JP2019010719A - エンドエフェクタ - Google Patents

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眞二 栗原
Shinji Kurihara
眞二 栗原
啓明 松田
Keimei Matsuda
啓明 松田
鈴木 秀俊
Hidetoshi Suzuki
秀俊 鈴木
尹 祐根
Wookeun Yoon
祐根 尹
盛陽 池田
Seiyo Ikeda
盛陽 池田
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Abstract

【課題】 レトルトパウチのような変形しやすい性質を備えるワークのピッキング作業に特化したエンドエフェクタを提供することにある。
【解決手段】 本実施形態に係るエンドエフェクタは、基部72に対して、ワーク200を吸着するための少なくとも一つの吸着パッド78とワーク200を均すための均し板74とが取り付けられる。均し板74にはその略中央部に吸着パッド78が通過可能なサイズで開口部742があけられている。吸着パッド78はその位置が開口部742に合わされ、その前端面が開口部742から若干突出し又は均し板74の表面と実質的に段差がなく設けられる。
【選択図】 図3

Description

本発明の実施形態は、ロボットアームに装備されるエンドエフェクタに関する。
ロボット装置は製造ライン、医療や介護などさまざまな現場での適用がなされており、今後更なる分野での適用が期待されている。近年では労働人口の低下予測を背景に作業員の近くで作業するいわゆる協働ロボットへの期待が高まってきている。協働ロボットの実用化により、これまであまり対象としていなかったワーク、例えばレトルトパウチがピッキングの対象とされる状況が増加するものと想定される。レトルトパウチは周知の通り柔軟性があり容易に変形しやすい特性を備えているので、真空吸着により把持するケースが多い。
しかしレトルトパウチは上記特性のため吸着パッドで吊り下げたときその内容物の自重により鉛直方向に引っ張られて変形する。この変形した状態でリリースされ、レトルトパウチの歪みが残存したままだと、後工程に支障が生じたり、また箱詰め作業では所定数量のレトルトパウチを適正に積み重ねることができなかったり、様々な問題が生じる。
目的は、レトルトパウチのような変形しやすい性質を備えるワークのピッキング作業に特化したエンドエフェクタを提供することにある。
本実施形態に係るエンドエフェクタは、基部に対して、ワークを吸着するための少なくとも一つの吸着パッドと前記ワークを均すための均し板とが取り付けられ、前記均し板にはその略中央部に前記吸着パッドが通過可能なサイズで開口部があけられ、前記吸着パッドはその位置が前記開口部に合わされ、その前端面が前記開口部から若干突出し又は前記均し板の表面と実質的に段差なく設けられる。
図1は、本実施形態に係るエンドエフェクタを装備したロボットアーム機構を配置したロボットシステムの外観図である。 図2は、本実施形態に係るエンドエフェクタを装備したロボットアーム機構を示す外観斜視図である。 図3は、本実施形態に係るエンドエフェクタの上方斜視図である。 図4は、図3のエンドエフェクタの下方斜視図である。 図5は、図3のエンドエフェクタの正面図である。 図6は、図3のエンドエフェクタの側面図である。 図7は、図3のエンドエフェクタの底面図である。 図8は、本実施形態に係るエンドエフェクタによりピッキング作業の第1段階を表す図である。 図9は、本実施形態に係るエンドエフェクタによりピッキング作業の第2段階を表す図である。 図10は、本実施形態に係るエンドエフェクタによりピッキング作業の第3段階を表す図である。 図11は、本実施形態に係るエンドエフェクタによりピッキング作業の第4段階を表す図である。 図12は、本実施形態に係るエンドエフェクタによりピッキング作業の第5段階を表す図である。 図13は、本実施形態に係るエンドエフェクタによりピッキング作業の第6段階を表す図である。 図14は、本実施形態に係るエンドエフェクタによりピッキング作業の第7段階を表す図である。 