本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
〔作業機〕
図1には、本発明に係る表示装置30が備えられた普通型のコンバイン(本発明に係る「作業機」に相当する。)1が示されている。
普通型のコンバイン1(以下、コンバイン1という。)は、機体に走行部(図示せず)、刈取部2、脱穀部3、選別部4、貯留部5、排出部6、操縦部9等の作業部及びこれらの動力源としてのエンジン(図示せず)が備えられるとともに、各作業部及びエンジンを制御する機体制御装置20(図4参照)が備えられている。
走行部は、左右一対のクローラ式走行部から構成され、機体を前進、後進及び旋回させるように構成されている。走行部には、機体の走行速度を検出する走行速度センサー1a(図4参照)や、駐車ブレーキ(図示せず)が掛かっていることを検出するブレーキセンサー1b(図4参照)が備えられている。なお、走行部は、クローラ式走行部に限らず、ホイール式走行部から構成されていてもよい。
刈取部2は、機体のうち前部に、機体に対して昇降可能に設けられるとともに、機体の前進に伴って圃場の穀物を引き起こして刈り取りし、脱穀部3へ送るように構成されている。
脱穀部3は、機体のうち刈取部2の左後方に設けられ、刈取部2から送られてきた穀物を受け取り、こぎ胴によって脱穀するように構成されている。なお、脱穀された処理物(以下、脱穀処理物という。)は、選別部4へ落下するように構成されている。脱穀部3には、脱穀部3の負荷を検出するこぎ胴センサー3a(図4参照)や、こぎ胴のカバーが適切に閉じられていないことを検出するカバーセンサー(図示せず)が備えられている。
選別部4は、機体のうち脱穀部3の下方に設けられた、脱穀部3から送られてきた脱穀処理物を、比重選別等の選別方式によって、選別の目的物であるモミと、排わら等の排出物とに分別するように構成されている。なお、モミは貯留部5に送られ、排出物はコンバイン1の外部に排出される。選別部4には、選別部4の負荷を検出するシーブセンサー4a(図4参照)が備えられている。
貯留部5は、機体のうち選別部4の右方に設けられ、選別部4から送られてきたモミを貯留するように構成されている。貯留部5には、貯留部5に貯留されているモミの水分・タンパクの含有率を検出する食味センサー5a(図4参照)、及び貯留部5に貯留されているモミの収量を検出する収量センサー5b(図4参照)が備えられている。
排出部6は、機体のうち貯留部5の上方に設けられた、いわゆるアンローダであり、貯留部5に貯留されているモミをコンバイン1の外部に排出するように構成されている。排出部6には、アンローダの旋回を検出する旋回センサー6a(図4参照)が備えられている。
エンジンは、ディーゼル軽油を燃料として駆動するディーゼルエンジンから構成されている。エンジンには、エンジンの回転速度を検出する回転速度センサー7a(図4参照)、エンジンの水温を検出する水温センサー7b(図4参照)が備えられている。ディーゼル軽油が貯留される燃料タンクには、その残量を検出する燃料センサー7c(図4参照)が備えられている。
さらに、コンバイン1の機体にはカメラ8が備えられ、コンバイン1の後方を撮影可能となっている。
操縦部9は、機体のうち刈取部2の右後方であって、貯留部5の前方に設けられ、コンバイン1を操縦する作業員が搭乗可能に構成されている。操縦部9に、運転席10、運転操作部11、表示装置30等が設けられている。
運転席10は、作業員の長時間の着席を可能とする座り心地の良い座席から構成されている。作業員は運転席10の右側に設けられている昇降部12を介して運転席10に対して乗り降りすることができる。
運転操作部11は、走行操作具としての操作レバー部13、変速操作具としての主変速レバー14、クラッチレバー15、及び操作パネル部16等を有している。
操作レバー部13は、運転席10の右前方に設けられている。操作レバー部13は、前後左右の十字方向に揺動可能であり、例えば、操作レバー部13が右方向に揺動操作されると、コンバイン1が右方向に旋回するように走行部が制御され、操作レバー部13が左方向に揺動操作されると、コンバイン1が左方向に旋回するように走行部が制御される。
なお、機体の左右にはウインカーランプ18,19が設けられ、ウインカーランプ18,19は、操作パネル部16に設けられたウインカースイッチの操作に応じて点滅するように構成されている。ウインカーランプ18,19は、ウインカースイッチの再操作によって、又は操作レバー部13の左右方向への揺動操作の終了に伴って、点滅が終了するように構成されている。
操作レバー部13が前方向に揺動操作されると、刈取部2が下降し、操作レバー部13が後方向に揺動操作されると、刈取部2が上昇する。さらに、操作レバー部13には、水平面に対する機体の前後左右の傾きを調節する傾き調節装置のための傾斜角手動調節スイッチ郡が設けられている。
主変速レバー14は、前後に揺動可能であり、例えば主変速レバー14が前方に揺動操作されると、コンバイン1が前進するように走行部が制御され、主変速レバー14が後方に揺動操作されると、コンバイン1が後進するように走行部が制御される。さらに、主変速レバー14には、走行速度域と作業速度域とを切り替える副変速スイッチや、通常時と倒伏時とにおいてこぎ深さを切り替える切替スイッチ等が設けられている。
クラッチレバー15は、前後に揺動可能であり、その操作に応じて脱穀クラッチ及び刈取クラッチの入切等が切り替えられるように構成されている。
操作パネル部16は、運転席10の左側方に設けられている。操作パネル部16には、エンジンの始動及び停止切替スイッチ、刈り取り高さの調節ノブ、車速の調節ノブ、及び脱穀対象物の選択ノブ等のノブ類や、アンローダの姿勢変更ボタン、アンローダによるモミ排出の開始ボタン、及びモミ排出の停止ボタン等のボタン類等を有する操作ボタン群が設けられている。
図4に示すように、機体制御装置20に、機体制御部21、機体通信部22、及び機体記憶部23が備えられ、上述した各作業部に備えられた走行速度センサー1a、ブレーキセンサー1b、こぎ胴センサー3a、シーブセンサー4a、食味センサー5a、収量センサー5b、旋回センサー6a、回転速度センサー7a、水温センサー7b、及び燃料センサー7c等の各種センサーからの検出信号に基づいて、走行速度、駐車ブレーキの状態、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、脱穀対象物の種別(稲、麦、大麦)、こぎ胴の負荷レベル、シーブの負荷レベル、食味、収量、アンローダの旋回、エンジンの回転速度、水温、尿素SCR残量、及び燃料レベル等の各種情報を取得したり、カメラ8からの画像信号に基づいて撮影画像を取得したり、機体通信部22及び表示通信部42間で通信を行うことによって操縦部9側から取得した操作信号に基づいて各作業部及びエンジンを制御するように構成されている。また、コンバイン1による作業開始時に、表示制御装置40において入力されたパスワード信号を受信して、これが正しいとエンジンを始動させ、正しくないとエンジンを始動させないといった制御が可能に構成されている。機体制御装置20は、CPU、ROM、RAM、I/O等が基板に実装されたマイコンから構成されている。
上述の構成によって、コンバイン1は、操縦部9における操作に基づいて、エンジンの動力を各作業部に伝達し、走行部によってコンバイン1を走行させながら、刈取部2によって圃場の穀物を刈り取り、脱穀部3によって脱穀し、選別部4において分別し、貯留部5においてモミを貯留するといった各作業が行われるように構成されている。
〔表示装置〕
表示装置30は、例えば走行速度、燃料レベル等の情報を表示するものであり、運転席10に着座した作業員が視認及び操作しやすい位置に配置される。図1に示すように、本実施形態においては、運転席10の左前方に配置されている。表示装置30は、運転席10に着座した作業員の視界の前方から外れるため、圃場の前方を広く見渡しながらの作業が可能となる。
図2に示すように、表示装置30は、筐体31の正面視において、左側に表示部32が備えられ、右側に操作部33が備えられている。筐体31の内部に、表示部32に備えられた画面部34に表示する各種情報を制御する表示制御装置40(図4参照)が備えられている。
画面部34に表示される各種情報には、走行速度、駐車ブレーキの状態、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、脱穀対象物の種別(稲、麦、大麦)、こぎ胴の負荷レベル、シーブの負荷レベル、食味、収量、アンローダの旋回、エンジンの回転速度、水温、尿素SCR残量、及び燃料レベル、運転時間、日時等の各種情報、操作部33の操作内容、各種報知情報等が含まれ、表示制御装置40は、必要に応じて表示通信部42及び機体通信部22間で通信を行うことによって機体制御装置20が有する情報を取得することができるように構成されている。
