JP2018100748A - 動力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転体の回転によって発生する液圧を有効に利用することができる動力装置を提供する。【解決手段】電動機2、変速機5、差動装置6、及びこれらを収容するハウジング4を備える動力装置1であって、変速機5は、電動機2と機械的に接続される第1ギヤ51と、差動装置6の差動ケース61と機械的に接続される第2ギヤ52と、第1ギヤ51及び第2ギヤ52と噛み合うピニオンギヤ53と、を備え、ハウジング4は、潤滑油を貯留する貯留部44を有し、第2ギヤ52は、一部が貯留部44に位置しており、第2ギヤ52の回転に伴って潤滑油が連れまわる潤滑油回転部70には、遠心圧が入力される遠心圧導入管71の一端部が配置されている。【選択図】図7

Description

本発明は、電動車両に設けられる動力装置に関する。
特許文献1には、車両の左車輪及び右車輪を駆動する電動機と、該電動機と左車輪及び右車輪との動力伝達径路上に配置される変速機と、該変速機で変速された出力を左車輪と右車輪とに分配する差動装置と、を備える動力装置が記載されている。この種の動力装置は、前輪駆動装置や後輪駆動装置としてハイブリッド車、電気自動車などの電動車両に設けられており、適切な動力伝達のためには、変速機を構成している各ギヤを適切に支持するだけでなく、各ギヤの支持部(軸受)を適切に潤滑する必要がある。
特開2002−104001号公報
しかしながら、特許文献1には、変速機を構成している各ギヤの支持や軸受の潤滑について具体的な記載がない。また、動力装置では、回転体の回転によって発生する油圧を利用して軸受等を潤滑したり、潤滑に限らず回転体の回転によって発生する油圧を有効に利用することが望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、回転体の回転によって発生する液圧を有効に利用することができる動力装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
車両の左車輪及び右車輪を駆動する電動機(例えば、後述の実施形態の電動機2)と、
該電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達径路上に配置される変速機(例えば、後述の実施形態の変速機5)と、
該変速機で変速された出力を前記左車輪と前記右車輪とに分配する差動装置(例えば、後述の実施形態の差動装置6)と、
前記電動機、前記変速機、及び前記差動装置を収容するハウジング(例えば、後述の実施形態のハウジング4)と、を備える動力装置(例えば、後述の実施形態の動力装置1、1A)であって、
前記変速機は、
前記電動機と機械的に接続される第1ギヤ(例えば、後述の実施形態の第1ギヤ51)と、
該第1ギヤと同一の回転軸心を有し、前記差動装置の差動ケース(例えば、後述の実施形態の差動ケース61)と機械的に接続される第2ギヤ(例えば、後述の実施形態の第2ギヤ52)と、
前記第1ギヤ及び前記第2ギヤと噛み合うピニオンギヤ(例えば、後述の実施形態のピニオンギヤ53)と、を備え、
前記ハウジングは、液状媒体を貯留する貯留部(例えば、後述の実施形態の貯留部44)を有し、
前記第2ギヤは、一部が前記貯留部に位置しており、
前記第2ギヤの回転に伴って前記液状媒体が連れまわる液状媒体回転部(例えば、後述の実施形態の潤滑油回転部70)には、遠心圧が入力される遠心圧導入管(例えば、後述の実施形態の遠心圧導入管71)の一端部が配置されている。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の動力装置であって、
前記動力装置は、前記ピニオンギヤを自転可能に支持する隔壁部(例えば、後述の実施形態の隔壁43)を備え、
前記ピニオンギヤは、ピニオンシャフト(例えば、後述の実施形態のピニオンシャフト53c)の一端部が前記隔壁部に回転可能に支持され、
前記遠心圧導入管の他端部が前記隔壁部に接続されている。
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の動力装置であって、
前記動力装置は、前記ピニオンギヤを自転可能に支持するピニオンホルダ(例えば、後述の実施形態のピニオンホルダ54)を備え、
