JP2019018863A - パウチ容器及びパウチ容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】よりスムーズに開口部を拡開することが可能なパウチ容器及びパウチ容器の製造方法を提供すること。【解決手段】表面シート1Aと裏面シート1Bとを備えるパウチ容器A1であって、上端縁及び下端縁が第1シート2Aに繋がる第3シート3Aと、裏面シート1Bと第2シート2Bとの間に設けられ、且つ上端縁及び下端縁が第2シート2Bに繋がる第4シート3Bと、第1シート2Aと第3シート3Aとの間に形成された第1内部空間4Aと、第2シート2Bと第4シート3Bとの間に形成された第2内部空間4Bと、第1内部空間4Aに指を挿入可能に形成された第1挿入口と、第2内部空間4Bに指を挿入可能に形成された第2挿入口と、を備え、第1シート2A及び第3シート3Aの下端縁の少なくとも一部は、表面シート1Aに繋がっておらず、第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁の少なくとも一部は、裏面シート1Bに繋がっていない。【選択図】図3
Description
本発明は、パウチ容器及びパウチ容器の製造方法に関する。
パウチ容器は、密封性や取り扱い性に優れることから、食料品やトイレタリー製品はもとより、経腸栄養剤や静脈栄養剤、輸液等の容器としても広く用いられている。栄養剤を患者に投与する際に使用される医療用パウチ容器には、栄養剤やその希釈液を注入するための開口部が設けられている。
上記開口部から栄養剤等を注入する場合には、たとえば、容器の開口部周辺を片手で把持しながら開口部を押し広げる。このような作業は不安定であり、作業性の改善が求められている。このような状況に鑑みて、表面シート及び裏面シートとこれらの外面に固定された軟質プラスチックシートとの間に側方から指を挿入するための貫通路を形成する1対の開閉操作部を備えた医療用パウチ容器が提案されている(特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示されたパウチ容器においては、軟質プラスチックシートの上端縁及び下端縁それぞれが全長に渡って表面シート及び裏面シートに接合されている。このため、一対の開閉操作部を用いて開口部を拡開しようとすると、軟質プラスチックシートと表面シート及び裏面シートとの接合部によって、開口部を拡開するための変形が制限されることが懸念される。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、よりスムーズに開口部を拡開することが可能なパウチ容器及びパウチ容器の製造方法を提供することをその課題とする。
本発明の第1の側面によって提供されるパウチ容器は、表面シートと裏面シートとを備えるパウチ容器であって、前記表面シートと前記裏面シートとに囲まれた空間が内容物の充填部を形成し、前記充填部に繋がる開口部が、前記パウチ容器上部の前記表面シートと前記裏面シートとの間に形成されており、前記パウチ容器は、さらに、前記表面シートの内側に設けられた第1シートと、前記裏面シートの内側に設けられた第2シートと、前記表面シートと前記第1シートとの間に設けられ、且つ上端縁及び下端縁が前記第1シートに繋がる第3シートと、前記裏面シートと前記第2シートとの間に設けられ、且つ上端縁及び下端縁が前記第2シートに繋がる第4シートと、前記第1シートと前記第3シートとの間に形成された第1内部空間と、前記第2シートと前記第4シートとの間に形成された第2内部空間と、前記第1内部空間に指を挿入可能に形成された第1挿入口と、前記第2内部空間に指を挿入可能に形成された第2挿入口と、を備え、前記第1シート及び前記第3シートの下端縁の少なくとも一部は、前記表面シートに繋がっておらず、前記第2シート及び前記第4シートの下端縁の少なくとも一部は、前記裏面シートに繋がっていない。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各シート同士が繋がる構造は、別体のシート同士が固定された構造を含む。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第3シート及び前記第4シートの少なくとも一方は、前記表面シート又は前記裏面シートと対面する外面がベースフィルム層からなり、前記第1シート又は前記第2シートと対面する内面がシーラント層からなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1シート及び前記第3シートの上端縁は、そのすべてが前記表面シートに繋がっており、前記第2シート及び前記第4シートの上端縁は、そのすべてが前記裏面シートに繋がっている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1シート及び前記第3シートの下端縁が互いに繋がる部分のうち前記第1内部空間の境界を形成する部分は、そのすべてが前記表面シートに繋がっておらず、前記第2シート及び前記第4シートの下端縁が互いに繋がる部分のうち前記第2内部空間の境界を形成する部分は、そのすべてが前記裏面シートに繋がっていない。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1挿入口は、前記表面シートに設けられた第1切り欠き又は第1切り込みと、前記第3シートに設けられた第3切り欠き又は第3切り込みと、により形成されており、前記第2挿入口は、前記裏面シートに設けられた第2切り欠き又は第2切り込みと、前記第4シートに設けられた第4切り欠き又は第4切り込みと、により形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1切り欠き又は前記第1切り込みと前記第3切り欠き又は前記第3切り込みとは、容器幅方向に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されており、前記第2切り欠き又は前記第2切り込みと前記第4切り欠き又は前記第4切り込みとは、容器幅方向に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記表面シートのうち前記第1切り込みと前記第1切り込みの両端を結ぶ仮想線とによって囲まれた部分である第1舌片の少なくとも一部が、前記第1内部空間内に位置しており、前記裏面シートのうち前記第2切り込みと前記第2切り込みの両端を結ぶ仮想線とによって囲まれた部分である第2舌片の少なくとも一部が、前記第2内部空間内に位置している。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記開口部を閉じるチャックをさらに備えており、前記第1シート、前記第2シート、前記第3シート及び前記第4シートは、前記チャックよりも上方に設けられている。
本発明の第2の側面によって提供されるパウチ容器の製造方法は、本発明の第1の側面によって提供されるパウチ容器の製造方法であって、前記表面シート、前記第3シート及び前記第1シートをこの順で重ね合わせる重合工程と、前記表面シート、前記第3シート及び前記第1シートの一部同士を、ヒートシールによって接合するヒートシール工程と、を備えており、前記表面シートは、前記第3シートと対面する内面がシーラント層からなり、前記第1シートは、前記第3シートと対面する外面がシーラント層からなり、前記第3シートは、前記表面シートと対面する外面がベースフィルム層からなり且つ前記第1シートと対面する内面がシーラント層からなるとともに、前記表面シート及び前記第1シートの双方と重なる位置に貫通孔が形成されており、前記ヒートシール工程においては、前記第3シートの前記貫通孔を通じて前記表面シートと前記第1シートとを接合する。
本発明によれば、充填部を形成する前記表面シート及び前記裏面シートの内側に指を入れるための内部空間が形成されているため、表面シート及び裏面シートに対して指から直接的に力を加えることができる。そして、前記内部空間を形成するシートである前記第1シート、前記第2シート、前記第3シート及び前記第4シートの下端縁に、前記表面シート及び前記裏面シートに繋がっていない部分があるため、前記内部空間を形成するシートは可動性、変形性及び変形容易性が高く、また、前記内部空間を指に合うように変形させやすい。このため、使用者は前記内部空間内の自由な位置に指を位置させて前記開口部を拡開させることができ、自由度高く前記開口部を変形させることができる。したがって、よりスムーズに前記開口部を拡開することができる。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図30は、第1実施形態及びその変形例を示す。
以下では、パウチ容器に注入される充填物として液状の栄養剤(図示せず)を例示する。但し、充填物は、これに限定されず、例えば、栄養剤を希釈するための水等であってもよく、ゼリー状やペースト状の物であってもよい。本発明のパウチ容器は、内部に栄養液や輸液等の液状物が収容されて栄養剤補給用バッグや輸液バッグ等の医療用バッグとして好適に用いられるが、本発明の構成は医療用途に限定されず、各種食料品等の容器に適用されてもよい。
以下では、あるシートの端縁が他のシートに繋がる構造が記載される。本明細書において「あるシートの端縁が他のシートに繋がる」とは、2つの別体のシート材料が互いに固定された構造と、1つのシート材料が折り返されることにより、2つのシートの間に折り返し部が介在する構造と、を含む概念である。また、シート同士の「固定」は、ヒートシールや接着剤等による接合を含む概念である。
以下では、開口部よりも下方の部分が後述の表面シート1A及び裏面シート1Bのみから構成される平パウチを例示するが、スタンディングパウチやサイドガゼットパウチなど、他のパウチ形態に本発明の構成を適用してもよい。なお、これらのガゼットを有するパウチ容器において、当該ガゼット部のシール部に後述の係止部72を設ける場合は、表面シート1A及び裏面シート1Bのいずれかに当該ガゼット部を含む。即ち、表面シート1A及び裏面シート1Bの側端部同士を接合して形成される後述の側方シール部62は、例えば、表面シート1Aとガゼット部(裏面シート1Bの一部)の側端部同士を接合して形成される側方シール部62をも含むものである。
以下では、便宜上「容器縦方向」を「容器上下方向」とし、後述の開口部52が形成される「縦方向一端側」を「上」、後述の注出部54が設けられる「容器縦方向他端側」を「下」として説明する。また、各シートが積層される方向を「容器表裏方向」とし、容器上下方向及び容器表裏方向に直交する方向(容器幅方向)を「容器横方向、又は容器幅方向」として説明する。以下では、単に、上下方向、表裏方向、横方向又は幅方向という場合がある。
<第1実施形態>
図1〜図9を参照しつつ、第1実施形態に係るパウチ容器A1について説明する。図1は、パウチ容器A1を示す正面図である。図2は、パウチ容器A1を示す背面図である。図3は、図1のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図1のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、図1のV−V線に沿う断面図である。図6は、図1のVI−VI線に沿う断面図である。図7は、パウチ容器A1に指を挿入した状態を示す正面図である。図8は、図7のVIII−VIII線に沿う要部断面図である。図9は、パウチ容器A1に指を挿入し開口部52を拡開した状態を示す上面図である。なお、図3〜図6及び図8においては、パウチ容器A1の構造の理解の便宜上、各シートの厚さを誇張することにより模式的に示している。また、図4は、後述の第1舌片13A、第2舌片13B、第3舌片33A及び第4舌片33Bを内側に折返した状態を示している。また、好ましくは、第1舌片13A及び第3舌片33Aは、内側に折返した状態で表面シート1Aに超音波溶着等の接合等によって固定されていてもよい。
図1〜図9を参照しつつ、第1実施形態に係るパウチ容器A1について説明する。図1は、パウチ容器A1を示す正面図である。図2は、パウチ容器A1を示す背面図である。図3は、図1のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図1のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、図1のV−V線に沿う断面図である。図6は、図1のVI−VI線に沿う断面図である。図7は、パウチ容器A1に指を挿入した状態を示す正面図である。図8は、図7のVIII−VIII線に沿う要部断面図である。図9は、パウチ容器A1に指を挿入し開口部52を拡開した状態を示す上面図である。なお、図3〜図6及び図8においては、パウチ容器A1の構造の理解の便宜上、各シートの厚さを誇張することにより模式的に示している。また、図4は、後述の第1舌片13A、第2舌片13B、第3舌片33A及び第4舌片33Bを内側に折返した状態を示している。また、好ましくは、第1舌片13A及び第3舌片33Aは、内側に折返した状態で表面シート1Aに超音波溶着等の接合等によって固定されていてもよい。
