本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
〔作業機〕
図1には、本発明に係る表示装置30が備えられた自脱型のコンバイン(本発明に係る「作業機」に相当する。)1が示されている。
コンバイン1(以下、コンバイン1という。)は、機体に走行部(図示せず)、刈取部2、脱穀部3、選別部4、貯留部5、排出部6、操縦部9等の作業部及びこれらの動力源としてのエンジン(図示せず)が備えられるとともに、各作業部及びエンジンを制御する機体制御装置20(図4参照)が備えられている。
前記走行部は、左右一対のクローラ式走行部から構成され、機体を前進、後進及び旋回させるように構成されている。前記走行部に、機体の走行速度を検出する走行速度センサー1a(図4参照)や、駐車ブレーキ(図示せず)が掛かっていることを検出するブレーキセンサー1b(図4参照)が備えられている。なお、走行部は、クローラ式走行部に限らず、ホイール式走行部から構成されていてもよい。
刈取部2は、機体の前部に設けられている。刈取部2は、機体の前進に伴って圃場の穀物を引き起こしながら刈り取り、脱穀部3へ送るように構成されている。刈取部2は、昇降機構(図示せず)によって、機体に対して昇降可能に構成されている。本実施形態においては、刈取部2による刈取対象物である穀物が稲である場合について説明する。
脱穀部3は、機体のうち刈取部2の左後方に設けられている。刈取部2によって刈り取られた稲を受け取り、こぎ胴によって脱穀するように構成されている。なお、脱穀された処理物は、選別部4へ落下するように構成されている。脱穀部3に、脱穀部3の負荷を検出するこぎ胴センサー3a(図4参照)や、こぎ胴のカバーが適切に閉じられていないことを検出するカバーセンサー(図示せず)が備えられている。
選別部4は、機体のうち脱穀部3の下方に設けられている。選別部4は、脱穀部3によって脱穀された処理物を、比重選別等の選別方式によって選別の目的物であるモミと、排わら等の排出物とに分別するように構成されている。モミは貯留部5に送られ、排出物はコンバイン1の外部に排出される。選別部4に、選別部4の負荷を検出するシーブセンサー4a(図4参照)が備えられている。
貯留部5は、機体のうち選別部4の右方に設けられている。貯留部5は、選別部4において選別されたモミを貯留するように構成されている。貯留部5に、貯留対象物であるモミの水分・タンパクの含有率を検出する食味センサー5a(図4参照)、所定状態として貯留部の重量を検出可能な重量センサー5b(図4参照)、及び、所定状態としてモミの貯留高さを検出可能なレベルセンサー5c(図4参照)が備えられている。
重量センサー5bは、例えば貯留部5全体の重量を検出可能なロードセルから構成されている。レベルセンサー5cは、例えば貯留部5内の所定の高さに設けられた複数の近接センサーや当接センサーから構成されている。また、後述する機体制御装置20に、算出部(図示せず)が備えられている。
機体制御装置20の機体制御部21は、少なくとも検量線を有する穀物については、該算出部によって重量センサー5bによって検出された貯留部5の重量から貯留部5の重量を減算してモミの重量を算出し、そこから検量線を用いて演算することによって所定状態情報であるモミの収量を取得することができる。また、機体制御部21は、レベルセンサー5cによって直接的に検出されたモミの貯留高さから、モミの収量を取得することもできる。
排出部6は、いわゆるアンローダであり、機体のうち貯留部5の上方に設けられている。排出部6は、貯留部5に貯留されているモミをコンバイン1の外部に排出するように構成されている。排出部6に、アンローダの旋回を検出する旋回センサー6a(図4参照)が備えられている。
前記エンジンは、ディーゼル軽油を燃料として駆動するディーゼルエンジンから構成されている。エンジンに、エンジンの回転速度を検出する回転速度センサー7a(図4参照)、エンジンの水温を検出する水温センサー7b(図4参照)が備えられている。ディーゼル軽油が貯留される燃料タンクに、その残量を検出する燃料センサー7c(図4参照)が備えられている。
コンバイン1の機体の後部に、コンバイン1の後方を撮影可能なカメラ8が備えられている。
操縦部9は、機体のうち刈取部2の右後方であって、貯留部5の前方に設けられている。操縦部9に、運転席10、運転操作部11、表示装置30等が設けられている。
運転席10は、作業員の長時間の着席を可能とする座り心地の良い座席から構成されている。作業員は運転席10の右側に設けられている昇降部12を介して運転席10に対して乗り降りすることができる。
運転操作部11に、走行操作具としての操作レバー部13、変速操作具としての主変速レバー14、クラッチレバー15、及び操作パネル部16等が備えられている。
操作レバー部13は、運転席10の右前方に設けられている。操作レバー部13は、前後左右の十字方向に揺動可能である。
操作レバー部13が前方向に揺動操作されると、刈取部2が下降するように刈取部2の昇降機構が制御され、操作レバー部13が後方向に揺動操作されると、刈取部2が上昇するように刈取部2の昇降機構が制御される。さらに、操作レバー部13に、水平面に対する機体の前後左右の傾きを調節する傾き調節装置のための傾斜角手動調節スイッチ群が設けられている。
操作レバー部13が右方向に揺動操作されると、コンバイン1が右方向に旋回するように走行部が制御され、操作レバー部13が左方向に揺動操作されると、コンバイン1が左方向に旋回するように走行部が制御される。
機体の左右にはウインカーランプ18,19が設けられている。ウインカーランプ18,19は、操作パネル部16に設けられたウインカースイッチの操作に応じて点滅するように構成されている。ウインカーランプ18,19は、ウインカースイッチの再操作によって、又は操作レバー部13の左右方向への揺動操作の終了に伴って、点滅が終了するように構成されている。
主変速レバー14は、運転席10の左前方に設けられている。主変速レバー14は、前後に揺動可能である。主変速レバー14が前方に揺動操作されると、コンバイン1が前進するように走行部が制御され、主変速レバー14が後方に揺動操作されると、コンバイン1が後進するように走行部が制御される。さらに、主変速レバー14に、走行速度域と作業速度域とを切り替える副変速スイッチや、通常時と倒伏時とにおいてこぎ深さを切り替える切替スイッチ等が設けられている。
クラッチレバー15は、運転席10の左方に設けられている。クラッチレバー15は、前後に揺動可能である。クラッチレバー15の操作に応じて脱穀クラッチ及び刈取クラッチの入切等が切り替えられるように構成されている。
操作パネル部16は、運転席10の左前方であって、主変速レバー14の手前側に設けられている。操作パネル部16に、エンジンの始動及び停止切替ボタン、アンローダの姿勢変更ボタン、アンローダによるモミ排出の開始ボタン、モミ排出の停止ボタン、及び刈取部2や脱穀部3等が過負荷状態であるときに、車速を主変速レバー14の操作量に応じた走行速度よりも自動的に減速させる機能(自動車速制御)のオン、オフを切り替える切替ボタン等のボタン類や、刈り取り高さの調節ノブ、車速の調節ノブ、及び刈取対象物の種別(稲、麦、大麦、その他)の選択ノブ等のノブ類等を有する操作ボタン群が設けられている。
図4に示すように、機体制御装置20に、機体制御部21、機体通信部22、及び機体記憶部23が備えられている。機体制御装置20は、CPU、ROM、RAM、I/O等が基板に実装されたマイコンから構成されている。
機体制御部21に、上述した各作業部に備えられた走行速度センサー1a、ブレーキセンサー1b、こぎ胴センサー3a、シーブセンサー4a、食味センサー5a、重量センサー5b、レベルセンサー5c、旋回センサー6a、回転速度センサー7a、水温センサー7b、燃料センサー7c等の各種センサーからの検出信号、カメラ8からの画像信号、情報通信技術を活用した営農・サービス支援システムが有する情報端末と無線によって通信を行うために、機体に備えられた無線受信部24からの受信信号や、機体に備えられた全地球測位システム(以下、「GPS」と記す。)受信部25からのGPS受信信号が入力される。また、機体通信部22及び表示通信部42間で通信を行うことによって操縦部9の運転操作部11における操作に基づく操作信号が、機体制御部21に入力される。