前記ピニオンギヤは、ピニオンシャフト(例えば、後述の実施形態のピニオンシャフト53c)の他端部が前記ピニオンホルダに回転可能に支持され、
前記遠心圧導入管の他端部が前記ピニオンホルダに接続されている。
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の動力装置であって、
前記ピニオンホルダは、前記第2ギヤと前記ピニオンギヤとの噛合部(例えば、後述の実施形態の噛合部M)よりも前記差動装置の前記差動ケース側に、前記ピニオンギヤを支持するピニオンギヤ支持部(例えば、後述の実施形態のピニオンギヤ支持部54a)を有する。
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の動力装置であって、
前記動力装置は、前記電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達経路上に設けられ、解放又は締結することにより前記動力伝達経路を遮断状態又は接続状態にする液圧式の断接手段(例えば、後述の実施形態のクラッチ80)をさらに備え、
前記遠心圧導入管の他端部が前記断接手段に接続されている。
請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の動力装置であって、
前記断接手段は、所定圧未満では前記動力伝達経路を接続状態とし、前記所定圧以上で前記動力伝達経路を遮断状態とする。
請求項1に記載の発明によれば、第2ギヤの回転に伴って液状媒体が連れまわる液状媒体回転部には遠心圧導入管の一端部が配置されているので、仮にオイルポンプがなくても遠心圧導入管から取り出した液状媒体を潤滑若しくは液圧が必要な部位に供給することができる。
請求項2に記載の発明によれば、遠心圧導入管の他端部がピニオンシャフトの一端部を支持する隔壁部に接続されているので、仮にオイルポンプがなくてもピニオンシャフトの一端部を支持する軸受に液状媒体を供給することができる。
請求項3に記載の発明によれば、遠心圧導入管の他端部がピニオンシャフトの他端部を支持するピニオンホルダに接続されているので、仮にオイルポンプがなくてもピニオンシャフトの他端部を支持する軸受に液状媒体を供給することができる。
請求項4に記載の発明によれば、軸受が第2ギヤとピニオンギヤとの噛合部と差動装置の差動ケースとの間の入り組んだ部分に配置されていても、適切に液状媒体を軸受に供給することができる。
請求項5に記載の発明によれば、遠心圧導入管の他端部が断接手段に接続されているので、回転体の回転によって発生する液圧を断接手段の断接制御に利用することができる。
請求項6に記載の発明によれば、断接手段は所定圧未満では動力伝達経路を接続状態とし、所定圧以上で動力伝達経路を遮断状態とするので、回転体の回転によって遠心圧が上昇することで動力伝達経路が接続状態から遮断状態になる。したがって、低速時には電動機の効率の良い領域でEV走行若しくはEVアシスト走行し、所定車速以上で電動機を切り離すことができる。
本発明の第1実施形態に係る動力装置の断面図であり、図2のA−A断面図である。 隔壁及びピニオンギヤを差動装置側から見た動力装置の内部側面図である。 ピニオンギヤ、第2ギヤ及びピニオンホルダ(軸受は省略)を差動装置側から見た斜視図である。 図3のB−B断面図である。 ピニオンホルダの要部をピニオンギヤ側から見た斜視図である。 図1の動力装置の部分断面図であり、図2のC−C断面図である。 第2ギヤ及びピニオンホルダ(軸受は省略)を差動装置側から見た動力装置の内部側面図である。 本発明の第2実施形態に係る動力装置の概略構成を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る動力装置の作用を示すグラフである。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る第1実施形態の動力装置1を図1〜図7に基づいて説明する。
本実施形態の動力装置1は、電動機2を車軸駆動用の駆動源とするものであり、前輪駆動装置や後輪駆動装置としてハイブリッド車、電気自動車などの電動車両に設けられる。
[動力装置]
