回転不能にスプライン嵌合されている車軸36とデフケース26とにおいても回転速度差が生じる。デフケース26の車軸支持穴50の内周面において、車軸36と接触している潤滑油すなわち第1潤滑溝44に保持されている潤滑油は、螺旋状に形成されている第1潤滑溝44に沿って車軸36に連れまわされてデフケース26の内側に送られる。潤滑油はさらに車軸支持穴50とサイドギヤ32の軸部との予め設定された隙間である第1隙間部54と、ボス部嵌合穴52とサイドギヤ32との隙間である第2隙間部55とを経由し、デフケース26の回転に伴う遠心力によってデフケース26の摺接面66に形成された後述の第2潤滑溝46を通過してサイドギヤ32の外周側の環状の空間70l、70r(以降、特に区別しない場合は、環状の空間70という)に送られ、図示されていないデフケース26の開口部を経由してハウジング16の底部に戻ることとなる。
図4において、デフケース26の摺接面66が示されている。図2の矢印Aで示される方向、すなわちA側から見た円形のデフケース26の摺接面66と、矢印Bで示される方向、すなわちB側から見た円形のデフケース26の摺接面66との二つの摺接面66は同一の形状であり、第2回転軸心CL2を中心線として線対称となっている。なお、図4には26の摺接面66の外径側にあるデフケース26は省略されており、以降も省略して説明するものとする。摺接面66は、外周端である摺接面外周縁66oと内周端である摺接面内周縁66iとに挟まれる部分から成っている。摺接面66には、潤滑油をワッシャ56に供給するために、2つの第2潤滑溝46と2つの第3潤滑溝48とが形成されている。2つの第2潤滑溝46は、その中心線である第1中心線CLE1が第1回転軸心CL1を中心とする放射状の一つの直線上の位置に形成されている。また、車軸支持穴50の内周面に形成された第1潤滑溝44の第1隙間部54におけるサイドギヤ側開口44ioは、その中心線が第1中心線CLE1となる位置に形成されている。したがって、第2潤滑溝46の内周側開口46io、すなわち第2潤滑溝46の摺接面内周縁66iにおける開口と車軸支持穴50の表面に形成された第1潤滑溝44の第1隙間部54におけるサイドギヤ側開口44ioとは、最短の位置、すなわちA側およびB側から見て第1回転軸心CL1を中心とする放射状の一つの直線上の位置に形成されている。これによって、第1潤滑溝44から第1隙間部54と第2隙間部55とを経由して第2潤滑溝46へ移動する潤滑油の円滑な流れが可能となる。
図4において、2つの第3潤滑溝48は、第2中心線CLE2を中心線とし第1中心線CLE1との角度θ1が直角をなす位置、すなわち第1回転軸心CL1まわりの周方向において、第3潤滑溝48が隣接する2つの第2潤滑溝46と等距離である中間位置に形成されている。第3潤滑溝48は、摺接面66の内周側すなわちボス部嵌合穴52の端部において内周側開口48ioを有しているが、外径側すなわちサイドギヤ32の外周側の環状の空間70の方向には開口しておらず、外周側端部が閉鎖されたデッドエンド溝となっている。このように外周側端部が閉鎖された第3潤滑溝48において、第2潤滑溝46を経由する循環する潤滑油の量にかかわらず、潤滑油が保持されることとなる。
本実施例によれば、デフケース26と、デフケース26に回転自在に支持されたピニオンギヤ34と、一対の車軸36にそれぞれ連結され且つピニオンギヤ34に噛合される一対のサイドギヤ32と、一対のサイドギヤ32のギヤ裏面64とデフケース26との間に介挿された一対のワッシャ56とを備えるとともに、デフケース26において一対の車軸36を回転自在に支持する一対の車軸支持穴50の内周面に形成された螺旋状の第1潤滑溝44と、デフケース26の一対のワッシャ56とのそれぞれの摺接面66に一対のサイドギヤ32の外周側の空間に連通する第2潤滑溝46と、第1潤滑溝44と第2潤滑溝46とを連通する連通路としての第1隙間部54と第2隙間部55と、を備える車両用差動装置10であって、デフケース26の一対のワッシャ56とのそれぞれの摺接面66に、一方の端部が連通路としての第1隙間部54と第2隙間部55と連通し、他方の端部が閉鎖されサイドギヤ32の外周側の空間70と連通しない第3潤滑溝49が形成されている。これによって、第1潤滑溝44から流れ込む潤滑油をデフケース26の摺接面66に保持することが可能となり、デフケース26とワッシャ56との磨耗を抑制することが容易となる。