図2及び図3に示すように、筐体31は、例えば樹脂の射出成型等によって、全体として横長の矩形状であり、かつ各角部は丸みを帯びた形状であり、さらに操作部33における表面が、表示部32における表面に対して、手前側に傾斜しながら立ち上がるような形状に形成されている。このような形状により、操作部33側を作業員に近づけることができるため、作業員の指が届きやすく操作性がよい。
筐体31は、少なくとも操作部33側において、その厚みが、作業員の手によって掴むことができるように構成され、操作部33は作業員が操作部33を掴んだ状態において操作可能に構成されている。作業員は、親指によって操作部33を操作するにあたり、筐体31の裏面に親指以外の指をまわし筐体31を支えることができる。したがって、コンバイン1の走行中のように機体が揺れる状況下においても確実な操作が可能となっている。
筐体31は、正面視において、操作部33側の下側角部が切りかかれた形状に構成されている。そのため、作業員の乗降の際や着席した際に、作業員の脚部、特に膝部があたりにくい。したがって、作業員の乗降の際に邪魔になりにくく、着座の際に両足を開き気味の安定した姿勢をとることができる。また、作業員が操作部33を掴んだ際に、操作部33に備えられている、後述する操作具38に指が届きやすいため操作性がよい。
〔表示部〕
筐体31は表示部32側に矩形開口部31aと細長開口部31bとが備えられ、操作部33側に台形開口部31cが備えられている。筐体31は、正面視において、矩形開口部及び細長開口部の裏面にはパネル体31dが備えられている。
画面部34は、本実施形態においては、横長の矩形の表示領域を有するカラー液晶モニターから構成されている。カラー液晶モニターは、視認性、省スペース、価格等の観点から7インチ程度の大きさが好ましい。
画面部34は、表示制御装置40によって制御され、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての設定又は状態に関する各種情報に応じた情報画像を表示可能となっている。
パネル体31dは、樹脂性の平板から構成され、画面部34の表示領域に対応する箇所において、光透過性を有するように構成されている。
筐体31の正面視において、画面部34と操作部33との間において、画面部34と間隔をあけて、コンバイン1の作業負荷のレベル、本実施形態においてはエンジンの負荷の状態を表す負荷表示部35が備えられている。
コンバイン1の作業負荷のレベルとしてエンジンの負荷の状態は、適切な作業の継続の観点から、重要度が高い情報であり、このような重要度が高い情報を、画面部34とは別に、表示部32よりも作業員の近くに設けた負荷表示部35によって、その他の各種情報とは分けて表示することにより、視認性が高められている。また、操作部33を作業員の近くに配置することによって操作性が高められている。
画面部34の同じ表示領域内に、作業負荷のレベルを表す画像を表示しようとすると、作業負荷のレベルを表すためのプログラムが必要となったり、その他の情報画像を表示するスペースが少なくなってしまうため、視認性を高めるには、より大きな表示領域を有する画面部34が必要となってしまう。カラー液晶モニターは、表示領域が大きなものほど、筐体を大きくする必要があり、また高価になってしまう。画面部34と負荷表示部35と分けることにより、作業負荷のレベルを表すためのプログラムや、大きな表示領域を有する画面部34が不要となる。
また、画面部34と負荷表示部35と分けることにより、画面部34が何らかの原因により正常に機能しないときであっても、負荷表示部35による作業負荷のレベルを確実に表すことができる。
負荷表示部35は、画面部34の右側の一辺に沿って配置された細長開口部31b内に、上下方向に並設された複数の発光部、例えば、図3に示すように、筐体31の内部に備えられた基板36に実装された複数の白色のLED素子35zによって各セグメント35a〜35eが構成されたレベルメータから構成されている。
文字や数値によってエンジンの負荷の状態を表示する場合にくらべて、作業員は容易にその状態を確認することができる。なお、負荷表示部35は、上下方向にまっすぐ備えられていてもよし、多少湾曲して備えられてもよい。
パネル体31dは、各セグメント35a〜35eが配置されている箇所において光透過性を有しながらも、セグメント35a〜35cに対応する箇所は緑色に、セグメント35dに対応する箇所は橙色に、セグメント35eに対応する箇所は赤色に着色されて構成されている。
各LED素子は、作業負荷のレベルに応じて、セグメント35aからセグメント35eにかけて発光制御され、例えば作業負荷のレベルが低いときは、セグメント35aのみが点灯し、作業負荷のレベルが増えるにつれて点灯するセグメントが増え、作業負荷のレベルが最も高いと全セグメント35a〜35eが点灯する。
負荷表示部35は、画面部34の右側の一辺に沿って上下方向に各セグメント35a〜35eが並設され、さらに作業負荷のレベルが最も高いときに、最も上にあるセグメント35eを点灯させるように構成されている。したがって、作業負荷が高いほど作業員の注意を引きやすい。
矩形開口部31aと細長開口部31bとは、縦方向に同じ長さに構成され、負荷表示部35は、細長開口部31bの縦方向と略同じ長さに亘って各セグメント35a〜35eが配置されている。したがって、負荷表示部35は、画面部34の右側の一辺よりも長く、矩形開口部31aの縦方向の長さ、すなわち画面部34、及び後述する標識配設部37が配置されている領域と長さと同じ長さを有する。
画面部34とは別に負荷表示部35を設けることによって、負荷表示部35の視認性を高めることができる。その際、負荷表示部35を、画面部34と操作部33との間に配置しながらも、画面部34と操作部33とが離れすぎていないため、筐体31をコンパクトにすることができる。
さらに、表示部32には、画面部34の下方に、画面部34と間隔をあけて標識配設部37が備えられている。標識配設部37は、画面部34の下側の一辺と同じ横幅を有し、該一辺に沿うように設けられている。標識配設部37に、コンバイン1に関する所定の情報に対応した標識37a〜37jが配置されている。
具体的には、標識配設部37には、ウインカーランプ18の点滅と同調して点滅する標識37a、充電系統に異常が発生しているときに点灯する標識37b、エンジンの回転中において潤滑系統が異常のときに点灯する標識37c、エンジンに関して異常が発生しているときに点灯する標識37d、駐車ブレーキが掛かっているときに点灯する標識37e、燃料の残量が少なくなったときに点灯する標識37f、尿素水の品質異常があるときに点灯する標識37g、尿素SCRシステムに異常が発生しているときに点灯する標識37h、作業灯の点灯と同調して点灯する標識37i、ウインカーランプ19の点滅と同調して点滅する標識37jが備えられている。
パネル体31dは、各標識37a〜37jが配置されている箇所において、光透過性を有しながらも、標識37a,37jに対応する箇所は緑色に、標識37b,37c,37d,37e,37hに対応する箇所は赤色に、標識37fに対応する箇所は黄色に、標識37iに対応する箇所は青色に着色されて構成されている。
図3に示すように、基板36には、各標識37a〜37jに対応する位置に発光部として複数の白色のLED素子37zが実装されている。各標識37a〜37jに対応する事象の発生に応答して各LED素子が発光制御されることによって、各標識37a〜37jが点灯ないし点滅するように構成されている。
このように、画面部34とは別に標識配設部37を設けながらも、筐体31をコンパクトにすることができる。画面部34、負荷表示部35及び標識配設部37を、全体として矩形に配置することによって、表示部32の意匠性が高められている。
〔操作部〕
操作部33は、表示部32の右側において、作業員が画面部34に表示される情報画像に関する操作をするためのものであり、作業員の操作を受け付ける操作具38が備えられている。操作具38は、筐体31の正面視において、上下方向の中央よりも上端側に配置されている。操作具38が作業員に近い位置に配置され指が届きやすいため操作性がよい。
操作具38は、少なくとも画面部34に表示された情報画像のスクロールを可能とする操作スイッチ群38a〜38d、具体的には、上スイッチ38a、左スイッチ38b、下スイッチ38c、右スイッチ38d、画面部34に表示された内容を確定する確定スイッチ38e、及び画面部34に各種情報に応じた情報画像が表示される情報表示モード70と画面部34への表示に関する設定画面が表示される設定モード80(図8参照)とを切り替えるための設定スイッチ38fを有している。
設定スイッチ38fは、操作スイッチ群38a〜38dよりも、表示部32側、具体的には、左スイッチ38b及び下スイッチ38cの左下方に配置されている。設定スイッチ38fは操作スイッチ群38a〜38dにくらべて操作頻度が低い。したがって、設定スイッチ38fを、操作スイッチ群38a〜38dより遠い位置に配置することによって、設定スイッチ38fを誤操作してしまう虞が減らされている。