図15は、本実施形態の第1変形例に係るエンドエフェクタの正面図である。 図16は、本実施形態の第2変形例に係るエンドエフェクタの正面図である。 図17は、図16のエンドエフェクタの側面図である。 図18は、本実施形態の第3変形例に係るエンドエフェクタの底面図である。 図19は、本実施形態の第4変形例に係るエンドエフェクタの底面図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るエンドエフェクタを説明する。本実施形態に係るエンドエフェクタは、主にロボットアームの先端の典型的には手首部に装着され、使用される。以下の説明では、本実施形態に係るエンドエフェクタを装備した、直動伸縮関節を有する極座標形のロボットアーム機構を例に説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本実施形態に係るエンドエフェクタ7を装備したロボットアーム機構100を配置したロボットシステムの外観図である。本実施形態に係るエンドエフェクタ7は、プラスチックフィルム若しくは金属箔又はこれらを多層に合わせたものを袋状に成形した気密性及び遮光性を有する容器に食品その他の収容物を収容してなる、いわゆるレトルトパウチ200のような柔軟性の高い袋体のワーク200(以下、単にワーク200と省略する)を吸着により把持し、他の場所に移送するピッキング作業に特化したものである。このエンドエフェクタ7は、ピッキング作業を行うピッキングロボットのアームの先端の典型的には手首部に装着され、使用される。図1に示すように、ピッキングロボットは、工場内のベルトコンベア300の近傍に配置され、そのベルトコンベア300により、ピッキング位置に搬送されたワーク200を本実施形態に係るエンドエフェクタ7で吸着により把持し、他の位置、例えば隣接する他のベルトコンベア400上のリリース位置にリリースする。
図2は、図1のロボットアーム機構100の外観斜視図である。ロボットアーム機構100は、略円筒形状の支柱部2と、支柱部2の上部に載置される起伏部4と、起伏部4から伸延するアーム部5と、アーム部5の先端に取り付けられる手首部6を備える。手首部6の後述する第6回転軸RA6の回転部には図示しないアダプタが設けられている。このアダプタにエンドエフェクタ7(手先効果器)が取り付けられる。
ロボットアーム機構100は、複数、ここでは6つの関節部J1,J2,J3,J4,J5,J6を有する。第1、第2、第3関節部J1,J2,J3は手首部6の位置を変化させる根元3軸と呼ばれ、第1、第2、第3関節部J1,J2,J3の主要構成部分は支柱部2に収容される。第4、第5、第6関節部J4,J5,J6は主にエンドエフェクタ7(手先効果器)の姿勢を変化させる手首3軸と呼ばれ、第4、第5、第6関節部J4,J5,J6の主要構成部分は手首部6に収容される。
第1関節部J1は、鉛直方向に平行な回転軸RA1を備える旋回用のねじり回転関節部であり、第1関節部J1の回転によりアーム部5は左右に旋回回転される。第2関節部J2は、回転軸RA1に対して直交する回転軸RA2を備える起伏用のねじり回転関節部であり、第2関節部J2の回転によりアーム部5は上下に起伏する。第3関節部J3は、直動伸縮機構により提供される。直動伸縮機構は発明者らが新規に開発した構造を備えており、可動範囲の観点でいわゆる従来の直動関節とは明確に区別される。第3関節部J3のアーム部5は伸縮軸RA3に沿って伸縮する。このように、根元3軸は、旋回用ねじり関節部、起伏用ねじり関節部及び直動伸縮機構で構成される。つまり、図2に示すロボットアーム機構100は極座標形である。
第4〜第6関節部J4〜J6はそれぞれ直交3軸の回転軸RA4〜RA6を備える。第4関節部J4は伸縮軸RA3と略一致する回転軸RA4を中心としたねじり回転関節部であり、この第4関節部J4の回転によりエンドエフェクタ7は揺動回転される。第5関節部J5は回転軸RA4に対して垂直に配置される回転軸RA5を中心とした曲げ回転関節部であり、この第5関節部J5の回転によりエンドエフェクタ7は前後に傾動回転される。第6関節部J6は回転軸RA4と回転軸RA5とに対して垂直に配置される回転軸RA6を中心としたねじり回転関節部であり、この第6関節部J6の回転によりエンドエフェクタ7は軸回転される。
