JP2019006405A - パウチ容器 - Google Patents

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忠 ▲高▼野
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裕之 中神
正之 上西
Masayuki Uenishi
正之 上西
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雄太 佐藤
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Abstract

【課題】 より安定して注入作業を行うことが可能なパウチ容器を提供すること。【解決手段】 表面シート1Aと裏面シート1Bとを備えるパウチ容器A1であって、表面シート1Aと裏面シート1Bとに囲まれた空間が内容物の充填部51を形成し、充填部51に繋がる開口部52が、パウチ容器A1上部の表面シート1Aと裏面シート1Bとの間に形成されており、パウチ容器A1は、さらに、表面シート1Aに固定された第1シート2Aと、裏面シート1Bに固定された第2シート2Bと、少なくとも一部が第1シート2Aによって規定された第1内部空間3Aと、少なくとも一部が第2シート2Bによって規定された第2内部空間3Bと、第1内部空間3Aに指を挿入可能に形成された第1挿入口4Aと、第2内部空間3Bに指を挿入可能に形成された第2挿入口4Bと、を備え、第1挿入口4Aおよび第2挿入口4Bの少なくともいずれかは、下方から指を挿入可能に形成されている。【選択図】 図5

Description

本発明は、パウチ容器に関する。
パウチ容器は、密封性や取り扱い性に優れることから、食料品やトイレタリー製品はもとより、経腸栄養剤や静脈栄養剤、輸液等の容器としても広く用いられている。栄養剤を患者に投与する際に使用される医療用パウチ容器には、栄養剤やその希釈液を注入するための開口部が設けられている。
上記開口部から栄養剤等を注入する場合には、たとえば、容器の開口部周辺を片手で把持しながら開口部を押し広げる。このような作業は不安定であり、作業性の改善が求められている。このような状況に鑑みて、表面シートと裏面シートの外面に固定された軟質プラスチックシートとの間に側方から指を挿入するための貫通路を形成する1対の開閉操作部を備えた医療用パウチ容器が提案されている(特許文献1参照)。
特開2011−78737号公報
パウチ容器への栄養剤等の注入が進行するにしたがって、パウチ容器の重量が増大する。上記特許文献1に開示されたパウチ容器においては、一対の開閉操作部に側方から指を挿入した状態で、栄養剤等の注入を行う。このため、パウチ容器の重量増加によって指が斜め下方に傾くと、栄養剤等が充填されつつあるパウチ容器が落下することが懸念される。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より安定して注入作業を行うことが可能なパウチ容器を提供することをその課題とする。
本発明によって提供されるパウチ容器は、表面シートと裏面シートとを備えるパウチ容器であって、前記表面シートと前記裏面シートとに囲まれた空間が内容物の充填部を形成し、前記充填部に繋がる開口部が、前記パウチ容器上部の前記表面シートと前記裏面シートとの間に形成されており、前記パウチ容器は、さらに、前記表面シートに固定された第1シートと、前記裏面シートに固定された第2シートと、少なくとも一部が前記第1シートによって規定された第1内部空間と、少なくとも一部が前記第2シートによって規定された第2内部空間と、前記第1内部空間に指を挿入可能に形成された第1挿入口と、前記第2内部空間に指を挿入可能に形成された第2挿入口と、を備え、前記第1挿入口および前記第2挿入口の少なくともいずれかは、下方から指を挿入可能に形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1挿入口および前記第2挿入口の双方が、容器下方から指を挿入可能に形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1シートは、前記表面シートの内側に配置されており、前記第2シートは、前記裏面シートの内側に配置されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1挿入口は、前記表面シートに第1切り欠き又は第1切り込みにより形成されており、前記第2挿入口は、前記裏面シートに第2切り欠き又は第2切り込みにより形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1切り欠き又は前記第1切り込みは、容器下方に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されており、前記第2切り欠き又は前記第2切り込みは、容器下方に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1挿入口及び前記第2挿入口が、容器幅方向の一方側に偏って設けられており、前記充填部の前記容器幅方向一方側の側端縁は、前記第1内部空間及び前記第2内部空間の前記容器幅方向一方側の側端縁よりも前記容器幅方向内方に位置する部分を含む。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記開口部を閉じるチャックをさらに備えており、前記第1シートは、前記チャックよりも上方において前記表面シートに固定されており、前記第2シートは、前記チャックよりも上方において前記裏面シートに固定されている。
本発明によれば、前記第1内部空間及び前記第2内部空間に前記第1挿入口及び前記第2挿入口の少なくともいずれかを通じて、下方から指が挿入される。このため、前記充填部への内容物の充填に伴って前記パウチ容器の重量が増加し、前記パウチ容器が傾くような状態となっても、使用者の指から前記パウチ容器が幅方向にずれることを回避可能である。したがって、より安定して注入作業を行うことができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態に係るパウチ容器を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器を示す背面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図1のIV−IV線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器に指を挿入した状態を示す正面図である。 図5のVI−VI線に沿う要部断面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器に指を挿入し開口部を拡開した状態を示す上面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の製造方法の一例を示す要部正面である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第1変形例を示す要部断面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第2変形例を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第3変形例を示す要部正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第4変形例を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第5変形例を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第6変形例を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第7変形例を示す要部正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第8変形例を示す要部正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第9変形例を示す要部正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第10変形例を示す要部正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第11変形例を示す要部正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第12変形例を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第13変形例を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第14変形例を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るパウチ容器の第15変形例を示す要部斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るパウチ容器を示す要部正面図である。 図24のXXV−XXV線に沿う断面図である。 図24のXXVI−XXVI線に沿う断面図である。 本発明の第3実施形態に係るパウチ容器を示す要部正面図である。 図27のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。 本発明の第3実施形態に係るパウチ容器の変形例を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係るパウチ容器を示す要部正面図である。 本発明の第4実施形態に係るパウチ容器を示す要部背面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図23は、第1実施形態及びその変形例を、図24〜図31は、第2〜第4実施形態をそれぞれ示す。