操作具38は、台形開口部31cの内部に配置されるとともに、操作スイッチ群38a〜38dの操作面及び設定スイッチ38fの操作面は、筐体31の表面よりも窪んだ位置に配置されている。作業員が意図せず表示装置30に触れてしまっても、操作具38を誤操作してしまう虞が少ない。
〔表示制御装置〕
表示制御装置40は、画面制御部41、表示通信部42、表示記憶部43、操作入力部44、及び発光制御部45,46を備え、操作部33からの操作信号や、機体制御装置20から取得した各種情報に基づいて表示装置30を制御するものである。表示制御装置40は、CPU、ROM、RAM、I/O等が基板36に実装されたマイコンから構成されている。
画面制御部41は、画面部34に所定の文字や画像等を所定の態様によって表示する。表示記憶部43には、各種情報に応じた背景画像が記憶されており、画面制御部41は、これを呼び出すとともに、例えば、湾曲した上下方向に沿って単位目盛りが配置され、各種情報に応じて単位目盛り間に所定の表示色を表示させるように構成されたグラフ状画像としてのバーグラフや、単位目盛りが円弧状に配置された目盛り盤領域と、各種情報に応じて目盛り盤領域の中心を回転軸として回転し、各種情報に応じた値をさす指針とから構成されたメータ状画像としてのタコメータを画面部34に表示させる。なお、所定の表示色とは、一色であってもよいし、複数の色であってもよい。また、色調や明暗等が段階的に変化するようなものも含まれる。
図2において、画面部34には、走行速度、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、脱穀対象物の種別(稲、麦、大麦)、こぎ胴の負荷レベル、シーブの負荷レベル、食味、収量、エンジンの回転速度、水温、尿素SCR残量、燃料レベル、運転時間、日時等の情報画像が表示されている。
画面制御部41は、昼夜に応じて同じ情報であっても、昼には輝度が高め、図2に示すように、例えば白を基調とした情報画像により表示し、夜には輝度が低め、図5に示すように、例えば黒を基調とした情報画像により表示することができ、昼夜に応じた表示によりその視認性が高められている。なお、このような切替は、後述する設定モード80における操作によって可能に構成されているが、時間帯によって、自動的に切替が行われるように構成されていてもよい。
以下、画面部34に表示される各種画像について説明する。
画面制御部41は、画面部34を、水平方向に直線状の境界によって上下に二分されている。本実施形態においては、図2に示すように、上側がメイン領域50であり、下側がサブ領域51である。なお、メイン領域50とサブ領域51との境界は、画面制御部41によって定義付けられていればよく、必ずしも人間が明確に認識できるような態様である必要はない。以下に説明する他の各領域についても同様である。
〔メイン領域〕
メイン領域50には、コンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての設定又は状態に関する各種情報のうち主要な情報に応じた情報画像が表示されるため、画面部34の大半、本実施形態においては約90%ものスペースが割り当てられている。
主要な情報には、走行速度、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、脱穀対象物の種別(稲、麦、大麦)、こぎ胴の負荷レベル、シーブの負荷レベル、食味、収量、エンジンの回転速度、水温、尿素SCR残量、燃料レベル、操作部33の操作内容、各種報知情報等が含まれる。
画面制御部41は、メイン領域50を、さらに固定表示領域52と、可変表示領域53とに分けるように構成されている。
固定表示領域52には、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1よる作業についての設定又は状態に関する各種情報のうち、特定の情報に応じた特定情報画像が表示される。特定の情報には、コンバイン1の作業中において、常に表示することが好ましい情報であり、走行速度、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、脱穀対象物の種別(稲、麦、大麦)、エンジンの回転速度が含まれる。
固定表示領域52は、メイン領域50のうち中央やや右よりの位置に配置され、その中央にコンバイン1の走行速度についての情報に基づいて、数値を表示させる態様によってコンバイン1の走行速度が表示されている。走行速度に応じた情報画像の周囲には、タコメータによってエンジンの回転速度が表示されている。
タコメータは、エンジンの回転速度を、単位目盛りが円弧状に配置された目盛り盤領域と、及び、目盛り盤領域の中心を回転軸として、エンジンの回転速度に応じて回転し、該回転速度に応じた値をさす指針とから構成されている。
走行速度に応じた情報画像の下方には、わら処理の状態(ドロッパ)、副変速機の状態(副H)、刈高さ(刈L)、脱穀対象物の種別(稲)が文字やアイコンによって表示されている。
このように、固定表示領域52が、画面部34の中央よりに配置されることにより、視認性及び画面部34に表示される各種情報の意匠性が高められている。
本実施形態においては、画面制御部41は、可変表示領域53を、固定表示領域52の左右に二箇所ずつ、固定表示領域52の目盛り盤領域の外周に沿うような形状を有する任意表示領域53a〜53dに分ける。
画面制御部41は、任意表示領域53a〜53dごとに、各種情報のうち、人為的な指示に基づいて選択された情報に応じた選択情報画像を表示すること、又は、人為的な指示に基づいていずれの情報に応じた情報画像も表示させないことが設定可能に構成されている。
任意表示領域53a〜53dに表示可能な、選択された情報には、少なくとも数値によって設定ないし状態を表す数値情報と、少なくともバーグラフによって設定ないし状態を表す増減情報とが含まれている。
数値情報として、食味、収量、燃料レベルが例示でき、増減情報として、収量、シーブの負荷レベル、水温、尿素SCR残量、燃料レベルが例示できる。固定表示領域52に表示される特定情報画像に関する特定の情報と、可変表示領域53に表示可能な選択情報画像に関する情報とは異ならされている。固定表示領域52と可変表示領域53とで表示される情報が被らない。
数値情報としての、食味、収量、及び燃料レベルは、「食味・収量(統計)」、「食味・収量」、「食味」、及び「収量・燃料」のように分類され、増減情報としての、収量、シーブの負荷レベル、水温、尿素SCR残量、及び燃料レベルは「モミレベル」、「シーブレベル」、「尿素SCR残量」、「燃料レベル」、及び「水温」のように分類される。
図2に示された画面部34においては、任意表示領域53aには「食味・収量(統計)」に応じた選択情報画像として、平均タンパク……(%)、平均水分……(%)、及び積算重収量……(kg)のように文字及び数値を含んだ画像が表示されている。
図2に示された画面部34においては、任意表示領域53bには「水温」に応じた選択情報画像として、水温を示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示されている。該バーグラフは、該、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることにより水温が表される。本実施形態においては、目盛りの数は8であり、そのうち上の一つが閾値レベルとして設定されている。
図2に示された画面部34においては、任意表示領域53cには「モミレベル」に応じた選択情報画像として、モミレベルを示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示されている。該バーグラフは、該、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることによりモミレベルが表される。本実施形態においては、目盛りの数は10であり、そのうち上の二つが閾値レベルとして設定されている。
図2に示された画面部34においては、任意表示領域53dには、「シーブレベル」に応じた選択情報画像として、シーブレベルを示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示されている。該バーグラフは、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることによりシーブレベルが表される。本実施形態においては、目盛りの数は5であり、そのうち上の一つが閾値レベルとして設定されている。
画面制御部41は、表示記憶部43に記憶されている背景画像のうち各種情報に応じた背景画像を呼び出すとともに、例えば、数値や文字、所定の目盛り間に所定の表示色を表示させることによって、各種情報のそれぞれに応じた情報画像を形成し、各種情報に応じた態様によって画面部34に表示するように構成されている。
ここで、図6に示すように、画面部34が情報表示モード70であるときに、操作具38の確定スイッチ38eを操作すると、図6に示すように、任意表示領域53a〜53dに表示すべき情報画像に応じた情報を選択可能な選択モード74に遷移する。