図1において、3A、3Bは、左右の車軸であり、車幅方向に沿って同軸上に配置されている。動力装置1のハウジング4は全体が略円筒状に形成され、その内部には、車軸駆動用の電動機2と、電動機2の駆動回転を減速する変速機5と、変速機5で減速された駆動回転を車軸3A、3Bに分配する差動装置6と、が配置されている。
ハウジング4は、電動機2を収容する第1ケース41と、変速機5及び差動装置6を収容する第2ケース42と、を備える。第1ケース41と第2ケース42の境界部には隔壁43が設けられ、この隔壁43によって第1ケース41の内部空間と第2ケース42の内部空間が仕切られている。隔壁43は、ボルト47を介して第1ケース41の外周部に設けられた段差部41bに締結される。このため、第1ケース41と隔壁43との合わせ面A1は、第1ケース41と第2ケース42との合わせ面A2よりも第1ケース41側に位置している。ハウジング4の底部は、潤滑油(液状媒体)を貯留する貯留部44として機能し、図6に示す静止油面レベルLまで潤滑油が貯留される。この静止油面レベルLは、電動機2における潤滑油の掻き上げ損失を低減するために、電動機2のエアギャップG(後述するステータ21の内周とロータ22の外周との間に確保される隙間)よりも低く設定されている。なお、図2にも示すように、隔壁43の下部には、潤滑油の流通を許容する連通口43aが形成されている。
[電動機]
電動機2は、第1ケース41の内周部に固定されるステータ21と、ステータ21の内周側に回転可能に配置されるロータ22と、を備える。ロータ22の内周部には、一方の車軸3Aの外周を囲繞するロータ軸23が結合され、このロータ軸23が車軸3Aと同軸上に相対回転可能となるように第1ケース41の端部壁41aと隔壁43に軸受24、25を介して支持されている。また、車軸3A及びロータ軸23の一端側は、隔壁43を貫通して第2ケース42内に延出し、車軸3Aの他端側は、第1ケース41の端部壁41aを貫通してハウジング4の外側方に延出している。
[変速機]
変速機5は、電動機2と機械的に接続される第1ギヤ51と、該第1ギヤ51と同一の回転軸心を有し、差動装置6の差動ケース61と機械的に接続される第2ギヤ52と、第1ギヤ51及び第2ギヤ52と噛み合う複数のピニオンギヤ53と、複数のピニオンギヤ53を自転可能かつ公転不能に支持するピニオンホルダ54と、を備え、第1ギヤ51から電動機2の駆動回転が入力されると、ピニオンギヤ53及び第2ギヤ52を介して減速された駆動回転が差動装置6の差動ケース61に出力される。
第1ギヤ51は、外歯車からなり、ロータ軸23に一体に形成されている。ピニオンギヤ53は、外歯車からなる大径ギヤ53aと、外歯車からなる小径ギヤ53bと、大径ギヤ53a及び小径ギヤ53bを一体回転可能に支持するピニオンシャフト53cと、を備える。大径ギヤ53aは、ピニオンシャフト53cの電動機2側に結合され、第1ギヤ51と噛み合う。また、小径ギヤ53bは、ピニオンシャフト53cの差動装置6側に一体に形成され、第2ギヤ52と噛み合う。ピニオンシャフト53cは、電動機2側の端部が隔壁43に軸受55を介して回転可能に支持され、差動装置6側の端部がピニオンホルダ54のピニオンギヤ支持部54aに軸受56を介して回転可能に支持されている。
図2に示すように、本実施形態の変速機5は、3つのピニオンギヤ53を備える。3つのピニオンギヤ53は、第1ギヤ51を中心として周方向に等間隔(120°間隔)で配置されている。3つのピニオンギヤ53のうち少なくとも1つは、一部又は全体が前述した貯留部44内に位置し、電動機2の駆動に伴う回転により貯留部44内の潤滑油を掻き上げる回転体として機能している。図2に示す例では、第1ギヤ51の真下に配置される最下部のピニオンギヤ53を潤滑油を掻き上げる回転体として機能させ、掻き上げた潤滑油を上側の2つのピニオンギヤ53に供給している。ここで、図2に向かって反時計回りにピニオンギヤ53が回転すると仮定すると、最下部のピニオンギヤ53の回転によって掻き上げられた潤滑油は、主に左上に位置するピニオンギヤに供給され、さらに左上に位置するピニオンギヤの回転によって飛散した潤滑油は主に右上に位置するピニオンギヤに順次供給される。