以下では、パウチ容器に注入される充填物として液状の栄養剤(図示せず)を例示する。但し、充填物は、これに限定されず、例えば、栄養剤を希釈するための水等であってもよく、ゼリー状やペースト状の物であってもよい。本発明のパウチ容器は、内部に栄養液や輸液等の液状物が収容されて栄養剤補給用バッグや輸液バッグ等の医療用バッグとして好適に用いられるが、本発明の構成は医療用途に限定されず、各種食料品等の容器に適用されてもよい。
以下では、開口部よりも下方の部分が後述の表面シート1A及び裏面シート1Bのみから構成される平パウチを例示するが、スタンディングパウチやサイドガゼットパウチなど、他のパウチ形態に本発明の構成を適用してもよい。なお、これらのガゼットを有するパウチ容器において、当該ガゼット部のシール部に後述の係止部72を設ける場合は、表面シート1A及び裏面シート1Bのいずれかに当該ガゼット部を含む。即ち、表面シート1A及び裏面シート1Bの側端部同士を接合して形成される後述の側方シール部62は、例えば、表面シート1Aとガゼット部(裏面シート1Bの一部)の側端部同士を接合して形成される側方シール部62をも含むものである。
以下では、便宜上「容器縦方向」を「容器上下方向」とし、後述の開口部52が形成される「縦方向一端側」を「上」、後述の注出部54が設けられる「容器縦方向他端側」を「下」として説明する。また、各シートが積層される方向を「容器表裏方向」とし、容器上下方向及び容器表裏方向に直交する方向(容器幅方向)を「容器横方向、又は容器幅方向」として説明する。以下では、単に、上下方向、表裏方向、横方向又は幅方向という場合がある。
<第1実施形態>
図1〜図7を参照しつつ、第1実施形態に係るパウチ容器A1について説明する。図1は、パウチ容器A1を示す正面図である。図2は、パウチ容器A1を示す背面図である。図3は、図1のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図1のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、パウチ容器A1に指を挿入した状態を示す正面図である。図6は、図5のVI−VI線に沿う要部断面図である。図7は、パウチ容器A1に指を挿入し開口部52を拡開した状態を示す上面図である。なお、図3、図4及び図6においては、パウチ容器A1の構造の理解の便宜上、各シートの厚さを誇張することにより模式的に示している。また、図3は、後述の第1舌片13A及び第2舌片13Bを内側に折返した状態を示している。
パウチ容器A1は、表面シート1A、裏面シート1B、第1シート2A及び第2シート2Bを備えており、第1内部空間3A、第2内部空間3B、第1挿入口4A、第2挿入口4B、充填部51、開口部52、底シール部61、一対の側方シール部62、第1接合部65A及び第2接合部65Bが形成されている。図示されたパウチ容器A1の正面視形状は、全体として略矩形状であるが、パウチ容器A1の形状はこれに限定されない。例えば、パウチ容器A1の正面視形状は、例えば、円形状、楕円形状、オーバル(卵)形状、三角形(好適には逆三角形)、多角形等の各種形状が採用され得る。
表面シート1A及び裏面シート1Bは、表裏方向に互いに重ね合わされており、パウチ容器A1の外面のほとんどを構成している。図1〜図3に示すように、底シール部61は、表面シート1Aと裏面シート1Bとの下端縁及び下端縁近傍部分を含む下端部同士が接合されることにより形成されている。図1及び図2に示すように、一対の側方シール部62は、表面シート1Aと裏面シート1Bとの一対の側端縁及び一対の側端縁近傍部分を含む一対の側端部同士が接合されることにより形成されている。なお、側方シール部62の上部においては、表面シート1Aと裏面シート1Bとの間に第1シート2A及び第2シート2Bが挟まれた状態で接合されている。底シール部61及び一対の側方シール部62における接合手法は、たとえばヒートシールが好適に用いられる。
充填部51は、底シール部61及び一対の側方シール部62の内端によって正面視形状が規定された、表面シート1Aと裏面シート1Bとによって囲まれた空間である。充填部51は、栄養剤等の内容物を充填するための部位である。開口部52は、表面シート1A及び裏面シート1Bの非接合部分によって形成されている。開口部52は、上方に向けて開口しており、充填部51の上端縁に繋がっている。
パウチ容器A1には、チャック53が設けられている。チャック53は、開口部52を開閉するためのものである。チャック53が閉じられると、底シール部61、一対の側方シール部62およびチャック53によって充填部51が密閉される。チャック53の具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、図6に示すように、凸条部付きのシートと、凸条部に嵌合する凹条部付きのシートとが、対向配置された構成である。同図においては、凸条部付きのシートが裏面シート1Bの内面に接合されており、凹条部付きのシートが表面シート1Aの内面に接合されている。
図1及び図2に示すように、パウチ容器A1には、注出部54が設けられている。注出部54は、充填部51に充填された栄養剤を注出するためのものである。注出部54は、例えば、栓付きのプラスチック管であって、表面シート1A及び裏面シート1Bの斜めにカットされた下端縁と側端縁との角部に取り付けられている。注出部54は、後述の吊り下げ孔71と対角線方向で対向する角部に設けられている。具体的には、表面シート1Aと裏面シート1Bの間に注出部54を挟んだ状態で各部材を接合することにより注出シール部63が形成されており、これにより注出部54が取り付けられている。
注出部54には、例えば、長尺状のチューブ(図示略)が取付けられる。このチューブは、充填部51に連通接続される注出部54の内側開口部と反対の外側開口部に対して接続される。当該チューブは、従来公知のものが使用可能であって詳しい説明を省略するが、可撓性のチューブであり、必要に応じてチャンバー(点滴筒)やクレンメ(流量調整器)、コネクター等(何れも図示せず)が設けられて、鼻腔等から挿入されて胃や十二指腸等の患者体内(図示せず)に至っている。そして、充填部51に収容される栄養剤等の内容物が当該チューブを通じて患者の体内に投与される。
図1及び図2に示すように、パウチ容器10には、吊り下げ孔71が設けられている。図示された例においては、吊り下げ孔71は、注出部54の長手方向の延長線上に配置されている。吊り下げ孔71は、側方シール部62の一部を幅広に形成し、当該幅広シール部を表裏方向に打ち抜くことで形成される。パウチ容器A1に充填された栄養剤を患者に投与する際には、吊り下げ孔71をフック等(図示略)に引っ掛ける。これにより、注出部54の長手方向が鉛直方向に沿った状態となり、栄養剤を容易に注出することができる。なお、吊下フック等が挿通される吊り下げ孔71の形状は限定されない。例えば、三角形等にすることにより、パウチ容器A1をスタンド等に懸架した際の、パウチ容器の向きを調節することができる。
また、パウチ容器A1には、一対の係止部72が設けられている。一対の係止部72は、側方シール部62の一部に切り込みが形成されることにより設けられており、吊り下げ孔71の下方に位置している。なお、係止部72の個数は、1つでもよいし3つ以上でもよい。係止部72は、注出部54に取付けられたチューブを係止することにより、チューブを使用しやすい状態に維持するためのものである。一対の係止部72は、操作性向上等の観点から、互いに近接して形成されることが好ましく、例えば互いの間隔をチューブの直径の2倍〜5倍程度の長さに設定することが好ましい。また、係止部72の横方向長さは、チューブの保持性や充填部51の容量確保等の観点から、好ましくはチューブの直径の1.5倍〜5倍程度、より好ましくはチューブの直径の1.8倍〜3倍程度である。これにより、係止部72に対して、チューブを湾曲させて挿入するといった煩雑な操作が不要となり、チューブの中間部分を容易に挿入することが可能となる。