この選択モード74においては、固定表示領域52に対応する箇所に操作具38の上スイッチ38a又は下スイッチ38cを操作に伴って上下に回転するドラムロール式の選択肢画像53eが配置される。操作具38の上スイッチ38a又は下スイッチ38cを操作することによって、選択肢画像53eを回転させ、所定の項目において確定スイッチ38eを操作すると、任意表示領域に53a〜53dのうち切替の対象である任意表示領域に表示すべき情報画像に応じた情報が表示される。また、選択モード74において、左スイッチ38b又は右スイッチ38dを操作することによって任意表示領域に53a〜53dのうち、表示すべき情報画像に応じた情報の切替の対象となる任意表示領域を切替可能である。
切替可能な情報としては、上述のしたように、「食味・収量(統計)」、「食味・収量」、「食味」、「収量・燃料」のような項目に分類された数値情報と、「モミレベル」、「シーブレベル」、「尿素SCR残量」、「燃料レベル」、「水温」のような項目に分類された増減情報が存在する。
「食味・収量」を選択すると、これに応じた選択情報画像としては、タンパク……(%)、水分……(%)、及びモミ……(kg)のように文字及び数値を含んだ画像が表示される。
「食味」を選択すると、これに応じた選択情報画像としては、タンパク……(%)、及び水分……(%)のように文字及び数値を含んだ画像が表示される。
「収量・燃料」に応じた選択情報画像としては、モミ……(kg)、燃料消費収量……(L)のように文字及び数値を含んだ画像が表示される。
「尿素SCR残量」に応じた選択情報画像としては、尿素SCR残量を示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示される。該バーグラフは、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることにより尿素SCR残量が表される。本実施形態においては、目盛りの数は一であり、0レベルから満タンレベルのうち満タンレベル側の10〜20%程度に閾値レベルが設定されている。
「燃料レベル」に応じた選択情報画像としては、燃料レベルを示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示される。なお、該バーグラフは、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることにより燃料レベルが表される。本実施形態においては、目盛りの数は0レベルから満タンレベルまでの一であり、0レベルから満タンレベルのうち、満タンレベル側の10〜20%程度に閾値レベルが設定されている。
なお、収量、シーブの負荷レベル、水温、尿素SCR残量、燃料レベルは、重要度の高低が設定されている。
例えば、収量、シーブの負荷レベルは重要度が相対的に高く、水温、尿素SCR残量、燃料レベルは重要度が相対的に低いため、「モミレベル」、「シーブレベル」の項目を選択したときに表示されるバーグラフの単位目盛り間に表示される図形の少なくとも幅は、「尿素SCR残量」、「燃料レベル」、「水温」の項目を選択したときに表示されるバーグラフの単位目盛り間に表示される図形の幅よりも広くなっている。さらには、その表示色の輝度や彩度が高くして、視認性を高めてもよい。増減情報に応じて、表示する図形の少なくともサイズ又は表示色を変更することにより、該増減情報の視認性を高めることができる。重要度が高い情報ほど視認性が高くなる態様によって表示されるため、作業員は重要度が情報ほど確認しやすい。
また、画面制御部41は、数値情報、すなわち「食味・収量(統計)」、「食味・収量」、「食味」、及び「収量・燃料」に応じた数値情報画像を、複数の任意表示領域53a〜53dのうち画面部34において最も左に位置する任意表示領域53aにのみ表示可能に構成されている。
したがって、最も左に位置する任意表示領域53aには、「食味・収量(統計)」、「食味・収量」、「食味」、「収量・燃料」、「モミレベル」、「シーブレベル」、「尿素SCR残量」、「燃料レベル」、「水温」、及びいずれの情報に応じた情報画像も表示しないことを意味する「なし」の十項目の中からいずれかの項目を選択することができるように構成されている。
例えば、図6に示すように、任意表示領域53aについて、表示すべき選択情報画像に応じた情報を、「食味・収量(統計)」から、「尿素SCR残量」に切り替えることができる。
図6に示すように、数値情報、ここでは「食味・収量(統計)」に応じた数値情報画像を任意表示領域53aに表示するときは、該「食味・収量(統計)」に応じた情報画像を表示することとなる任意表示領域53aを、該任意表示領域53aに、増減情報、ここでは「尿素SCR残量」に応じた増減情報画像を表示させるときよりも、拡張して表示するように構成されている。
「食味・収量(統計)」のような数値情報画像と、「尿素SCR残量」のような増減情報画像とでは、数値情報画像のほうが、表示に広いスペースが必要である。上述のように、数値情報に応じた数値情報画像を表示するときには、十分なスペースを割り当てることによって、数値情報の視認性が高められている。
また、選択モード74においては、図7に示すように、任意表示領域53aについて、表示すべき選択情報画像に応じた情報を、「食味・収量(統計)」から、「なし」に切り替えることができる。
このとき、画面制御部41は、任意表示領域53bにおいて表示される「水温」についての選択情報画像が、任意表示領域53a側へと拡張されて表示するように構成されている。
具体的には、表示記憶部43には、同じ情報、ここでは「水温」に応じた情報画像であっても、幅の異なる背景画像が記憶されており、画面制御部41は幅の広いほうの背景画像を表示するとともに目盛りに所定の表示色を表示することによって、「水温」に応じた情報画像を形成し、これを画面部34に表示させる。
画面制御部41は、任意表示領域53a以外の任意表示領域53b〜58には、「モミレベル」、「シーブレベル」、「尿素SCR残量」、「燃料レベル」、「水温」、「なし」の六項目の中からいずれかの項目を選択することができるように構成されている。
また、画面制御部41は、同じ情報、例えば同じ「燃料レベル」についての情報であっても、その情報画像を、任意表示領域53a、任意表示領域53b、任意表示領域53c及び任意表示領域53dに対してそれぞれ異なった態様、例えば表示する画像の形状を異ならせることによって表示させるように構成されている。
具体的には、表示記憶部43には、同じ情報、例えば「燃料レベル」に応じた情報画像であっても、左右が反転したような背景画像が記憶されており、画面制御部41は表示することが選択された任意表示領域に対応した形状の背景画像を表示するとともに目盛りに所定の表示色を表示するように構成されている。このように、各種情報を、画面部34において表示することとなる任意表示領域53a〜53dの形状に応じて異ならせ、視認性に悪影響を与えることなく、意匠性が高くなるような態様で表示することができる。
すなわち、画面制御部41は、複数の任意表示領域53a〜53dを、画面部34における位置に応じて異ならせるとともに、任意表示領域53a〜53dごとに、その形状に応じた態様によって、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての設定又は状態に関する各種情報に応じた情報画像を表示可能に構成されている。
上述した実施形態においては、任意表示領域53a〜53dに表示させる情報が異なっている場合について説明したが、これに限らない。画面制御部41は、任意表示領域53a〜53dのすべてに同じ情報に応じた情報画像を表示させることもできるし、任意表示領域53a〜53dのうち、例えば一つにのみ項目「モミレベル」に応じた情報画像を表示し、その他の任意表示領域に項目「なし」に応じた、すなわちいずれの情報に応じた情報画像も表示させないことも可能である。
図8に示すように、表示制御装置40は、各種情報のうち任意表示領域53a〜53dに表示させる情報について選択された画面状態を複数パターン、本実施形態においては3パターンを表示記憶部43に記憶可能に構成され、画面制御部41は、表示記憶部に記憶された3パターンの画面状態のうち画面部34に表示させる画面状態を、人為的な指示に基づいて、例えば、操作具38の左スイッチ38b及び右スイッチ38dの操作により、スクロールさせて切替可能に構成されている。
なお、画面状態は、表示記憶部43において内部的に番号づけされるなどして区別され、例えば画面番号71、画面番号72、画面番号73のように区別され、コンバイン1の起動時には、毎回特定の画面番号71の画面状態が表示される。また、各画面番号71,72,73の画面状態から設定モード80に遷移した後に、情報表示モード70に戻るときは、設定モード80に遷移する直前の画面番号71,72,73に応じた画面状態が表示される。
図9に示すように、設定モード80においては、作業タブ81、メータータブ82、PFタブ83を選択して表示可能に構成される。