第2ギヤ52は、ギヤ部52aが内歯車からなり、ピニオンギヤ53の小径ギヤ53bと噛み合う。第2ギヤ52は、ギヤ部52aからピニオンホルダ54(ピニオンギヤ支持部54a)の外周側を跨いで差動装置6側に延出する接続部52bを備え、この接続部52bがスプラインなどの接続手段を介して差動装置6の差動ケース61と機械的に接続されている。換言すると、第2ギヤ52は、差動ケース61との接続部52bを構成する第2ギヤ大径部52cと、ピニオンギヤ53と噛み合うギヤ部52aを構成する第2ギヤ小径部52dと、第2ギヤ大径部52cと第2ギヤ小径部52dとを連結する第2ギヤ連結部52eと、を有しており、第2ギヤ小径部52dの外径は、第2ギヤ大径部52cの外径よりも小さくなっている。また、第2ギヤ52は、下端部が前述した貯留部44内に位置し、電動機2の駆動に伴う回転により貯留部44内の潤滑油を掻き上げる回転体としても機能している。
図3〜図5に示すように、ピニオンホルダ54は、軸受56を介してピニオンギヤ53のピニオンシャフト53cを回転可能に支持する3つのピニオンギヤ支持部54aと、隔壁43に固定される3つの固定部54bと、ピニオンホルダ54の中心部(ピニオンギヤ支持部54a及び固定部54bの内径側)に形成された有底円筒状のカップ部54cと、を備える。
ピニオンギヤ支持部54aは、差動装置6の差動ケース61と機械的に接続される第2ギヤ52と、ピニオンギヤ53の小径ギヤ53bと、の噛合部Mよりも差動装置6の差動ケース61側に配置されている。これにより、一端側が軸受55を介して隔壁43で支持されるピニオンシャフト53cの他端側を軸受56を介してピニオンギヤ支持部54aで支持することにより、ピニオンギヤ53を両持ち状態で適切に支持することが可能になる。
3つの固定部54bは、周方向において隣接するピニオンギヤ支持部54aの中間部に位置しており、それぞれがボルト57を介して隔壁43に締結される。これにより、隔壁43は、ピニオンシャフト53cの支持部材とピニオンホルダ54の支持部材に兼用される。
カップ部54cは、軸方向において噛合部Mの一端側から他端側に亘って且つ径方向において噛合部Mの内周側で一方の車軸3Aの外周を空間部Sを介して囲繞するとともに、一端側の底部54dには、一方の車軸3Aが貫通する貫通孔54eが形成されている。また、カップ部54cの他端側の内周部は、軸受65を介して差動ケース61の一端側を回転可能に支持している。これにより、ピニオンホルダ54は、ピニオンギヤ53の支持部材と差動ケース61の支持部材に兼用される。
[差動装置]
差動装置6は、第2ギヤ52から差動ケース61に入力される駆動回転を左右の車軸3A、3Bに分配しつつ、左右の車軸3A、3Bの回転差を許容するために、差動ケース61、差動ピニオンシャフト62、差動ピニオンギヤ63及び左右のサイドギヤ64A、64Bを備える。
差動ケース61は、差動ピニオンシャフト62、差動ピニオンギヤ63及び左右のサイドギヤ64A、64Bを収容する球状の差動ケース本体61aと、差動ケース本体61aの外周部から径方向に延びて第2ギヤ52と機械的に接続される入力プレート61bと、差動ケース本体61aの両側部から軸方向に延びる左右の延出部61c、61dと、を備える。一方の延出部61cは、内周部で一方の車軸3Aを回転自在に支持するとともに、外周部が軸受65を介してピニオンホルダ54で回転可能に支持されている。また、他方の延出部61dは、内周部で他方の車軸3Bを回転自在に支持するとともに、外周部が軸受66を介して第2ケース42の端部壁42aで回転可能に支持されている。
差動ピニオンシャフト62は、差動ケース本体61aに車軸3A、3Bと直交する方向を向いて支持されており、差動ケース本体61aの内部で傘歯車からなる2つの差動ピニオンギヤ63を回転可能に支持している。つまり、差動ピニオンシャフト62は、差動ケース61の回転に応じて差動ピニオンギヤ63を公転させつつ、差動ピニオンギヤ63の自転を許容している。
左右のサイドギヤ64A、64Bは、傘歯車からなり、差動ピニオンギヤ63に対して両側方から噛み合うように差動ケース本体61aの内部に回転可能に支持されるとともに、スプラインなどの接続手段を介して左右の車軸3A、3Bと機械的に接続されている。差動ピニオンギヤ63が自転せずに公転している状態、例えば、直進走行時には、左右のサイドギヤ64A、64Bが等速で回転し、その駆動回転が左右の車軸3A、3Bに伝達される。また、カーブ走行時や右左折時には、差動ピニオンギヤ63が自転することにより、左右のサイドギヤ64A、64Bが相対回転し、左右の車軸3A、3Bの回転差が許容される。