このように、エンドエフェクタ7は、第1、第2、第3関節部J1,J2,J3により任意位置に移動され、第4、第5、第6関節部J4,J5,J6により任意姿勢に配置される。特に第3関節部J3のアーム部5の伸縮距離の長さは、支柱部2の近接位置から遠隔位置までの広範囲の対象にエンドエフェクタ7を到達させることを可能にする。第3関節部J3はそれを構成する直動伸縮機構により実現される直線的な伸縮動作とその伸縮距離の長さとが従前の直動関節と異なる特徴的な点である。
(エンドエフェクタ7の構造)
図3は、本実施形態に係るエンドエフェクタ7の上方斜視図である。図4は、図3のエンドエフェクタ7の下方斜視図である。図5は、図3のエンドエフェクタ7の正面図である。図6は、図3のエンドエフェクタ7の側面図である。図7は、図3のエンドエフェクタ7の底面図である。
エンドエフェクタ7は、基部72と、ワーク200を吸着するための吸着パッド78と、ワーク200を均すための均し板74とを備える。基部72はブラケット71を介してロボットアーム機構100の手首部6に接続される。具体的には、基部72は円柱体をなす。ブラケット71はU字形状の長尺体をなす。ブラケットの先端裏面に基部72の上端面が接続される。ブラケット71の後端表面に手首部6のハンド取付部に接続するためのアダプタ板70が取り付けられる。これにより、エンドエフェクタ7の基部72はロボットアーム機構100の手首部6からオフセットした位置に配置される。
ブラケット71に対して均し板74が接続される。均し板74は金属性又は硬質樹脂製の矩形プレートである。均し板74には、その略中央部に吸着パッド78が通過可能なサイズで開口部742があけられている。均し板74の開口部742の周囲には、排気又は吸気のために複数の孔741があけられている。均し板74の開口部742の中心位置は基部72の中心軸上に配置される。均し板74は、一対の支持板73a,73bを介してブラケット71に接続される。一対の支持板73a,73bは各々が同サイズの矩形平板である。支持板73aは、その上端の内側面がブラケット71の先端側の右側面に接続され、下端が均し板74の右側縁に接続される。同様に、支持板73bは、その上端の内側面がブラケット71の先端側の左側面に接続され、下端が均し板74の左側縁に接続される。一対の支持板73a,73bのそれぞれの下方部分は互いに外側に向かって、略Z形状に曲げられている。
基部72に対して吸着パッド78が接続される。具体的には、基部72の下端面に、円筒体のエア配管76の上端面が接続される。エア配管76は、その円筒軸が基部72の中心軸に一致する位置に配置される。エア配管76の下端には4段のベローズ77が接続される。ベローズ77の下端には吸着パッド78が接続される。吸着パッド78は、前方に向かって円錐形に拡がったゴムやシリコン等の弾性素材の管構造を有する。ベローズ77の中空部分はエアが導通し、吸着パッド78に連通する。このように構成された吸着パッド78は、均し板74の開口部742の位置に整合し、その吸着方向及びベローズ77の伸縮方向は均し板74の表面に対して直交する。吸着パッド78の厚み、ベローズ77の長さ、及びエア配管76の長さは、吸着パッド78の前端面(吸着面)が開口部742から若干突出するように、又は均し板74の表面と実質的に段差がないように既定される。なお、均し板74の表面とは、均し板74のワーク200に対峙する側の面、換言すると基部72に対峙する側の反対側の面を表す。
基部72の前面にはエアチューブを取り付けるためのチューブ取付孔75が設けられる。チューブ取付孔75にはエアチューブの一端が接続され、エアチューブの他端はエアポンプに接続される。チューブ取付孔75は基部72の内部中空に連通する。基部72の内部中空は、エア配管76、ベローズ77を介して吸着パッド78の内部中空に連通する。これにより、吸着パッド78は外部のエアポンプに接続される。