作業タブ81においては、メンテナンス時期、警報履歴、及びユーザの各項目が選択できる。ユーザ項目においては、複数の、例えば六名のユーザの登録及びその切替が可能である。警報履歴項目においては、所定数、例えば直近の七つの履歴の記憶及びその表示が可能である。なお、報知情報は、作業員が確認できるカテゴリと、確認できないカテゴリとに分けてもよい。
メータータブ82においては、盗難防止、昼/夜モード、輝度調整、時計、言語、及びカメラ表示の各項目が選択できる。PFタブ83においては、収量側定履歴、作業開始、燃料消費量リセット、こく粒重量警報、収量センサー0点補正、及びタンパク表示の各項目が選択できる。
表示制御装置40は、ユーザごとに、情報表示モード70における各任意表示領域53a〜53dに表示させる選択情報画像、昼/夜モード、輝度調整及び時計における設定を記憶することができる。
〔サブ領域〕
図2に示すように、サブ領域51は、メイン領域50にくらべて狭いスペースとなっている。サブ領域51に表示される情報には、運転時間、日時、各種報知情報等が含まれる。
画面制御部41は、サブ領域51のうち左端に運転時間(積算値)を表示し、右端に日時を表示する。また、運転時間の表示の右に、後述するように各種報知情報等を文字の態様による簡易画像によって表示する。また、各種報知情報等をアイコンによっても表示可能であり、このような警報に応じた情報としては、尿素SCRシステムに関する異常が例示できる。画面制御部41は、該異常が発生しているときは、サブ領域51のうち日時の表示の左に、該異常に応じたアイコンを表示する。
〔報知情報〕
画面制御部41は、画面部34に上述のような情報画像の他に、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業に関して報知すべき報知情報に応じた報知画像を表示可能に構成されている。
報知情報は、複数のカテゴリ、例えば異常情報、警報情報、自己診断情報、及び指示情報に分類され、さらに、各カテゴリごとに重要度の高低が設定されている。表示制御装置40は、機体制御装置20からこれらの報知情報を取得する。
画面制御部41は、各カテゴリごとに、詳細画像を異なる態様、例えば表示する画像の大きさ、色等を異ならせることによって画面部34に表示するように構成されている。
異常情報、警報情報、自己診断情報、及び指示情報は、この順に重要度の高低が設定され、画面制御部41は、重要度が相対的に高いカテゴリに属する報知情報に応じた報知画像がメイン領域50に表示されているときには、重要度が相対的に低いカテゴリに属する報知情報に応じた報知画像は表示しない。重要度が高い報知情報ほどそれに応じた報知画像を早めに表示することによって、作業員は重要度が高い報知情報ほど早くに内容を確認することができる。また、報知する情報によっては、標識配設部37において対応する標識の点灯が同時に行われる。
〔異常情報〕
異常情報に分類される情報としては、エンジンを停止させることとなった原因を作業員に報知する必要のある情報が含まれ、例えば刈取部2において穀物が詰まってしまったことを報知する「刈取詰まり」情報、操縦部9においてエンジン停止スイッチが押されたことを報知する「エンジン停止スイッチ」情報等が含まれる。
図10に示すように、画面制御部41は、「刈取詰まり」が発生したときは、「刈取詰まり」情報に応じた異常情報画像60を、少なくとも該異常の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されている。
この異常情報画像60には、報知情報を表すタイトル「刈取詰まり」と、その具体的な内容とが含まれる。さらに、具体的な内容に、報知情報に関するイラストと、該報知情報を報知することとなった事象についてのコメント「刈取部の供給搬送部にわらが詰まっています。供給搬送部のわらを取り除いてください。」とが含まれる。このようにタイトル及びその具体的な内容を用いた異常情報画像60を詳細画像という。作業員は、詳細画像に含まれるタイトル及びその具体的な内容により、その報知情報を容易に確認することができ、そして、報知情報に関するイラストと報知情報を報知することとなった事象についてのコメントとを参照することにより、その原因となった事象に的確に対処することができる。なお、図10から図16、及び図19におけるコンバイン1を左前方から見たイラストは例示でありこれに限らない。実際には警報等の内容に応じて、コンバイン1を、例えば後方より見たイラストや、コンバイン1の要部を拡大したイラストに、報知情報を報知することとなった事象が発生している箇所に対応する部分を着色したり、印を付加したりすることにより、その箇所の把握が容易となるように構成されている。
〔警報情報〕
警報情報に分類される情報としては、適切な作業が不可能であることを作業員に報知する必要のある情報が含まれ、例えばモミが満杯になっていることを報知する「もみ」情報、シーブケース上のこく粒が多くなっていることを報知する「シーブ」情報、燃料が少なくなっていることを報知する「燃料給油」情報、尿素SCRシステムの異常を報知する「SCRシステム異常」情報、尿素水の品質異常を報知する「尿素水品質異常」情報等が含まれる。
〔重度警報情報〕
警報情報のうち「燃料給油」情報、「SCRシステム異常」情報、「尿素水品質異常」情報等は、このような状態が報知されることになると、コンバイン1の走行に支障があることから、重度の警報情報に分類される。
図11に示すように、画面制御部41は、例えば、燃料センサー7cからの信号によって燃料の残量が少なくなっていることを検出したときは、「燃料給油」情報に応じた報知画像としての重度警報情報画像61を画面部34に表示するように構成されている。この重度警報情報画像61は、異常情報に応じた異常情報画像60よりは小さいものの、少なくとも該報知の原因が解消するまで、情報表示モード70における情報画像に重なるように画面部34に表示される。なお、画面制御部41は重度警報情報画像61を、少なくとも該報知の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されていてもよい。
この重度警報情報画像61には、報知情報を表すタイトル「燃料給油」と、その具体的な内容とが含まれる。さらに、具体的な内容に、報知情報に関するイラストと、該報知情報を報知することとなった事象についてのコメント「燃料が少なくなっています。エンジンを停止し、燃料を給油してください。」とが含まれる。なお、このような態様による警報画面も詳細画像という。
〔軽度警報情報〕
上記重度の警報情報に対して、警報情報のうち、「もみ」情報や「シーブ」情報は、これらを報知するような状態となっても、コンバイン1の走行には支障がないことから、軽度の警報情報に分類される。
図12に示すように、画面制御部41は、収量センサー5bからの信号によって、貯留部5に貯留されているモミが満杯になっていることを検出したときは、「もみ」情報に応じた報知画像としての軽度警報情報画像62を画面部34に表示するように構成されている。この軽度警報情報画像62は、画面部34に、重度の警報情報に応じた重度警報情報画像61と同じ大きさで表示される。なお、画面制御部41は軽度警報情報画像62を、少なくとも該報知の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されていてもよい。
この軽度警報情報画像62には、報知情報を表すタイトル「もみ」と、その具体的な内容とが含まれる。さらに、具体的な内容に、報知情報に関するイラストと、該報知情報を報知することとなった事象についてのコメント「もみが満杯です。作業を停止し、もみを排出してください。」とが含まれる。なお、このような態様による軽度警報情報画像62も詳細画像という。
少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業に関して報知すべき事象が発生したときに、その報知すべき内容を詳細に表した詳細画像がメイン領域50に表示されるため、作業員は容易にその内容を確認することができる。
画面制御部41は、作業員による操作部33の人為的な操作、例えば操作具38の下スイッチ38cが操作されると、画面部34に表示した軽度警報情報画像62を非表示とすることができるように構成されている。画面制御部41は、該操作に応じて、サブ領域51に、報知すべき内容を簡易に表した簡易画像を表示するように構成されている。例えば、報知情報として「もみ」情報が存在するときに、操作具38の下スイッチ38cが操作されると、メイン領域50に表示されていた「もみ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「もみ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。なお、このときメイン領域50には情報画像が表示される。