図3及び図4に示すように、第1シート2Aは、表面シート1Aの上部に重なるように配置されており、表面シート1Aに固定されている。本実施形態においては、第1シート2Aは、表面シート1Aの内側に配置されており、表面シート1Aの内面に固定されている。また、第1シート2Aは、チャック53よりも上方に設けられている。図示された例においては、図1に示すように、第1シート2Aの正面視形状は、表面シート1Aのうちチャック53よりも上方に位置する部分と略一致している。同図においてチャック53の直上に示された陰線(細線の点線)は、第1シート2Aの下端縁を示している。
図1、図3及び図4に示すように、第1接合部65Aは、表面シート1Aと第1シート2Aとが接合されることにより形成されており、第1シート2Aを表面シート1Aに固定する部分である。第1接合部65Aにおける表面シート1Aと第1シート2Aとの接合手法は特に限定されず、例えばヒートシールや接着剤による接合が挙げられ、本実施形態においては、ヒートシールが採用されている。図示された例においては、第1接合部65Aは、第1上方接合部651A、第1側方接合部652A、第1中間接合部653A及び第1下方接合部654Aを有する。第1上方接合部651Aは、表面シート1Aと第1シート2Aとの上端縁及び上端縁近傍部分を含む上端部同士が接合されることにより形成されている。第1側方接合部652Aは、表面シート1Aと第1シート2Aとの側端部同士が接合されることにより形成されている。第1下方接合部654Aは、第1シート2Aの下端縁近傍部分と表面シート1Aのうち当該部分に重なる部分とが接合されることにより形成されている。第1中間接合部653Aは、上下方向における第1上方接合部651Aと第1下方接合部654Aとの間において、表面シート1Aと第1シート2Aとの幅方向一部同士が接合されることにより形成されている。
図1、図3〜図6に示すように、第1内部空間3Aは、少なくとも一部が第1シート2Aによって規定された空間であり、開口部52を拡開して栄養剤を充填部51に注入する際に指を挿入する空間として使用される。本実施形態においては、表面シート1Aの内面と第1シート2Aとによって、第1内部空間3Aが規定されている。また、図示された例においては、第1内部空間3Aの正面視形状は、第1上方接合部651A、第1側方接合部652A、第1中間接合部653A及び第1下方接合部654Aの内端縁によって規定されている。
図1、図3、図5及び図6に示すように、第1挿入口4Aは、第1内部空間3Aに指を挿入可能に形成されたものである。本実施形態においては、第1挿入口4Aは、容器下方から指を挿入可能に形成されている。第1挿入口4Aを設ける手法は特に限定されず、好ましい手法として切り込みまたは切り欠きを形成することが挙げられる。「切り込み」とは、シートを切除しないカット部を意味し、「切り欠き」とは、シートを切除するカット部を意味する。図示された例においては、第1挿入口4Aは、表面シート1Aに第1切り込み12Aが形成されることによって設けられている。また、図示された例においては、第1切り込み12Aは、容器下方に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されている。第1切り込み12Aがこのような形状であることにより、表面シート1Aには、第1舌片13Aが形成されている。第1舌片13Aは、表面シート1Aのうち第1切り込み12Aと第1切り込み12Aの両端を結ぶ仮想線(図1参照、以下第1舌片13Aの「付け根線」という)とによって囲まれた部分である。このような構成においては、第1挿入口4Aは、第1舌片13Aに塞がれた格好となっている。図示された例においては、第1切り込み12Aの両端を結ぶ仮想線が幅方向に略平行となっている。
図3及び図4に示すように、第2シート2Bは、裏面シート1Bの上部に重なるように配置されており、裏面シート1Bに固定されている。本実施形態においては、第2シート2Bは、裏面シート1Bの内側に配置されており、裏面シート1Bの内面に固定されている。また、第2シート2Bは、チャック53よりも上方に設けられている。図示された例においては、図2に示すように、第2シート2Bの正面(背面)視形状は、裏面シート1Bのうちチャック53よりも上方に位置する部分と略一致している。同図においてチャック53の直上に示された陰線(細線の点線)は、第2シート2Bの下端縁を示している。
図2〜図4に示すように、第2接合部65Bは、裏面シート1Bと第2シート2Bとが接合されることにより形成されており、第2シート2Bを裏面シート1Bに固定する部分である。第2接合部65Bにおける裏面シート1Bと第2シート2Bとの接合手法は特に限定されず、例えばヒートシールや接着剤による接合が挙げられ、本実施形態においては、ヒートシールが採用されている。図示された例においては、第2接合部65Bは、第2上方接合部651B、第2側方接合部652B、第2中間接合部653B及び第2下方接合部654Bを有する。第2上方接合部651Bは、裏面シート1Bと第2シート2Bとの上端部同士が接合されることにより形成されている。第2側方接合部652Bは、裏面シート1Bと第2シート2Bとの側端部同士が接合されることにより形成されている。第2下方接合部654Bは、第2シート2Bの下端縁近傍部分と裏面シート1Bのうち当該部分に重なる部分とが接合されることにより形成されている。第2中間接合部653Bは、上下方向における第2上方接合部651Bと第2下方接合部654Bとの間において、裏面シート1Bと第2シート2Bとの幅方向一部同士が接合されることにより形成されている。
図2〜4に示すように、第2内部空間3Bは、少なくとも一部が第2シート2Bによって規定された空間であり、開口部52を拡開して栄養剤を充填部51に注入する際に指を挿入する空間として使用される。本実施形態においては、裏面シート1Bの内面と第2シート2Bとによって、第2内部空間3Bが規定されている。また、図示された例においては、第2内部空間3Bの正面(背面)視形状は、第2上方接合部651B、第2側方接合部652B、第2中間接合部653B及び第2下方接合部654Bの内端縁によって規定されている。
図2、図3及び図6に示すように、第2挿入口4Bは、第2内部空間3Bに指を挿入可能に形成されたものである。本実施形態においては、第2挿入口4Bは、容器下方から指を挿入可能に形成されている。第2挿入口4Bを設ける手法は特に限定されず、好ましい手法として切り込みまたは切り欠きを形成することが挙げられる。図示された例においては、第2挿入口4Bは、裏面シート1Bに第2切り込み12Bが形成されることによって設けられている。また、図示された例においては、第2切り込み12Bは、容器下方に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されている。第2切り込み12Bがこのような形状であることにより、裏面シート1Bには、第2舌片13Bが形成されている。第2舌片13Bは、裏面シート1Bのうち第2切り込み12Bと第2切り込み12Bの両端を結ぶ仮想線(図2参照、以下第2舌片13Bの「付け根線」という)とによって囲まれた部分である。このような構成においては、第2挿入口4Bは、第2舌片13Bに塞がれた格好となっている。図示された例においては、第2切り込み12Bの両端を結ぶ仮想線が幅方向に略平行となっている。
なお、図1〜図4に図示された例においては、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bは、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを除き、第1接合部65A及び第2接合部65Bによって密閉されている。しかし、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bは、指を挿入するための空間であり、密閉されることは必須ではない。このため、第1接合部65A及び第2接合部65Bは、図示された例のように、途絶えた部分を有さない連続した形状に限定されず、部分的に途切れた形状や小サイズの点形状からなるものであってもよい。なお、充填部51への内容物の充填に際し、指が内容物に触れることを回避する観点からは、第1シート2A及び第2シート2Bのうち第1挿入口4A及び第2挿入口4Bよりも下方に位置する領域の少なくとも一部が、表面シート1A及び裏面シート1Bに固定されていることが好ましく、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bが密閉されていることが好適である。