吸着パッド78の吸着面がワーク200に密着した状態でエアポンプが駆動すると、ワーク200表面と吸着パッド78とで規定される気室内の空気が吸引され、真空状態となりワーク200に対して負圧が働く。その結果、ワーク200は吸着パッド78に吸着され把持される。エアポンプの駆動が停止されると、吸着パッド78の真空状態が解除され、吸着パッド78によるワーク200の吸着が解除され、ワーク200がリリースされる。
(エンドエフェクタ7の効果説明)
図8乃至図14は、本実施形態に係るエンドエフェクタ7によるピッキング作業の第1乃至第7段階をそれぞれ表している。ワーク200(レトルトパウチ200)は、四方側部がシールされた袋体である。レトルトパウチ200は、その袋体の底面がベルトコンベア300の上面に載置され、袋体の表面が上に向いた状態で搬送される。
図8に示すように、レトルトパウチ200がエンドエフェクタ7によるピッキング位置に搬送されると、エンドエフェクタ7は、ピッキング位置の上方に移動された後、レトルトパウチ200の表面に向かって降下される。ピッキング位置は、ベルトコンベア300の載置面の上方近傍、例えばベルトコンベア300の載置面からレトルトパウチ200の厚みよりも短い距離を隔てた位置に設定されている。
図9に示すように、ピッキング位置に降下されたエンドエフェクタ7の吸着パッド78の吸着面はレトルトパウチ200の表面に押し付けられる。吸着パッド78の吸着面がレトルトパウチ200の表面に押し付けられた状態で、外部のエアポンプが駆動し、吸着パッド78に負圧が供給されることで、レトルトパウチ200の表面がエンドエフェクタ7の吸着パッド78に吸着される。
図10に示すように、エンドエフェクタ7の吸着パッド78にレトルトパウチ200の表面が吸着されると、エンドエフェクタ7は上昇され、エンドエフェクタ7の上昇とともに、その吸着パッド78に吸着されたレトルトパウチ200もベルトコンベア300の載置面から離れる。吸着パッド78に吸着されたレトルトパウチ200は、その自重により鉛直方向に垂れ下がり、雫形に変形する。
図11に示すように、レトルトパウチ200を吸着したエンドエフェクタ7が、他のベルトコンベア400の載置面の上方のリリース位置に移動されると、外部のエアポンプが停止する。それにより吸着パッド78によるレトルトパウチ200の吸着が解除され、レトルトパウチ200がリリースされる。
図12に示すように、リリースされたレトルトパウチ200はリリース位置の下方のベルトコンベア400の載置面に載置される。エンドエフェクタ7は、ワーク200をリリースした後、リリースした姿勢を維持した状態で、均し位置に向かって降下される。均し位置は、リリース位置の下方であって、ベルトコンベア400の載置面の上方近傍、例えばベルトコンベア400の載置面からレトルトパウチ200の厚みよりも若干短い距離を隔てた位置に設定されている。
図13に示すように、均し位置まで降下されたエンドエフェクタ7の均し板74及び吸着パッド78により、レトルトパウチ200の表面が均される。
図14に示すように、レトルトパウチ200の表面が均されると、エンドエフェクタ7は上昇され、これによりエンドエフェクタ7によるレトルトパウチ200のピッキング作業が完了される。エンドエフェクタ7により表面が均されたレトルトパウチ200はベルトコンベア400により搬送される。図8乃至図14で説明したエンドエフェクタ7によるピッキング作業は、レトルトパウチ200がリリース位置に搬送されるたびに繰り返し実行される。
以上説明した本実施形態に係るエンドエフェクタ7によれば、図9に示すように、均し板74でレトルトパウチ200の表面のシワが伸ばされた状態で、吸着パッド78はレトルトパウチ200の表面を吸着することができる。レトルトパウチ200の表面のシワは、吸着パッド78とレトルトパウチ200の表面との間に隙間を生じさせる。吸着パッド78とレトルトパウチ200表面との間に隙間が生じると、吸着パッド78の真空状態が解除されてしまい、レトルトパウチ200を吸着することができない。このシワが均し板74により伸ばされるため、吸着パッド78によるレトルトパウチ200の吸着の成功率を向上させることができる。