機体制御部21は、各種センサーからの検出信号に基づいて、走行速度、自動車速制御の状態、駐車ブレーキの状態、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、刈取対象物の種別、こぎ胴の負荷レベル、シーブの負荷レベル、食味、収量、貯留高さ、アンローダの旋回、エンジンの回転速度、水温、尿素SCR残量、及び燃料レベル等の各種情報を取得したり、無線受信部24からの受信信号に基づいて無線の電波受信強度や、GPS受信部25からのGPS受信信号に基づいてGPS測位状態を演算したりする。
さらに、機体制御部21は、操縦部9の運転操作部11における操作に応じた操作信号に基づいて、エンジンの動力を各作業部に伝達し、走行部にコンバイン1を走行させ、刈取部2に圃場の稲を刈り取らせ、脱穀部3に刈り取られた稲を脱穀させ、選別部4に脱穀された処理物をモミと排わらに分別させ、貯留部5にモミを貯留させる。
〔表示装置〕表示装置30は、走行速度、燃料レベル等の情報を表示するものであり、運転席10に着座した作業員が視認及び操作しやすい位置に配置される。図1に示すように、本実施形態においては、運転席10の中央前方に配置されている。運転席10に着座した作業員の視界の左前方又は右前方から外れるため、圃場の左前方又は右前方を注視しながらの作業が可能となる。
図2に示すように、表示装置30は、筐体31の正面視において、左側に表示部32が備えられ、右側に操作部33が備えられている。筐体31の内部に、表示部32に備えられた画面部34に表示する各種情報を制御する表示制御装置40(図4参照)が備えられている。
表示制御装置40は、必要に応じて表示通信部42及び機体通信部22間で通信を行うことによって機体制御装置20が有する各種情報や、該表示装置30が設けられる作業機の機種情報、例えばコンバイン1が自脱型であるか普通型であるか等作業機の種類や機種に係る情報や、刈取条数や、刈取対象物の種別に係る情報を取得し、所定の態様によって画面部34に表示させることができるように構成されている。
〔表示部〕
画面部34は、横長の矩形の表示領域を有するカラー液晶モニターから構成されている。画面部34は、表示制御装置40によって制御され、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての設定又は状態に関する各種情報に応じた情報画像を表示可能となっている。
画面部34に表示される各種情報には、走行速度、自動車速制御の状態、駐車ブレーキの状態、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、刈取対象物の種別、こぎ胴の負荷レベル、シーブの負荷レベル、食味、収量、アンローダの旋回、エンジンの回転速度、水温、尿素SCR残量、燃料レベル、電波受信強度、運転時間、GPS測位状態、及び日時等の各種情報、各種報知情報等が含まれている。
筐体31は表示部32側に、矩形開口部31aと細長開口部31bとが備えられている。筐体31の操作部33側に、台形開口部31cが備えられている。筐体31は、正面視において、矩形開口部及び細長開口部の裏面にパネル体31dが備えられている。
パネル体31dは、樹脂性の平板から構成され、画面部34の表示領域に対応する箇所において、光透過性を有するように構成されている。
筐体31の正面視において、画面部34と操作部33との間において、画面部34と間隔をあけて、コンバイン1の作業負荷のレベル、例えばエンジンの負荷の状態を表す負荷表示部35が備えられている。
負荷表示部35は、画面部34の右側の一辺に沿って配置された細長開口部31b内に、上下方向に並設された複数の発光部、例えば、図3に示すように、筐体31の内部に備えられた基板36に実装された複数の白色のLED素子35zによって各セグメント35a~35eが構成されたレベルメータから構成されている。
パネル体31dは、各セグメント35a~35eが配置されている箇所において光透過性を有しながらも、セグメント35a~35cに対応する箇所は緑色に、セグメント35dに対応する箇所は橙色に、セグメント35eに対応する箇所は赤色に着色されて構成されている。
各LED素子は、作業負荷のレベルに応じて、セグメント35aからセグメント35eにかけて発光制御され、例えば作業負荷のレベルが低いときは、セグメント35aのみが点灯し、作業負荷のレベルが増えるにつれて点灯するセグメントが増え、作業負荷のレベルが最も高いと全セグメント35a~35eが点灯する。
負荷表示部35は、画面部34の右側の一辺に沿って上下方向に各セグメント35a~35eが並設され、さらに作業負荷のレベルが最も高いときに、最も上にあるセグメント35eを点灯させるように構成されている。したがって、作業負荷が高いほど作業員の注意を引きやすい。
矩形開口部31aと細長開口部31bとは、縦方向に同じ長さに構成され、負荷表示部35は、細長開口部31bの縦方向と略同じ長さに亘って各セグメント35a~35eが配置されている。したがって、負荷表示部35は、画面部34の右側の一辺よりも長く、矩形開口部31aの縦方向の長さ、すなわち画面部34、及び後述する標識配設部37が配置されている領域と長さと同じ長さを有する。
さらに、表示部32に、画面部34の下方に、画面部34と間隔をあけて標識配設部37が備えられている。標識配設部37は、画面部34の下側の一辺と同じ横幅を有し、該一辺に沿うように設けられている。標識配設部37に、コンバイン1に関して予め決められた情報に対応した標識37a~37jが配置されている。
具体的には、標識配設部37に、ウインカーランプ18の点滅と同調して点滅する標識37a、充電系統に異常が発生しているときに点灯する標識37b、エンジンの回転中において潤滑系統が異常のときに点灯する標識37c、エンジンに関して異常が発生しているときに点灯する標識37d、駐車ブレーキが掛かっているときに点灯する標識37e、燃料の残量が少なくなったときに点灯する標識37f、尿素水の品質異常があるときに点灯する標識37g、尿素SCRシステムに異常が発生しているときに点灯する標識37h、作業灯の点灯と同調して点灯する標識37i、ウインカーランプ19の点滅と同調して点滅する標識37jが備えられている。
パネル体31dは、各標識37a~37jが配置されている箇所において、光透過性を有しながらも、標識37a,37jに対応する箇所は緑色に、標識37b,37c,37d,37e,37hに対応する箇所は赤色に、標識37fに対応する箇所は黄色に、標識37iに対応する箇所は青色に着色されて構成されている。
図3に示すように、基板36に、各標識37a~37jに対応する位置に発光部として複数の白色のLED素子37zが実装されている。各標識37a~37jに対応する事象の発生に応答して各LED素子が発光制御されることによって、各標識37a~37jが点灯ないし点滅するように構成されている。
〔操作部〕
操作部33は、表示部32の右側において、作業員が画面部34に表示される情報画像に関する操作をするためのものであり、作業員の操作を受け付ける操作具38が備えられている。操作具38は、筐体31の正面視において、上下方向の中央よりも上端側に配置されている。操作具38が作業員に近い位置に配置され指が届きやすいため操作性がよい。
操作具38は、少なくとも画面部34に表示された情報画像のスクロールを可能とする操作ボタン群38a~38d、具体的には、上ボタン38a、左ボタン38b、下ボタン38c、右ボタン38d、画面部34に表示された内容を確定可能な確定ボタン38e、及び画面部34に各種情報に応じた情報画像が表示される情報表示モード70と画面部34への表示に関する設定画面が表示される設定モード80(図8参照)とを切替可能な設定ボタン38fを有している。
設定ボタン38fは、操作ボタン群38a~38dよりも、表示部32側、具体的には、左ボタン38b及び下ボタン38cの左下方に配置されている。設定ボタン38fは操作ボタン群38a~38dにくらべて操作頻度が低い。したがって、設定ボタン38fを、操作ボタン群38a~38dより遠い位置に配置することによって、設定ボタン38fを誤操作してしまう虞が減らされている。
なお、後述する操作入力部44は、上ボタン38a、左ボタン38b、下ボタン38c、右ボタン38d、確定ボタン38e、設定ボタン38fについては、押してすぐ離す操作(以下、「短押し」という。)がされると、それぞれ上スクロール、左スクロール、右スクロール、下スクロール、確定、設定モードへの遷移の各指示として処理する。
操作入力部44は、確定ボタン38eについては、例えば1~2秒以上押し続ける操作(以下、「長押し」という。)がされると、後述する情報表示モード70と特定モード84(図20参照)との表示の切替の指示として処理する。また、操作入力部44は、設定ボタン38fについては、長押しがされると、後述する情報表示モード70と選択モード74との表示の切替の指示として処理する。