[ピニオンホルダの潤滑機能]
つぎに、ピニオンホルダ54の潤滑機能について説明する。
ピニオンホルダ54は、第2ギヤ52やピニオンギヤ53がハウジング4の貯留部44から掻き上げた潤滑油を貯留する貯留空間を有する。この貯留空間は、カップ部54cと一方の車軸3Aとにより形成される前述の空間部Sであり、第2ギヤ52やピニオンギヤ53が掻き上げた潤滑油が、空間部Sに連通する後述の連通孔54f、54gを介して空間部Sに流れ込む。
空間部Sに流れ込んだ潤滑油は、空間部Sに隣接して配置され、差動ケース61の一端側を回転可能に支持する前述の軸受65に供給され、適切に潤滑される。また、潤滑油は、空間部Sから潤滑が必要な差動装置6の内部や潤滑油による冷却が必要な電動機2にも分配される。より具体的に説明すると、潤滑油は、空間部Sから車軸3Aと差動ケース61の延出部61cとの隙間から差動装置6の内部に供給されるとともに、空間部Sから車軸3Aとロータ軸23との隙間を介して電動機2側に供給される。
図5に示すように、ピニオンホルダ54は、ピニオンギヤ53と対向する第1面54hに第2ギヤ52やピニオンギヤ53が掻き上げた潤滑油を受ける第1ガイド部54iを備える。第1ガイド部54iは、カップ部54cの両側方に形成され且つカップ部54cに向かって直線的に延びる突起部であり、受け止めた潤滑油をカップ部54cに導く。第1ガイド部54iとカップ部54cとの接続部には、連通孔54fが形成されており、第1ガイド部54iによって受け止められた潤滑油が連通孔54fを介して空間部Sに貯留される。
図3に示すように、ピニオンホルダ54は、差動装置6の差動ケース61と対向する第2面54jに第2ギヤ52やピニオンギヤ53が掻き上げた潤滑油を受ける第2ガイド部54kを備える。第2ガイド部54kは、カップ部54cの上方に形成され且つ最上部の固定部54bの下方を円弧状に延びる突起部であり、受け止めた潤滑油をカップ部54cに導く。第2ガイド部54kとカップ部54cとの接続部には、連通孔54gが形成されており、第2ガイド部54kによって受け止められた潤滑油が連通孔54gを介して空間部Sに貯留される。なお、連通孔54gは、ピニオンホルダ54の第1面54h側にも連通している。
図3及び図4に示すように、ピニオンホルダ54のピニオンギヤ支持部54aのうち、前述した上側の2つのピニオンギヤ53を支持するピニオンギヤ支持部54aは、差動装置6の差動ケース61と対向する第2面54j側の開口端部に潤滑油を貯留するポケット54mを備える。ポケット54mは、ピニオンギヤ支持部54aに供給された潤滑油を一時的に留めることで、軸受56の適切な潤滑を可能にしている。
ところで、空間部Sから軸受65に供給された潤滑油の一部は、軸受65内を通過して差動ケース61の外周に流れるとともに、差動ケース61の回転に伴う遠心力を受け、入力プレート61bに沿って外径方向に移動する。本実施形態の入力プレート61bは、入力プレート61bに沿って外径方向に移動する潤滑油を上側の2つのピニオンギヤ支持部54aに導く第3ガイド部61eを備える。第3ガイド部61eは、入力プレート61bのピニオンギヤ53と対向する面に形成された環状凹部の縁部であり、径方向においてピニオンギヤ支持部54aと対向する位置に形成された縁部によって、入力プレート61bに沿って外径方向に移動する潤滑油は、ピニオンギヤ支持部54aに導かれる。なお、第2ギヤ52によって掻き上げられた潤滑油の一部も同様の流れとなる。
[潤滑油回転部及び遠心圧導入管]
つぎに、潤滑油回転部70及び遠心圧導入管71について、図1、図3、図4及び図7を参照して説明する。なお、図7に矢印(FWD)で示す回転方向は、差動装置6側から見た車両前進時における第2ギヤ52の回転方向である。
動力装置1は、第2ギヤ52の回転に伴って潤滑油が連れまわる潤滑油回転部70を備える。本実施形態の潤滑油回転部70は、第2ギヤ52(第2ギヤ連結部52e)の内周面に全周に亘って形成された凹溝部52fによって構成され、その一部は貯留部44に位置している。第2ギヤ52が回転すると、貯留部44の潤滑油が第2ギヤ52で掻き上げられるとともに、潤滑油が凹溝部52fに滞留する。凹溝部52fに滞留した潤滑油は、第2ギヤ52の回転に伴う遠心力を受けて連れまわり状態となり、第2ギヤ52とともに潤滑油が回転する潤滑油回転部70が構成される。なお、凹溝部52fは、第2ギヤ52単体で構成してもよいし、第2ギヤ52と差動ケース61との組み合わせで構成してもよい。