図11に示すように、吸着パッド78に吸着されたレトルトパウチ200は、鉛直方向に垂れ下がり、雫形に変形した状態でリリースされる。図12に示すように、ベルトコンベア400の載置面にリリースされたレトルトパウチ200は、ベルトコンベア400の載置面に落下したときの衝撃等によって、その形状がピッキング前の形状にある程度戻るが、完全には戻らない。変形した状態のレトルトパウチ200が後工程に搬送されてしまうと、その後工程の作業の遅延を生じさせかねない。本実施形態に係るエンドエフェクタ7によれば、図13に示すように、均し板74を用いてベルトコンベア400の載置面にリリースされたレトルトパウチ200の表面を均すことができ、リリースされたレトルトパウチ200の形をピッキング前の形に復元し、さらに、その表面の歪み、変形、シワの発生を抑えることができる。
しかも、本実施形態に係るエンドエフェクタ7によれば、上記の均し作業をピッキング作業に含めることによるタイムロスを極小化することができる。これは以下の理由による。すなわち、均し板74の表面を、吸着パッド78の吸着面と同じ向きで配置することにより、レトルトパウチ200をリリースしてからベルトコンベア400上に落下したレトルトパウチ200を均す作業に移行する際のエンドエフェクタ7の姿勢の変化が不要とすることができる。また、吸着パッド78を均し板74の配置するのではなく、均し板74の内側に配置することにより、レトルトパウチ200をリリースしてからベルトコンベア400に落下したレトルトパウチ200を均す作業に移行する際のエンドエフェクタ7の移動を不要とすることができる。つまり、レトルトパウチ200をリリースした姿勢の状態で、そのリリース位置から降下させるだけで、エンドエフェクタ7は、レトルトパウチ200の表面の均し作業を行うことができる。
また、吸着パッド78をベローズ77に接続することで、吸着パッド78をレトルトパウチ200の表面に押し付けたときに、吸着パッド78がレトルトパウチ200の表面から受ける力を、ベローズ77が縮むことで吸収することができる。これにより、吸着パッド78の吸着面を均し板74の開口部742から突出させ、吸着パッド78を均し部材としても機能させることができる。均し板74の表面に対して吸着パッド78を突出させることで、吸着パッド78の吸着面が均し板74の表面に対して段差のない状態で配置された場合に比べて、レトルトパウチ200の吸着成功率を向上させる。また、均し板74の表面に対して吸着パッド78を突出させることで、エンドエフェクタ7を均し位置まで降下させたときに、最初に、吸着パッド78をレトルトパウチ200の中央の大きく突出した部分に接触させることができる。吸着パッド78により、レトルトパウチ200の中央の突出部分が周囲に分散され、レトルトパウチ200の表面がある程度平坦にされた後に、均し板74がレトルトパウチ200の表面を均す。このような手順で均すことで、レトルトパウチ200の表面を均等に伸ばすことができ、レトルトパウチ200の表面の歪み、変形、シワを抑えることができる。
なお、図8乃至図14で表したピッキング作業では、レトルトパウチ200をリリースする作業とレトルトパウチ200の表面を均す作業とは別工程で行われる。しかしながら、本実施形態に係るエンドエフェクタ7の効果は、均し作業がリリース作業と同時に行われても発揮される。レトルトパウチ200を吸着したエンドエフェクタ7が均し位置まで移動された段階で、レトルトパウチ200をリリースすることで、レトルトパウチ200はベルトコンベア400に載置されるとともに、その表面が均し板74により均される。
また、加熱調理された食品を封入した直後のレトルトパウチ200を冷却するために冷水に浸す事があり、そのままピッキング位置に搬送されてきたレトルトパウチ200にはその表面に水滴が付着している。この場合、エンドエフェクタ7をレトルトパウチ200の上方で一時停止させ、その位置で吸着パッド78からエアを排気させることによりレトルトパウチ200の表面に付着した水滴を外方に吹き飛ばすことができる。そのような用途にも活用することができる。
なお、本実施形態に係るエンドエフェクタ7の構造はこれに限定されない。