情報表示モード70と特定モード84との表示の切替を行う操作は、確定ボタン38eの長押しに限らない。例えば、確定ボタン38eの連打であってもよいし、確定ボタン38eとその他のボタンの同時の短押しであってもよいし、操作具38に備えられたいずれかのボタンを所定のリズムで押すように構成されていてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
操作具38は、台形開口部31cの内部に配置されるとともに、操作ボタン群38a~38dの操作面及び設定ボタン38fの操作面は、筐体31の表面よりも窪んだ位置に配置されている。作業員が意図せず表示装置30に触れたときに、操作具38を誤操作してしまう虞が低減されている。
〔表示制御装置〕
表示制御装置40は、画面制御部41、表示通信部42、表示記憶部43、操作入力部44、及び発光制御部45,46を備え、操作部33からの操作信号や、機体制御装置20から取得した各種情報に基づいて表示装置30を制御するものである。表示制御装置40は、CPU、ROM、RAM、I/O等が基板36に実装されたマイコンから構成されている。
画面制御部41は、画面部34に所定の文字や画像等を所定の態様によって表示する。
表示記憶部43には、各種情報に応じた背景画像が記憶されている。画面制御部41は、表示記憶部43に記憶されている背景画像を呼び出すとともに、各種情報に応じて長さが変わるグラフ状画像や、単位目盛りが円弧状に配置された目盛り盤領域と、各種情報に応じて目盛り盤領域の中心を回転軸として回転し、各種情報に応じた値をさす指針とから構成されたメータ状画像としてのタコメータを画面部34に表示させることができる。
なお、グラフ状画像は、各種情報に応じて長さが段階的に又は線形的に変わるものであればよく、セグメントが所定の方向に沿って積み重ねるように構成されている。例えば、グラフ状画像は、湾曲した上下方向に沿って単位目盛りが配置され、各種情報に応じて単位目盛り間に所定の表示色を表示させるように構成されたバーグラフであってもよい。なお、所定の表示色とは、一色であってもよいし、複数の色であってもよい。また、色調や明暗等が段階的に変化するようなものも含まれる。したがって、以下の説明においては、グラフ状画像が、バーグラフである場合について説明する。その際、画面制御部41は、セグメントの重みを異ならせて表示可能であり、例えば、バーグラフの単位目盛りの間隔を異ならせて表示可能に構成されている。
図2において、画面部34には、走行速度、自動車速制御の状態、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、刈取対象物の種別、こぎ胴の負荷レベル、シーブの負荷レベル、食味、収量、エンジンの回転速度、水温、尿素SCR残量、電波受信強度、運転時間、GPS測位状態、及び日時等の情報画像が表示されている。
画面制御部41は、昼夜に応じて同じ情報であっても、昼には輝度が高め、図2に示すように、例えば白を基調とした情報画像により表示し、夜には輝度が低め、図5に示すように、例えば黒を基調とした情報画像により表示することができ、昼夜に応じた表示によりその視認性が高められている。なお、このような切替は、後述する設定モード80における操作によって可能に構成されているが、時間帯によって、自動的に切替が行われるように構成されていてもよい。
以下、画面部34に表示される各種画像について説明する。
画面制御部41は、画面部34を水平方向に直線状の境界によって上下に二分する。本実施形態においては、図2に示すように、上側がメイン領域50であり、下側がサブ領域51である。なお、メイン領域50とサブ領域51との境界は、画面制御部41によって定義付けられていればよく、必ずしも人間が明確に認識できるような態様である必要はない。以下に説明する他の各領域についても同様である。
〔メイン領域〕
メイン領域50には、コンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての設定又は状態に関する各種情報のうち主要な情報に応じた情報画像が表示されるため、画面部34の大半、本実施形態においては約90%ものスペースが割り当てられている。
主要な情報には、走行速度、自動車速制御の状態、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、刈取対象物の種別、こぎ胴の負荷レベル、シーブの負荷レベル、食味、収量、エンジンの回転速度、水温、尿素SCR残量、燃料レベル、及び電波受信強度等の各種報知情報等が含まれる。なお、電波受信強度の表示領域は、メイン領域50の右下隅に固定的に設けられている。
画面制御部41は、メイン領域50を、さらに固定表示領域52と、可変表示領域53とに分けるように構成されている。
固定表示領域52には、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1よる作業についての設定又は状態に関する各種情報のうち、特定の情報に応じた特定情報画像が表示される。特定の情報には、コンバイン1の作業中において、常に表示することが好ましい情報であり、走行速度、自動車速制御の状態、わら処理の状態(カッタ、ドロッパ)、副変速機の状態、刈高さ、刈取対象物の種別、及びエンジンの回転速度が含まれる。
固定表示領域52は、メイン領域50のうち中央やや右よりの位置に配置され、固定表示領域52の中央にコンバイン1の走行速度が数値によって表示されている。
なお、コンバイン1の走行速度に関して、機体制御装置20は、走行部に備えられた走行速度センサー1aから検出された走行速度から算出される移動量と、GPS信号に基づく経時的な位置変化量とを比較し、両者が合致しないとき(所定の閾値以上乖離するとき)は、コンバイン1にすべりや故障が発生していると判断し、GPS信号に基づく経時的な位置変化量から算出される走行速度を表示制御装置40に送信し、これが画面部34に表示される。
一方、機体制御装置20は、GPS信号に基づく経時的な位置変化量から算出される走行速度が、コンバイン1が走行可能な最高速を超えている場合や、経時的な速度変化が通常予想されるコンバイン1の挙動からずれている場合は、GPS測位状態が良くないことが考えられるため、走行部に備えられた走行速度センサー1aから検出された走行速度を表示制御装置40に送信し、これが画面部34に表示される。
すなわち、画面制御部41は、前記各種情報のうち所定状態情報(走行速度)に対応した所定状態を検出するためにコンバイン1に備えられた複数の検出手段(走行速度センサー1a及びGPS受信部25)によるそれぞれの検出結果に基づいて、所定状態情報(走行速度)に応じた所定状態情報画像を画面部34に表示可能に構成されている。
走行速度に応じた情報画像の下方には、わら処理の状態(ドロッパ)、副変速機の状態(副H)、刈高さ(刈L)、刈取対象物の種別(稲)が文字やアイコンによって表示される。
さらに、自動車速制御が機能しているとき、すなわち、刈取部2や脱穀部3等が過負荷状態であり、かつ、車速が主変速レバー14の操作量に応じた走行速度よりも自動的に減速させられているときには、走行速度に応じた情報画像の右上方に、文字により「減速中」と表示される。
自動車速制御による車速の減速中は、「減速中」の表示が、1秒点灯し、1秒消灯することを繰り返す。これにより、作業員は、車速が自動的に減速制御されていることを確認しやすい。車速が自動的に減速制御されているときであっても、自動車速制御の機能をオフに切り替えると、減速制御が停止される。すると、機体は主変速レバー14の操作量に応じた本来の走行速度まで増速することになる。このような事態の発生の可能性を作業員に喚起できる。
固定表示領域52の走行速度を示す数値の周囲には、タコメータによってエンジンの回転速度が表示されている。タコメータは、単位目盛りが円弧状に配置された目盛り盤領域と、及び、目盛り盤領域の中心を回転軸としてエンジンの回転速度に応じて回転し該回転速度に応じた値をさす指針とから構成されている。
このように、固定表示領域52が、画面部34の中央よりに配置されることにより、視認性及び画面部34に表示される各種情報の意匠性が高められている。
本実施形態においては、画面制御部41は、可変表示領域53を、固定表示領域52の左右に二箇所ずつ、固定表示領域52の目盛り盤領域の外周に沿うような形状を有する任意表示領域53a~53dに分ける。