図1及び図2に図示された例においては、第1切り込み12A及び第2切り込み12Bは、下方に向かって凸状に膨らむ曲線と、当該曲線の両端から上方を経由して幅方向内方に回り込む一対の曲線とを含んでいる。このため、第1切り込み12Aおよび第2切り込み12Bによって構成される第1挿入口4A及び第2挿入口4Bの幅方向における最大寸法は、第1舌片13A及び第2舌片13Bの付け根線の幅方向寸法よりも大きい。なお、図示された例においては、第1切り込み12Aと第2切り込み12Bとは、互いの形状、大きさ及び幅方向に対する角度等が同じであるが、このような構成に限定されず、互いの形状、大きさ及び幅方向に対する角度等の少なくともいずれかが異なっていてもよい。また、好ましくは、第1舌片13A及び第2舌片13Bは、内側に折返した状態で表面シート1Aや裏面シート1Bに接合等によって固定されていてもよい。
図1及び図2に示す例においては、第1側方接合部652A及び第2側方接合部652Bが、幅方向外方に突出するように湾曲した形状である。第1側方接合部652A及び第2側方接合部652Bの下端縁は、相対的に幅方向内方に位置しており、この下端縁に側方シール部62が繋がっている。このため、第1側方接合部652A及び第2側方接合部652B(第1内部空間3A及び第2内部空間3B)は、側方シール部62よりも幅方向外方に位置する部分を有している。言い換えると、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bは、充填部51に対して幅方向外方に突出している。また、図示された例においては、上下方向に延びる側方シール部62の外端縁の延長線が、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bと交差する位置関係となっている。
パウチ容器A1を構成する各シートは、通常、樹脂フィルムから構成される。シートを構成する樹脂フィルムには、耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えることが要求される。また、上記各シール部及び上記接合部は、通常、ヒートシールにより形成されるので、シートにはヒートシール性も要求される。シートとしては、ベースフィルム層と、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層シートが好適であり、高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にバリア層を設けることが好適である。なお、ベースフィルム層そのものにバリア性を付与してもよい。この場合は、バリア層をベースフィルム層として用い、バリア層とシーラント層とを有する複層シートとなる。また、シートの両面にヒートシール性を付与する場合は、後述のシーラント層を形成する単層フィルムを用いてもよいし、複層シートの場合は、同種又は異種のシーラント層を二層有するか(このとき、シーラント層の一層を形式的にベースフィルム層として用いることになる)、或いはベースフィルム層の両面にシーラント層を有するシートを用いてもよい。本実施形態では、表面シート1A及び裏面シート1Bとして、外面がベースフィルム層からなり内面がシーラント層からなる複層シートが使用されており、第1シート2A及び第2シート2Bとして、両面ヒートシール性の単層又は複層のシートが使用されている。
ここで、ベースフィルム層、シーラント層、及びガスバリア層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーションなどにより行うことができる。
ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びポリエーテルスルフォン(PES)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
シーラント層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
表面シート1A又は裏面シート1Bには、例えば、栄養剤の液量を計測するための目盛り(図示せず)を設けることが好適である。なお、目盛りの他にも、商品名や原材料、使用上の注意事項などを表示する印刷層を設けてもよい。
次に、図8を参照しつつ、パウチ容器A1の製造方法の一例について説明する。図8は、パウチ容器A1の製造方法の一例の一工程を示しており、各シートの長尺体を積層し、各シール部を形成する工程を模式的に示す要部正面図である。
図8に示すように、まず、表面シート1A、裏面シート1B、第1シート2A、第2シート2B及びチャック53の長尺体(以下、「長尺体1Az,1Bz,2Az,2Bz,53z」とする)をそれぞれ準備して互いに積層する。長尺体1Az及び1Bzは、図中上下方向の寸法が略同一であり、互いに一致するように重ねられている。長尺体1Az及び長尺体1Bzは、それぞれのベースフィルム層が外面となり、シーラント層が内面となるように積層される。長尺体2Az及び長尺体2Bzは、長尺体1Az及び長尺体1Bzよりも図中上下方向寸法が小さく、長尺体1Azと長尺体1Bzとの間に積層される。長尺体2Az及び長尺体2Bzの上端縁は、長尺体1Az及び長尺体1Bzの上端縁と一致している。長尺体53zは、上述した凸条部と凹条部とが嵌合した状態で積層されており、上下方向において長尺体2Az及び長尺体2Bzを避けた位置において、長尺体1Azと長尺体1Bzとの間に積層される。
積層工程を経た上記各長尺体には、ヒートシール工程でシール部6z、65Az、65Bzが形成される。ヒートシール工程では、例えば、長尺体53zよりも下方の領域において、充填部51となるべき領域や注出部54を取り付けるための部分を残して、長尺体1Azと長尺体1Bzとをヒートシールする。また、長尺体53zを含む領域及び長尺体53zよりも上方の領域においては、長尺体1Az、1Bz,2Az,2Bzを一体的に接合すべき部分(各パウチ容器A1の正面視左上部分)をヒートシールする。これにより、シール部6zが形成される。また、長尺体1Azと長尺体2Azとの所定部分同士をヒートシールすることにより、シール部65Azが形成され、長尺体1Bzと長尺体2Bzとの所定部分同士をヒートシールすることにより、シール部65Bzが形成される。なお、両面シール性の長尺体2Az及び2Bzを使用する場合、シール部65Az及びシール部65Bzを形成する領域において、長尺体2Azと2Bzとが接合しないように、長尺体2Azと2Bzとの間に金属板や非溶融樹脂シートを挟んでヒートシールすることが好ましい。
続いて、ダイカットロール等を用いて、例えば、切断線CLに沿って上記長尺体をカットし、個々の容器サイズに分割する。なお、上記ヒートシール及び当該カットは同時に行なわれてもよい。このとき又は別工程で、吊り下げ孔71、係止部72、第1切り込み12A及び第2切り込み12Bが形成される。これにより、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bから第1内部空間3A及び第2内部空間3Bに指が挿入可能な構造が得られる。最後に、注出部54を挿入し注出シール部63を形成することにより、パウチ容器A1が得られる。
次に、図5〜図7に示すパウチ容器A1の使用状態の一例を参照しつつ、パウチ容器A1の作用について説明する。
パウチ容器A1の開口部52から充填部51に栄養剤を注入する際には、例えば、片手(以下、右手とする)でパウチ容器A1を保持しながらチャック53を開けて開口部52を広げる。まず初めに、図5及び図6に示すように、第1内部空間3Aに親指を挿入し、第2内部空間3Bには人差し指を挿入してパウチ容器A1を保持する。このとき、親指と人差し指は、容器下方から第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを通って第1内部空間3A及び第2内部空間3Bに挿入される。第1挿入口4A及び第2挿入口4Bは、第1切り込み12A及び第2切り込み12Bによって構成されており、第1舌片13A及び第2舌片13Bが形成されている。親指及び人差し指の挿入に際しては、予め或いは挿入に伴って、第1舌片13A及び第2舌片13Bを内側に折返し、第1内部空間3A及び第2内部空間3B内に位置させる。これにより、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bから指をスムーズに挿入することができる。なお、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bと第1内部空間3A及び第2内部空間3Bとの形状や大きさを適宜設定することにより、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bの少なくともいずれかから複数の指を挿入してもよい。たとえば、第1挿入口4Aから右手親指を挿入し、第2挿入口4Bから右手人差し指及び中指を挿入してもよい。
続いて、図7に示すように、第1内部空間3A及び第2内部空間3B内に挿入された親指と人差し指との間隔を開けることによりチャック53を外して開口部52を広げる。即ち、親指を表側に動かし、人差し指を裏側に動かす。親指と人差し指の間隔をさらに広げることで、開口部52をより大きく広げることができる。なお、図7においては、理解の便宜上、第1シート2Aまたは第1シート2Aのみに隠れた部分を実線の細線で示しており、第1シート2A又は第2シート2Bと表面シート1Aまたは裏面シート1Bとに隠れた部分を陰線(点線の細線)で示している。