作業員は、該詳細画像の内容を確認した後は、その表示を終了させて、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての設定又は状態に関する各種情報に応じた情報画像をメイン領域50に再び表示させる。なお、報知すべき事象の内容を簡易に表示した簡易画像がサブ領域51に表示されるため、運転や作業を継続しながらも、報知すべき事象の内容を確認することができる。
また、画面制御部41は、サブ領域51に簡易画像として、「もみ」の文言を表示しているときに、人為的な表示切替指示に基づいて、例えば操作具38の下スイッチ38cを再び操作することによって、メイン領域50に表示していた情報画像に代えて軽度警報情報画像62の詳細画像、すなわち軽度警報情報画像62を表すタイトル「もみ」と、その具体的な内容とを再び表示する。その際、サブ領域51に表示している「もみ」の文言を非表示とするため表示が冗長とならない。
以上のように、画面制御部41は、軽度の警報情報が存在するときに、操作具38の操作に応じて、メイン領域50に詳細情報の態様で表示したり、サブ領域51に簡易情報の態様で表示したりすることができる。
さらに、画面制御部41は、特に、軽度の警報情報に分類される報知情報が複数存在するときに、メイン領域50に複数の報知情報のそれぞれに応じた複数の詳細画像を表示するにあたり、操作具38の人為的な表示切替指示に基づいて、複数の詳細画像を順次切り替えて表示可能に構成されている。
例えば、図13に示すように、報知情報として、「もみ」情報と「シーブ」情報とが存在するときに、画面部34のメイン領域50には、「もみ」情報に応じた軽度警報情報画像62が表示されている。ここで、操作具38の左スイッチ38b又は右スイッチ38dが操作されると、「シーブ」情報に応じた軽度警報情報画像63が切替表示される。なお、報知情報には優先度が設定され、優先度に応じて昇順又は降順により表示される。
また、画面制御部41は、作業員による操作部33の人為的な操作、例えば操作具38の下スイッチ38cの操作の度に、表示されている軽度警報情報画像62,63を、メイン領域50における表示から、サブ領域51における簡易画像として表示に切り替える。
上述と同様に、図13に示すように、報知情報として、「もみ」情報と「シーブ」情報とが存在するときに、画面部34には、「もみ」情報に応じた軽度警報情報画像62が表示されている。ここで、操作具38の下スイッチ38cが操作されると、メイン領域50に表示されていた「もみ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「もみ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。なお、このときメイン領域50には「シーブ」情報に応じた軽度警報情報画像63の詳細画像が切替表示される。
ここで、さらに、操作具38の下スイッチ38cが操作されると、メイン領域50に表示されていた「シーブ」情報に応じた軽度警報情報画像62の詳細画像が非表示となり、該詳細画像におけるタイトル「シーブ」も、サブ領域51に簡易画像として表示される。なお、このときメイン領域50には情報画像が表示される。
画面制御部41は、報知情報が複数存在するときに、例えば、報知情報として、「もみ」情報と「シーブ」情報とが存在するときに、サブ領域51に複数の報知情報のそれぞれに応じた複数の簡易画像を表示するにあたり、人為的な表示切替指示、例えば操作具38の左スイッチ38b又は右スイッチ38dの操作に基づいて、複数の簡易画像、すなわち、「もみ」情報に応じた簡易画像と「シーブ」情報に応じた簡易画像とを順次切り替えて表示可能に構成されている。
また、画面制御部41は、サブ領域51に簡易画像として、「もみ」又は「シーブ」の文言を表示しているときに、人為的な表示切替指示に基づいて、例えば操作具38の下スイッチ38cを再び操作することによって、メイン領域50に表示していた情報画像に代えて軽度警報情報画像62の詳細画像、すなわち報知情報を表すタイトル「もみ」と、その具体的な内容とを表示するとともに、サブ領域51に表示している「もみ」又は「シーブ」の文言を非表示とする。メイン領域50においては、操作具38の左スイッチ38b又は右スイッチ38dが操作されると、「シーブ」情報に応じた軽度警報情報画像63が軽度警報情報画像62に代えて表示される。
上述のように画面制御部41は、報知情報が複数存在するときであっても、操作具38の操作に応じて、メイン領域50に詳細情報の態様で表示したり、サブ領域51に簡易情報の態様で表示したりすることができる。
〔自己診断情報〕
自己診断情報に分類される報知情報としては、コンバイン1の機体の状態が正常でなくメンテナンスが必要であることを作業員に報知する必要のある情報が含まれ、例えばアンローダ(排出部6)の旋回センサー6a(図4参照)の微調整が行われていないことを報知する「アンローダ」情報、主変速レバー14のセンサー信号に異常が発生しているために、エンジンの始動ができないことを報知する「主変速レバー」情報等が含まれる。
図14に示すように、画面制御部41は、旋回センサー6aからの信号を検出したときは、例えば「アンローダ」情報に応じた報知画像としての自己診断情報画像64を画面部34に表示するように構成されている。このときの自己診断情報画像64は、画面部34には、上述した軽度の警報情報に応じた軽度警報情報画像62,63と同様に、情報表示モード70における情報画像に重なるように画面部34に表示される。なお、画面制御部41は自己診断情報画像64を、少なくとも該報知の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されていてもよい。
なお、操作具38を操作したときの挙動や、自己診断情報に分類される報知情報が複数存在するときの挙動は、上述した軽度警報についての挙動と同様である。
図15に示すように、画面制御部41は、軽度の警報情報である「もみ」情報と、「シーブ」情報と、自己診断情報である「アンローダ」情報とが混在するときに、まず、メイン領域50に「もみ」情報に応じた軽度警報情報画像62を表示する。操作具38の下スイッチ38cが操作されると、メイン領域50に表示されていた「もみ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「もみ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。そして、メイン領域50に「シーブ」情報に応じた詳細画面としての軽度警報情報画像63が切替表示される。操作具38の下スイッチ38cが操作されると、メイン領域50に表示されていた「シーブ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「シーブ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。そしてようやく、メイン領域50に「アンローダ」情報に応じた詳細画面としての自己診断情報画像64が切替表示される。さらに、操作具38の下スイッチ38cが操作されると、メイン領域50に表示されていた「アンローダ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「アンローダ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。
このように、画面制御部41は、軽度の警報情報と、自己診断情報とが混在するときには、軽度の警報情報のほうが自己診断情報よりも重要度が高いことから、軽度の警報情報に応じた軽度警報情報画像62のすべてをサブ領域51における簡易画像としての表示に切り替えないかぎり、自己診断情報に応じた自己診断情報画像64をメイン領域50に表示させない。
なお、画面制御部41は、サブ領域51に簡易画像として、「もみ」、「シーブ」又は「アンローダ」の文言を表示しているときに、人為的な表示切替指示に基づいて、例えば操作具38の下スイッチ38cを再び操作することによって、メイン領域50に表示していた情報画像に代えて軽度警報情報画像62の詳細画像、すなわち報知情報を表すタイトル「もみ」と、その具体的な内容とを表示するとともに、サブ領域51に表示している「もみ」、「シーブ」及び「アンローダ」の文言を非表示とする。
〔指示情報〕
指示情報に分類される情報としては、適切な作業を可能とするために作業員に報知する必要のある情報が含まれ、例えば駐車ブレーキが掛かったままになっていることを報知する「駐車ブレーキ」情報、脱穀部3においてこぎ胴のカバーが適切に閉じられていないことを報知する「こぎ胴」情報等が含まれる。
図16に示すように、画面制御部41は、ブレーキセンサー1bからの信号を検出したときは、「駐車ブレーキ」情報に応じた報知画像としての指示情報画像65を画面部34に表示するように構成されている。この指示情報画像65は、異常情報に応じた異常情報画像60よりは小さいものの、少なくとも該報知の原因が解消するまで、情報表示モード70における情報画像に重なるように画面部34に表示される。なお、画面制御部41は指示情報画像を66を、少なくとも該報知の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されていてもよい。