潤滑油回転部70には、遠心圧が入力される遠心圧導入管71の一端部が配置されている。本実施形態の遠心圧導入管71は、隔壁43又はピニオンホルダ54によって支持されており、その一端部が潤滑油回転部70内において第2ギヤ52の回転方向上流側に向かって開口するように配置されている。このように配置された遠心圧導入管71によれば、車両前進時に潤滑油回転部70内の潤滑油が第2ギヤ52の回転速度に応じた圧力を保持しつつ導入されるので、導入された潤滑油を潤滑若しくは油圧が必要な部位に供給することができる。なお、図7において、遠心圧導入管71の一端部は、潤滑油回転部70の最下部近傍位置に配置されているが、潤滑油回転部70のその他の位置に配置してもよい。
遠心圧導入管71の他端部は、隔壁43やピニオンホルダ54に接続することができる。隔壁43に遠心圧導入管71の他端部を接続する場合は、遠心圧導入管71の他端部から供給される潤滑油によって、ピニオンシャフト53cの一端部を回転可能に支持する軸受55等を適切に潤滑することが可能になる。また、ピニオンホルダ54に遠心圧導入管71の他端部を接続する場合は、遠心圧導入管71の他端部から供給される潤滑油によって、ピニオンシャフト53cの他端部を回転可能に支持する軸受56等を適切に潤滑することが可能になる。特に、軸受56は、第2ギヤ52とピニオンギヤ53との噛合部Mと差動装置6の差動ケース61との間の入り組んだ部分に配置されているため、遠心圧導入管71による潤滑油の供給が有効である。
以上説明したように、本実施形態によれば、第2ギヤ52の回転に伴って潤滑油が連れまわる潤滑油回転部70には遠心圧導入管71の一端部が配置されているので、仮にオイルポンプがなくても遠心圧導入管71から取り出した潤滑油を潤滑若しくは油圧が必要な部位に供給することができる。
また、遠心圧導入管71の他端部をピニオンシャフト53cの一端部を支持する隔壁43に接続すれば、仮にオイルポンプがなくてもピニオンシャフト53cの一端部を支持する軸受55に潤滑油を供給することができる。
また、遠心圧導入管71の他端部をピニオンシャフト53cの他端部を支持するピニオンホルダ54に接続すれば、仮にオイルポンプがなくてもピニオンシャフト53cの他端部を支持する軸受56に液状媒体を供給することができる。
また、遠心圧導入管71によれば、軸受56が第2ギヤ52とピニオンギヤ53との噛合部Mと差動装置6の差動ケース61との間の入り組んだ部分に配置されていても、適切に潤滑油を軸受56に供給することができる。
なお、上記実施形態では、遠心圧導入管71の一端部が、車両前進時における第2ギヤ52の回転方向上流側に向かって開口するように配置されていたが、遠心圧導入管71の一端部の向きを反対方向としてもよい。このように配置された遠心圧導入管71によれば、車両後進時に潤滑油回転部70内の潤滑油が第2ギヤ52の回転速度に応じた圧力を保持しつつ導入されるので、導入された潤滑油を潤滑若しくは油圧が必要な部位に供給することができる。
<第2実施形態>
つぎに、本発明の第2実施形態に係る動力装置1Aについて、図8及び図9を参照して説明する。ただし、第1実施形態と共通の構成については、第1実施形態と同じ符号を用いることにより、第1実施形態の説明を援用する。
図8に示すように、第2実施形態の動力装置1Aは、電動機2と車輪Wとの動力伝達経路上に設けられ、解放又は締結することにより動力伝達経路を遮断状態又は接続状態にする液圧式のクラッチ80をさらに備える。第2実施形態の遠心圧導入管71は、他端部がクラッチ80に接続されており、第2ギヤ52の回転によって遠心圧導入管71の他端部から取り出される油圧がクラッチ80の断接制御に利用される。