続いて、親指と人差し指の間隔を開けて開口部52を大きく広げた状態で、栄養剤の注入を開始する。親指と人差し指との間隔を開けておくだけで開口状態が維持されるので、例えば、栄養剤を注入する器具をチャック53付近まで近づけて注入でき、且つ注入作業中に開口部52が閉じて栄養剤が零れることを防止できる。また、栄養剤を注入することにより容器の重量が増加すると、図5に示すように充填部51を下方に向かわせる重力が増大し、パウチ容器A1の左上部分を斜め左下に向かわせるモーメントが生じる。パウチ容器A1の使用者の筋力によっては、パウチ容器A1を支える右手の先端が左斜下方に向かうように傾くことも想定される。しかし、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bには、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを通じて親指及び人差し指が下方から挿入されている。このような挿入形態により、これらの指は、上下方向に沿った姿勢をとる。これにより、パウチ容器A1が左側にずれて指から外れてしまうことを回避可能であり、より安定して注入作業を行うことができる。特に、パウチ容器A1においては、親指及び人差し指の双方が、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bに下方から挿入される。このため、親指及び人差し指の2本の指によってパウチ容器A1がずれることを防止することができる。
第1内部空間3A及び第2内部空間3Bに指が挿入されていることにより、注入された栄養剤の飛沫等が指に付着することを防止することができる。本実施形態においては、第1接合部65A及び第2接合部65Bによって第1内部空間3A及び第2内部空間3Bが第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを除いて密閉されていることは、飛沫等の付着を防止するのに好ましい。また、栄養剤が誤ってパウチ容器A1の外側に流れ出た場合であっても、親指と人差し指とは、指先まで第1内部空間3A及び第2内部空間3Bにすっぽりと挿入されており、第1シート2A及び第2シート2Bによって完全に覆われている。これにより、栄養剤がこれらの指にかかることを防止できる。特に、第1シート2A及び第2シート2Bのうち第1挿入口4A及び第2挿入口4Bよりも下方に位置する部分が、第1下方接合部654A及び第2下方接合部654Bによって表面シート1A及び裏面シート1Bに接合されていることは、第1シート2A及び第2シート2Bと表面シート1A及び裏面シート1Bとの間に、下方に開口する隙間が生じることを抑制するのに適している。さらに、第1下方接合部654A及び第2下方接合部654Bが第1内部空間3A及び第2内部空間3Bの幅方向全長にわたって設けられていることは、栄養剤が指に付着することを回避するのに好適である。
また、第1側方接合部652A及び第2側方接合部652B(第1内部空間3A及び第2内部空間3B)は、側方シール部62よりも幅方向外方に位置する部分を有している。これにより、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bに指を挿入する際に、表面シート1A及び裏面シート1Bのうち充填部51を構成する部分が、手のひら等に干渉することを抑制可能であり、親指及び人差し指をより上下方向に沿った姿勢とすることができる。また、側方シール部62の外端縁の延長線が、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bと交差する位置関係となる程度に、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bが幅方向外方に位置している。これは、親指及び人差し指をより上下方向に沿った姿勢とするのに好ましい。
栄養剤等の液状物を充填部51へ注入した後に、チャック53を閉状態とすることにより、充填部51を密封状態とすることができる。これにより、パウチ容器A1の上部からの液状物の漏出が防ぎ得ると共に、液状物が細菌等に汚染されるおそれを低減させることができる。
以上のように、パウチ容器A1によれば、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bに第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを通じて、下方から指が挿入される。このため、充填部51への栄養剤の充填に伴ってパウチ容器A1の重量が増加し、パウチ容器A1が傾くような状態となっても、使用者の指からパウチ容器A1が幅方向にずれることを回避可能である。したがって、より安定して注入作業を行うことができる。
図9〜図31は、本発明の変形例及び他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
<第1実施形態 第1変形例>
図9は、パウチ容器A1の第1変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1aにおいては、表面シート1Aの上端縁と第1シート2Aの上端縁とが、第1折り返し部120Aを介して繋がっている。また、裏面シート1Bの上端縁と第2シート2Bの上端縁とが、第2折り返し部120Bを介して繋がっている。本変形例から理解されるように、本発明において第1シート2Aが表面シート1Aに固定されているという構成や、第2シート2Bが裏面シート1Bに固定されているという構成は、互いに別体のシート材料が第1接合部65A及び第2接合部65Bのような接合箇所によって固定が実現されている構成に限定されず、互いに一体の連続したシート材料からなる構成を含む概念である。なお、応用変形例として、表面シート1A及び裏面シート1Bとは別体とされた、少なくとも第1シート2A及び第2シート2Bを含むシートによって第1内部空間3A及び第2内部空間3Bを構成するシート体を形成し、当該シート体の下端部と表面シート1A及び裏面シート1Bの上端部とを接合等によって固定してもよい。
<第1実施形態 第2変形例>
図10は、パウチ容器A1の第2変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1bは、チャック53よりも上方において、表面シート1A及び第1シート2Aと裏面シート1B及び第2シート2Bとが、幅方向全長にわたって離れている。すなわち、本変形例の側方シール部62は、チャック53よりも下方にのみ形成されている。そして、表面シート1Aと第1シート2Aとの幅方向両端部は、一対の第1側方接合部652Aによって接合されている。また、裏面シート1Bと第2シート2Bとの両端部は、一対の第2側方接合部652Bによって接合されている。このような変形例においては、第1シート2Aと第2シート2Bとの接合が必須ではない。このため、第1シート2A及び第2シート2Bのうち表面シート1A及び裏面シート1Bと対向する面をシーラント層によって構成し、反対側の面をベースフィルム層によって構成することができる。この場合、図8を参照した製造方法の説明で述べた、長尺体2Azと2Bzとの間に配置される金属板や非溶融樹脂シートを省略できるという利点がある。
<第1実施形態 第3変形例>
図11は、パウチ容器A1の第3変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1cは、第1挿入口4Aの両端を結ぶ仮想線が幅方向に対して傾いている。ただし、第1挿入口4Aの幅方向寸法Dxと上下方向寸法Dyとを比較すると、幅方向寸法Dxの方が上下方向寸法Dyよりも大きい。このような傾きの第1挿入口4Aであれば、指を挿入する際に、幅方向からよりも下方から挿入することを誘う効果を奏しうる。なお、図11〜図22は、パウチ容器A1の変形例を正面からみた図であり、主に表面シート1A、第1シート2A及びこれらの関連箇所を具体的に説明するが、同様の構成は、背面から見た場合の裏面シート1B、第2シート2B及びこれらの関連箇所に適宜採用可能である。
<第1実施形態 第4変形例>
図12は、パウチ容器A1の第4変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1dは、正面視右方の側方シール部62が幅方向内側に湾曲した形状とされている。これにより、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bが設けられている容器幅方向の一方側である正面視右側において、充填部51の側端縁は、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bの側端縁よりも容器幅方向内方に位置する部分を含む。また、第1内部空間3A及び第1挿入口4A(第2内部空間3B及び第2挿入口4Bも同様)が、充填部51を構成する側方シール部62の一部に対して幅方向外方に大きく突出した構造となっている。このような変形例によれば、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bから指を挿入する際に、表面シート1A及び裏面シート1Bのうち充填部51を構成する部分が、手のひらに干渉して折れ曲がってしまう事態を好適に回避することができる。また、図中右方の側方シール部62の上方部分は、傾斜した比較的長い部分となっている。この部分に手のひらを添わせながら、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bに指を挿入すると、パウチ容器A1dを手のひらで支えつつ、より安定して指を挿入することができる。