パウチ容器A1は、表面シート1A、裏面シート1B、第1シート2A、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bを備えており、第1内部空間4A、第2内部空間4B、第1挿入口5A、第2挿入口5B、充填部51、開口部52、底シール部61、一対の側方シール部62、第1接合部65A及び第2接合部65Bが形成されている。図示されたパウチ容器A1の正面視形状は、全体として略矩形状であるが、パウチ容器A1の形状はこれに限定されない。例えば、パウチ容器A1の正面視形状は、例えば、円形状、楕円形状、オーバル(卵)形状、三角形(好適には逆三角形)、多角形等の各種形状が採用され得る。
表面シート1A及び裏面シート1Bは、表裏方向に互いに重ね合わされており、パウチ容器A1の外面のほとんどを構成している。図1〜図3に示すように、底シール部61は、表面シート1Aと裏面シート1Bとの下端縁及び下端縁近傍部分を含む下端部同士が接合されることにより形成されている。図1、図2及び図4に示すように、一対の側方シール部62は、表面シート1Aと裏面シート1Bとの一対の側端縁及び一対の側端縁近傍部分を含む一対の側端部同士が接合されることにより形成されている。底シール部61及び一対の側方シール部62における接合手法は特に限定されず、たとえばヒートシールが好適に用いられる。
ここで、以降の説明においては便宜上、図3に示された状態の表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aについて、図中右側の面を外面とし、図中左側の面を内面とする。また、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bについて、図中左側の面を外面とし、図中右側の面を内面とする。図示された例は、表面シート1A及び裏面シート1Bの外面が後述のベースフィルム層からなり、内面が後述のシーラント層からなる。第1シート2A及び第2シート2Bの外面及び内面がシーラント層からなる。第3シート3A及び第4シート3Bの外面がベースフィルム層からなり、内面がシーラント層からなる。
側方シール部62の上部においては、表面シート1Aと裏面シート1Bとの間に第1シート2A、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bが挟まれた状態で接合されている。図示された例においては、第3シート3Aに貫通孔320Aが形成されており、第4シート3Bに320Bが形成されている。貫通孔320Aを通じて表面シート1Aの内面と第1シート2Aの外面とが接合されており、320Bを通じて1Bの内面と2Bの外面とが接合されている。
充填部51は、底シール部61及び一対の側方シール部62の内端によって正面視形状が規定された、表面シート1Aと裏面シート1Bとによって囲まれた空間である。充填部51は、栄養剤等の内容物を充填するための部位である。開口部52は、表面シート1A及び裏面シート1Bの非接合部分によって形成されている。開口部52は、上方に向けて開口しており、充填部51の上端縁に繋がっている。
パウチ容器A1には、チャック53が設けられている。チャック53は、開口部52を開閉するためのものである。チャック53が閉じられると、底シール部61、一対の側方シール部62及びチャック53によって充填部51が密閉される。チャック53の具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、図3に示すように、凸条部付きのシートと、凸条部に嵌合する凹条部付きのシートとが、対向配置された構成である。同図においては、凸条部付きのシートが裏面シート1Bの内面に接合されており、凹条部付きのシートが表面シート1Aの内面に接合されている。
図1及び図2に示すように、パウチ容器A1には、注出部54が設けられている。注出部54は、充填部51に充填された栄養剤を注出するためのものである。注出部54は、例えば、栓付きのプラスチック管であって、表面シート1A及び裏面シート1Bの斜めにカットされた下端縁と側端縁との角部に取り付けられている。注出部54は、後述の吊り下げ孔71と対角線方向で対向する角部に設けられている。具体的には、表面シート1Aと裏面シート1Bの間に注出部54を挟んだ状態で各部材を接合することにより注出シール部63が形成されており、これにより注出部54が取り付けられている。
注出部54には、例えば、長尺状のチューブ(図示略)が取付けられる。このチューブは、充填部51に連通接続される注出部54の内側開口部と反対の外側開口部に対して接続される。当該チューブは、従来公知のものが使用可能であって詳しい説明を省略するが、可撓性のチューブであり、必要に応じてチャンバー(点滴筒)やクレンメ(流量調整器)、コネクター等(何れも図示せず)が設けられて、鼻腔等から挿入されて胃や十二指腸等の患者体内(図示せず)に至っている。そして、充填部51に収容される栄養剤等の内容物が当該チューブを通じて患者の体内に投与される。
図1及び図2に示すように、パウチ容器10には、吊り下げ孔71が設けられている。図示された例においては、吊り下げ孔71は、注出部54の長手方向の延長線上に配置されている。吊り下げ孔71は、側方シール部62の一部を幅広に形成し、当該幅広シール部を表裏方向に打ち抜くことで形成される。パウチ容器A1に充填された栄養剤を患者に投与する際には、吊り下げ孔71をフック等(図示略)に引っ掛ける。これにより、注出部54の長手方向が鉛直方向に沿った状態となり、栄養剤を容易に注出することができる。なお、吊下フック等が挿通される吊り下げ孔71の形状は図示された形状に限定されない。例えば、吊り下げ孔71を三角形等にすることにより、パウチ容器A1をスタンド等に懸架した際の、パウチ容器の向きを調節することができる。
また、パウチ容器A1には、一対の係止部72が設けられている。一対の係止部72は、側方シール部62の一部に切り込みが形成されることにより設けられており、吊り下げ孔71の下方に位置している。なお、係止部72の個数は、1つでもよいし3つ以上でもよい。係止部72は、注出部54に取付けられたチューブを係止することにより、チューブを使用しやすい状態に維持するためのものである。一対の係止部72は、操作性向上等の観点から、互いに近接して形成されることが好ましく、例えば互いの間隔をチューブの直径の2倍〜5倍程度の長さに設定することが好ましい。また、係止部72の横方向長さは、チューブの保持性や充填部51の容量確保等の観点から、好ましくはチューブの直径の1.5倍〜5倍程度、より好ましくはチューブの直径の1.8倍〜3倍程度である。これにより、係止部72に対して、チューブを湾曲させて挿入するといった煩雑な操作が不要となり、チューブの中間部分を容易に挿入することが可能となる。
図1、図3及び図4に示すように、第1シート2Aは、表面シート1Aの上部に重なるように配置されており、表面シート1Aの内側に設けられている。第1シート2Aの上端縁は、表面シート1Aに繋がっている。第1シート2Aの上端縁が表面シート1Aに繋がる構造は特に限定されず、図示された例においては第1シート2Aの上端縁と表面シート1Aの上端縁とが、後述の第1上方接合部651Aにおいて全長にわたって固定されている。すなわち、図示された例においては、表面シート1Aと第1シート2Aとは、互いに別体の2枚のシート材料によって形成されている。第1シート2Aの下端縁は、少なくともその一部が表面シート1Aに繋がっていない。図示された例においては、第1シート2Aの端縁は、第1上方接合部651Aと側方シール部62と後述の第1側方接合部652Aとに含まれる部分が表面シート1Aに接合によって固定されており、下端縁のそれ以外の部分(後述の第1下方接合部654Aのうち第1内部空間4Aの境界を形成する部分に含まれる下端縁の部分)が表面シート1Aに繋がっていない。また、第1シート2Aは、チャック53よりも上方に設けられている。図示された例においては、図1に示すように、第1シート2Aの正面視形状は、表面シート1Aのうちチャック53よりも上方に位置する部分と略一致している。
図1及び図3に示すように、第3シート3Aは、表面シート1Aの上部および第1シート2Aに重なるように配置されており、表面シート1Aと第1シート2Aとの間に設けられている。第3シート3Aの上端縁及び下端縁は、第1シート2Aに繋がっている。第3シート3Aの上端縁及び下端縁が第1シート2Aに繋がる構造は、特に限定されない。図示された例においては、後述の第1下方接合部654Aにおいて、第3シート3Aの下端縁と第1シート2Aの下端縁とが、全長にわたって固定されている。また、第1上方接合部651Aにおいて、第3シート3Aの上端縁と第1シート2Aの上端縁とが、全長にわたって固定されている。すなわち、図示された例においては、第1シート2Aと第3シート3Aとは、互いに別体の2枚のシート材料によって形成されている。また、第1シート2A及び第3シート3Aの上端縁は、第1上方接合部651Aにおいて表面シート1Aに固定されている。第3シート3Aの端縁は、第1上方接合部651Aと側方シール部62と第1側方接合部652Aとに含まれる部分が表面シート1Aに固定されており、下端縁のそれ以外の部分(後述の第1下方接合部654Aのうち第1内部空間4Aの境界を形成する部分に含まれる下端縁の部分)が表面シート1Aに固定されていない。また、第3シート3Aは、チャック53よりも上方に設けられている。
図1及び図3〜図5に示すように、第1接合部65Aは、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aのうち少なくとも2つ同士が接合されることにより形成されており、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aのうち少なくとも2つ同士を互いに固定する部分である。第1接合部65Aにおける表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの接合手法は特に限定されず、例えばヒートシールや接着剤による接合が挙げられ、本実施形態においては、ヒートシールが採用されている。図示された例においては、第1接合部65Aは、第1上方接合部651A、第1側方接合部652A及び第1下方接合部654Aを有する。
第1上方接合部651Aは、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの上端縁及び上端縁近傍部分を含む上端部同士が接合されることにより形成されている。表面シート1Aの上端縁と第1シート2Aの上端縁は、上下方向において略同じ位置にあり、第3シート3Aの上端縁は、表面シート1Aの上端縁及び第1シート2Aの上端縁よりも若干下方に位置する。表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの上端部が、ヒートシール工程において一括して加熱されると、表面シート1Aの内面と第1シート2Aの外面とのうち第3シート3Aから上方に露出した部分同士が接合される。また、第1シート2Aの外面と第3シート3Aの内面とが接合される。
第1側方接合部652Aは、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの側端部同士が接合されることにより形成されている。図示された例は、第1シート2Aの外面と第3シート3Aの内面とが接合されている。一方、表面シート1Aの内面と第3シート3Aの外面とは、第3シート3Aの外面がベースフィルム層からなるため、ヒートシールによって接合されていない。ただし、第1上方接合部651Aによって表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの上端部同士が接合されているため、第1側方接合部652Aにおいても表面シート1Aの側端部と第1シート2A及び第3シート3Aの側端部とが近接した構造となっている。また、図示された例においては、第3シート3Aに切り欠き310Aが形成されている。この切り欠き310Aを通じて、表面シート1Aの内面と第1シート2Aの外面とが接合されている。
第1下方接合部654Aは、第1シート2Aの下端部の外面と第3シート3Aの下端部の内面とが接合されることにより形成されている。なお、図示された例においては、第1下方接合部654Aを形成する際に、表面シート1Aと第1シート2A及び第3シート3Aの下端部とを一括して挟んだ状態で加熱する手法を採用することができる。このような手法によっても、第3シート3Aの外面がベースフィルム層からなるため、表面シート1Aと第3シート3Aの下端部とは接合されない。また、本実施形態においては、第1シート2Aの下端縁と第3シート3Aの下端縁とが繋がる部分である第1下方接合部654Aのうち、側方シール部62と第1側方接合部652Aとの間の部分が、第1内部空間4Aの境界を形成している。そして、第1下方接合部654Aのうち第1内部空間4Aの境界を形成する部分は、そのすべてが表面シート1Aに繋がっていない。