〔操作画像〕
さらに、図17に示すように、画面制御部41は、コンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての人為的な操作がされたときに、該操作に応じた操作画像66を、メイン領域50の一部に表示可能に構成されている。
人為的な操作としては、操作パネル部16におけるエンジンの始動及び停止切替スイッチ、主変速レバー14に設けられている副変速スイッチ(図示せず)及びこぎ深さの切替スイッチ(図示せず)、クラッチレバー15、操作ボタン群に設けられている刈り取り高さの調節ノブ、車速の調節ノブ、脱穀対象物の選択ノブ等のノブ類や、アンローダの姿勢変更ボタン、アンローダによるモミ排出の開始ボタン、モミ排出の停止ボタン等のボタン類の操作が例示できる。
例えば、こぎ深さの切替スイッチが操作されると、操作検出センサーからの信号が機体制御装置20を介して表示制御装置40に伝達される。操作検出センサーからの信号を取得した表示制御装置40は、こぎ深さの切替スイッチが操作されたと判断し、画面制御部41は、操作画像66を、メイン領域50側においてメイン領域50とサブ領域51との境界に沿ってアニメーションの態様によって表示する。操作画像66は、連続した動きをもって表示されるため、これを見る者の注意を引きやすい。なお、アニメーションはフェードインやカットインが例示できる。
操作画像66は、画面部34に対して小さめの矩形の画像であり、操作に応じた情報が文字、数値、アイコン等によって表示されている。
画面制御部41は、操作画像66を、可変表示領域53に表示するが、固定表示領域52には表示されないように構成されている。したがって、作業員は、操作に応じた情報を取得しつつ、固定表示領域52に表示されている情報の取得もできる。本実施形態においては、固定表示領域52が、操作画像66が表示されない第一表示領域であり、可変表示領域53が、操作画像66が表示される第二表示領域である。
画面制御部41は、表示した操作画像66を、人為的な操作の開始から一定時間後、例えば5秒後に、メイン領域50側においてメイン領域50とサブ領域51との境界に沿ってアニメーションの態様によって非表示する。連続した動きをもって操作画像66が非表示とされるため、これを見る者の注意を引きやすい。なお、アニメーションはフェードアウトやカットアウトが例示できる。
人為的な操作の終了と同時に、該操作に応じて表示された操作画像66が非表示となってしまう構成であると、操作画像66を確認し損ねる虞がある。これに対して、上述の構成によると、人為的な操作の開始から一定時間経過するまでは非表示とされないため、操作画像66を確認し損ねる虞を減らすことができる。なお、該操作画像66は自動的に非表示となるため、運転席にいる者が、該操作画像66を非表示とするための作業は不要である。
〔カメラ画像モード〕
さらに、画面制御部41は、例えば図2を用いて説明したような、情報表示モード70と、図18に示すような、画面部34にカメラ画像領域が含まれるカメラ画像モード90と有するように構成されている。
コンバイン1を後進させる操作、すなわち主変速レバー14が後方に揺動操作されると、これに連動して画面制御部41は、画面部34の表示を情報表示モード70からカメラ画像モード90による表示へと切り替える。したがって、作業員が該切り替えのための作業をする必要がない。
カメラ画像モード90においては、画面部34の中央のカメラ画像領域54には、カメラ8が撮影した撮影画像が表示され、カメラ画像領域54の左方の特定状態情報領域55に、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての特定の状態に関する特定状態情報として、エンジンの回転速度に応じた情報画像が表示され、カメラ画像領域54の右方の特定状態情報領域56に、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての特定の状態に関する特定状態情報として、モミレベルに応じた情報画像が表示される。これらの情報は、コンバイン1が後進中であっても、作業員が常にそれらの状態を確認することが好ましい情報であるため、カメラ画像モード90においても表示されるのである。
図18に示されるように、特定状態情報領域55には、エンジンの回転速度が、単位目盛りが円弧状に配置された目盛り盤領域と、エンジンの回転速度に応じて目盛り盤領域の中心を回転軸として回転し、回転速度に応じた値をさす指針とから構成されたタコメータによって表示される。なお、カメラ画像モード90におけるタコメータは、情報表示モード70において固定表示領域52に示されるタコメータよりも、目盛り盤領域の曲率半径が大きい。
図14に示されるように、特定状態情報領域56には、モミレベルが、モミレベルを示すアイコンと、上下方向に沿って単位目盛りが配置され、モミレベルに応じて単位目盛り間に所定のサイズかつ所定の表示色を表示させるように構成された、少し湾曲したバーグラフによって表示される。本実施形態においては、目盛りの数は10であり、そのうち二つが閾値レベルとして設定されている。なお、カメラ画像モード90におけるバーグラフは、情報表示モード70において任意表示領域53a〜53dに示されるモミレベルに応じたバーグラフよりも、単位目盛りの曲率半径が大きい。
情報モードにおいては、エンジンの回転速度やモミレベルに応じた情報画像を表示する領域を大きく確保することによって、視認性を高める態様によって表示することができる。一方、カメラ画像モード90においては、カメラが撮影した撮影画像を表示する領域を十分に確保した上で、それ以外の領域にエンジンの回転速度やモミレベルに応じた情報画像を表示することによって、最低限の視認性を維持しながらも、カメラが撮影した撮影画像を表示することができる。
図19に示すように、画面制御部41は、情報表示モード70において、さらに、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業に関して報知すべき報知情報に応じた報知画像であって、報知すべき内容を詳細に表した詳細画像を表示可能に構成され、カメラ画像モード90において、画面部34のうち特定状態情報領域56に、報知情報に応じた報知画像であって、報知情報の存在を喚起するための喚起画像67を表示可能に構成されている。なお、喚起画像67は、特定状態情報領域55に表示されてもよい。喚起画像67を表示することにより報知情報の存在を喚起しながらも、その表示がカメラ画像領域54に及ばないため、カメラが撮影した撮影画像が見えなくなることがない。
なお、喚起画像67は、カメラ画像モード90から情報表示モード70に切り替えられると、報知情報の報知画像としての、本実施形態においては軽度警報情報画像62に切り替えて表示される。
以下に、本発明に係る表示装置30の別実施形態について説明する。
上述した実施形態においては、筐体31は、正面視において、操作部33側の下側角部が切りかかれた形状に構成されていたが、これに限らない。筐体31の左右の端部のうち、操作部33側において、上下方向の幅が段階的に又は徐々に狭くなる形状に構成されていればよい。したがって、上側角部が切りかれた形状に構成されていてもよい。操作部33側において筐体31をコンパクトにすることができる。
上述した実施形態においては、表示装置30は、筐体31の正面視において、左側に表示部32が備えられ、右側に操作部33が備えられている場合について説明したが、これに限らない。表示装置30は、筐体31の正面視において、右側に表示部32が備えられ、左側に操作部33が備えられていてもよい。
上述した実施形態において、標識配設部37は、画面部34の下方に、画面部34と間隔をあけて配置されている場合について説明したが、これに限らない。標識配設部37は、画面部34の上方に画面部34と間隔をあけて配置されていてもよい。標識配設部37は、画面部34の四辺のうち負荷表示部35が沿うように設けられている一辺とは異なる一辺に沿うように設けられていればよい。
上述した実施形態においては、表示制御装置40は、機体制御装置20と別体に構成され、表示装置30の筐体31の内部に配置されている場合について説明したが、これに限らない。表示装置30の筐体31の外部に配置されていてもよいし、表示制御装置40は、機体制御装置20と一体に構成されてもよい。
上述した実施形態においては、画面制御部41は、複数の任意表示領域53a〜53dのうち、隣り合う任意表示領域53b,53cの間に、固定表示領域52を配置するように構成されている場合について説明したが、画面制御部41は、隣り合う任意表示領域53b,53cの間以外の位置、例えば複数の任意表示領域53a〜53dの横に、固定表示領域52を配置するように構成されていてもよい。