また、第1潤滑溝44は、一対の車軸支持穴50の内周面に形成されデフケース26の一対のワッシャ56とのそれぞれの摺接面66において、第1潤滑溝44と同じ数の第2潤滑溝46が形成されている。これによれば、第3潤滑溝48によって潤滑のための潤滑油が保持されると共に、第1潤滑溝44と第2潤滑溝46とを経由してデフケース26の内外を循環する潤滑油の量が何れの潤滑溝44、46においても確保され、ワッシャ56の表面に新しい潤滑油が供給されることなり、デフケース26とワッシャ56との磨耗を抑制することが容易となる。
さらに、第2潤滑溝46および第3潤滑溝48がそれぞれ同じ数の偶数であり、第2潤滑溝46の内周側開口46ioと他の第2潤滑溝46の内周側開口46ioと、及び第3潤滑溝48の内周側開口48ioと他の第3潤滑溝48の内周側開口48ioとが、一対の車軸支持穴50の径方向において相互に対向配置されている。これによれば、デフケース26の表面のワッシャ56との摺接面66に均一な量の潤滑のための潤滑油を保持することが可能となるとともに、新しい潤滑油についてもデフケース26の表面のワッシャ56との摺接面66の全面により均一な量の潤滑油を供給することが可能となり、デフケース26とワッシャ56との磨耗を抑制することが容易となる。
さらに、第1潤滑溝44のサイドギヤ32側の開口44ioと第2潤滑溝46の内周側開口46ioとは、一対の車軸支持穴50の径方向から見て重なるように配置されている。これによれば、第3潤滑溝48によって潤滑のための潤滑油が保持されると共に、第1潤滑溝44から第2潤滑溝46に効率的に潤滑油を供給することが可能となり、第1潤滑溝44と第2潤滑溝46とを経由してデフケース26の内外を循環する潤滑油の量が増加されると共に、ワッシャ56の表面に供給される新しい潤滑油の量が増加されることとなり、デフケース26とワッシャ56との磨耗を抑制することがさらに容易となる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
前述の実施例においては、2つの第2潤滑溝46は、その中心線である第1中心線CLE1が第1回転軸心CL1を中心とする放射状の一つの直線上の位置に形成されるものであったが、本実施例においては、2つの第2潤滑溝46の中心線である第3中心線CLE3と第4中心線CLE4が、第1回転軸心CL1を中心とする放射状の一つの直線上の位置ではなく、第1回転軸心CL1から所定の距離d1離れるとともに、第1中心線CLE1と略平行の位置に形成されていることにおいて異なっている。
図5において、図2の矢印Aで示される方向、すなわちA側から見た円形のデフケース26の摺接面66が示されている。摺接面66には、潤滑油をワッシャ56に供給するために、2つの第2潤滑溝46と2つの第3潤滑溝48とが形成されている。2つの第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioと2つの第2潤滑溝46の内周側開口46ioとは、それらの中心線が第1回転軸心CL1を中心とする放射状の一つの直線である第6中心線CLE6上の位置に形成されている。これによって、第1潤滑溝44から第1隙間部54と第2隙間部55とを経由して第2潤滑溝46へ移動する潤滑油の円滑な流れが可能となる。また、2つの第3潤滑溝48は、第5中心線CLE5を中心線とし第6中心線CLE6との角度θ1が直角をなす位置、すなわち第1回転軸心CL1まわりの周方向において、第3潤滑溝48が隣接する2つの第2潤滑溝46の内周側開口46ioおよび2つの第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioと等距離である中間位置に形成されている。また、2つの第2潤滑溝46は、第1回転軸心CL1を通り、ピニオンシャフト30の第2回転軸心CL2と平行である第1中心線CLE1に対して所定の距離d1離れた位置に形成され、第3中心線CLE3と第4中心線CLE4とをそれぞれ有している。2つの第2潤滑溝46は、第1中心線CLE1に対し略平行に形成されるとともに、第1回転軸心CL1を中心として放射状に形成されている第1開口溝44のサイドギヤ側開口44ioと第2潤滑溝46の内周側開口46ioとの中心線である第6中心線CLE6に対して所定の角度θ2を有した配置となっている。