図1、図3、図4、図6に示すように、第1内部空間4Aは、第1シート2Aと第3シート3Aとの間に形成された空間であり、開口部52を拡開して栄養剤を充填部51に注入する際に指を挿入する空間として使用される。本実施形態においては、第1シート2Aの外面と第3シート3Aの内面とによって、第1内部空間4Aが規定されている。図示された例においては、第1内部空間4Aの正面視形状は、第1上方接合部651A、第1側方接合部652A、第1下方接合部654A及び側方シール部62の内端縁によって規定されている。
図1、図4、図7及び図8に示すように、第1挿入口5Aは、第1内部空間4Aに指を挿入可能に形成されたものである。本実施形態においては、第1挿入口5Aは、容器幅方向から指を挿入可能に形成されている。第1挿入口5Aを設ける手法は特に限定されず、好ましい手法として切り込み又は切り欠きを形成することが挙げられる。「切り込み」とは、シートを切除しないカット部を意味し、「切り欠き」とは、シートを切除するカット部を意味する。
図示された例においては、第1挿入口5Aは、表面シート1Aに第1切り込み12Aが形成され、第3シート3Aに第3切り込み32Aが形成されることによって設けられている。また、図示された例においては、第1切り込み12Aと第3切り込み32Aとは、同じ形状及び大きさとされており、容器幅方向外方に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されている。第1切り込み12A及び第3切り込み32Aがこのような形状であることにより、表面シート1Aには、第1舌片13Aが形成され、第3シート3Aには、第3舌片33Aが形成されている。
第1舌片13Aは、表面シート1Aのうち第1切り込み12Aと第1切り込み12Aの両端を結ぶ仮想線(図1参照、以下第1舌片13Aの「付け根線」という)とによって囲まれた部分である。第3舌片33Aは、第3シート3Aのうち第3切り込み32Aと第3切り込み32Aの両端を結ぶ仮想線(以下第3舌片33Aの「付け根線」という)とによって囲まれた部分である。このような構成においては、第1挿入口5Aは、第1舌片13A及び第3舌片33Aに塞がれた格好となっている。図示された例においては、第1切り込み12A及び第3切り込み32Aの両端を結ぶ仮想線が上下方向に対して若干傾いている。図4は、第1舌片13Aと第3舌片33Aとを付け根線において一括して折り返すことにより、双方を第1内部空間4A内に位置させた状態を示している。
図2、図3及び図4に示すように、第2シート2Bは、裏面シート1Bの上部に重なるように配置されており、裏面シート1Bの内側に設けられている。第2シート2Bの上端縁は、裏面シート1Bに繋がっている。第2シート2Bの上端縁が裏面シート1Bに繋がる構造は特に限定されず、図示された例においては第2シート2Bの上端縁と裏面シート1Bの上端縁とが、後述の第2上方接合部651Bにおいて全長にわたって固定されている。すなわち、図示された例においては、裏面シート1Bと第2シート2Bとは、互いに別体の2枚のシート材料によって形成されている。第2シート2Bの下端縁は、少なくともその一部が裏面シート1Bに繋がっていない。図示された例においては、第2シート2Bの端縁は、第2上方接合部651Bと側方シール部62と後述の第2側方接合部652Bとに含まれる部分が裏面シート1Bに接合によって固定されており、下端縁のそれ以外の部分(後述の第2下方接合部654Bのうち第2内部空間4Bの境界を形成する部分に含まれる下端縁の部分)が裏面シート1Bに繋がっていない。また、第2シート2Bは、チャック53よりも上方に設けられている。図示された例においては、図2に示すように、第2シート2Bの正面視形状は、裏面シート1Bのうちチャック53よりも上方に位置する部分と略一致している。
図2及び図3に示すように、第4シート3Bは、裏面シート1Bの上部および第2シート2Bに重なるように配置されており、裏面シート1Bと第2シート2Bとの間に設けられている。第4シート3Bの上端縁及び下端縁は、第2シート2Bに繋がっている。第4シート3Bの上端縁及び下端縁が第2シート2Bに繋がる構造は、特に限定されない。図示された例においては、後述の第2下方接合部654Bにおいて、第4シート3Bの下端縁と第2シート2Bの下端縁とが、全長にわたって固定されている。また、第2上方接合部651Bにおいて、第4シート3Bの上端縁と第2シート2Bの上端縁とが、全長にわたって固定されている。すなわち、図示された例においては、第2シート2Bと第4シート3Bとは、互いに別体の2枚のシート材料によって形成されている。また、第2シート2B及び第4シート3Bの上端縁は、第2上方接合部651Bにおいて裏面シート1Bに固定されている。第4シート3Bの端縁は、第2上方接合部651Bと側方シール部62と第2側方接合部652Bとに含まれる部分が裏面シート1Bに固定されており、下端縁のそれ以外の部分(後述の第2下方接合部654Bのうち第2内部空間4Bの境界を形成する部分に含まれる下端縁の部分)が裏面シート1Bに繋がっていない。また、第4シート3Bは、チャック53よりも上方に設けられている。
図2及び図3〜図5に示すように、第2接合部65Bは、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bのうち少なくとも2つ同士が接合されることにより形成されており、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bのうち少なくとも2つ同士を互いに固定する部分である。第2接合部65Bにおける裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの接合手法は特に限定されず、例えばヒートシールや超音波溶着、接着剤による接合が挙げられ、本実施形態においては、ヒートシールが採用されている。図示された例においては、第2接合部65Bは、第2上方接合部651B、第2側方接合部652B及び第2下方接合部654Bを有する。
第2上方接合部651Bは、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの上端部同士が接合されることにより形成されている。裏面シート1Bの上端縁と第2シート2Bの上端縁は、上下方向において略同じ位置にあり、第4シート3Bの上端縁は、裏面シート1Bの上端縁及び第2シート2Bの上端縁よりも若干下方に位置する。裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの上端部が、ヒートシール工程において一括して加熱されると、裏面シート1Bの内面と第2シート2Bの外面とのうち第4シート3Bから上方に露出した部分同士が接合される。また、第2シート2Bの外面と第4シート3Bの内面とが接合される。
第2側方接合部652Bは、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの側端部同士が接合されることにより形成されている。図示された例は、第2シート2Bの外面と第4シート3Bの内面とが接合されている。一方、裏面シート1Bの内面と第4シート3Bの外面とは、第4シート3Bの外面がベースフィルム層からなるため、ヒートシールによって接合されていない。ただし、第2上方接合部651Bによって裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの上端部同士が接合されているため、第2側方接合部652Bにおいても裏面シート1Bの側端部と第2シート2B及び第4シート3Bの側端部とが近接した構造となっている。また、図示された例においては、第4シート3Bに切り欠き310Bが形成されている。この切り欠き310Bを通じて、裏面シート1Bの内面と第2シート2Bの外面とが接合されている。
第2下方接合部654Bは、第2シート2Bの下端部の外面と第4シート3Bの下端部の内面とが接合されることにより形成されている。なお、図示された例においては、第2下方接合部654Bを形成する際に、裏面シート1Bと第2シート2B及び第4シート3Bの下端部とを一括して挟んだ状態で加熱する手法を採用することができる。このような手法によっても、第4シート3Bの外面がベースフィルム層からなるため、裏面シート1Bと第4シート3Bの下端部とは接合されない。また、本実施形態においては、第2シート2Bの下端縁と第4シート3Bの下端縁とが繋がる部分である第2下方接合部654Bのうち、側方シール部62と第2側方接合部652Bとの間の部分が、第2内部空間4Bの境界を形成している。そして、第2下方接合部654Bのうち第2内部空間4Bの境界を形成する部分は、そのすべてが裏面シート1Bに繋がっていない。
図2〜図4、図6に示すように、第2内部空間4Bは、第2シート2Bと第4シート3Bとの間に形成された空間であり、開口部52を拡開して栄養剤を充填部51に注入する際に指を挿入する空間として使用される。本実施形態においては、第2シート2Bの外面と第4シート3Bの内面とによって、第2内部空間4Bが規定されている。図示された例においては、第2内部空間4Bの正面視形状は、第2上方接合部651B、第2側方接合部652B、第2下方接合部654B及び側方シール部62の内端縁によって規定されている。
図2、図4、図7及び図8に示すように、第2挿入口5Bは、第2内部空間4Bに指を挿入可能に形成されたものである。本実施形態においては、第2挿入口5Bは、容器幅方向から指を挿入可能に形成されている。第2挿入口5Bを設ける手法は特に限定されず、好ましい手法として切り込み又は切り欠きを形成することが挙げられる。
図示された例においては、第2挿入口5Bは、裏面シート1Bに第2切り込み12Bが形成され、第4シート3Bに第4切り込み32Bが形成されることによって設けられている。また、図示された例においては、第2切り込み12Bと第4切り込み32Bとは、同じ形状及び大きさとされており、容器幅方向外方に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されている。第2切り込み12B及び第4切り込み32Bがこのような形状であることにより、裏面シート1Bには、第2舌片13Bが形成され、第4シート3Bには、第4舌片33Bが形成されている。
第2舌片13Bは、裏面シート1Bのうち第2切り込み12Bと第2切り込み12Bの両端を結ぶ仮想線(図1参照、以下第2舌片13Bの「付け根線」という)とによって囲まれた部分である。第4舌片33Bは、第4シート3Bのうち第4切り込み32Bと第4切り込み32Bの両端を結ぶ仮想線(以下第4舌片33Bの「付け根線」という)とによって囲まれた部分である。このような構成においては、第2挿入口5Bは、第2舌片13B及び第4舌片33Bに塞がれた格好となっている。図示された例においては、第2切り込み12B及び第4切り込み32Bの両端を結ぶ仮想線が上下方向に対して若干傾いている。図4は、第2舌片13Bと第4舌片33Bとを付け根線において一括して折り返すことにより、双方を第2内部空間4B内に位置させた状態を示している。また、好ましくは、第2舌片13Bは、内側に折返した状態で裏面シート1Bに接合等によって固定されていてもよい。
図1及び図2に図示された例においては、第1切り込み12A、第2切り込み12B、第3切り込み32A及び第4切り込み32Bは、幅方向外方に向かって凸状に膨らむ曲線と、当該曲線の両端から上下方向外方を経由して幅方向外方に回り込む一対の曲線とを含んでいる。なお、図示された例においては、第1切り込み12A、第2切り込み12B、第3切り込み32A及び第4切り込み32Bが、互いの形状、大きさ及び幅方向に対する角度等が同じであるが、このような構成に限定されず、互いの形状、大きさ及び幅方向に対する角度等の少なくともいずれかが異なっていてもよい。また、表面シート1Aや裏面シート1Bに切り込みを設ける一方、第3シート3Aや第4シート3Bに切り欠きを設けてもよい。この場合、表面シート1Aや裏面シート1Bに設けられた第1舌片13Aや第2舌片13Bが、第3シート3Aや第4シート3Bの切り欠きを通じて第1内部空間4Aや第2内部空間4Bに位置するように内側に折り返されていてもよい。また、逆に表面シート1Aや裏面シート1Bに切り欠きを設ける一方、第3シート3Aや第4シート3Bに切り込みを設けてもよい。この場合、第3シート3Aや第4シート3Bに設けた第3舌片33Aや第4舌片33Bが、内側に折り返された状態で、第3舌片33A、第3シート3A及び表面シート1Aや第4舌片33B、第4シート3B及び裏面シート1Bを、それぞれ超音波溶着で固定することが好ましい。
図1及び図2に示す例においては、側方シール部62の下方部分が、幅方向外方に突出した形状である。側方シール部62の上方部分は、相対的に幅方向内方に位置しており、この部分に第1側方接合部652A及び第2側方接合部652Bが繋がっている。このため、第1側方接合部652A及び第2側方接合部652B(第1内部空間4A及び第2内部空間4B)は、側方シール部62の下方部分よりも幅方向内方に位置する部分を有している。