<第1実施形態 第5変形例>
図13は、パウチ容器A1の第5変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1eは、パウチ容器A1dと同様に、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bが設けられている容器幅方向の一方側である正面視右側において、充填部51の側端縁は、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bの側端縁よりも容器幅方向内方に位置する部分を含む。また、第1内部空間3A及び第1挿入口4A(第2内部空間3B及び第2挿入口4Bも同様)が、充填部51を構成する側方シール部62の一部に対して幅方向外方に大きく突出した構造であるが、正面視右方の側方シール部62の下方部分が、上下方向に沿った形状である点が、パウチ容器A1dと異なる。また、パウチ容器A1dにおいては、正面視左方の側方シール部62の形状が、上側部分が幅方向内方に屈曲した形状であったのに対し、本変形例においては、当該側方シール部62は、全体が上下方向に沿った形状である。このような変形例においては、充填部51が上下方向に沿った端縁をより多く有する形状となり、注出部54から抽出する際に、意図しない液残りが生じることを抑制することができる。また、よりスマートな印象の外観を呈することができる。なお、注出部54及び注出シール部63を設ける位置は、図示された位置に限定されず、底シール部61の中央や正面視左側等、様々な位置に設けることができる。
<第1実施形態 第6変形例>
図14は、パウチ容器A1の第6変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1fにおいては、注出部54及び注出シール部63が、幅方向略中央に設けられている。また、これに対応して、吊り下げ孔71は、注出部54の直上に設けられている。底シール部61は、注出部54が設けられている下方が最も下方に位置するように下方に凸状に湾曲した形状である。本変形例から理解されるように、パウチ容器A1に取付けられる注出部54の位置や、吊り下げられた場合のパウチ容器A1の姿勢は、任意に設定することができる。
<第1実施形態 第7変形例>
図15は、パウチ容器A1の第7変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1gは、第1側方接合部652Aの内端縁、第1中間接合部653A及び側方シール部62の上部内端縁が、上下方向に対して傾いている。このような構成により、第1内部空間3Aは、正面視において略平行四辺形状となっている。このような変形例においては、第1挿入口4Aに対して下方から指を挿入した場合に、第1内部空間3A内において第1側方接合部652Aや第1中間接合部653Aと指とが干渉することを抑制することができる。また、第1挿入口4Aから親指を挿入し、第2挿入口4Bから人差し指を挿入すると、親指が第1内部空間3Aに進入する長さよりも、人差し指が第2内部空間3Bに進入する長さのほうが長くなると想定される。本変形例においては、第1中間接合部653Aと同様に第2中間接合部653Bが傾斜していることにより、第2内部空間3Bの上側部分が幅方向により広い形状となっている。この幅広の部分に人差し指を位置させることにより、人差し指をより拡開に適した姿勢で第2内部空間3B内に進入させることができる。
<第1実施形態 第8変形例>
図16は、パウチ容器A1の第8変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1hにおいては、第1中間接合部653Aが側方シール部62の上部と繋がる形状及び大きさとされている。即ち、第1内部空間3Aよりも幅方向左方においては、表面シート1Aと第1シート2Aとの略全面が接合されている。
<第1実施形態 第9変形例>
図17は、パウチ容器A1の第9変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1iにおいては、第1中間接合部653A及び第1下方接合部654Aが、複数の点形状の部分によって構成されている。即ち、第1中間接合部653Aは、上下方向の全長にわたって連続した形状ではなく、第1下方接合部654Aは、幅方向の全長にわたって連続した形状ではない。また、これにより、第1内部空間3Aは、第1挿入口4Aを除いた部位においても密閉された構成とはなっていない。本変形例によっても、第1シート2Aは、表面シート1Aに対して固定されている。また、第1シート2Aのうち第1挿入口4Aよりも下方に位置する部分が、第1下方接合部654Aによって表面シート1Aに固定されている。このため、第1内部空間3Aは密閉されていないものの、第1内部空間3Aに指を挿入した際に、第1シート2Aの下端縁が表面シート1Aから大きく離れてしまい過大な隙間が生じることを抑制することができる。したがって、栄養剤が指に付着することを抑制することができる。また、第6〜第9変形例から理解されるように、第1接合部65A及び第2接合部65Bの形状等は、種々に変更可能である。
<第1実施形態 第10変形例>
図18は、パウチ容器A1の第10変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1jにおいては、第1切り込み12Aが、幅方向に平行な直線形状とされている。このため、表面シート1Aには、パウチ容器A1における第1舌片13Aが設けられていない。このような変形例においても、第1挿入口4Aを通じて下方から指を第1内部空間3Aに挿入することができる。
<第1実施形態 第11変形例>
図19は、パウチ容器A1の第11変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1kは、第1挿入口4Aが第1切り欠き11Aによって構成されている。第1切り欠き11Aは、表面シート1Aが部分的に切除されたカット部であり、正面視において開口している。また、本変形例の第1切り欠き11Aは、幅方向を長手方向とする細長楕円形状である。このような変形例においても、第1挿入口4Aを通じて下方から指を第1内部空間3Aに挿入することができる。
<第1実施形態 第12変形例>
図20は、パウチ容器A1の第12変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1mにおいては、第1接合部65Aが第1中間接合部653Aを有しておらず、第1上方接合部651Aに途絶部6511Aが形成されている。途絶部6511Aは、表面シート1Aと第1シート2Aとを接合させるヒートシールが施されていない部分である。このため、途絶部6511Aを挟んで幅方向両側に位置する第1上方接合部651Aよりも、途絶部6511Aは、剛性が低い部分となっている。また、第2上方接合部651Bにも、途絶部6511Aと同様の途絶部が形成されている。途絶部6511Aの位置は特に限定されず、図示された例においては、たとえば、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bから挿入された親指や人差し指の指先が届かない位置、たとえば、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bと表面シート1A及び裏面シート1Bの幅方向他端縁との中間に形成されている。
途絶部6511Aが設けられることにより、パウチ容器A1mは、図示された上下方向に延びる折り曲げ容易線FLに沿って折り曲げやすい構造となっている。これにより、開口部52を拡開する際に、折り曲げ容易線FLに沿うように表面シート1A及び裏面シート1Bを折り曲げることが可能であり、表面シート1A及び裏面シート1Bが意図しない位置で折れ曲がってしまうことを回避することができる。
<第1実施形態 第13変形例>
図21は、パウチ容器A1の第13変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1nにおいては、第1上方接合部651Aに切り欠き部6512Aが形成されている。切り欠き部6512Aは、表面シート1A及び裏面シート1Bが部分的にヒートシールされていない箇所である。第1上方接合部651Aは、切り欠き部6512Aにおける上下方向寸法が、切り欠き部6512Aに隣接する部分の上下方向寸法よりも小さく、剛性が低い部分となっている。切り欠き部6512Aが設けられることによっても、折り曲げ容易線FLが設定されるため、パウチ容器A1nを拡開する際に、折り曲げ容易線FLに沿うように表面シート1A及び裏面シート1Bを折り曲げることが可能である。