図6において、図2の矢印Bで示されるB側から見た円形のデフケース26の摺接面66が示されている。2つの第2潤滑溝46は、B側から見て、第1回転軸心CL1を通り、ピニオンシャフト30の第2回転軸心CL2と平行である第1中心線CLE1に対して所定間隔d1離れた位置に形成されている。また、2つの第2潤滑溝46の第3中心線CLE3と第4中心線CLE4とが第1中心線CLE1に対し略平行に形成されている。また、2つの第3潤滑溝48は、第5中心線CLE5を中心線とし第6中心線CLE6との角度θ1が直角をなす位置に形成されている、これら2つの第2潤滑溝46および2つの第3潤滑溝48は、図5のA側から見たデフケース26の矢視図とは、ピニオンシャフト30の第2軸心を通り、車軸支持穴50の第1回転軸心CL1の径方向の面に対して面対称となっている。図6における第2潤滑溝46と第3潤滑溝48との形状および機能は、図5における第2潤滑溝46と第3潤滑溝48の形状および機能と同一である。なお、図2の矢印Aで示されるA側から見た摺接面66の第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44io、第2潤滑溝46および第3潤滑溝48の位置と、矢印Bで示されるB側から見た摺接面66の第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44io、第2潤滑溝46および第3潤滑溝48の位置とは、ピニオンシャフト30の第2軸心を通り、車軸支持穴50の第1回転軸心CL1の径方向の面に対して面対称となっている。このため、図4と図5において、それぞれに対応する箇所に対して同じ名称を用いている。
本実施例によれば、前述の実施例と同様の効果、すなわちデフケース26とワッシャ56との磨耗を抑制することが容易となる。また、第2潤滑溝46を車軸支持穴50の第1回転軸心CL1を中心を通る放射状の第6直線CLE6に対して所定の角度θ2を有した配置へと変更することが可能となる。
さらに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
前述の実施例においては、第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioおよび第2潤滑溝46の内周側開口46ioの第6中心線CLE6と第3潤滑溝48の第5中心線CLE5とが互いに直角となるように配置されていた。本実施例においては、図7に示すように、第3潤滑溝48の中心線を所定の角度θ3、すなわち45度、第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioおよび第2潤滑溝46の内周側開口46ioの第6中心線CLE6に近づけた位置、すなわち第3潤滑溝48の中心線を第5中心線CLE5から第2中心線CLE2へと変更した位置に第3潤滑溝48が形成されることにおいて異なっている。
本実施例において、図2の矢印Aで示されるA側から見た摺接面66の第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44io、第2潤滑溝46および第3潤滑溝48の位置と、矢印Bで示されるB側から見た摺接面66の第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44io、第2潤滑溝46および第3潤滑溝48の位置とは、ピニオンシャフト30の第2軸心を通り、車軸支持穴50の第1回転軸心CL1の径方向の面に対して面対称となっている。図7において、これらの2つの摺接面66のうち、図2の矢印Bで示されるB側から見た円形のデフケース26の摺接面66が示されている。潤滑油をワッシャ56に供給するために、2つの第2潤滑溝46と2つの第3潤滑溝48とが形成されている。2つの第1開口溝44のサイドギヤ側開口44ioと2つの第2潤滑溝46の内周側開口46ioとは、その中心線である第6中心線CLE6が第1回転軸心CL1を中心とする放射状の一つの直線上の位置に形成されている。これによって、第1潤滑溝44から第1隙間部54と第2隙間部55とを経由して第2潤滑溝46へ移動する潤滑油の円滑な流れが可能となる。