パウチ容器A1を構成する各シートは、通常、樹脂フィルムから構成される。シートを構成する樹脂フィルムには、耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えることが要求される。また、上記各シール部及び上記接合部は、通常、ヒートシールにより形成されるので、シートにはヒートシール性も要求される。シートとしては、ベースフィルム層と、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層シートが好適であり、高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にバリア層を設けることが好適である。なお、ベースフィルム層そのものにバリア性を付与してもよい。この場合は、バリア層をベースフィルム層として用い、バリア層とシーラント層とを有する複層シートとなる。また、シートの両面にヒートシール性を付与する場合は、後述のシーラント層を形成する単層フィルムを用いてもよいし、複層シートの場合は、同種又は異種のシーラント層を二層有するか(このとき、シーラント層の一層を形式的にベースフィルム層として用いることになる)、或いはベースフィルム層の両面にシーラント層を有するシートを用いてもよい。本実施形態では、表面シート1A及び裏面シート1Bとして、外面がベースフィルム層からなり内面がシーラント層からなる複層シートが使用されている。図示された例においては、上述のように、表面シート1A、裏面シート1B、第1シート2A、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bは、互いに別体のシート材料からなる。表面シート1A及び裏面シート1Bの外面が後述のベースフィルム層からなり、内面が後述のシーラント層からなる。第1シート2A及び第2シート2Bの外面及び内面がシーラント層からなる。第3シート3A及び第4シート3Bの外面がベースフィルム層からなり、内面がシーラント層からなる。
ここで、ベースフィルム層、シーラント層、及びガスバリア層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーションなどにより行うことができる。
ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びポリエーテルスルフォン(PES)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
シーラント層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
表面シート1A又は裏面シート1Bには、例えば、栄養剤の液量を計測するための目盛り(図示せず)を設けることが好適である。なお、目盛りの他にも、商品名や原材料、使用上の注意事項などを表示する印刷層を設けてもよい。
次に、図10を参照しつつ、パウチ容器A1の製造方法の一例について説明する。図10は、パウチ容器A1の製造方法の一例の一工程を示しており、各シートの長尺体を積層し、各シール部を形成する工程を模式的に示す要部正面図である。
図10に示すように、まず、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aとなる長尺体1Az,2Az,3Az、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bとなる長尺体1Bz,2Bz,3Bz及びチャック53となる長尺体53zをそれぞれ準備する。同図右端から続く部分を参照して、長尺体1Bz,2Bz,3Bzについての工程を説明する。なお、この工程は、長尺体1Az,2Az,3Azについても同様である。
図示された例においては、長尺体1Bzに長尺体3Bzを重ねる。長尺体3Bzには、複数の貫通孔320Bを予め形成しておく。横長の貫通孔320Bは、後の工程において吊り下げ孔71が形成されることにより、2つの切り欠き310Bとなる部分である。次いで、重ね合わされた長尺体1Bzおよび長尺体3Bzを一括して切断することにより、第2切り込み12B及び第2舌片13Bを形成する。次いで、長尺体3Bzを長尺体1Bzとともに挟むようにして、長尺体2Bzを重ねる。長尺体1Az,2Az,3Azについても同様の工程を行う。この重合工程により、長尺体1Az,3Az,2Azの順で重ね合わされたものと、長尺体1Bz,3Bz,2Bzの順で重ね合わされたものとが得られる。なお、図示された例において、各長尺体はそれぞれ平坦な状態で重ね合わされる。
長尺体53zは、上述した凸条部と凹条部とが嵌合した状態で積層されており、上下方向において長尺体2Az,3Az,2Bz,3Bzを避けた、長尺体1Azと長尺体1Bzとの間に積層される。
次いで、重合工程を経た上記各長尺体には、ヒートシール工程でシール部6z、65Az、65Bzが形成される。ヒートシール工程では、例えば、長尺体53zよりも下方の領域において、充填部51となるべき領域や注出部54を取り付けるための部分を残して、長尺体1Azと長尺体1Bzとをヒートシールする。また、長尺体53zを含む領域及び長尺体53zよりも上方の領域においては、長尺体1Az、1Bz,2Az,2Bz,3Az,3Bzを一体的に接合すべき部分(各パウチ容器A1の正面視左上部分)をヒートシールする。これにより、シール部6zが形成される。また、長尺体1Az,2Az,3Azの所定部分同士をヒートシールすることにより、シール部65Azが形成され、長尺体1Bz,2Bz,3Bzの所定部分同士をヒートシールすることにより、シール部65Bzが形成される。本実施形態においては、長尺体3Azに設けられた貫通孔320Bを通じて、ともにシーラント層からなる長尺体1Azの内面と長尺体2Azの外面とが接合される。また、長尺体3Bzに設けられた320Bを通じて、ともにシーラント層からなる長尺体1Bzの内面と長尺体2Bzの外面とが接合される。この際、図中において斜線のハッチングが施された領域において、長尺体2Azと長尺体2Bzとの間に、金属またはシリコーン等の樹脂等からなる板材を配置することにより、シール部65Azとシール部65Bzとを形成すべき領域において、長尺体2Azと長尺体2Bzとの内面同士がヒートシールにより接合することを回避する。なお、長尺体3Az,3Bzの外面がベースフィルム層からなるため、長尺体3Az,3Bzの外面と長尺体1Az,1Bzの内面とは接合されない。このため、長尺体3Az,3Bzの下端縁が長尺体1Az,1Bzに意図せず接合されることにより繋がってしまうことを確実に回避することができる。
続いて、ダイカットロール等を用いて、例えば、切断線CLに沿って上記長尺体をカットし、個々の容器サイズに分割する。なお、上記ヒートシール及び当該カットは同時に行なわれてもよい。このとき又は別工程で、吊り下げ孔71及び係止部72が形成される。これにより、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bから第1内部空間4A及び第2内部空間4Bに指が挿入可能な構造が得られる。最後に、注出部54を挿入し注出シール部63を形成することにより、パウチ容器A1が得られる。このような製造工程であれば、連続的にパウチ容器A1を製造することができる。なお、本発明の製造方法は上記工程によるものに限らない。例えば、長尺体3Az、3Bzの上端縁に貫通孔320A、320Bを形成することで、長尺体3Az、3Bzを長尺体2Az、2Bzと同じ上下幅とすることもできる。また、例えば、第1シート2A及び第3シート3Aからなるシート体や第2シート2B及び第4シート3Bからなるシート体を予め製造しておき、当該シート体を長尺体1Az,1Bzに固定させてもよい。
次に、図7〜図9に示すパウチ容器A1の使用状態の一例を参照しつつ、パウチ容器A1の作用について説明する。
パウチ容器A1の開口部52から充填部51に栄養剤を注入する際には、例えば、片手(以下、右手とする)でパウチ容器A1を保持しながらチャック53を開けて開口部52を広げる。まず初めに、図7及び図8に示すように、第1内部空間4Aに親指を挿入し、第2内部空間4Bには人差し指を挿入してパウチ容器A1を保持する。このとき、親指と人差し指は、容器幅方向から第1挿入口5A及び第2挿入口5Bを通って第1内部空間4A及び第2内部空間4Bに挿入される。第1内部空間4A、第2内部空間4Bに指を挿入されると、指によって、第1内部空間4A、第2内部空間4Bが表裏方向に膨らむ。第1挿入口5Aは、第1切り込み12A及び第3切り込み32Aによって構成されており、第2挿入口5Bは、第2切り込み12B及び第4切り込み32Bによって構成されている。また、第1挿入口5Aは、第1舌片13A及び第3舌片33Aが設けられており、第2挿入口5Bには、第2舌片13B及び第4舌片33Bが設けられている。親指及び人差し指の挿入に際しては、予め或いは挿入に伴って、第1舌片13A及び第4舌片33Bと第2舌片13B及び第4舌片33Bとをそれぞれ内側に折返し、第1内部空間4A及び第2内部空間4B内に位置させる。図示された例において、第1内部空間4A、第2内部空間4Bを形成する第1シート2A及び第3シート3Aや第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁のうち第1内部空間4A及び第2内部空間4Bの境界の形成に寄与する部分は、表面シート1Aや裏面シート1Bに繋がっていない。このため、第1シート2A及び第3シート3Aの下端縁や第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁の前記部分は表面シート1Aや裏面シート1Bに束縛されることなく独立して動いたり、変形したりすることができる。これにより、第1シート2A及び第3シート3Aや第2シート2B及び第4シート3Bは可動性を有すると共に、高い変形自由度を有し、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bの形状を指に合うように自在に変形させることができる。このため、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bへの指挿入時に、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bを形成するシートの変形が制限されることで挿入抵抗が生じてしまうことや、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bを形成するシートの変形が制限されることで第1内部空間4A及び第2内部空間4Bにおける指の位置が制限されてしまうことがない。よって、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bから第1内部空間4A及び第2内部空間4Bの奥側に指をスムーズに挿入することができ、且つ第1内部空間4A及び第2内部空間4Bの自由な位置に指を起きやすい。なお、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bと第1内部空間4A及び第2内部空間4Bとの形状や大きさを適宜設定することにより、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bの少なくともいずれかから複数の指を挿入してもよい。たとえば、第1挿入口5Aから右手親指を挿入し、第2挿入口5Bから右手人差し指及び中指を挿入してもよい。
続いて、図9に示すように、第1内部空間4A及び第2内部空間4B内に挿入された親指と人差し指との間隔を開けることによりチャック53を外して開口部52を広げる。即ち、親指を表側に動かし、人差し指を裏側に動かす。親指と人差し指の間隔をさらに広げることで、開口部52をより大きく広げることができる。なお、図9においては、理解の便宜上、第1シート2A又は第1シート2Aのみに隠れた部分を実線の細線で示しており、第1シート2A又は第2シート2Bと表面シート1A又は裏面シート1Bと第3シート3Aまたは第4シート3Bとに隠れた部分を陰線(点線の細線)で示している。上述した通り、第1内部空間4A、第2内部空間4Bを形成する第1シート2A及び第3シート3Aや第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁は表面シート1Aや裏面シート1Bに繋がっていないため、指を第1内部空間4A及び第2内部空間4Bの奥側にスムーズに挿入することができ、且つ、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bの自由な位置に置きやすい。このため、表面シート1Aや裏面シート1Bにおいて開口したい所望の中心箇所を直接指で拡開させることができ、開口部52の形成自由度が高い。また、第3シート3Aや第4シート3Bの下端縁が自由に動くことができるため、開口部52を拡開させる際、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bを形成するシートの変形が制限されて、シートが意図したように変形せずに、逆に指がシートの変形に合うようにシート上を滑ってしまい、結果として開口したい中心箇所に力を加えることができないといった事態を低減することができる。加えて、表面シート1Aや裏面シート1Bも、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bを形成するシートと上端及び側縁しか繋がっていないため、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bを形成するシートとは独立して変形可能であると共に、表面シート1Aや裏面シート1Bは指から直接受けた応力によって幅広く変形しやすく、開口部52の形成自由度が高い。また、表面シート1Aや裏面シート1Bが第3シート3Aや第4シート3Bの下端部から浮くように拡開させることができ、この場合は液体充填時にチャック53に液体が付着しにくくすることができる。