画面制御部41は、任意表示領域53a~53dごとに、各種情報のうち、人為的な指示に基づいて選択された情報に応じた選択情報画像を表示すること、又は、人為的な指示に基づいていずれの情報に応じた情報画像も表示させないことが設定可能に構成されている。
任意表示領域53a~53dに表示可能な、選択された情報には、少なくとも数値によって設定ないし状態を表す数値情報と、少なくともバーグラフによって設定ないし状態を表す増減情報とが含まれている。
数値情報として、食味、収量、燃料レベルが例示でき、増減情報として、収量、シーブの負荷レベル、水温、尿素SCR残量、燃料レベルが例示できる。固定表示領域52に表示される特定情報画像に関する特定の情報と、可変表示領域53に表示可能な選択情報画像に関する情報とは異ならされている。固定表示領域52と可変表示領域53とで表示される情報が被らない。
数値情報としての、食味、収量、及び燃料レベルは、「食味・収量(統計)」、「食味・収量」、「食味」、及び「収量・燃料」のように分類され、増減情報としての、収量、シーブの負荷レベル、水温、尿素SCR残量、及び燃料レベルは「モミレベル」、「シーブレベル」、「尿素SCR残量」、「燃料レベル」、及び「水温」のように分類される。
図2に示された画面部34においては、任意表示領域53aには「食味・収量(統計)」に応じた選択情報画像として、平均タンパク……(%)、平均水分……(%)、及び積算重収量……(kg)のように文字及び数値を含んだ画像が表示されている。
図2に示された画面部34においては、任意表示領域53bには「水温」に応じた選択情報画像として、水温を示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示されている。該バーグラフは、該、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることにより水温が表される。本実施形態においては、目盛りの数は8であり、そのうち上の一つが閾値レベルとして設定されている。
図2に示された画面部34においては、任意表示領域53cには「モミレベル」に応じた選択情報画像として、モミレベルを示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示されている。該バーグラフは、該、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることによりモミレベルが表される。本実施形態においては、目盛りの数は10であり、そのうち上の二つが閾値レベルとして設定される。
画面制御部41は、該目盛りの数を、刈取対象物の種別に応じて、異ならせることができるように構成されている。本実施形態においては、刈取対象物の種別が「稲」であり、検量線を有することから、算出部は重量センサー5bによって検出された貯留部5の重量からモミの収量を算出することができる。貯留部5の重量はリニアに算出することができるため、分解能が高い。このような場合は、画面制御部41は、「モミレベル」に応じた選択情報画像を、10の目盛りを有するバーグラフを用いて、結果を細かく表示する。
なお、刈取対象物の種別が、検量線を有しない穀物であれば、算出部は重量センサー5bによって検出された貯留部5の重量からモミの収量を算出することができない。このような場合は、レベルセンサー5cによって貯留部5に貯留されたモミの貯留高さが直接検出される。ただし、モミがレベルセンサー5cに対して接触して初めてその貯留高さが検出可能である。高さの異なる位置に設置されているレベルセンサー5c間においては、貯留高さを検出することができない。しかし、検出された結果は、実際に貯留されたモミの貯留高さであるため、信頼性が高い。このような場合は、画面制御部41は、「モミレベル」に応じた選択情報画像を、4の目盛りを有するバーグラフを用いて、結果を大まかに表示する。
なお、10や4といった目盛りの数は例示であり、予め適当に設定される、もしくは作業員が任意に設定可能、又は表示装置30が設けられる作業機に応じて自動で、もしくは手動で切替可能である。「モミレベル」に係る選択情報画像が、本発明に係る所定状態情報画像である。
図2に示された画面部34においては、任意表示領域53dには、「シーブレベル」に応じた選択情報画像として、シーブレベルを示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示されている。該バーグラフは、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることによりシーブレベルが表される。本実施形態においては、目盛りの数は5であり、そのうち上の一つが閾値レベルとして設定されている。
画面制御部41は、表示記憶部43に記憶されている背景画像のうち各種情報に応じた背景画像を呼び出すとともに、例えば、数値や文字、所定の目盛り間に所定の表示色を表示させることによって、各種情報のそれぞれに応じた情報画像を形成し、各種情報に応じた態様によって画面部34に表示するように構成されている。
ここで、図6に示すように、画面部34が情報表示モード70であるときに、操作具38の設定ボタン38fを長押しすると、図6に示すように、任意表示領域53a~53dに表示すべき情報画像に応じた情報を選択可能な選択モード74に遷移する。
この選択モード74においては、固定表示領域52に対応する箇所にドラムロール式の選択肢画像53eが配置される。操作具38の上ボタン38a又は下ボタン38cを短押しすることによって、選択肢画像53eが上又は下に回転し、所定の項目において確定ボタン38eを短押しすると、任意表示領域に53a~53dのうち切替の対象である任意表示領域に表示すべき情報画像に応じた情報が表示される。また、選択モード74において、左ボタン38b又は右ボタン38dを短押しすることによって任意表示領域に53a~53dのうち、表示すべき情報画像に応じた情報の切替の対象となる任意表示領域を切替可能である。
切替可能な情報としては、上述のしたように、「食味・収量(統計)」、「食味・収量」、「食味」、「収量・燃料」のような項目に分類された数値情報と、「モミレベル」、「シーブレベル」、「尿素SCR残量」、「燃料レベル」、「水温」のような項目に分類された増減情報が存在する。
「食味・収量」を選択すると、これに応じた選択情報画像としては、タンパク……(%)、水分……(%)、及びモミ……(kg)のように文字及び数値を含んだ画像が表示される。
「食味」を選択すると、これに応じた選択情報画像としては、タンパク……(%)、及び水分……(%)のように文字及び数値を含んだ画像が表示される。
「収量・燃料」に応じた選択情報画像としては、モミ……(kg)、燃料消費収量……(L)のように文字及び数値を含んだ画像が表示される。
「尿素SCR残量」に応じた選択情報画像としては、尿素SCR残量を示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示される。該バーグラフは、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることにより尿素SCR残量が表される。本実施形態においては、目盛りの数は一であり、0レベルから満タンレベルのうち満タンレベル側の10~20%程度に閾値レベルが設定されている。
「燃料レベル」に応じた選択情報画像としては、燃料レベルを示すアイコンと、湾曲したバーグラフとを含んだ画像が表示される。なお、該バーグラフは、上下方向に沿って並んだ所定の単位目盛り間に、所定のサイズかつ所定の表示色の図形を表示させることにより燃料レベルが表される。本実施形態においては、目盛りの数は0レベルから満タンレベルまでの一であり、0レベルから満タンレベルのうち、満タンレベル側の10~20%程度に閾値レベルが設定されている。
画面制御部41は、数値情報、すなわち「食味・収量(統計)」、「食味・収量」、「食味」、及び「収量・燃料」に応じた数値情報画像を、複数の任意表示領域53a~53dのうち画面部34において最も左に位置する任意表示領域53aにのみ表示可能に構成されている。
したがって、最も左に位置する任意表示領域53aには、「食味・収量(統計)」、「食味・収量」、「食味」、「収量・燃料」、「モミレベル」、「シーブレベル」、「尿素SCR残量」、「燃料レベル」、「水温」、及びいずれの情報に応じた情報画像も表示しないことを意味する「なし」の十項目の中からいずれかの項目を選択することができるように構成されている。