2つの第3潤滑溝48は、第1回転軸心CL1を通過する第2中心線CLE2を中心線としている。2つの第2潤滑溝46の中心線である第3中心線CLE3および第4中心線CLE4と平行であり且つ第1回転軸心CL1を通過する第1中心線CLE1は、2つの第3潤滑溝48の中心線である第2中心線CLE2と直角をなしている。また、第2潤滑溝46は、第1回転軸心CL1を通り、ピニオンシャフト30の第2回転軸心CL2と平行である第1中心線CLE1に対して所定の距離d1離れた位置に形成され、第3中心線CLE3と第4中心線CLE4とをそれぞれ有している。これらの第3中心線CLE3と第4中心線CLE4は、第1回転軸心CL1を中心として放射状に形成されている第1開口溝44のサイドギヤ側開口44ioと第2潤滑溝46の内周側開口46ioとの中心線である第6中心線CLE6に対して所定の角度θ2を有した配置となっている。
本実施例によれば、前述の実施例と同様の効果、すなわちデフケース26とワッシャ56との磨耗を抑制することが容易となる。また、第2潤滑溝46の内周側開口46ioと第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioとを車軸支持穴50の第1回転軸心CL1を中心を通る放射状の第1直線CLE1に対して所定の角度θ2を有した配置へと変更することが可能となる。さらに、第3潤滑溝48の中心線を第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioおよび第2潤滑溝46の内周側開口46ioの中心線である第6中心線CLE6に近づけた配置へと変更することが可能となる。
さらに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
前述の実施例においては、1つのデフケース26の摺接面66に偶数すなわち2つの第2潤滑溝46と2の第3潤滑溝48とをそれぞれ形成するものであったが、本実施例においては、奇数例えば3つの第2潤滑部46と3つの第3潤滑部48とが形成されている点が異なっている。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図8において、デフケース26の摺接面66が示されている。図2の矢印Aで示される方向、すなわちA側から見た円形のデフケース26の摺接面66と、矢印Bで示される方向、すなわちB側から見た円形のデフケース26の摺接面66との二つの摺接面66は同一であり、第2回転軸心CL2を中心として線対称の形状を有している。3つの第2潤滑溝46は、第1中心線CLO1と、そこから時計回りに120度回転させた位置にある第3中心線CLO3と、さらに時計回りに第3中心線CLO3から120度回転させた位置にある第2中心線CLO2を中心線として形成されている。また、第3潤滑溝48は、第1中心線CLO1から時計回りに60度回転させた第2中心線CLO2と、そこからさらに時計回りに120度回転させた第1回転軸心CLO1を中心線とする位置と、さらに120度回転させた第3中心線CLO3を中心線として形成されている。また、第2中心線CLO2を中心線として形成されている第3潤滑溝48とそれに隣接する2つの第2潤滑溝46は、第3潤滑溝48と所定の角度θ4すなわち60度を有した配置となっている。なお、第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioと第2潤滑溝46の内周側開口46ioとは、車軸支持穴50の第1回転軸心CL1の径方向へ伸ばした放射状の直線上の位置に設けられている。これによって、第1潤滑溝44から第1隙間部54と第2隙間部55とを経由して第2潤滑溝46へ移動する潤滑油の円滑な流れが可能となる。
本実施例によれば、第2潤滑溝46及び第3潤滑溝48がそれぞれ奇数の同じ数であり、第2潤滑溝46の内周側開口46ioと第3潤滑溝48の内周側開口48ioとが、一対の車軸支持穴50の径方向において相互に対向配置されている。これによれば、デフケース26の表面のワッシャ56との摺接面66に均一な量の潤滑のための潤滑油を保持することが可能となるとともに、新しい潤滑油についてもデフケース26のワッシャ56との摺接面66の全面により均一な量の潤滑油を供給することが可能となり、デフケース26とワッシャ56との磨耗を抑制することが容易となる。