続いて、親指と人差し指の間隔を開けて開口部52を大きく広げた状態で、栄養剤の注入を開始する。親指と人差し指との間隔を開けておくだけで開口状態が維持されるので、例えば、栄養剤を注入する器具をチャック53付近まで近づけて注入でき、且つ注入作業中に開口部52が閉じて栄養剤が零れることを防止できる。
また、図9に示すように、親指と人差し指によって開口部52を拡開する際には、表面シート1A及び裏面シート1Bと第1シート2A、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bとが、大きく変形する。第1シート2A及び第3シート3Aと第2シート2B及び第4シート3Bとの下端縁は、開口部52に比較的近い位置に設けられている。第1シート2A及び第3シート3Aと第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁が全長に渡って表面シート1A及び裏面シート1Bに強固に接合されていると、これらの接合部分が、指から加えられる力を起点とした応力を遮断し、開口部52を拡開させるための変形を妨げることが懸念される。本実施形態においては、第1シート2A及び第3シート3Aと第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁が、側方シール部62と第1側方接合部652A及び第2側方接合部652Bとの間において表面シート1A及び裏面シート1Bに繋がっていない。このため、指から加えられる力を起点とした応力を表面シート1A及び裏面シート1Bのより広い領域に伝えることが可能である。また、表面シート1A及び裏面シート1Bと第1シート2A、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bとの剛性が不当に高められることを抑制し、より大きな変形を生じやすい。
本実施形態においては、図3に示すように、表面シート1A及び第1シート2Aの間に第3シート3Aが設けられており、裏面シート1B及び第2シート2Bの間に第4シート3Bが設けられている。第3シート3Aの下端縁は、第1シート2Aの下端縁に繋がっており、第4シート3Bの下端縁は、第1シート2Aの下端縁に繋がっている。このため、第1内部空間4A及び第2内部空間4B挿入された指に、栄養剤の飛沫等が向かってくると、第3シート3A及び第4シート3Bによってこの飛沫が指に付着することを抑制することができる。特に本実施形態においては、第3シート3A及び第4シート3Bの下端部が、第1下方接合部654A及び第2下方接合部654Bにおいて、全長に渡って第1シート2A及び第2シート2Bに接合により繋がっている。これは、飛沫等の付着を防止するのに好ましい。
また、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bには、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bを通じて幅方向から指が挿入される。このため、図8及び図9に示すように、親指や人差し指を、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bの幅方向内方へと挿入することが可能である。これは、開口部52を拡開させる動作を行うのに便利である。
栄養剤等の液状物を充填部51へ注入した後に、チャック53を閉状態とすることにより、充填部51を密封状態とすることができる。これにより、パウチ容器A1の上部からの液状物の漏出が防ぎ得ると共に、液状物が細菌等に汚染されるおそれを低減させることができる。
なお、本実施形態においては、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bに右手の指を挿入する場合を例に説明したが、左手の指を挿入してもよい。また、表面シート1A及び裏面シート1B等の形状によっては、幅方向一方に右手用の第1挿入口5A及び第2挿入口5Bを設け、幅方向他方に左手用の第1挿入口5A及び第2挿入口5Bをさらに設けてもよい。この点は、以降の実施形態においても同様である。
以上のように、パウチ容器A1によれば、第1シート2A、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bの下端縁が表面シート1A及び裏面シート1Bに繋がっていない部分を有する。このため、表面シート1A及び裏面シート1Bと第1シート2A、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bとの剛性が不当に高められることを抑制し、より大きな変形を生じやすい。したがって、よりスムーズに開口部52を拡開することができる。
図11〜図30は、本発明の変形例を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一又は類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。なお、図16、図18〜図25、図27及び図29は、パウチ容器A1の変形例を正面からみた図であり、主に表面シート1A、第1シート2A、第3シート3A及びこれらの関連箇所を具体的に説明するが、同様の構成は、背面から見た場合の裏面シート1B、第2シート2B、第4シート3B及びこれらの関連箇所に適宜採用可能である。
<第1実施形態 第1変形例>
図11は、パウチ容器A1の第1変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1aにおいては、1つのシート材料によって第1シート2A及び第3シート3Aが形成され、1つのシート材料によって第2シート2B及び第4シート3Bが形成されている。より具体的には、第1シート2Aと第3シート3Aとは、第3折り返し部25Aを介して互いの下端部同士が繋がっている。また、第2シート2Bと第4シート3Bとは、第4折り返し部25Bを介して互いの下端部同士が繋がっている。なお、図示された例は、第1シート2Aの内面及び第3シート3Aの外面と第2シート2B及び第4シート3Bの外面とがベースフィルム層によって形成された構成でもよいし、第1シート2A、第3シート3A、第2シート2B及び第4シート3Bの外面及び内面が、シーラント層によって形成された構成であってもよい。これらのシートの外面及び内面が、いずれもシーラント層からなる場合、第3シート3Aの上端縁と表面シート1A及び第1シート2Aの上端縁とが略一致し、第4シート3Bの上端縁と裏面シート1B及び第2シート2Bの上端縁とが略一致する構成であってもよい。
図11は、パウチ容器A1の第1変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1aにおいては、1つのシート材料によって第1シート2A及び第3シート3Aが形成され、1つのシート材料によって第2シート2B及び第4シート3Bが形成されている。より具体的には、第1シート2Aと第3シート3Aとは、第3折り返し部25Aを介して互いの下端部同士が繋がっている。また、第2シート2Bと第4シート3Bとは、第4折り返し部25Bを介して互いの下端部同士が繋がっている。なお、図示された例は、第1シート2Aの内面及び第3シート3Aの外面と第2シート2B及び第4シート3Bの外面とがベースフィルム層によって形成された構成でもよいし、第1シート2A、第3シート3A、第2シート2B及び第4シート3Bの外面及び内面が、シーラント層によって形成された構成であってもよい。これらのシートの外面及び内面が、いずれもシーラント層からなる場合、第3シート3Aの上端縁と表面シート1A及び第1シート2Aの上端縁とが略一致し、第4シート3Bの上端縁と裏面シート1B及び第2シート2Bの上端縁とが略一致する構成であってもよい。
<第1実施形態 第2変形例>
図12は、パウチ容器A1の第2変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1bにおいては、1つのシート材料によって表面シート1A及び第1シート2Aが形成され、1つのシート材料によって裏面シート1B及び第2シート2Bが形成されている。より具体的には、表面シート1Aと第1シート2Aとは、第1折り返し部15Aを介して互いの上端部同士が繋がっている。また、裏面シート1Bと第2シート2Bとは、第2折り返し部15Bを介して互いの上端部同士が繋がっている。
図12は、パウチ容器A1の第2変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1bにおいては、1つのシート材料によって表面シート1A及び第1シート2Aが形成され、1つのシート材料によって裏面シート1B及び第2シート2Bが形成されている。より具体的には、表面シート1Aと第1シート2Aとは、第1折り返し部15Aを介して互いの上端部同士が繋がっている。また、裏面シート1Bと第2シート2Bとは、第2折り返し部15Bを介して互いの上端部同士が繋がっている。
<第1実施形態 第3変形例>
図13は、パウチ容器A1の第3変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1cにおいては、1つのシート材料によって表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aが形成され、1つのシート材料によって裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bが形成されている。より具体的には、表面シート1Aと第1シート2Aとは、第1折り返し部15Aを介して互いの上端部同士が繋がっており、第1シート2Aと第3シート3Aとは、第3折り返し部25Aを介して互いの下端部同士が繋がっている。また、裏面シート1Bと第2シート2Bとは、第2折り返し部15Bを介して互いの上端部同士が繋がっており、第2シート2Bと第4シート3Bとは、第4折り返し部25Bを介して互いの下端部同士が繋がっている。
図13は、パウチ容器A1の第3変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1cにおいては、1つのシート材料によって表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aが形成され、1つのシート材料によって裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bが形成されている。より具体的には、表面シート1Aと第1シート2Aとは、第1折り返し部15Aを介して互いの上端部同士が繋がっており、第1シート2Aと第3シート3Aとは、第3折り返し部25Aを介して互いの下端部同士が繋がっている。また、裏面シート1Bと第2シート2Bとは、第2折り返し部15Bを介して互いの上端部同士が繋がっており、第2シート2Bと第4シート3Bとは、第4折り返し部25Bを介して互いの下端部同士が繋がっている。
<第1実施形態 第4変形例>
図14は、パウチ容器A1の第4変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1dにおいては、表面シート1Aと第3シート3Aとが1つのシート材料によって形成されており、互いの上端部が第5折り返し部16Aを介して繋がっている。また、裏面シート1Bと第4シート3Bとが1つのシート材料によって形成されており、互いの上端部が第6折り返し部16Bを介して繋がっている。第1シート2A及び第3シート3Aの下端部同士は、第1下方接合部654Aにおいて互いに固定されており、第2シート2B及び第4シート3Bの下端部同士は、第2下方接合部654Bにおいて互いに固定されている。また、本変形例においては、第1シート2A及び第3シート3Aの上端部同士が、第1上方接合部651Aにおいて互いに固定されている。表面シート1Aの外面及び第3シート3Aの内面がベースフィルム層からなる場合、第1上方接合部651Aは、図示された接着剤を用いて形成することが好ましい。同様に、裏面シート1Bの外面及び第4シート3Bの内面がベースフィルム層からなる場合、第2上方接合部651Bは、図示された接着剤を用いて形成することが好ましい。