例えば、図6に示すように、任意表示領域53aについて、表示すべき選択情報画像に応じた情報を、「食味・収量(統計)」から、「尿素SCR残量」に切り替えることができる。
図6に示すように、数値情報、ここでは「食味・収量(統計)」に応じた数値情報画像を任意表示領域53aに表示するときは、該「食味・収量(統計)」に応じた情報画像を表示することとなる任意表示領域53aを、該任意表示領域53aに、増減情報、ここでは「尿素SCR残量」に応じた増減情報画像を表示させるときよりも、拡張して表示するように構成されている。
「食味・収量(統計)」のような数値情報画像と、「尿素SCR残量」のような増減情報画像とでは、数値情報画像のほうが、表示に広いスペースが必要である。上述のように、数値情報に応じた数値情報画像を表示するときには、十分なスペースを割り当てることによって、数値情報の視認性が高められている。
また、選択モード74においては、図7に示すように、任意表示領域53aについて、表示すべき選択情報画像に応じた情報を、「食味・収量(統計)」から、「なし」に切り替えることができる。
このとき、画面制御部41は、任意表示領域53bにおいて表示される「水温」についての選択情報画像が、任意表示領域53a側へと拡張されて表示するように構成されている。
具体的には、表示記憶部43には、同じ情報、ここでは「水温」に応じた情報画像であっても、幅の異なる背景画像が記憶されており、画面制御部41は幅の広いほうの背景画像を表示するとともに目盛りに所定の表示色を表示することによって、「水温」に応じた情報画像を形成し、これを画面部34に表示させる。
画面制御部41は、任意表示領域53a以外の任意表示領域53b~58には、「モミレベル」、「シーブレベル」、「尿素SCR残量」、「燃料レベル」、「水温」、「なし」の6項目の中からいずれかの項目を選択することができるように構成されている。
また、画面制御部41は、同じ情報、例えば同じ「燃料レベル」についての情報であっても、その情報画像を、任意表示領域53a、任意表示領域53b、任意表示領域53c及び任意表示領域53dに対してそれぞれ異なった態様、例えば表示する画像の形状を異ならせることによって表示させるように構成されている。
具体的には、表示記憶部43には、同じ情報、例えば「燃料レベル」に応じた情報画像であっても、例えば左右が反転したような背景画像が記憶されており、画面制御部41は表示することが選択された任意表示領域に対応した形状の背景画像を表示するとともに目盛りに所定の表示色を表示するように構成されている。このように、各種情報を、画面部34において表示することとなる任意表示領域53a~53dの形状に応じて異ならせ、視認性に悪影響を与えることなく、意匠性が高くなるような態様で表示することができる。
上述した実施形態においては、任意表示領域53a~53dに表示させる情報が異なっている場合について説明したが、これに限らない。画面制御部41は、任意表示領域53a~53dのすべてに同じ情報に応じた情報画像を表示させることもできるし、任意表示領域53a~53dのうち、例えば一つにのみ項目「モミレベル」に応じた情報画像を表示し、その他の任意表示領域に項目「なし」に応じた、すなわちいずれの情報に応じた情報画像も表示させないことも可能である。
また、画面制御部41は、任意表示領域53a~53dに「モミレベル」に応じた情報画像を表示するにあたって、レベルセンサー5cによって検出されたモミの貯留高に基づくモミの収量を、4の目盛りを有するバーグラフの態様によって、例えば任意表示領域53cに表示し、これと同時に、上述のように重量センサー5bによって検出された貯留部5の重量から算出したモミの収量を、10の目盛りを有するバーグラフの態様によって、例えば任意表示領域53dに表示することもできる(図19参照)。
図8に示すように、表示制御装置40は、各種情報のうち任意表示領域53a~53dに表示させる情報について選択された画面状態を複数パターン、本実施形態においては3パターンを表示記憶部43に記憶可能に構成され、画面制御部41は、表示記憶部に記憶された3パターンの画面状態のうち画面部34に表示させる画面状態を、人為的な指示に基づいて、例えば、操作具38の左ボタン38b及び右ボタン38dの短押しにより、スクロールさせて切替可能に構成されている。
3パターンの画面状態は、表示記憶部43において内部的に、例えば画面番号71、画面番号72、画面番号73のように番号づけされて区別され、各画面番号71,72,73の画面状態から設定モード80に遷移した後に、情報表示モード70に戻るときは、設定モード80に遷移する直前の画面番号71,72,73に応じた画面状態が表示される。
また、コンバイン1の起動時には、コンバイン1の停止直前に表示していた画面番号に応じた画面状態が表示される。つまり、コンバイン1の起動時に、前回コンバイン1を停止したときに、作業員が最後に見ていた画面状態が表示されるため使い勝手が良い。
ただし、コンバイン1の起動時に、コンバイン1の停止直前に表示していた画面番号に応じた画面状態が表示される構成に限らず、コンバイン1の起動時に、毎回特定の画面番号(例えば71)の画面状態が表示されるように構成されてもよい。また、コンバイン1の起動時に、コンバイン1の停止直前に表示していた画面番号に応じた画面状態を表示するか、特定の画面番号に対応する画面状態を表示するかを選択して設定可能に構成されていてもよい。
図9に示すように、設定モード80においては、設定についての項目がグループ化され、作業タブ81、メータータブ82、及びPFタブ83に分けられて表示される。
作業タブ81においては、メンテナンス時期、警報履歴、及びユーザの各項目が選択できる。項目「ユーザ」においては、複数の、例えば6名のユーザの登録及びその切替が可能である。項目「警報履歴」においては、所定数、例えば直近の七つの履歴の記憶及びその表示が可能である。なお、報知情報は、作業員が確認できるカテゴリと、確認できないカテゴリとに分けてもよい。
メータータブ82においては、盗難防止、昼/夜モード、輝度調整、時計、言語、及びカメラ表示の各項目が選択できる。
また、PFタブ83においては、以下に説明するとおり、収量測定履歴、作業開始、燃料消費量リセット、こく粒重量警報、収量センサー0点補正、及びタンパク表示の各項目が選択できる。
項目「収量測定履歴」においては、直近に消去した、こく粒重量や、乾燥重量が表示される。収量測定をリセットしても、収量測定履歴において、リセット前の収量測定を確認することができる。
項目「作業開始」においては、作業員は、食味・収量の積算値のリセットをするか否かを決定可能である。食味・収量の積算値をリセットし、新たに食味・収量の積算値の計測を開始させることが、任意のタイミングで、例えば圃場ごとに、決定可能である。
項目「燃料消費量リセット」においては、作業員は、燃料の消費量のリセットをするか否かを決定可能である。燃料の消費量をリセットし、新たに燃料の消費量の計測を開始させることが、任意のタイミングで、例えば一日ごとに、決定可能である。
項目「こく粒重量警報」においては、作業員は、こく粒重量の閾値と、この閾値を越えたときに警報を表示するか否かを決定可能である。
項目「収量センサー0点補正」においては、作業員は、モミの収量を検出する収量センサー、すなわち重量センサー5b及びレベルセンサー5cの0点を補正するか否かを決定可能である。
項目「タンパク表示」においては、作業員は、乾基準表示か水分換算表示かを切替可能であるとともに、水分換算表示をする際の水分換算値を変更可能である。なお、図9のPFタブ83においては、項目「タンパク表示」が選択されている状態が示されている。
食味センサー5aによって、貯留部5に貯留されているモミの水分・タンパクの含有率が検出されるのであるが、タンパク質の含有率の表示にあたって、乾基準表示においては、水分を除いたこく粒全体のタンパク質含有率が表示され、水分換算表示においては、任意で設定した水分を含めたこく粒全体のタンパク質の含有率が表示される。
なお、画面部34において任意表示領域53aに「食味・収量(統計)」に応じた選択情報画像を表示させることを設定したときの項目である「平均タンパク……(%)」や、「食味・収量」や「食味」に応じた選択情報画像を表示させることを設定したときの項目である「タンパク……(%)」の値は、乾基準表示か水分換算表示かの選択に応じてそれぞれ算出されて表示される。
ところで、PFタブ83における項目「収量測定履歴」、「作業開始」、「燃料消費量リセット」、「こく粒重量警報」については、刈り取り作業中において時折表示させたいことがある。しかし、PFタブ83は、まず、設定ボタン38fの短押しによって設定モード80に遷移して作業タブ81を表示させ、次いで右ボタン38dの短押しによってメータータブ82を経てようやく表示される。