さらに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
前述の実施例においては、3つの第2潤滑溝46は、その中心線である第1中心線CLO1が第1回転軸心CL1を中心とする放射状の一つの直線上の位置に形成されるものであったが、本実施例においては、3つの第2潤滑溝46の中心線である第4中心線CLO4と第5中心線CLO5と第6中心線CLO6とが、第1回転軸心CL1を中心とする放射状の直線上の位置ではなく、第1回転軸心CL1を中心とする放射状の直線上から所定の距離d2離れるとともに、それぞれ第3潤滑溝48の第1中心線CLO1、第3中心線CLO3、および第2中心線CLO2と略平行の位置に形成されていることにおいて異なっている。
図9において、図2の矢印Bで示される方向、すなわちB側から見た円形のデフケース26の摺接面66が示されている。摺接面66には、潤滑油をワッシャ56に供給するために、3つの第2潤滑溝46と3つの第3潤滑溝48とが形成されている。これらの第2潤滑溝は、それぞれ1つの第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioと1つの第2潤滑溝46の内周側開口46ioとの中心線が第1回転軸心CL1を中心とする放射状の一つの直線上となる位置に形成されている。これによって、第1潤滑溝44から第1隙間部54と第2隙間部55とを経由して第2潤滑溝46へ移動する潤滑油の円滑な流れが可能となる。また、3つの第3潤滑溝48は、第1中心線CLO1、第2中心線CLO2、および第3中心線CLO3がその中心線となる位置に形成されている。第1中心線CLO1から第2中心線CLO2への時計回りの所定の角度θ4は60度であり、また第2中心線CLO2から第3中心線CLO3への時計回りの所定の角度θ4は60度である。3つの第2潤滑溝46は、3つの第3潤滑溝48の中心線と平行の位置に形成されている。第1中心線CLO1と平行である第2潤滑溝46の中心線の第4中心線CLO4は、第1中心線CLO1から所定距離d2離れ、第2潤滑溝46の内周側開口46ioの中心と第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioの中心とは、第1回転軸心CL1を通る径方向の放射状の直線である第7中心線CLO7上に位置している。また、第2潤滑溝46の一つの中心線である第4中心線CLO4と第7中心線CLOとは所定角度θ5を成している。その他の第2潤滑溝46も第3潤滑溝48の第2中心線および第3中心線に対して同様の位置に形成されている。
本実施例によれば、前述の実施例と同様の効果、すなわちデフケース26とワッシャ56との磨耗を抑制することが容易となる。また、3つの第2潤滑溝46の内周側開口46ioの中心を3つの第3潤滑溝48の中心線CLO1、CLO2、CLO3に対して車軸支持穴50の第1回転軸心CL1の径方向に対して所定の角度θ5を有した配置へと変更することが可能となる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適応される。
前述の実施例において、第1潤滑溝44と第2潤滑溝46とは、それらの間の連通路として機能する第1隙間部54および第2隙間部55を介して連通させられていたが、ボス部嵌合穴52およびボス部嵌合穴52と車軸支持穴50との間の段付面に形成された連通溝を介して連通させられても良い。
また、前述の実施例において、第1潤滑溝44のサイドギヤ側開口44ioと第2潤滑溝46の内周側開口46ioとがそれぞれの中心線が一致するものとしたが、これに限らず、それぞれの開口部の一部が重なるものとしても良い。
さらに、第2潤滑溝46が偶数であり、上記の実施例において、第2潤滑溝46の内周側開口46ioと他の第2潤滑溝46の内周側開口46ioと、及び第3潤滑溝48の内周側開口48ioと他の48第3潤滑溝の内周側開口48ioとが、車軸支持穴50の第1回転軸心CL1を中心とし、径方向においてそれぞれの中心線が対称の位置に配置されていたが、特に対称の位置である必要はなく、相互に対向する配置、好適には互いの内周側開口46ioの一部が第1回転軸心CL1を中心として径方向に重なる位置であれば良い。また、第2潤滑溝46および第3潤滑溝48がそれぞれ奇数の同じ数であり、上記の実施例において、第2潤滑溝46の内周側開口46ioと第3潤滑溝48の内周側開口48ioとが、車軸支持穴50の第1回転軸心CL1を中心として径方向においてそれぞれの中心線が対称の位置に配置されていたが、特に対称の位置である必要はなく、相互に対向する配置、好適には第2潤滑溝46の内周側開口46ioと第3潤滑溝48の内周側開口48ioとの一部が第1回転軸心CL1を中心として径方向に重なる位置であれば良い。