図14は、パウチ容器A1の第4変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1dにおいては、表面シート1Aと第3シート3Aとが1つのシート材料によって形成されており、互いの上端部が第5折り返し部16Aを介して繋がっている。また、裏面シート1Bと第4シート3Bとが1つのシート材料によって形成されており、互いの上端部が第6折り返し部16Bを介して繋がっている。第1シート2A及び第3シート3Aの下端部同士は、第1下方接合部654Aにおいて互いに固定されており、第2シート2B及び第4シート3Bの下端部同士は、第2下方接合部654Bにおいて互いに固定されている。また、本変形例においては、第1シート2A及び第3シート3Aの上端部同士が、第1上方接合部651Aにおいて互いに固定されている。表面シート1Aの外面及び第3シート3Aの内面がベースフィルム層からなる場合、第1上方接合部651Aは、図示された接着剤を用いて形成することが好ましい。同様に、裏面シート1Bの外面及び第4シート3Bの内面がベースフィルム層からなる場合、第2上方接合部651Bは、図示された接着剤を用いて形成することが好ましい。
<第1実施形態 第5変形例>
図15は、パウチ容器A1の第5変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1eにおいては、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aが1つのシート材料によって形成されており、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bが1つのシート材料によって形成されている。表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの上端縁が繋がる構造と裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの上端縁が繋がる構造とは、上述のパウチ容器A1dと同様である。また、第1シート2A及び第3シート3Aの下端縁が繋がる構造と、第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁が繋がる構造とは、上述のパウチ容器A1cと同様である。
図15は、パウチ容器A1の第5変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1eにおいては、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aが1つのシート材料によって形成されており、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bが1つのシート材料によって形成されている。表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの上端縁が繋がる構造と裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの上端縁が繋がる構造とは、上述のパウチ容器A1dと同様である。また、第1シート2A及び第3シート3Aの下端縁が繋がる構造と、第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁が繋がる構造とは、上述のパウチ容器A1cと同様である。
本実施形態の第1ないし第5変形例から理解されるように、本発明において各シートが繋がるという構成は、2つのシート材料が接合等によって固定された構成に限定されず、1つのシート材料が折り返されることで、2つのシートの間に折り返し部が介在することにより、これらのシートが繋がっている構成を含む。
<第1実施形態 第6変形例>
図16は、パウチ容器A1の第6変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1fにおいては、注出部54及び注出シール部63が、幅方向略中央に設けられている。また、これに対応して、吊り下げ孔71は、注出部54の直上に設けられている。底シール部61は、注出部54が設けられている下方が最も下方に位置するように下方に凸状に湾曲した形状である。本変形例から理解されるように、パウチ容器A1に取付けられる注出部54の位置や、吊り下げられた場合のパウチ容器A1の姿勢は、任意に設定することができる。
図16は、パウチ容器A1の第6変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1fにおいては、注出部54及び注出シール部63が、幅方向略中央に設けられている。また、これに対応して、吊り下げ孔71は、注出部54の直上に設けられている。底シール部61は、注出部54が設けられている下方が最も下方に位置するように下方に凸状に湾曲した形状である。本変形例から理解されるように、パウチ容器A1に取付けられる注出部54の位置や、吊り下げられた場合のパウチ容器A1の姿勢は、任意に設定することができる。
<第1実施形態 第7変形例>
図17は、パウチ容器A1の第7変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1gは、チャック53よりも上方において、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aと裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bとが、幅方向全長にわたって離れている。すなわち、本変形例の側方シール部62は、チャック53よりも下方にのみ形成されている。そして、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの幅方向両端部は、一対の第1側方接合部652Aによって接合されている。また、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの両端部は、一対の第2側方接合部652Bによって接合されている。
図17は、パウチ容器A1の第7変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1gは、チャック53よりも上方において、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aと裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bとが、幅方向全長にわたって離れている。すなわち、本変形例の側方シール部62は、チャック53よりも下方にのみ形成されている。そして、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの幅方向両端部は、一対の第1側方接合部652Aによって接合されている。また、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの両端部は、一対の第2側方接合部652Bによって接合されている。
<第1実施形態 第8変形例>
図18は、パウチ容器A1の第8変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1hにおいては、第1切り込み12A及び第3切り込み32Aが、上下方向に対して若干傾いた直線形状とされている。このため、表面シート1A及び第3シート3Aには、パウチ容器A1における第1舌片13A及び第3舌片33Aが設けられていない。このような変形例においても、第1切り込み12A及び第3切り込み32Aによって形成される第1挿入口5Aを通じて幅方向から指を第1内部空間4Aに挿入することができる。
図18は、パウチ容器A1の第8変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1hにおいては、第1切り込み12A及び第3切り込み32Aが、上下方向に対して若干傾いた直線形状とされている。このため、表面シート1A及び第3シート3Aには、パウチ容器A1における第1舌片13A及び第3舌片33Aが設けられていない。このような変形例においても、第1切り込み12A及び第3切り込み32Aによって形成される第1挿入口5Aを通じて幅方向から指を第1内部空間4Aに挿入することができる。
<第1実施形態 第9変形例>
図19は、パウチ容器A1の第9変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1iは、第1挿入口5Aが第1切り欠き11A及び第3切り欠き31Aによって構成されている。第1切り欠き11Aは、表面シート1Aが部分的に切除されたカット部であり、正面視において開口している。第3切り欠き31Aは、第3シート3Aが部分的に切除されたカット部であり、正面視において開口している。また、本変形例の第1切り欠き11A及び第3切り欠き31Aは、上下方向を長手方向とする細長楕円形状である。このような変形例においても、第1挿入口5Aを通じて幅方向から指を第1内部空間4Aに挿入することができる。
図19は、パウチ容器A1の第9変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1iは、第1挿入口5Aが第1切り欠き11A及び第3切り欠き31Aによって構成されている。第1切り欠き11Aは、表面シート1Aが部分的に切除されたカット部であり、正面視において開口している。第3切り欠き31Aは、第3シート3Aが部分的に切除されたカット部であり、正面視において開口している。また、本変形例の第1切り欠き11A及び第3切り欠き31Aは、上下方向を長手方向とする細長楕円形状である。このような変形例においても、第1挿入口5Aを通じて幅方向から指を第1内部空間4Aに挿入することができる。
<第1実施形態 第10変形例>
図20は、パウチ容器A1の第10変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1jは、第1挿入口5Aが第1切り欠き11A及び第3切り込み32Aによって構成されている。第1切り欠き11Aは、正面視において第3切り込み32Aを収容する形状及び大きさとされている。図示された例においては、第1切り欠き11Aは、上下方向に対して若干傾いた方向を長手方向とする細長楕円形状であり、第3切り欠き31Aは、上下方向に対して若干傾いた直線形状とされている。このような変形例においても、第1挿入口5Aを通じて幅方向から指を第1内部空間4Aに挿入することができる。
図20は、パウチ容器A1の第10変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1jは、第1挿入口5Aが第1切り欠き11A及び第3切り込み32Aによって構成されている。第1切り欠き11Aは、正面視において第3切り込み32Aを収容する形状及び大きさとされている。図示された例においては、第1切り欠き11Aは、上下方向に対して若干傾いた方向を長手方向とする細長楕円形状であり、第3切り欠き31Aは、上下方向に対して若干傾いた直線形状とされている。このような変形例においても、第1挿入口5Aを通じて幅方向から指を第1内部空間4Aに挿入することができる。
<第1実施形態 第11変形例>
図21は、パウチ容器A1の第11変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1kは、第1挿入口5Aを構成する第1切り込み12Aの両端を結ぶ仮想線及び第1舌片13Aの両端を結ぶ仮想線が幅方向に沿っている。これにより、第1挿入口5Aは、下方から指を挿入可能な構成となっている。このような変形例によれば、下方から挿入された指は、第1内部空間4Aにおいて上下方向に沿う姿勢となる。これにより、パウチ容器A1kが幅方向にずれることを抑制することができる。
図21は、パウチ容器A1の第11変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1kは、第1挿入口5Aを構成する第1切り込み12Aの両端を結ぶ仮想線及び第1舌片13Aの両端を結ぶ仮想線が幅方向に沿っている。これにより、第1挿入口5Aは、下方から指を挿入可能な構成となっている。このような変形例によれば、下方から挿入された指は、第1内部空間4Aにおいて上下方向に沿う姿勢となる。これにより、パウチ容器A1kが幅方向にずれることを抑制することができる。
<第1実施形態 第12変形例>
図22は、パウチ容器A1の第12変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1mにおいては、第1上方接合部651Aに途絶部6511Aが形成されている。途絶部6511Aは、ヒートシールが施されていない部分である。このため、途絶部6511Aを挟んで幅方向両側に位置する第1上方接合部651Aよりも、途絶部6511Aは、剛性が低い部分となっている。また、第2上方接合部651Bにも、途絶部6511Aと同様の途絶部が形成されている。途絶部6511Aの位置は特に限定されず、図示された例においては、たとえば、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bから挿入された親指や人差し指の指先が届かない位置、たとえば、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bと表面シート1A及び裏面シート1Bの幅方向他端縁との中間に形成されている。