上述した実施形態においては、画面制御部41は、可変表示領域53は、固定表示領域52と、複数の任意表示領域53a〜53dとを、横方向に並んで配置するように構成されている場合について説明したが、可変表示領域53は、固定表示領域52と、複数の任意表示領域53a〜53dとを、縦方向に並んで配置するように構成されていてもよいし、縦方向と横方向を組み合わせて配置するように構成されてもよい。限られた大きさの表示領域において、各種情報の視認性及びその表示の意匠性を高めることができる。
上述した実施形態においては、画面制御部41は、いずれかの可変表示領域53の間に固定表示領域52を配置する場合について説明したが、固定表示領域52はなくても良い。その場合は、画面制御部41は、画面部34を、横方向又は縦方向に並んだ複数の任意表示領域に分けるように構成されていればよい。
上述した実施形態においては、画面制御部41は、複数の任意表示領域53a〜53dのうち、いずれか隣り合う任意表示領域の一方の任意表示領域には情報画像を表示し、他方の任意表示領域には情報画像を表示しないときは、両任意表示領域に情報画像を表示するときよりも、一方の任意表示領域を他方の任意表示領域側へと拡張ように構成されている場合について説明したが、これに限らない。画面制御部41は、複数の任意表示領域53a〜53dのうち、いずれか隣り合う任意表示領域の一方の任意表示領域には情報画像を表示し、他方の任意表示領域には情報画像を表示しないときは、両任意表示領域に情報画像を表示するときよりも、一方の任意表示領域を他方の任意表示領域側へと移動させるように構成されていてもよい。
上述した実施形態においては、報知情報が複数存在するときに、画面制御部41は、サブ領域51に、複数の報知情報のそれぞれに応じた複数の簡易画像を表示するにあたり、人為的な表示切替指示に基づいて、複数の簡易画像を順次切り替えて表示可能に構成されている。場合について説明したが、これに限らない。報知情報が複数存在するときに、画面制御部41は、サブ領域51に、複数の報知情報のそれぞれに応じた複数の簡易画像を表示するにあたり、所定時間ごとに、複数の簡易画像を順次切り替えて表示可能に構成されていてもよい。作業員は、人為的な操作をすることなく、全内容を順に確認することができる。
上述した実施形態においては、画面制御部41は、軽度の警報情報に分類される報知情報が複数存在するときに、メイン領域50に複数の報知情報のそれぞれに応じた複数の詳細画像を表示するにあたり、人為的な表示切替指示に基づいて、複数の詳細画像を順次切り替えて表示可能に構成されている場合について説明したが、これに限らない。画面制御部41は、メイン領域50に、複数の報知情報のそれぞれに応じた複数の詳細画像を表示するにあたり、所定時間ごとに、複数の詳細画像を順次切り替えて表示可能に構成されていてもよい。作業員は、人為的な操作をすることなく、全内容を順に確認することができる。
上述した実施形態においては、画面制御部41は、画面部34を、上側がメイン領域50であり、下側がサブ領域51となるように二分した場合について説明したが、これに限らない。画面制御部41は、画面部34を、下側がメイン領域50であり、上側がサブ領域51となるように二分してもよいし、また画面部34を左右に二分してもよい。
上述した実施形態においては、画面制御部41は、表示した操作画像66を、人為的な操作の開始から一定時後に非表示にするように構成されている場合について説明したが、これに限らない。画面制御部41は、表示した操作画像66を、人為的な操作の終了から一定時間後に非表示にするように構成されていてもよい。
人為的な操作の終了と同時に、該操作に応じて表示された操作画像66が非表示となってしまう構成であると、操作画像66を確認し損ねる虞がある。これに対して、上述の構成によると、人為的な操作の終了から一定時間経過するまでは非表示とされないため、操作画像66を確認し損ねる虞を減らすことができる。なお、該操作画像66は自動的に非表示となるため、運転席にいる者が、該操作画像66を非表示とするための作業は不要である。
上述の構成によると、操作画像66によって一時的に表示がされなくなってもよい情報をメイン領域50に表示し、操作画像66によって一時的であれ表示がされなくなる都合の悪い情報をサブ領域51に表示することができる。操作画像66が、メイン領域50側においてメイン領域50とサブ領域51との境界に沿って表示され、かつ、非表示にされるため、意匠性も高い。
本発明においては、画面制御部41は、メイン領域50を、第一表示領域と、第一表示領域を挟むように配置される複数の第二表示領域に分けるとともに、操作画像66を、第二表示領域のみに表示するように構成されていると好適である。その際、操作画像66によって一時的に表示がされなくなってもよい情報を第二表示領域に表示し、操作画像66によって一時的であれ表示がされなくなる都合の悪い情報を第一表示領域に表示することができる。操作画像66が、メイン領域50側においてメイン領域50とサブ領域51との境界に沿って表示され、かつ、非表示にされるため、意匠性も高い。
本発明においては、第一表示領域は、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての設定又は状態に関する各種情報のうち、特定の情報に応じた特定情報画像を表示する固定表示領域52であり、第二表示領域は、各種情報のうち、人為的な指示に基づいて表示させる情報を変更可能な可変表示領域53であると好適である。
上述の構成によると、コンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての設定又は状態に関する各種情報のうち重量な情報は特定の情報として固定表示領域52に常に表示し、そうではない情報を任意に可変表示領域53に表示するというように画面部34の表示領域を有効に利用することができる。
上述した実施形態においては、カメラ画像領域54の左方の特定状態情報領域55に、エンジンの回転速度に応じた情報画像が表示され、カメラ画像領域の右方の特定状態情報領域56に、モミレベルに応じた情報画像が表示される場合について説明したが、これに限らない。カメラ画像領域の右方の特定状態情報領域56に、エンジンの回転速度に応じた情報画像が表示され、カメラ画像領域54の左方の特定状態情報領域55に、モミレベルに応じた情報画像が表示されてもよい。また、特定状態情報がエンジンの回転速度及びモミレベルである場合について説明したが、これに限らない。その他の情報に応じた情報画像であってもよい。
上述した実施形態においては、画面制御部41は、画面部34を、少なくともコンバイン1の機体に備えられたカメラ8が撮影した撮影画像を表示可能なカメラ画像領域54と、カメラ画像領域を左右から挟むように配置される、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての特定の状態に関する特定状態情報に応じた特定状態情報画像を表示する二つの特定状態情報領域55,56とに分けるとともに、特定状態情報画像に関する特定状態情報を、バーグラフ又はタコメータの少なくともいずれかによって表すように構成されている場合について説明したが、これに限らない。
例えば、画面制御部41は、画面部34を、少なくともコンバイン1の機体に備えられたカメラ8が撮影した撮影画像を表示可能なカメラ画像領域と、カメラ画像領域を上下から挟むように配置される、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての特定の状態に関する特定状態情報に応じた特定状態情報画像を表示する二つの特定状態情報領域とに分けるとともに、特定状態情報画像に関する特定状態情報を、バーグラフ又はタコメータの少なくともいずれかによって表すように構成されていてもよい。
上述した実施形態においては、表示装置30は、運転席10の左前方に配置されていたが、したがって、右前方に配置されていてもよい。昇降部12とは反対にあると乗降の際に邪魔にならずにすむ。
上述した実施形態においては、本発明に係る表示装置30が、作業機としての普通型のコンバイン1に備えられた場合について説明したが、図20に示すように、本発明に係る表示装置30は、作業機としての自脱型のコンバイン1に備えられてもよい。なお図20に示された自脱型のコンバイン1について、図1に示された普通型のコンバイン1における各部と対応する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
作業機が普通型のコンバイン1である場合においては、表示装置30は、運転席10の左前方に配置されていたが、作業機が自脱型のコンバインである場合においては、表示装置30は、運転席10の中央前方に配置されている。表示装置30は、運転席に着座した作業員の視界の左前方又は右前方から外れるため、圃場の左前方又は右前方を注視しながらの作業が可能となる。
また、本発明に係る表示装置30は、作業機としてのコンバイン1に限らず、トラクタやバックフォー等の作業機に備えられてもよい。
上述した実施形態は、いずれも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能である。