具体的に説明すると、クラッチ80は、電動機2側に連結される駆動側クラッチ部材81と、車輪W側に連結される従動側クラッチ部材82と、駆動側クラッチ部材81と従動側クラッチ部材82とが接続される方向に付勢するスプリング83と、を備えており、通常時は接続状態となっている。遠心圧導入管71の他端部から取り出される油圧は、スプリング83の付勢力に抵抗してクラッチ80を解放させる側に作用しており、油圧が所定圧未満ではクラッチ80を締結して動力伝達経路を接続状態とし、所定圧以上ではクラッチ80を解放して動力伝達経路を遮断状態とする。このような第2実施形態によれば、第2ギヤ52の回転によって遠心圧が上昇することで動力伝達経路が接続状態から遮断状態になるので、図9に示すように、低速時には電動機2の効率の良い領域でEV走行若しくはEVアシスト走行し、所定車速以上で電動機2を切り離すことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、動力装置1に設けられる遠心圧導入管71は、1本ではなく複数本としてもよい。
また、遠心圧導入管71を途中で分岐させ、一つの一端部に導入された遠心圧を複数の他端部から複数の部位に供給してもよい。
また、ピニオンギヤ53の数は、3つに限らず、1つでも2つでもよく、4つ以上でもよい。
動力装置1は、掻き上げ式の潤滑方式とともに、オイルポンプを用いた強制潤滑方式を採用してもよい。
1、1A 動力装置
2 電動機
4 ハウジング
43 隔壁(隔壁部)
44 貯留部
5 変速機
51 第1ギヤ
52 第2ギヤ
53 ピニオンギヤ
53c ピニオンシャフト
54 ピニオンホルダ
6 差動装置
61 差動ケース
70 潤滑油回転部(液状媒体回転部)
71 遠心圧導入管
80 クラッチ(断接手段)
M 噛合部

Claims (6)

  1. 車両の左車輪及び右車輪を駆動する電動機と、
    該電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達径路上に配置される変速機と、
    該変速機で変速された出力を前記左車輪と前記右車輪とに分配する差動装置と、
    前記電動機、前記変速機、及び前記差動装置を収容するハウジングと、を備える動力装置であって、
    前記変速機は、
    前記電動機と機械的に接続される第1ギヤと、
    該第1ギヤと同一の回転軸心を有し、前記差動装置の差動ケースと機械的に接続される第2ギヤと、
    前記第1ギヤ及び前記第2ギヤと噛み合うピニオンギヤと、を備え、
    前記ハウジングは、液状媒体を貯留する貯留部を有し、
    前記第2ギヤは、一部が前記貯留部に位置しており、
    前記第2ギヤの回転に伴って前記液状媒体が連れまわる液状媒体回転部には、遠心圧が入力される遠心圧導入管の一端部が配置されている、動力装置。
  2. 請求項1に記載の動力装置であって、
    前記動力装置は、前記ピニオンギヤを自転可能に支持する隔壁部を備え、
    前記ピニオンギヤは、ピニオンシャフトの一端部が前記隔壁部に回転可能に支持され、
    前記遠心圧導入管の他端部が前記隔壁部に接続されている、動力装置。
  3. 請求項1又は2に記載の動力装置であって、
    前記動力装置は、前記ピニオンギヤを自転可能に支持するピニオンホルダを備え、
    前記ピニオンギヤは、ピニオンシャフトの他端部が前記ピニオンホルダに回転可能に支持され、
    前記遠心圧導入管の他端部が前記ピニオンホルダに接続されている、動力装置。
  4. 請求項3に記載の動力装置であって、
    前記ピニオンホルダは、前記第2ギヤと前記ピニオンギヤとの噛合部よりも前記差動装置の前記差動ケース側に、前記ピニオンギヤを支持するピニオンギヤ支持部を有する、動力装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の動力装置であって、
    前記動力装置は、前記電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達経路上に設けられ、解放又は締結することにより前記動力伝達経路を遮断状態又は接続状態にする液圧式の断接手段をさらに備え、
    前記遠心圧導入管の他端部が前記断接手段に接続されている、動力装置。
  6. 請求項5に記載の動力装置であって、
    前記断接手段は、所定圧未満では前記動力伝達経路を接続状態とし、前記所定圧以上で前記動力伝達経路を遮断状態とする、動力装置。
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