図22は、パウチ容器A1の第12変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1mにおいては、第1上方接合部651Aに途絶部6511Aが形成されている。途絶部6511Aは、ヒートシールが施されていない部分である。このため、途絶部6511Aを挟んで幅方向両側に位置する第1上方接合部651Aよりも、途絶部6511Aは、剛性が低い部分となっている。また、第2上方接合部651Bにも、途絶部6511Aと同様の途絶部が形成されている。途絶部6511Aの位置は特に限定されず、図示された例においては、たとえば、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bから挿入された親指や人差し指の指先が届かない位置、たとえば、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bと表面シート1A及び裏面シート1Bの幅方向他端縁との中間に形成されている。
途絶部6511Aが設けられることにより、パウチ容器A1mは、図示された上下方向に延びる折り曲げ容易線FLに沿って折り曲げやすい構造となっている。これにより、開口部52を拡開する際に、折り曲げ容易線FLに沿うように表面シート1A、第1シート2A、第3シート3A、裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bを折り曲げることが可能であり、これらのシートが意図しない位置で折れ曲がってしまうことを回避することができる。
<第1実施形態 第13変形例>
図23は、パウチ容器A1の第13変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1nにおいては、第1上方接合部651Aに切り欠き部6512Aが形成されている。切り欠き部6512Aは、部分的にヒートシールされていない箇所である。第1上方接合部651Aは、切り欠き部6512Aにおける上下方向寸法が、切り欠き部6512Aに隣接する部分の上下方向寸法よりも小さく、剛性が低い部分となっている。切り欠き部6512Aが設けられることによっても、折り曲げ容易線FLが設定されるため、パウチ容器A1nを拡開する際に、折り曲げ容易線FLに沿うように表面シート1A及び裏面シート1Bを折り曲げることが可能である。
図23は、パウチ容器A1の第13変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1nにおいては、第1上方接合部651Aに切り欠き部6512Aが形成されている。切り欠き部6512Aは、部分的にヒートシールされていない箇所である。第1上方接合部651Aは、切り欠き部6512Aにおける上下方向寸法が、切り欠き部6512Aに隣接する部分の上下方向寸法よりも小さく、剛性が低い部分となっている。切り欠き部6512Aが設けられることによっても、折り曲げ容易線FLが設定されるため、パウチ容器A1nを拡開する際に、折り曲げ容易線FLに沿うように表面シート1A及び裏面シート1Bを折り曲げることが可能である。
<第1実施形態 第14変形例>
図24は、パウチ容器A1の第14変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1oにおいては、第1上方接合部651Aに段差部6513Aが形成されている。段差部6513Aは、第1上方接合部651Aの上下方向寸法が急峻に変化している部分であり、図示された例においては、段差部6513Aよりも幅方向右方の部分が、幅方向左方の部分よりも上下方向寸法が大きい。このような段差部6513Aが形成されることによっても、図示された折り曲げ容易線FLが設定されるため、パウチ容器A1nを拡開する際に、折り曲げ容易線FLに沿うように表面シート1A及び裏面シート1Bを折り曲げることが可能である。
図24は、パウチ容器A1の第14変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1oにおいては、第1上方接合部651Aに段差部6513Aが形成されている。段差部6513Aは、第1上方接合部651Aの上下方向寸法が急峻に変化している部分であり、図示された例においては、段差部6513Aよりも幅方向右方の部分が、幅方向左方の部分よりも上下方向寸法が大きい。このような段差部6513Aが形成されることによっても、図示された折り曲げ容易線FLが設定されるため、パウチ容器A1nを拡開する際に、折り曲げ容易線FLに沿うように表面シート1A及び裏面シート1Bを折り曲げることが可能である。
第12〜第14変形例から理解されるように、表面シート1A、裏面シート1B、第1シート2A、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bに折り曲げ容易線FLを設定しうる折り曲げ形成部を設けることにより、拡開をより適切に行うことができる。折り曲げ形成部としては、途絶部6511A、切り欠き部6512A及び段差部6513Aが例示されるほか、表面シート1A、第1シート2A、裏面シート1B、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bの少なくともいずれかに切り欠き部を設ける構成、表面シート1A、第1シート2A、裏面シート1B、第2シート2B、第3シート3A及び第4シート3Bの少なくともいずれかにミシン目線を設ける構成、上下方向に沿うシール部を設ける構成、等が挙げられる。折り曲げ形成部は、上述した構成によって、部分的に剛性を高めるまたは低下させることにより、折り曲げ容易線FLを設定可能なものであればよい。
<第1実施形態 第15変形例>
図25及び図26は、パウチ容器A1の第15変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1pにおいては、表面シート1A、第3シート3A、裏面シート1B及び第4シート3Bには、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bを構成するための切り欠きや切り込みが形成されていない。本変形例においては、吊り下げ孔71が形成された側方シール部62とは幅方向で反対側に位置する表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの側端部端同士が互いに固定されておらず、当該部分における第1シート2Aと第3シート3Aとの隙間によって第1挿入口5Aが構成されている。なお、表面シート1Aの内面と第3シート3Aの内面とが互いに固定された構成であってもよい。また、吊り下げ孔71が形成された側方シール部62とは幅方向で反対側に位置する裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの側端部端同士が互いに固定されておらず、当該部分における第2シート2Bと第4シート3Bとの隙間によって第2挿入口5Bが構成されている。なお、裏面シート1Bの内面と第4シート3Bの内面とが互いに固定された構成であってもよい。
図25及び図26は、パウチ容器A1の第15変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1pにおいては、表面シート1A、第3シート3A、裏面シート1B及び第4シート3Bには、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bを構成するための切り欠きや切り込みが形成されていない。本変形例においては、吊り下げ孔71が形成された側方シール部62とは幅方向で反対側に位置する表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aの側端部端同士が互いに固定されておらず、当該部分における第1シート2Aと第3シート3Aとの隙間によって第1挿入口5Aが構成されている。なお、表面シート1Aの内面と第3シート3Aの内面とが互いに固定された構成であってもよい。また、吊り下げ孔71が形成された側方シール部62とは幅方向で反対側に位置する裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bの側端部端同士が互いに固定されておらず、当該部分における第2シート2Bと第4シート3Bとの隙間によって第2挿入口5Bが構成されている。なお、裏面シート1Bの内面と第4シート3Bの内面とが互いに固定された構成であってもよい。
このような変形例によれば、表面シート1A、第3シート3A、裏面シート1B及び第4シート3Bに切り欠きや切り込みを形成することなく、第1挿入口5A及び第2挿入口5Bを設けることが可能である。また、本変形例から理解されるように、第1内部空間4A及び第2内部空間4Bに通じる第1挿入口5A及び第2挿入口5Bを設ける手法は、表面シート1A、第3シート3A、裏面シート1B及び第4シート3Bに切り欠きや切り込みを設ける手法に限定されず、種々の手法を用いることができる。
<第1実施形態 第16変形例>
図27及び図28は、パウチ容器A1の第16変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1qにおいては、第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bが設けられている。第1補助接合部66Aは、第1シート2A及び第3シート3Aの下端部同士が固定された第1下方接合部654Aの一部と表面シート1Aとを接合により固定する部分である。第2補助接合部66Bは、第2シート2B及び第4シート3Bの下端部同士が固定された第2下方接合部654Bの一部と裏面シート1Bとを接合により固定する部分である。図示された例においては、第1補助接合部66Aは、上下方向において第1下方接合部654Aと略同じ位置にあり、表面シート1A及び第1下方接合部654Aの幅方向略中央に設けられている。また、第2補助接合部66Bは、上下方向において第2下方接合部654Bと略同じ位置にあり、裏面シート1B及び第2下方接合部654Bの幅方向略中央に設けられている。また、第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bは、点形状であり、図示された例においては、矩形状である。なお、第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bの形状は、矩形状以外の多角形状や円形状等であってもよい。第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bを形成する接合方法は特に限定されず、ヒートシールや接着剤等を適宜採用すればよい。図示された例においては、第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bは、接着剤を用いることによって形成されている。
図27及び図28は、パウチ容器A1の第16変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1qにおいては、第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bが設けられている。第1補助接合部66Aは、第1シート2A及び第3シート3Aの下端部同士が固定された第1下方接合部654Aの一部と表面シート1Aとを接合により固定する部分である。第2補助接合部66Bは、第2シート2B及び第4シート3Bの下端部同士が固定された第2下方接合部654Bの一部と裏面シート1Bとを接合により固定する部分である。図示された例においては、第1補助接合部66Aは、上下方向において第1下方接合部654Aと略同じ位置にあり、表面シート1A及び第1下方接合部654Aの幅方向略中央に設けられている。また、第2補助接合部66Bは、上下方向において第2下方接合部654Bと略同じ位置にあり、裏面シート1B及び第2下方接合部654Bの幅方向略中央に設けられている。また、第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bは、点形状であり、図示された例においては、矩形状である。なお、第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bの形状は、矩形状以外の多角形状や円形状等であってもよい。第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bを形成する接合方法は特に限定されず、ヒートシールや接着剤等を適宜採用すればよい。図示された例においては、第1補助接合部66A及び第2補助接合部66Bは、接着剤を用いることによって形成されている。