このような複数回の操作は煩雑であるため、確定ボタン38eの長押しが操作入力部44に受け付けられると、画面制御部41は、該操作を短押しのような確定の指示としてではなく、情報表示モード70から特定モード84への遷移の指示として処理する。つまり、画面制御部41は、確定ボタン38eに対する、通常の操作である短押しとは異なる特定の操作である長押しによって、画面部34に、短押しでは表示させることができない特定の表示である特定モード84による表示をさせるように構成されている。
特定モード84におけるPFタブ85においては、図20に示すように、設定モード80におけるPFタブ83に表示された6項目のうち、「収量測定履歴」、「作業開始」、「燃料消費量リセット」、「こく粒重量警報」の4項目のみが表示される。
特定モード84であるときに、確定ボタン38eの長押しが操作入力部44に受け付けられると、画面制御部41は、特定モード84を終了し、画面部34に情報表示モード70を表示する。
なお、特定モード84におけるPFタブ85においては、予め「収量測定履歴」、「作業開始」、「燃料消費量リセット」、「こく粒重量警報」の4項目が表示されるように設定されている構成に限らず、作業員がPFタブ85に表示する項目を任意に設定することができるように構成されていてもよい。その際、設定できる項目は、PFタブ83中の項目に限らず、作業タブ81及びメータータブ82中の各項目から選択可能に構成されてもよい。その際、表示制御装置40は、ユーザごとに、特定モード84においてPFタブ85に表示させる項目の設定を記憶することができるように構成されていてもよい。
本実施形態においては、コンバイン1が、モミの水分・タンパクの含有率を検出する食味センサー5a(図4参照)、貯留部5に貯留されているモミの重量を検出可能な重量センサー5b(図4参照)を備える構成であるため、画面制御部41は、設定モード80においてPFタブ83を表示する。コンバイン1が食味センサー5aや重量センサー5bを備えていない構成である場合は、表示制御装置40は、設定モード80においてPFタブ83を表示しない。このとき、表示制御装置40は、作業タブ81及びメータータブ82の幅を、PFタブ83を伴って表示されるときに比べて広くするように構成されている。
〔サブ領域〕
図2に示すように、サブ領域51は、メイン領域50にくらべて狭いスペースとなっている。サブ領域51に表示される情報には、運転時間、日時、GPS測位状態、及び各種報知情報等が含まれる。
メイン領域50の右下の隅に表示される、機体に備えられた無線受信部24の電波受信強度を示すアンテナマークの近くに表示されることから、電波受信強度とGPS測位状態とを容易に把握することができる。
画面制御部41は、サブ領域51のうち左端に運転時間(積算値)を表示し、右端に日時を表示し、日時の表示のすぐ左にGPS測位状態を表示する。
GPS測位状態は、アイコンによって表示される。該アイコンは、コンバイン1に備えられているGPS受信部25がGPS信号を受信しているGPS衛星数に応じて表示色が異ならされ、例えば、GPS信号を未受信であるときは灰色、GPS衛星数が1基又は2基のときは赤色、GPS衛星数が3基又は4基であるときは黄色、GPS衛星数が5基であるときは緑色に表示される。これにより作業員はGPS測位状態の把握が容易である。
画面制御部41は、運転時間の表示の右に、後述するように各種報知情報等を文字の態様による簡易画像によって表示する。また、各種報知情報等をアイコンによっても表示可能であり、このような警報に応じた情報としては、尿素SCRシステムに関する異常が例示できる。画面制御部41は、該異常が発生しているときは、サブ領域51のうちGPS測位状態を示すアイコンの表示の左に、該異常に応じたアイコンを表示する。
コンバイン1が、GPS受信部25を備えていない場合は、画面制御部41は、GPS測位状態に係るアイコンは表示しない(例えば、図19参照)。したがって、画面制御部41は、該異常が発生しているときは、サブ領域51のうち日時の表示の左に、該異常に応じたアイコンを表示する。
〔報知情報〕
画面制御部41は、画面部34に上述のような情報画像の他に、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業に関して報知すべき報知情報に応じた報知画像を表示可能に構成されている。
報知情報は、複数のカテゴリ、例えば異常情報、警報情報、自己診断情報、及び指示情報に分類され、さらに、各カテゴリごとに重要度の高低が設定されている。表示制御装置40は、機体制御装置20からこれらの報知情報を取得する。
画面制御部41は、各カテゴリごとに、詳細画像を異なる態様、例えば表示する画像の大きさ、色等を異ならせることによって画面部34に表示するように構成されている。
異常情報、警報情報、自己診断情報、及び指示情報は、この順に重要度の高低が設定され、画面制御部41は、重要度が相対的に高いカテゴリに属する報知情報に応じた報知画像がメイン領域50に表示されているときには、重要度が相対的に低いカテゴリに属する報知情報に応じた報知画像は表示しない。重要度が高い報知情報ほどそれに応じた報知画像を早めに表示することによって、作業員は重要度が高い報知情報ほど早くに内容を確認することができる。また、報知する情報によっては、標識配設部37において対応する標識の点灯が同時に行われる。
〔異常情報〕
異常情報に分類される情報としては、エンジンを停止させることとなった原因を作業員に報知する必要のある情報が含まれ、例えば刈取部2において刈取対象物が詰まってしまったことを報知する「刈取詰まり」情報、操縦部9においてエンジン停止スイッチが押されたことを報知する「エンジン停止スイッチ」情報等が含まれる。
図10に示すように、画面制御部41は、「刈取詰まり」が発生したときは、「刈取詰まり」情報に応じた異常情報画像60を、少なくとも該異常の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されている。
この異常情報画像60には、報知情報を表すタイトル「刈取詰まり」と、その具体的な内容とが含まれる。さらに、具体的な内容に、報知情報に関するイラストと、該報知情報を報知することとなった事象についてのコメント「刈取部の供給搬送部にわらが詰まっています。供給搬送部のわらを取り除いてください。」とが含まれる。このようにタイトル及びその具体的な内容を用いた異常情報画像60を詳細画像という。
作業員は、詳細画像に含まれるタイトル及びその具体的な内容により、その報知情報を容易に確認することができる。そして、報知情報に関するイラストと報知情報を報知することとなった事象についてのコメントとを参照することにより、その原因となった事象に的確に対処することができる。
〔警報情報〕
警報情報に分類される情報としては、適切な作業が不可能であることを作業員に報知する必要のある情報が含まれ、例えばモミが満杯になっていることを報知する「もみ」情報、シーブケース上のこく粒が多くなっていることを報知する「シーブ」情報、燃料が少なくなっていることを報知する「燃料給油」情報、尿素SCRシステムの異常を報知する「SCRシステム異常」情報、尿素水の品質異常を報知する「尿素水品質異常」情報等が含まれる。
〔重度警報情報〕
警報情報のうち「燃料給油」情報、「SCRシステム異常」情報、「尿素水品質異常」情報等は、このような状態が報知されることになると、コンバイン1の走行に支障があることから、重度の警報情報に分類される。
図11に示すように、画面制御部41は、例えば、燃料センサー7cからの信号によって燃料の残量が少なくなっていることを検出したときは、「燃料給油」情報に応じた報知画像としての重度警報情報画像61を画面部34に表示するように構成されている。この重度警報情報画像61は、異常情報に応じた異常情報画像60よりは小さいものの、少なくとも該報知の原因が解消するまで、情報表示モード70における情報画像に重なるように画面部34に表示される。なお、画面制御部41は重度警報情報画像61を、少なくとも該報知の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されていてもよい。
この重度警報情報画像61には、報知情報を表すタイトル「燃料給油」と、その具体的な内容とが含まれる。さらに、具体的な内容に、報知情報に関するイラストと、該報知情報を報知することとなった事象についてのコメント「燃料が少なくなっています。エンジンを停止し、燃料を給油してください。」とが含まれる。なお、このような態様による警報画面も詳細画像という。