図15は、本実施形態の第1変形例に係るエンドエフェクタ7の正面図である。図15に示すように、均し板74は、緩衝部79を介して基部72に取り付けられてもよい。具体的には、均し板74の左右の縁と一対の支持板73a,73bとの間にそれぞれ緩衝バネ79が介在される。緩衝バネ79は、均す対象のワーク200の厚みの変化を許容する。これにより、ワーク200の表面を均す際に、均し板74がワーク200から受ける力によって、エンドエフェクタ7が損傷するリスクを低減することができる。また、均し位置を変化させることなく、厚みの異なる複数種類のワーク200に対応することができる。さらに、レトルトパウチ200の表面を均し板74で押圧することを可能にし、比較的硬い収容物が収容されてなるレトルトパウチ200の歪み、変形、シワを抑えることができる。
図16は、本実施形態の第2変形例に係るエンドエフェクタ7の正面図である。図17は、図16のエンドエフェクタ7の側面図である。図16、図17に示すように、均し板74のレトルトパウチ200に対峙する側の表面は凸状に湾曲していてもよい。この均し板74の湾曲面を利用することで、ワーク200を均す効果を向上させることができる。例えば、均し板74をレトルトパウチ200に接触させた状態で、エンドエフェクタ7を揺動させることで、又は均し板74を水平に移動させることでレトルトパウチ200の表面を均すことができる。
また、本実施形態に係るエンドエフェクタ7は吸着パッド78の数を限定しない。図18は、本実施形態の第3変形例に係るエンドエフェクタ7の底面図である。図19は、本実施形態の第4変形例に係るエンドエフェクタの底面図である。図18に示すように、エンドエフェクタ7は、複数、ここでは4つの吸着パッド78a,78b、78c、78dを備えてもよい。このとき、均し板74には、複数の吸着パッド78a,78b、78c、78dにそれぞれ対応する複数の開口部742a,742b、742c、742dがあけられている。図18に示すエンドエフェクタ7では、均し板74には、吸着パッド78の数量と同一の数量の開口部742があけられているが、開口部742の数量が吸着パッド78の数量よりも少なくてもよい。図19に示すように、均し板74に単一の大きい開口部742があけられ、その開口範囲に複数、ここでは3つの吸着パッド78a,78b、78cが稠密に配置されていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
7…エンドエフェクタ、70…アダプタ板、71…ブラケット、72…基部、73a、73b…支持板、74…均し板、75…チューブ取付孔、76…エア配管、77…ベローズ、78…吸着パッド。

Claims (6)

  1. 基部に対して、ワークを吸着するための少なくとも一つの吸着パッドと前記ワークを均すための均し板とが取り付けられ、
    前記均し板には前記吸着パッドが通過可能なサイズの開口部があけられ、
    前記吸着パッドはその位置が前記開口部に合わされ、その前端面が前記開口部から若干突出し又は前記均し板の表面と実質的に段差がなく設けられることを特徴とするエンドエフェクタ。
  2. 前記吸着パッドは、その吸着方向が前記均し板の表面に対して直交する向きに設けられることを特徴とする請求項1記載のエンドエフェクタ。
  3. 前記均し板にはその面方向に分散して複数の孔があけられていることを特徴とする請求項1記載のエンドエフェクタ。
  4. 前記均し板の前記ワークに接する側の表面は凸状に湾曲していることを特徴とする請求項1記載のエンドエフェクタ。
  5. 前記均し板は緩衝部を介して前記基部に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のエンドエフェクタ。
  6. 前記吸着パッドはその前方に向かって円錐形に拡がる管構造を有し、後部においてベローズに連通されることを特徴とする請求項1記載のエンドエフェクタ。
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EP4292780A1 (en) * 2022-06-16 2023-12-20 SMC Corporation Vacuum pad swing prevention mechanism

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