<第1実施形態 第14変形例>
図22は、パウチ容器A1の第14変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1oにおいては、第1上方接合部651Aに段差部6513Aが形成されている。段差部6513Aは、第1上方接合部651Aの上下方向寸法が急峻に変化している部分であり、図示された例においては、段差部6513Aよりも幅方向右方の部分が、幅方向左方の部分よりも上下方向寸法が大きい。このような段差部6513Aが形成されることによっても、図示された折り曲げ容易線FLが設定されるため、パウチ容器A1nを拡開する際に、折り曲げ容易線FLに沿うように表面シート1A及び裏面シート1Bを折り曲げることが可能である。
第12〜第14変形例から理解されるように、表面シート1A、裏面シート1B、第1シート2A及び第2シート2Bに折り曲げ容易線FLを設定しうる折り曲げ形成部を設けることにより、拡開をより適切に行うことができる。折り曲げ形成部としては、途絶部6511A、切り欠き部6512A及び段差部6513Aが例示されるほか、表面シート1A、第1シート2A、裏面シート1B及び第2シート2Bの少なくともいずれかに切り欠き部を設ける構成、表面シート1A、第1シート2A、裏面シート1B及び第2シート2Bの少なくともいずれかにミシン目線を設ける構成、上下方向に沿うシール部を設ける構成、等が挙げられる。このように、折り曲げ形成部は、上述した構成によって、部分的に剛性を高めるまたは低下させることにより、折り曲げ容易線FLを設定可能なものであれば特に限定されない。
<第1実施形態 第15変形例>
図23は、パウチ容器A1の第15変形例を示している。同図は、本変形例のパウチ容器A1pを斜め上方から見た要部斜視図であって、一部を上下方向に切断した断面図としている。パウチ容器A1pは、集合シート2を備える。集合シート2は、第1シート2A及び第2シート2Bを含んでおり、下方に向かって山折りされた断面V字状のシートである。集合シート2は、切断予定線21を有する。切断予定線21は、第1シート2A及び第2シート2Bの境界に形成されており、幅方向に略平行である。切断予定線21は、当該線に沿って集合シート2を容易に切断するためのものであり、具体例としてはハーフカット線やミシン目線等が挙げられる。集合シート2は、切断予定線21で折りたたまれた状態で、表面シート1Aと裏面シート1Bとの間に配置されている。集合シート2の一対の上端部(第1シート2A及び第2シート2Bの上端部)が、第1上方接合部651A及び第2上方接合部651Bによって表面シート1A及び裏面シート1Bの上端部にそれぞれ接合されている。また、集合シート2の一対の下端部(第1シート2A及び第2シート2Bの下端部)が、第1下方接合部654A及び第2下方接合部654Bによって表面シート1A及び裏面シート1Bの下端部にそれぞれ接合されている。
図8に示す製造方法では、パウチ容器A1を製造するために長尺体1Az,1Bz,2Az,2Bz,53zを用いた例を説明したが、図23に示す形態のパウチ容器を製造するためには、これら長尺体2Az,2Bzの代わりに、集合シート2となる長尺状のガゼットシートを用いればよい。また、図1のパウチ容器A1を製造するには、長尺状のガゼットシートを製袋機に供給し、長尺体1Az,1Bzにヒートシールする前又はヒートシールした後、切断予定線21に沿ってガゼットシートを切断して長尺体2Az,2Bzに分離してもよい。
パウチ容器A1pでは、表面シート1A及び裏面シート1Bと集合シート2とにより第1内部空間3A及び第2内部空間3Bが規定されており、使用される前(開封前)において第1シート2A及び第2シート2Bは互いに繋がっている。これにより、開封前における充填部51の密封性を高めることができる。集合シート2には、例えば、ハーフカット線やミシン目線等の切断予定線21を形成することができる。このため、パウチ容器A1pの使用時に切断予定線21に沿って集合シート2を切断することで、第1シート2A及び第2シート2Bを互いに分離することができる。当該分離によって、当初から別体のシートである第1シート2A及び第2シート2Bを用いた場合と同様の形態となり、開口部52の開口が可能となる。
以上に述べた第1〜第15変形例の各部の構成は、互いに組み合わせて適宜採用することが可能であり、また、以上に述べる実施形態適にも適宜組み合わせることができる。
<第2実施形態>
図24〜図26は、本発明の第2実施形態に係るパウチ容器を示している。図24は、本実施形態のパウチ容器A2を示す要部正面図である。図25は、図24のXXV−XXV線に沿う断面図である。図26は、図24のXXVI−XXVI線に沿う断面図である。
パウチ容器A2においては、表面シート1A及び裏面シート1Bには、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを構成するための切り欠きや切り込みが形成されていない。本実施形態においては、表面シート1A及び第1シート2Aのうち側方シール部62から幅方向外方に突出する部分の下端縁同士が互いに固定されておらず、当該部分の隙間によって第1挿入口4Aが構成されている。また、裏面シート1B及び第2シート2Bのうち側方シール部62から幅方向外方に突出する部分の下端縁同士が互いに固定されておらず、当該部分の隙間によって第2挿入口4Bが構成されている。
このような実施形態によれば、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを通じて指を挿入する際に、表面シート1A及び裏面シート1Bのうち充填部51を構成する部分や側方シール部62と手のひらとが干渉することをより確実に回避することができる。また、本実施形態から理解されるように、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bに通じる第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを設ける手法は、表面シート1A及び裏面シート1Bに切り欠きや切り込みを設ける手法に限定されず、種々の手法を用いることができる。
<第3実施形態>
図27及び図28は、本発明の第3実施形態に係るパウチ容器を示している。図27は、本実施形態のパウチ容器A3を示す要部正面図である。図28は、図27のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。本実施形態においては、第1シート2A及び第2シート2Bは、表面シート1A及び裏面シート1Bの外側に配置されている。具体的には、第1シート2Aは、幅方向両端が一対の第1側方接合部652Aによって表面シート1Aの外面に接合されている。第1シート2Aは、上下方向寸法が、チャック53と表面シート1Aの上端縁との距離よりも若干小さく、幅方向寸法が、表面シート1Aの幅方向寸法の半分よりも顕著に小さい。第1シート2Aの形状は特に限定されず、図示された例においては、正面視矩形状であるが、第1シート2Aの形状は下方から指が挿入できさえすれば特に限定されず、半円形状や台形形状としてもよい。本実施形態においては、第1シート2Aの内面と表面シート1Aの外面とによって第1内部空間3Aが規定されている。また、第1シート2Aの下端縁と表面シート1A外面との隙間によって第1挿入口4Aが構成されている。
これと同様に、第2シート2Bは、幅方向両端が一対の第2側方接合部652Bによって裏面シート1Bの外面に接合されている。第2シート2Bは、上下方向寸法が、チャック53と裏面シート1Bの上端縁との距離よりも若干小さく、幅方向寸法が、裏面シート1Bの幅方向寸法の半分よりも顕著に小さい。第2シート2Bの形状は特に限定されず、図示された例においては、正面(背面)視矩形状であるが、第2シート2Bの形状は下方から指が挿入できさえすれば特に限定されず、半円形状や台形形状としてもよい。本実施形態においては、第2シート2Bの内面と裏面シート1Bの外面とによって第2内部空間3Bが規定されている。また、第2シート2Bの下端縁と裏面シート1B外面との隙間によって第2挿入口4Bが構成されている。
本実施形態によっても、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを通じて第1内部空間3A及び第2内部空間3Bへと下方から指を挿入することが可能であり、より安定して注入作業を行うことができる。また、第1シート2A及び第2シート2Bが第1内部空間3A及び第2内部空間3Bの外側に配置されていることにより、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bが表面シート1A及び裏面シート1Bの外側に位置する空間となっている。このため、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bに挿入された指は、充填部51や注入される栄養剤から表面シート1A及び裏面シート1Bによって完全に隔離される。これは、指に栄養剤が付着することを防止するのに好ましい。