さらに、実施例2、実施例3、および実施例5において、第2潤滑溝46の第3中心線CLE3および第4中心線CLE4と第1中心線CLE1とを略平行に配置するものであったが、特に平行にする必要はなく、たとえば第2潤滑溝46の中心線である第3中心線CLE3および第4中心線と車軸支持穴50の第1回転軸心CLを通過する第6中心線CLE6とのなす所定の角度θ2を増加もしくは減少させた配置としても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用差動装置
26:デフケース
32:サイドギヤ
34:ピニオンギヤ
36:車軸
44:第1潤滑溝
44io:第1潤滑溝のサイドギヤ側開口
46:第2潤滑溝
46io:第2潤滑溝の内周側開口
48:第3潤滑溝
48io:第3潤滑溝の内周側開口
50:車軸支持穴
54:第1隙間部(連通路)
55:第2隙間部(連通路)
56:ワッシャ
64:ギヤ裏面
66:デフケース摺接面
70:サイドギヤの外周側の空間
26:デフケース
32:サイドギヤ
34:ピニオンギヤ
36:車軸
44:第1潤滑溝
44io:第1潤滑溝のサイドギヤ側開口
46:第2潤滑溝
46io:第2潤滑溝の内周側開口
48:第3潤滑溝
48io:第3潤滑溝の内周側開口
50:車軸支持穴
54:第1隙間部(連通路)
55:第2隙間部(連通路)
56:ワッシャ
64:ギヤ裏面
66:デフケース摺接面
70:サイドギヤの外周側の空間
Claims (5)
- デフケースと、前記デフケースに回転自在に支持されたピニオンギヤと、一対の車軸にそれぞれ連結され且つ前記ピニオンギヤに噛合される一対のサイドギヤと、前記一対のサイドギヤのギヤ裏面と前記デフケースとの間に介挿された一対のワッシャとを備えるとともに、前記デフケースにおいて前記一対の車軸を回転自在に支持する一対の車軸支持穴の内周面に形成された螺旋状の第1潤滑溝と、前記デフケースの前記一対のワッシャとのそれぞれの摺接面に前記一対のサイドギヤの外周側の空間に連通する第2潤滑溝と、前記第1潤滑溝と前記第2潤滑溝とを連通する連通路と、を備える車両用差動装置であって、
前記デフケースの前記一対のワッシャとのそれぞれの摺接面に、一方の端部が前記連通路と連通し、他方の端部が閉鎖され前記サイドギヤの外周側の空間と連通しない第3潤滑溝が形成されている
ことを特徴とする車両用差動装置。 - 前記第1潤滑溝は、前記一対の車軸支持穴の内周面に形成され前記デフケースの前記一対のワッシャとのそれぞれの摺接面において、前記第1潤滑溝と同じ数の前記第2潤滑溝が形成されていることを特徴とする請求項1の車両用差動装置。
- 前記第2潤滑溝および前記第3潤滑溝がそれぞれ偶数の同じ数であり、前記第2潤滑溝の内周側開口と他の前記第2潤滑溝の内周側開口と、及び前記第3潤滑溝の内周側開口と他の前記第3潤滑溝の内周側開口とが、前記一対の車軸支持穴の径方向において相互に対向配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2の車両用差動装置。
- 前記第2潤滑溝および前記第3潤滑溝がそれぞれ奇数の同じ数であり、前記第2潤滑溝の内周側開口と前記第3潤滑溝の内周側開口とが、前記一対の車軸支持穴の径方向において相互に対向配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2の車両用差動装置。
- 前記第1潤滑溝の前記サイドギヤ側の開口と前記第2潤滑溝の内周側の開口とは、前記一対の車軸支持穴の径方向から見て重なるように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかの車両用差動装置。
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