〔軽度警報情報〕
上記重度の警報情報に対して、警報情報のうち、「もみ」情報や「シーブ」情報は、これらを報知するような状態となっても、コンバイン1の走行には支障がないことから、軽度の警報情報に分類される。
図12に示すように、画面制御部41は、収量センサー、例えば重量センサー5bからの信号に基づいて貯留部5に貯留されているモミが満杯になっていると判断したときは、「もみ」情報に応じた報知画像としての軽度警報情報画像62を画面部34に表示するように構成されている。この軽度警報情報画像62は、画面部34に、重度の警報情報に応じた重度警報情報画像61と同じ大きさで表示される。なお、画面制御部41は軽度警報情報画像62を、少なくとも該報知の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されていてもよい。
この軽度警報情報画像62には、報知情報を表すタイトル「もみ」と、その具体的な内容とが含まれる。さらに、具体的な内容に、報知情報に関するイラストと、該報知情報を報知することとなった事象についてのコメント「もみが満杯です。作業を停止し、モミを排出してください。」とが含まれる。なお、このような態様による軽度警報情報画像62も詳細画像という。
少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業に関して報知すべき事象が発生したときに、その報知すべき内容を詳細に表した詳細画像がメイン領域50に表示されるため、作業員は容易にその内容を確認することができる。
画面制御部41は、作業員による操作部33の人為的な操作、例えば操作具38の下ボタン38cが短押しされると、画面部34に表示した軽度警報情報画像62を非表示とすることができるように構成されている。画面制御部41は、該操作に応じて、サブ領域51に、報知すべき内容を簡易に表した簡易画像を表示するように構成されている。例えば、報知情報として「もみ」情報が存在するときに、操作具38の下ボタン38cが短押しされると、メイン領域50に表示されていた「もみ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「もみ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。
なお、このときメイン領域50には情報画像が表示される。
作業員は、該詳細画像の内容を確認した後は、その表示を終了させて、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての設定又は状態に関する各種情報に応じた情報画像をメイン領域50に再び表示させる。なお、報知すべき事象の内容を簡易に表示した簡易画像がサブ領域51に表示されるため、運転や作業を継続しながらも、報知すべき事象の内容を確認することができる。
また、画面制御部41は、サブ領域51に簡易画像として、「もみ」の文言を表示しているときに、人為的な表示切替指示に基づいて、例えば操作具38の上ボタン38aを短押しすることによって、メイン領域50に表示していた情報画像に代えて軽度警報情報画像62の詳細画像、すなわち軽度警報情報画像62を表すタイトル「もみ」と、その具体的な内容とを再び表示する。その際、サブ領域51に表示している「もみ」の文言を非表示とするため表示が冗長とならない。
以上のように、画面制御部41は、軽度の警報情報が存在するときに、操作具38の操作に応じて、メイン領域50に詳細情報の態様で表示したり、サブ領域51に簡易情報の態様で表示したりすることができる。
さらに、画面制御部41は、特に、軽度の警報情報に分類される報知情報が複数存在するときに、メイン領域50に複数の報知情報のそれぞれに応じた複数の詳細画像を表示するにあたり、操作具38の人為的な表示切替指示に基づいて、複数の詳細画像を順次切り替えて表示可能に構成されている。
例えば、図13に示すように、報知情報として、「もみ」情報と「シーブ」情報とが存在するときに、画面部34のメイン領域50には、「もみ」情報に応じた軽度警報情報画像62が表示されている。ここで、操作具38の左ボタン38b又は右ボタン38dが短押しされると、「シーブ」情報に応じた軽度警報情報画像63が切替表示される。なお、報知情報には優先度が設定され、優先度に応じて昇順又は降順により表示される。
また、画面制御部41は、作業員による操作部33の人為的な操作、例えば操作具38の下ボタン38cの短押しの度に、表示されている軽度警報情報画像62,63を、メイン領域50における表示から、サブ領域51における簡易画像として表示に切り替える。
上述と同様に、図13に示すように、報知情報として、「もみ」情報と「シーブ」情報とが存在するときに、画面部34には、「もみ」情報に応じた軽度警報情報画像62が表示されている。ここで、操作具38の下ボタン38cが短押しされると、メイン領域50に表示されていた「もみ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「もみ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。なお、このときメイン領域50には「シーブ」情報に応じた軽度警報情報画像63の詳細画像が切替表示される。
ここで、さらに、操作具38の下ボタン38cが短押しされると、メイン領域50に表示されていた「シーブ」情報に応じた軽度警報情報画像62の詳細画像が非表示となり、該詳細画像におけるタイトル「シーブ」も、サブ領域51に簡易画像として表示される。
なお、このときメイン領域50には情報画像が表示される。
画面制御部41は、報知情報が複数存在するときに、例えば、報知情報として、「もみ」情報と「シーブ」情報とが存在するときに、サブ領域51に複数の報知情報のそれぞれに応じた複数の簡易画像を表示するにあたり、人為的な表示切替指示、例えば操作具38の左ボタン38b又は右ボタン38dの短押しに基づいて、複数の簡易画像、すなわち、「もみ」情報に応じた簡易画像と「シーブ」情報に応じた簡易画像とを順次切り替えて表示可能に構成されている。
また、画面制御部41は、サブ領域51に簡易画像として、「もみ」又は「シーブ」の文言を表示しているときに、人為的な表示切替指示に基づいて、例えば操作具38の上ボタン38aを短押しすることによって、メイン領域50に表示していた情報画像に代えて軽度警報情報画像62の詳細画像、すなわち報知情報を表すタイトル「もみ」と、その具体的な内容とを表示するとともに、サブ領域51に表示している「もみ」又は「シーブ」の文言を非表示とする。メイン領域50においては、操作具38の左ボタン38b又は右ボタン38dが短押しされると、「シーブ」情報に応じた軽度警報情報画像63が軽度警報情報画像62に代えて表示される。
上述のように画面制御部41は、報知情報が複数存在するときであっても、操作具38の操作に応じて、メイン領域50に詳細情報の態様で表示したり、サブ領域51に簡易情報の態様で表示したりすることができる。
〔自己診断情報〕
自己診断情報に分類される報知情報としては、コンバイン1の機体の状態が正常でなくメンテナンスが必要であることを作業員に報知する必要のある情報が含まれ、例えばアンローダ(排出部6)の旋回センサー6a(図4参照)の微調整が行われていないことを報知する「アンローダ」情報、主変速レバー14のセンサー信号に異常が発生しているために、エンジンの始動ができないことを報知する「主変速レバー」情報等が含まれる。
図14に示すように、画面制御部41は、旋回センサー6aからの信号を検出したときは、例えば「アンローダ」情報に応じた報知画像としての自己診断情報画像64を画面部34に表示するように構成されている。このときの自己診断情報画像64は、画面部34には、上述した軽度の警報情報に応じた軽度警報情報画像62,63と同様に、情報表示モード70における情報画像に重なるように画面部34に表示される。なお、画面制御部41は自己診断情報画像64を、少なくとも該報知の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されていてもよい。
なお、操作具38を操作したときの挙動や、自己診断情報に分類される報知情報が複数存在するときの挙動は、上述した軽度警報についての挙動と同様である。