このような変形例によれば、第1補助接合部66Aによって第1シート2A及び第3シート3Aの下端縁の一部ずつが、表面シート1Aに繋がっている。また、第2補助接合部66Bによって第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁の一部ずつが、裏面シート1Bに繋がっている。これにより、開口部52を拡開する際に、表面シート1Aと第1シート2A及び第3シート3Aとが極端に離れすぎてしまうことや、裏面シート1Bと第2シート2B及び第4シート3Bとが極端に離れすぎてしまうことを回避することが可能である。また、第1シート2A及び第3シート3Aの下端縁の幅方向における一部のみが第1補助接合部66Aによって表面シート1Aに繋がり、第2シート2B及び第4シート3Bの下端縁の幅方向における一部のみが第2補助接合部66Bによって裏面シート1Bに繋がっているため、開口部52を拡開する際に、表面シート1A、第1シート2A及び第3シート3Aと裏面シート1B、第2シート2B及び第4シート3Bとの変形が不当に妨げられることを回避することができる。
<第1実施形態 第17変形例>
図29及び図30は、パウチ容器A1の第17変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1rにおいては、第3補助接合部67A及び第4補助接合部67Bが設けられている。第3補助接合部67Aは、第1舌片13Aと第3舌片33Aとを接合するものであり、第4補助接合部67Bは、第2舌片13Bと第4舌片33Bとを接合するものである。第3補助接合部67A及び第4補助接合部67Bを形成する手法は特に限定されず、ヒートシールや超音波溶着、接着剤等が適宜用いられ、図示された例においては接着剤が用いられている。第3補助接合部67A及び第4補助接合部67Bの形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、第1舌片13A、第3舌片33A、第2舌片13B及び第4舌片33Bの略中央に矩形状の接合領域として設けられている。このような変形例によれば、第1舌片13A及び第3舌片33Aを一括して第1内部空間4Aに挿入する動作や、第2舌片13B及び第4舌片33Bを第2内部空間4Bに一括して挿入する動作を、より確実に行うことができる。
図29及び図30は、パウチ容器A1の第17変形例を示している。本変形例のパウチ容器A1rにおいては、第3補助接合部67A及び第4補助接合部67Bが設けられている。第3補助接合部67Aは、第1舌片13Aと第3舌片33Aとを接合するものであり、第4補助接合部67Bは、第2舌片13Bと第4舌片33Bとを接合するものである。第3補助接合部67A及び第4補助接合部67Bを形成する手法は特に限定されず、ヒートシールや超音波溶着、接着剤等が適宜用いられ、図示された例においては接着剤が用いられている。第3補助接合部67A及び第4補助接合部67Bの形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、第1舌片13A、第3舌片33A、第2舌片13B及び第4舌片33Bの略中央に矩形状の接合領域として設けられている。このような変形例によれば、第1舌片13A及び第3舌片33Aを一括して第1内部空間4Aに挿入する動作や、第2舌片13B及び第4舌片33Bを第2内部空間4Bに一括して挿入する動作を、より確実に行うことができる。
以上に述べた第1〜第17変形例の各部の構成は、互いに組み合わせて適宜採用することが可能であり、また、以上に述べる実施形態にも適宜組み合わせることができる。
本発明に係るパウチ容器及びパウチ容器の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るパウチ容器及びパウチ容器の製造方法の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A1,A1a,A1b,A1c,A1d,A1e,A1f,A1g,A1h,A1i,A1j,A1k,A1m,A1n,A1o,A1p,A1q,A1r:パウチ容器
1A :表面シート
1B :裏面シート
2A :第1シート
2B :第2シート
3A :第3シート
3B :第4シート
1Az,1Bz,2Az,2Bz,3Az,3Bz,53z:長尺体
4A :第1内部空間
4B :第2内部空間
5A :第1挿入口
5B :第2挿入口
6z :シール部
10 :パウチ容器
11A :第1切り欠き
12A :第1切り込み
12B :第2切り込み
13A :第1舌片
13B :第2舌片
15A :第1折り返し部
15B :第2折り返し部
16A :第5折り返し部
16B :第6折り返し部
25A :第3折り返し部
25B :第4折り返し部
26A :第7折り返し部
26B :第8折り返し部
31A :第3切り欠き
32A :第3切り込み
32B :第4切り込み
33A :第3舌片
33B :第4舌片
51 :充填部
52 :開口部
53 :チャック
54 :注出部
61 :底シール部
62 :側方シール部
63 :注出シール部
65A :第1接合部
65Az :シール部
65B :第2接合部
65Bz :シール部
66A :第1補助接合部
66B :第2補助接合部
67A :第3補助接合部
67B :第4補助接合部
71 :吊り下げ孔
72 :係止部
310A,310B:切り欠き
320A,320B:貫通孔
651A :第1上方接合部
6511A:途絶部
6512A:切り欠き部
6513A:屈曲部
651B :第2上方接合部
652A :第1側方接合部
652B :第2側方接合部
654A :第1下方接合部
654B :第2下方接合部
CL :切断線
FL :折り曲げ容易線
1A :表面シート
1B :裏面シート
2A :第1シート
2B :第2シート
3A :第3シート
3B :第4シート
1Az,1Bz,2Az,2Bz,3Az,3Bz,53z:長尺体
4A :第1内部空間
4B :第2内部空間
5A :第1挿入口
5B :第2挿入口
6z :シール部
10 :パウチ容器
11A :第1切り欠き
12A :第1切り込み
12B :第2切り込み
13A :第1舌片
13B :第2舌片
15A :第1折り返し部
15B :第2折り返し部
16A :第5折り返し部
16B :第6折り返し部
25A :第3折り返し部
25B :第4折り返し部
26A :第7折り返し部
26B :第8折り返し部
31A :第3切り欠き
32A :第3切り込み
32B :第4切り込み
33A :第3舌片
33B :第4舌片
51 :充填部
52 :開口部
53 :チャック
54 :注出部
61 :底シール部
62 :側方シール部
63 :注出シール部
65A :第1接合部
65Az :シール部
65B :第2接合部
65Bz :シール部
66A :第1補助接合部
66B :第2補助接合部
67A :第3補助接合部
67B :第4補助接合部
71 :吊り下げ孔
72 :係止部
310A,310B:切り欠き
320A,320B:貫通孔
651A :第1上方接合部
6511A:途絶部
6512A:切り欠き部
6513A:屈曲部
651B :第2上方接合部
652A :第1側方接合部
652B :第2側方接合部
654A :第1下方接合部
654B :第2下方接合部
CL :切断線
FL :折り曲げ容易線
Claims (10)
- 表面シートと裏面シートとを備えるパウチ容器であって、
前記表面シートと前記裏面シートとに囲まれた空間が内容物の充填部を形成し、
前記充填部に繋がる開口部が、前記パウチ容器上部の前記表面シートと前記裏面シートとの間に形成されており、
前記パウチ容器は、さらに、
前記表面シートの内側に設けられた第1シートと、
前記裏面シートの内側に設けられた第2シートと、
前記表面シートと前記第1シートとの間に設けられ、且つ上端縁及び下端縁が前記第1シートに繋がる第3シートと、
前記裏面シートと前記第2シートとの間に設けられ、且つ上端縁及び下端縁が前記第2シートに繋がる第4シートと、
前記第1シートと前記第3シートとの間に形成された第1内部空間と、
前記第2シートと前記第4シートとの間に形成された第2内部空間と、
前記第1内部空間に指を挿入可能に形成された第1挿入口と、
前記第2内部空間に指を挿入可能に形成された第2挿入口と、
を備え、
前記第1シート及び前記第3シートの下端縁の少なくとも一部は、前記表面シートに繋がっておらず、
前記第2シート及び前記第4シートの下端縁の少なくとも一部は、前記裏面シートに繋がっていない、パウチ容器。 - 前記各シート同士が繋がる構造は、別体のシート同士が固定された構造を含む、請求項1に記載のパウチ容器。
- 前記第3シート及び前記第4シートの少なくとも一方は、前記表面シート又は前記裏面シートと対面する外面がベースフィルム層からなり、前記第1シート又は前記第2シートと対面する内面がシーラント層からなる、請求項1又は2に記載のパウチ容器。
- 前記第1シート及び前記第3シートの上端縁は、そのすべてが前記表面シートに繋がっており、
前記第2シート及び前記第4シートの上端縁は、そのすべてが前記裏面シートに繋がっている、請求項1ないし3のいずれかに記載のパウチ容器。 - 前記第1シート及び前記第3シートの下端縁が互いに繋がる部分のうち前記第1内部空間の境界を形成する部分は、そのすべてが前記表面シートに繋がっておらず、
前記第2シート及び前記第4シートの下端縁が互いに繋がる部分のうち前記第2内部空間の境界を形成する部分は、そのすべてが前記裏面シートに繋がっていない、請求項4に記載のパウチ容器。 - 前記第1挿入口は、前記表面シートに設けられた第1切り欠き又は第1切り込みと、前記第3シートに設けられた第3切り欠き又は第3切り込みと、により形成されており、
前記第2挿入口は、前記裏面シートに設けられた第2切り欠き又は第2切り込みと、前記第4シートに設けられた第4切り欠き又は第4切り込みと、により形成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載のパウチ容器。 - 前記第1切り欠き又は前記第1切り込みと前記第3切り欠き又は前記第3切り込みとは、容器幅方向に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されており、
前記第2切り欠き又は前記第2切り込みと前記第4切り欠き又は前記第4切り込みとは、容器幅方向に向かって凸状に膨らむ曲線で形成されている、請求項6に記載のパウチ容器。 - 前記表面シートのうち前記第1切り込みと前記第1切り込みの両端を結ぶ仮想線とによって囲まれた部分である第1舌片の少なくとも一部が、前記第1内部空間内に位置しており、
前記裏面シートのうち前記第2切り込みと前記第2切り込みの両端を結ぶ仮想線とによって囲まれた部分である第2舌片の少なくとも一部が、前記第2内部空間内に位置している、請求項7に記載のパウチ容器。 - 前記開口部を閉じるチャックをさらに備えており、
前記第1シート、前記第2シート、前記第3シート及び前記第4シートは、前記チャックよりも上方に設けられている、請求項1ないし8のいずれかに記載のパウチ容器。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載のパウチ容器の製造方法であって、
前記表面シート、前記第3シート及び前記第1シートをこの順で重ね合わせる重合工程と、
前記表面シート、前記第3シート及び前記第1シートの一部同士を、ヒートシールによって接合するヒートシール工程と、を備えており、
前記表面シートは、前記第3シートと対面する内面がシーラント層からなり、
前記第1シートは、前記第3シートと対面する外面がシーラント層からなり、
前記第3シートは、前記表面シートと対面する外面がベースフィルム層からなり且つ前記第1シートと対面する内面がシーラント層からなるとともに、前記表面シート及び前記第1シートの双方と重なる位置に貫通孔が形成されており、
前記ヒートシール工程においては、前記第3シートの前記貫通孔を通じて前記表面シートと前記第1シートとを接合する、パウチ容器の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2017136155A JP2019018863A (ja) | 2017-07-12 | 2017-07-12 | パウチ容器及びパウチ容器の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017047278A (ja) * | 2012-06-26 | 2017-03-09 | 株式会社フジシールインターナショナル | パウチ容器 |
-
2017
- 2017-07-12 JP JP2017136155A patent/JP2019018863A/ja active Pending
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