<第3実施形態 変形例>
図29は、パウチ容器A3の変形例を示している。同図は、本変形例のパウチ容器A3aを示す断面図である。本変形例においては、第1シート2A及び第2シート2Bが、それぞれ筒状とされている。そして、筒状の第1シート2A及び第2シート2Bが、表面シート1A及び裏面シート1Bの外面に、それぞれ第1側方接合部652A及び第2側方接合部652B接合されている。図示された例においては、第1側方接合部652A及び第2側方接合部652Bは、接着剤を用いた接合部分とされている。第1シート2A及び第2シート2Bは、例えば、予め筒状に形成された各シートを矩形状に折りたたみ、これらを接着剤によって接合したものである。
本変形例においては、第1内部空間3Aは、筒状の第1シート2Aの内面によって規定されている。即ち、第1内部空間3Aのすべてが第1シート2Aによって規定されており、表面シート1Aによっては規定されていない。第1挿入口4Aは、筒状の第1シート2Aの下端開口部によって構成されている。また、第2内部空間3Bは、筒状の第2シート2Bの内面によって規定されている。即ち、第2内部空間3Bのすべてが第2シート2Bによって規定されており、裏面シート1Bによっては規定されていない。第2挿入口4Bは、筒状の第2シート2Bの下端開口部によって構成されている。
本変形例から理解されるように、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bは、それぞれの全体が第1シート2A及び第2シート2Bのみによって構成されていてもよい。なお、筒状の第1シート2A及び第2シート2Bのうち表面シート1A及び裏面シート1Bと対向する部分に開口が設けられることにより、第1内部空間3A及び第2内部空間3Bの一部が、表面シート1A及び裏面シート1Bによって規定された構成としてもよい。また、第1シート2A及び第2シート2Bを表面シート1A及び裏面シート1Bの外側に配置擦る構成であることにより、第1シート2A及び第2シート2Bが正面(背面)視においてチャック53や充填部51と重なる配置とすることができる。
図30及び図31は、本発明の第3実施形態に係るパウチ容器を示している。図30は、本実施形態のパウチ容器A3を示す要部正面図である。図31は、パウチ容器A3を示す要部背面図である。
図30に示すように、パウチ容器A3の正面に表れる第1内部空間3A、第1挿入口4A及び第1接合部65A等構成は、上述したパウチ容器A1の構成と同様である。一方、パウチ容器A3の背面に表れる第2内部空間3B、第2挿入口4B及び第2接合部65Bの構成は、上述したパウチ容器A1の構成と異なっている。
本実施形態においては、第2挿入口4Bを構成する第2切り込み12Bの両端を結ぶ仮想線が上下方向に沿っている。これにより、第2挿入口4Bは、幅方向外方から指を挿入可能な構成となっている。また、第2接合部65Bがパウチ容器A1における第2中間接合部653Bを有していないことにより、第2内部空間3Bが幅方向に細長い形状とされている。
パウチ容器A3に栄養剤を充填する際には、例えば第1内部空間3Aに第1挿入口4Aを通じて下方から親指を挿入し、第2内部空間3Bに第2挿入口4Bを通じて横方向から人差し指を挿入する。このような実施形態においても、上述した実施形態と同様に、下方から第1内部空間3Aに挿入された親指によって、パウチ容器A3が幅方向にずれることを回避可能である。これに加えて、第2内部空間3Bに横方向から人差し指を挿入することにより、幅方向におけるより大きな領域において、人差し指によってパウチ容器A3を支持することが可能であり、安定した注入作業に寄与しうる。第2内部空間3Bが幅方向に細長い形状であることにより、人差し指等の比較的長い指をより深い位置まで挿入することができる。なお、本実施形態においては、第1挿入口4A及び第2挿入口4Bに右手の指を挿入する場合を例に説明したが、左手の指を挿入してもよい。また、表面シート1A及び裏面シート1B等の形状によっては、幅方向一方に右手用の第1挿入口4A及び第2挿入口4Bを設け、幅方向他方に左手用の第1挿入口4A及び第2挿入口4Bをさらに設けてもよい。
本発明に係るパウチ容器は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るパウチ容器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A1,A1a,A1b,A1c,A1d,A1e,A1f,A1g,A1i,A1j,A1k,Aim.A1n,A1o,A1p,A2,A3,A3a:パウチ容器
1Az,1Bz,2Az,2Bz,53z:長尺体
1A :表面シート
1B :裏面シート
2 :集合シート
21 :切断予定線
2A :第1シート
2B :第2シート
3A :第1内部空間
3B :第2内部空間
4A :第1挿入口
4B :第2挿入口
10 :パウチ容器
11A :第1切り欠き
12A :第1切り込み
12B :第2切り込み
13A :第1舌片
13B :第2舌片
120A :第1折り返し部
120B :第2折り返し部
51 :充填部
52 :開口部
53 :チャック
54 :注出部
6z :シール部
61 :底シール部
62 :側方シール部
63 :注出シール部
65Az,65Bz:シール部
65A :第1接合部
651A :第1上方接合部
6511A:途絶部
6512A:切り欠き部
6513A:段差部
652A :第1側方接合部
653A :第1中間接合部
654A :第1下方接合部
65B :第2接合部
651B :第2上方接合部
652B :第2側方接合部
653B :第2中間接合部
654B :第2下方接合部
71 :吊り下げ孔
72 :係止部
CL :切断線
FL :折り曲げ容易線
Dx :幅方向寸法
Dy :上下方向寸法

Claims (7)

  1. 表面シートと裏面シートとを備えるパウチ容器であって、
    前記表面シートと前記裏面シートとに囲まれた空間が内容物の充填部を形成し、
    前記充填部に繋がる開口部が、前記パウチ容器上部の前記表面シートと前記裏面シートとの間に形成されており、
    前記パウチ容器は、さらに、
    前記表面シートに固定された第1シートと、
    前記裏面シートに固定された第2シートと、
    少なくとも一部が前記第1シートによって規定された第1内部空間と、
    少なくとも一部が前記第2シートによって規定された第2内部空間と、
    前記第1内部空間に指を挿入可能に形成された第1挿入口と、
    前記第2内部空間に指を挿入可能に形成された第2挿入口と、
    を備え、
    前記第1挿入口および前記第2挿入口の少なくともいずれかは、容器下方から指を挿入可能に形成されている、パウチ容器。
  2. 前記第1挿入口および前記第2挿入口の双方が、下方から指を挿入可能に形成されている、請求項1に記載のパウチ容器。
  3. 前記第1シートは、前記表面シートの内側に配置されており、
    前記第2シートは、前記裏面シートの内側に配置されている、請求項1または2に記載のパウチ容器。
  4. 前記第1挿入口は、前記表面シートに第1切り欠き又は第1切り込みにより形成されており、
    前記第2挿入口は、前記裏面シートに第2切り欠き又は第2切り込みにより形成されている、請求項3に記載のパウチ容器。
  5. 前記第1切り欠き又は前記第1切り込みは、容器下方に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されており、
    前記第2切り欠き又は前記第2切り込みは、容器下方に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されている、請求項4に記載のパウチ容器。
  6. 前記第1挿入口及び前記第2挿入口が、容器幅方向の一方側に偏って設けられており、
    前記充填部の前記容器幅方向一方側の側端縁は、前記第1内部空間及び前記第2内部空間の前記容器幅方向一方側の側端縁よりも前記容器幅方向内方に位置する部分を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載のパウチ容器。
  7. 前記開口部を閉じるチャックをさらに備えており、
    前記第1シートは、前記チャックよりも上方において前記表面シートに固定されており、
    前記第2シートは、前記チャックよりも上方において前記裏面シートに固定されている、請求項1ないし6のいずれかに記載のパウチ容器。
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