図15に示すように、画面制御部41は、軽度の警報情報である「もみ」情報と、「シーブ」情報と、自己診断情報である「アンローダ」情報とが混在するときに、まず、メイン領域50に「もみ」情報に応じた軽度警報情報画像62を表示する。操作具38の下ボタン38cが短押しされると、メイン領域50に表示されていた「もみ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「もみ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。そして、メイン領域50に「シーブ」情報に応じた詳細画面としての軽度警報情報画像63が切替表示される。操作具38の下ボタン38cが短押しされると、メイン領域50に表示されていた「シーブ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「シーブ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。そしてようやく、メイン領域50に「アンローダ」情報に応じた詳細画面としての自己診断情報画像64が切替表示される。さらに、操作具38の下ボタン38cが短押しされると、メイン領域50に表示されていた「アンローダ」情報に応じた詳細画像が非表示となり、詳細画像におけるタイトル「アンローダ」が、サブ領域51に簡易画像として表示される。
このように、画面制御部41は、軽度の警報情報と、自己診断情報とが混在するときには、軽度の警報情報のほうが自己診断情報よりも重要度が高いことから、軽度の警報情報に応じた軽度警報情報画像62のすべてをサブ領域51における簡易画像としての表示に切り替えないかぎり、自己診断情報に応じた自己診断情報画像64をメイン領域50に表示させない。
なお、画面制御部41は、サブ領域51に簡易画像として、「もみ」、「シーブ」又は「アンローダ」の文言を表示しているときに、人為的な表示切替指示に基づいて、例えば操作具38の上ボタン38aを短押しすることによって、メイン領域50に表示していた情報画像に代えて軽度警報情報画像62の詳細画像、すなわち報知情報を表すタイトル「もみ」と、その具体的な内容とを表示するとともに、サブ領域51に表示している「もみ」、「シーブ」及び「アンローダ」の文言を非表示とする。
〔指示情報〕
指示情報に分類される情報としては、適切な作業を可能とするために作業員に報知する必要のある情報が含まれ、例えば駐車ブレーキが掛かったままになっていることを報知する「駐車ブレーキ」情報、脱穀部3においてこぎ胴のカバーが適切に閉じられていないことを報知する「こぎ胴」情報等が含まれる。
図16に示すように、画面制御部41は、ブレーキセンサー1bからの信号を検出したときは、「駐車ブレーキ」情報に応じた報知画像としての指示情報画像65を画面部34に表示するように構成されている。この指示情報画像65は、異常情報に応じた異常情報画像60よりは小さいものの、少なくとも該報知の原因が解消するまで、情報表示モード70における情報画像に重なるように画面部34に表示される。なお、画面制御部41は指示情報画像を66を、少なくとも該報知の原因が解消するまで、画面部34の全領域に表示するように構成されていてもよい。
〔カメラ画像モード〕
さらに、画面制御部41は、例えば図2を用いて説明したような、情報表示モード70と、図17に示すような、画面部34にカメラ画像領域が含まれるカメラ画像モード90と有するように構成されている。
コンバイン1を後進させる操作、すなわち主変速レバー14が後方に揺動操作されると、これに連動して画面制御部41は、画面部34の表示を情報表示モード70からカメラ画像モード90による表示へと切り替える。したがって、作業員が該切り替えのための作業をする必要がない。
カメラ画像モード90においては、画面部34の中央のカメラ画像領域54には、カメラ8が撮影した撮影画像が表示され、カメラ画像領域54の左方の特定状態情報領域55に、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての特定の状態に関する特定状態情報として、エンジンの回転速度に応じた情報画像が表示され、カメラ画像領域54の右方の特定状態情報領域56に、少なくともコンバイン1の機体又はコンバイン1による作業についての特定の状態に関する特定状態情報として、モミレベルに応じた情報画像が表示される。これらの情報は、コンバイン1が後進中であっても、作業員が常にそれらの状態を確認することが好ましい情報であるため、カメラ画像モード90においても表示されるのである。
図17に示されるように、特定状態情報領域55には、エンジンの回転速度が、単位目盛りが円弧状に配置された目盛り盤領域と、エンジンの回転速度に応じて目盛り盤領域の中心を回転軸として回転し、回転速度に応じた値をさす指針とから構成されたタコメータによって表示される。なお、カメラ画像モード90におけるタコメータは、情報表示モード70において固定表示領域52に示されるタコメータよりも、目盛り盤領域の曲率半径が大きい。
図17に示されるように、特定状態情報領域56には、モミレベルが、モミレベルを示すアイコンと、上下方向に沿って単位目盛りが配置され、モミレベルに応じて単位目盛り間に所定のサイズかつ所定の表示色を表示させるように構成された、少し湾曲したバーグラフによって表示される。その際、目盛りの数は情報表示モード70におけるモミレベルの表示と同じ、したがって目盛りの数は10であり、そのうち二つが閾値レベルとして設定されている。
なお、カメラ画像モード90におけるバーグラフは、情報表示モード70において任意表示領域53a~53dに示されるモミレベルに応じたバーグラフよりも、単位目盛りの曲率半径が大きい。また、画面制御部41は、カメラ画像モード90においても、情報表示モード70における目盛りの数と同様に、刈取対象物の種別に応じて、異ならせることができるように構成されている。
情報モードにおいては、エンジンの回転速度やモミレベルに応じた情報画像を表示する領域を大きく確保することによって、視認性を高める態様によって表示することができる。一方、カメラ画像モード90においては、カメラが撮影した撮影画像を表示する領域を十分に確保した上で、それ以外の領域にエンジンの回転速度やモミレベルに応じた情報画像を表示することによって、最低限の視認性を維持しながらも、カメラが撮影した撮影画像を表示することができる。
上述した実施形態においては、本発明に係る表示装置30が、作業機としての自脱型のコンバイン1に備えられた場合について説明したが、図18に示すように、本発明に係る表示装置30は、作業機としての普通型のコンバイン1に備えられてもよい。なお、図18に示された普通型のコンバイン1について、図1に示された自脱型のコンバイン1における各部と対応する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
上述した実施形態においては、表示装置30が設けられるコンバイン1にモミの収量を検出する検出手段である収量センサーとして重量センサー5b及びレベルセンサー5cが備えられている場合について説明したが、表示装置30が設けられるコンバイン1に重量センサー5bが備えられていない場合は、レベルセンサー5cによる検出結果のみが表示可能である。このような場合は、画面制御部41は、「モミレベル」に応じた選択情報画像を、例えば4の目盛りを有するバーグラフのみを用いて、結果を大まかに表示する。
また、作業機が自脱型のコンバイン1である場合においては、表示装置30は、表示装置30は、運転席10の中央前方に配置されていたが、作業機が普通型のコンバインである場合においては、表示装置30は、運転席10の左前方に配置されている。
なお、図10から図16におけるコンバイン1を左前方から見たイラストは例示でありこれに限らない。実際には警報等の内容に応じて、コンバイン1を、例えば後方より見たイラストや、コンバイン1の要部を拡大したイラストに、報知情報を報知することとなった事象が発生している箇所に対応する部分を着色したり、印を付加したりすることにより、その箇所の把握が容易となるように構成されている。また、表示装置30は、これが設けられる作業機に応じた画像を表示する。したがって、作業機が普通型のコンバインである場合は、普通型のコンバインのイラストが表示される。
また、本発明に係る表示装置30は、作業機としてのコンバイン1に限らず、トラクタやバックフォー等の作業機に備えられてもよい。
上述した実施形態は、いずれも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能である。